説明

静電容量式操作スイッチ及びそれを用いた水栓装置

【課題】操作部の回動操作とタッチ操作とを検出することができ、水滴などによる誤動作を防止することができる静電容量式操作スイッチ及びそれを用いた水栓装置を提供する。
【解決手段】回動操作部に設けられた回動電極と、本体部に設けられた検出電極と、回動操作部に近接して設けられ、検出電極と電気的に結合されたタッチ電極と、検出電極とタッチ電極との少なくとも一部と対向して静電結合されたシールド電極と、検出電極と等電位であるシールド電位、接地電位と、を切り替えてシールド電極に印加する切替回路とを備え、本体部に対する回動操作部の変位に従って、回動電極と検出電極との対向面積が変化し、シールド電極にシールド電位を印加している際に回動操作部への接触を検出し、シールド電極に接地電位を印加している際に回動操作部の回動状態を検出することを特徴とする静電容量式操作スイッチ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、操作スイッチ及びそれを用いた水栓装置に関し、具体的には静電容量式の操作スイッチ及びそれを用いた水栓装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人が指などで触れるだけで操作することのできる、いわゆるタッチスイッチなどと呼ばれるスイッチには、抵抗膜式、超音波式、あるいは静電容量式などの検出方式がある。これらの中でも、人が指などで触れたときに生ずる静電容量の変化を利用する静電容量式センサは可動部が不要であり、デザインの自由度が高いなどの利点があるため広く普及している。
【0003】
静電容量式のセンサには、人がスイッチに「触れる」ことによって、「ON/OFF」のディジタル的なスイッチ操作を行うだけではなく、指などでスイッチを「なぞる」ことによって、指の接触位置を検出してアナログ的な調整操作を行うものがある(例えば、特許文献1)。特許文献1(特開2004−333302号公報)に記載された装置は、例えば携帯音楽プレーヤーなどの携帯機器やパソコンのタッチパッドなどに使用されており、機械的な操作スイッチのような可動部を必要としない。そのため、操作スイッチ部分を薄くしたり、小型化することができる。
【0004】
しかしながら、特許文献1(特開2004−333302号公報)に記載された装置では、人は指などでセンサ部に触れた状態でしか操作入力を行うことはできない。そのため、人が指などをセンサ部から離しても、これらの機器は操作結果を有効のまま継続させる必要がある。携帯音楽プレーヤーやパソコンなどであれば、操作結果(音量やカーソル位置など)を表示画面に表示できるため問題はない。一方、例えば洗面所などに設置された水栓装置であれば、表示部を別途設けない限り水量や水温の調整結果を表示することはできない。
【0005】
これに対して、スライド操作レバー、回動つまみ、あるいは傾斜レバーなど機械的な操作部を水栓装置に使用すれば、人はこれらの操作部の状態を目視することで操作結果(水量や水温など)を確認することができる。そこで、静電容量の変化を利用して、回転検出を行うことができるものがある(例えば、特許文献2および3)。特許文献2(特開昭58−123419号公報)および特許文献3(特開平7−91906号公報)に記載された装置を回動式の操作部に使用すれば、人は操作結果を確認することができ、さらに可変抵抗やブラシなどの電気的な接点等を必要としないため、この操作部は耐久性、あるいは防塵性などに優れる。
【0006】
しかしながら、水栓装置における吐水/止水の切替操作においては、回動式の操作部よりも、タッチ式の操作部の方が使い易い。前述のように、タッチ式の操作部には静電容量式のセンサが代表的なものとして使用される。特許文献2(特開昭58−123419号公報)および特許文献3(特開平7−91906号公報)に記載された装置を水栓装置の操作部に使用した場合には、回動つまみやレバーなどの回動操作の検出は可能であるが、スイッチに「触れる」ことで「ON/OFF」を切り替えるディジタル的なスイッチ操作を行うことはできない。
【0007】
また、静電容量式のセンサは、一般的に、人体以外の例えば水滴などが検出電極に付着すると誤動作を生ずるおそれがある。そこで、検出電極の近くにシールド電極を設け、検出電極とシールド電極とを等電位で駆動して、シールド電極周囲の物体の影響を除去するものがある(例えば、特許文献4)。しかしながら、特許文献4(特開2001−35327号公報)に記載された装置を水栓装置の操作部に使用した場合には、シールド電極を設けるための空間が必要となるため、その操作部がより大きくなるという問題がある。
【特許文献1】特開2004−333302号公報
【特許文献2】特開昭58−123419号公報
【特許文献3】特開平7−91906号公報
【特許文献3】特開2001−35327号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の態様は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、操作部の回動操作とタッチ操作とを検出することができる、あるいは水滴などの外乱による誤動作を防止することができる静電容量式操作スイッチ及びそれを用いた水栓装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、本体部と、前記本体部に対して回動可能に設けられた回動操作部と、前記回動操作部の回動に応じて回動可能に設けられた回動電極と、前記回動電極と対向し前記回動操作部の回動に連動しない検出電極と、前記回動操作部に設けられ、前記回動電極と電気的に静電結合されたタッチ電極と、前記タッチ電極と離間しつつ静電結合されたシールド電極と、前記検出電極と等電位であるシールド電位と、接地電位と、を切り替えて前記シールド電極に印加する切替回路と、を備え、前記回動操作部の回動に応じて、前記回動電極と前記検出電極との対向面積が変化し、前記シールド電極に前記シールド電位を印加しているときは、前記回動操作部への使用者の接触を検出可能であり、前記シールド電極に前記接地電位を印加しているときは、前記回動操作部の回動を検出可能としたことを特徴とする静電容量式操作スイッチが提供される。
【0010】
また、本発明の他の一態様によれば、上記の静電容量式操作スイッチと、給水流路に供給する水の温度を調整する混合弁と、前記給水流路を開閉する電磁弁と、前記給水流路を介して供給された水を吐水する水栓本体と、前記静電容量式操作スイッチの判定に基づいて、前記混合弁および前記電磁弁の少なくともいずれかの動作を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする水栓装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明の態様によれば、操作部の回動操作とタッチ操作とを検出することができる、あるいは水滴などの外乱による誤動作を防止することができる静電容量式操作スイッチ及びそれを用いた水栓装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
第1の発明は、本体部と、前記本体部に対して回動可能に設けられた回動操作部と、前記回動操作部の回動に応じて回動可能に設けられた回動電極と、前記回動電極と対向し前記回動操作部の回動に連動しない検出電極と、前記回動操作部に設けられ、前記回動電極と電気的に静電結合されたタッチ電極と、前記タッチ電極と離間しつつ静電結合されたシールド電極と、前記検出電極と等電位であるシールド電位と、接地電位と、を切り替えて前記シールド電極に印加する切替回路と、を備え、前記回動操作部の回動に応じて、前記回動電極と前記検出電極との対向面積が変化し、前記シールド電極に前記シールド電位を印加しているときは、前記回動操作部への使用者の接触を検出可能であり、前記シールド電極に前記接地電位を印加しているときは、前記回動操作部の回動を検出可能としたことを特徴とする静電容量式操作スイッチである。
この静電容量式操作スイッチによれば、回動操作部の回動操作とタッチ操作とを検出することができる。また、水滴などの外乱による誤動作を防止することができる。
【0013】
また、第2の発明は、第1の発明において、待機状態においては、前記シールド電極に前記シールド電位を印加して前記使用者の接触を待ち、前記使用者の接触を検出した場合においては、前記切替回路を切り替えて、前記シールド電極に前記接地電位を印加して前記回動操作部の回動を検出することを特徴とする静電容量式操作スイッチである。
この静電容量式操作スイッチによれば、待機状態においては、回動操作部に接触した対象物が人体であるか否かをより的確に判定することができる。一方、使用者の接触を検出した場合においては、使用者の回動操作部による回動操作をより精度良く検出することができる。
【0014】
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、前記シールド電極への前記シールド電位の印加と、前記シールド電極への前記接地電位の印加と、の前記切替回路の切り替えは、時間分割で交互に行われることを特徴とする静電容量式操作スイッチである。
この静電容量式操作スイッチによれば、使用者が回動操作部に指などで触れたか否かにかかわらず、回動操作部による回動操作と、回動操作部へのタッチ操作と、を交互に検出することができる。つまり、例えばこの静電容量式操作スイッチが水栓装置に備えられた場合には、使用者が回動操作部に指などで触れて水を吐水させる前であっても、吐水される水の流量や温度をより確実に調整することができる。
【0015】
また、第4の発明は、第1〜第3のいずれか1つの発明において、前記タッチ電極と前記使用者との間における静電容量は、前記タッチ電極と前記シールド電極との間における静電容量よりも大きく、且つ前記回動電極と前記シールド電極との間における静電容量は、前記回動電極と前記検出電極の間における静電容量よりも大きいことを特徴とする静電容量式操作スイッチである。
この静電容量式操作スイッチによれば、シールド電極のシールド効果が、人体に対しては十分に機能せず、水滴などの小さなもの及び回動検出の電極に対しては十分に機能する。よって、使用者の回動操作部へのタッチ操作をより的確に検出することができる。また、回動操作部に人体が接触しているか否かにかかわらず、検出電極は回動電極の回動状態を同じ感度で検出することができる。
【0016】
また、第5の発明は、第1〜第4のいずれか1つの発明において、前記回動操作部は、金属からなるケースを有することを特徴とする静電容量式操作スイッチである。
この静電容量式操作スイッチによれば、使用者が回動操作部の何処の部分を触ったとしても、使用者のタッチ操作に対して敏感に反応することができる。回動電極と検出電極とを含む周辺が、接地と電気的に結合したタッチ電極によって覆われるため、使用者の回動操作部による回動操作を検出する際に、ノイズに対する耐性が向上する。
【0017】
また、第6の発明は、第1〜第5のいずれか1つの発明の静電容量式操作スイッチと、給水流路に供給する水の温度を調整する混合弁と、前記給水流路を開閉する電磁弁と、前記給水流路を介して供給された水を吐水する水栓本体と、前記静電容量式操作スイッチの判定に基づいて、前記混合弁および前記電磁弁の少なくともいずれかの動作を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする水栓装置である。
この水栓装置によれば、使用者は、静電容量式操作スイッチに指などで触れることによって、水栓本体から吐水される水の吐止水をより的確に操作することができる。一方、使用者は、静電容量式操作スイッチを回動させることによって、水栓本体から吐水される水の温度などをより的確に調整することができる。
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる静電容量式操作スイッチを例示した分解模式図である。
また、図2は、本実施形態にかかる静電容量式操作スイッチを側方から眺めた断面模式図である。
【0019】
本実施形態の静電容量式操作スイッチは、本体部62と、本体部62に支持された回動操作部60と、を有している。回動操作部60は、図1に矢印で表したように、本体部62に対して回動することができる。使用者は、回動操作部60の外周を握ったり、または上面に指を乗せるなどして回動させることによって、例えば水栓装置から吐水される水の流量や温度などを調整することができる。本体部62は、水栓装置に限らず、回動式の操作スイッチを要する装置の一部として設けることができる。
【0020】
回動操作部60の内側には、回動操作部60の回動状態を検出する回動電極10が設けられている。回動電極10は、回動操作部60に固定されており、回動操作部60と共に回動することができる。また、回動電極10の回動軸と、回動操作部60の回動軸と、は略一致している。回動電極10は、例えば、図1に表したように、回動軸に対して非対称な形状を有している。
【0021】
一方、本体部62には、回動電極10に対向するように、検出電極20が設けられている。検出電極20は、図1に表したように、例えば略扇形の形状を有し、本体部62には4つの検出電極20が固定されている。但し、検出電極20の個数はこれだけに限られるわけではなく、複数の検出電極が設けられていればよい。また、検出電極20の形状は、略扇形に限られるわけではなく、回動方向に従って面積が順次増加するパターンと、順次減少するパターンと、を有する形状であってもよい。
【0022】
検出電極20に対する回動電極10の変位(回動)に従って、回動電極10と検出電極20との対向面積は変化する。そのため、本実施形態の静電容量式操作スイッチは、検出電極20に対する回動電極10の位置を検出することによって、回動操作部60の本体部62に対する回動状態を検出することができる。すなわち、使用者の回動操作部60による回動操作を検出することができる。これにより、前述したように、使用者は例えば水栓装置から吐水される水の流量や温度などを調整することができる。
【0023】
回動電極10の上方には、タッチ電極30が設けられている。タッチ電極30は、回動操作部60の外部に露出していてもよいが、後述する回路部分の静電破壊などに対する耐性を考慮すると、回動操作部60の表面とは絶縁された状態で、回動操作部60の内部に設けられることがより好ましい。
【0024】
なお、タッチ電極30は、例えば回動操作部60の上面を金属とし、これと静電結合されている構成でもよい。これによれば、使用者が回動操作部60の金属製の上面に少し触れただけでも、タッチ電極30全体に触れたように作用する。よって、タッチ電極30は、使用者の操作に対してより敏感に反応することができる。また、使用者が回動操作部60に触れて操作している場合には、回動電極10および検出電極20は、使用者の人体を介して接地されたタッチ電極30で覆われることになるため、静電容量式操作スイッチのノイズに対する耐性がより向上する。
【0025】
回動電極10と、タッチ電極30と、は電気的に結合されている。結合方法は、図2に表したように、導線などによって直結させる方法でもよい。但し、静電容量式操作スイッチの動作の安定性を考慮すると、後に詳述するように、静電結合による方法がより好ましい。このように、回動電極10と、タッチ電極30と、が電気的に結合されることによって、検出電極20はタッチ電極30と電気的に結合される。したがって、検出電極20は、回動電極10およびタッチ電極30を介して、使用者が回動操作部60に触れたことを検出することができる。すなわち、使用者の回動操作部60へのタッチ操作を検出することができる。これにより、使用者は例えば水栓装置の吐水/止水などを操作することができる。
【0026】
本体部62の中央部には、タッチ電極30と対向するように、シールド電極40が設けられている。このシールド電極40は、タッチ電極30と電気的に結合されている。但し、シールド電極40とタッチ電極30とを導線などによって直結させると、タッチ電極30の電位がシールド電極40と常に等電位となるため、タッチ電極30が使用者の操作を検出できなくなる。これは、シールド電極40の効果が大きすぎると、使用者の人体による電圧変化を完全にシールドしてしまうためである。
【0027】
そこで、シールド電極40は、タッチ電極30と接続された回動電極10に近づくように設けられ、回動電極10と適当な容量で静電結合される。ここで、シールド電極40とタッチ電極30との間における静電容量、これはシールド電極40と回動電極10との間における静電容量となるが、この静電容量がタッチ電極30と使用者の人体との間における静電容量よりも小さくなるように設定する。静電容量は、電極の面積や厚み、あるいは電極同士の空間距離などによって調整される。タッチ電極30と人体との間における静電容量を、タッチ電極30とシールド電極40との間における静電容量よりも大きく設定することで、シールドの効果が人体に対して十分に働かないようになる。
【0028】
更に、回動電極10とシールド電極40との間における静電容量が、回動電極10と検出電極20との間における静電容量よりも大きくなるように設定する。図2に表した静電容量式操作スイッチであれば、それぞれの電極の面積を変更することで、それぞれの静電容量を調整することができる。これにより、回動状態の検出においては、シールド電極40のシールド効果が十分に働き、回動状態を安定して検出できる。
【0029】
なお、図1および図2に表した静電容量式操作スイッチにおいては、回動操作部60が回動され、および本体部62が固定された場合を例に挙げて説明したが、これだけに限られるわけではない。回動操作部60が固定され、本体部62が回動されてもよい。また、回動操作部60と本体部62とが回動されてもよい。すなわち、回動電極10と、検出電極20と、が相対的に回動できれば操作スイッチとして機能できるため、例えば、検出電極20の固定が必要といった制約は無い。
【0030】
図3は、本実施形態にかかる静電容量式操作スイッチの回路構成を例示する模式図である。
本実施形態にかかる静電容量式操作スイッチの回路は、シールド電極40と検出電極20とを等電位にする回路と、シールド電極40を接地させる回路と、を切り替える切替回路70を有している。また、静電容量式操作スイッチの回路は、検出電極20を切り替える切替回路72と、検出電極20から出力された部分をシールドするシールド線74と、検出電極20と等電位であるシールド電圧を発生するシールド電圧発生部76と、検出電極20が検出した静電容量の変化を検出する静電容量検出部80と、タッチ電極30への人体の接触および回動電極10の回動状態を判定する判定部82と、を有している。
【0031】
本実施形態の静電容量式操作スイッチは、例えば水栓装置などの機器が未使用状態、すなわち待機状態においては、シールド電極40とシールド電圧発生部76の出力とが繋がる方に切替回路70を切り替えている。したがって、機器の待機状態においては、シールド電極40と検出電極20とは等電位になっている。
【0032】
ここで、例えば回動操作部60の上面に水滴などが付いた場合には、タッチ電極30と水滴との間において静電結合が発生する。この静電結合による静電容量の変化は、タッチ電極30から回動電極10を介して電気的に結合された検出電極20へ出力されようとする。しかし、水滴自体が有する大地に対する静電容量は小さいため、タッチ電極30への影響は小さく、シールド電極40の作用によって、水滴とタッチ電極30と検出電極20とはほぼ等電位のままとなる。したがって、タッチ電極30と水滴との間において発生した静電容量の変化は、検出電極20へ出力されず、静電容量検出部80へ出力されることもない。
【0033】
言い換えれば、シールド電極40とタッチ電極30との間における静電容量に対して小さい静電容量変化は、シールド電極40が十分に作用し、検出電極20へ出力されにくい。一方、シールド電極40とタッチ電極30との間における静電容量に対して大きい静電容量変化は、シールド電極40の効果が不足するため、検出電極20へ出力されやすい。したがって、回動操作部60の上面に水滴などが付いたことによる静電容量の変化は、静電容量検出部80には殆ど出力されないため、判定部82は人体が接触したとは判定しない。
【0034】
これに対して、使用者が回動操作部60の上面を指などで触れた場合には、タッチ電極30と指(人体)を介して、大地との間において大きな静電容量が発生する。ここで、タッチ電極30と人体と大地との間における静電容量は、タッチ電極30とシールド電極40との間における静電容量よりも大きくなる。そのため、シールド電極40によるシールド効果は小さい。したがって、使用者が回動操作部60の上面を指などで触れたことによる静電容量の変化は、シールド電極40による影響を少し受けつつ、検出電極20へ出力される。
【0035】
検出電極20へ出力された検出出力は、静電容量検出部80へ出力される。静電容量検出部80は、検出電極20からの検出出力に基づいて静電容量の変化を検出する。このようにして、判定部82は静電容量検出部80の検出出力に基づいて、使用者が回動操作部60の上面を指などで触れたことを判定する。
【0036】
つまり、本実施形態の静電容量式操作スイッチは、機器の待機状態においてはシールド電極40にシールド電圧が印加されているため、回動操作部60の上面に水滴などが付いた場合に生ずる誤動作を防止することができる。一方、使用者が回動操作部60の上面を指などで触れた場合には、大きな静電容量が発生することによってシールド電極40の効果が不十分となり、静電容量式操作スイッチは、使用者のタッチ操作をより的確に検出することができる。
【0037】
続いて、使用者が回動操作部60を回動させて、例えば水栓装置から吐水される水の流量や温度などを調整する場合には、前述の機器の待機状態のように、シールド電極40にシールド電圧が印加されたままでは、シールド電極40の影響を受けて、回動電極10の電位が検出電極20の電位と近い値となる。そのため、回動状態を検出できないおそれがある。すなわち、シールド電極40の作用によって、使用者の回動操作部60による回動操作を検出できないおそれがある。
【0038】
そこで、本実施形態の静電容量式操作スイッチは、タッチ電極30によって人体の接触を検出すると、切替回路70を接地の方に切り替えることができる。切替回路70が接地の方に切り替えられると、シールド電極40は接地されるため、回動電極10は接地電位と静電結合することになる。ここで、タッチ電極30から人体を介して大地と結合していても、これと並列に、接地された(大地と結合した)シールド電極40とタッチ電極30とが静電結合しているため、人体の影響は小さくなる。そのため、回動操作部60に人体が接触しているか否かにかかわらず、検出電極20は回動電極10の回動状態を同じ感度で検出することができる。これにより、静電容量検出部80は、検出電極20に対する回動電極10の回動状態を大きな感度で検出できる。そのため、静電容量検出部80の検出精度は向上する。
【0039】
以上説明したように、本実施形態の静電容量式操作スイッチは、機器の待機状態においては、切替回路70をシールド電圧発生部76の方に切り替えている。そのため、対象物と大地との静電結合の大きさによってシールド電極40のシールド効果が変化し、その結果、対象物に対する検出感度が変化し、回動操作部60に接触した対象物が人体であるか、水滴等の検出を除外したいものであるか否かをより的確に判定することができる。一方、人体の接触を検出すると、静電容量式操作スイッチは切替回路70を接地の方に切り替えることができる。そのため、静電容量式操作スイッチは、使用者の回動操作部60による回動操作をより精度良く検出することができる。
【0040】
なお、切替回路70の切り替え動作は、時間分割で交互に行われてもよい。これによれば、使用者が回動操作部60に指などで触れたか否かにかかわらず、静電容量式操作スイッチは、回動操作部60による回動操作と、回動操作部60へのタッチ操作と、を交互に検出することができる。つまり、例えば使用者が回動操作部60に指などで触れて水を吐水させる前であっても、吐水される水の流量や温度をより確実に調整することができる。
【0041】
図4は、本実施形態の静電容量式操作スイッチが備えられた水栓装置を例示する模式図である。
また、図5は、本実施形態の静電容量式操作スイッチが備えられた水栓装置の例示するブロック図である。
図4および図5に表した水栓装置は、本実施形態にかかる静電容量式操作スイッチ100と、制御部110と、モータ120と、水および湯を混合する混合弁130と、開閉弁としての機能を有する電磁弁140と、水栓本体150と、を備えている。
【0042】
制御部110は、静電容量式操作スイッチ100からの検出出力に基づいて、モータ120および電磁弁140の駆動を制御する。モータ120は、制御部110の指示に基づいて混合弁130を駆動し、設定された水温となるように水および湯を混合させる。一方、電磁弁140は、制御部110の指示に基づいて弁の開閉駆動を行い、混合弁130から供給された水を水栓本体150へ通水したり止水したりする。すなわち、制御部110は、モータ120、混合弁130、および電磁弁140の駆動を制御することによって、水栓本体150から吐水される水の流量や温度の制御、および吐止水の制御を行う。なお、混合弁130から電磁弁140に供給され、水栓本体150から吐水される水は、冷水のみならず、加熱されたお湯、あるいは冷水とお湯との混合水も含むものとする。
【0043】
静電容量式操作スイッチ100は、例えば洗面所やキッチンなどのカウンター180などに設けられる。使用者は、図4に表した矢印Aのように、静電容量式操作スイッチ100の上面に指などで触れることによって、水栓本体150から吐水される水の吐止水を操作することができる。一方、使用者は、図4に表した矢印Bのように、静電容量式操作スイッチ100を回動させることによって、水栓本体150から吐水される水の温度などを調整することができる。
【0044】
このように、静電容量式操作スイッチ100をカウンター180に設けることによって、水栓本体150はすっきりとしたデザインを有することができる。さらに、静電容量式操作スイッチ100の大きさを比較的自由に設定できるため、その大きさを使用者が操作し易い大きさに設定することができる。
【0045】
また、図4に表したように、静電容量式操作スイッチ100は水栓本体150に設けられてもよい。これによれば、使用者は、洗面所やキッチンなどのカウンター180の上面を広く利用することができる。さらに、カウンター180はすっきりとしたデザインを有することができる。
【0046】
次に、本実施形態の静電容量式操作スイッチが備えられた水栓装置の動作について、図面を参照しつつ説明する。
図6は、本実施形態の静電容量式操作スイッチが備えられた水栓装置の動作の具体例を表す模式図である。
【0047】
まず、静電容量式操作スイッチ100は、水栓装置の待機状態においては、切替回路70をシールド電圧発生部76の方に切り替えてシールド電極40にシールド電圧を印加している(ステップS102)。このとき、静電容量検出部80は、検出電極20から出力される静電容量の変化を検出している(ステップS104)。続いて、判定部82は静電容量検出部80からの検出出力に基づいて、回動操作部60への人体の接触が有ったか否かを判断する(ステップS106)。回動操作部60への人体の接触が有ったことを判定部82が検出すると(ステップS106:Y)、静電容量式操作スイッチ100は電磁弁140が開放されているか否かを判断する(ステップS108)。
【0048】
電磁弁140が開放されている場合には(ステップS108:Y)、制御部110は電磁弁140を閉駆動させる(ステップS110)。一方、電磁弁140が閉止されている場合には(ステップS108:N)、制御部110は電磁弁140を開駆動させる(ステップS112)。すなわち、使用者が回動操作部60に指などで触れるごとに、水栓本体150からの吐水と止水とが切り替わる。
【0049】
続いて、静電容量式操作スイッチ100は電磁弁140が開放されているか否かを再度判断する(ステップS114)。電磁弁140が開放されている場合、すなわち吐水状態では(ステップS114:Y)、静電容量式操作スイッチ100は切替回路70を接地の方に切り替えて、シールド電極40を接地させる(ステップS116)。一方、電磁弁140が開放されていない場合、すなわち止水状態では(ステップS114:N)、切替回路70をシールド電圧発生部76の方に接続したままで(ステップS102)、静電容量検出部80は検出電極20から出力される静電容量の変化を再度検出する(ステップS104)。
【0050】
これに対して、ステップS106において回動操作部60への人体の接触が有ったことを判定部82が検出しない場合には(ステップS106:N)、電磁弁140の切り替えを行うことなく、静電容量式操作スイッチ100は電磁弁140が開放されているか否かの判断(ステップS114)に進む。以降は前述の通りである。
【0051】
すなわち、使用者が回動操作部60に指などで触れず、且つ水栓本体150から水が吐水されていない待機状態においては、静電容量式操作スイッチ100は切替回路70を接地の方に切り替えることはない。したがって、水栓装置の待機状態においては、静電容量式操作スイッチ100はシールド電極40にシールド電圧を印加しつつ、使用者の接触を待っている。
【0052】
電磁弁140が開放され、水栓本体150から水が吐水されている場合には(ステップS114:Y)、前述したように、静電容量式操作スイッチ100は切替回路70を接地の方に切り替えて、シールド電極40を接地させる(ステップS116)。これにより、静電容量検出部80は、検出電極20に対する回動電極10の回動状態(回転量)を大きな感度で検出できる(ステップS118)。
【0053】
続いて、制御部110は、静電容量検出部80で検出された検出電極20に対する回動電極10の回転量を目標温度に換算して、モータ120を介して混合弁130を制御する(ステップS120)。続いて、制御部110は、混合弁130における水温が目標温度と略同じになったか否かを判断する(ステップS122)。混合弁130における水温が目標温度と略同じになっていない場合には(ステップS122:N)、制御部110はモータ120を介して混合弁130を制御する(ステップS124)。一方、混合弁130における水温が目標温度と略同じになっている場合には(ステップS122:Y)、混合弁130の制御は行わない。そして、静電容量式操作スイッチ100は、切替回路70をシールド電圧発生部76の方に切り替えてシールド電極40にシールド電圧を印加する状態に戻る(ステップS102)。
【0054】
図7は、本実施形態の静電容量式操作スイッチが備えられた水栓装置の動作の他の具体例を表す模式図である。
本具体例の水栓装置は、図6に表したステップS114の判断動作を行わない。すなわち、使用者が回動操作部60に指などで触れたか否かにかかわらず、あるいは水栓本体150から水が吐水されているか否かにかかわらず、静電容量式操作スイッチ100は切替回路70を接地の方に切り替えて、シールド電極40を接地させることができる(ステップS116)。その他の動作は、図6に表した動作と同様である。
【0055】
このように、使用者が回動操作部60に指などで触れたか否かにかかわらず、あるいは水栓本体150から水が吐水されているか否かにかかわらず、静電容量式操作スイッチ100が切替回路70を交互に切り替えることで、使用者は水を吐水させる前であっても、吐水される水の流量や温度をより確実に調整することができる。
一方、図6に表した具体例の動作であれば、回動状態の検出よりもタッチ操作の検出が優先的に行われるため、特に止水状態からタッチ操作によって吐水を開始するまでの反応が速いという1つの長所がある。
【0056】
なお、本具体例の水栓装置は、図示しないタイマーを備えていてもよい。これによれば、静電容量式操作スイッチ100は、切替回路70の切り替え動作を時間分割で交互に行うことができ、このタイマーの値を調整することで、検出回路の消費電力と反応速度とを調整することが可能となる。
【0057】
次に、本実施形態の静電容量式操作スイッチの変形例について、図面を参照しつつ説明する。
図8は、本実施形態の静電容量式操作スイッチの変形例を例示する模式図である。
本変形例の静電容量式操作スイッチのタッチ電極230は、図8に表したように、回動電極10に向かって延在する突起部230aと、回動電極10に対向する対向部230bと、を有している。そして、タッチ電極230と回動電極10とは、導線によってではなく、静電結合によって電気的に結合している。その他の構造は、図2に表した静電容量式操作スイッチの構造と同様である。
【0058】
これによれば、本変形例の静電容量式操作スイッチは、タッチ電極230が操作面に露出していたり、直ぐ近くに金属部分があるなどの理由により、使用者の人体とタッチ電極230との静電結合が大きすぎる場合に、そのタッチ電極230の検出感度を抑えることができる。そのため、シールド電極40の効果を調整し、検出電極20などの回路側へのノイズ伝搬を低減させることができる。したがって、静電容量式操作スイッチの動作がより安定する。
【0059】
図9は、本実施形態の静電容量式操作スイッチの他の変形例を例示する模式図である。 本変形例の静電容量式操作スイッチの回動操作部は、金属からなるケースを有する。そのため、図9に表したように、回動操作部の金属ケースとタッチ電極330とは一体となり、互いの機能を共有することができる。なお、回動電極10は回転操作部330に固定するが、電気的には接続しない。タッチ電極330は、回動電極10に向かって延在する突起部330aと、回動電極10に対向する対向部330bと、を有している。その他の構造は、図2に表した静電容量式操作スイッチの構造と同様である。
【0060】
これによれば、本変形例の静電容量式操作スイッチは、使用者が回動操作部(タッチ電極330)の何処の部分を触ったとしても、敏感に反応することができる。これは、回動操作部の露出部のほぼ全体が、金属からなっているためである。この場合、タッチ電極330の対向部330bと、回動電極10と、の間の距離は、図8に表した静電容量式操作スイッチにおける対向部230bと、回動電極10と、の間の距離よりも大きく設定されることが好ましい。これは、タッチ電極330の対向部330bと、回動電極10と、の間における静電容量を減らして、静電容量式操作スイッチの動作をより安定させるためである。
【0061】
また、回動電極10と、検出電極20と、を含む周辺が、接地と電気的に結合したタッチ電極330によって覆われるため、使用者の回動操作部による回動操作を検出する際に、ノイズに対する耐性が向上する。
【0062】
図10は、本実施形態の静電容量式操作スイッチのさらに他の変形例を例示する模式図である。
また、図11は、本変形例の回動操作部の内部を眺めた模式図である。なお、図11(a)は、本変形例の回動操作部の内部を斜めから眺めた斜視模式図であり、図11(b)は、本変形例の回動操作部の内部を側方から眺めた断面模式図である。
【0063】
本変形例の静電容量式操作スイッチにおいては、回動電極410が回動操作部60の側面部に延在している。また、シールド電極440は、本体部62の中央部ではなく、本体部の側面部に設けられている。これに伴い、検出電極420は、本体部62の中央部まで延在している。
【0064】
回動電極410は、図11に表したように、半円状の電極部410aと、円筒状の側面部410bと、を有している。この回動電極410は、例えば金属板材の接合や、金属の切削加工によって得ることができる。この場合、半円状の電極部410aは、図2、図8、および図9に表した回動電極410と同様に、検出電極420およびタッチ電極30との間において静電結合されている。一方、側面部410bは、本体部の側面部に設けられたシールド電極440との間において静電結合されている。
【0065】
これによれば、本変形例の静電容量式操作スイッチは、回動電極410(半円電極部410a)と検出電極420との対向面積がより広くなり、さらに回動電極410(側面部410b)とシールド電極440との対向面積がより広くなる。そのため、回動電極410(半円電極部410a)と検出電極420との間における静電結合と、回動電極410(側面部410b)とシールド電極440との間における静電結合と、がより大きくなる。したがって、使用者の回動操作部60へのタッチ操作を検出する際、および使用者の回動操作部60による回動操作を検出する際に、ノイズに対する耐性が向上する。
【0066】
次に、回動電極、検出電極、およびシールド電極の形状の変形例について、図面を参照しつつ説明する。
図12は、回動電極、検出電極、およびシールド電極の形状の変形例を例示する上面模式図である。なお、図12(a)は、回動電極を上面から眺めた上面模式図であり、図12(b)は、検出電極およびシールド電極を上面から眺めた上面模式図である。
【0067】
図12(a)に表した回動電極10は、図1、図2、図8、および図9に表した回動電極と同様に、中央部のより小さな半円部10aと、外周部のより大きな半円部10bと、が結合した形状を有している。また、図12(b)に表したシールド電極40は、図1、図2、図8、および図9に表したシールド電極と同様に、円形状を有している。一方、図12(b)に表した検出電極20は、図1、図2、図8、および図9に表したシールド電極と同様に、シールド電極40の外周部に扇形の形状を有している。
【0068】
これによれば、回動電極10と検出電極20との対向面積がより広くなるため、回動電極10と検出電極20との間における静電結合が大きくなる。そのため、静電容量検出部80は、検出電極20に対する回動電極10の回動状態を大きな感度で検出することができる。
【0069】
図13は、回動電極、検出電極、およびシールド電極の形状の他の変形例を例示する上面模式図である。なお、図13(a)は、回動電極を上面から眺めた上面模式図であり、図13(b)は、検出電極およびシールド電極を上面から眺めた上面模式図である。
【0070】
図13(a)に表した回動電極410は、図10および図11に表した回動電極と同様に、中央部のより小さな半円部410dと、中空状の円周部410eと、が結合した形状を有している。また、図13(b)に表したシールド電極440は、図10および図11に表したシールド電極と同様に、中空状の形状を有している。一方、図13(b)に表した検出電極420は、図10および図11に表した検出電極と同様に、中央部から外周部に延在するように扇形の形状を有している。
【0071】
これによれば、回動電極410とシールド電極440との対向面積がより広くなるため、回動電極410とシールド電極440との間における静電結合が大きくなる。そのため、図10および図11に関して前述したように、使用者の回動操作部60による回動操作を検出する際に、ノイズに対する耐性が向上する。
【0072】
以上説明したように、本実施形態によれば、静電容量式操作スイッチ100が備えられた機器の待機状態においては、切替回路70をシールド電圧発生部76の方に切り替えている。そのため、回動操作部60に接触した対象物が人体であるか否かをより的確に判定することができる。つまり、水滴などの外乱による誤動作を防止することができる。一方、人体の接触を検出すると、あるいは時間分割で交互に、静電容量式操作スイッチは切替回路70を接地の方に切り替えることができる。そのため、静電容量式操作スイッチは、使用者の回動操作部60による回動操作をより精度良く検出することができる。これらにより、回動操作部60の回動操作とタッチ操作とを、より的確に検出することができる。
【0073】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、静電容量式操作スイッチ100などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などや、回動電極10、検出電極20、およびシールド電極40などの設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の実施の形態にかかる静電容量式操作スイッチを例示した分解模式図である。
【図2】本実施形態にかかる静電容量式操作スイッチを側方から眺めた断面模式図である。
【図3】本実施形態にかかる静電容量式操作スイッチの回路構成を例示する模式図である。
【図4】本実施形態の静電容量式操作スイッチが備えられた水栓装置を例示する模式図である。
【図5】本実施形態の静電容量式操作スイッチが備えられた水栓装置の例示するブロック図である。
【図6】本実施形態の静電容量式操作スイッチが備えられた水栓装置の動作の具体例を表す模式図である。
【図7】本実施形態の静電容量式操作スイッチが備えられた水栓装置の動作の他の具体例を表す模式図である。
【図8】本実施形態の静電容量式操作スイッチの変形例を例示する模式図である。
【図9】本実施形態の静電容量式操作スイッチの他の変形例を例示する模式図である。
【図10】本実施形態の静電容量式操作スイッチのさらに他の変形例を例示する模式図である。
【図11】本変形例の回動操作部の内部を眺めた模式図である。
【図12】回動電極、検出電極、およびシールド電極の形状の変形例を例示する上面模式図である。
【図13】回動電極、検出電極、およびシールド電極の形状の他の変形例を例示する上面模式図である。
【符号の説明】
【0075】
10 回動電極、 10a 半円部、 10b 半円部、 20 検出電極、 30 タッチ電極、 40 シールド電極、 60 回動操作部、 62 本体部、 70、72 切替回路、 74 シールド線、 76 シールド電圧発生部、 80 静電容量検出部、 82 判定部、 100 静電容量式操作スイッチ、 110 制御部、 120 モータ、 130 混合弁、 140 電磁弁、 150 水栓本体、 180 カウンター、 230 タッチ電極、 230a 突起部、 230b 対向部、 330 タッチ電極、 330a 突起部、 330b 対向部、 410 回動電極、 410a 半円電極部、 410b 側面部、 410d 半円部、 410e 円周部、 420 検出電極、 440 シールド電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
前記本体部に対して回動可能に設けられた回動操作部と、
前記回動操作部の回動に応じて回動可能に設けられた回動電極と、
前記回動電極と対向し前記回動操作部の回動に連動しない検出電極と、
前記回動操作部に設けられ、前記回動電極と電気的に静電結合されたタッチ電極と、
前記タッチ電極と離間しつつ静電結合されたシールド電極と、
前記検出電極と等電位であるシールド電位と、接地電位と、を切り替えて前記シールド電極に印加する切替回路と、
を備え、
前記回動操作部の回動に応じて、前記回動電極と前記検出電極との対向面積が変化し、
前記シールド電極に前記シールド電位を印加しているときは、前記回動操作部への使用者の接触を検出可能であり、
前記シールド電極に前記接地電位を印加しているときは、前記回動操作部の回動を検出可能としたことを特徴とする静電容量式操作スイッチ。
【請求項2】
待機状態においては、前記シールド電極に前記シールド電位を印加して前記使用者の接触を待ち、
前記使用者の接触を検出した場合においては、前記切替回路を切り替えて、前記シールド電極に前記接地電位を印加して前記回動操作部の回動を検出することを特徴とする請求項1記載の静電容量式操作スイッチ。
【請求項3】
前記シールド電極への前記シールド電位の印加と、前記シールド電極への前記接地電位の印加と、の前記切替回路の切り替えは、時間分割で交互に行われることを特徴とする請求項1または2に記載の静電容量式操作スイッチ。
【請求項4】
前記タッチ電極と前記使用者との間における静電容量は、前記タッチ電極と前記シールド電極との間における静電容量よりも大きく、且つ前記回動電極と前記シールド電極との間における静電容量は、前記回動電極と前記検出電極の間における静電容量よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の静電容量式操作スイッチ。
【請求項5】
前記回動操作部は、金属からなるケースを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の静電容量式操作スイッチ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載の静電容量式操作スイッチと、
給水流路に供給する水の温度を調整する混合弁と、
前記給水流路を開閉する電磁弁と、
前記給水流路を介して供給された水を吐水する水栓本体と、
前記静電容量式操作スイッチの判定に基づいて、前記混合弁および前記電磁弁の少なくともいずれかの動作を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする水栓装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−218785(P2009−218785A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−59353(P2008−59353)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】