説明

静電容量型トランスデューサの製造方法、及び静電容量型トランスデューサ

【課題】静電容量型トランスデューサの製造における接合界面での接合不良を低減することができる静電容量型トランスデューサの製造方法、及び静電容量型トランスデューサを提供する。
【解決手段】静電容量型トランスデューサの製造方法は、基板101と、薄膜状のメンブレン部を備えるメンブレン部材108とを接合し、基板とメンブレン部との間に封止されたキャビティ104を形成する。基板とメンブレン部材との接合界面から外部へ貫通するガス放出通路105を設けた状態で、基板とメンブレン部材とを接合してキャビティ104を形成する。接合部から外部に通じる通路を設けた状態で、基板とメンブレン部材とを接合するので、製造時に発生するガスが良好に外部に放出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置の超音波探触子に用いられる超音波送受信素子(超音波トランスデューサ)などの静電容量型トランスデューサの製造方法、及び静電容量型トランスデューサに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置の超音波探触子には、超音波トランスデューサが使用される。超音波トランスデューサは、電気信号を超音波に変換する、或いは超音波を電気信号に変換する素子である。超音波診断装置においては、入力された電気信号を超音波に変換して生体内へ送信し、生体内で反射した超音波を受信して電気信号に変換する。超音波トランスデューサの一方式として、静電容量型超音波トランスデューサがある。
【0003】
静電容量型超音波トランスデューサの技術に関して、提案がある(特許文献1参照)。図11は、その基本構造の断面図である。シリコン単結晶層1101は導電性を有し、表面には絶縁層1106が形成される。絶縁層1106上には、凹部1104が形成される。この凹部1104を形成した面に対して、略真空雰囲気下でメンブレン1102が接合される。凹部1104は、略真空に封止された空洞となり、キャビティを構成する。尚、本従来例においては、凹部とキャビティが同一空間を示す為、同一の符号1104で示す場合がある。
【0004】
本従来例は、前記シリコン単結晶層1101が超音波トランスデューサの基材を成すと共に、電極としても機能している例である。メンブレン1102は、絶縁層1106に形成される支持部1103によって支持される。キャビティ1104の中央部のメンブレン1102上には電極1105が形成され、シリコン単結晶層1101と電極1105との間で平行平板コンデンサが形成される。
【0005】
超音波の送信時には、シリコン単結晶層1101と電極1105との間に、超音波周期の電圧波形を印加する。この時、印加した電圧波形に対応して平行平板コンデンサの容量変化が生じ、シリコン単結晶層1101と電極1105との間に作用する静電引力が変化する。キャビティ1104は略真空であるから、電極1105がメンブレン1102と共に振動を起こし超音波が送信される。一方、超音波の受信時には、電極1105及びメンブレン1102が超音波波形を受けて振動する。この振動は、前述の平行平板コンデンサの容量変化として電気的に検出できる。メンブレン1102及び電極1105が超音波振動又は外部からの静的圧力により撓んでキャビティ1104の底部に接触した場合にも、シリコン単結晶層1101と電極1105との間の絶縁を保つために、絶縁層1106は設けられる。
【0006】
図12(a)から(d)に、図11に示した超音波トランスデューサの製造方法の主要工程を図示する。まず、図12(a)の前工程にて、基板1107を形成する。基板1107には、シリコン単結晶層1101、支持部1103、凹部1104、絶縁層1106が形成される。また、SOI(Silicon On Insulator)ウェハ1108を準備する。SOIウェハ1108は、シリコン単結晶からなるハンドル層1109、シリコン酸化物からなる埋め込み酸化膜層1110、シリコン単結晶からなるデバイス層1111の順の積層構造を有する。デバイス層1111は、後の工程により、メンブレン1102になる。又、ハンドル層1109及び埋め込み酸化膜層1110は、デバイス層1111すなわちメンブレン1102が基板1107に接合されるまでのメンブレン支持層として機能する。
【0007】
図12(b)に図示するように、基板1107の支持部1103が形成された面とSOIウェハ1108のデバイス層1111との間で、直接接合を行う。この直接接合は略真空雰囲気下で行い、キャビティ1104を略真空に封止する。
【0008】
次に、図12(c)に図示するように、ハンドル層1109及び埋め込み酸化膜層1110をエッチング又は研磨により除去して、メンブレン1102を形成する。最後に、図12(d)に図示するように、電極1105を形成する。なお、図11及び図12では1つの素子のみを図示したが、複数の素子が1次元又は2次元のアレイ状に配置されるのが一般的である。
【0009】
ところで、前記静電容量型超音波トランスデューサの製造方法では、シリコン単結晶面と酸化シリコン面との接合工程において、接合不良部を生じさせる可能性があった。接合不良部を有する素子は、超音波トランスデューサとして十全に機能しない可能性がある。接合不良の一原因は、接合界面に発生する水や酸素の接合界面での蓄積である。水や酸素は、直接接合に関与する水酸基(OH)から生じる。これを解決する方法として、アニールにより直接接合の接合不良を低減させる提案が開示されている(非特許文献1参照)。また、接合界面に発生したガスを吸収するために吸収材を配置すること、及び吸収剤の配置についての技術の提案がある(特許文献2参照)。
【特許文献1】米国特許6958255号明細書
【特許文献2】特開2007-71700号公報
【非特許文献1】Arturo A. Ayon et al., Characterization of silicon waferbonding for Power MEMS applications, Sensors and Actuators A103 (2003) 1-8.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、アニールを用いる方法では、アニール工程に数十から数百時間を必要とし、生産性を低下させる懸念がある。また、超音波診断装置の超音波探触子に用いられる超音波トランスデューサは、複数の素子を高密度に1次元又は2次元のアレイ状に配置する必要があるが、ガスの吸収剤を用いる方法では、アレイ状に配置する際の微細化を困難にする可能性がある。
【0011】
また、ガスの吸収剤は、吸収に伴う変化により接合界面の状態に変化をもたらす可能性がある。その為、狭小な支持部で十分な接合強度を必要とする静電容量型超音波トランスデューサにおいては、製造時に発生するガスにより、接合不良等を発生させる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題に鑑み、本発明の静電容量型トランスデューサの製造方法は、基板と、薄膜状のメンブレン部を備えるメンブレン部材とを接合し、前記基板と前記メンブレン部との間に封止されたキャビティを形成する。そして、前記基板と前記メンブレン部材との接合界面から外部へ貫通するガス放出通路を設けた状態で、前記基板と前記メンブレン部材とを接合して前記キャビティを形成する。
【0013】
また、上記課題に鑑み、本発明の静電容量型トランスデューサは、基板と、薄膜状のメンブレン部を備えるメンブレン部材とが接合され、前記基板と前記メンブレン部との間に封止されたキャビティが形成された静電容量型トランスデューサである。そして、前記基板と前記メンブレン部材との接合界面から外部へ貫通するガス放出通路が、前記基板と前記メンブレン部材のうちの少なくとも一方に設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、基板とメンブレン部との間にキャビティを形成する際に、前記ガス放出通路が設けられていて、製造時に発生するガス、水分などが外部に放出されるので、静電容量型トランスデューサの製造における接合界面での接合不良を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明の静電容量型トランスデューサの製造方法の基本的な実施形態では、基板と、薄膜状のメンブレン部を備えるメンブレン部材とを接合し、基板とメンブレン部との間に封止されたキャビティを形成する。その際、基板とメンブレン部材との接合界面から外部へ貫通するガス放出通路を設けた状態で、基板とメンブレン部材とを接合してキャビティを形成する。こうして、少なくとも接合時に、接合部から外部に通じる通路を設けた状態で、基板とメンブレン部材とを接合するので、製造時に発生するガス、水分などが良好に外部に放出される。
【0016】
基板の形態とメンブレン部材の形態はどの様なものでもよい。両者を接合することで、メンブレン部材の薄膜状のメンブレン部と基板の面と間にギャップが形成されて、そこに封止されたキャビティが形成されればよい。例えば、基板は、表面に凹部が形成された基板であり、メンブレン部材は、全体に薄膜状のメンブレンであって、基板とメンブレン部材とを接合して凹部にキャビティが形成される形態が可能である。また、メンブレン部材の方に凹部が形成されていて、基板とメンブレン部材とを接合することで、基板の面とメンブレン部とに前記凹部が挟まれてキャビティが形成される形態なども可能である。
【0017】
前記ガス放出通路の形態も様々なものが可能である。例えば、ガス放出通路を、基板とメンブレン部材との接合界面の周囲に沿って伸びて外部へ繋がるように設けることができる。この場合、ガス放出通路は、基板側に凹部として形成してもよいし、メンブレン部材側に凹部として形成してもよいし、或いは両方の側に凹部として形成して両者を合わせることで形成してもよい。
【0018】
また、ガス放出通路を、基板とメンブレン部材との接合界面からメンブレン部材を貫通して伸びて外部へ繋がるように設けることもできる。また、ガス放出通路を、基板とメンブレン部材との接合界面から基板を貫通して伸びて外部へ繋がるように設けることもできる。更に、基板とメンブレン部材とを接合する工程で、メンブレン部材がメンブレン支持層に支持された状態で接合され、ガス放出通路を、接合界面からメンブレン部材及びメンブレン支持層を貫通して伸びて外部へ繋がるように設ける形態も可能である。この場合、メンブレン支持層は、基板とメンブレン部材とを接合する工程後に除去する。
【0019】
前記基板と前記メンブレン部材とを接合する工程は、典型的には、大気圧よりも低い圧力雰囲気下で行って、こうした圧力状態で封止されたキャビティを形成する。
【0020】
また、本発明の静電容量型トランスデューサの基本的な実施形態は、基板と、薄膜状のメンブレン部を備えるメンブレン部材とが接合され、基板とメンブレン部との間に封止されたキャビティが形成されている。そして、基板とメンブレン部材との接合界面から外部へ貫通するガス放出通路が、基板とメンブレン部材のうちの少なくとも一方に設けられている。静電容量型トランスデューサの実施形態でも、上述した様に、基板の形態、メンブレン部材の形態、ガス放出通路の形態は様々なものが可能である。
【0021】
また、本発明の静電容量型トランスデューサは、少なくとも1つのキャビティを備えるが、典型的には、基板上にアレイ状に配置される複数のキャビティを備える。キャビティなどのサイズも、基板とメンブレン部間のギャップが小さければ素子の機械電気変換係数が高くなるが、用途に応じて種々に設計すればよい。一般的には、数十ナノメートルから数マイクロメートルの範囲で設計される。用途も、本発明の静電容量型トランスデューサは、後述する実施例の静電容量型超音波トランスデューサの他に、種々の物理量センサなどとして用いることができる。
【実施例】
【0022】
以下、図を用いて本発明の実施例を説明する。
【0023】
(実施例1)
図1(a)及び(b)は、本発明の静電容量型超音波トランスデューサに係る実施例1を説明する断面図及び平面図である。同一個所には同一の番号を付す。図1(a)の断面は、図1(b)のA−A’位置に対応する。本実施例において、基板101は、シリコン単結晶層102、及びその上面に形成されたシリコン酸化膜層103で構成される。シリコン単結晶層102は、超音波トランスデューサの基材であると共に、導電性を有し、電極としても機能する。シリコン酸化膜層103には、キャビティ(凹部)104、ガス放出通路である溝105、電極取り出し部106、及び絶縁層107が形成されている。また、シリコン酸化膜層103には、メンブレン108が接合されている。メンブレン108は、全体的に薄膜状のメンブレン部となったメンブレン部材である。
【0024】
メンブレン108により、キャビティ104は略真空に封止されている。電極取り出し部106は、メンブレン108及びシリコン酸化膜層103が除去されている部分で、シリコン単結晶層102と電気的接続を取る電極109が設けられる。図1(b)に図示するように、キャビティ104は正方形又は長方形であり、基板101の中央部に2次元アレイ状に配置される。正方形又は長方形のキャビティ形状は、2次元アレイ状に配置する場合に、キャビティ104間の隙間を少なくできる。従って、素子面積に対するキャビティ面積を大きくできる利点がある。本実施例では、x方向に5個、y方向に3個、キャビティ104を配置した例を図示する。2次元アレイ状に配置されたキャビティ104の周囲に、溝105が設けられる。溝105はシリコン酸化膜層103の表面部に形成され、またその端は基板101の端部に達して外部に開口している。
【0025】
溝105は、シリコン酸化膜層103とメンブレン108とを接合する際に、接合界面に沿って伸びて外部に貫通するガス放出孔を形成する。ガス放出孔によって、シリコン酸化膜層103とメンブレン108とを接合する際に接合界面で発生するガス、水分などが外部へ排出される。また、キャビティ104と溝105とは連通していない。従って、キャビティ104はメンブレン108によって略真空に封止することができる。
【0026】
前述の通り、電極109は、電極取り出し部106に設けられシリコン単結晶層102と電気的接続を取る電極である。また、キャビティ104の中央部のメンブレン108上には、電極110が形成される。2次元アレイ状に配置される複数の電極110は、配線112によって電極111に電気的に接続される。電極111は、電極110を電気的に外部に取り出す電極である。
【0027】
前記構造の静電容量型超音波トランスデューサの製造方法の一例を説明する。図2(a)から(p)は、この静電容量型超音波トランスデューサの製造方法を説明する図である。同一個所には同一の番号を付す。本実施例の製造方法は、図2(a)に断面を図示した基板201から開始される。基板201は、シリコン単結晶層202、及びその上面と下面とに形成されたシリコン酸化膜層203、シリコン酸化膜層204で構成される。
【0028】
まず、図2(b)に図示するように、フォトレジスト層205をエッチングレジストに、シリコン酸化膜層203をエッチングして、キャビティ(凹部)206及び溝207を形成する。溝207は、後の工程でガス放出孔として機能する。エッチングにフッ酸を用いると、シリコン単結晶層202がエッチストップ層として機能し、深さ方向のエッチング量の制御が容易になる。シリコン酸化膜層203側から見たキャビティ206及び溝207の平面形状を、図2(c)に図示する。図2(b)の断面は、図2(c)のB−B’位置に対応する。キャビティ206は、正方形又は長方形であり、基板201の中央部に2次元アレイ状に配置される。
【0029】
前述したように、正方形又は長方形のキャビティ形状は、2次元アレイ状に配置する場合にキャビティ206間の隙間が少なくできる。従って、素子面積に対するキャビティ面積を大きくできる利点がある。溝207は、キャビティ206の周囲を囲むように設けられ、基板201の端部に達している。
【0030】
次に、図2(d)に図示するように、フォトレジスト層205を除去した後に、基板201全体にシリコン酸化膜を形成する。こうして、キャビティ206のシリコン単結晶層202表面に絶縁層208を形成する。絶縁層208は、後の工程で形成されるデバイス層(メンブレン部材)212が超音波振動又は外部からの静的圧力により撓んで、キャビティ206底部に接触した場合にも、シリコン単結晶層202との間の絶縁を保つために設けられる。
【0031】
次に、図2(e)に図示するSOIウェハ209を準備する。SOIウェハ209は、シリコン単結晶からなるハンドル層210、シリコン酸化物からなる埋め込み酸化膜層211、シリコン単結晶からなるデバイス層212の順の積層構造を有する。
【0032】
図2(f)に図示するように、SOIウェハ209のデバイス層212の面と、基板201のキャビティ206及び溝207が形成された面とを、直接接合を用いて接合する。接合は略真空雰囲気下で行い、キャビティ206の内部を略真空に封止する。接合された基板の端面を、図2(g)及び(h)に図示する。図2(g)及び(h)は、図2(f)と同工程の基板をy方向、x方向からそれぞれ見た図である。図2(g)及び(h)に図示するように、溝207は接合された基板の端面に開口している。また、図示しないが、図2(g)及び(h)の反対面にも溝207が開口している。ガス放出通路である溝207を介して、直接接合時に接合界面で発生する水及び酸素等のガスが接合界面から外部に除去される。
【0033】
次に、図2(i)に図示するように、SOIウェハ209のハンドル層210及び埋め込み酸化膜層211をエッチング又は研磨により除去する。残ったデバイス層212が、メンブレン部材となる。又、ハンドル層210及び埋め込み酸化膜層211は、デバイス層212すなわちメンブレン部材が基板201に接合されるまでのメンブレン支持層として機能する。埋め込み酸化膜層211の除去にフッ酸を用いると、シリコン単結晶からなるデバイス層212を選択的に残すことができる。
【0034】
次に、図2(j)に図示するように、フォトレジスト層213をエッチングレジストに、デバイス層212及びシリコン酸化膜層203を除去して、シリコン単結晶層202の表面を露出させ電極取り出し部214を形成する。フォトレジスト層213を除去した後、図2(k)に図示するように、デバイス層212及び電極取り出し部214の面にアルミ層215を形成する。
【0035】
次に、図2(l)に図示するように、フォトレジスト層216をエッチングレジストに、電極217、電極218、電極219を形成する。図2(m)に、図2(l)と同工程の電極217側から見た平面図を図示する。なお、図2(m)の工程における電極は、フォトレジスト層216の下層にある。電極217は、電極取り出し部214のシリコン単結晶層202の露出面上に形成され、シリコン単結晶層202と電気的接続を取る電極である。電極218は、キャビティ206の中央部のデバイス層212上に形成される。2次元アレイ状に配置された複数の電極218は、配線220によって電極219に電気的に接続される。電極219は、電極218を電気的に外部に取り出す電極である。
【0036】
フォトレジスト層216を除去した後に、図2(n)及び(o)に図示するように、フォトレジスト層221をエッチングレジストにしてデバイス層212の周辺部をエッチングする。この電気的絶縁は、同一基板上に複数の電気的な独立素子を設ける場合に、デバイス層212を介して、隣り合う素子間が短絡することを防ぐために実施される。最後に、図2(p)に図示するように、フォトレジスト層221を除去する。
【0037】
図3(a)及び(b)に、図1に示す本実施例の変形例を示す。図3(a)及び(b)は、図2(o)に対応した平面図である。図2と同一個所には同一の番号を付す。図3(a)のキャビティ301及び電極302は円形である。また、電極302はキャビティ301の中央部に形成される。キャビティが円形状の場合、超音波の送信及び受信時のデバイス層212の薄膜状メンブレン部の変形が、キャビティ301の中央を中心に回転対称を成す。従って、キャビティ301毎の超音波の送受信指向性が円錐形状を成すという特徴を有する。図3(a)では、複数の電極302は、配線220によって電極219に電気的に接続される。
【0038】
図3(b)は、キャビティ301を図示のように半周期ずらして配置した例であり、素子面積に対するキャビティ面積を大きくできる利点がある。図3(b)では、複数の電極302は、配線303によって電極219に電気的に接続される。
【0039】
本実施例によれば、上記の如きガス放出通路が設けられるので、静電容量型超音波トランスデューサの製造時に発生するガス、水分などをガス放出通路を介して放出できる。よって、こうしたガスなどに起因する接合部の接合不良を低減することができる。また、単に、ガス、水分などをガス放出通路を介して放出する方法を採用するので、従来の方式と比較して、生産性の低下や素子の微細化への影響を改善できる。
【0040】
(実施例2)
図4(a)から(q)は、本発明の静電容量型超音波トランスデューサの製造方法に係る実施例2を説明する図である。同一個所には同一の番号を付す。本実施例の製造方法は、図4(a)に断面を図示した基板401から開始される。基板401は、シリコン単結晶層402、及びその上面と下面とに形成されたシリコン酸化膜層403、シリコン酸化膜層404で構成される。
【0041】
まず、図4(b)に図示すように、フォトレジスト層405をエッチングレジストに、シリコン酸化膜層403をエッチングし、キャビティ(凹部)406を形成する。エッチングにフッ酸を用いると、シリコン単結晶層402がエッチストップ層として機能し、深さ方向のエッチング量の制御が容易になる。シリコン酸化膜層403側から見たキャビティ406の平面形状を、図4(c)に図示する。図4(b)の断面は、図4(c)のC−C’位置に対応する。ここでも、キャビティ406は正方形又は長方形であり、基板401上に2次元アレイ状に配置される。本実施例でも、x方向に5個、y方向に3個、キャビティ406を配置した例を図示する。
【0042】
次に、図4(d)に図示するように、フォトレジスト層405を除去した後に、基板401全体にシリコン酸化膜を再度形成し、キャビティ406のシリコン単結晶層402表面に絶縁層407を形成する。絶縁層407は、後の工程で形成されるデバイス層411が超音波振動又は外部からの静的圧力により撓んでキャビティ406底部に接触した場合にも、シリコン単結晶層402との間の絶縁を保つために設けられる。
【0043】
次に、図4(e)に図示するSOIウェハ408を準備する。SOIウェハ408は、シリコン単結晶からなるハンドル層409、シリコン酸化物からなる埋め込み酸化膜層410、シリコン単結晶からなるデバイス層411の順の積層構造を有する。次に、図4(f)に図示するように、フォトレジスト層412をエッチングレジストに、デバイス層411をエッチングして溝413を形成する。溝413は、後の工程でガス放出孔として機能する。溝413の平面形状を図4(g)に図示する。図4(g)は、図4(f)と同工程のSOIウェハ408をデバイス層411側から見た平面図であり、点線で図示する四角は、後の工程で接合される基板401のキャビティ406の位置である。図示するように、溝413はキャビティ406の周囲に形成される。また、溝413はSOIウェハ408の端部に達している。
【0044】
次に、図4(h)に図示するように、基板401のキャビティ406が形成された面とSOIウェハ408のデバイス層411面とを、直接接合を用いて接合する。接合は略真空雰囲気下で行い、キャビティ406の内部を略真空に封止する。接合された基板の端面を、図4(i)及び(j)に図示する。図4(i)及び(j)は、図4(h)と同工程の基板をy方向、x方向から見た図である。図4(i)及び(j)に図示するように、溝413は接合された基板の端面に開口している。また、図示しないが、図4(i)及び(j)の反対面にも溝413が開口している。溝413を介して、直接接合時に接合界面で発生する水及び酸素等のガスが接合界面から外部に除去される。
【0045】
次に、図2(k)に図示するように、SOIウェハ408のハンドル層409及び埋め込み酸化膜層410をエッチング又は研磨により除去する。残ったデバイス層411がメンブレン部材となる。又、ハンドル層409及び埋め込み酸化膜層410は、デバイス層411すなわちメンブレン部材が基板401に接合されるまでのメンブレン支持層として機能する。埋め込み酸化膜層410の除去にフッ酸を用いると、シリコン単結晶からなるデバイス層411を選択的に残すことができる。
【0046】
次に、図4(l)に図示するように、フォトレジスト層414をエッチングレジストに、デバイス層411及びシリコン酸化膜層403を除去してシリコン単結晶層402の表面を露出させ、電極取り出し部415を形成する。フォトレジスト層414を除去した後、図4(m)に図示するように、デバイス層411及び電極取り出し部415の面にアルミ層416を形成する。
【0047】
次に、図4(n)に図示するように、フォトレジスト層417をエッチングレジストに、電極418、電極419、電極420を形成する。図4(o)に、図4(n)と同工程の電極419側から見た平面図を図示する。なお、図4(o)の工程における電極は、フォトレジスト層417の下層にある。電極418は、電極取り出し部415のシリコン単結晶層402の露出面上に形成され、シリコン単結晶層402と電気的接続を取る電極である。電極419はキャビティ406の中央部のデバイス層411上に形成される。2次元アレイ状に配置された複数の電極419は、配線421によって電極420に電気的に接続される。電極420は、電極419を電気的に外部に取り出す電極である。
【0048】
最後に、図4(p)及び(q)に図示するように、フォトレジスト層417を除去する。
【0049】
図5(a)及び(b)に、図4と同等の工程で製造可能な別の形態の静電容量型超音波トランスデューサの例を図示する。図5(a)及び(b)は、図4(q)に対応した平面図である。図4と同一個所には同一の番号を付す。図5(a)のキャビティ501及び電極502は円形である。また、電極502はキャビティ501の中央部に形成される。キャビティが円形状の場合、超音波の送信及び受信時のデバイス層411のメンブレン部の変形が、キャビティ501の中央を中心に回転対称を成す。従って、キャビティ毎の超音波の送受信指向性が円錐形状を成すという特徴を有する。図5(a)では、複数の電極502は、配線421によって電極420に電気的に接続される。
【0050】
図5(b)は、キャビティ501を半周期ずらして配置した例であり、素子面積に対するキャビティ面積を大きくできる利点がある。図5(b)では、複数の電極502は、配線503によって電極420に電気的に接続される。本実施例のデバイス層411に形成される溝413は、実施例1のシリコン酸化膜層203に形成される溝207と共にガス放出通路として設ける形態も実施可能である。その他の点は、実施例2は実施例1と同様である。
【0051】
(実施例3)
図6(a)から(h)は、本発明の静電容量型超音波トランスデューサの製造方法に係る実施例3を説明する図である。同一個所には同一の番号を付す。
【0052】
図6(a)に図示する基板401は、図4(d)と同一工程の基板である。また、図6(b)に示す基板は、図4(e)と同等の、シリコン単結晶からなるハンドル層409、シリコン酸化物からなる埋め込み酸化膜層410、シリコン単結晶からなるデバイス層411の順の積層構造を有するSOIウェハ408である。本実施例では、図6(c)に図示するよう、SOIウェハ408に、垂直方向に貫通する複数の孔601を形成する。孔601は、後の工程でガス放出孔として機能する。孔601の加工には、例えば、DRIE(Deep Reactive Ion Etching)加工が適している。DRIEでは、例えば、SF6(六フッ化硫黄)プラズマによるエッチングとC48(八フッ化シクロブタン)による孔の側壁保護膜形成とを反復的に実施し、孔を掘り下げる。
【0053】
図6(d)は、SOIウェハ408をハンドル層409側から見た平面図である。図6(c)の断面は、図6(d)のD−D’ 位置に対応する。点線で図示する四角は、後の工程で接合される基板401のキャビティ406の位置である。図示するように、孔601はキャビティ406の周囲に、離散的に形成される。
【0054】
次に、図6(e)に図示するように、基板401のキャビティ406が形成された面とSOIウェハ408のデバイス層411面とを、直接接合を用いて接合する。接合は略真空雰囲気下で行い、キャビティ406の内部を略真空に封止する。孔601は基板外部に開口しており、孔601を介して、直接接合時に接合界面で発生する水及び酸素等のガスは接合界面から外部に除去される。
【0055】
次に、図6(f)に図示するように、SOIウェハ408のハンドル層409及び埋め込み酸化膜層410をエッチング又は研磨により除去する。残ったデバイス層411がメンブレン部材となる。又、ハンドル層409及び埋め込み酸化膜層410は、デバイス層411すなわちメンブレン部材が基板401に接合されるまでのメンブレン支持層として機能する。埋め込み酸化膜層410の除去にフッ酸を用いると、シリコン単結晶からなるデバイス層411を選択的に残すことができる。
【0056】
以下の工程は実施例2と同等であるため説明を省略する。図6(f)は図4(k)と同等であり、図6(f)から(h)の工程は、図4(k)から(q)の工程と同等である。
【0057】
図7に、図6と同等の工程で製造可能な静電容量型超音波トランスデューサのその他の形態例を図示する。図5及び図7と同一個所には同一の番号を付す。図7は図6(h)に対応した平面図である。図7は、2次元アレイ状に配置される円形のキャビティ501間にも孔601を形成した例を示す。孔601をより多く形成することにより、直接接合時に接合界面で発生する水及び酸素等のガスを接合界面から外部に除去する効果が高まる。本実施例の孔601は、実施例1の溝207と実施例2の溝413の少なくとも一方と共にガス放出通路として設ける形態も実施可能である。その他の点は、実施例3は前記実施例と同様である。
【0058】
(実施例4)
図8(a)から(h)は、本発明の静電容量型超音波トランスデューサの製造方法に係る実施例4を説明する図である。同一個所には同一の番号を付す。
【0059】
図8(a)に図示する基板401は、図4(d)と同一工程の基板である。本実施例では、図8(b)に図示するように、フォトレジスト層801をエッチングレジストに、基板401をエッチングして、垂直方向に貫通する孔802を形成する。孔802は、後の工程でガス放出孔として機能する。孔802の加工には、前記のDRIE加工が適している。図8(c)に、キャビティ406及び孔802の平面形状を図示する。図8(b)の断面は、図8(c)のE−E’位置に対応する。キャビティ406の形状及び配置は実施例2と同等である。図示するように、孔802は、キャビティ406の周囲に、離散的に形成される。図8(d)は、図4(e)と同等のSOIウェハ408である。
【0060】
次に、図8(e)に図示するように、基板401のキャビティ406が形成された面とSOIウェハ408のデバイス層411面とを、直接接合を用いて接合する。接合は略真空雰囲気下で行い、キャビティ406の内部を略真空に封止する。孔802は基板外部に開口しており、直接接合時に接合界面で発生する水及び酸素等のガスは接合界面から外部に除去される。
【0061】
次に、図8(f)に図示するように、実施例2の図4(k)と同等の工程によって、SOIウェハ408のハンドル層409及び埋め込み酸化膜層410を除去する。残ったデバイス層411がメンブレン部材となる。又、ハンドル層409及び埋め込み酸化膜層410は、デバイス層411すなわちメンブレン部材が基板401に接合されるまでのメンブレン支持層として機能する。
【0062】
以下の工程は実施例2と同等である。すなわち、図8(f)から(h)の工程は、図8(k)から(q)の工程と同等である。
【0063】
図9に、図8と同等の工程で製造可能な静電容量型超音波トランスデューサのその他の形態例を図示する。図5及び図9と同一個所には同一の番号を付す。図9は、図8(h)に対応した平面図である。図9は、2次元アレイ状に配置される略円形のキャビティ501間にも孔802を形成した例を示す。孔802をより多く形成することにより、直接接合時に接合界面で発生する水及び酸素等のガスを接合界面から外部に除去する効果が高まる。本実施例の孔802も、実施例1の溝207と実施例2の溝413と実施例3の孔601の少なくとも1つと共にガス放出通路として設ける形態が実施可能である。その他の点は、実施例4は前記実施例と同様である。
【0064】
(実施例5)
図10(a)から(g)は、本発明の静電容量型超音波トランスデューサの製造方法に係る実施例5を説明する図である。同一個所には同一の番号を付す。
【0065】
図10(a)に図示する基板201は、図2(d)と同一である。本実施例では、図10(b)に図示する基板1001は、シリコン単結晶層1002の表面上に、CVD(化学気相反応)によるシリコン窒素化合物層1003が形成されている。図10(c)に図示するように、基板1001のシリコン窒素化合物層1003の面と、基板201のキャビティ206及び溝207が形成された面とを、直接接合を用いて接合する。接合は略真空雰囲気下で行い、キャビティ206の内部を略真空に封止する。接合された基板の端面を図10(d)及び(e)に図示する。図10(d)及び(e)は、図10(c)と同工程の基板を、y方向、x方向からそれぞれ見た図である。図10(d)及び(e)に図示するように、溝207は、接合された基板の端面に開口している。また、図示しないが、図10(d)及び(e)の反対面にも溝207が開口している。溝207を介して、直接接合時に接合界面で発生する水及び酸素等のガスが接合界面から外部に除去される。
【0066】
次に、図10(f)に図示するように、基板1001のシリコン単結晶層1002をエッチング又は研磨により除去する。シリコン単結晶層1002の除去には、KOH(水酸化カリウム)水溶液を用いると、シリコン窒素化合物層1003を選択的に残すことができる。残ったシリコン窒素化合物層1003がメンブレン部材となる。また、シリコン単結晶層1002は、シリコン窒素化合物層1003すなわちメンブレン部材が基板201に接合されるまでのメンブレン支持層として機能する。
【0067】
以下の工程は図2(j)から(p)と同等であるため説明を省略する。図10(f)の工程は、図2(i)の工程と同等であり、シリコン窒素化合物層1003は、図2(i)のデバイス層212に対応する。本実施例の溝207を、実施例2の溝413と実施例3の孔601と実施例4の孔802の少なくとも1つと組み合わせる形態も実施可能である。その他の点は、実施例5は前記実施例と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の素子に係る実施例1を説明する図である。
【図2】図1の素子の製造方法の一例を説明する図である。
【図3】図2の製造方法で作製可能な、その他の素子形状の例である。
【図4】本発明の製造方法及び素子に係る実施例2を説明する図である。
【図5】図4の製造方法で作製可能な、その他の素子形状の例である。
【図6】本発明の製造方法及び素子に係る実施例3を説明する図である。
【図7】図6の製造方法で作製可能な、その他の素子形状の例である。
【図8】本発明の製造方法及び素子に係る実施例4を説明する図である。
【図9】図8の製造方法で作製可能な、その他の素子形状の例である。
【図10】本発明の製造方法及び素子に係る実施例5を説明する図である。
【図11】従来技術を説明する図である。
【図12】従来技術を説明する図である。
【符号の説明】
【0069】
101、201、401、1001 基板
102、202、402 シリコン単結晶層(基板)
103、203、204、403、404 シリコン酸化膜層(基板)
104、206、301、406、501 キャビティ(凹部)
105、207、413 溝(ガス放出通路)
107、208、407 絶縁層
108 メンブレン(メンブレン部材)
109、217、218、219、302、418、419、420、502 電極
209、408 SOIウェハ
210、409 ハンドル層
211、410 埋め込み酸化膜層
212、411 デバイス層(メンブレン部材)
601、802 孔(ガス放出通路)
1002 シリコン単結晶層
1003 シリコン窒素化合物層(メンブレン部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、薄膜状のメンブレン部を備えるメンブレン部材とを接合し、前記基板と前記メンブレン部との間に封止されたキャビティを形成する静電容量型トランスデューサの製造方法であって、
前記基板と前記メンブレン部材との接合界面から外部へ貫通するガス放出通路を設けた状態で、前記基板と前記メンブレン部材とを接合して前記キャビティを形成することを特徴とする静電容量型トランスデューサの製造方法。
【請求項2】
前記基板は、表面に凹部が形成された基板であり、前記メンブレン部材は、全体に薄膜状のメンブレンであり、
前記基板と前記メンブレン部材とを接合して前記凹部に前記キャビティを形成することを特徴とする請求項1記載の静電容量型トランスデューサの製造方法。
【請求項3】
前記ガス放出通路は、前記基板と前記メンブレン部材との接合界面の周囲に沿って伸びて外部へ繋がるように設けることを特徴とする請求項1又は2記載の静電容量型トランスデューサの製造方法。
【請求項4】
前記ガス放出通路は、前記基板と前記メンブレン部材との接合界面から前記メンブレン部材を貫通して伸びて外部へ繋がるように設けることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の静電容量型トランスデューサの製造方法。
【請求項5】
前記ガス放出通路は、前記基板と前記メンブレン部材との接合界面から前記基板を貫通して伸びて外部へ繋がるように設けることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の静電容量型トランスデューサの製造方法。
【請求項6】
前記基板と前記メンブレン部材とを接合する工程において、前記メンブレン部材がメンブレン支持層に支持された状態で接合され、前記ガス放出通路は、前記基板と前記メンブレン部材との接合界面から前記メンブレン部材及び前記メンブレン支持層を貫通して伸びて外部へ繋がるように設けることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の静電容量型トランスデューサの製造方法。
【請求項7】
前記メンブレン支持層は、前記基板と前記メンブレン部材とを接合する工程後に除去することを特徴とする請求項6記載の静電容量型トランスデューサの製造方法。
【請求項8】
前記基板と前記メンブレン部材とを接合する工程を、大気圧よりも低い圧力雰囲気下で行うことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の静電容量型トランスデューサの製造方法。
【請求項9】
基板と、薄膜状のメンブレン部を備えるメンブレン部材とが接合され、前記基板と前記メンブレン部との間に封止されたキャビティが形成された静電容量型トランスデューサであって、
前記基板と前記メンブレン部材との接合界面から外部へ貫通するガス放出通路が、前記基板と前記メンブレン部材のうちの少なくとも一方に設けられることを特徴とする静電容量型トランスデューサ。
【請求項10】
前記基板は、表面に凹部が形成された基板であり、前記メンブレン部材は、全体に薄膜状のメンブレン部であり、前記凹部が前記キャビティになっていることを特徴とする請求項9記載の静電容量型トランスデューサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−291514(P2009−291514A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−150224(P2008−150224)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】