説明

静磁界調整方法およびMRI装置

【課題】静磁界の均一性を調整する。
【解決手段】静磁界発生用マグネットの永久磁石1M、ヨークYB,YPおよび整磁板Spの少なくとも一つに静磁界調整用ユニット着脱部20を設け、前記静磁界調整用ユニット着脱部20に着脱自在で磁気抵抗値の異なる複数の静磁界調整用ユニット21の中から選択した静磁界調整用ユニット21を前記静磁界調整用ユニット着脱部20に装着することによって静磁界均一性を調整する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静磁界調整方法およびMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置に関し、さらに詳しくは、静磁界の均一性を調整するための静磁界調整方法およびその静磁界調整方法を好適に実施しうるMRI装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図12は、従来のMRI装置の一例を示す要部断面図である。
このMRI装置500は、垂直方向に静磁界Boを発生させるオープン型MRI装置である。
静磁界発生用マグネットは、上下に対向して設置された永久磁石1M1,1M2と、ベースヨークYBと、支柱ヨークYpと、整磁板Sp1とにより構成されている。
【0003】
永久磁石1M1,1M2およびベースヨークYBには、静磁界調整用の磁性体ネジ51が設置されている。磁性体ネジ51のねじ込み量を調節することにより、撮像領域KKにおける静磁界Boの均一性を調整することが出来る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のMRI装置500では、磁性体ネジ51のねじ込み量を調節した後の永久磁石1M1,1M2、ベースヨークYBおよび整磁板Sp1の温度変化に弱いという第1の問題点がある。例えば、NdFeB製の永久磁石1M1,1M2は−0.1%/℃程度の大きな温度特性を持っているため、磁性体ネジ51のねじ込み量を調節した後で永久磁石1M1,1M2の一方の温度が他方の温度より上がると、静磁界方向(Z方向)に無視できない大きさの静磁場不均一を生じてしまうが、これに対処することが出来ない。
【0005】
また、上記従来のMRI装置500のような磁性体ネジ51のねじ込み量を調節する方式では、静磁界Boの均一性を調整可能な範囲または調整の精度の一方が犠牲になるという第2の問題点がある。例えば、磁性体ネジ51の透磁率が大きければ調整可能な範囲は広いが調整の精度が粗くなり、逆に透磁率が小さければ調整の精度は細かくなるが調整可能な範囲は狭くなる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、静磁界の均一性を調整するための静磁界調整方法およびその静磁界調整方法を好適に実施しうるMRI装置を提供することにある。そして、さらに詳細には、永久磁石、ヨークおよび整磁板の温度変化に強い静磁界調整方法およびMRI装置を提供することにある。また、静磁界の均一性を調整可能な範囲および調整の精度の一方が犠牲にならない静磁界調整方法およびMRI装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の観点では、本発明は、静磁界発生用マグネットの永久磁石、ヨークおよび整磁板の少なくとも一つに静磁界調整用ユニット着脱部を設け、前記静磁界調整用ユニット着脱部に着脱自在で磁気抵抗値の異なる複数の静磁界調整用ユニットの中から選択した静磁界調整用ユニットを前記静磁界調整用ユニット着脱部に装着することによって静磁界均一性を調整することを特徴とする静磁界調整方法を提供する。
上記第1の観点による静磁界調整方法では、永久磁石、ヨークおよび整磁板の少なくとも一つに装着する静磁界調整用ユニットを、磁気抵抗値の異なるものに交換する。これによって、静磁界均一性を調整することが出来る。また、全体を交換してしまうため、磁気抵抗値の差の大きな物に交換すれば調整可能な範囲を広くでき、磁気抵抗値の差の小さな物に交換すれば調整の精度を細かく出来る。
【0008】
第2の観点では、本発明は、静磁界発生用マグネットの永久磁石、ヨークおよび整磁板の少なくとも一つに静磁界調整用ユニット着脱部が設けられ、前記静磁界調整用ユニット着脱部に着脱自在で磁気抵抗値の異なる複数の静磁界調整用ユニットの中から選択した静磁界調整用ユニットが前記静磁界調整用ユニット着脱部に装着されて静磁界均一性が調整されていることを特徴とするMRI装置を提供する。
上記第2の観点によるMRI装置では、永久磁石、ヨークおよび整磁板の少なくとも一つに装着する静磁界調整用ユニットを、磁気抵抗値の異なるものに交換することによって、静磁界均一性を調整することが出来る。また、静磁界調整用ユニットを交換してしまうため、磁気抵抗値の差の大きな物に交換すれば調整可能な範囲を広くでき、磁気抵抗値の差の小さな物に交換すれば調整の精度を細かく出来る。
【0009】
第3の観点では、本発明は、上記構成のMRI装置において、静磁界調整用ユニット着脱部は、ネジ穴であり、前記静磁界調整用ユニットの外形は、前記ネジ穴に螺入されるネジ形状であることを特徴とするMRI装置を提供する。
上記第3の観点によるMRI装置では、静磁界調整用ユニットをネジとして着脱できるので、作業が容易となる。
【0010】
第4の観点では、本発明は、上記構成のMRI装置において、前記複数の静磁界調整用ユニットは、第1の中実円柱体と該第1の中実円柱体の周面を取り巻くように保持する第1の中空円筒体とを一体化した組立体であって前記第1の中実円柱体および前記第1の中空円筒体の一方が磁性体で他方が非磁性体からなる第1の静磁界調整用ユニット、および、前記第1の中実円柱体とは外径が異なる第2の中実円柱体と該第2の中実円柱体の周面を取り巻くように保持し前記第1の中空円筒体とは外径が同一の第2の中空円筒体とを一体化した組立体であって前記第2の中実円柱体および前記第2の中空円筒体の一方が磁性体で他方が非磁性体からなる第2の静磁界調整用ユニットを含むことを特徴とするMRI装置を提供する。
上記第4の観点によるMRI装置では、中実円柱体の外径を変えることによって磁気抵抗値を自由に変えられる。
【0011】
第5の観点では、本発明は、上記構成のMRI装置において、前記複数の静磁界調整用ユニットは、前記ネジ穴に螺入される中実円柱体の磁性体からなる静磁界調整用ユニットを含むことを特徴とするMRI装置を提供する。
上記第5の観点によるMRI装置では、磁性体の材料を変えることによって、磁気抵抗値を変えられる。
【0012】
第6の観点では、本発明は、上記構成のMRI装置において、前記複数の静磁界調整用ユニットは、ネジ形状の中実円柱体と該中実円柱体を螺入するネジ穴を中心穴として有し外形がネジ形状の初段中空円筒体と該初段中空円筒体を螺入するネジ穴を中心穴として有し外形が前記静磁界調整用ユニット着脱部のネジ穴に螺入されるネジ形状の終段中空円筒体とを一体的に螺合した組立体であり、前記中実円柱体と前記初段中空円筒体と前記終段中空円筒体のそれぞれを磁性体とするか非磁性体とするかの組合せにより磁気抵抗値を変更可能な静磁界調整用ユニットを含むことを特徴とするMRI装置を提供する。
上記第6の観点によるMRI装置では、中実円柱体と初段中空円筒体と終段中空円筒体の材料を変えることによって磁気抵抗値を自由に変えられる。
【0013】
第7の観点では、本発明は、上記構成のMRI装置において、前記静磁界調整用ユニット着脱部は、静磁界方向の静磁界均一性を調整可能な位置に配置されていることを特徴とするMRI装置を提供する。
上記第7の観点によるMRI装置では、例えば撮像領域の中心を通る静磁界方向の軸(Z軸)上で且つ対向する永久磁石の両方に対で静磁界調整用ユニットを設置することにより、静磁界方向の静磁界均一性を調整可能となる。
【0014】
第8の観点では、本発明は、上記構成のMRI装置において、前記静磁界調整用ユニット着脱部は、静磁界方向に直交する方向の静磁界均一性を調整可能な位置に配置されていることを特徴とするMRI装置を提供する。
上記第8の観点によるMRI装置では、例えば撮像領域の中心を通る静磁界方向の軸(Z軸)に直交する軸(X軸,Y軸)上で且つ一つの永久磁石の面上に対で静磁界調整用ユニットを設置することにより、静磁界方向に直交する方向の静磁界均一性を調整可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の静磁界調整方法およびMRI装置によれば、静磁界の均一性を調整することが出来る。また、温度変化に起因する静磁界の乱れを防止できる。さらに、調整可能な範囲および調整の精度の一方が犠牲にならないように静磁界均一度を調整できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図に示す実施の形態により本発明を詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【0017】
−第1の実施形態−
図1は、本発明の第1の実施形態にかかるMRI装置を示す要部断面図である。図2は、図1のK−K’断面図である。
このMRI装置100は、上下に対向して設置された永久磁石すなわち永久磁石1M1,1M2により垂直方向に静磁界Boを発生させるオープン型MRI装置である。
【0018】
永久磁石1M1,1M2の表面には、撮像領域KKにおける静磁界の均一性Boを高めるための整磁板Sp1,Sp2がそれぞれ設置されている。
永久磁石1M1,1M2と、整磁板Sp1,Sp2と、ベースヨークYBおよび支柱ヨークYPとにより、磁気回路が構成される。永久磁石1M1,1M2の材料は、例えばネオジウム(Nd−Fe−B)系磁石材料,サマリウムコバルト(SmCo)系磁石材料,アルニコ(MK鋼)系磁石材料,フェライト系磁石材料である。
【0019】
永久磁石1M1およびベースヨークYBの各部には、局所的に温度を調節するための永久磁石ブロック11−1〜11−5が埋設または着設されている。
永久磁石1M2およびベースヨークYBの各部には、局所的に温度を調整するための永久磁石ブロック11−6〜11−10が埋設または着設されている。
【0020】
各永久磁石ブロック11には、その温度を上げるヒータ2が設置されている。 また、永久磁石ブロック11は、断熱材3により他の部材と熱的に遮断されている。
ヒータ2を流れる電流iは、温度調節器4により、温度センサ5で測定された永久磁石ブロック11の温度sが、温度設定部12により設定された温度tと等しくなるように制御される。
温度設定部12は、各永久磁石ブロック11が静磁界Boを均一化する補正磁界を生成するときの温度s1〜s10を設定する。
なお、ベースヨークYBに全体の温度を調節するためのヒータが設けられることがあるが、これとは別に前記ヒータ2を設ける。
【0021】
図3に示すように、温度調節器4がヒータ2に電流iを流さず、永久磁石ブロック11を周囲温度のままとすると、永久磁石ブロック11は周囲温度に対応する強度の磁界を発生させる。
一方、図4に示すように、温度調節器4が前記ヒータ2に電流iを流し、永久磁石ブロック11の温度を上げると、永久磁石ブロック11が発生する磁力が弱まる。これは、永久磁石ブロック11が負の温度特性を持つからである。
【0022】
図5は、MRI装置100における静磁界均一化処理を示すフロー図である。
ステップST1では、被検体を挿入しない状態で、テスラメータ(tesla meter)などで撮像領域KKにおける静磁界強度を測定し、温度設定部12へ送る。
【0023】
ステップST2では、温度設定部12は、磁界強度測定値および既知の温度特性に基づいて、静磁界Boを均一にするための各永久磁石ブロック11の設定温度tを算出する。
例えば、X方向の正側の磁界をX方向の負側の磁界よりも補強する場合、永久磁石ブロック11−2の温度のみを上げ、永久磁石ブロック11−3の温度を上げない温度調節を行う(永久磁石1M2側も同様に調整する)。
また、Y方向の正側の磁界をY方向の負側の磁界よりも補強する場合、永久磁石ブロック11−5の温度のみを上げ、永久磁石ブロック11−4の温度を上げない温度調節を行う。
さらに、Z方向の上側の磁界を下側の磁界よりも補強する場合、永久磁石ブロック11−6の温度のみを上げ、永久磁石ブロック11−1の温度を上げない温度調節を行う。
【0024】
なお、各永久磁石ブロック11の温度を変えることにより補正可能なのは、主としてX,Y,Zの各方向の磁界勾配の1次項である(例えば1℃の温度差で、60〜70ppm程度の補正が可能である)が、例えば永久磁石ブロック11−1および11−6の温度を同時に上げるか又は下げる調整を行うことで、Z方向の2次項の磁界勾配に関しても幾分かの補正が可能である(例えば1℃の温度差で、3〜6ppm程度の補正が可能である)。
【0025】
ステップST3では、温度調節器4は、各永久磁石ブロック11の温度sが設定温度tと等しくなるように、ヒータ2の電流iを制御する。
【0026】
以上のMRI装置100によれば、各永久磁石ブロック11の温度を個別に調節することで静磁界Boの均一性を調整できる。そして、局所的温度を調節するため、意図しない温度変化を防止でき、温度変化に起因する静磁場均一製の乱れを防止できる。
【0027】
上記第1の実施形態の構成を、次のように変更してもよい。
(1)永久磁石1M1やベースヨークYBの局所的温度を調節する代わりに又はそれに加えて、整磁板Sp1,Sp2の局所的温度を調節してもよい。
(2)ヒータ2の代わりに、ペリチエ(peltier)素子などの加熱器/冷却器を用いて永久磁石ブロック11の温度を調節してもよい。また、ヒータ2と冷却器とを併用してもよい。
(3)永久磁石部材(着磁した磁性体)を用いた永久磁石ブロック11の代わりに、非着磁の磁性体を用いた磁性体ブロックを用いてもよい。
【0028】
−第2の実施形態−
図6は、本発明の第2の実施形態にかかるMRI装置を示す要部断面図である。図7は、図7は、図6のK−K’断面図である。
このMRI装置200において、永久磁石1M1およびベースヨークYBの各部には、複数のタイプ(図8の21α,21β,21γ)のうちから選択された静磁界調整用ユニット21−1〜21−10を任意に着脱可能なネジ穴すなわち静磁界調整用ユニット着脱部20−1〜20−10が穿設されている。
【0029】
図8の(a)に示すように、静磁界調整用ユニット21αは、中空円筒体であり且つ外形がネジ形状の非磁性体ソケット210αと,その中心部に貫設された直径r1の中実円柱体の磁性体コア211αとからなる。
図8の(b)に示すように、静磁界調整用ユニット21βは、非磁性体ソケット210βと,その中心部に貫設された直径r2(r2>r1)の磁性体コア211βとからなる。
図8の(c)に示すように、静磁界調整用ユニット21γは、中実円柱体であり、全体が磁性体である。
各静磁界調整用ユニット21α,21β,21γの外周には、静磁界調整用ユニット着脱部20に螺入できるネジ溝Mが刻設されている。
【0030】
非磁性体ソケット210α,210βの非磁性体材料は、PP(PolyPropylene),PBT(PolyButylene Terephthalate),ABS(AcrylonitrileButadiene Styrene),PE(PolyEthylene),PS(PolyStyrene),TPX(polymethylpentene),POM(polyacetals),PVC(PolyVinylChloride),PPE(PolyPhenylene Ether)のいずれか又はそれらのうちの2以上の組み合わせである。
【0031】
磁性体コア211α,211βおよび静磁界調整用ユニット21γの磁性体材料は、ネオジウム系磁石材料,サマリウムコバルト系磁石材料,アルニコ系磁石材料,フェライト系磁石材料のいずれか又はそれらのうちの2以上の組み合わせである。
【0032】
このMRI装置200では、撮像領域KKにおける静磁界Boの均一性が最も改善されるように選択した静磁界調整用ユニット21(図8の21α,21β,21γのいずれか)を、各静磁界調整用ユニット着脱部20に装着する。
【0033】
以上のMRI装置200によれば、静磁界調整用ユニット着脱部20に装着する静磁界調整用ユニット21を交換することで静磁界Boの均一性を調整できる。また、全体を交換してしまうため、磁気抵抗値の差の大きな物に交換すれば調整可能な範囲を広くでき、磁気抵抗値の差の小さな物に交換すれば調整の精度を細かく出来る。
【0034】
なお、図8には、3種類の静磁界調整用ユニット21α,21β,21γを示したが、コアの直径,コアの材料,コアの長さを変えることによって、異なる磁気抵抗値を持つ多種類の静磁界調整用ユニットを利用できる。また、非磁性体ソケットを磁性体ソケットとしてもよいし、磁性体コアを非磁性体コアとしてもよい。
【0035】
−第3の実施形態−
第3の実施形態におけるMRI装置では、前述の第2の実施形態における静磁界調整用ユニット21(図8参照)に代えて、図9に示す静磁界調整用ユニット31を用いる。すなわち、中空円筒体の終段リング310の中心穴に中空円筒体の初段リング311を螺入し、初段リング311の中心穴に中実円柱体のコア312を螺入した組立体の静磁界調整用ユニット31を用いる。
【0036】
図10の(a1)(b1)に示すように、終段リング310として、磁性体の終段リング310Aと,非磁性体の終段リング310Bのどちらかが選択される。
また、図10の(a2)(b2)に示すように、初段リング311として、磁性体の初段リング311Aと,非磁性体の初段リング311Bのどちらかが選択される。
また、図10の(a3)(b3)に示すように、コア312として、磁性体のコア312Aと,非磁性体のコア312Bのどちらかが選択される。
【0037】
したがって、図11に示すように、静磁界調整用ユニット31の構造パターンは8通りとなる。なお、模式断面の磁性体部分をハッチングで表現している。
【0038】
このMRI装置では、撮像領域KK(図6参照)における静磁界Boの均一性が最も改善されるように構造パターン(図11の8パターンのいずれか)を選択した静磁界調整用ユニット31を、各静磁界調整用ユニット着脱部20に装着する。
【0039】
以上のMRI装置によれば、静磁界調整用ユニット着脱部20に装着する静磁界調整用ユニット31を交換することで静磁界Boの均一性を調整できる。また、全体を交換してしまうため、磁気抵抗値の差の大きな物に交換すれば調整可能な範囲を広くでき、磁気抵抗値の差の小さな物に交換すれば調整の精度を細かく出来る。
【0040】
なお、初段リングとコアの直径,長さ、終段リングと初段リングとコアの材料を変えることによって、異なる磁気抵抗値を持つ多種類の静磁界調整用ユニットを利用できる。
また、初段リングと終段リングの間に中間リングを挟んで段数を増やせば、構造パターンの数を更に増やすことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】第1の実施形態にかかるMRI装置を示す要部断面図である。
【図2】図1のK−K’断面図である。
【図3】永久磁石ブロックを周囲温度のままとしたときの磁界分布を示す説明図である。
【図4】永久磁石ブロックの温度を上げたときの磁界分布を示す説明図である。
【図5】図1のMRI装置における静磁界均一化処理を示すフロー図である。
【図6】第2の実施形態にかかるMRI装置を示す要部断面図である。
【図7】図6のK−K’断面図である。
【図8】図6のMRI装置に用いる静磁界調整用ユニットを示す説明図である。
【図9】第3の実施形態のMRI装置にかかる静磁界調整用ユニットを示す説明図である。
【図10】図9の静磁界調整用ユニットを構成する各パーツを示す説明図である。
【図11】図9の静磁界調整用ユニットの構造パターンを示す図表である。
【図12】従来のMRI装置の一例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
【0042】
100,200 MRI装置
1M1,1M2 永久磁石
2 ヒータ
3 断熱材
4 温度調節器
5 温度センサ
11 永久磁石ブロック
12 温度設定部
20 静磁界調整用ユニット着脱部
21,31 静磁界調整用ユニット
210 非磁性体ソケット
211 磁性体コア
310 終段リング
311 初段リング
312 コア
Bo 静磁界
KK 撮像領域
Sp1,Sp2 整磁板
YB ベースヨーク
YP 支柱ヨーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静磁界発生用マグネットの永久磁石、ヨークおよび整磁板の少なくとも一つに静磁界調整用ユニット着脱部を設け、前記静磁界調整用ユニット着脱部に着脱自在で磁気抵抗値の異なる複数の静磁界調整用ユニットの中から選択した静磁界調整用ユニットを前記静磁界調整用ユニット着脱部に装着することによって静磁界均一性を調整することを特徴とする静磁界調整方法。
【請求項2】
静磁界発生用マグネットの永久磁石、ヨークおよび整磁板の少なくとも一つに静磁界調整用ユニット着脱部が設けられ、前記静磁界調整用ユニット着脱部に着脱自在で磁気抵抗値の異なる複数の静磁界調整用ユニットの中から選択した静磁界調整用ユニットが前記静磁界調整用ユニット着脱部に装着されて静磁界均一性が調整されていることを特徴とするMRI装置。
【請求項3】
請求項2に記載のMRI装置において、静磁界調整用ユニット着脱部は、ネジ穴であり、前記静磁界調整用ユニットの外形は、前記ネジ穴に螺入されるネジ形状であることを特徴とするMRI装置。
【請求項4】
請求項3に記載のMRI装置において、前記複数の静磁界調整用ユニットは、第1の中実円柱体と該第1の中実円柱体の周面を取り巻くように保持する第1の中空円筒体とを一体化した組立体であって前記第1の中実円柱体および前記第1の中空円筒体の一方が磁性体で他方が非磁性体からなる第1の静磁界調整用ユニット、および、前記第1の中実円柱体とは外径が異なる第2の中実円柱体と該第2の中実円柱体の周面を取り巻くように保持し前記第1の中空円筒体とは外径が同一の第2の中空円筒体とを一体化した組立体であって前記第2の中実円柱体および前記第2の中空円筒体の一方が磁性体で他方が非磁性体からなる第2の静磁界調整用ユニットを含むことを特徴とするMRI装置。
【請求項5】
請求項3に記載のMRI装置において、前記複数の静磁界調整用ユニットは、前記ネジ穴に螺入される中実円柱体の磁性体からなる静磁界調整用ユニットを含むことを特徴とするMRI装置。
【請求項6】
請求項3に記載のMRI装置において、前記複数の静磁界調整用ユニットは、ネジ形状の中実円柱体と該中実円柱体を螺入するネジ穴を中心穴として有し外形がネジ形状の初段中空円筒体と該初段中空円筒体を螺入するネジ穴を中心穴として有し外形が前記静磁界調整用ユニット着脱部のネジ穴に螺入されるネジ形状の終段中空円筒体とを一体的に螺合した組立体であり、前記中実円柱体と前記初段中空円筒体と前記終段中空円筒体のそれぞれを磁性体とするか非磁性体とするかの組合せにより磁気抵抗値を変更可能な静磁界調整用ユニットを含むことを特徴とするMRI装置。
【請求項7】
請求項2から請求項6のいずれかに記載のMRI装置において、前記静磁界調整用ユニット着脱部は、静磁界方向の静磁界均一性を調整可能な位置に配置されていることを特徴とするMRI装置。
【請求項8】
請求項2から請求項7のいずれかに記載のMRI装置において、前記静磁界調整用ユニット着脱部は、静磁界方向に直交する方向の静磁界均一性を調整可能な位置に配置されていることを特徴とするMRI装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−218324(P2006−218324A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−133181(P2006−133181)
【出願日】平成18年5月12日(2006.5.12)
【分割の表示】特願2001−203874(P2001−203874)の分割
【原出願日】平成13年7月4日(2001.7.4)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】