説明

静電フィルタを備える高速トンネルファン

【課題】トンネル内の煤と煙、汚染粒子、及び微小埃が収集されてトンネル内の空気を清浄にし、10m/sよりも高い空気流量(例えば、約15m/sから30m/s)でも高い埃収集効率が達成される静電フィルタを備える高速トンネルファンを提供する。
【解決手段】このトンネルファンは、円筒形トンネルファン、及びパイプアセンブリを含む静電フィルタを備え、このパイプアセンブリは、円筒形状を形成するために平行に配置された複数のパイプを含み、各パイプは、誘導電圧によって微小埃を収集させる静電誘導手段を有し、静電フィルタは、トンネルファンの前又は後に連結される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネルの天井に配置されて空気を排出してトンネルを換気する、ジェットファンやブースタファンのような高速トンネルファンに関する。より具体的には、本発明は、高速トンネルファンであって、その前又は後に連結されて高速トンネルファンに吸入された又はそれから排出された空気に含まれる埃や粒子のような汚染物質を収集してトンネル内の汚染空気を洗浄する静電フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
トンネル建設技術の向上により、トンネルの数が増加し、且つトンネルがより長くなっている。トンネルがより長くなると、空気の循環がより困難になり、車両によって発生される煤と煙、汚染物質及び微小埃の密度がより高くなっている。
【0003】
トンネルの内側では、外側よりも空気密度が低く、対流現象は、通常発生せず、それによって、トンネル内の空気汚染が深刻になる。
【0004】
トンネル内の空気汚染の研究の結果、トンネル内の空気汚染は、微小埃(PM10)、二酸化炭素及び揮発性有機化学物質等の不純物が基準値の最大5倍を超えるように深刻となっていることが分かっている。特に、微小埃(PM10)の場合において、約139μl/m3が検出され、それは、他の有害物質よりもかなり高い。
【0005】
微小埃は、10μmよりも小さい空気動力学的直径を有する埃を意味し、これらの埃を連続的に吸入すると人体に深刻な問題を引き起こす。
【0006】
また、トンネル内の空気汚染と不純物は、運転手が視野を確保し且つ安全な車間距離を維持することを困難にし、それによって事故の発生率が高まり、呼吸器官の病気を運転手の呼吸器官に引き起こす。
【0007】
トンネル内の汚染空気は、トンネル回りの住居地域に排出されて農作物や土壌を汚染し、それによって、莫大な損害を引き起こす。
【0008】
トンネル内の空気が汚染されるのを防止するために、トンネル内に埃収集手段を設置して、トンネルから排出される空気を洗浄することが必要である。
【0009】
しかしながら、図1に示されるように、高速トンネルファン20は、トンネル内に設置されて排出されるべきトンネル内の空気をトンネルの外側に駆動するが、この高速トンネルファン20から排出されるべき空気を清浄にする方法がない。
【0010】
埃収集手段として、比較的単純な構造を有し且つ高埃収集効率を有する静電沈降手段は、高速トンネルファンに取り付けられることができるが、既存の静電沈降手段を使用することには幾つかの問題が生じる。
【0011】
第1に、高速で静電沈降手段を通過するガスの場合、空気の流量が静電沈降手段の制限空気流速で1m/sだけ増加すると、埃収集効率は、約5から10%低下し、それによって、埃収集効率が低くなる。
【0012】
第2に、静電沈降手段の帯電部分は、典型的には、ワイヤ方法やソー方法を使用するが、ガスが高速で流れる時に反応構造領域が小さいので、汚染埃や粒子を帯電するのには制限があり、それによって、埃収集効率を高く保持できない。
【0013】
最後に、埃や粒子を収集するための収集部分は、交互プレートやステンレスプレートより作られるが、交互プレートやステンレスプレートは、汚染埃や粒子を収集し収蔵することに制約があり、静電誘導電圧を一定の分布で発生せず、且つ非効率な電圧使用に起因して消費電力が高くなるので効率が低下する。
【0014】
従って、プレートタイプの収集部分を使用して汚染埃や粒子を収集するために、非常に多くのプレート構造体が必要である。
【0015】
これらの理由によって、静電沈降手段を高速トンネルファンに取り付けることは不可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、トンネル内の煤と煙、汚染粒子、及び微小埃が収集されてトンネル内の空気を清浄にし、10m/sよりも高い空気流量(例えば、約15m/sから30m/s)でも高い埃収集効率が達成される静電フィルタを備える高速トンネルファンを提供することである。
【0017】
本発明の他の目的は、有毒な煤や煙を一瞬に除去して被害者を減少するための静電フィルタを備える高速トンネルファンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の一態様は、静電フィルタを備えるトンネルフィルタであって、円筒形トンネルファン、とパイプアセンブリを含む静電フィルタと、を備え、前記パイプアセンブリは、平行に配置されて円筒形状を形成する複数のパイプを含み、各パイプは、誘導電圧で微小埃を収集させるための静電誘導手段を有し、静電フィルタは、トンネルファンの前又は後に連結される、トンネルファンを提供する。
【0019】
この静電誘導手段は、前記複数のパイプ内に挿入される複数の回転突起プレートを含み、回転突起プレートの各々は、その両面に形成された複数の突起を有し、回転突起プレートは、ねじり形態に形成される。
【0020】
静電フィルタは、更に、前記パイプアセンブリの前及び後に配置され、回転突起プレートに連結され、且つ外部電力供給手段に電気的に接続された電力供給支持体を備える。
【0021】
静電フィルタは、更に、前記パイプアセンブリを収容するための、前記パイプアセンブリを電気的に絶縁するための内壁に形成された絶縁モールドを有するハウジングを備える。
【0022】
前記パイプは、六角形横断面を有する。
【0023】
前記静電フィルタは、前記パイプアセンブリに嵌合されて電力供給手段を固定する固定リングを備え、前記トンネルファンは、この固定リングを介して前記パイプアセンブリに連結される。
【0024】
前記電力供給支持体は、格子形態に配置される水平方向支持体と垂直方向支持体とを備える。
【0025】
前記パイプは、その内壁に長手方向に形成された複数の溝を有する。
【0026】
前記静電フィルタは、更に、前記パイプアセンブリを仕上げるためのアセンブリ仕上げ手段を備える。
【0027】
前記アセンブリ仕上げ手段は、不燃性シリコンベースの材料で作られる。
【0028】
前記回転突起プレートの幅は、前記六角形パイプの直径の三分の一(1/3)から二分の一(1/2)であり、且つ突起の高さは、前記六角形パイプの直径の十分の一(1/10)から八分の一(1/8)である。
【0029】
前記電力供給支持体は、更に、回転突起プレートに連結された水平方向支持体を締結又は解放して回転突起プレートの張力を調節するための張力調節手段を備える。
【0030】
本発明の他の態様は、静電フィルタを備えるトンネルファンであって、空気をトンネルの外部へ駆動するためのトンネルファン、と前記トンネルファンに連結された静電フィルタと、を備え、静電フィルタは、平行に配置された複数のパイプと前記複数のパイプに挿入された複数の回転突起プレートを含むパイプアセンブリを備え、回転突起プレートの各々は、その両側に形成された複数の突起を有し、前記回転突起プレートは、ねじり形態に形成され、前記パイプアセンブリの前と後に配置され、回転突起プレートに連結され、且つ外部電力供給手段に電気的に接続された電力供給支持体を備え、このトンネルファンは、前記パイプアセンブリを収容ための、前記パイプアセンブリを絶縁するための内壁に形成された絶縁モールドを有するハウジングと、前記パイプアセンブリに嵌合して前記電力供給手段を固定するための固定リングと、を備え、前記トンネルファンと前記静電フィルタは、前記トンネルファンを介して連結される、トンネルファンを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下に、本発明の例示の実施の形態を詳細に記述する。しかしながら、本発明は、以下に開示する例示の実施の形態に制限されず、種々のタイプで実施することができる。従って、これらの例示の実施の形態は、本発明の完全な開示のため及び本発明の範囲を当業者に十分に知らせるために提供される。
【0032】
図2は、本発明の例示の実施の形態に従う静電フィルタを備える高速トンネルファンを示す。図2(a)に示されるように、高速トンネルファン1は、その前又は後に連結又は取り付けられた静電フィルタ2を含むので、高速トンネルファン1と静電フィルタ2は、一列に配置される。
【0033】
高速トンネルファン1と静電フィルタ2は、一列に配置されているので、トンネル内の空気は、図2(b)に示されるように、その流れ方向を変化することなく、高速トンネルファン1と静電フィルタ2を通過する。即ち、図2(c)に示されるように、静電フィルタ2内の複数の六角形パイプは、高速トンネルファン1に対して一列に配置され、空気流を乱すことなく埃や粒子を収集できる。
【0034】
このような構造の静電フィルタ2を備える高速トンネルファン1は、10m/sを超える空気流速で流れる空気中の煤と煙、汚染物質、及び10μm未満の微小埃や粒子を収集し、トンネル内の汚染空気を浄化する。
【0035】
以降、本発明の例示の実施の形態に従う高速トンネルファン1に連結された静電フィルタ2を、図3乃至図11を参照してより詳細に述べる。
【0036】
静電フィルタ2は、六角形パイプアセンブリ10、回転突起プレート20、電力供給支持体30、ハウジング40、及び高電圧供給手段50を備える。
【0037】
六角形パイプアセンブリ10は、アルミニウム製で、電気的に接地され、平行に配置された、所定の長さを有する複数の六角形パイプ100を備える。六角形パイプアセンブリ10は、高速トンネルファン1に対して一列に配置される。
【0038】
回転突起プレート20は、その両側に形成された複数の突起22とその両端に形成された接続部24を有する。回転突起プレート20は、六角形パイプ100よりも長い金属プレート製である。回転突起プレート20は、ねじり形態に形成されて遠心力を収集ターゲット(例えば、埃や粒子)に提供し、各六角形パイプ100内に挿入されて、各六角形パイプ100の中心に配置される。
【0039】
電源支持手段30は、六角形パイプアセンブリ10の前又は後に配置され、六角形パイプ100の外側に露出される回転突起プレート20の接続部24に連結されて、回転突起プレート20を固定する。電力供給支持体30は、回転突起プレート20を高電圧供給手段50に電気的に接続する。
【0040】
ハウジング40は、前及び後ろが六角形パイプアセンブリ10を収容するように開口された円筒形状を有する。ハウジング40は、1対1の方法で高速トンネルファン1の外側ケースの前又は後に連結される固定手段70とハウジングの内壁に所定の厚みで形成された絶縁モールドを有する。
【0041】
高電圧供給手段50は、電力供給支持体30に電気的に接続されて回転突起プレート20に高電圧を供給する。
【0042】
図3は、本発明の例示の実施の形態に従う本発明の静電フィルタの埃収集原理と六角形パイプの構造的特徴を記述するための六角形パイプの一例を示す図である。六角形パイプ100は、アルミニウムのような良好な電気導電性を有する材料製であり、図3(b)に示すように六角形横断面を有する。
【0043】
六角形パイプ100は、図3(b)に示すように、内表面に長手方向に形成された複数の溝を有する。溝は、六角形パイプの内表面領域、即ち、収集表面領域を拡大するように働き、それによって、埃収集効率を増加する。
【0044】
電気的に接地され且つねじられた回転突起プレート20は、六角形パイプ100の長手方向の中心に配置される。
【0045】
高電圧が、高電圧供給手段50から電力供給支持体30を介して回転突起プレート20に印加されると、プラス(+)静電誘導が回転突起プレート20の回りに生じ、マイナス(−)静電誘導が六角形パイプ100のひだ形状の内壁100aの内壁に生じる。
【0046】
この状況で、微小埃や粒子を含む空気が六角形パイプ100に流れると、微小埃や粒子は、図3(a)に示されるように、回転突起プレート20によって回転される空気と共に回転しながら、帯電される。帯電された微小埃や粒子は、クーロン力と遠心力によって内表面、即ち、六角形パイプ100の内壁100aに引き付けられてスタックされ、トンネル内の汚染空気が浄化される。
【0047】
このような構造体の六角形パイプ100と回転突起プレート20は、帯電されるべき部分を拡大する。即ち、帯電は、全六角形パイプ100内に生じるので、埃収集性能が改良される。汚染された空気が回転されて微小埃や粒子に対して遠心力を提供するので、微小埃や粒子が塊となり、それによって、10μm未満の直径を有する微小埃や粒子でさえ収集されることができる。
【0048】
図4は、本発明の例示の実施の形態に従う回転突起プレートの一例を示す。回転突起プレート20は、突起22が両側に形成され、接続部24が両端に形成され、収集ターゲットに対して遠心力を提供するようにねじられるように構成される。回転突起プレート20は、各六角形パイプ100内に挿入され、その中心に配置される。この時に、接続部24の両方は、図4(a)に示されるように、六角形パイプ100の外側に露出される。
【0049】
回転突起プレート20は、図4(b)に示されるように、流れる空気に回転力を与えて渦を発生するために所定の幅を有するねじり構造を有する。
【0050】
回転突起プレート20の幅D2は、渦を発生するために、六角形パイプ100の直径D1の三分の一(1/3)から二分の一(1/2)であり、突起22の高さD3は、六角形パイプ100の直径D1の十分の一(1/10)から八分の一(1/8)であることが好ましい。
【0051】
ねじりの回数は、1回転(360°)であることが好ましいが、必要に応じて、この回数は、2回転或いは3回転でも可能である。
【0052】
図5は、本発明の例示の実施の形態に従う回転突起プレートの一例を示す。図5に示すように、ひだ形状の収集パイプ10の直径D1が100mmの場合、回転突起プレート20の幅D2は、50mmであり、突起22の高さD3は、10mmである。
【0053】
従って、回転表面は、六角形パイプ100に沿って30mmの幅に形成されており、且つ六角形パイプ100を通過する空気が、回転表面によって回転され、それによって、回転する空気に含まれる微小埃や粒子が、一緒に回転される。
【0054】
図6は、本発明の例示の実施の形態に従う回転突起プレートの役割を示す。図6に示されるように、接地された六角形パイプ100中の回転突起プレート20は、高電圧供給手段50に電気的に接続されると共に長手方向の中心に配置されるので、高電圧が高電圧供給手段50から印加されると、プラスの静電誘導が回転突起プレート20の回りに回転突起22に沿って生じると共に、マイナスの静電誘導が誘導電圧によって六角形パイプ100の内側壁に生じる。
【0055】
従って、六角形パイプ100に流れる空気は、回転突起プレート20に沿って回転され、回転する空気中に含まれる微小埃或いは粒子3は、一緒に回転され、クーロン力と遠心力によって六角形パイプ100の内壁に収集され且つスタックされる。
【0056】
図7は、本発明の例示の実施の形態に従う六角形パイプアセンブリ、回転突起プレート及び電力供給支持体のアセンブリ構造体を示す。
【0057】
図7(a)に示されるように、六角形アセンブリ10は、複数の六角形パイプ100が円筒形を形成するために平行に配置されるように構成される。
【0058】
六角形パイプアセンブリ10を電気的に絶縁し且つそのアセンブリ状態を維持するために、図8に示されるように、六角形パイプアセンブリ10は、アセンブリ仕上げ手段60によって所定の厚みに仕上げられる。不燃性シリコンベースの材料がアセンブリ仕上げ手段60として使用されることが好ましい。
【0059】
即ち、図8(a)に示されるように、アセンブリ仕上げ手段60は、六角形パイプアセンブリ10の全外表面を囲む。アセンブリ仕上げ手段60は、図8(b)に示されるように、六角形パイプアセンブリ10を外部から絶縁すると共に六角形パイプ100を固定してそのアセンブリ状態を維持する。
【0060】
図9は、本発明の例示の実施の形態に従い静電フィルタの固定リングを示す。固定リング70は、アセンブリ仕上げ手段60によって仕上げられた六角形パイプアセンブリ10の前と後に嵌合される。固定リング70は、所定の長さだけ突出し、電力供給支持体30に連結され、且つ高電圧供給手段50に電気的に接続される。
【0061】
固定リング70のおかげで、回転突起プレート20を固定するための電力供給支持体30は、固定され、高電圧供給手段50に電気的に接続される。
【0062】
ここで、回転突起プレート20は、各六角形パイプ100に挿入されるので、図7(b)に示されるように、回転突起プレート20の数は、実質的に六角形パイプ100の数と同じである。
【0063】
上述のように、回転突起プレート20は、それが六角形パイプアセンブリ10の前と後に嵌合される固定リング70に連結され、固定リング70を介して高電圧供給手段50に電気的に接続された電力供給支持体30に連結されるように固定される。従って、回転突起プレート20は、11,000ボルトを超える直流(DC)電圧によって電荷が供給される。
【0064】
電力供給支持体30は、種々な形態で実現されることができる。例えば、図7(b)に示されるように、電力供給支持体30は、水平方向支持体32と垂直方向支持体34を備える。水平方向支持体32と垂直方向支持体34のいずれかは高電圧供給手段50に電気的に接続されている。水平方向支持体32と垂直方向支持体34は、回転突起プレート20の張力を調節するための張力調節手段36によって互いに連結されている。
【0065】
張力調節手段36は、図7(b)に示されるように、回転突起プレート20の張力を調節するために回転突起プレート20に連結された水平方向支持体32を締結又は解放するための構造を備えていてもよい。
【0066】
図10は、本発明の例示の実施の形態に従うハウジングの一例を示す。
【0067】
アセンブリ仕上げ手段60と固定リングによって仕上げられた六角形パイプアセンブリ10は、内壁に形成された絶縁モールド80を有するハウジング40内に嵌合される。
【0068】
絶縁モールド80は、高電圧から静電フィルタを電気的に絶縁するために合成樹脂で作られる。絶縁モールド80は、ハウジングのフレームとして働く。
【0069】
要約すれば、本発明の静電フィルタ2は、複数の六角形パイプ10が組みつけられて六角形パイプアセンブリ10を形成し、六角形パイプアセンブリ10がアセンブリ仕上げ手段60によって仕上げられ、固定リングが六角形パイプアセンブリ10の前と後に嵌合され、このような六角形パイプアセンブリ10がハウジング40によって収容されるように構成される。
【0070】
回転突起プレート20は、各六角形パイプ100内に挿入され、固定リング70に連結された電力供給手段30に連結される。このような六角形パイプアセンブリ10は、内壁に形成された絶縁モールド80を有するハウジング40によって収容される。
【0071】
六角形パイプアセンブリ10は、電気的に接地され、且つ固定リング70は、高電圧供給手段50に電気的に接続される。
【0072】
図11は、本発明の例示の実施の形態に従う静電フィルタを示す。図11に示されるように、ハウジング40は、高電圧供給手段50に接続される電力接続部42とトンネルの天井に静電フィルタを固定するための固定手段44を更に備えることができる。
【0073】
詳細には示されていないが、ハウジング10は、1対1の方法で高速トンネルファン1の外側ケースに連結され、連結された部分は、固く締められることが好ましい。ハウジング40は、高速トンネルファン1に取り付け可能に連結されることが好ましい。
【0074】
本発明に従う高速トンネルファンのための静電フィルタを備える高速トンネルファンは、以下の利点を有する。10m/sよりも大きな流速(例えば、15m/sから30m/s)で流れる汚染空気中の微小埃や粒子を収集することができる。微小埃や粒子は、各六角形パイプ内に生じる渦によって塊にされて遠心力で収集され、それによって、粒子収集性能が向上される。その結果、高速トンネルファンによって駆動され且つトンネルの外側に排出される汚染空気が浄化され、それによって、トンネルの周囲が汚染されるのを防止する。
【0075】
更に、埃収集領域は、六角形パイプの数と同じだけ増加され、それによって、埃収集性能、収集された埃の量、及び埃収集効率が向上される。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】従来の高速トンネルファンを示す図である。
【図2】本発明の例示の実施の形態に従う静電フィルタを備える高速トンネルファンを示す図である。
【図3】本発明の例示の実施の形態に従う、本発明の静電フィルタの埃収集原理と六角形パイプの構造的特徴を述べるための六角形パイプの一例を示す図である。
【図4】本発明の例示の実施の形態に従う回転突起プレートの一例を示す図である。
【図5】本発明の例示の実施の形態に従う回転突起プレートの一例を示す図である。
【図6】本発明の例示の実施の形態に従う回転突起プレートの役割を示す図である。
【図7】本発明の例示の実施の形態に従う六角形パイプアセンブリ、回転突起プレート及び電力供給支持体のアセンブリ構造を示す図である。
【図8】本発明の例示の実施の形態に従う静電フィルタのアセンブリ仕上げ手段を示す図である。
【図9】本発明の例示の実施の形態に従う静電フィルタの固定リングを示す図である。
【図10】本発明の例示の実施の形態に従うハウジングの一例を示す図である。
【図11】本発明の例示の実施の形態に従う静電フィルタを示す図である。
【符号の説明】
【0077】
1:高速トンネルファン
10:六角形パイプアセンブリ
2:静電フィルタ
20:回転突起プレート 22:突起
24:接続部
30:電力供給支持体 32:水平方向支持体
34:垂直方向支持体 36:張力調節手段
40:ハウジング 42:電力接続部
44:固定手段
50:高電圧供給手段
60:アセンブリ仕上げ手段
70:固定リング
80:絶縁モールド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電フィルタを備えるトンネルファンであって、
円筒形トンネルファン、と
パイプアセンブリを含む静電フィルタと、を備え、前記パイプアセンブリは、平行に配置されて円筒形状を形成する複数のパイプを含み、各パイプは、誘導電圧で微小埃を収集させるための静電誘導手段を有し、静電フィルタは、トンネルファンの前又は後に連結される、トンネルファン。
【請求項2】
前記静電誘導手段は、前記複数のパイプ内に挿入される複数の回転突起プレートを含み、回転突起プレートの各々は、その両面に形成された複数の突起を有し、回転突起プレートは、ねじり形態に形成される、請求項1に記載のトンネルファン。
【請求項3】
前記静電フィルタは、更に、前記パイプアセンブリの前と後に配置され、回転突起プレートに連結され、且つ外部電力供給手段に電気的に接続された電力供給支持体を備える、請求項2に記載のトンネルファン。
【請求項4】
前記静電フィルタは、更に、前記パイプアセンブリを収容するための、前記パイプアセンブリを電気的に絶縁するための内壁に形成された絶縁モールドを有するハウジングを備える、請求項2に記載のトンネルファン。
【請求項5】
前記パイプは、六角形横断面を有する、請求項2に記載のトンネルファン。
【請求項6】
前記静電フィルタは、前記パイプアセンブリに嵌合されて電力供給手段を固定する固定リングを備え、前記トンネルファンは、この固定リングを介して前記パイプアセンブリに連結される、請求項3に記載のトンネルファン。
【請求項7】
前記電力供給支持体は、格子形態に配置される水平方向支持体と垂直方向支持体を備える、請求項3に記載のトンネルファン。
【請求項8】
前記パイプは、その内壁に長手方向へ形成される複数の溝を有する、請求項2に記載のトンネルファン。
【請求項9】
前記静電フィルタは、更に、前記パイプアセンブリを仕上げるためのアセンブリ仕上げ手段を備える、請求項2に記載のトンネルファン。
【請求項10】
前記アセンブリ仕上げ手段は、不燃性シリコンベースの材料で作られる、請求項9に記載のトンネルファン。
【請求項11】
前記回転突起プレートの幅は、前記六角形パイプの直径の三分の一(1/3)から二分の一(1/2)であり、且つ前記突起の高さは、前記六角形パイプの直径の十分の一(1/10)から八分の一(1/8)である、請求項5に記載のトンネルファン。
【請求項12】
前記電力供給支持体は、更に、回転突起プレートに連結された水平方向支持体を締結又は解放して回転突起プレートの張力を調節するための張力調節手段を備える、請求項7に記載のトンネルファン。
【請求項13】
静電フィルタを備えるトンネルファンであって、
空気をトンネルの外部へ駆動するためのトンネルファン、と
前記トンネルファンに連結された静電フィルタと、を備え、
前記静電フィルタは、
平行に配置された複数のパイプと前記複数のパイプに挿入された複数の回転突起プレートを含むパイプアセンブリを備え、前記回転突起プレートの各々は、その両サイドに形成された複数の突起を有し、前記回転突起プレートは、ねじり形態に形成され、
当該トンネルファンは、
前記パイプアセンブリの前と後に配置され、回転突起プレートに連結され、且つ外部電力供給手段に電気的に接続された電力供給支持体と、
前記パイプアセンブリを収容するための、前記パイプアセンブリを絶縁するための内壁に形成された絶縁モールドを有するハウジングと、
前記パイプアセンブリに嵌合して前記電力供給手段を固定するための固定リングと、を備え、前記トンネルファンと前記静電フィルタは、前記トンネルファンを介して連結される、トンネルファン。
【請求項14】
前記パイプは、六角形横断面を有する、請求項13に記載のトンネルファン。
【請求項15】
前記電力供給支持体は、格子形態に配置された水平方向支持体と垂直方向支持体を備える、請求項13に記載のトンネルファン。
【請求項16】
前記パイプは、その内壁に長手方向へ形成された複数の溝を有する、請求項13に記載のトンネルファン。
【請求項17】
前記静電フィルタは、更に、前記パイプアセンブリを仕上げるためのアセンブリ仕上げ手段を備える、請求項13に記載のトンネルファン。
【請求項18】
前記アセンブリ仕上げ手段は、不燃性シリコンベースの材料で作られる、請求項17に記載のトンネルファン。
【請求項19】
前記回転突起プレートの幅は、前記六角形パイプの直径の三分の一(1/3)から二分の一(1/2)であり、且つ突起の高さは、前記六角形パイプの直径の十分の一(1/10)から八分の一(1/8)である、請求項13に記載のトンネルファン。
【請求項20】
電力供給支持体は、更に、回転突起プレートに連結された水平方向支持体を締結又は解放して回転突起プレートの張力を調節するための張力調節手段を備える、請求項15に記載のトンネルファン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−50839(P2009−50839A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−12770(P2008−12770)
【出願日】平成20年1月23日(2008.1.23)
【出願人】(508023400)
【Fターム(参考)】