説明

露光装置及び画像形成装置

【課題】露光装置を小型化することができ、基板を支持部材に組み付ける作業を簡素化することができるようにする。
【解決手段】発光素子アレイが搭載された基板33と、前記発光素子アレイから放射される光を収束させる収束レンズと、前記基板33及び収束レンズを支持する支持部材と、前記基板33を前記支持部材に形成された基板当接面S1に押し付けるためのベース35とを有する。該ベース35は、ベース35に形成された第1の係止部と、前記支持部材の内壁に形成された第2の係止部とを係止させることによって支持部材に対して組み付けられる。ベース35は、第1の係止部と、第2の係止部とを係止させることによって支持部材に対して組み付けられるので、クランプを使用する必要がない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置、例えば、プリンタにおいては、感光体ドラムの表面が、帯電ローラによって帯電させられ、露光装置としてのLED(Light Emitting Diode)ヘッドによって露光されて静電潜像が形成され、該静電潜像に現像ローラ上で薄層化されたトナーが静電的に付着させられてトナー像が形成され、該トナー像が転写ローラによって記録媒体上に転写されて画像が形成されるようになっている。また、転写後に前記感光体ドラム上に残留したトナーは、クリーニング装置によって除去される。
【0003】
図2は従来のLEDヘッドの斜視図、図3は従来のLEDヘッドの配設状態を示す断面図である。
【0004】
図において、13は感光体ドラム、32は収束性を有するロッドレンズアレイ、33は基板、31は該基板33上に一列に並べて搭載された複数個のLEDアレイチップである。該各LEDアレイチップ31から放射された光が前記ロッドレンズアレイ32を通過して収束させられ、結像位置に配設された前記感光体ドラム13を露光することによって静電潜像が形成される。
【0005】
前記基板33を支持部材としてのレンズアレイホルダ34に組み付けるに当たり、前記基板33を、ロッドレンズアレイ32が取り付けられたレンズアレイホルダ34に内に挿入し、該レンズアレイホルダ34に形成された基板当接面S1上に前記基板33の両縁を当て、金属によって形成されたベース50を基板33の上に重ね、複数のクランプ38によってベース50を介して基板33を前記基板当接面S1に押し付けるようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平7−115511号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来のLEDヘッドにおいては、前記各クランプ38がレンズアレイホルダ34の外側に突出するので、LEDヘッドが大型化してしまう。また、ベース50を介して基板33を前記基板当接面S1に押し付ける必要があるので、基板33をレンズアレイホルダ34に組み付ける作業が煩雑になってしまう。
【0007】
本発明は、前記従来のプリンタの問題点を解決して、小型化することができ、基板を支持部材に組み付ける作業を簡素化することができる露光装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのために、本発明の露光装置においては、発光素子アレイが搭載された基板と、前記発光素子アレイから放射される光を収束させる収束レンズと、前記基板及び収束レンズを支持する支持部材と、前記基板を前記支持部材に形成された基板当接面に押し付けるためのベースとを有する。
【0009】
そして、該ベースは、ベースに形成された第1の係止部と、前記支持部材の内壁に形成された第2の係止部とを係止させることによって支持部材に対して組み付けられる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、露光装置においては、発光素子アレイが搭載された基板と、前記発光素子アレイから放射される光を収束させる収束レンズと、前記基板及び収束レンズを支持する支持部材と、前記基板を前記支持部材に形成された基板当接面に押し付けるためのベースとを有する。
【0011】
そして、該ベースは、ベースに形成された第1の係止部と、前記支持部材の内壁に形成された第2の係止部とを係止させることによって支持部材に対して組み付けられる。
【0012】
この場合、ベースは、ベースに形成された第1の係止部と、前記支持部材の内壁に形成された第2の係止部とを係止させることによって支持部材に対して組み付けられるので、クランプを使用する必要がない。したがって、クランプがレンズアレイホルダ34の外側面より突出しないので、露光装置を小型化することができる。
【0013】
また、ベースによって基板を直接基板当接面に押し付けることができるので、基板を支持部材に組み付ける作業を簡素化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのプリンタについて説明する。
【0015】
図4は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概略図である。
【0016】
図に示されるように、プリンタ11には、四つの独立した画像形成部を構成する画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12Cが媒体としての用紙の挿入側から排出側にかけて配設され、各画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12Cは、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色の画像を形成する。なお、前記媒体として、用紙のほかに、OHP用紙、封筒、複写紙、特殊紙等を使用することができる。
【0017】
前記各画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12Cは、像担持体としての感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13C、該各感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13Cの表面を一様に帯電させる帯電装置としての帯電ローラ14Bk、14Y、14M、14C、前記各感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13Cの表面に形成された静電潜像に現像剤としての図示されないトナーを付着させ、可視像である各色のトナー像を形成する現像剤担持体としての現像ローラ16Bk、16Y、16M、16C等を有する。また、該各現像ローラ16Bk、16Y、16M、16Cに圧接させて現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ18Bk、18Y、18M、18Cが配設され、該各トナー供給ローラ18Bk、18Y、18M、18Cは、トナーカートリッジ20Bk、20Y、20M、20Cから供給されたトナーを前記現像ローラ16Bk、16Y、16M、16Cに供給する。そして、該現像ローラ16Bk、16Y、16M、16Cに現像ブレード19Bk、19Y、19M、19Cが圧接させられ、該現像ブレード19Bk、19Y、19M、19Cは、現像ローラ16Bk、16Y、16M、16C上において、前記トナー供給ローラ18Bk、18Y、18M、18Cから供給されたトナーを薄層化する。
【0018】
また、前記画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12Cにおける感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13Cより上方には、露光装置としてのLEDヘッド15Bk、15Y、15M、15Cが感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13Cと対向させて配設され、各LEDヘッド15Bk、15Y、15M、15Cは、各色の画像データに基づいて感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13Cを露光し、静電潜像を形成する。そして、前記画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12Cにおける感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13Cより下方には、転写ユニットが配設される。該転写ユニットは、矢印e方向に走行自在に配設された搬送部材としての搬送ベルト21、及び該搬送ベルト21を介して各感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13Cと対向させて配設され、用紙をトナーと逆の極性に帯電させ、各色のトナー像を用紙に転写する転写部材としての転写ローラ17Bk、17Y、17M、17Cを備える。
【0019】
前記プリンタ11の下部には、搬送路に用紙を供給するための給紙機構が配設され、該給紙機構は、ホッピングローラ22、レジストローラ23、媒体収容部としての用紙収容カセット24等を備える。該用紙収容カセット24内の用紙は、ホッピングローラ22によって一枚ずつ繰り出され、レジストローラ23に送られる。続いて、用紙は、レジストローラ23から前記搬送ベルト21に送られ、該搬送ベルト21が走行させられるのに伴って搬送され、各画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12Cにおいて、転写ローラ17Bk、17Y、17M、17Cによって各色のトナー像が用紙に転写され、カラーのトナー像が形成される。そして、カラーのトナー像が形成された用紙は、定着器28に送られ、該定着器28においてカラーのトナー像が用紙に定着されられ、カラー画像が形成される。
【0020】
次に、前記構成の感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13CとLEDヘッド15Bk、15Y、15M、15Cとの関係について説明する。なお、各画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12Cにおける感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13CとLEDヘッド15Bk、15Y、15M、15Cとの関係は、いずれも同じであるので、感光体ドラム13BkとLEDヘッド15Bkとの関係についてだけ説明する。
【0021】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるLEDヘッドの配設状態を示す縦断面図、図5は本発明の第1の実施の形態におけるLEDヘッドの配設状態を示す横断面図である。
【0022】
図において、13Bkは感光体ドラム、15Bkは感光体ドラム13Bkと対向させて配設されたLEDヘッド、31は感光体ドラム13Bkと対向させて配設され、複数の発光素子としてのLEDから成る発光素子アレイとしてのLEDアレイチップ、32は該LEDアレイチップ31と感光体ドラム13Bkとの間に配設され、収束性を有し、各LEDから放射される光を収束させる収束レンズとしてのロッドレンズアレイ、33は複数のチップから成るLEDアレイチップ31、及び該LEDアレイチップ31の制御を行うための図示されないドライバICが搭載された基板、34はロッドレンズアレイ32及び基板33を支持する支持部材としてのレンズアレイホルダであり、該レンズアレイホルダ34は、アルミニウム材料を型に流し込んで製造されたダイカスト品である。
【0023】
前記レンズアレイホルダ34内には、下方から上方に貫通させて空間が形成され、該空間はロッドレンズアレイ32を収容する第1の領域R1、該第1の領域R1の上方に、第1の領域R1と連通させて形成された第2の領域R2、及び該第2の領域R2の上方に、第2の領域R2と連通させて形成された第3の領域R3から成る。該第3の領域R3は、第2の領域R2より幅が広く、第2の領域R2の内周面には、二つの段差が形成され、該各段差の上面に基板当接面S1が形成される。
【0024】
前記レンズアレイ32は、第1の領域R1内に配設されて、レンズアレイホルダ34に固着された後、光及び異物の進入を防止するために、レンズアレイホルダ34との間隙がシリコン剤41によって封止される。
【0025】
また、35は、レンズアレイホルダ34内において、前記基板33をレンズアレイホルダ34の基板当接面S1に押し付けるための押圧部材としてのベースであり、弾性及び可撓性を有する材料、例えば、熱可塑性を有する樹脂によって形成される。該樹脂として、本実施の形態においては、ガラス繊維で強化したポリアミドから成る汎用エンジニアリングプラスチックが使用される。したがって、ベース35の耐熱性、荷重撓み温度特性等を高くすることができ、長期間安定して弾性力を維持することができる。
【0026】
ところで、前記感光体ドラム13Bk上に正確に光を結像させるためには、LEDアレイチップ31の表面と、レンズアレイ32において光が入射される端面、すなわち、入射端面との間の距離(LEDアレイチップ31とロッドレンズアレイ32との間隔)をL11とし、レンズアレイ32において光が出射される端面、すなわち、出射端面と感光体ドラム13Bkの表面との間の距離(レンズアレイ32と感光体ドラム13Bkとの間隔)をL12としたとき、
L11=L12
になるように距離L12を調整する必要がある。
【0027】
そのために、レンズアレイホルダ34の長さ方向の端部付近に、調整機構としての偏心カム機構42、43が配設され、該各偏心カム機構42、43と、感光体ドラム13Bkの表面上に配設されたスペーサ38a、38bとがそれぞれ当接させられる。
【0028】
なお、ベース35の両端部には付勢部材としてのコイルばね37が配設され、該各コイルばね37は、LEDヘッド15Bkを感光体ドラム13Bkの方向に付勢し、スペーサ38a、38bの当接面に偏心カム機構42、43を当接させ、前記距離L12を一定に保つ。なお、前記偏心カム機構42、43は、カム本体を回転させることによって、前記スペーサ38a、38bに対するレンズアレイホルダ34の位置を調整する。
【0029】
図6は本発明の第1の実施の形態のおけるLEDヘッドの分解斜視図、図7は本発明の第1の実施の形態におけるLEDヘッドの要部を示す分解斜視図、図8は本発明の第1の実施の形態におけるLEDヘッドの分解断面図、図9は本発明の第1の実施の形態におけるベースの取付方法を示す斜視図、図10は本発明の第1の実施の形態におけるレンズアレイホルダの要部を示す断面図である。
【0030】
図に示されるように、ベース35の幅方向の縁部(両縁)には、長さ方向における複数箇所に、第1の係止部としての、所定の形状の、本実施の形態においては、円弧状の突起部35aが、幅方向外方に向けて突出させて形成され、該突起部35aの下部には案内部としての面取り部35cが形成され、前記突起部35aの幅方向内方には、幅L3のスリット35bが、突起部35aの両側にわたって所定の長さで形成される。また、前記突起部35aの両側には、スリット35bの外側に、付勢部としての、かつ、可撓部としての細いブリッジ部aが形成される。突起部35aに両側から矢印Pa方向に力が加わると、各ブリッジ部aが幅方向の内方に向けて撓み、スリット35bの幅L3が小さくされ、スリット35bの両端面間が当接させられる。
【0031】
そして、前記突起部35aの各先端間の距離L2はレンズアレイホルダ34の内壁間の距離L1より大きく、
L2>L1
にされる。また、各ブリッジ部aを所定の量撓ませたときの前記突起部35aの各先端間の距離L2´は前記距離L1よりわずかに小さくされる。
【0032】
そして、ベース35をレンズアレイホルダ34に対して組み付けるために、レンズアレイホルダ34の内壁におけるベース35に形成された各突起部35aと対応する位置に、第2の係止部としての、突起部35aと対応する形状の、本実施の形態においては、円弧状の溝34bが形成され、該溝34bは、突起部35aの円弧よりわずかに大きく設定され、溝34bの各底部間の距離L6は、前記距離L2よりも大きく、
L6>L2
にされる。
【0033】
ところで、前記各基板当接面S1は前記溝34bより下方に形成されるが、各基板当接面S1上に基板33を載置したとき、基板33の上面は溝34bの下端より上方に位置させられる。そして、前記基板当接面S1上に基板33を載置したとき、基板33の上面から溝34bの上端までの距離をL8とし、ベース35の厚さをL4とすると、該厚さL4は距離L8よりわずかに小さく、
L4<L8
にされる。
【0034】
次に、ベース35の組付け手順について説明する。
【0035】
図11は本発明の第1の実施の形態におけるベースの組付け手順を示す第1の図、図12は本発明の第1の実施の形態におけるベースの組付け手順を示す第2の図、図13は本発明の第1の実施の形態におけるベースの組付け手順を示す第3の図である。
【0036】
ベース35をレンズアレイホルダ34の領域R3内に挿入する場合、まず、図11に示されるように、前記突起部35aに形成された面取り部35cをレンズアレイホルダ34の内壁の上端のエッジ部34aに当接させ、ベース35を下方に押し込むと、エッジ部34aが突起部35aに形成された面取り部35cによって案内され、各ブリッジ部aが、それ自体が有する付勢力に抗して撓み、突起部35aは内側に変位させられる。
【0037】
そして、各突起部35a間の距離L2はレンズアレイホルダ34の内壁の幅L1よりわずかに小さいL2´(図9)となり、図12に示されるように、突起部35aの先端をレンズアレイホルダ34の内壁面に当接させながら下方に向けて移動させることができる。このとき、幅L3が小さくされ、L3´となる。
【0038】
また、図13に示されるように、ベース35が基板33に当接すると、突起部35aがブリッジ部aの付勢力によって溝34b内に進入し、突起部35aの先端間の距離L2′はL2に復元される。このとき、突起部35aと溝34bとが係止させられるので、レンズアレイホルダ34からベース35が外れることがなくなる。
【0039】
このように、本実施の形態においては、ベース35をレンズアレイホルダ34に組み付けるに当たり、ブリッジ部aの付勢力によって、突起部35aを溝34b内に進入させ、突起部35aと溝34bとを係止させるようになっているので、クランプを使用する必要がない。したがって、クランプがレンズアレイホルダ34の外側面より突出しないので、LEDヘッドを小型化することができる。
【0040】
また、ベース35によって基板33を直接基板当接面S1(図8)に押し付けることができるので、基板33をレンズアレイホルダ34に組み付ける作業を簡素化することができる。
【0041】
ところで、本実施の形態においては、前述されたように、感光体ドラム13Bk上に正確に光を結像させるために、LEDアレイチップ31の表面とレンズアレイ32の入射端面との間の距離L11と、レンズアレイ32の出射端面と感光体ドラムBkの表面との間の距離L12とを等しくする必要がある。この場合、該距離L12は、偏心カム機構42、43によって調整することができるので、前記距離L11を常に一定に保つのが好ましい。
【0042】
ところが、本実施の形態においては、レンズアレイホルダ34の溝34bの上端の位置、ベース35の厚さL4等にばらつきがあると、基板33を基板当接面S1に安定させて押し付けることができない。
【0043】
そこで、基板33を基板当接面S1に安定させて押し付けることができるようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0044】
図14は本発明の第2の実施の形態におけるベースの要部を示す斜視図、図15は本発明の第2の実施の形態におけるベースの断面図、図16は本発明の第2の実施の形態におけるベースの組付け手順を示す第1の図、図17は本発明の第2の実施の形態におけるベースの組付け手順を示す第2の図、図18は本発明の第2の実施の形態におけるベースの組付け手順を示す第3の図である。
【0045】
図に示されるように、押圧部材としてのベース35の幅方向の端部(両縁)には、長さ方向における複数箇所に、第1の係止部としての、所定の形状の、本実施の形態においては、円弧状の突起部35aが、幅方向外方に向けて突出させて形成され、該突起部35aの下部には案内部としての面取り部35cが形成され、前記突起部35aの幅方向内方には、幅L3のスリット35bが、前記突起部35aの両側にわたって所定の長さで形成される。したがって、突起部35aの両側には、スリット35bの外側に、付勢部としての、かつ、可撓部としての細いブリッジ部aが形成される。突起部35aに両側から矢印Pa方向に力が加わると、各ブリッジ部aが幅方向の内方に向けて撓み、スリット35bの幅L3が小さくされ、スリット35bの両端面間が当接させられる。
【0046】
そして、前記突起部35aの各先端間の距離L2は支持部材としてのレンズアレイホルダ34の内壁間の距離L1より大きく、
L2>L1
にされる。また、各ブリッジ部aを所定の量撓ませたときの前記突起部35aの各先端間の距離L2´は前記距離L1よりわずかに小さくされる。
【0047】
そして、前記ブリッジ部aの下端部には、ブリッジ部a及びスリット35bとほぼ等しい長さの切欠bがブリッジ部aに沿って(各点Pc間にわたり)形成され、ブリッジ部aの下面とベース35の下面との距離はL7とされる。突起部35aに上方から矢印Pb方向に力が加わると、各ブリッジ部aが下方に向けて撓み、距離L7が短くされ、ブリッジ部aの下面とベース35の下面とが接触させられる。
【0048】
そして、ベース35をレンズアレイホルダ34に対して組み付けるために、レンズアレイホルダ34の内壁におけるベース35に形成された各突起部35aと対応する位置に、第2の係止部としての、突起部35aと対応する形状の、本実施の形態においては、円弧状の溝34b(図10)が形成され、該溝34bは、突起部35aの円弧よりもわずかに大きく設定され、溝34bの各底部間の距離L6は、前記距離L2よりも大きく、
L6>L2
にされる。
【0049】
ところで、前記各基板当接面S1は前記溝34bより下方に形成されるが、基板当接面S1上に基板33を載置したとき、基板33の上面は溝34bの下端より上方に位置させられる。そして、前記基板当接面S1上に基板33を載置したとき、基板33の上面から溝34bの上端までの距離をL8とし、ベース35の厚さをL4とすると、該厚さL4は距離L8よりわずかに大きく、
L4>L8
にされる。
【0050】
次に、ベース35の組付け手順について説明する。
【0051】
ベース35をレンズアレイホルダ34の領域R3内に挿入する場合、まず、図16に示されるように、前記突起部35aに形成された面取り部35cをレンズアレイホルダ34の内壁の上端のエッジ部34aに当接させ、ベース35を下方に押し込むと、エッジ部34aが突起部35aに形成された面取り部35cによって案内され、各ブリッジ部aが、それ自体が有する付勢力に抗して撓み、突起部35aは内側に変位させられる。
【0052】
そして、突起部35a間の距離L2はレンズアレイホルダ34の内壁の幅L1よりわずかに小さいL2´となり、図17に示されるように、突起部35aの先端をレンズアレイホルダ34の内壁面に当接させながら下方に向けて移動させることができる。このとき、幅L3が小さくされ、L3´となる。
【0053】
また、図18に示されるように、ベース35が基板33に当接すると、ベース35はその箇所で停止させられるが、前記突起部35aを更に下方に押し下げると、ブリッジ部aは下方に撓み、続いて、突起部35aがブリッジ部aの付勢力によって溝34b内に進入し、突起部35aの各先端間の距離L2′はL2に復元される。このとき、突起部35aと溝34bとが係止させられるので、レンズアレイホルダ34からベース35が外れることがなくなる。
【0054】
このとき、ブリッジ部aが下方に撓んだ距離をL9とし、ベース35の下面からブリッジ部aの上面までの距離をL4´とし、ベース35の厚さをL4(図15)とすると、
L4´=L4−L9
<L8
となる。
【0055】
この場合、ブリッジ部aは前記付勢力によって元の形状に戻ろうとするので、ベース35は押圧力を発生させ、基板33を基板当接面S1に常に一定の前記押圧力で押し付ける。
【0056】
このように、本実施の形態においては、ベース35をレンズアレイホルダ34に組み付けるに当たり、前記ブリッジ部aを下方に撓ませた状態で、突起部35aと溝34bとを係止させることができる。したがって、基板33を基板当接面S1に安定させて押し付けることができる。
【0057】
前記各実施の形態においては、画像形成装置としてのプリンタに適用した例について説明したが、本発明を、複写機、ファクシミリ装置、複合機等に適用することができる。
【0058】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるLEDヘッドの配設状態を示す縦断面図である。
【図2】従来のLEDヘッドの斜視図である。
【図3】従来のLEDヘッドの配設状態を示す断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概略図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるLEDヘッドの配設状態を示す横断面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態のおけるLEDヘッドの分解斜視図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態におけるLEDヘッドの要部を示す分解斜視図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるLEDヘッドの分解断面図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態におけるベースの取付方法を示す斜視図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態におけるレンズアレイホルダの要部を示す断面図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態におけるベースの組付け手順を示す第1の図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態におけるベースの組付け手順を示す第2の図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態におけるベースの組付け手順を示す第3の図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態におけるベースの要部を示す斜視図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態におけるベースの断面図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態におけるベースの組付け手順を示す第1の図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態におけるベースの組付け手順を示す第2の図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態におけるベースの組付け手順を示す第3の図である。
【符号の説明】
【0060】
15Bk、15Y、15M、15C LEDヘッド
31 LEDアレイチップ
32 ロッドレンズアレイ
33 基板
34 レンズアレイホルダ
35 ベース
S1 基板当接面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)発光素子アレイが搭載された基板と、
(b)前記発光素子アレイから放射される光を収束させる収束レンズと、
(c)前記基板及び収束レンズを支持する支持部材と、
(d)前記基板を前記支持部材に形成された基板当接面に押し付けるためのベースとを有するとともに、
(e)該ベースは、ベースに形成された第1の係止部と、前記支持部材の内壁に形成された第2の係止部とを係止させることによって支持部材に対して組み付けられることを特徴とする露光装置。
【請求項2】
(a)前記第1の係止部は、前記ベースの縁部に形成された突起部であり、
(b)前記第2の係止部は、前記支持部材の内壁における前記突起部と対応する位置に形成された溝である請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
(a)前記第1の係止部は可撓部に形成され、
(b)前記第1、第2の係止部は、前記可撓部を撓ませることによって係止させられる請求項1に記載の露光装置。
【請求項4】
前記第1の係止部より幅方向内方にスリットが形成される請求項1に記載の露光装置。
【請求項5】
前記可撓部の下端部に、可撓部に沿って切欠が形成される請求項3に記載の露光装置。
【請求項6】
前記突起部は、下方に押し下げられた状態で前記溝と係止させられる請求項2に記載の露光装置。
【請求項7】
前記請求項1〜6のいずれか1項に記載の露光装置が搭載された画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−73041(P2009−73041A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−244094(P2007−244094)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(500002571)株式会社沖デジタルイメージング (186)
【Fターム(参考)】