説明

青果物の内部品質評価装置

【課題】 糖度等の内部品質が上部側に偏在している青果物について、その内部からの透過光を受光してこれらの内部品質を測定するに際し、青果物の果肉全体としての平均した測定結果が得られると共に、糖度等が特に高い上部側または外周部について高い感度を有する測定結果も得ることができる青果物の内部品質評価装置を提供する。
【解決手段】 青果物1の側方に配置される一対の光源2a,2aの高さ位置を切り替える機構、光源2a,2aからの測定光の照射角度を回転させる機構、または青果物1の斜め上方から測定光を照射する一対の光源2b,2bの間隔を切り替える機構を設け、青果物1の上部への測定光照射と、側部への測定光照射を切り替えるようにした。あるいは、青果物1の斜め上方からその上部へ測定光を照射する一対の光源2b,2bと、青果物1の側方からその側部へ測定光を照射する一対の光源2a,2aとを設け、これらの光源を選択的に切り替えていずれか一方の光源から測定光を照射するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送ライン上を搬送される青果物に対して光源から測定光を照射し、青果物の内部を透過した透過光を受光部で受光することにより、青果物の糖度、酸度等の内部品質を評価する青果物の内部品質評価装置に関し、特に、果肉内部において糖度の高い部位が偏在する青果物の内部品質を測定する技術の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
果実、野菜などの青果物の中には、完熟状態で収穫すると、食味の低下、果肉の粉質化、果肉の褐変などを生じるものがあり、これを防止するために、果肉が硬く完熟になっていない状態で収穫し、その後一定温度下で放置することにより追熟を行って食用に適した状態としている。逆に、完熟状態で収穫することが望ましい青果物もあり、最適な収穫時は個々の青果物で異なる。従来、個々の青果物の最適な収穫時の目安を得るために、その糖度、酸度、熟度等を測定することが行われている。
【0003】
従来、青果物の糖度、酸度、熟度等の果肉品質を、青果物を破壊することなく外部から測定する種々の技術が提案されている。例えば、近赤外光を青果物に照射し、青果物からの反射光、もしくは青果物の内部を透過した透過光を検出する方法が知られている(特許文献1)。
【0004】
このうち、青果物の内部を透過した透過光を測定する方法では、青果物への照射光が青果物の内部(果肉)を散乱、透過した透過光を受光部で受光し、受光部からの検出信号を解析して得られた吸光度等に基づいて糖度等の内部品質を測定する。この方法によって、桃、梨、林檎、柑橘類、メロン、スイカ、トマト等の青果物の内部品質の測定が行われている。
【0005】
図13は、上記の透過光を測定する方法による従来の内部品質評価装置を示した図である(搬送方向前方から見た配置を示す)。図示したように、搬送ライン5上の青果物1に対して、一対の光源102,102により両側の側方から測定光が照射される。青果物1の側部からその中心方向へ向かって入射した測定光は、果肉深部で散乱し、その散乱光の一部は下方へ透過する。青果物1が載置されるトレイ4の底部には開口4aが設けられており、青果物1の内部を散乱して下方へ透過した透過光は、搬送ライン5の下方に設置された受光部103で受光される。
【0006】
受光部103からの検出信号は解析装置(図示せず)で解析され、青果物1の種類に応じて設定された光波長範囲の吸光度を測定することにより、透過光が通過した範囲の平均した内部品質(糖度、酸度、熟度など)を得ている。
【特許文献1】特開2002−139442号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、青果物の種類によっては、果肉中の糖度分布が偏っている場合があり、例えば桃、柿、柑橘類等ではヘタの反対側(花落ち)近傍の糖度が局在的に高くなることが多い。また、桃、林檎、梨、柑橘類等では、果実中心部に対して外周部の糖度が高くなることが多い。このような青果物が、図13の搬送ライン5上のトレイ4に、その最高糖度部位が青果物1の上部側となるように載置されて搬送される場合、この従来の装置では青果物1の最高糖度部位における検出感度が小さく、この部位を充分に反映した測定結果が得られないという問題があった。
【0008】
即ち、同図のように側方から青果物1の側部へ測定光を照射して下方への透過光を検出する場合、この下方への透過光は、青果物1の内部において青果物1の側方から中心へ向かい、下方へ散乱する光路を経由したものを主成分としているので、青果物1の上部を通過した光の受光量は少なく、糖度が最も高い領域である青果物1の上部を充分に反映した信号が得られない。
【0009】
測定対象である青果物の種類や目的に応じて、果肉全体としての平均糖度を得ることが必要である場合もあれば、偏在した最高糖度部位の糖度の度合いを充分に反映した糖度を得ることが必要である場合もある。また、これらの両方の糖度情報を同時に得ることが望ましい場合もある。
【0010】
本発明は、糖度等の内部品質が上部側に偏在している青果物について、これらを吸光度に基づいて測定するに際し、青果物の果肉全体としての平均した測定結果が得られると共に、糖度等が特に高い上部側または外周部の領域について高い感度を有する測定結果も得ることができる青果物の内部品質評価装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の青果物の内部品質評価装置は、搬送ライン上を搬送される青果物に対して光源から測定光を照射し、青果物を透過した透過光を受光部で受光することにより、青果物の内部品質を評価する青果物の内部品質評価装置であって、
搬送ライン方向に対して前記青果物の両側の側方位置に配置される一対の光源と、
前記一対の光源を前記青果物の高さ方向に移動させ、前記青果物の上部へ測定光を照射する位置、または該青果物の側部へ測定光を照射する位置に前記光源を切り替え配置させる光源位置切り替え機構と、
前記一対の光源からの測定光が照射された前記青果物の内部から該青果物の上方へ透過した透過光を受光する上方受光部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
上記の発明では、光源位置を切り替える機構が設けられ、青果物の両側の側方に配置されたそれぞれの光源を、青果物の上部へ測定光を照射する高さ位置と、青果物の側部へ測定光を照射する高さ位置に配置できるようにしている。
【0013】
これらの光源を青果物の側部へ測定光を照射する高さ位置に配置して測定光を照射し、これにより青果物の果肉内部の広い領域からの透過光を受光、解析することによって、青果物の果肉全体としての平均した糖度を測定できる。
【0014】
一方、これらの光源を青果物の上部へ測定光を照射する高さ位置に配置して測定光を照射し、これにより青果物の果肉上部を通過した成分を多く含む透過光を受光、解析することによって、糖度が特に高い上部側または外周部の領域を充分に反映した糖度を測定できる。
【0015】
このように、光源位置切り替え機構により光源の高さ位置を切り替えるようにしたので、糖度等の内部品質が上部側に偏在している青果物について、これらを吸光度に基づいて測定するに際し、青果物の果肉全体としての平均した測定結果が得られると共に、糖度等が特に高い上部側について高い感度を有する測定結果も得ることができる。
【0016】
本発明の装置によれば、搬送ラインを搬送される異なる種類の青果物に応じて光源の高さ位置を切り替えることにより、ある青果物ではその側部へ測定光を照射して青果物の果肉全体としての平均した糖度を測定し、他の種類の青果物ではその上部へ測定光を照射して、糖度が特に高い上部側または外周部の領域を充分に反映した糖度を測定できる。
【0017】
また、本発明の装置によれば、搬送ラインを搬送され、測定部に達した青果物について、光源の高さ位置を切り替えて上記の双方の測定を行い、内部品質についての各情報を同時に得ることができる。
【0018】
本発明の青果物の内部品質評価装置は、搬送ライン上を搬送される青果物に対して光源から測定光を照射し、青果物を透過した透過光を受光部で受光することにより、青果物の内部品質を評価する青果物の内部品質評価装置であって、
搬送ライン方向に対して前記青果物の両側の側方位置に配置される一対の光源と、
前記一対の光源からの測定光の照射角度を回転させ、前記青果物の上部へ測定光を照射する照射角度、または該青果物の側部へ測定光を照射する照射角度となるように該照射角度を切り替える照射角度切り替え機構と、
前記測定光が照射された前記青果物の内部から該青果物の上方へ透過した透過光を受光する上方受光部と、を備えることを特徴とする。
【0019】
上記の発明では、光源からの測定光の照射角度を回転させる機構、好ましくは光源を回転させる機構が設けられ、青果物の両側の側方に配置されたそれぞれの光源からの測定光を、青果物の上部へ測定光を照射する角度位置と、青果物の側部へ測定光を照射する角度位置に調節できるようにしている。
【0020】
これらの光源からの測定光の照射角度を、青果物の側部へ測定光を照射する角度として測定光を照射し、これにより青果物の果肉内部の広い領域からの透過光を受光、解析することによって、青果物の果肉全体としての平均した糖度を測定できる。
【0021】
一方、これらの光源からの測定光の照射角度を、青果物の上部へ測定光を照射する角度として測定光を照射し、これにより青果物の果肉上部を通過した成分を多く含む透過光を受光、解析することによって、糖度が特に高い上部側または外周部の領域を充分に反映した糖度を測定できる。
【0022】
このように、照射角度切り替え機構により測定光の角度を切り替えるようにしたので、糖度等の内部品質が上部側に偏在している青果物について、これらを吸光度に基づいて測定するに際し、青果物の果肉全体としての平均した測定結果が得られると共に、糖度等が特に高い上部側または外周部について高い感度を有する測定結果も得ることができる。
【0023】
本発明の装置によれば、搬送ラインを搬送される異なる種類の青果物に応じて照射角度を切り替えることにより、ある青果物ではその側部へ測定光を照射して青果物の果肉全体としての平均した糖度を測定し、他の種類の青果物ではその上部へ測定光を照射して、糖度が特に高い上部側の領域を充分に反映した糖度を測定できる。
【0024】
また、本発明の装置によれば、搬送ラインを搬送され、測定部に達した青果物について、照射角度を切り替えて上記の双方の測定を行い、内部品質についての各情報を同時に得ることができる。
【0025】
本発明の青果物の内部品質評価装置は、搬送ライン上を搬送される青果物に対して光源から測定光を照射し、青果物を透過した透過光を受光部で受光することにより、青果物の内部品質を評価する青果物の内部品質評価装置であって、
搬送ライン方向に対して前記青果物の両側の斜め上方位置に配置され、斜め下方へ向かって該青果物へ測定光を照射する一対の光源と、
前記一対の光源を、これらが互いに近接もしくは離反するように前記搬送ラインの幅方向へ略水平に移動させ、前記青果物の上部へ測定光を照射する位置、または該青果物の側
部へ測定光を照射する位置に前記一対の光源を切り替え配置させる光源間隔切り替え機構と、
前記測定光が照射された前記青果物の内部から該青果物の上方へ透過した透過光を受光する上方受光部と、を備えることを特徴とする。
【0026】
上記の発明では、青果物の両側の斜め上方位置から斜め下方へ向かって該青果物へ測定光を照射する一対の光源を、これらが互いに近接もしくは離反するように略水平に移動させる機構が設けられ、これらの光源からの測定光を、青果物の上部へ照射する位置と、青果物の側部へ照射する位置に配置できるようにしている。
【0027】
これらの光源を青果物の側部へ測定光を照射する間隔に配置して測定光を照射し、これにより青果物の果肉内部の広い領域からの透過光を受光、解析することによって、青果物の果肉全体としての平均した糖度を測定できる。
【0028】
一方、これらの光源を青果物の上部へ測定光を照射する間隔に配置して測定光を照射し、これにより青果物の果肉上部を通過した成分を多く含む透過光を受光、解析することによって、糖度が特に高い上部側または外周部の領域を充分に反映した糖度を測定できる。
【0029】
このように、光源間隔切り替え機構により測定光の青果物に対する照射位置を切り替えるようにしたので、糖度等の内部品質が上部側に偏在している青果物について、これらを吸光度に基づいて測定するに際し、青果物の果肉全体としての平均した測定結果が得られると共に、糖度等が特に高い上部側または外周部について高い感度を有する測定結果も得ることができる。
【0030】
本発明の装置によれば、搬送ラインを搬送される異なる種類の青果物に応じて光源間隔を切り替えることにより、ある青果物ではその側部へ測定光を照射して青果物の果肉全体としての平均した糖度を測定し、他の種類の青果物ではその上部へ測定光を照射して、糖度が特に高い上部側の領域を充分に反映した糖度を測定できる。
【0031】
また、本発明の装置によれば、搬送ラインを搬送され、測定部に達した青果物について、光源間隔を切り替えて上記の双方の測定を行い、内部品質についての各情報を同時に得ることができる。
【0032】
上記の各発明では、前記上方受光部の代わりに、前記測定光が照射された前記青果物の内部から該青果物の下方へ透過した透過光を受光する下方受光部を設けるようにしてもよい。
【0033】
本発明の青果物の内部品質評価装置は、搬送ライン上を搬送される青果物に対して光源から測定光を照射し、青果物を透過した透過光を受光部で受光することにより、青果物の内部品質を評価する青果物の内部品質評価装置であって、
搬送ライン方向に対して前記青果物の両側の斜め上方から該青果物の上部へ測定光を照射する一対の斜め上方光源と、
搬送ライン方向に対して前記青果物の両側の側方から該青果物の側部へ測定光を照射する一対の側方光源と、
前記測定光が照射された前記青果物の内部から該青果物の上方へ透過した透過光を受光する上方受光部と、を備え、
前記斜め上方光源と前記側方光源とを選択的に切り替えて、これらのうちいずれか一方の光源から測定光を照射し、前記上方受光部で前記青果物を透過した透過光を受光するようにしたことを特徴とする。
【0034】
上記の発明では、青果物の上部へ測定光を照射する一対の斜め上方光源と、青果物の側部へ測定光を照射する一対の側方光源とを設け、青果物の上部への光照射と、青果物の側部へ光照射とを切り替えるようにしている。
【0035】
側方光源から青果物の側部へ測定光を照射し、これにより青果物の果肉内部の広い領域からの透過光を受光、解析することによって、青果物の果肉全体としての平均した糖度を測定できる。
【0036】
一方、斜め上方光源から青果物の上部へ測定光を照射し、これにより青果物の果肉上部を通過した成分を多く含む透過光を受光、解析することによって、糖度が特に高い上部側または外周部の領域を充分に反映した糖度を測定できる。
【0037】
このように、青果物の上部へ照射する光源と、該青果物の側部へ照射する光源と切り替えて測定するようにしたので、糖度等の内部品質が上部側に偏在している青果物について、これらを吸光度に基づいて測定するに際し、青果物の果肉全体としての平均した測定結果が得られると共に、糖度等が特に高い上部側または外周部について高い感度を有する測定結果も得ることができる。
【0038】
本発明の装置によれば、搬送ラインを搬送される異なる種類の青果物に応じて光源を切り替えることにより、ある青果物では側方光源からその側部へ測定光を照射して青果物の果肉全体としての平均した糖度を測定し、他の種類の青果物では斜め上方光源からその上部へ測定光を照射して、糖度が特に高い上部側または外周部の領域を充分に反映した糖度を測定できる。
【0039】
また、本発明の装置によれば、搬送ラインを搬送され、測定部に達した青果物について、側方光源と斜め上方光源とを切り替えて上記の双方の測定を行い、内部品質についての各情報を同時に得ることができる。この場合、例えば受光部からの信号を解析する解析部と連動する電子回路、コンピュータ等で構成され、光源の切り替えを指示する光源切り替え手段を設けることが好ましい。
【0040】
上記の発明では、前記上方受光部の代わりに、前記測定光が照射された前記青果物の内部から該青果物の下方へ透過した透過光を受光する下方受光部を設け、前記斜め上方光源と前記側方光源とを選択的に切り替えて、これらのうちいずれか一方の光源から測定光を照射し、前記下方受光部で前記青果物を透過した透過光を受光するようにしてもよい。
【0041】
本明細書において、青果物の「内部品質」には、青果物の糖度、酸度、熟度、蜜量等の果肉の品質が含まれる。特に、本発明は糖度の高い領域が偏在した青果物に対して好適に用いることができる。
【0042】
本明細書において、「青果物」とは、本発明が適用可能なあらゆる果実、野菜を含むが、本発明を好適に適用できる青果物としては、例えば桃、梨、林檎、柑橘類を挙げることができ、本発明の装置はこれらの糖度測定に好適に用いられる。
【0043】
本明細書において、「青果物の上部」とは、搬送、測定のためにトレイ等に載置された青果物の果肉内部における糖度等が最も高い偏在領域、またはこの領域へ直接測定光が照射される青果物の高さ範囲を表し、青果物の種類等にもよるが、通常は、図12に示したこの高さ範囲h2は、青果物1の高さ全長h1に対して50%以内の範囲である。
【発明の効果】
【0044】
本発明の青果物の内部品質評価装置によれば、糖度等の内部品質が上部側または外周部
に偏在している青果物について、青果物の果肉全体としての平均した測定結果が得られると共に、糖度等が特に高い上部側または外周部について高い感度を有する測定結果も得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の青果物の内部品質評価装置の実施形態を示した図であり(搬送方向前側から見た配置を示す)、以下、桃などの果実の糖度を測定する場合について説明する。図示したように、この内部品質評価装置は、搬送ライン5の搬送方向に対して青果物1の両側の側方から青果物1へ測定光を照射する一対の側方光源2a,2aと、測定光が照射された青果物1の内部から青果物1の上方へ透過した透過光を受光する上方受光部3aとを備えている。
【0046】
側方光源2aとしては、ハロゲンランプ、キセノンランプ等を使用することができ、主に近赤外光が用いられる。測定光は、スリット板、レンズ等を配置して集光したスポット光か、あるいは略平行光であってもよい。
【0047】
一対の側方光源2a,2aは、それぞれ高さ方向に移動できるようになっている。これらの高さ位置を移動させて配置位置を切り替える機構としては、例えば側方光源2a,2aに取り付けた圧力駆動、電磁駆動等によるアクチュエータ6を用いることができ、コンピュータからの指示によりアクチュエータ6を作動させることによって、必要に応じて所望のタイミングで側方光源2aの配置を切り替えることができる。
【0048】
アクチュエータ6の作動により、側方光源2aは、青果物1の上部へ測定光を照射する図1の高さ位置と、青果物1の側部へ測定光を照射する図2の高さ位置に配置できるようになっている。側方光源2aからの測定光の向きがやや斜め下方へ向かう場合には、青果物1の上部へ測定光を照射する図1の高さ位置は青果物1の斜め上方となってもよい。また、図3に示したように、側方光源2aに取り付けた回転部材(図示せず)を回転させて側方光源2aを円周軌道で高さ方向に移動させるか、あるいは高さ方向へ移動後に側方光源2a自体の角度を回転させることにより、移動前後の各高さ位置において側方光源2aからの測定光の角度が異なるようにしてもよい。
【0049】
一対の側方光源2a,2aを図1の高さ位置に配置した場合、搬送ライン5上に所定間隔離間して配置されたトレイ4に載置され搬送ライン5上を測定部へ搬送された青果物1の上部へ測定光が照射される。青果物1の内部に入射した測定光の主成分は、糖度が高い上部領域を通過して散乱し、この散乱光の一部は上方へ向かい、青果物1の上部から透過光として出射し、上方受光部3aに入射する。
【0050】
上方受光部3aは、光電子増倍管、フォトダイオード、CCDカメラ等で構成され、必要に応じて、分光装置等を介して透過光を分光してから受光される。また、光源からの光を所定周波数にチョッピングした測定光を青果物1に照射し、受光の際にはチョッピング周波数に同期した周波数成分だけをフィルターで選択することにより、外乱光の影響を受けにくく、高いS/N比で測定することができる。位相を同期させてロックイン増幅することによりノイズの影響を低減することも可能である。
【0051】
上方受光部3aに入射した透過光は、光電変換され、その電気信号は増幅器、AD変換器等を経て解析装置(図示せず)へ送られる。
青果物1の糖度は、青果物1の種類に応じて設定された光波長範囲の吸光度を測定して予め解析装置に入力されたデータと比較することによって決定され、所定の表示部にその値が表示される。
【0052】
このように、側方光源2aを青果物1の上部へ測定光を照射する高さ位置に配置して測定光を照射し、これにより青果物1の果肉上部を通過した成分を多く含む透過光を受光、解析しているので、糖度が特に高い上部側または外周部の領域における感度が高く、この領域を充分に反映した糖度を測定できる。
【0053】
一方、一対の側方光源2a,2aを、アクチュエータ6を作動させて図2の高さ位置に配置した場合、青果物1の側部へ測定光が照射される。青果物1の内部に入射した測定光は、果肉の中心近傍を含む果肉内部の広い領域から散乱し、この散乱光の一部は上方へ向かい、青果物1の上部から透過光として出射し、上方受光部3aに入射する。
【0054】
上方受光部3aに入射した透過光は、光電変換され、その電気信号は増幅器、AD変換器等を経て上記と同様に解析装置へ送られ、吸光度から糖度が決定される。
このように、側方光源2aを青果物1の側部へ測定光を照射する高さ位置に配置して測定光を照射し、これにより青果物の果肉内部の広い領域からの透過光を受光、解析することによって、青果物の果肉全体としての平均した糖度を測定できる。
【0055】
本実施形態における青果物の内部品質評価装置は、次の2つの方法で使用できる。第1の方法は、単一の搬送ラインにおいて異なる種類の青果物を搬送、測定する場合に適用される。即ち、糖度が特に高い上部側または外周部の領域を充分に反映した糖度を測定することが必要な青果物から、果肉全体としての平均した糖度を測定することが必要な青果物へ、搬送される青果物の種類が変更された場合、図示したアクチュエータ6を作動して側方光源2aの高さ位置を図1の位置から図2の位置へ移動させて新たに搬送される青果物1の測定を行う。この場合、例えば青果物に応じた側方光源2aの高さ位置を予めコンピュータに設定しておき、コンピュータからの指示によりアクチュエータ6を作動して所定の高さ位置へ簡便に測定配置を変更することができる。
【0056】
第2の方法は、搬送ラインを搬送されて測定部に達した青果物について、糖度が特に高い上部側の領域を充分に反映した糖度を測定すると共に、果肉全体としての平均した糖度を測定する場合に適用される。即ち、図1の位置に側方光源2aを配置した状態で、測定部に達した青果物1の上部へ測定光を照射して測定を行った後、アクチュエータ6を作動して側方光源2aを図2の位置に配置し、青果物1の側部へ測定光を照射して測定を行う。この場合、青果物1の搬送、図1の光源配置による測定、アクチュエータ6の作動、および図2の光源配置による測定の一連の操作を自動的に行うことにより、搬送ラインを搬送される各青果物について、内部品質についての各情報を迅速に得ることができる。
【0057】
なお、図1および図2では青果物1の上方に受光部3aを設置したが、図4に示したように、青果物1を載置するトレイ4の下方に下方受光部3bを設置して、側方光源2aからの測定光が照射された青果物1の内部から下方へ透過した透過光を受光するようにしてもよい。
【0058】
この場合、トレイ4の底部には開口4aが設けられ、青果物1からの下方への透過光を開口4aを通して下方受光部3bへ導光する。トレイ4は、例えばゴム材等の柔軟性を有する材質で形成されたものが用いられ、逆円錐状のテーパ面に青果物1を密着させることにより、底部開口4aに迷光が入り込むことを抑制できる。
【0059】
図5および図6は、本発明の青果物の内部品質評価装置の他の実施形態を示した図である(搬送方向前側から見た配置を示す)。図示したように、この内部品質評価装置は、前述した実施形態と同様に、搬送ライン5の搬送方向に対して青果物1の両側の側方から青果物1へ測定光を照射する一対の側方光源2a,2aと、測定光が照射された青果物1の内部から青果物1の上方へ透過した透過光を受光する上方受光部3aとを備えている。
【0060】
本実施形態では、一対の側方光源2a,2aをそれぞれ回転させて、測定光の照射角度を切り替えることができるようにしている。側方光源2a,2aを回転する機構としては、例えばこれらに取り付けた軸部材7をモータ駆動により回転させる機構を用いることができ、コンピュータからの指示によりモータ(図示せず)を作動させることによって、必要に応じて所望のタイミングで側方光源2aの角度を変更することができる。側方光源2a,2aを回転する機構としてはこれに限らず他の機構を用いてもよい。
【0061】
回転機構の作動により、側方光源2aは、青果物1の上部へ測定光を照射する図5の角度位置から、青果物1の側部へ測定光を照射する図6の角度位置まで、回転角θの間を回転し、これらのいずれかの角度位置に配置できるようになっている。
【0062】
一対の側方光源2a,2aを図5の角度位置に配置した場合、搬送ライン5上に所定間隔離間して配置されたトレイ4に載置され搬送ライン5上を測定部へ搬送された青果物1の上部へ測定光が照射される。青果物1の内部に入射した測定光の主成分は、糖度が高い上部領域を通過して散乱し、この散乱光の一部は、上方へ向かい青果物1の上部から透過光として出射し、上方受光部3aに入射する。
【0063】
上方受光部3aに入射した透過光は、光電変換され、その電気信号は増幅器、AD変換器等を経て解析装置(図示せず)へ送られる。
青果物1の糖度は、青果物1の種類に応じて設定された光波長範囲の吸光度を測定して予め解析装置に入力されたデータと比較することによって決定され、所定の表示部にその値が表示される。
【0064】
このように、側方光源2aを青果物1の上部へ測定光が照射される角度配置として測定光を照射し、これにより青果物1の果肉上部を通過した成分を多く含む透過光を受光、解析しているので、糖度が特に高い上部側または外周部の領域における感度が高く、この領域を充分に反映した糖度を測定できる。
【0065】
一方、一対の側方光源2a,2aを回転させて図6の角度配置とした場合、青果物1の側部へ測定光が照射される。青果物1の内部に入射した測定光は、果肉の中心近傍を含む果肉内部の広い領域へ散乱し、この散乱光の一部は上方へ向かい、青果物1の上部から透過光として出射し、上方受光部3aに入射する。
【0066】
上方受光部3aに入射した透過光は、光電変換され、その電気信号は増幅器、AD変換器等を経て上記と同様に解析装置へ送られ、吸光度から糖度が決定される。
このように、側方光源2aを青果物1の側部へ測定光を照射する角度配置として測定光を照射し、これにより青果物の果肉内部の広い領域からの透過光を受光、解析することによって、青果物の果肉全体としての平均した糖度を測定できる。
【0067】
本実施形態における青果物の内部品質評価装置も、前述した実施形態と同様に、次の2つの方法で使用できる。第1の方法は、単一の搬送ラインにおいて異なる種類の青果物を搬送、測定する場合に適用される。即ち、糖度が特に高い上部側または外周部の領域を充分に反映した糖度を測定することが必要な青果物から、果肉全体としての平均した糖度を測定することが必要な青果物へ、搬送される青果物の種類が変更された場合、図示した軸部材7を介してモータの作動により側方光源2aの配置角度を図5の角度から図6の角度へθだけ回転させて新たに搬送される青果物1の測定を行う。この場合、例えば青果物に応じた側方光源2aの角度配置を予めコンピュータに設定しておき、コンピュータからの指示によりモータを作動して所定の角度配置へ簡便に変更することができる。
【0068】
第2の方法は、搬送ラインを搬送されて測定部に達した青果物について、糖度が特に高い上部側または外周部の領域を充分に反映した糖度を測定すると共に、果肉全体としての平均した糖度を測定する場合に適用される。即ち、図5の角度に側方光源2aを配置した状態で、測定部に達した青果物1の上部へ測定光を照射して測定を行った後、軸部材7を介してモータの作動により側方光源2aを図6の角度に配置し、青果物1の側部へ測定光を照射して測定を行う。この場合、青果物1の搬送、図5の光源配置による測定、回転機構の作動、および図6の光源配置による測定の一連の操作を自動的に行うことにより、搬送ラインを搬送される各青果物について、内部品質についての各情報を迅速に得ることができる。
【0069】
なお、図5および図6では青果物1の上方に受光部3aを設置したが、前述した実施形態と同様に、青果物1を載置するトレイ4の下方に下方受光部3b(図4を参照)を設置して、側方光源2aからの測定光が照射された青果物1の内部から下方へ透過した透過光を受光するようにしてもよい。
【0070】
図7および図8は、本発明の青果物の内部品質評価装置の他の実施形態を示した図である(搬送方向前側から見た配置を示す)。図示したように、この内部品質評価装置は、搬送ライン5の搬送方向に対して青果物1の両側の斜め上方から青果物1へ斜め下方に向かって角度θで測定光を照射する一対の斜め上方光源2b,2bと、測定光が照射された青果物1の内部から青果物1の上方へ透過した透過光を受光する上方受光部3aとを備えている。
【0071】
本実施形態では、一対の側方光源2b,2bは、これらが互いに近接もしくは離反するように搬送ライン5の幅方向へ略水平に移動し、青果物1の上部へ測定光を照射する図7の位置(間隔L1)と、青果物1の側部へ測定光を照射する図8の位置(間隔L2)にこれらの間隔を切り替えるようにしている。斜め上方光源2b,2bを移動させる機構としては、例えばこれらに取り付けたアクチュエータ8を作動させる機構を用いることができ、コンピュータからの指示によりアクチュエータ8を作動させることによって、必要に応じて所望のタイミングで斜め上方光源2b,2bの間隔をL1からL2まで変更することができる。斜め上方光源2b,2bを移動させる機構はこれに限らず、例えば斜め上方光源2b,2bを所定の通路上で移動させるか、あるいはこれらに取り付けた部材を水平移動させるようにしてもよい。
【0072】
一対の斜め上方光源2b,2bの配置を図7の間隔とした場合、搬送ライン5上に所定間隔離間して配置されたトレイ4に載置され搬送ライン5上を測定部へ搬送された青果物1の上部へ測定光が照射される。青果物1の内部に入射した測定光の主成分は、糖度が高い上部領域を通過して散乱し、この散乱光の一部は上方へ向かい、青果物1の上部から透過光として出射し、上方受光部3aに入射する。
【0073】
上方受光部3aに入射した透過光は、光電変換され、その電気信号は増幅器、AD変換器等を経て解析装置(図示せず)へ送られる。
青果物1の糖度は、青果物1の種類に応じて設定された光波長範囲の吸光度を測定して予め解析装置に入力されたデータと比較することによって決定され、所定の表示部にその値が表示される。
【0074】
このように、斜め上方光源2b,2bを青果物1の上部へ測定光を照射する間隔位置として測定光を照射し、これにより青果物1の果肉上部を通過した成分を多く含む透過光を受光、解析しているので、糖度が特に高い上部側または外周部の領域における感度が高く、この領域を充分に反映した糖度を測定できる。
【0075】
一方、一対の斜め上方光源2b,2bの配置を図8の間隔とした場合、青果物1の側部へ測定光が照射される。青果物1の内部に入射した測定光は、果肉の中心近傍を含む果肉内部の広い領域へ散乱し、この散乱光の一部は上方へ向かい、青果物1の上部から透過光として出射し、上方受光部3aに入射する。
【0076】
上方受光部3aに入射した透過光は、光電変換され、その電気信号は増幅器、AD変換器等を経て上記と同様に解析装置へ送られ、吸光度から糖度が決定される。
このように、斜め上方光源2b,2bを青果物1の側部へ測定光を照射する間隔として測定光を照射し、これにより青果物1の果肉内部の広い領域からの透過光を受光、解析することによって、青果物1の果肉全体としての平均した糖度を測定できる。
【0077】
本実施形態における青果物の内部品質評価装置も、前述した実施形態と同様に、次の2つの方法で使用できる。第1の方法は、単一の搬送ラインにおいて異なる種類の青果物を搬送、測定する場合に適用される。即ち、糖度が特に高い上部側または外周部の領域を充分に反映した糖度を測定することが必要な青果物から、果肉全体としての平均した糖度を測定することが必要な青果物へ、搬送される青果物の種類が変更された場合、図示したアクチュエータ8の作動により斜め上方光源2b,2bを図7の配置間隔から図8の配置間隔となるように移動させて新たに搬送される青果物1の測定を行う。この場合、例えば青果物に応じた斜め上方光源2b,2bの配置間隔を予めコンピュータに設定しておき、コンピュータからの指示によりアクチュエータ8を作動して所定の配置間隔へ簡便に測定配置を変更することができる。
【0078】
第2の方法は、搬送ラインを搬送されて測定部に達した青果物について、糖度が特に高い上部側または外周部の領域を充分に反映した糖度を測定すると共に、果肉全体としての平均した糖度を測定する場合に適用される。即ち、図7の間隔に斜め上方光源2b,2bを配置した状態で、測定部に達した青果物1の上部へ測定光を照射して測定を行った後、アクチュエータ8の作動により図8の間隔となるように斜め上方光源2b,2bを配置し、青果物1の側部へ測定光を照射して測定を行う。この場合、青果物1の搬送、図7の光源間隔での測定、アクチュエータ8の作動、および図8の光源間隔での測定の一連の操作を自動的に行うことにより、搬送ラインを搬送される各青果物について、内部品質についての各情報を迅速に得ることができる。
【0079】
なお、図7および図8では青果物1の上方に受光部3aを設置したが、前述した実施形態と同様に、青果物1を載置するトレイ4の下方に下方受光部3b(図4を参照)を設置して、斜め上方光源2bからの測定光が照射された青果物1の内部から下方へ透過した透過光を受光するようにしてもよい。
【0080】
図9および図10は、本発明の青果物の内部品質評価装置の他の実施形態を示した図である(搬送方向前側から見た配置を示す)。図示したように、この内部品質評価装置は、搬送ライン5の搬送方向に対して青果物1の両側の斜め上方から青果物1の上部に測定光を照射する一対の斜め上方光源2b,2bと、青果物1の両側の側方から青果物1の側部に測定光を照射する一対の側方光源2a,2aと、測定光が照射された青果物1の内部から青果物1の上方へ透過した透過光を受光する上方受光部3aとを備えている。
【0081】
一対の斜め上方光源2b,2bと、一対の側方光源2a,2aとを切り替えていずれか一方の光源から測定光を照射することにより、青果物1の上部への照射と、青果物1の側部へ照射とを切り替えるようにしている。
【0082】
図9に示したように一対の斜め上方光源2b,2bを使用した場合、搬送ライン5上に所定間隔離間して配置されたトレイ4に載置され搬送ライン5上を測定部へ搬送された青
果物1の上部へ測定光が照射される。青果物1の内部に入射した測定光の主成分は、糖度が高い上部領域を通過して散乱し、この散乱光の一部は、上方へ向かい青果物1の上部から透過光として出射し、上方受光部3aに入射する。
【0083】
上方受光部3aに入射した透過光は、光電変換され、その電気信号は増幅器、AD変換器等を経て解析装置(図示せず)へ送られる。
青果物1の糖度は、青果物1の種類に応じて設定された光波長範囲の吸光度を測定して予め解析装置に入力されたデータと比較することによって決定され、所定の表示部にその値が表示される。
【0084】
このように、斜め上方光源2b,2bから青果物1の上部へ測定光を照射し、これにより青果物1の果肉上部を通過した成分を多く含む透過光を受光、解析しているので、糖度が特に高い上部側または外周部の領域における感度が高く、この領域を充分に反映した糖度を測定できる。
【0085】
一方、図10に示したように一対の側方光源2a,2aを使用した場合、青果物1の側部へ測定光が照射される。青果物1の内部に入射した測定光は、果肉の中心近傍を含む果肉内部の広い領域へ散乱し、この散乱光の一部は上方へ向かい、青果物1の上部から透過光として出射し、上方受光部3aに入射する。
【0086】
上方受光部3aに入射した透過光は、光電変換され、その電気信号は増幅器、AD変換器等を経て上記と同様に解析装置へ送られ、吸光度から糖度が決定される。
このように、側方光源2a,2aから青果物1の側部へ測定光を照射し、これにより青果物の果肉内部の広い領域からの透過光を受光、解析することによって、青果物の果肉全体としての平均した糖度を測定できる。
【0087】
本実施形態における青果物の内部品質評価装置も、前述した実施形態と同様に、次の2つの方法で使用できる。第1の方法は、単一の搬送ラインにおいて異なる種類の青果物を搬送、測定する場合に適用される。即ち、糖度が特に高い上部側または外周部の領域を充分に反映した糖度を測定することが必要な青果物から、果肉全体としての平均した糖度を測定することが必要な青果物へ、搬送される青果物の種類が変更された場合、使用する光源を斜め上方光源2b,2bから側方光源2a,2aに切り替えて新たに搬送される青果物1の測定を行う。このように、例えばコンピュータからの指示により使用する光源を切り替えるだけで青果物1に対する測定光の照射位置を簡便に変更することができる。
【0088】
第2の方法は、搬送ラインを搬送されて測定部に達した青果物について、糖度が特に高い上部側または外周部の領域を充分に反映した糖度を測定すると共に、果肉全体としての平均した糖度を測定する場合に適用される。即ち、図9のように斜め上方光源2b,2bを使用して測定部に達した青果物1の上部へ測定光を照射して測定を行った後、使用光源を図10のように側方光源2a,2aに切り替えて、青果物1の側部へ測定光を照射して測定を行う。この場合、青果物1の搬送、斜め上方光源2b,2bによる測定、光源の切り替え、および側方光源2a,2aによる測定の一連の操作を自動的に行うことにより、搬送ラインを搬送される各青果物について、内部品質についての各情報を迅速に得ることができる。
【0089】
なお、図9および図10では青果物1の上方に受光部3aを設置したが、図11に示したように、青果物1を載置するトレイ4の下方に下方受光部3bを設置して、斜め上方光源2b,2bもしくは側方光源2a,2aからの測定光が照射された青果物1の内部から下方へ透過した透過光を受光するようにしてもよい。
【0090】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更が可能である。例えば、図5の実施形態では、側方光源2a,2aを回転する以外の方法で測定光の照射角度を変更するようにしてもよい。また、図9の実施形態では、側方光源2aおよび斜め上方光源2bを、複数個の光源から構成してもよく、側方光源2aおよび斜め上方光源2bからの測定光の強度はそれぞれ異なっていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】図1は、本発明の青果物の内部品質評価装置の実施形態を説明する図である(搬送方向前側から見た配置を示す)。
【図2】図2は、図1から光源を移動した状態を示した図である。
【図3】図3は、図1の実施形態の変形例を説明する図である(搬送方向前側から見た配置を示す)。
【図4】図4は、図1の実施形態の変形例を説明する図である(搬送方向前側から見た配置を示す)。
【図5】図5は、本発明の青果物の内部品質評価装置の他の実施形態を説明する図である(搬送方向前側から見た配置を示す)。
【図6】図6は、図5から光源を回転した状態を示した図である。
【図7】図7は、本発明の青果物の内部品質評価装置の他の実施形態を説明する図である(搬送方向前側から見た配置を示す)。
【図8】図8は、図7から光源間隔を広げた状態を示した図である。
【図9】図9は、本発明の青果物の内部品質評価装置の他の実施形態を説明する図である(搬送方向前側から見た配置を示す)。
【図10】図10は、図9から光源を切り替えた状態を示した図である。
【図11】図11は、図9の実施形態の変形例を説明する図である(搬送方向前側から見た配置を示す)。
【図12】図12は、青果物の上部範囲を説明する図である。
【図13】図13は、従来の青果物の内部品質評価装置を説明する図である(搬送方向前方から見た配置を示す)。
【符号の説明】
【0092】
1 青果物
2a 側方光源
2b 斜め上方光源
3a 上方受光部
3b 下方受光部
4 トレイ
4a 底部開口
5 搬送ライン
6 アクチュエータ
7 軸部材
8 アクチュエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送ライン上を搬送される青果物に対して光源から測定光を照射し、青果物を透過した透過光を受光部で受光することにより、青果物の内部品質を評価する青果物の内部品質評価装置であって、
搬送ライン方向に対して前記青果物の両側の側方位置に配置される一対の光源と、
前記一対の光源を前記青果物の高さ方向に移動させ、前記青果物の上部へ測定光を照射する位置、または該青果物の側部へ測定光を照射する位置に前記光源を切り替え配置させる光源位置切り替え機構と、
前記一対の光源からの測定光が照射された前記青果物の内部から該青果物の上方へ透過した透過光を受光する上方受光部と、を備えることを特徴とする青果物の内部品質評価装置。
【請求項2】
搬送ライン上を搬送される青果物に対して光源から測定光を照射し、青果物を透過した透過光を受光部で受光することにより、青果物の内部品質を評価する青果物の内部品質評価装置であって、
搬送ライン方向に対して前記青果物の両側の側方位置に配置される一対の光源と、
前記一対の光源からの測定光の照射角度を回転させ、前記青果物の上部へ測定光を照射する照射角度、または該青果物の側部へ測定光を照射する照射角度となるように該照射角度を切り替える照射角度切り替え機構と、
前記測定光が照射された前記青果物の内部から該青果物の上方へ透過した透過光を受光する上方受光部と、を備えることを特徴とする青果物の内部品質評価装置。
【請求項3】
搬送ライン上を搬送される青果物に対して光源から測定光を照射し、青果物を透過した透過光を受光部で受光することにより、青果物の内部品質を評価する青果物の内部品質評価装置であって、
搬送ライン方向に対して前記青果物の両側の斜め上方位置に配置され、斜め下方へ向かって該青果物へ測定光を照射する一対の光源と、
前記一対の光源を、これらが互いに近接もしくは離反するように前記搬送ラインの幅方向へ略水平に移動させ、前記青果物の上部へ測定光を照射する位置、または該青果物の側部へ測定光を照射する位置に前記一対の光源を切り替え配置させる光源間隔切り替え機構と、
前記測定光が照射された前記青果物の内部から該青果物の上方へ透過した透過光を受光する上方受光部と、を備えることを特徴とする青果物の内部品質評価装置。
【請求項4】
前記上方受光部の代わりに、前記測定光が照射された前記青果物の内部から該青果物の下方へ透過した透過光を受光する下方受光部を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の青果物の内部品質評価装置。
【請求項5】
搬送ライン上を搬送される青果物に対して光源から測定光を照射し、青果物を透過した透過光を受光部で受光することにより、青果物の内部品質を評価する青果物の内部品質評価装置であって、
搬送ライン方向に対して前記青果物の両側の斜め上方から該青果物の上部へ測定光を照射する一対の斜め上方光源と、
搬送ライン方向に対して前記青果物の両側の側方から該青果物の側部へ測定光を照射する一対の側方光源と、
前記測定光が照射された前記青果物の内部から該青果物の上方へ透過した透過光を受光する上方受光部と、を備え、
前記斜め上方光源と前記側方光源とを選択的に切り替えて、これらのうちいずれか一方の光源から測定光を照射し、前記上方受光部で前記青果物を透過した透過光を受光するよ
うにしたことを特徴とする青果物の内部品質評価装置。
【請求項6】
前記上方受光部の代わりに、前記測定光が照射された前記青果物の内部から該青果物の下方へ透過した透過光を受光する下方受光部を備え、
前記斜め上方光源と前記側方光源とを選択的に切り替えて、これらのうちいずれか一方の光源から測定光を照射し、前記下方受光部で前記青果物を透過した透過光を受光するようにしたことを特徴とする請求項5に記載の青果物の内部品質評価装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−98108(P2006−98108A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−281760(P2004−281760)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(000006183)三井金属鉱業株式会社 (1,121)
【Fターム(参考)】