説明

静電容量型センサ及びそれを用いる近接検出器

静電容量型センサを、路上走行車用の障害物警告システムの近接検出器として、例えば車が後退するときに使用する。デジタル信号処理装置11は、センサRC回路1、7を介して正弦波を送信する。センサプレート3はセンサコンデンサ1の1つのプレートとして作用し、障害物45は別のプレート5として作用する。車43と障害物との間の距離の変化は、センサコンデンサ1の静電容量を変化させ、センサRC回路から出力される正弦波の振幅及び位相を変化させる。基準信号回路17、19、21で生成される基準正弦波は、減算器15でセンサ出力信号から減算される。基準信号は、センサ信号の位相オフセットを有するので、差信号の振幅はセンサ信号の位相変化に対して非常に敏感である。センサ信号と等価の付加信号は、結合コンデンサ41によってセンサRC回路の出力と結合される。これは、センサ信号を妨害せずに高周波ノイズにグランドへの経路を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本明細書は、2007年9月25日付で出願された英国特許出願第0718677.8号に対する優先権を主張し、前記特許出願明細書の全ての開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、静電容量の変化を検出するセンサ配置、及びこのセンサ配置を用いる近接検出器に関する。これは、例えば、車を操作する際に障害物を検出するために、典型的には、車が後退中に障害物に接近したときに路上走行車の運転手に警告を与えるシステムの一部として用いられる。
【0003】
静電容量型センサ配置は、正弦波又は方形波のような交流信号が抵抗−容量(RC)回路網(例えば、信号経路に直列接続の抵抗体に、信号経路から分岐するコンデンサの接続部が続く回路)に入力されるように構成され得る。RC回路網における静電容量の変化は、出力される信号の振幅(可能であれば位相も)を変化させるので、そのような静電容量の変化をモニタすることが可能である。使用に際しては、多様なフィルタ及び緩衝増幅器もまた必要である場合がある。
【背景技術】
【0004】
車用の障害物検出システムで近接センサとして使用される静電容量型センサは、例えば、WO 02/19524号、EP 1720254号、WO 2004/054105号、及びWO 2005/012037号により既知であり、これらの記載内容は参照により本願に組み込まれる。これらの配置において、交流方形波信号は、センサプレート(通常、車の後部バンパー上又はバンパー内に取り付けられる)とグランドとの間の静電容量を含むRC(抵抗−容量)回路網に入力される。RC回路網は方形波を実質的に三角波に変換する。センサプレートによって形成されたセンサコンデンサの静電容量が、例えば車が障害物に接近することによって増加するにつれて、この実質的に三角波の振幅は減少し、この振幅の変化が利用されて、静電容量の変化すなわち障害物への接近が検出される。WO 2004/054105号で述べられているように、異なる材料で作製された異なる障害物がセンサ配置の静電容量に異なる影響を与えるにもかかわらず、車の移動につれてセンサ信号が変化する仕方をモニタすることによって、車と障害物との間の距離に関する判断をすることが可能となり得る。車の動きは、車輪、又は駆動系の何らかの都合のよい部品の動きを検出することによってモニタされ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
静電容量の小さな変化を検出する必要がある場合がある。車に取り付けられた障害物検出器の場合は特にそうである。したがって、本発明の一態様では、RC回路網に印加される信号と同一周波数を有する信号が提供され、この信号は、RC回路網の出力から得られる信号に対して(好ましくは緩衝処理の後で)加算又は減算される。得られる和信号又は差信号が、RC回路網の静電容量における変化の検出に使用される。好ましくは、この付加信号は、この付加信号が加算又は減算される信号と実質的に同一波形を有し、好ましくはこれらは両方とも正弦波である。
【0006】
和信号又は差信号は、静電容量の小さな変化の検出を容易にすることができる。例えば、2つの正弦波が加算又は減算されたときに、得られる信号もまた正弦波である。得られる信号の位相は、90°であるか、又は組み合わされた2つの信号のそれぞれの位相間の位相から90°オフセットになるかのどちらかである。得られる信号の振幅は、2つの入力信号のそれぞれの振幅と、それらの位相間の差の正弦又は余弦との両方に依存することになる。RC回路網の静電容量が変化するにつれて、該回路網からの信号出力の位相及び振幅の両方が変化する。変化が生じるとき、和信号又は差信号の振幅は、RC回路網からの信号出力の振幅の変化及びこの信号の位相の変化の両方の影響を受けることになる。加算又は減算される信号間の全体的な位相差を、この位相差における小さな変化が和信号又は差信号の振幅に大きな影響を及ぼすように配置することが可能である。この方法で、和信号又は差信号の振幅を、センサ静電容量の変化に対して非常に敏感にすることができる。
【0007】
好ましくは、RC回路網から得られる信号を加算又は減算される基準信号は、センサ静電容量を含むRC回路網と同一時定数を有する第2のRC回路網を介して同一入力信号を通過させることによって生成される。好ましくは、基準信号のためのRC回路網は、センサ信号のためのRC回路網よりはるかに大きい静電容量及びはるかに小さい抵抗を有するため、基準信号は一層堅調であり、静電容量の小さい変化及び無線周波数の緩衝による影響がより少ない。第2のRC回路網を使用して同一入力信号から基準信号を生成するこの配置は、比較的少ない回路構成要素で実施することができ、基準信号が常にセンサRC回路網からの信号出力と全く同一の平均周波数を有し、基準信号が入力信号における振幅、周波数、又は位相のわずかな変化をも追跡するという利点を有するので、和信号又は差信号は、入力信号を生成するために使用される回路の性能におけるどんなにわずかな不安定性又は変化による影響も受けない。
【0008】
あるいは、基準信号は、センサRC回路網に供給される信号から独立して生成されてもよい。例えば、センサRC回路への信号入力をデジタル信号処理装置によって生成し、同じデジタル信号処理装置によって生成される一致する信号を受け取る上述の基準RC回路網を使用して基準信号を生成することができる。この配置は、デジタル信号処理装置を制御するソフトウェアを使用してセンサRC回路網への信号入力と基準RC回路への信号入力との位相差を設定して、センサRC回路網と加算又は減算を行う回路との間に提供される緩衝増幅器のような構成要素によって導入されるいかなる移相をも考慮して、基準信号と、センサRC回路網の出力から得られる信号と、の間の望ましい位相関係を得ることができるという利点を有する。両方のRC回路網が同一入力信号を受信する場合は、望ましい位相関係を提供するために、(好ましくは基準RC回路網の出力に)移相回路を提供する必要がある場合がある。
【0009】
正弦波を入力信号として使用することが好ましいが、他の信号も可能である。例えば、入力信号は方形波であってもよい。この場合は、RC回路網からの出力は実質的に三角波になる。この場合は、センサ静電容量の変化は出力信号の位相は変えず、その振幅のみを変える。基準信号は、センサコンデンサを含むRC回路網から得られる信号と同一位相を有するように調整され、1つの信号が他方の信号から減算される。例えば2つの信号を差増幅器の入力に提供することによって得られる増幅された差信号は、センサ静電容量の変化に対する高感度を有することになる。
【0010】
第1の態様と組み合わせて又は別個に提供され得る本発明の第2の態様によると、センサRC回路網からの信号出力とほぼ同一波形、振幅及び位相を有する信号が、センサRC回路網の出力と容量結合され、かつまた、第1の容量結合と並列にグランドと容量結合される(この場合、用語「グランド」は任意の固定電圧を含む)。この付加信号がセンサRC回路網による信号出力と同一である限りは、これら2つの信号間の容量結合に電圧降下はなく、そこを通過する電流もない。しかし、一部の状況においては、センサ静電容量はノイズの影響を受けやすい場合がある。例えば、車用障害物検出システムの場合、かなりのサイズ(例えば車のバンパーの全幅)の導電体によってセンサ静電容量が提供される場合があり、これは無線周波数のノイズを捕捉しやすい。一方、付加信号を生成するための配置は、そのようなノイズに対する感度がはるかに低くなるように構成され得る。その結果、センサRC回路網の出力に出現するそのような高周波ノイズは、直列の2つの容量結合を介して効果的に接地される。
【0011】
原則としては、付加信号がセンサ信号と全く同一であれば、この配置は、高周波ノイズを取り除くこと以外にセンサ動作に与える影響がない。実際には、2つの信号間の位相及び振幅の小さな差は許容され得るが、これはセンサ静電容量の変化に対するシステムの感度を低減させる傾向がある。したがって、付加信号を、センサRC回路網と同一時定数を有し同一入力信号を受信するRC回路網を用いて生成することができる。この場合、付加信号は、該付加信号を生成するために使用されるRC回路網の静電容量を介してグランドに結合される。これは、付加信号を生成する簡易かつ効果的な手段を提供するが、センサ静電容量の変化によって付加信号が変化しなくなるので、2つの信号間の位相及び振幅にいくらかの差が生じるようになる。そのような位相及び振幅の差は、センサRC回路網による信号出力からの付加信号を生成することによって削減され得る。しかし、これは、センサRC回路網による信号出力の位相の変化を付加信号が確実に追跡するための、位相同期ループのような付加的回路の提供を要求することになり、システム全体の複雑さ及び費用を加えることになる。
【0012】
入力波形が正弦波であり、したがってセンサRC回路網が信号の位相及び振幅のみを変化させ、その波形の形状は変化させない場合、付加信号は、センサRC回路網の位相及び振幅効果を模倣するように、同一入力信号を受信して位相器回路の前又は後にそれを減衰する回路によって生成され得る。
【0013】
本発明の第1の態様と同じく、この付加信号は、センサRC回路に提供される信号と別に生成されることができる。例えば、それらはどちらもデジタル信号処理装置によって生成され得る。
【0014】
本発明のこの態様は、正弦波信号と共に使用され得るが、これらに限定されない。例えば、センサRC回路網への信号入力は方形波でもよく、この場合、センサ出力信号は実質的に三角波となる。
【0015】
上の説明ではセンサ静電容量を含むRC(抵抗−容量)回路網を参照してきたが、原則的に、LC(インダクタンス−容量)回路網又はLRC(インダクタンス−抵抗ー容量)回路網を使用することが可能である。必要なのは、センサ静電容量の変化が回路網からの信号出力の位相及び/又は振幅を変化させることのみである。しかし、費用及び製造上の便利さという理由から、インダクタの使用は避けるのが好ましい。
【0016】
次に、下の図面を参照して、非限定的な実施例によって提供される本発明の実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態による静電容量型センサの配置。
【図2】RC回路における静電容量の変化につれて、RC回路が入力正弦波に与える影響の変化。
【図3】移相器回路の一例の回路図。
【図4】デジタル出力を擬似正弦波に組み合わせるための波形。
【図5】本発明の第2の実施形態による静電容量型センサ配置。
【図6】本発明の第3の実施形態による静電容量型センサ配置。
【図7】障害物、及び障害物警告システムが装備された車の後部。
【図8】路上走行車用の障害物警告システムの概略ブロック図。
【図9】路上走行車の後部バンパー内の静電容量型センサのセンサプレートの位置を示す略図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の第1の実施形態による静電容量型センサを図示する。このセンサは、センサコンデンサ1の静電容量の変化を検出するように配置される。図1のセンサは、路上走行車が後退中に障害物に接近したときに警告を与えるために、例えば路上走行車に装備された駐車支援装置の一部として、例えば近接センサに使用され得る。そのような配置において、センサは、外部の物体との距離が変化するにつれてセンサコンデンサ1の静電容量が変化するように構成される。この場合、センサ自体は、通常、センサの残りの部分に接続された、センサコンデンサ1の1つのプレート3のみを含むことになり、もう1つのプレート5は、近くの任意の障害物と共に、車の後方のグランドによって提供されることになる。
【0019】
図1のセンサでは、センサコンデンサ1はセンサ抵抗体7に接続されて、センサRC回路を形成する。センサ抵抗体7の抵抗は、センサコンデンサ1の静止静電容量との組み合わせにおいてRC回路が適切な時定数を有するように選択される。センサコンデンサ1の静電容量の変化を検出するために、制御系9は、センサコンデンサ1及びセンサ抵抗体7によって形成されるセンサRC回路を介してAC信号を通過し、RC回路がこの信号を変える方式の変化から、センサコンデンサ1の静電容量の変化を検出する。通常、最善の回路動作のためには、AC信号の周期がセンサRC回路の時定数と同じ桁であるのが好ましい。
【0020】
図1が図示するように、制御系9はデジタル信号処理装置11を具備することができるが、これは必須ではなく、好適な制御系を作る他の方法が、当業者には明確であろう。図1の実施形態では、AC信号は正弦波であるが、他の波形も可能であり、方形波(RC回路によって実質的に三角波に変換される)の使用については後に説明する。図2が図示するように、正弦波がRC回路を通過するとき、この波の位相及び振幅の両方が変化する。これらの変化の量は、RC回路の時定数に依存する。センサコンデンサ1の変化は、センサRC回路の時定数において対応する変化を作り出し、したがって、センサコンデンサ1の静電容量の変化は、RC回路からの出力信号の変化をもたらす。これは図2に図示されており、3つの異なるコンデンサ値の出力波形が、一定の入力信号に対して与えられる。
【0021】
図2は、AC信号での25kHzの周波数を示す。この周波数は可聴周波数(通常、20Hz〜20kHzの範囲)の範囲より若干高く、したがって信号がラジオなどの車のオーディオ装置のノイズとして捕捉された場合にこのノイズが不可聴になるので、車障害物検出器での使用に好適である。したがって、少なくとも車駐車センサのような用途においては、20kHzより高い信号周波数が好ましい。しかし、センサによって捕捉される任意の高周波ノイズ(例えば無線信号ノイズ)が、センサの動作に有意に影響することなくフィルタされて取り除かれ得るようにするため、かつまた、センサ自体が無線周波数のノイズを生成しないようにするために、周波数が、通常、約100kHz未満であるべきことも好ましい。
【0022】
車駐車支援のための近接センサでは、センサコンデンサ1の静止静電容量(すなわち障害物が一切ない場合のプレート3とグランドとの間の静電容量)は、典型的には0.2pF〜5pF、より典型的には少なくとも0.5pFであり、一般に2pF以下であり、例えば、0.8〜0.9pFであり得る。これらの低い静電容量値は、近接センサが有用な距離で物体を検出するのを可能にするために使用される。車駐車支援が何らかの実用的な助けとなるためには、その近接センサは0.1メートル(好ましくは、小障害物では少なくとも0.5メートル、大障害物では1メートル超)を十分に超える範囲で物体を検出できなくてはならない。この場合、センサ抵抗体7は、2〜50MΩの範囲の値、例えば少なくとも5MΩであり、通常は20MΩ以下であり、例えば約10MΩである可能性がある。したがって、駐車支援に使用されるセンサでは、RC回路の時定数は、通常、2〜50μsであり、好ましくは少なくとも5μsであり、また好ましくは20μs以下である。約10μs又はそれよりやや低い値(おそらく8〜9μs)がおそらく好適である。
【0023】
センサコンデンサ1の値が低くセンサ抵抗体7の値が高いので、センサRC回路の出力は緩衝増幅器13によって緩衝される。好ましくは、センサRC回路の抵抗成分の実効インピーダンスが増大するように、この増幅器は帰還と共に構築される。これは、センサ抵抗体7を構築するのに必要な物理的な抵抗体の実際の値を下げて、回路の構築をより容易にする。
【0024】
実際には、センサは、センサコンデンサ1の静電容量における比較的小さい変化を検出する必要がある場合がある。例えば、センサが車駐車支援での近接センサとして使用されるとき、センサコンデンサの静止静電容量が約0.85pFであれば、センサは、好ましくは、わずか約15fF〜20fF(すなわち静止静電容量の2%の領域内)の静電容量の変化を検出することができるようにするべきである。結果的に、静電容量の変化によって引き起こされる正弦波信号の位相及び振幅の変化が非常に小さく、制御系9による検出が困難であり得る。デジタル信号処理装置11の高解像度、高速アナログ−デジタル変換装置のような高価な構成要素を制御系9に使う必要性を避けるために、図1の静電容量型センサには、制御系9に入力するための信号を生成するために緩衝増幅器13による信号出力を前処理するように配置が提供され、センサコンデンサ1の静電容量の変化はより容易に検出可能となる。
【0025】
この配置では、緩衝増幅器13からの信号出力とほぼ同一振幅を有する基準信号が生成され、これが、信号減算器15にて緩衝増幅器13からの信号に組み合わされる。基準信号は、センサコンデンサ1の静電容量の変化による影響を受けず、実質的に一定の振幅及び位相を有する。好ましくは、基準信号は、緩衝増幅器13による信号出力の位相からわずかな位相オフセットを有するように配置される。この位相オフセットは、通常、30°未満になるように配置される。
【0026】
これらの正弦波が同一振幅を有し位相差がθである場合に、一方の正弦波から他の正弦波を減算することによる影響は、次の等式で示される。
【0027】
【数1】

【0028】
出力差信号の位相は、(余弦関数となるため)2つの入力信号の位相間の中間の位相を90°先行し、出力差信号の振幅は、位相差θの半分の正弦(sine)の倍数であるという見方ができる。
【0029】
センサコンデンサ1の静電容量が変化するとき、これは、緩衝増幅器13からの信号出力の振幅及び位相の両方に小さい変化を起こす。振幅の変化は、減算器15による信号出力の振幅に影響を与えるが、この因子による変化は小さいまま維持される。それは、減算器15による信号出力の位相にも小さい変化を起こす。より重要なのは、基準信号の位相が変化しないので、緩衝増幅器13からの信号の位相における変化が、減算器15への2つの信号入力間の位相差θにおける対応する変化を示唆することである。上の式が示すように、減算器15による信号出力の位相は2つの入力信号間の位相差の半分の関数であるので、これは減算器15の出力の位相に小さい変化のみを起こし、したがって減算器15からの信号出力の位相の変化は緩衝増幅器13からの信号出力の位相の変化より更に小さいものとなる。しかし、上の式に示されるように、減算器15からの信号出力の振幅はsin(θ/2)の倍数である。位相差θの値が選ばれてsin(θ/2)勾配が急勾配である(すなわち、θは合理的に0°に近い)場合、θにおける小さい変化はなお、減算器15による信号出力の振幅における大きい変化を結果的にもたらす。
【0030】
この方法では、センサコンデンサ1の静電容量における小さい変化のみに反応して、振幅における大きい変化を有する信号を作り出すために、緩衝増幅器13による信号出力からの基準信号の減算が用いられる。しかし、正弦波の勾配は波形がゼロを交差する点で最も急であり、結果的に位相オフセットθはゼロに近いと、差信号の振幅は非常に小さい。したがって、θの値は、増倍率のsin(θ/2)が合計信号の振幅を使用できないほどの低レベルに下げることがないにもかかわらず、センサコンデンサ1の変化によって引き起こされるθにおける小さい変化が差信号の振幅における大きい変化をもたらすように十分に大きい勾配を有するよう、ゼロから十分に遠くなるように選択される。したがって、θは、好ましくは少なくとも10°である(したがってsin(θ/2)は実質的に0.1未満ではない)。加えて、上の式によって得られた差信号の低いレベルを補足するために、かつ、センサRC回路における信号振幅損失を計算に入れて、減算器15は、好ましくは、増幅機能もまた有する。図1では、減算器15のゲイン8が図示されている。選択される実際の値は、制御系9の入力回路の性能に依存することになるが、通常、5〜20のゲインが適切である。
【0031】
減算器15に入力するための基準信号を生成するために、基準コンデンサ17及び基準抵抗体19が構成する基準RC回路がセンサコンデンサ1及びセンサ抵抗体7のセンサRC回路に並列接続されて、同一入力正弦波信号を受信する。基準RC回路は、センサRC回路と実質的に同一時定数を有するように配置されるので、その出力信号はセンサRC回路による信号出力と実質的に同一である。しかし、基準RC回路は、好ましくは、センサRC回路よりはるかに大きいコンデンサ及びはるかに小さい抵抗体を使用して構築される。例えば、基準コンデンサ17はおよそ1nF程度の静電容量を有し、基準抵抗体19は約10kΩの抵抗を有することができ、すなわち、基準コンデンサはセンサコンデンサの値の約1000倍であり、基準抵抗体はセンサ抵抗体の抵抗の約1000分の1である。結果的に、基準RC回路による信号出力はセンサRC回路による信号出力よりはるかに堅調になるので、基準RC回路は増幅器13と同等の緩衝増幅器を必要としない。移相器21は、基準RC回路と減算器15への入力との間に提供されて、緩衝増幅器13における帰還によってセンサ信号に導入される移相を考慮して基準信号の位相を調整し、減算器15への2つの信号入力間の位相オフセットθを望ましいレベルで提供する。移相器21を構築するための可能な多くの方法は、当業者には明白であろう。図3は単純なアクティブ移相回路を図示しているが、この特定の回路の使用は必須ではなく、任意の好適な移相配置を使用してよい。
【0032】
センサ信号から基準信号を減算する代わりに、位相オフセットを180°変更し(実質的に基準信号を反転させて)、両信号を加算することができる。信号を和信号にすることによる影響を下の等式によって示す。
【0033】
【数2】

【0034】
この場合、出力信号の振幅は、cos(θ/2)に依存し、θは、cos(θ/2)の勾配が急勾配となる(すなわちθが合理的に180°に近くなる)ように選択するべきである。
【0035】
図1に図示されるように、制御系9はデジタル信号処理装置11を含む。好ましくは、デジタル信号処理装置は、アナログ−デジタル変換装置(図1でADCとして図示)を有するタイプのものであって、その出力はデジタル信号処理装置の主処理ユニットを妨害せずにメモリに直接に書き込まれる。これは、デジタルフィルタリング及び相関のようなデジタル信号処理機能を実行するための容量を処理ユニットに確保する。デジタル信号処理装置は、適宜フィルタリングの後に、デジタル信号処理装置から出力されセンサRC回路に印加されることになる一定の周波数波形(あるいは、望ましい信号波形への組み合わせに好適な複数の波形)をタイマーブロックが生成するようにプログラムされる。このタイマーブロックはまた、アナログ−デジタル変換装置の動作をトリガし、制御系9によって受信された波形は、生成された波形と同期して正確にサンプリングされる。デジタル信号処理装置11は、入ってくる波形がデジタル化された後にそれを解析し、絶対振幅及び/又は振幅の変化(可能であれば、位相も)を使用して、センサコンデンサ1の静電容量及び/又は静電容量の変化を感知し、図1のセンサと外部装置との間の通信のために、静電容量のレベル及び/又はその変化を表す信号を接続部23を介して出力する。例えば、デジタル信号処理装置11は、ロックイン増幅器技術を使用して、減算器15から受信された信号と、センサRC回路への供給のためにデジタル信号処理装置11によって生成された波形で位相及び周波数にロックされた理論上又は実際の基準信号との間の、正確な位相及び振幅の差を測定することができる。
【0036】
図1の配置において、デジタル信号処理装置11は、擬似正弦波を形成するように組み合わされる4つの別々の出力線に4つの信号出力を提供するようにプログラムされている。図4は、擬似正弦波の生成をより詳細に図示する。図4が図示するように、各出力線に提供される信号は、50%の通電率を有する単純なデジタル信号でよい。連続出力信号は、それぞれ、先行する出力線の信号に比べて8分の1の通電期間、遅延される。図1及び4が図示するように、各出力線は対応する抵抗体25、27、29、31を介して加算接続点(summing junction)に接続される。図4が図示するように、抵抗体25は最初に高くなる信号を有する出力に接続され、抵抗体31は最後に高くなる信号を有する出力に接続され、両方とも同一値Rを有する。その他の2つの抵抗体27、29もまた、Rとは異なる共通値Rを有する。信号値のアナログ付加は、加算接続点にて実行され、各信号はそれと関連づけられる抵抗体の値(R又はR)で加重されて、図4の下部に図示される多重レベルの階段状の波形を生成する。これらの異なる階段の相対的高さを調整するためにR及びRの適切な値を選択することによって、加算接続点にて擬似正弦波を生成することができる。
【0037】
この階段状の多重値波形は、主の擬似正弦波周波数を通過させる一方で高調波を全て遮断するように配置される低域通過フィルタ33(例えばアクティブなバターワース(Butterworth)フィルタ)によって平滑化される。これは、センサRC回路に提供されるために十分に純粋な正弦波を生成する。
【0038】
所望により、センサRC回路に供給される正弦波を別の配置を使用して生成してもよく、図4を参照して説明した配置は、適切な信号を生成する1つの単純な方法の一例としてのみ提供されているにすぎない。正弦波の代わりに何らかの別の波形をRC回路に入力することが望まれる場合は、信号を生成する配置をそれに応じて修正する必要があるであろう。例えば、方形波を生成するには、デジタル信号処理装置11からの1つのデジタル出力を使用することが可能であり、加算接続点又は低域通過フィルタ33の必要はない。
【0039】
デジタル信号処理装置11の入力でのアナログ−デジタル変換装置のサンプリング速度にしたがって選択された遮断周波数を有する更なる低域通過フィルタ35は、減算器15の出力と制御系9への入力との間に提供されて、アナログ−デジタル変換装置の動作中のエイリアシングを回避する。
【0040】
図1に図示された回路のフィルタ33、35及び他の構成要素は、信号における移相及び振幅シフトを導入する可能性が高い。しかし、これらの移相及び振幅シフトは、センサコンデンサ1の静電容量の変化によって生成される変化を除いて実質的に一定であり、したがって、センサコンデンサ1の静電容量の変化によってもたらされる信号の変化をデジタル信号処理装置11が検出及び測定する能力を妨害しない。
【0041】
制御系9はまた、例えばセンサ動作を開始又は停止させ得る、外部接続部23を超えて受信される入力に応答するように配置されてもよい。車の後方の障害物を検出するための車駐車支援に図1のセンサが使用されるとき、駐車支援が、絶対静電容量値を使うよりもセンサコンデンサ1の静電容量の変化に応答する方が通常はより重要である。したがって、システムは、車が最初にバックギヤに入れられたときに図1の静電容量型センサに信号を送信するように設定することができ、デジタル信号処理装置11は、センサ動作を開始しその時点での静電容量を測定することによってこの入力に応答するようにプログラムすることができる。その後、バックギヤに係合されている限りセンサ回路は動作し続け、最初の測定後の静電容量の変化についての情報を提供することができる。あるいは、図1の制御系9は、センサの動作の期間中ずっと、センサコンデンサ1の絶対値に相当する信号を単に出力することができ、駐車支援の残りの回路は、バックギヤに係合されたときに受信された初期値からの、静電容量の変化をモニタするように配置されてよい。
【0042】
図1の静電容量型センサに多様な修正をすることが可能である。例えば、移相器21を、図示した位置の代わりに基準抵抗体19の前に設置することができる。減算器15への基準信号入力を生成するために、コンデンサ17及び抵抗体19が構成する基準RC回路の代わりに、他の配置を使ってもよい。例えば、基準信号を、センサRC回路への信号入力の生成と類似した方法で、デジタル信号処理装置からのデジタル出力(又は出力の組み合わせ)から生成することができる。これは、基準信号の位相をデジタル信号処理装置11によって直接に制御し、ソフトウェア制御下で変動することができるので、移相器21の必要がなくなるという利点を有する。
【0043】
上述したように、上述の正弦波の代わりに方形波のような他の波形をセンサRC回路に入力してもよい。方形波の場合、センサRC回路からの出力は実質的に三角波であり、センサコンデンサ1の静電容量の変化は三角波の振幅に影響するが、その位相には実質的に影響しない。したがって、この場合、減算器15の目的は2つの入力間の信号振幅における差が増幅されたものを提供することであり、基準信号は緩衝増幅器13からの信号と同相であるべきである。したがって、移相器21は、緩衝増幅器13が移相を導入する場合にのみ必要となる。しかし、センサコンデンサ1の静電容量の変化による位相の影響でなくむしろ振幅に依存することは、緩衝増幅器13及び減算器15での正確な増幅が必要であることを意味し、三角波の鋭い点は高い帯域を有する増幅器を要求し、干渉及びノイズの影響を受けやすい配置にするので、RC回路への方形波の入力及び三角波の出力を使用するよりも、正弦波を使用する方が好ましい。正弦波が使用される場合は、より高い周波数をフィルタして除去することができる。例えば、減算器15は、正弦波の周波数より実質的に高い周波数を除外する帯域を有する差動増幅器として構成され得る。この方法では、センサコンデンサ1に捕捉されるいかなる無線周波数のノイズも、減算器15からの信号出力に実質的に影響しない。
【0044】
図5は、本発明の第2の実施形態による静電容量型センサを図示する。図5のセンサの部品の多くは、図1のセンサのものと同一であり、同一参照番号を与えられている。図1〜4を参照して上で述べた説明は、図1と異なる図5の部品に関してを除き、図5のセンサにも同じく当てはまる。
【0045】
図5では、基準信号で緩衝増幅器13からの信号を加算又は減算する配置は使用されず、したがって図5は、減算器15、又は基準コンデンサ17、基準抵抗体19及び移相器21のような、基準信号を生成するための配置を含まない。
【0046】
上述のように、緩衝増幅器13への信号入力は高周波ノイズの影響を受けやすい場合があり、特に、センサコンデンサ1の静電容量が非常に小さく、車駐車用の障害物センサのような近接センサの場合にありがちな大きいコンデンサプレートを有する場合はそうである。図5の静電容量型センサでは、少なくともいくらかの高周波ノイズを取り除くような配置が提供される。センサコンデンサ1及びセンサ抵抗体7が構成するセンサRC回路による信号出力に容量結合される付加的「複製」信号を生成するための回路が提供される。この付加信号は、波形、位相及び振幅に関してセンサ信号と実質的に同一である(ただし、実際には若干の差異は許容され得る)。しかし、付加信号は、センサ信号よりはるかにノイズの影響を受けにくいように配置され、回路もまた、付加信号とグランドとの間の容量結合を提供するように配置される。
【0047】
図5の静電容量型センサにおいて、付加信号は、付加的抵抗体37及び付加的コンデンサ39が構成し、センサRC回路に提供されるのと同一入力信号を受信するように接続される、更なるRC回路を提供することによって生成される。付加的RC回路は、センサRC回路と同一時定数を有するように配置されるが、図1の基準RC回路と同じように、図5の付加的RC回路は、はるかに大きい静電容量及びはるかに小さい抵抗を使ってこの時定数を得ることによって、ノイズに対する感度がより低い、一層堅調な信号を提供する。
【0048】
付加信号及びセンサ信号は、結合コンデンサ41によって結合される。理論上は、付加信号及びセンサ信号が絶対的に同一であれば、結合コンデンサ41では電圧降下が一切ないので、そこを流れる電流はなく、センサ信号への影響はない。しかし、結合コンデンサ41及び付加的コンデンサ39は、緩衝増幅器13への入力でセンサ信号からグランドへの経路を提供し、この経路は、付加的コンデンサ39が例えばセンサコンデンサ1の1000倍の静電容量を有し得るので、高周波信号に対して低インピーダンスを有するように配置することができ、結合コンデンサ41もまた、類似した大きい静電容量を有するように選ぶことができる。したがって、例えばセンサコンデンサ1の物理的に大きいプレート3によって捕捉される無線周波数信号の結果としてセンサ信号に出現するいかなる高周波ノイズも、結合コンデンサ41及び追加コンデンサ39を介して効果的にグランドに分路され、緩衝増幅器13には入力されない。
【0049】
付加的RC回路及び結合コンデンサ41が存在すること並びに基準RC回路、移相器21及び減算器15が除外されていることを除き、図5の静電容量型センサは実質的に図1の静電容量型センサと同一であり、図1の説明は図5にも同等に当てはまる。
【0050】
図5において、付加信号は、付加的抵抗体37及び付加的コンデンサ39が構成する付加的RC回路を使用して生成される。これは付加信号を生成するための簡易で費用効果の優れた方法であるが、必須ではなく、付加信号を生成する代替方法を使用してもよい。図5に図示される回路では、例えば付加的RC回路の時定数がセンサRC回路の時定数と完全に同一でない場合に、センサ信号と一致させるために付加信号の位相又は振幅を調整する必要がある場合がある。そのような調整は必要に応じて、図1の移相器21と類似した移相器及び/又は増幅器の使用によって行うことができる。これらを、付加的抵抗体37の前又は付加的RC回路から結合コンデンサ41への線に設置することができる。しかし、結合コンデンサ41への線に設置される任意の回路は、低出力インピーダンスを有することによって、結合コンデンサ41を通過する高周波信号をグランドに分路する必要がある。この場合、高周波ノイズは、付加的コンデンサ39を介してではなく、結合コンデンサ41に導かれる線に設置された構成要素の内部回路を介してグランドに分路され得る。
【0051】
図1の基準信号の場合のように、図5の付加信号は、デジタル信号処理装置11からの別の出力から生成され得るものであり、好適な信号振幅及び位相の選択によって、この場合は付加的RC回路を全て取り除くことが可能であり得る。
【0052】
図1の静電容量型センサと同様に、図5のセンサでは正弦波を使用するのが好ましいが、方形波信号のような他の波形を使用してもよい。
【0053】
付加信号とセンサ信号は名目上同一であり、結合コンデンサ41を流れる電流のみが高周波ノイズの結果であるので、結合コンデンサ41は、原則的には、抵抗体によって置き換えられ得るか、あるいは、抵抗体を結合コンデンサ41に直列又は並列に設置することができる。付加信号とセンサ信号との間にわずかな差異の可能性があるので、容量結合が好ましい。容量結合は、センサ信号に対してよりも高周波ノイズに対してより低いインピーダンスを有することになるので、結合がセンサ信号に与える影響を、それがノイズに与える影響よりも小さくさせる。加えて、緩衝増幅器13への入力に直列のインダクタもまた、緩衝増幅器13に入る高周波ノイズの量を低減させる傾向がある。
【0054】
付加信号を生成するための上述の方法は、センサコンデンサ1の静電容量の変化に応答しない。したがって、付加信号は、センサコンデンサ1の静電容量の変化によって引き起こされるセンサ信号の変化を追跡せず、その結果、付加信号とセンサ信号との間のわずかな振幅差及び位相差がもたらされることになる。その結果、付加信号とセンサ信号との結合がセンサ信号をわずかに変化させて、センサコンデンサ1の静電容量の変化に対する信号の感度を低減させる。上述のように、付加信号をセンサ信号に結合する線において結合コンデンサ41を使用することは、周波数依存性のインピーダンスを結合に与えて、信号の高周波ノイズと、センサ静電容量の変化に対する感度の損失との間のトレードオフを改善する。原則的には、位相同期ループによって制御される専用の信号発生器回路において付加信号を生成することによって、センサコンデンサ1の静電容量の変化に対して付加信号を応答させることが可能である。これは、付加信号の位相がセンサ信号の位相の変化を追跡する一方で、位相同期ループがセンサ信号の高周波ノイズ成分に応答しないように配置され得ることを意味する。しかし、そのような回路は複雑であり、提供するのが困難で費用がかかるであろう。更に、位相同期ループが、センサ信号を受信した端末で非常に高い入力インピーダンスを有さない限り、全体的影響は、緩衝増幅器13への信号入力の質を高めるよりもむしろ下げることになり得る。これらの理由から、センサコンデンサ1の静電容量の変化に応答しない、付加信号を生成するための簡易な配置が、現時点では好ましい。
【0055】
図5は、緩衝増幅器13に入力される前の、センサ信号と結合された付加信号を図示する。あるいは、付加信号を緩衝増幅器13の後でセンサ信号に結合することも可能であるが、付加信号を生成するために使用される配置は、この場合、緩衝増幅器13がセンサ信号の位相及び振幅に与える影響を考慮しなくてはならず、これは付加信号を生成するための配置の費用及び複雑さの両方を増加することになり、また、付加信号が確実に正しい位相及び振幅を有することをより困難にするので、好ましくない。
【0056】
所望により、図1を参照して説明したように基準信号を生成してそれをセンサ信号から減算する配置と、図5を参照して説明したように付加信号を生成してそれをセンサ信号と結合して高周波ノイズを低減させる配置との両方を、同一の静電容量型センサに使用することができる。そのような配置を、本発明の第3の実施形態による静電容量型センサを図示する図6に示す。図6に図示する多様な構成要素は、図1及び5を参照して上で説明したように機能するものであり、ここでは説明を繰り返さない。更に、図6の静電容量型センサは、図1及び5を参照して説明したのと同じ方法で修正され得る。
【0057】
図1、5及び6に示す実施形態は単に実施例であって、多様な修正及び代替が可能である。例えば、センサRC回路へのAC波形入力から基準信号若しくは付加信号のいずれか又は両方を生成するために、これらの図に示されるRC回路配置を使用せず、異なる回路配置を使用することができる。例えば、AC波形が正弦波であり、したがってセンサRC回路の影響は位相及び振幅のみを変えることであって波形の形状を変えることではない場合は、信号振幅を適切に変更するための減衰回路網と、信号の位相を適切に調整するための移相器と、の組み合わせを使用して、基準信号及び/又は付加信号を生成し得る。加えて、デジタル信号処理装置がデジタル−アナログ変換装置を含む場合は、センサRC回路のためのAC波形、並びに/又は、基準信号及び/若しくは付加信号(基準信号及び付加信号のいずれか又は両方が提供される場合)を、デジタル信号処理装置からアナログ形態で直接に出力することができる。
【0058】
図示した実施形態において、制御系9はデジタル信号処理装置11を使用するが、これは必須ではない。所望により、センサRC回路に印加される信号の生成と、センサRC回路から受信される信号の振幅及び/又は位相の変化の検出との両方のために、アナログ回路を使用してもよい。
【0059】
図示した実施形態において、信号は、単一のコンデンサ及び単一の抵抗体を含むRC回路を通過することによって修正される。他のRC回路配置を使用してもよい。更に、抵抗体と共に又はその代わりに、インダクタを使用してもよい。しかし、センサコンダクタ1は、通常、上で説明したように非常に小さい静電容量を有することになり、結果的に、静電容量型センサを非常に高い周波数で動作しない限り、一致するインピーダンスを有するインダクタが実用的でないほど大きくなるので、インダクタの使用は、通常、望ましくない。
【0060】
前に述べたように、本発明を具体化する静電容量型センサは、例えば駐車中に後退するのを支援するものとして、車に使用される障害物警告システムの一部を形成することができる。図7は、車の後部及びこの車の後ろの障害物を図示する。運転手が車43を後退させたい場合に、車と障害物45との間の距離を判断するのが難しい場合がある。加えて、図7が図示するように障害物45が比較的低い場合、車43が障害物に近づくにつれて、障害物は運転手の視野から消えることになる。運転手を援助するために、静電容量型センサは、例えば車43の後部バンパー47内に取り付けられる大きい金属ストリップ(又は一連のストリップ)によって形成されるセンサコンデンサ1のプレート3と共に配置される。この金属ストリップは、障害物45に容量結合されて、センサコンデンサ1のもう1つのプレート5として作用する。車43が障害物45に接近するにつれて、センサコンデンサ1の静電容量は変化することになり、障害物検出システムはこれを利用して、車43と障害物45との間の距離を決定し、車43が障害物45に接近するにつれて運転手に警告を発する。
【0061】
障害物検出システムの図式を図8に図示する。距離検出モジュール49は、静電容量型センサ51を制御し、それが発する、センサコンデンサの静電容量の変化を示す信号を受信する。静電容量型センサ51は、図1、図5又は図6に図示したようなものであり得る。距離検出モジュール49はまた、動きセンサ53も制御し、それが発する、車の動きを示す信号を受信する。例えば、動きセンサ53は、車輪の回転、又は車送電系統の他の何らかの部分におけるそれに対応する動きを検出することができる。距離検出モジュール49は、車43の移動につれて静電容量型センサの静電容量が変化する仕方をモニタし、これを利用して車43と障害物45との間の距離を決定する。静電容量型センサのデータと組み合わせて動きのデータを使用することについては、例えばWO 2004/054105号に、より詳細に説明されている。この情報を用いて、ユーザーインターフェース55を介して運転手に警告を提供する。通常、車43と障害物45との間の特定の既定距離に達したときに、警告音(又は既定のアナウンス)がスピーカー57から提供されることになる。例えばランプ59を使用した追加若しくは代替の警告が提供されてもよく、又はアナログ若しくはデジタル距離表示が提供されてもよい。ユーザーインターフェース55はまた、距離検出モジュール49を制御するための入力を含むことができ、例えば、障害物警告システムをつけたり消したりするためのスイッチがあってもよい。加えて、距離検出モジュール49は、通常、他の入力及び出力61とも通信している。通常、バックギヤが係合又は解除されたときに、ギヤ系と関連づけられたセンサが距離検出モジュール49に信号を送信することになり、これを使用して、障害物警告システムの動作が制御されるので、このシステムは車43が後退中はいつでも自動的に動作するが、車がフォワードギヤにあるときは動作しない。障害物45に対する静電容量型センサ51の応答は、センサプレート3のサイズ及び設計、並びにそれが取り付けられている場所などの因子に依存し、したがって、静電容量、動き、及び障害物までの距離の関係は、通常、障害物検出システムのそれぞれの特定の設計に対して実験的に決定されることになる。
【0062】
図9は、車43のバンバー47内の静電容量型センサのセンサプレートの配置を示す略図である。センサコンデンサ1の1つのプレートを形成するセンサプレート3は、車43のバンパー47の材料と車体63との間に提供される。静電容量型センサは、プレート3と障害物45との間の容量結合がセンサコンデンサ1の静電容量の少なくとも一部を作り出し、障害物45がセンサコンデンサ1のもう1つのコンデンサプレート5の一部として作用することによって機能する。しかし、図9に見られるように、センサプレート3は、通常金属である車体63と必然的に近接する。プレート3と車体63との間の容量結合は、2つの望ましくない影響を有する。第1に、金属の車体63によって捕捉される任意の電気的ノイズは、センサプレート3に強力に結合されることになる。第2に、センサプレート3と車体63との間の結合は、センサコンデンサ1の合計静電容量の有意な部分をもたらし、障害物45への容量結合の効果を低減させることによって、静電容量型センサの近接検出効果の感度を低減させる。
【0063】
センサプレート3と車体63との間の容量結合によるこれらの影響を最小限にするために、それらの間にガードプレート65が提供される。図9が図示するように、ガードプレート65は、通常、センサプレート3よりも大きい領域を覆って延びるので、センサプレート3の全領域を遮蔽する。ガードプレート65が、実質的にノイズのない一定電圧と接続された場合、車体63によって捕捉される電気的ノイズからセンサプレート3を遮蔽することになる。しかし、センサプレート3と車体63との間の密な結合が、今度はセンサプレート3とガードプレート65との間の密な結合によって置き換えられて、これは同様に静電容量型センサの感度を低減させるように動作し得る。この影響を最小限にするために、センサプレート3からの信号と実質的に同一信号をガードプレート65に印加することが好ましい。例えば、ガードプレート65を緩衝増幅器13の出力に接続することができる。例えばWO 2005/012037号で説明されているように、複数のガードプレートを使用してもよい。図5及び6のノイズ低減配置が使用されている場合、付加的RC回路の出力に接続された付加的プレートをセンサプレート3とガードプレート65との間に提供することができる。この場合、付加的プレートとセンサプレート3との間の容量結合を、結合コンデンサ41の全て又は一部として使用することができる。
【0064】
実際には、センサプレート3及びガードプレート65は、後部バンパー47の内面又は車体63のどちらかに(例えば接着剤によって)固定され得る、適切な絶縁層を含む積層構造の一部として形成されることができる。これは、好ましくは、バンパー47の材料に接着され、車体63から離間されて、ガードプレート65と車体63との間の結合を低減させる。
【0065】
センサプレート3、ガードプレート65(使用される場合)、及び上述の付加的プレートのような他の任意の外部プレート以外の静電容量型センサ部品は、この(これらの)プレートから分離して提供され得る。この場合、残りの部品を、この(これらの)プレートに取り付け可能で好ましくはプレートから取り外し可能なユニットの全部又は一部として提供することができ、そのようなユニットは本発明の一態様の具体化するものである。
【0066】
本発明について、主に路上走行車用の障害物検出器の例を参照して説明してきたが、他の多くの用途も可能である。本発明を具体化する静電容量型センサを近接センサにて使用し得ること、及びこれが車障害物センサ以外の用途を有し得ることは、上の障害物センサの説明から明らかとなるであろう。例えば、本発明を具体化する近接センサは、例えば動きを制御して衝突を防ぐための、ロボットアームのような移動する物体、又は人若しくは物体の接近に依存して自動ドアを制御するためのセンサのような、移動する物体に応答するための検出器に使用され得る。本発明を具体化する静電容量型センサはまた、空間が占有されているかどうかを検出するような他の目的のために、例えば車(おそらくその天井)内のセンサを使用して個々の各座席が占有されているかどうかを決定するために、例えば対応するシートベルトが着用されているかどうかを検出するセンサを組み込むために、使用することができる。更なる可能な用途としては、人又は物体が直接に又は薄い絶縁層を介して触れたときにセンサプレートの静電容量が変化するタッチセンサである。他の多くの用途が当業者には明確であり、これらの用途は実施例として提供している。
【0067】
上に例示された実施形態及び追加的な特徴、修正、及び代替は、非限定的な例として提供されているのであって、本発明の範囲内の多くの更なる代替及び修正が、当業者には明確であろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電容量型センサであって、
センサコンデンサの少なくとも1つのプレート又はそこへの接続部を含むセンサ回路と、
前記センサ回路が第1の交流信号に与える影響が、前記センサコンデンサの静電容量によって変化するように、前記第1の交流信号を前記センサ回路に印加し、及び前記センサ回路の出力から誘導されたセンサ信号を受信し、前記センサコンデンサの静電容量による影響を受ける前記受信されたセンサ信号のパラメータを検出するための、制御手段と、
前記第1の交流信号と同一周波数を有する第2の交流信号を提供するための信号提供手段と、
組み合わされた信号を提供するために、加算又は減算によって前記第2の交流信号を前記センサ回路から受信された信号に組み合わせるための組み合わせ手段と、を備え、
前記制御手段が、前記組み合わされた信号又はそれから誘導される信号を前記センサ信号として受信するために接続される、静電容量型センサ。
【請求項2】
前記第1の交流信号が正弦波である、請求項1に記載の静電容量型センサ。
【請求項3】
前記第2の交流信号が、前記組み合わせ手段によって前記センサ回路から受信される信号と同一波形を有する、請求項1又は2に記載の静電容量型センサ。
【請求項4】
前記第2の交流信号が、前記組み合わせ手段によって前記センサ回路から受信される信号と比較された位相オフセットを有する、請求項3に記載の静電容量型センサ。
【請求項5】
前記信号提供手段が、前記第1の交流信号を受信しそこから前記第2の交流信号を生成するために接続される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の静電容量型センサ。
【請求項6】
前記センサ回路は、前記センサコンデンサのプレート又はそこへの接続部用の枝路が続く直列接続抵抗体を含むRC回路を具備する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の静電容量型センサ。
【請求項7】
前記信号提供手段が、コンデンサへの枝路が続く直列接続抵抗体を含むRC回路を具備する、請求項6に記載の静電容量型センサ。
【請求項8】
前記信号提供手段のRC回路が、前記静電容量型センサの既定基準状態内の前記センサ回路のRC回路と同一時定数を有する、請求項7に記載の静電容量型センサ。
【請求項9】
前記信号提供手段のRC回路のコンデンサが、前記静電容量型センサの前記既定基準状態内のセンサコンデンサの静電容量の少なくとも10倍の静電容量を有する、請求項8に記載の静電容量型センサ。
【請求項10】
前記信号提供手段のRC回路のコンデンサが、前記静電容量型センサの前記既定基準状態内のセンサコンデンサの静電容量の少なくとも100倍の静電容量を有する、請求項9に記載の静電容量型センサ。
【請求項11】
前記信号提供手段が、前記RC回路の前又は後に移相器を具備する、請求項7〜10のいずれか一項に記載の静電容量型センサ。
【請求項12】
前記組み合わせ手段が、前記第2の交流信号と前記センサ回路から受信された信号との和又は差を増幅するように配置される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の静電容量型センサ。
【請求項13】
前記組み合わせ手段が、前記第2の交流信号及び前記センサ回路から受信された信号の両信号のうちの1つを、両信号の他から減算するように接続される減算器を具備する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の静電容量型センサ。
【請求項14】
前記センサ回路からの信号を前記組み合わせ手段に入力される前に緩衝するように接続される緩衝増幅器を具備する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の静電容量型センサ。
【請求項15】
前記センサ回路から提供される信号と実質的に同一かつ実質的に同相の付加交流信号を提供するための、及び前記付加交流信号の周波数より実質的に高い周波数でのノイズ成分のために前記付加交流信号からグランドへの結合を提供するための信号提供配置と、
前記付加交流信号を前記センサ回路から提供される前記信号に結合するための結合手段であって、それによって、前記付加交流信号の周波数より実質的に高い周波数でのノイズ成分のために、前記信号提供手段の結合を介して、前記センサ回路から提供された信号にグランドへの経路を提供する、結合手段と、
を備える、請求項1〜14のいずれか一項に記載の静電容量型センサ。
【請求項16】
センサコンデンサの少なくとも1つのプレート又はそこへの接続部を含むセンサ回路と、
第1の交流信号に前記センサ回路が与える影響を前記センサコンデンサの静電容量によって変化させるために前記第1の交流信号を前記センサ回路に印加し、前記センサ回路の出力から誘導されたセンサ信号を受信し、及び前記センサコンデンサの静電容量による影響を受ける前記受信されたセンサ信号のパラメータを検出するための、制御手段と、
前記センサ回路から提供される信号と実質的に同一かつ実質的に同相の付加交流信号を提供するための、及び前記付加交流信号の周波数より実質的に高い周波数でノイズ成分のために、前記付加交流信号からグランドへの結合を提供するための信号提供配置と、
前記付加交流信号を前記センサ回路から提供される前記信号に結合するための結合手段であって、それによって、前記付加交流信号の周波数より実質的に高い周波数でのノイズ成分のために、前記信号提供手段の結合を介して、前記センサ回路から提供された信号にグランドへの経路を提供する、結合手段と、
を備える、静電容量型センサ。
【請求項17】
前記第1の交流信号が正弦波である、請求項16に記載の静電容量型センサ。
【請求項18】
前記センサ回路は、前記センサコンデンサのプレート又はそこへの接続部用の枝路が続く直列接続抵抗体を含むRC回路を具備する、請求項16又は17に記載の静電容量型センサ。
【請求項19】
前記信号提供配置が、コンデンサへの枝路が続く直列接続抵抗体を含むRC回路を具備する、請求項18に記載、又は請求項6に直接若しくは間接に依存して請求項15に記載の、静電容量型センサ。
【請求項20】
前記信号提供配置のRC回路が、前記静電容量型センサの既定基準状態内の前記センサ回路のRC回路と同一時定数を有する、請求項19に記載の静電容量型センサ。
【請求項21】
前記信号提供配置のRC回路のコンデンサが、前記静電容量型センサの前記既定基準状態内のセンサコンデンサの静電容量の少なくとも10倍の静電容量を有する、請求項20に記載の静電容量型センサ。
【請求項22】
前記信号提供配置のRC回路のコンデンサが、前記静電容量型センサの前記既定基準状態内のセンサコンデンサの静電容量の少なくとも100倍の静電容量を有する、請求項21に記載の静電容量型センサ。
【請求項23】
前記信号提供配置が、前記第1の交流信号を受信しそこから前記付加交流信号を生成するために接続される、請求項15〜22のいずれか一項に記載の静電容量型センサ。
【請求項24】
前記信号提供手段のグランドへの前記結合が容量結合を含む、請求項15〜23のいずれか一項に記載の静電容量型センサ。
【請求項25】
前記結合手段が容量結合を含む、請求項15〜24のいずれか一項に記載の静電容量型センサ。
【請求項26】
前記結合手段が抵抗結合を含む、請求項15〜25のいずれか一項に記載の静電容量型センサ。
【請求項27】
前記センサ回路から提供された信号が付加交流信号に結合された後に、前記センサ回路から提供された信号を緩衝するために接続される緩衝増幅器を具備する、請求項15〜26のいずれか一項に記載の静電容量型センサ。
【請求項28】
請求項1〜27のいずれか一項に記載の静電容量型センサを具備する、近接センサ。
【請求項29】
請求項1〜27のいずれか一項に記載の静電容量型センサを具備する、路上走行車のための障害物検出システム。
【請求項30】
前記センサ回路がセンサコンデンサのプレートのための接続を備え、前記近接センサ又は前記障害物検出システムが、センサコンデンサの前記プレートとしての外部プレートへの接続のために配置される、請求項28に記載の近接センサ又は請求項29に記載の障害物検出システム。
【請求項31】
路上走行車用のバンパーであって、前記センサコンデンサのプレートを含む、請求項1〜27のいずれか一項に記載の静電容量型センサ又は請求項29に記載の障害物検出システムを具備する又は担う、バンパー。
【請求項32】
センサコンデンサのプレートを少なくとも1つ含むセンサ回路を介して第1の交流信号を通過させる工程であって、前記センサ回路が前記信号に与える影響が前記センサコンデンサの静電容量によって変化する、通過工程と、
前記センサ回路の出力から誘導されるセンサ信号のパラメータを検出する工程であって、前記パラメータが前記センサコンデンサの静電容量による影響を受ける、検出工程と、
前記第1の交流信号と同一周波数を有する第2の交流信号を提供する工程と、
組み合わされた信号を提供するために、加算又は減算によって前記第2の交流信号を前記センサ回路から受信された信号に組み合わせる工程と、
を備え、
前記検出工程において使用される前記センサ信号が、前記組み合わされた信号又はそれから誘導される信号である、静電容量センシング方法。
【請求項33】
前記第1の交流信号が正弦波である、請求項32に記載の静電容量センシング方法。
【請求項34】
前記第2の交流信号が、前記センサ回路から受信され前記第2の交流信号と組み合わされた信号と同一波形を有する、請求項32又は請求項33に記載の静電容量センシング方法。
【請求項35】
前記第2の交流信号が、前記センサ回路から受信され前記第2の交流信号と組み合わされた信号と比較された位相オフセットを有する、請求項34に記載の静電容量センシング方法。
【請求項36】
前記第1の交流信号から前記第2の交流信号を生成する工程を含む、請求項32〜35のいずれか一項に記載の静電容量センシング方法。
【請求項37】
前記第2の交流信号と前記センサ回路から受信された信号との和又は差を増幅する工程を含む、請求項32〜36のいずれか一項に記載の静電容量センシング方法。
【請求項38】
前記第2の交流信号及び前記センサ回路から受信された信号の両信号のうちの一方を、両信号の他方から減算する工程を含む、請求項32〜37のいずれか一項に記載の静電容量センシング方法。
【請求項39】
前記センサ回路から提供される信号と実質的に同一かつ実質的に同相の付加交流信号を提供する工程、及び前記付加交流信号の周波数より実質的に高い周波数でのノイズ成分のために前記付加交流信号からグランドへの結合を提供する工程と、
前記付加交流信号を前記センサ回路から提供される前記信号に結合する工程であって、それによって、前記付加交流信号の周波数より実質的に高い周波数でのノイズ成分のために、前記付加交流信号からグランドへの結合を介して、前記センサ回路から提供された信号にグランドへの経路を提供する工程と、
を含む、請求項32〜38のいずれか一項に記載の静電容量センシング方法。
【請求項40】
センサコンデンサのプレートを少なくとも1つ含むセンサ回路を介して第1の交流信号を通過させる工程であって、前記センサ回路が前記信号に与える影響が前記センサコンデンサの静電容量によって変化する、通過工程と、
前記センサ回路の出力から誘導されるセンサ信号のパラメータを検出する工程であって、前記パラメータが前記センサコンデンサの静電容量による影響を受ける、検出工程と、
前記センサ回路から提供される信号と実質的に同一かつ実質的に同相の付加交流信号を提供する工程、及び前記付加交流信号の周波数より実質的に高い周波数でのノイズ成分のために、前記付加交流信号からグランドへの結合を提供する工程と、
前記付加交流信号を前記センサ回路から提供される前記信号に結合する工程であって、それによって、前記付加交流信号の周波数より実質的に高い周波数でのノイズ成分のために、前記付加交流信号からグランドへの結合を介して、前記センサ回路から提供された信号にグランドへの経路を提供する工程と、
を含む、静電容量センシング方法。
【請求項41】
前記第1の交流信号が正弦波である、請求項40に記載の静電容量センシング方法。
【請求項42】
前記第1の交流信号から前記付加交流信号を生成する工程を含む、請求項39〜41のいずれか一項に記載の静電容量センシング方法。
【請求項43】
前記付加交流信号からグランドへの前記結合が容量結合を含む、請求項39〜42のいずれか一項に記載の静電容量センシング方法。
【請求項44】
前記付加交流信号が、容量結合を介して、前記センサ回路から提供された信号と結合される、請求項39〜43のいずれか一項に記載の静電容量センシング方法。
【請求項45】
実質的に本明細書で添付図面を参照して説明された静電容量型センサ。
【請求項46】
実質的に本明細書で添付図面を参照して説明された静電容量センシング方法。
【請求項47】
実質的に本明細書で添付図面を参照して説明された、路上走行車用の障害物検出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−502242(P2011−502242A)
【公表日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−527112(P2010−527112)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【国際出願番号】PCT/US2008/077534
【国際公開番号】WO2009/042692
【国際公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】