説明

静電デバイスの製造方法及び静電デバイス

【課題】構造が簡単で顕著な小型化を達成でき、かつ製造が容易で製造コストを著しく低減できる静電デバイスを提供する。
【解決手段】静電デバイスとしての傾斜センサは、2つの電極構造体を作製する構造体作製工程と、作製された2つの電極構造体を接合する接合工程と、を含む方法により製造される。2つの電極構造体は、電極オフセット印刷工程と、電極硬化工程と、を含む方法で作製される。電極オフセット印刷工程では、紫外線リソグラフィと電鋳を組み合わせたプロセスにより静電電極パターンが形成された電極形成用金型89をオフセット印刷装置86のロール87に装着して、導電性を有する感光性樹脂90を成形品1にオフセット印刷する。電極硬化工程では、印刷された感光性樹脂90を硬化させることにより、成形品1上に静電電極を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば静電容量型センサ、静電アクチュエータ、静電スイッチ等の静電デバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
静電容量型センサは従来から、例えば傾斜角センサ、圧力センサ及び加速度センサ等の各種センサとして広く用いられている。例えば傾斜角センサは、2つの電極に適宜の液体を浸漬し、傾斜による液面の変化を静電容量の変化として検出する構成となっている。また、圧力センサ及び加速度センサは、2つの電極の一方を固定し、他方を可動式として、可動側の電極が圧力又は加速度により位置が変化すると電極間の静電容量が変化することを利用したものである。
【0003】
この種の静電容量型センサにおいては、電極間で液体が自由に移動できるようにするために、あるいは電極間の距離を可変とするために、電極間を真空とするか、あるいは空気等の誘電率の低い気体を用いることが行われてきた。しかしながら、この方法では、コンデンサに蓄積される電荷量の決定要因である誘電率が低くなり、センサの感度を向上させるためには電極面積を大きくしなければならなかった。これは素子面積の増加に繋がり、センサ製造時の歩留りの低下や小型化の妨げの原因となっていた。
【0004】
この点、例えば非特許文献1は、電界効果トランジスタ(FET)を利用して信号増幅を行う静電容量型圧力センサを開示している。非特許文献1は、この構成により、圧力や加速度を高い感度で検出できるとする。
【非特許文献1】S. Buschnakowski, A. Bertz, W. Brauer, S. Heinz, R. Schuberth, G. Ebest and T. Gessner:“DEVELOPMENT AND CHARACTERISATION OF A HIGH ASPECT RATIO VERTICAL FET SENSOR FOR MOTION DETECTION” TRANSDUCERS ’03, Boston, June 8−12, 2003, p. 1391−1394.
【0005】
一方、特許文献1は、前述の非特許文献1の構成は構造が複雑で製造工程が複雑になる旨を指摘し、これを解決するために、以下のような構成の静電容量型センサを提案している。即ち、この特許文献1の静電容量型センサは、基板と、ゲート電極板と、を備える。前記基板は、対向する2つの主面を有し、その一方の面に第1導電型のソース領域と第1導電型のドレイン領域が所定の間隔で設けられている。また、当該基板において、前記ソース領域と前記ドレイン領域の間に位置する第2導電型の領域がチャンネル領域とされている。前記ゲート電極板は、前記チャンネル領域に対向する。前記ゲート電極板は、前記チャンネル領域の表面に平行な一方向に移動可能に設けられており、前記チャンネル領域と前記ゲート電極板との対向面積の変化に基づいて前記ゲート電極板に加えられた力を検出する。特許文献1は、この構成により、構造が簡単でかつ製造が容易な静電容量型センサを提供できるとする。
【特許文献1】特開2007−71846号公報
【0006】
また、特許文献2が開示する静電容量型センサは、外力によって変位する薄膜部およびこの薄膜部に形成された可動電極を有する第1の基板と、上記可動電極に対向する位置に設けられた固定電極を有する少なくとも一つの第2の基板と、を備える。そして、上記可動電極と上記固定電極との間に間隙が形成されるとともに、上記薄膜部の中央部を変位しないように固定する固定部材が設けられている。特許文献2は、この構成により、直線性の優れたセンサ出力が得られる静電容量型センサが得られるとする。
【特許文献2】特開平8−320268号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献で開示された構成は、製造等が一定程度容易になっているものの、スペースファクタとコストパフォーマンスの点で一層の改善の余地が残されていた。
【0008】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、構造が簡単で顕著な小型化を達成でき、かつ製造が容易で製造コストを著しく低減できる静電デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0010】
本発明の観点によれば、静電電極が対向配置された静電デバイスの以下のような製造方法が提供される。即ち、この静電デバイスの製造方法は、複数の構造体を作製する構造体作製工程と、作製された複数の構造体を接合する接合工程と、を含む。接合される前記構造体のうち少なくとも1つは、前記構造体作製工程において、電極オフセット印刷工程と、電極硬化工程と、を含む方法で作製される。前記電極オフセット印刷工程では、紫外線リソグラフィ又はX線リソグラフィと電鋳を組み合わせたプロセスにより静電電極パターンが形成された電極形成用金型をオフセット印刷装置のロールに装着して、導電性を有する樹脂を樹脂基材にオフセット印刷する。前記電極硬化工程では、印刷された樹脂を硬化させることにより、前記樹脂基材上に前記静電電極を形成する。
【0011】
この方法により、微細な形状の静電電極をオフセット印刷で簡単に形成することができる。従って、静電デバイスの著しい小型化を実現できるとともに、静電電極の形成のための工程を大幅に簡素化でき、更に、大規模な装置が不要になって設備コストも大きく削減できる。また、工程の簡素化により、製造工程で使用される水、薬品、電力の使用量を大幅に削減できるので、製造コストを良好に低減できるとともに、環境への負荷も抑制することができる。
【0012】
前記の静電デバイスの製造方法においては、以下のようにすることが好ましい。即ち、前記電極オフセット印刷工程において、静電デバイスの複数個分の静電電極パターンが繰返し形成された電極形成用金型を用いて、1つの前記樹脂基材につき複数個分の静電電極パターンを同時にオフセット印刷する。その後、前記樹脂基材は静電デバイス1個ごとに分離される。
【0013】
この方法により、一度に複数の静電デバイスを処理することができるので、スループットを大幅に向上させることができ、製造コストの一層の低減に寄与することができる。
【0014】
前記の静電デバイスの製造方法においては、前記電極オフセット印刷工程及び前記電極硬化工程により、前記静電電極とともに、当該静電電極から引き出される配線部が前記樹脂基材上に同時に形成されることが好ましい。
【0015】
この方法により、配線部の製造も簡単になるので、工程の一層の簡素化と低コスト化を実現できる。
【0016】
前記の静電デバイスの製造方法においては、以下のようにすることができる。即ち、前記電極形成用金型は、レジスト構造体作製工程と、ニッケル電鋳のシード層と成る導電層形成工程と、ニッケル電鋳工程と、除去工程と、を含む方法で製造される。前記レジスト構造体作製工程では、紫外線リソグラフィ法又はX線リソグラフィ法によって基板上にレジスト構造体を作製する。前記導電層形成工程では、前記レジスト構造体を覆うように導電層を形成する。前記ニッケル電鋳工程では、前記導電層を覆うようにニッケルを析出させる。前記除去工程では、前記基板、前記レジスト構造体及び前記導電層を除去する。
【0017】
この方法により、電極形成用金型に凹凸の微細パターンを精度良く形成することができ、特にアスペクト比が1以下の形状を形成する場合に好適である。
【0018】
前記の静電デバイスの製造方法においては、以下のようにすることもできる。即ち、前記電極形成用金型は、ニッケル電鋳のシード層と成る導電層形成工程と、レジスト構造体作製工程と、ニッケル電鋳工程と、除去工程と、を含む方法で製造される。前記導電層形成工程では、金型作製用基板上を覆うように導電層を形成する。前記レジスト構造体作製工程では、紫外線リソグラフィ法又はX線リソグラフィ法によって前記導電層の上にレジスト構造体を作製する。前記ニッケル電鋳工程では、前記レジスト構造体及びレジスト構造体の存在しないニッケル電鋳のシード層を覆うようにニッケルを析出させる。前記除去工程では、前記金型作製用基板、前記導電層及び前記レジスト構造体を除去する。
【0019】
この方法により、電極形成用金型に凹凸の微細パターンを精度良く形成することができ、特にアスペクト比が1以上の形状を形成する場合に好適である。
【0020】
前記の静電デバイスの製造方法においては、以下のようにすることが好ましい。即ち、前記金型作製用基板は、シリコン、ガラス、セラミック又は石英によりなる。前記レジスト構造体は感光性樹脂により作製される。前記導電層は金属によりなる。前記ニッケルは0.1mm以上の厚みで形成される。
【0021】
この方法により、耐久性のある精密な電極形成用金型により、静電デバイスを低コストで製造することができる。
【0022】
前記の静電デバイスの製造方法においては、接合される前記構造体のうち少なくとも1つは、前記構造体作製工程において、絶縁部オフセット印刷工程と、絶縁部硬化工程と、を含む方法で作製される。前記絶縁部オフセット印刷工程では、紫外線リソグラフィ又はX線リソグラフィと電鋳を組み合わせたプロセスにより絶縁部パターンが形成された絶縁部形成用金型をオフセット印刷装置のロールに装着して、電気絶縁性を有する樹脂を前記樹脂基材上にオフセット印刷する。前記絶縁部硬化工程では、印刷された樹脂を硬化させることにより、前記樹脂基材上に絶縁部を形成する。
【0023】
この方法により、更に絶縁部をオフセット印刷で形成できるので、工程の一層の簡素化と低コスト化を図ることができる。
【0024】
前記の静電デバイスの製造方法においては、以下のようにすることが好ましい。即ち、接合される前記構造体のうち少なくとも1つについては、前記構造体作製工程において、紫外線リソグラフィ又はX線リソグラフィと電鋳を組み合わせたプロセスにより作成された基板成形用金型を使用して前記樹脂基材を成形する基板成形工程が前記電極オフセット印刷工程の前に行われる。前記基板成形工程によって、前記樹脂基材にスルーホール形成用の貫通孔が形成される。
【0025】
この方法により、電極の形成前に樹脂基材の形状を制御することで、静電デバイスの設計の自由度を高めることができ、製造コストの低減等に寄与することができる。また、スルーホールを簡単に形成できるので、一層の低コスト化を図ることができる。
【0026】
前記の静電デバイスの製造方法においては、以下のようにすることが好ましい。即ち、接合される前記構造体のうち少なくとも1つについては、前記構造体作製工程において、紫外線リソグラフィ又はX線リソグラフィと電鋳を組み合わせたプロセスにより作成された基板成形用金型を使用して前記樹脂基材を成形する基板成形工程が前記電極オフセット印刷工程の前に行われる。前記基板成形工程では、前記基板成形用金型が装着されたローラ装置に前記樹脂基材を通過させることにより、当該樹脂基材を加圧成形する。
【0027】
この方法により、電極の形成前に樹脂基材の形状を制御することで、静電デバイスの設計の自由度を高めることができ、製造コストの低減等に寄与することができる。また、樹脂基材の表面に微細パターンを容易に形成することができる。
【0028】
前記の静電デバイスの製造方法においては、以下のようにすることが好ましい。即ち、接合される前記構造体のうち少なくとも1つについては、前記構造体作製工程において、紫外線リソグラフィ又はX線リソグラフィと電鋳を組み合わせたプロセスにより作成された基板成形用金型を使用して前記樹脂基材を成形する基板成形工程が前記電極オフセット印刷工程の前に行われる。前記基板成形工程では、前記基板成形用金型を用いて前記樹脂基材を成形する。
【0029】
この方法により、電極の形成前に樹脂基材の形状を制御することで、静電デバイスの設計の自由度を高めることができ、製造コストの低減等に寄与することができる。また、樹脂基材の表面に微細パターンを容易に形成することができる。
【0030】
前記の静電デバイスの製造方法においては、対向配置された前記静電電極の間に所定量の静電容量媒体を充填する静電容量媒体充填工程を更に含むことが好ましい。
【0031】
この方法により、静電容量媒体を用いる静電容量センサを低コストで提供することができる。
【0032】
本発明の他の観点によれば、前記製造方法により製造された静電デバイス、具体的には、静電容量型センサ、静電アクチュエータ及び静電スイッチが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
次に、発明の実施の形態を説明する。最初に、静電デバイス(静電容量型センサ)の一例としての傾斜センサの構造と動作原理について、図1を参照して説明する。図1(a)及び図1(b)は、傾斜センサ11の原理を示す模式断面図である。
【0034】
図1(a)及び図1(b)に示すように、傾斜センサ11は、中空状に形成されたセンサハウジング12と、1つの共通電極13と、第1対向電極14と、第2対向電極15と、を備えて形成されている。これらの電極(静電電極)13,14,15は薄い板状の電極とされ、センサハウジング12の内壁に備えられている。共通電極13は円形状に形成されており、2つの対向電極14,15は何れも半円形状に形成されている。
【0035】
センサハウジング12の内部空間は所定の厚みを有する円形状に形成されており、前記共通電極13は、この内部空間の厚み方向一側の内壁に配置されている。一方、2つの対向電極14,15は、共通電極13と反対側に位置する内壁に配置されている。この対向電極14,15と前記共通電極13との間には、前記内部空間の厚み方向に所定の隙間が形成されている。
【0036】
2つの対向電極14,15は、互いに若干の間隔をあけて配置されている。また、第1対向電極14は共通電極13の一側の半分に対応するように配置され、第2対向電極14は共通電極13の残りの半分に対応するように配置される。
【0037】
そして、前記センサハウジング12の内部空間には、所定量の液体(具体的には、シリコンオイル)が封入される。この構成でセンサハウジング12が傾斜すると、静電容量媒体としてのシリコンオイルの液面16が相対的に変化するので、2つの対向電極14,15が浸漬される面積が変化する。これを静電容量の変化として検出することにより、センサハウジング12が取り付けられた部材等の傾斜方向及び傾斜角θを取得することができる。
【0038】
次に、図2を参照して、傾斜センサ11の詳細な構成を説明する。図2は傾斜センサ11の分解斜視図である。
【0039】
図2に示すように、傾斜センサ11は、第1電極構造体31と、第2電極構造体32と、を相互に接合することで構成される。第1電極構造体31は、所定の厚みを有するように形成された樹脂基板51の厚み方向一側の面に、前記対向電極14,15を形成し、更に絶縁樹脂層53を積層した構成となっている。なお、図2においては絶縁樹脂層53の構成をより良く示すために、樹脂基板51と絶縁樹脂層53は分離した状態で描かれている。
【0040】
絶縁樹脂層53には中空部54が貫通状に形成されている。この中空部54は、傾斜センサ11が備えるセンサハウジング12の前記内部空間に相当する。この中空部54は、前記樹脂基板51に形成されたオイル注入口55に連通している。このオイル注入口55は前記シリコンオイルを中空部54に所定量注入するための孔として形成されており、注入後は、当該オイル注入口55は封止栓56によって閉鎖される。
【0041】
対向電極14,15は、樹脂基板51と絶縁樹脂層53との間に挟まれた位置に形成される。また、樹脂基板51の一側の面(接合時に内側を向く面)には一対の配線部57が備えられ、この配線部57は、前記対向電極14,15のそれぞれから引き出されるように形成される。それぞれの配線部57の一端に相当する位置において、前記樹脂基板51には貫通状の電極孔58が形成され、この電極孔58の内部に配線用電極59が配置される。それぞれの配線用電極59は、樹脂基板51の外側を向く面に露出するように配置されるとともに、前記配線部57を介して前記対向電極14,15と電気的に接続されている。
【0042】
第2電極構造体32は、所定の厚みを有するように形成された樹脂基板52の厚み方向一側の面(接合時に内側を向く面)に、前記共通電極13を形成した構成となっている。また、樹脂基板52の一側の面には配線部71が備えられ、この配線部71は、前記共通電極13から引き出されるように形成される。この配線部71に相当する位置において、前記樹脂基板51及び絶縁樹脂層53には電極孔72,73が形成され、これら電極孔72,73の内部には配線用電極74が配置される。配線用電極74は、樹脂基板51の外側を向く面に露出するように配置されるとともに、前記配線部71を介して共通電極13と電気的に接続されている。
【0043】
以上の構成の第1電極構造体31及び第2電極構造体32を厚み方向に相互に接合することで、内部に共通電極13及び対向電極14,15を配置したセンサハウジング12が構成され、傾斜センサ11を製造することができる。
【0044】
次に、図3及び図4を参照して、第1電極構造体31を作製する工程を概観的に説明する。図3は傾斜センサの製造方法を模式的に示す説明図である。図4は導電性を有する樹脂をオフセット印刷する様子を示す側面図である。
【0045】
本実施形態の製造方法では、まず、射出成形装置81を用いて、成形品(樹脂基材)1を製造する。この成形品1は、複数の前記樹脂基板51を並べて配置するとともに、これらの樹脂基板51がランナ部によって相互に連結された形状となっている。
【0046】
前記射出成形装置81には、紫外線リソグラフィと電鋳を組み合わせたプロセスによって微細なパターンが形成された基板成形用金型82が装着されている。なお、基板成形用金型82には傾斜センサ11の複数個分の成形パターンが繰返し状に配置されており、これにより、樹脂基板51の微細な形状(例えば、オイル注入口55や電極孔58,72等)を一度に複数個分形成することができる。
【0047】
次に、オフセット印刷装置86により、導電性を有するペースト状の感光性樹脂(樹脂インク)90による対向電極14,15及び配線部57のパターンを、前記成形品1に対し印刷する。樹脂に導電性を付与する方法としては、適宜の金属(例えば、銀)のナノ粒子を樹脂に分散させる方法等が考えられる。
【0048】
このオフセット印刷装置86は、ロール87と、転写体としてのブランケット88と、を備えている。ロール87の外周面には、微細な静電電極パターン及び配線部パターンが紫外線リソグラフィと電鋳を組み合わせたプロセスで形成された電極形成用金型89が装着されている。なお、この電極形成用金型89には、基板成形用金型82と同様に、傾斜センサ11の複数個分の静電電極パターンが形成されている。これにより、微細な形状の対向電極14,15及び配線部57を一度に複数個分形成することができる。
【0049】
図4に示すように、オフセット印刷装置86において前記ロール87の外周には、電極形成用金型89が巻かれるようにして取り付けられている。この電極形成用金型89には、前記対向電極14,15及び配線部57の形状に対応した微細な凹部が形成されており、この凹部に感光性樹脂90が供給される。なお、ロール87の近傍には、余分な感光性樹脂90を掻き取るためのブレード91が配置されている。また、ブランケット88は前記ロール87と対向するように配置され、互いに反対方向に回転する。
【0050】
この構成で、ロール87及びブランケット88が回転駆動されることにより、電極形成用金型89の凹部に入った感光性樹脂90は前記ブランケット88の外周面に吸い取られる。そして、ブランケット88に移行した感光性樹脂90は、ブランケット88の回転によって成形品1に転写される。この電極オフセット印刷工程により、所望の微細なパターンを成形品1上に印刷することができる。
【0051】
次に、図3に示す紫外線ランプ92により感光性樹脂90を硬化させ、対向電極14,15及び配線部57を形成する。なお、図3では第1対向電極14のみをモデル的に図示しているが、前記電極オフセット印刷工程及びこの硬化工程によって、第2対向電極15及び配線部57も同時に形成されることになる。更に、成形品1においてランナ部から樹脂基板51をそれぞれ切り離す切離し工程を行うことで、対向電極14,15及び配線部57を備えた複数の樹脂基板51を作製することができる。
【0052】
なお、図3においては図示を省略しているが、本実施形態では、対向電極14,15及び配線部57を形成した成形品に対し、前記絶縁性樹脂によるパターンをオフセット印刷する工程(絶縁部オフセット印刷工程)と、当該絶縁性樹脂を感光硬化させることで絶縁樹脂層53を形成する工程(絶縁部硬化工程)とが、前記切離し工程の前に行われる。これにより、樹脂基板51に絶縁樹脂層53を積層させることができる。なお、この絶縁部オフセット印刷工程は、電極形成用金型89の代わりに絶縁部形成用金型を使用するとともに、導電性を有する樹脂の代わりに電気絶縁性を有する感光性樹脂のペーストを用いて印刷する点以外は前記電極オフセット印刷工程と同様であるので、説明を省略する。
【0053】
次に、前記オフセット印刷装置86に用いられる電極形成用金型89の製造方法について、図5を参照して説明する。図5は電極形成用金型の製造方法の第1例を示す図である。
【0054】
まず、シリコンウエハからなる金型作製用基板21を用意し(図5(1))、その上にレジスト22を塗布する(図5(2))。このレジスト22としては、例えば紫外線レジストを用いることができる。次に、マスク23を用いてレジスト22を選択的に紫外線露光し(露光工程、図5(3))、未露光部分を除去する(現像工程、図5(4))。この紫外線リソグラフィ法により、金型作製用基板21上にレジスト構造体24を形成することができる。
【0055】
次に、レジスト構造体24を覆うように、膜状のシード層(導電層)25を形成する(導電層形成工程、図5(5))。このシード層25としては、チタン又は銅などの金属によりなるものを使用することができる。次に、このシード層25を覆うようにニッケルを析出させる(ニッケル電鋳工程、図5(6))。次に、金型作製用基板21、レジスト構造体24及びシード層25を、適宜の薬品等を使って除去する(除去工程、図5(7)〜図5(9))。最後に、ニッケル電鋳層26を所定の範囲で切り出し、その背面を加工する(図5(10))。以上により、図5(11)に示すような電極形成用金型89を製造することができる。
【0056】
なお、電極形成用金型89は、図6の方法で製造することもできる。図6は電極形成用金型の製造方法の第2例を示す図である。
【0057】
この方法では、シリコンウエハからなる金型作製用基板21を用意し(図6(1))、その上にチタン又は銅などの金属によりなるシード層25を形成し(導電層形成工程、図6(2))、更にレジスト22を塗布して選択的に露光し、現像する(図6(3)〜図6(5))。これにより、シード層25上にレジスト構造体24を形成することができる。
【0058】
次に、レジスト構造体24を覆うようにニッケルを析出させる(ニッケル電鋳工程、図6(6))。次に、金型作製用基板21、シード層25及びレジスト構造体24を、適宜の薬品等を使って除去する(除去工程、図6(7)〜図6(8))。最後に、ニッケル電鋳層26を所定の範囲で切り出し、その背面を加工する(図6(9))。以上により、図6(10)に示すような電極形成用金型89を得ることができる。
【0059】
図5又は図6の方法で作製される電極形成用金型89は、例えば30万回以上のオフセット印刷に耐える耐久性を有している。従って、電極形成用金型89の交換頻度を極めて少なくでき、傾斜センサ11の製造コストを効果的に低減することができる。
【0060】
図5及び図6において用いられる金型作製用基板21としては、シリコンウエハのほか、ガラス、セラミック又は石英を用いることができる。また、図5及び図6の方法で用いられるレジスト22としては、ポリビニルアルコールを含む紫外線レジストを用いることができる。ただし、前記紫外線リソグラフィ法に代えてX線リソグラフィ法を用いることもできる。
【0061】
また、電極形成用金型89の製造方法としては、図5の方法を用いても良いし、図6の方法を用いても良い。ただし、電極形成用金型89に形成される3次元微細構造のアスペクト比が1以下の場合には図5の方法が好適である一方、アスペクト比が1以上の場合には図6の方法が好適である。
【0062】
また、図5及び図6に示す電極形成用金型89の製造方法は、絶縁樹脂層53を形成するための前記絶縁部形成用金型にも適用することができ、更に、射出成形装置81の基板成形用金型82にも適用することができる。電極形成用金型89及び絶縁部形成用金型に適用する場合は、前記ニッケル電鋳工程で約3時間程度電鋳処理を行い、0.3mm以上の厚みを有するニッケル電鋳層26を形成することが好ましい。一方、基板成形用金型82に適用する場合は、前記ニッケル電鋳工程で約72時間程度電鋳処理を行い、3mm以上の厚みを有するニッケル電鋳層26を形成することが好ましい。
【0063】
次に、第1電極構造体31及び第2電極構造体32を作製して相互に接合する工程について、図7〜図9を参照して更に詳細に説明する。図7は傾斜センサの第1電極構造体を製造する工程を示す説明図、図8は第2電極構造体を製造する工程を示す説明図、図9は2つの電極構造体を接合して傾斜センサを製造する工程を示す説明図である。
【0064】
まず、第1電極構造体31を作製する工程について説明する。最初に、図7(1)に示すように樹脂からなる加工基板(樹脂基材)61を用意し、これを適宜の薬品等で洗浄する。なお、この加工基板61は複数個分の樹脂基板51を形成するために大きな1枚物の基板として構成されており、後の工程でセンサ1個分ずつ切り出されることになる。
【0065】
加工基板61の洗浄後、傾斜センサ11の樹脂基板51に必要とされる形状に応じて、貫通孔や凹部等を形成する加工を行う(図7(2))。この加工処理によって、前述のオイル注入口55、電極孔58,72等が形成される。なお、図7(2)においては傾斜センサ11の1個分だけが代表して示されているが、実際にはセンサ複数個分の処理が1度に行われ、これは図7(3)以降の処理においても同様である。
【0066】
次に、図5又は図6に示す方法で製造された電極形成用金型89をオフセット印刷装置86に装着し、このオフセット印刷装置86を用いて、導電性を有する熱硬化性樹脂95を印刷する(図7(3))。そして、当該熱硬化性樹脂95をレーザ加熱処理によって硬化させる(図7(4))。これにより、対向電極14,15及び配線部57が形成される。なお、図7(3)及び図7(4)の例では熱硬化性樹脂を用いた印刷を示したが、感光性樹脂を用いたオフセット印刷を適用しても差し支えない。また、図7及び図9では簡略化のために第1対向電極14のみをモデル的に図示し、第2対向電極15及び配線部57は図示していない。
【0067】
次に、図5又は図6に示す方法で形成された絶縁部形成用金型を装着したオフセット印刷装置を用いて、電気絶縁性を有する紫外線感光性樹脂96を印刷するとともに(図7(5))、当該紫外線感光性樹脂96を紫外線ランプ92によって露光させ、硬化させる(図7(6))。これにより、絶縁樹脂層53が形成される。以上により、図7(7)に示すような第1電極構造体31を作製することができる。
【0068】
第2電極構造体32を作製する工程について説明する。最初に、図8(8)に示すような樹脂からなる加工基板(樹脂基材)62を用意し、これを適宜の薬品等で洗浄する。この洗浄後、導電性を有する熱硬化性樹脂95を印刷するとともに(図8(9))、当該熱硬化性樹脂95をレーザ加熱処理によって硬化させる(図8(10))。これにより、共通電極13が形成される。以上により、図8(11)に示すような第2電極構造体32を作製することができる。
【0069】
次に、2つの電極構造体31,32を接合する工程について説明する。最初に、図7の方法で作製した加工基板61(第1電極構造体31)において、前記絶縁樹脂層53の表面に接着剤を塗布し、接着剤層85を形成する(図9(12))。そして、この接着剤層85に、図8の方法で作製した加工基板62(第2電極構造体32)の共通電極13側の面を対向させるように配置し、互いに圧着させて接合する(接合工程、図9(13))。これにより積層体35が構成され、この積層体35においては、第2電極構造体32が備える共通電極13と、第1電極構造体31が備える対向電極14,15と、が前記絶縁樹脂層53を挟んで対向配置されることになる。
【0070】
次に、導電性を有する熱硬化性樹脂95をインクジェット印刷するとともに(図9(14))、レーザ熱処理によって硬化させる(図9(15))。なお、図9(14)及び図9(15)の処理では、積層体35は図9(13)までとは上下逆の状態とされている。以上の工程により、前記配線用電極59,74を形成することができる。
【0071】
続いて、上下逆の状態だった積層体35を元の向きに戻し、オイル注入口55からシリコンオイルを注入する(静電容量媒体充填工程、図9(16))。これにより、前記中空部54に所定量のシリコンオイルが充填される。その後、オイル注入口55を封止栓56によって閉鎖する(図9(17))。なお、図7〜図9に示す製造方法では、配線用電極59,74が露出する面とは逆の面にオイル注入口55が開口されている例で説明しているが、図2に示すように、配線用電極59,74と同じ側の面にオイル注入口55が形成されていても差し支えない。
【0072】
次に、積層体35を傾斜センサ11の1個分ごとに切り離す(図9(18))。即ち、図7及び図8で処理される加工基板61,62は何れもセンサ複数個分がまとめて加工されており、これを図9(13)の工程で接合した積層体35もセンサ複数個分に相当することになる。従って、積層体35を図9(18)の点線に沿って切断し、1個ずつに分離することで、1つの積層体35から複数個の傾斜センサ11を得ることができる。
【0073】
以上に示すように、本実施形態の傾斜センサ11は、共通電極13と対向電極14,15とが対向配置された構成となっている。そして、この傾斜センサ11は、2つの電極構造体31,32を作製する構造体作製工程と、作製された電極構造体31,32を接合する接合工程と、を含む方法によって製造される。そして、接合される2つの電極構造体31,32は何れも、前記構造体作製工程において、電極オフセット印刷工程と、電極硬化工程と、を含む方法で作製される。前記電極オフセット印刷工程では、紫外線リソグラフィと電鋳を組み合わせたプロセスにより静電電極パターンが形成された電極形成用金型89をオフセット印刷装置86のロール87に装着して、導電性を有する熱硬化性樹脂95を加工基板61(62)にオフセット印刷する。電極硬化工程では、印刷された熱硬化性樹脂95を硬化させることにより、前記加工基板61(62)上に対向電極14,15(共通電極13)を形成する。
【0074】
これにより、微細な形状の共通電極13及び対向電極14,15をオフセット印刷により簡単に形成できる。従って、傾斜センサ11の著しい小型化を実現できるとともに、リードタイムが短く、リソグラフィプロセスに比べて工程を単純化できる。また、薬品や純水等の使用量が減ってランニングコストを低減できるとともに、環境負荷を低減することができる。更に、半導体プロセスに使用するような大掛かりな装置を減らすことができ、初期コストも大幅に低減することができる。
【0075】
以下、本実施形態の効果を更に詳しく示すために、図10〜図12を参照して、従来のフォトリソグラフィを多用した傾斜センサの製造方法を概略的に説明する。図10〜図12には、従来技術の静電容量型センサの製造工程が順に示されている。
【0076】
まず、図10(1)に示すようにシリコンウエハからなる基板65を用意し、その表面に酸化膜66を形成するとともに(図10(2))、当該酸化膜66の上に紫外線感光型樹脂からなるレジスト67を塗布する(図10(3))。更に、選択的な紫外線露光を行い(図10(4))、現像する(図10(5))。
【0077】
続いて、レジストが除去された部分の酸化膜66を選択的に除去した後(図10(6))、レジストを除去する(図10(7))。次に、酸化膜を選択的に除去した側と反対側の面に、一側の静電電極として用いられる銅膜68をスパッタリングにより形成する(図10(8))。そして、銅膜68の上にレジスト67を塗布し(図10(9))、更に選択的な紫外線露光を行う(図10(10))。
【0078】
次に、現像を行い(図11(11))、更に前記銅膜68を選択的にエッチングした後(図11(12))、レジスト67を除去する(図11(13))。続いて、レジスト67を再度塗布し(図11(14))、選択的な紫外線露光を行い(図11(15))、現像する(図11(16))。これにより、前記絶縁樹脂層53に相当する部分が形成される。
【0079】
そして、レジスト69を更に塗布し(図11(17))、選択的な紫外線露光を行い(図11(18))、現像する(図11(19))。そして、前記酸化膜66が除去されている部分の基板65を除去する(図11(20))。これにより、積層体に貫通孔及び凹部を形成することができる。なお、このレジスト69は、後の工程で前記絶縁樹脂層53に中空部54を形成するための犠牲層としても機能する。
【0080】
次に、再びレジスト70を塗布し(図12(21))、選択的な紫外線露光を行い(図12(22))、現像する(図12(23))。次に、前記貫通孔及び凹部の内面に導電膜75を形成するために、スパッタリングを行う(図12(24))。その後、レジスト70を除去し(図12(25))、貫通孔及び凹部にスルーホール76をメッキする(図12(26))。このスルーホール76は、前記配線用電極59,74として機能する。次に、レジスト69を所定の厚みだけ研磨して除去した上で(図12(27))、一側の静電電極として用いられる銅膜77をスパッタリングにより形成する(図12(28))。その後、犠牲層としてのレジスト69をエッチングにより除去する(図12(29))。これにより、シリコンオイルを充填するための中空部を形成することができる(シリコンオイルの充填工程は省略する)。以上により、図12(29)に示すような傾斜センサを製造することができる。
【0081】
以上に示すように、従来の傾斜センサ(静電容量型センサ)の製造方法では、紫外線露光工程を少なくとも5回行う必要があった。従って、露光のための例えばクロムからなるマスクが多数必要になり、製造コストの上昇要因になっていた。また、スパッタリングやエッチング等、真空や薬液槽を必要とする工程が多く必要になり、リードタイムが長期化する原因となっていた。
【0082】
この点、本実施形態の方法によれば、共通電極13、対向電極14,15、及び絶縁樹脂層53を、オフセット印刷で簡単に形成することができる。従って、図7〜図9に示すように従来の工程を大幅に簡素化でき、更に、大規模な装置が不要になって設備コストも大幅に削減できる。また、工程の簡素化により、製造工程で使用される水、薬品、電力の使用量を大幅に削減できる。これにより、製造コストを大幅に低減することができる。
【0083】
次に、本実施形態の傾斜センサ11と、従来の市販品との性能及び価格の比較を表1に示す。
【0084】
【表1】

【0085】
このように、本実施形態の傾斜センサ11は、従来の市販品とほぼ同等な性能を達成しつつ、大幅な小型化を図ることができるとともに、10分の1以下の顕著な低価格を実現できることが判る。
【0086】
また、本実施形態の傾斜センサ11は、前記電極オフセット印刷工程において、傾斜センサ11の対向電極14,15等のパターンが複数個分繰返し形成された電極形成用金型89を用いて、1つの加工基板61につき複数個分の対向電極14,15等のパターンを同時にオフセット印刷する。その後、前記加工基板61は(積層体35の状態で)静電デバイス1個ごとに分離される。
【0087】
これにより、一度に複数の傾斜センサ11を加工処理することができるので、スループットを大幅に向上させることができ、製造コストの一層の低減に寄与することができる。
【0088】
また、本実施形態の傾斜センサ11は、前記電極オフセット印刷工程及び前記電極硬化工程により、前記対向電極14,15等とともに、当該対向電極14,15ら引き出される配線部57が加工基板61上に同時に形成される。
【0089】
これにより、配線部57の形成も容易になるので、工程の一層の簡素化と低コスト化を実現できる。
【0090】
また、電極形成用金型89の製造方法の一例として図5に示す方法は、レジスト構造体作製工程と、導電層形成工程と、ニッケル電鋳工程と、除去工程と、を含む方法で製造される。前記レジスト構造体作製工程では、紫外線リソグラフィ法によって金型作製用基板21上にレジスト構造体24を作製する。前記導電層形成工程では、前記レジスト構造体24を覆うようにシード層25を形成する。前記ニッケル電鋳工程では、前記シード層25を覆うようにニッケルを析出させる。前記除去工程では、前記金型作製用基板21、前記レジスト構造体24及び前記シード層25を除去する。
【0091】
これにより、電極形成用金型89に凹凸の微細パターンを精度良く形成することができ、特にアスペクト比が1以下の形状を形成する場合に好適である。
【0092】
また、電極形成用金型89の製造方法の一例として図6に示す方法は、導電層形成工程と、レジスト構造体作製工程と、ニッケル電鋳工程と、除去工程と、を含む方法で製造される。前記導電層形成工程では、金型作製用基板21上を覆うようにシード層25を形成する。前記レジスト構造体作製工程では、紫外線リソグラフィ法又はX線リソグラフィ法によって前記シード層25の上にレジスト構造体24を作製する。前記ニッケル電鋳工程では、前記レジスト構造体24を覆うようにニッケルを析出させる。前記除去工程では、前記金型作製用基板21、前記シード層25及び前記レジスト構造体24を除去する。
【0093】
この方法は、図5の場合と同様に電極形成用金型89に凹凸の微細パターンを精度良く形成することができるが、アスペクト比が1以上の形状を形成する場合には、図6の方法を用いることが特に好適である。
【0094】
また、本実施形態において、前記金型作製用基板21はシリコンによりなる。前記レジスト構造体24は感光性樹脂により作製される。前記シード層25はチタン又は銅などの金属によりなる。また、前記ニッケル電鋳層26は0.1mm以上の厚みで形成される。
【0095】
これにより、耐久性のある精密な電極形成用金型89により、傾斜センサ11を低コストで製造することができる。
【0096】
次に、傾斜センサ11の更に別の製造方法について、図13〜図15を参照して説明する。この製造方法は、ローラ装置による加圧成形と、スパッタリングによる電極形成を行っている点を特徴とするものである。図13は傾斜センサの別の製造方法において、第1電極構造体を製造する工程を示す説明図である。図14は第2電極構造体を製造する工程を示す説明図である。図15は2つの電極構造体を接合して傾斜センサを製造する工程を示す説明図である。
【0097】
まず、第1電極構造体31を作製する工程について説明する。最初に、図13(1)に示すようなローラ装置93に、樹脂からなるシート状の加工基板(樹脂基材)61を通過させる。このローラ装置93は、その外周面に基板成形用金型82が装着されたローラ94を備えている。このローラ装置93を用いた加圧成形により、前記基板成形用金型82の凹凸形状が加工基板61の表面に転写される。これにより、傾斜センサ11の樹脂基板51に必要とされる形状に応じて、凹部を形成する加工を行うことができる(図13(2))。
【0098】
次に、前記加工基板61を洗浄した後、銅によるスパッタリングによって、前記凹部内を含めた前記加工基板61の表面に銅膜(金属膜)78を形成する(図13(3))。そして、その上に樹脂79を塗布し(図13(4))、更にO2アッシングによって、前記凹部の底部に位置する部分だけを残すようにして樹脂79を除去する(図13(5))。続いて、エッチング等の適宜の手段によって、樹脂79が除去されている部分の銅膜78を除去する(図13(6))。その後、樹脂79を完全に取り除き、銅膜78を露出させて、対向電極14,15とする(図13(7))。以上により、図13(7)に示すような第1電極構造体31を作製することができる。
【0099】
次に、第2電極構造体32を作製する工程について説明する。最初に、図14(8)に示すような樹脂からなるシート状の加工基板(樹脂基材)62を用意し、これを適宜の薬品等で洗浄する。この洗浄後、銅によるスパッタリングによって、銅膜78を形成する(図14(9))。そして、銅膜78の上に紫外線感光型のレジスト樹脂80を塗布し(図14(10))、選択的な紫外線露光を行う(図14(11))。続いて、現像を行い(図14(11))、露出した部分の銅膜78をエッチング等の適宜の手段によって除去する(図14(12))。その後、レジスト樹脂80を除去する(図14(13))。以上により、図14(13)に示すような第2電極構造体32を作製することができる。
【0100】
次に、2つの電極構造体31,32を相互に接合する工程について説明する。最初に、図14の方法で作製した加工基板62(第2電極構造体32)において、共通電極13が形成されている側の面に対し、真空チャンバ97内で水蒸気(イオンビーム)を照射する(図15(16))。次に、2つの加工基板61,62(電極構造体31,32)を、対向電極14,15と共通電極13とがそれぞれ対向するように貼り合わせ(図15(17))、圧着により接合する(図15(18))。なお、このときの接合温度は、ガラス転移温度以下とされる。以上により積層体35が構成され、加工基板61の凹部の部分にシリコンオイル充填のための中空部98を形成することができる。
【0101】
次に、積層体35を傾斜センサ11の1個分ごとに切り離す(図15(19))。即ち、図13及び図14で処理される加工基板61,62は、図7及び図8の場合と同様にセンサ複数個分がまとめて加工され、これが相互に接合されている。従って、前記積層体35を図15(19)の点線に沿って切り離すことで、1つの積層体35から複数個の傾斜センサ11を得ることができる。最後に、切離し後の傾斜センサ11において前記中空部98にシリコンオイルを充填し、図略のオイル注入口を封止する(図15(20))。以上により、傾斜センサ11を得ることができる。
【0102】
次に、傾斜センサ11の更に別の製造方法について、図16〜図18を参照して説明する。この製造方法は、銅板をインサート成形することによって電極及びセンサハウジングを形成する点を特徴とするものである。図16は傾斜センサの更に別の製造方法において、第1電極構造体を製造する工程を示す説明図である。図17は第2電極構造体を製造する工程を示す説明図である。図18は2つの電極構造体を接合して傾斜センサを製造する工程を示す説明図である。
【0103】
まず、インサート成形のための銅板83を作製する工程について説明する。最初に、図16(1)に示すような銅板83を洗浄し、その表面に紫外線感光型のレジスト樹脂80を塗布する(図16(2))。その後、選択的な紫外線露光を行い(図16(3))、現像する(図16(4))。続いて、露出した銅板83をエッチングすることにより選択的に除去し(図16(5))、更にレジスト樹脂80を除去する(図16(6))。以上により、適宜の場所に貫通孔等が形成された銅板83を作製することができる。
【0104】
次に、射出成形工程について説明する。最初に、図17(7)に示すような2つの基板成形用金型82a,82bを用意する。基板成形用金型82aは、後述の中空部98等の形状を含む微細パターンを形成するためのものであり、基板成形用金型82bは、スルーホールのための貫通孔を形成するためのものである。この2つの基板成形用金型82a,82bは、例えば図5又は図6で示した方法で作製することができる。
【0105】
次に、射出成形装置81に基板成形用金型82a,82bを装着するとともに、図16(6)の銅板83を挟み込むようにして型閉じする(図17(8))。その後、電気絶縁性を有する樹脂を注入して成形する(図17(9))。その後、型開きして成形品1xを取り出す(図17(10))。これにより、前記銅板83の部分に対向電極14,15が形成される。なお、この成形品1xは、図3に示す成形品1と同様に、複数の傾斜センサ11に相当する半製品をランナ部で互いに連結した構成となっている。
【0106】
次に、前記成形品1xにおいて、対向電極14,15が形成されている側の面に対し、真空チャンバ97内で水蒸気(イオンビーム)を照射する(図17(11))。次に、成形品1xにおいて前記対向電極14,15が形成されている側の面に対し、第2銅板84を対向するように貼り合わせ(図17(12))、圧着により接合する(図17(13))。なお、第2銅板84は前記銅板83と同様に、図16(1)〜図16(6)に示す方法で作製することができる。これにより、第2銅板84付きの成形品1xを得ることができるとともに、前記対向電極14,15に対向する第2銅板84の部分に、共通電極13を形成することができる。また、共通電極13と対向電極14,15との間に、シリコンオイル充填のための中空部98を形成することができる。
【0107】
次に、オイル注入口55からシリコンオイルを注入し、前記中空部98に所定量のシリコンオイルを充填する(図18(14))。その後、オイル注入口55を封止栓56で閉鎖するとともに(図18(15))、更にその上から覆うように、前記第2銅板84に保護フィルム99を貼り付ける(図18(16))。次に、成形品1xの孔の部分にスルーホールメッキを施し、配線用電極59,74を形成する(図18(17))。更に、当該配線用電極59,74の突出部分を研磨する(図18(18))。
【0108】
最後に、前記成形品1xのランナ部から、傾斜センサ11を切り離す(図18(19))。これにより、1つの成形品1xから複数の傾斜センサ11を得ることができる。
【0109】
なお、図3に示すような製造方法は、図1及び図2に示す傾斜センサ11に限らず、図19〜図23に示すような各種静電デバイスの製造方法に適用することもできる。以下、これらの応用例について説明する。図19は静電容量センサとしての圧力センサの断面斜視図、図20は静電容量センサとしての加速度センサの斜視図、図21は静電容量センサとしてのマイクロフォンの断面斜視図である。図22は静電アクチュエータとしての光スイッチの斜視図及び断面図、図23は光スイッチの斜視図及び断面図である。
【0110】
図19(a)に示す静電デバイス(静電容量型センサ)としての圧力センサ101は、ケース102と、このケース102に支持される中空状の筒部103と、を備えている。この筒部103はケース102の内外に跨るように配置され、ケース102の内部に配置される筒部103の一端にはセンサチップ104が設置されている。図19(b)にはセンサチップ104の拡大断面図が示され、この図19(b)に示すように、センサチップ104は、互いに適宜の間隔をあけて対向配置された第1電極111と第2電極112とを備えている。第2電極112は第1電極111よりも前記筒部103側に備えられるとともに、ダイアフラム状に形成されている。
【0111】
この構成で、ケース102の外側から筒部103を介して図19(a)の矢印に示すように測定ガスが導入され、センサチップ104に圧力が加えられると、第2電極112が湾曲し、2つの電極111,112間の静電容量が変化する。これにより、測定ガスの圧力を検出することができる。そして、前記センサチップ104の電極111,112は、図3に示すようなオフセット印刷により形成することができる。
【0112】
図20に示す静電デバイス(静電容量型センサ)としての加速度センサ121は、基台122上に、可動電極131と、固定電極(容量検出電極)132と、を配置して構成されている。前記可動電極131は、弾性変形可能なバネ部123と、ウェイト部124と、を備えている。この構成で、図20の太線矢印方向に加速度が発生すると、バネ部123を弾性変形させながら可動電極131が移動することで可動電極131と固定電極132との間の距離が変化する。従って、加速度の変化を静電容量の変化として検出することができる。そして、前記加速度センサ121の電極131,132は、図3に示すようなオフセット印刷により形成することができる。
【0113】
図21に示す静電デバイス(静電容量型センサ)としてのマイクロフォン(音波センサ)141は、互いに適宜の間隔をあけて対向配置された第1電極151と第2電極152とを備えている。第1電極151はダイアフラム状に形成されるとともに、第2電極152を挟んで第1電極151と反対側の空間は、中空状の音響部142とされている。この構成で、マイクロフォン141に音が入力されると、第1電極151が湾曲しながら振動するので、2つの電極151,152間の静電容量が変化する。これにより、音質や音量を測定することができる。そして、前記マイクロフォン141の電極151,152は、図3に示すようなオフセット印刷により形成することができる。
【0114】
図22(a)及び図22(b)に示す静電デバイス(静電アクチュエータ)としての光スイッチ161は、基台162と、この基台162上に配置された支点板163と、支点板163に回動可能に支持される揺動板164と、この揺動板164に支柱165を介して固定されたアルミミラー166と、を備えている。図22(b)に示すように、基台162と揺動板164の間には、2対の電極171〜174が互いに対向して配置されている。
【0115】
この構成で、電極171,172又は電極173,174に電圧を印加すると、各電極間に静電気力が発生する。これにより、前記揺動板164が支点板163を中心にして傾くので、アルミミラー166が傾き、アルミミラー166で反射する光の出射角度を変更することができる。そして、前記光スイッチ161の4つの電極171〜174は、図3に示すようなオフセット印刷により形成することができる。
【0116】
図23(a)及び図23(b)に示す静電デバイスとしての高周波スイッチ(静電スイッチ)181は、基台182と、この基台182に対し適宜の間隔をあけて上方に配置された第1電極191と、基台182上に設置された第2電極192及び第3電極193と、前記第1電極191の下面に配置される第4電極194と、を備えている。この構成で、第1電極191と第2電極192との間に電圧を印加すると、静電気力が発生し、第1電極191が下に凸となるように撓む。これにより、第4電極194が第3電極193に接触して通電し、スイッチがON状態となる。そして、この高周波スイッチ181の4つの電極191〜194は、図3に示すようなオフセット印刷により形成することができる。
【0117】
以上に本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の静電デバイスの製造方法は、上記で例示したデバイスのほかにも、例えば電磁波検出装置、プレゼンス光スイッチ等にも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の一実施形態に係る傾斜センサの原理を模式的に示す断面図。
【図2】傾斜センサの分解斜視図。
【図3】傾斜センサの製造方法を模式的に示す説明図。
【図4】導電性を有する樹脂をオフセット印刷する様子を示す側面図。
【図5】電極形成用金型の製造方法の第1例を示す図。
【図6】電極形成用金型の製造方法の第2例を示す図。
【図7】傾斜センサの第1電極構造体を製造する工程を示す説明図。
【図8】第2電極構造体を製造する工程を示す説明図。
【図9】2つの電極構造体を接合して傾斜センサを製造する工程を示す説明図。
【図10】従来技術の静電容量型センサの製造工程の説明図。
【図11】従来技術の静電容量型センサの製造工程の説明図。
【図12】従来技術の静電容量型センサの製造工程の説明図。
【図13】傾斜センサの別の製造方法において、第1電極構造体を製造する工程を示す説明図。
【図14】第2電極構造体を製造する工程を示す説明図。
【図15】2つの電極構造体を接合して傾斜センサを製造する工程を示す説明図。
【図16】傾斜センサの更に別の製造方法において、第1電極構造体を製造する工程を示す説明図。
【図17】第2電極構造体を製造する工程を示す説明図。
【図18】2つの電極構造体を接合して傾斜センサを製造する工程を示す説明図。
【図19】静電容量センサとしての圧力センサの断面斜視図。
【図20】静電容量センサとしての加速度センサの斜視図。
【図21】静電容量センサとしてのマイクロフォンの断面斜視図。
【図22】静電アクチュエータとしての光スイッチの斜視図及び断面図。
【図23】光スイッチの斜視図及び断面図。
【符号の説明】
【0119】
11 傾斜センサ(静電容量型センサ、静電デバイス)
13 共通電極(静電電極)
14,15 対向電極(静電電極)
31,32 電極構造体(構造体)
86 オフセット印刷装置
89 電極形成用金型

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電電極が対向配置された静電デバイスの製造方法であって、
複数の構造体を作製する構造体作製工程と、
作製された複数の構造体を接合する接合工程と、
を含み、
接合される前記構造体のうち少なくとも1つは、前記構造体作製工程において、
紫外線リソグラフィ又はX線リソグラフィと電鋳を組み合わせたプロセスにより静電電極パターンが形成された電極形成用金型をオフセット印刷装置のロールに装着して、導電性を有する樹脂を樹脂基材にオフセット印刷する電極オフセット印刷工程と、
印刷された樹脂を硬化させることにより、前記樹脂基材上に前記静電電極を形成する電極硬化工程と、
を含む方法で作製されることを特徴とする静電デバイスの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の静電デバイスの製造方法であって、
前記電極オフセット印刷工程において、静電デバイスの複数個分の静電電極パターンが繰返し形成された電極形成用金型を用いて、1つの前記樹脂基材につき複数個分の静電電極パターンを同時にオフセット印刷し、
その後、前記樹脂基材は静電デバイス1個ごとに分離されることを特徴とする静電デバイスの製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の静電デバイスの製造方法であって、
前記電極オフセット印刷工程及び前記電極硬化工程により、前記静電電極とともに、当該静電電極から引き出される配線部が前記樹脂基材上に同時に形成されることを特徴とする静電デバイスの製造方法。
【請求項4】
請求項1から3までの何れか一項に記載の静電デバイスの製造方法であって、
前記電極形成用金型は、
紫外線リソグラフィ法又はX線リソグラフィ法によって基板上にレジスト構造体を作製するレジスト構造体作製工程と、
前記レジスト構造体を覆うようにニッケル電鋳のシード層と成る導電層を形成する導電層形成工程と、
前記導電層を覆うようにニッケルを析出させるニッケル電鋳工程と、
前記基板、前記レジスト構造体及び前記導電層を除去する除去工程と、
を含む方法で製造されることを特徴とする静電デバイスの製造方法。
【請求項5】
請求項1から3までの何れか一項に記載の静電デバイスの製造方法であって、
前記電極形成用金型は、
金型作製用基板上を覆うようにニッケル電鋳のシード層と成る導電層を形成する導電層形成工程と、
紫外線リソグラフィ法又はX線リソグラフィ法によって前記導電層の上にレジスト構造体を作製するレジスト構造体作製工程と、
前記レジスト構造体及びレジスト構造体の存在しないニッケル電鋳のシード層を覆うようにニッケルを析出させるニッケル電鋳工程と、
前記金型作製用基板、前記導電層及び前記レジスト構造体を除去する除去工程と、
を含む方法で製造されることを特徴とする静電デバイスの製造方法。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の静電デバイスの製造方法であって、
前記金型作製用基板は、シリコン、ガラス、セラミック又は石英によりなり、
前記レジスト構造体は感光性樹脂により作製され、
前記導電層は金属によりなり、
前記ニッケルは0.1mm以上の厚みで形成されることを特徴とする静電デバイスの製造方法。
【請求項7】
請求項1から6までの何れか一項に記載の静電デバイスの製造方法であって、
接合される前記構造体のうち少なくとも1つは、前記構造体作製工程において、
紫外線リソグラフィ又はX線リソグラフィと電鋳を組み合わせたプロセスにより絶縁部パターンが形成された絶縁部形成用金型をオフセット印刷装置のロールに装着して、電気絶縁性を有する樹脂を前記樹脂基材上にオフセット印刷する絶縁部オフセット印刷工程と、
印刷された樹脂を硬化させることにより、前記樹脂基材上に絶縁部を形成する絶縁部硬化工程と、
を含む方法で作製されることを特徴とする静電デバイスの製造方法。
【請求項8】
請求項1から7までの何れか一項に記載の静電デバイスの製造方法であって、
接合される前記構造体のうち少なくとも1つについては、前記構造体作製工程において、紫外線リソグラフィ又はX線リソグラフィと電鋳を組み合わせたプロセスにより作製された基板成形用金型を使用して前記樹脂基材を成形する基板成形工程が前記電極オフセット印刷工程の前に行われ、
前記基板成形工程によって、前記樹脂基材にスルーホール形成用の貫通孔が形成されることを特徴とする静電デバイスの製造方法。
【請求項9】
請求項1から7までの何れか一項に記載の静電デバイスの製造方法であって、
接合される前記構造体のうち少なくとも1つについては、前記構造体作製工程において、紫外線リソグラフィ又はX線リソグラフィと電鋳を組み合わせたプロセスにより作製された基板成形用金型を使用して前記樹脂基材を成形する基板成形工程が前記電極オフセット印刷工程の前に行われ、
前記基板成形工程では、前記基板成形用金型が装着されたローラ装置に前記樹脂基材を通過させることにより、当該樹脂基材を加圧成形することを特徴とする静電デバイスの製造方法。
【請求項10】
請求項1から7までの何れか一項に記載の静電デバイスの製造方法であって、
接合される前記構造体のうち少なくとも1つについては、前記構造体作製工程において、紫外線リソグラフィ又はX線リソグラフィと電鋳を組み合わせたプロセスにより作製された基板成形用金型を使用して前記樹脂基材を成形する基板成形工程が前記電極オフセット印刷工程の前に行われ、
前記基板成形工程では、前記基板成形用金型を用いて前記樹脂基材を成形することを特徴とする静電デバイスの製造方法。
【請求項11】
請求項1から10までの何れか一項に記載の静電デバイスの製造方法であって、
対向配置された前記静電電極の間に所定量の静電容量媒体を充填する静電容量媒体充填工程を更に含むことを特徴とする静電デバイスの製造方法。
【請求項12】
請求項1から11までの何れか一項に記載の静電デバイスの製造方法により製造された静電デバイス。
【請求項13】
請求項12に記載の静電デバイスとしての静電容量型センサ。
【請求項14】
請求項12に記載の静電デバイスとしての静電アクチュエータ。
【請求項15】
請求項12に記載の静電デバイスとしての静電スイッチ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate


【公開番号】特開2009−264909(P2009−264909A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−114436(P2008−114436)
【出願日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 社団法人精密工学会、「2008年度精密工学会春季大会 プログラム&アブストラクト集」、平成20年3月3日発行 〔刊行物等〕 社団法人電気学会、「平成20年電気学会全国大会講演論文集[3] エレクトロニクス/情報工学システム/センサ・マイクロマシン」、平成20年3月19日発行
【出願人】(505442819)株式会社ナノクリエート (11)
【出願人】(391022094)鷹羽産業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】