説明

静圧気体軸受直線案内装置

【課題】長尺な部材や横断面サイズが大きくなっても自重たわみを改善することができるガイド部材を備え、製造コストの低減化を図ることができる静圧空気軸受直線案内装置を提供する。
【解決手段】案内方向に延在するガイド部材4と、ガイド部材に沿って案内方向に移動する可動体5と、この可動体を気体によって支持・案内する空気軸受部13a〜13hと、を備えた静圧気体軸受直線案内装置である。ガイド部材は、長尺方向が案内方向に平行に延在する一対の側板ガイド部材4a,4aと、一対の側板ガイド部材の案内方向に直交する短尺方向の一端に結合し、案内方向に沿って延在する底板ガイド部材4bとを備えた横断面コ字状の部材である。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば製造装置、検査装置、搬送装置等に用いられる静圧気体軸受直線案内装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に記載されている静圧空気軸受直線案内は、案内方向に延在するガイド部材(特許文献1ではガイドレール)と、このガイド部材に沿って案内方向に移動する可動体(特許文献1では主軸受)と、可動体のガイド部材に摺動する面に設けられ、可動体を気体によって支持・案内する空気軸受部(特許文献1では静圧パッド)とを備えた装置である。この特許文献1のガイド部材は、横断面形状をコ字状とした単一部品である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−101642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の単一部材としたガイド部材は、長尺な部材、横断面サイズが大きくなると、自重たわみの面で問題がある。
ガイド部材の自重たわみ対策として、ガイド部材を中空構造にすることが考えられるが、例えばセラミックス等の機械的強度が大きい材料で一体中空構造のガイド部材を成形すると、高精度の成形型が必要となり、多品種のガイド部材を短期間で成形することができず、製造コストの面で問題がある。
そこで本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、長尺な部材や横断面サイズが大きくなっても自重たわみを改善することができるガイド部材を備え、製造コストの低減化を図ることができる静圧気体軸受直線案内装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明に係る請求項1記載の静圧気体軸受直線案内装置は、案内方向に延在するガイド部材と、このガイド部材に沿って前記案内方向に移動する可動体と、この可動体を気体によって支持・案内する空気軸受部と、を備えた静圧気体軸受直線案内装置において、前記ガイド部材は、長尺方向が前記案内方向に平行に延在する一対の側板ガイド部材と、これら一対の側板ガイド部材の前記案内方向に直交する短尺方向の一端に結合し、前記案内方向に沿って延在する底板ガイド部材とを備えた少なくとも3つの部材からなる横断面コ字状の部材であることを特徴としている。
【0006】
また。請求項2記載の発明は、請求項1記載の静圧気体軸受直線案内装置において、前記一対の側板ガイド部材の少なくとも一方は、前記短尺方向に複数分割された部材である。
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の静圧気体軸受直線案内装置において、前記底板ガイド部材は、前記短尺方向に複数分割された部材である。
【0007】
また、請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1項記載の静圧気体軸受直線案内装置において、前記側板ガイド部材は、前記案内方向に複数分割された部材である。
また、請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載の静圧気体軸受直線案内装置において、前記底板ガイド部材は、前記案内方向に複数分割された部材である。
また、請求項6記載の発明は、請求項4記載の静圧気体軸受直線案内装置において、前記短尺方向及び前記案内方向に分割されて前記短尺方向に隣接する前記側板ガイド部材同士は、他の側板ガイド部材と前記案内方向に結合する位置が互いにずれている。
【0008】
また、請求項7記載の発明は、請求項5又は6記載の静圧気体軸受直線案内装置において、前記短尺方向及び前記案内方向に分割されて前記短尺方向に隣接する前記底板ガイド部材同士は、他の底板ガイド部材と前記案内方向に結合する位置が互いにずれている。
さらに、請求項8記載の発明は、請求項5乃至7の何れか1項に記載の静圧気体軸受直線案内装置において、前記案内方向に分割された前記底板ガイド部材同士が結合する位置と、前記案内方向に分割された前記側板ガイド部材同士が結合する位置が、前記案内方向に互いにずれている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の静圧気体軸受直線案内装置によると、可動体を案内方向に案内するガイド部材を、案内方向に平行に延在する一対の側板ガイド部材と、これら一対の側板ガイド部材の案内方向に直交する短尺方向の一端に結合し、案内方向に沿って延在する底板ガイド部材とを備えた少なくとも3つの部材からなる横断面コ字状の部材としているので、従来のようにセラミックス等の機械的強度が大きい材料で一体中空構造のガイド部材を形成する場合と比較して、各部品を容易に形成し、多品種のガイド部材を短期間で成形することで、製造コスト低減化を図ることができる。また、本発明に係るガイド部材は、長尺、或いは横断面サイズが大きいガイド部材になっても、自重たわみの剛性が高い部材となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る第1実施形態の静圧気体軸受直線案内装置を示す平面図である。
【図2】第1実施形態の静圧気体軸受直線案内装置を示す側面図である。
【図3】図1のA−A矢視断面図である。
【図4】本発明に係る第2実施形態のガイド部材を示す横断面形状である。
【図5】本発明に係る第3実施形態のガイド部材を示す横断面形状である。
【図6】本発明に係る第4実施形態のガイド部材を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る静圧空気軸受直線案内装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の静圧空気軸受直線案内装置を示す平面図であり、図2は静圧空気軸受直線案内装置を示す側面図であり、図3は、図1のA−A矢視断面図である。
【0012】
本実施形態の静圧空気軸受直線案内装置は、図1及び図2に示すように、駆動プーリ1と、従動プーリ2と、駆動プーリ1及び従動プーリ2に掛け渡されている歯付きベルト3と、歯付きベルトが延在している方向(以下、案内方向と称する)に延在しているガイド部材としてのガイドレール4と、可動体としての主軸受5と、カウンタガイドレール6,6と、カウンタ軸受7とで構成されている。
フレームの機能を兼ねるガイドレール4の両端には、レール支持板8,9が固定されており、レール支持板8,9に掛け渡されるようにして、丸軸状のカウンタガイドレール6,6が、ガイドレール4に平行して配置されている。
【0013】
右側のレール支持板9には、モータ10が回転軸10aを水平に且つガイドレール4の軸線に直交する方向に突出させた状態で取り付けられている。回転軸10aには、歯付きの駆動プーリ1が取り付けられている。左側のレール支持板8には、歯付きの従動プーリ2を回転自在に支持するプーリハウジング11が取り付けられている。駆動プーリ1と従動プーリ2との間には、ガイドレール4に沿った方向に、歯付きベルト3が掛け渡されている。そのため、レール支持板8、9は、歯付きベルト3を通すのに必要な開口を有する。
歯付きベルト3の一部は、折れ曲がった板状の固定具12により主軸受5に取り付けられている。主軸受5は、ガイドレール4を内包している。
【0014】
主軸受5は、図3に示すように、底板5aと、底板5aの両端部から互いに平行に立ち上がっている一対の側板5b,5bと、一対の側板5b,5bに連結された一対の頂板5c,5cとで構成されている。
底板5aの内面の両端側、一対の側板5b,5bの内面の上部及び下部、一対の頂板5c,5cの内面には、それぞれグラファイト多孔質で形成された静圧パッド13a〜13hが配置されている。
【0015】
ガイドレール4は、図3に示すように、主軸受5の一対の頂板5c,5c及び一対の側板5b,5bの内面に対向する一対の側板ガイド部材4a,4aと、これら一対の側板ガイド部材4a,4aの下端部間に位置して、一対の側板ガイド部材4a,4aに連結ボルト14を介して結合され、主軸受5の底板5aに対向している底板ガイド部材4bとからなる横断面コ字形状の部材である。
【0016】
一対の側板ガイド部材4a,4aは、レール支持板8,9の間まで延在する直方体中実形状の単一金属部材、或いはセラミックス製の単一部材である。また、底板ガイド部材4bは、連結ボルト14を挿入する凹部4b1が長手方向に所定間隔をあけて形成されており、レール支持板8,9の間まで延在する直方体中実形状の単一金属部材、或いはセラミックス製の単一部材である。
【0017】
このように、一対の側板ガイド部材4a,4aの短尺方向の端部に底板ガイド部材4bを結合することで横断面コ字形状としたガイドレール4は、自重によるたわみが殆どない。
そして、静圧パッド13a〜13hには、不図示の空気源から圧縮空気が供給され、静圧パッド13a〜13hからガイドレール4に向かって吐出された気体の圧力によって、ガイドレール4に対し主軸受5がわずかに離隔するようになり、殆ど摩擦なく移動できるようになっている。
【0018】
本実施形態の静圧空気軸受直線案内装置の動作について説明する。主軸受5の下面には検査用のカメラ(不図示)が取り付けられ、図2に示すワークWの上面を走査可能となっている。まず、不図示の空気源から供給された圧縮空気によって、ガイドレール4に対し主軸受5がわずかに離隔するようになり、カウンタガイドレール6,6に対しカウンタ軸受7,7がわずかに離隔した状態に維持される。
そして、モータ10が駆動プーリ1を駆動すると、歯付きベルト3を介して、ガイドレール4に沿って主軸受5が殆ど摩擦なく、またカウンタガイドレール6,6に対しカウンタ軸受7,7が殆ど摩擦なく移動される。
【0019】
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態のガイドレール4は、一対の側板ガイド部材4a,4aと、底板ガイド部材4bとからなる3部材で構成されており、従来のようにセラミックス等の機械的強度が大きい材料で一体中空構造のガイドレールを形成する場合と比較して、各部品を容易に形成することができ、多品種のガイド部材を短期間で成形することができるので、製造コスト低減化を図ることができる。
また、本実施形態のガイドレール4は、一対の側板ガイド部材4a,4aの短尺方向の端部に底板ガイド部材4bを結合して横断面コ字形状とされているので、長尺なガイドレール、或いは横断面サイズが大きいガイドレールになっても、自重たわみの剛性が高い部材とすることができる。
【0020】
(第2、第3実施形態)
ここで、図4及び図5は、第2及び第3実施形態のガイドレールの横断面形状を示すものである。
図4に示す第2実施形態のガイドレール15は、一対の側板ガイド部材15a,15aと、これら一対の側板ガイド部材15a,15aの下端部間に位置し、一対の側板ガイド部材15a,15aに連結ボルト14を介して結合される一対の底板ガイド部材15b,15bとからなる横断面コ字形状の部材であり、一対の底板ガイド部材15b,15bは、第1実施形態の底板ガイド部材4bを短尺方向に2分割した部材であり、連結ボルト16により結合されている。
【0021】
一対の側板ガイド部材15a,15aは、レール支持板8,9の間まで延在する直方体中実形状の単一金属部材、或いはセラミックス製の単一部材である。また、一対の底板ガイド部材15b,15bも、レール支持板8,9の間まで延在する直方体中実形状の単一金属部材、或いはセラミックス製の単一部材である。
本実施形態のガイドレール15も、一対の側板ガイド部材15a,15aと、これら一対の側板ガイド部材15a,15aの短尺方向の端部に結合された一対の底板ガイド部材15b,15bからなる4部材で構成されており、各部品を容易に形成することができ、多品種のガイド部材を短期間で成形することができるので、製造コスト低減化を図ることができる。
【0022】
また、本実施形態のガイドレール15も、一対の側板ガイド部材15a,15aの短尺方向の端部に一対の底板ガイド部材15b,15bを結合して横断面コ字形状とされているので、長尺なガイドレール、或いは横断面サイズが大きいガイドレールになっても、自重たわみの剛性が高い部材とすることができる。
【0023】
一方、図5に示す第3実施形態のガイドレール17は、互いに結合されている一方(左側)の側板ガイド部材17a,17bと、互いに結合されている他方(右側)の側板ガイド部材17a,17bと、一方の側板ガイド部材17b及び他方の側板ガイド部材17bに、連結ボルト14により結合されている一対の底板ガイド部材17c,17cとからなる横断面コ字形状の部材である。一方の側板ガイド部材17a,17bは、第1実施形態の一方(左側)の側板ガイド部材4aを短尺方向に2分割した部材であり、連結ボルト18により結合されている。他方の側板ガイド部材17a,17bも、第1実施形態の一方(左側)の側板ガイド部材4aを短尺方向に2分割した部材であり、連結ボルト18により結合されている。一対の底板ガイド部材17c,17cは、第1実施形態の底板ガイド部材4bを短尺方向に2分割した部材であり、連結ボルト16により結合されている。
【0024】
そして、一方及び他方の側板ガイド部材17a,17bは、レール支持板8,9の間まで延在する直方体中実形状の単一金属部材、或いはセラミックス製の単一部材である。また、一対の底板ガイド部材17c,17cも、レール支持板8,9の間まで延在する直方体中実形状の単一金属部材、或いはセラミックス製の単一部材である。
【0025】
本実施形態のガイドレール17も、一方及び他方の側板ガイド部材17a,17bと、一対の底板ガイド部材17c,17cからなる6部材で構成されており、各部品を容易に形成することができ、多品種のガイド部材を短期間で成形することができるので、製造コスト低減化を図ることができる。
また、本実施形態のガイドレール17も、複数の部材17a,17b、17cを横断面コ字形状に結合しているので、長尺なガイドレール、或いは横断面サイズが大きいガイドレールになっても、自重たわみの剛性が高い部材とすることができる。
【0026】
(第4実施形態)
次に、図6は、第4実施形態のガイドレールを示す平面図である。
本実施形態のガイドレール19は、一方(図6の上側)の側板ガイド部材20と、この一方の側板ガイド部材20と平行に長尺方向(案内方向)に延在する他方の側板ガイド部材21と、これら側板ガイド部材20,21の短尺方向の一端に結合されている底板ガイド部材22とからなる横断面コ字形状の部材である。
【0027】
一方の側板ガイド部材20は、長尺方向(案内方向)に3分割され、第1分割側板ガイド部材20a,第2分割側板ガイド部材20b及び第3分割側板ガイド部材20cで構成されており、これらの部材は、2液性のエポキシ系樹脂接着剤等の接着剤を使用して結合されている。
また、他方の側板ガイド部材21も、長尺方向(案内方向)に3分割され、第1分割側板ガイド部材21a,第2分割側板ガイド部材21b及び第3分割側板ガイド部材21cで構成されており、これらの部材も、2液性のエポキシ系樹脂接着剤等の接着剤により結合されている。
【0028】
また、底板ガイド部材22は、短尺方向に2分割され、且つ長尺方向(案内方向)にも2分割された部材であり、一方の側板ガイド部材20側に配置した第1分割底板ガイド部材22a及び第2分割底板ガイド部材22bと、他方の側板ガイド部材21側に配置した第3底板ガイド部材22c及び第4底板ガイド部材22dとで構成されている。
第1分割底板ガイド部材22a及び第2分割底板ガイド部材22bは、連結ボルトにより一方の側板ガイド部材20(第1分割側板ガイド部材20a,第2分割側板ガイド部材20b及び第3分割側板ガイド部材20c)に結合されている。また、第3底板ガイド部材22c及び第4底板ガイド部材22dは、連結ボルトにより他方の側板ガイド部材21(第1分割側板ガイド部材21a,第2分割側板ガイド部材21b及び第3分割側板ガイド部材21c)に結合されている。
【0029】
また、一方の側板ガイド部材20側に配置した第1分割底板ガイド部材22a及び第2分割底板ガイド部材22bは、他方の側板ガイド部材21側に配置した第3底板ガイド部材22c及び第4底板ガイド部材22dと、連結ボルトにより結合されている。
そして、第1分割底板ガイド部材22a及び第2分割底板ガイド部材22bは、上述した2液性のエポキシ系樹脂接着剤等の接着剤により結合されている。また、他方の側板ガイド部材21側に配置した第3底板ガイド部材22c及び第4底板ガイド部材22dは、接着剤により結合されている。
【0030】
ここで、図6に示すように、一方の側板ガイド部材20の第1分割側板ガイド部材20a及び第2分割側板ガイド部材20bが結合する位置(符号B)と、第2分割側板ガイド部材20b及び第3分割側板ガイド部材20cが結合する位置(符号C)とは、底板ガイド部材22を構成する第1分割底板ガイド部材22a及び第2分割底板ガイド部材22bが結合する位置(符号D)に対して長尺方向(案内方向)にずれて形成されている。
【0031】
また、底板ガイド部材22を構成する第1分割底板ガイド部材22a及び第2分割底板ガイド部材22bが結合する位置(符号D)と、これらに隣接する第3分割底板ガイド部材22c及び第4分割底板ガイド部材22dが結合する位置(符号E)も、長尺方向(案内方向)にずれて形成されている。
さらに、他方の側板ガイド部材21の第1分割側板ガイド部材21a及び第2分割側板ガイド部材21bが結合する位置(符号F)と、第2分割側板ガイド部材21b及び第3分割側板ガイド部材21cが結合する位置(符号G)とは、底板ガイド部材22を構成する第3分割底板ガイド部材22c及び第4分割底板ガイド部材22dが結合する位置(符号E)に対して長尺方向(案内方向)にずれて形成されている。
【0032】
本実施形態のガイドレール19は、さらに分割された単純な形状の複数の部材で構成されているので、各部品を容易に形成することができ、多品種のガイド部材を短期間で成形することができるので、製造コスト低減化を図ることができる。
また、本実施形態のガイドレール19は、多数の分割された部材で構成されているが、
例えば前述した、第1分割側板ガイド部材20a及び第2分割側板ガイド部材20bが結合する位置(符号B)と、第2分割側板ガイド部材20b及び第3分割側板ガイド部材20cが結合する位置(符号C)とが、第1分割底板ガイド部材22a及び第2分割底板ガイド部材22bが結合する位置(符号D)に対して案内方向にずれて形成されており、案内方向に分割し各部材の結合位置は、短尺方向に隣接している各部材の結合位置に対して案内方向にずれるように形成しているので、分割位置の剛性低下を防止している。したがって、長尺なガイドレール、或いは横断面サイズが大きいガイドレールになっても、自重たわみの剛性が高い部材とすることができる。
【0033】
なお、図6の構造に限らず、図5に示したように側板ガイド部材を短尺方向に分割した構成とし、この分割した側板ガイド部材を長尺方向(案内方向)に複数分割した構成としても、同様の効果を奏することができる。
また、上記各実施形態では、側板ガイド部材と底板ガイド部材とを連結ボルトで結合しているが、本発明の要旨がこれに限定されるものではなく、部材同士を、接着強度が強く、経年変化も極めて少ない2液性のエポキシ系樹脂接着剤を使用して接着結合してもよい。
また、本発明は各実施形態限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。主軸受5には、カメラに限らず種々の物体や処理装置等を搭載することができる。
【符号の説明】
【0034】
4…ガイドレール(ガイド部材)、4a…側板ガイド部材、4b…底板ガイド部材、5…主軸受(可動体)、13a〜13h…静圧パッド、14…連結ボルト、15…ガイドレール(ガイド部材)、15a…側板ガイド部材、15b…短尺方向に分割した底板ガイド部材、16…連結ボルト、17…ガイドレール(ガイド部材)、17a,17b…短尺方向に分割した側板ガイド部材、17c,17c…短尺方向に分割した底板ガイド部材、18…連結ボルト、19…ガイドレール(ガイド部材)、20,21…側板ガイド部材、20a,20b,20c…第1〜第3分割側板ガイド部材、21a,21b,21c…第1〜第3分割側板ガイド部材、22…底板ガイド部材、22a,22b,22c,22d …第1〜第4分割底板ガイド部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
案内方向に延在するガイド部材と、このガイド部材に沿って前記案内方向に移動する可動体と、この可動体を気体によって支持・案内する空気軸受部と、を備えた静圧気体軸受直線案内装置において、
前記ガイド部材は、長尺方向が前記案内方向に平行に延在する一対の側板ガイド部材と、これら一対の側板ガイド部材の前記案内方向に直交する短尺方向の一端に結合し、前記案内方向に沿って延在する底板ガイド部材とを備えた少なくとも3つの部材からなる横断面コ字状の部材であることを特徴とする静圧気体軸受直線案内装置。
【請求項2】
前記一対の側板ガイド部材の少なくとも一方は、前記短尺方向に複数分割された部材であることを特徴とする請求項1記載の静圧気体軸受直線案内装置。
【請求項3】
前記底板ガイド部材は、前記短尺方向に複数分割された部材であることを特徴とする請求項1又は2記載の静圧気体軸受直線案内装置。
【請求項4】
前記側板ガイド部材は、前記案内方向に複数分割された部材であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の静圧気体軸受直線案内装置。
【請求項5】
前記底板ガイド部材は、前記案内方向に複数分割された部材であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の静圧気体軸受直線案内装置。
【請求項6】
前記短尺方向及び前記案内方向に分割されて前記短尺方向に隣接する前記側板ガイド部材同士は、他の側板ガイド部材と前記案内方向に結合する位置が互いにずれていることを特徴とする請求項4記載の静圧気体軸受直線案内装置。
【請求項7】
前記短尺方向及び前記案内方向に分割されて前記短尺方向に隣接する前記底板ガイド部材同士は、他の底板ガイド部材と前記案内方向に結合する位置が互いにずれていることを特徴とする請求項5又は6記載の静圧気体軸受直線案内装置。
【請求項8】
前記案内方向に分割された前記底板ガイド部材同士が結合する位置と、前記案内方向に分割された前記側板ガイド部材同士が結合する位置が、前記案内方向に互いにずれていることを特徴とする請求項5乃至7の何れか1項に記載の静圧気体軸受直線案内装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−180937(P2012−180937A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−142041(P2012−142041)
【出願日】平成24年6月25日(2012.6.25)
【分割の表示】特願2008−282303(P2008−282303)の分割
【原出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】