説明

非対称バルブ作動構造を持つ圧力制御バルブ

【課題】本発明は、全体として、サーボシステム又はサーボ型システム内で機能する又は作動できる作動可能な負荷の動的挙動を制御するための方法及びシステムに関する。
【解決手段】 負荷の動的挙動は、固有圧力調整を提供するように形成された独特の非対称圧力制御バルブ(10)によって制御される。非対称圧力制御バルブ(10)は、その性能のため、動的圧力レギュレータと呼んでもよく、互いに物理的に独立した大きさが異なる自由浮動スプールを使用する。これらのスプールは、バルブ本体(12)を形成する対応して大きさが異なるバルブ作動構成要素の内部キャビティ内に自由に支持されており、システム全体内で制御圧力即ちパイロット圧力と負荷即ち負荷圧力との間で作用する圧力を調整する。圧力制御バルブ(10)の二つのスプールは、互いに物理的に独立しているけれども、システム内に均衡状態を維持する試みにおいて、即ちアクチュエータに作用する圧力(負荷圧力)、又は負荷圧力と対応するフィードバック圧力を制御圧力即ちパイロット圧力と同じであるように保持する試みにおいて互いに協働して機能する。更に、圧力の調整及び制御は、非対称圧力制御バルブ(10)に対して固有即ち内在的である。これは、二つのスプール及びこれらのスプールに作用するフィードバックシステムの形体及び機能のためである。かくして、使用者により電子的に又は機械的に制御されるシステムに対する必要をなくす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーボシステム又は他の制御システム内の流体流れ及び/又は圧力を制御し又は調整するように形成されたサーボバルブ又はサーボ型バルブに関し、更に詳細には、開ループシステム又は閉ループシステム内の流体流れ及び圧力を調整するように形成された圧力制御バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
液圧システムや空気圧システム等の流体制御システム又はサーボシステムは周知であり、力を、加えられた位置から出力位置まで流体によって伝達する簡単な原理で作動する。液圧システムでは、伝達は、代表的には、内部にピストンを備えたアクチュエータシリンダによって行われる。ピストンは、実質的に非圧縮性の流体を、流体ラインを通して、異なる位置にある別のシリンダに押す。この別のシリンダにもピストンが収容されている。液圧システムを通して力を伝達することの一つの大きな利点は、二つのシリンダを連結する流体ラインをどのような長さ及び形状にもできるということであり、二つのピストンを分ける全ての位置に亘り、巻いたり曲げたりできるということである。更に、流体ラインを多数の他の流体ラインに分けることができ、かくしてマスターピストンで多数のスレーブピストンを駆動できる。液圧システムの別の利点は、加えられた力を出力位置で上昇したり減少したりすることが非常に容易であるということである。この液圧力増倍(hydraulic force multiplication)は、一方のピストンの大きさを他方のピストンに対して変化させることによって行われる。
【0003】
多くの液圧システムでは、シリンダ及びピストンは、実質的に非圧縮性の流体として機能する高圧液圧流体を供給するポンプにバルブを通して連結されている。液圧シリンダで最も一般的に使用されているバルブはスプールバルブであり、圧力を液圧アクチュエータ内部のピストンの前面又は後面のいずれかに加えることができる。アクチュエータシリンダの一方の側が加圧されると、スプールバルブは、これと同時に、アクチュエータの反対側への戻しラインを開放し、ピストンの反対側の実質的に非圧縮性の液圧流体を戻しリザーバ内に放出する。これによりアクチュエータの移動に抗する内部圧力を解放し、アクチュエータが必要とする仕事を、外部負荷を駆動するのに必要な仕事に制限する。その結果、スプールバルブは、液圧システムに理想的に適している。これは、これらのスプールバルブにより流量を効率的に制御して液圧力を得ることができるためである。
【0004】
液圧システムにおけるスプールバルブの利点にも拘わらず、現存のスプールバルブには、設計上の特定の制限がある。従来のスプールバルブは、機械的レバー、電気的サーボ、又はパイロットバルブによって提供されるパイロット圧力と呼ぶ内部制御圧力のいずれかによって作動されるように設計されてきた。スプールバルブは、一般的には、円筒形スリーブ又はバルブハウジングに取り付けられる。流体ポートがハウジングを貫通して設けられており、これらのポートは、スプールのランド及び凹所をスリーブ内の適当な位置に配置することによって、互いに流体連通するように開放でき又は閉鎖できる。バルブスプールの変位によって作用圧力を変化し、バルブを開放し又は閉鎖し、様々な量の加圧流体を供給リザーバから流すことができる。
【0005】
電気的に作動する場合には、バルブは、電源からの電気的入力電流によって制御される。電流は、システム内の圧力と関連し、供給される電流が大きければ大きい程、圧力ポート又は供給ポートが大きく開放し、これにより加圧流体をバルブ内に及びバルブを通して低い制限で流すことができる。アクチュエータ内の負荷圧力が、最終的に、供給圧力と等しくなったとき、流れが停止する。換言すると、所与の電流が圧力ポート又は戻しポートの開口部の大きさを制御し、これにより液圧アクチュエータに流入する又は液圧アクチュエータから流出する流体の流量を制御する。システムを正しく作動するため、スプールバルブの前後に一定の圧力差がなければならない。そうでない場合には、負荷圧力が供給リザーバ圧力に近づくにつれてバルブは線型応答を失いその作動が不安定になる。従って、スプールバルブは、代表的には、圧力源(即ち供給リザーバ)の圧力が、この圧力に対抗する負荷圧力の範囲と比較して非常に高く、所与の圧力での流れ対入力電流が使用可能領域で線型のシステムで作動する。
【0006】
このことは、システム及び特に負荷が常に加圧状態にあり、外力や自重の作用では自由に移動することはできないということを意味する。このように、入力加圧流体の形態の実際の能動的入力なしでは負荷は容易には移動できない。換言すると、アクチュエータは、受動的後方駆動(passively back driven) できない。このような形体は極めて非効率である。これは、重力による負荷が作用することによる、又は運動量に応じた(例えば制動時)運動エネルギに対してでも、負荷を変位し又は作動するのに加圧流体の形態の能動的入力を必要とするためである。加圧流体を使用することにより、大きなエネルギ損失が生じる。これは、負荷の移動及び/又は制動を行うために新たな加圧流体を常に供給しなければならないためである。
【0007】
従来のスプールバルブの電流の問題に加え、従来の液圧システムには、この他の幾つかの理由により問題があった。第1の問題点は、バルブ及びピストンのサイクル時間を制御する上で複雑な制御装置を必要とするということである。第2の問題点は、出力ピストンを移動するために大量の流体が必要とされるため、ピストンを移動するためのサイクル時間が、多くの場合、長いということである。第3の問題点は、出力ピストンの駆動に必要とされる大量の流体は、液圧アキュムレーターの大きなリザーバを常に加圧することを必要とするということである。従って、液圧機械は、代表的には、作動に大量の液圧流体を必要とし、及び従って、シリンダの二つの側部によって変位される流体の容積の差を保持するために大型の外部リザーバを必要とする。
【0008】
従来のスプールバルブデバイスは用途が限られている。これは、制御された流れをバルブによって発生したとき、この流れが、一般的には、アクチュエータのピストンの制御された速度に直接的に変換されるためである。従って、速度入力による液圧エネルギを、システム内に負荷の位置に基づいて変換するのに複雑なシステムフィードバックシステムを使用しなければならない。フィードバック制御デバイスをシステムに導入することにより、フィードバックループの帯域幅に対するシステムの応答及びバルブの応答性を制限し、フィードバックデバイスとバルブとの間の時間的遅延により、抵抗力が加わったときにシステムを不安定にする。
【0009】
従来のサーボシステムで作動する従来のサーボバルブには更に別の問題点が存在する。上文中に論じた問題点により、これらのバルブ及びシステムは、不安定になることなく、高い帯域幅で作動できない。更に、多バルブシステムの全てのバルブが使用されるのではない場合、漏れのために大量のエネルギが失われてしまう。最後に、スプールの形体が制限的され、多数のランド及び凹所が単一のスプールに形成されており、単一のスプールがバルブ本体に形成された圧力ポート及び戻しポートの開閉を行うように機能する。
【0010】
上述のように、ロボット工学的システム及び他の液圧システム等の従来の関連した流体作動式システム又は流体制御システムは、代表的には、アクチュエータを作動し、重力及び/又は運動量の両方が作用している負荷を駆動し又は変位するのに能動的加圧流体を使用することを必要とする。アクチュエータの任意の移動を提供するために能動的加圧流体を使用することは、大きなエネルギの無駄であり、極めて非効率であるということがわかっている。しかしながら、大きなエネルギ損失及び低い効率は、動力の増大に的を絞った設計上のファクタ又は判定基準に道を譲った。これは、更に重要であるか或いは少なくとも更に望ましいと考えられてきた。従って、エネルギ損失及び低い効率は、多くの場合、設計上の主要な又は第1の優先事項ではなかった。換言すると、大きな動力出力を提供する特定の目的で、大型で高価なシステムが、これらのシステムが極めて非効率的であるけれども形成されてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来技術に本質的に存する問題点及び欠点に鑑み、本発明は、非対称バルブ作動形体又は構造を持つ圧力制御バルブを提供することによって、これらの問題点及び欠点を解消しようとするものである。圧力制御バルブは、二つの独立したスプール及び結果的に得られた固有圧力フィードバックシステム(intrinsic pressure feedback system)を含み、独立したスプールを収容する構造は、大きさが異なる内部又はチャンバを有し、二つの独立したスプールもまた大きさが異なる。非対称圧力制御バルブは、パイロットバルブをソーシング流(sourcing flow) で良好に機能する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
実施した、及び本明細書中に広い意味で説明した本発明によれば、本発明は、負荷の駆動や作動等の一つ又はそれ以上の能動的機能及び/又は受動的機能を実行するように形成された、サーボシステム又はサーボ型システム内で使用するための非対称圧力制御バルブに関する。この非対称圧力制御バルブは、流体の流れを調整するように設計されており、更に重要なことには、サーボ型システム内の圧力、即ち制御圧力即ちパイロット圧力と負荷即ち負荷圧力(例えば、負荷に連結されたアクチュエータが発生する圧力、この場合、アクチュエータは、負荷に作用する外力に応じて、受け取った圧力を負荷駆動力に変換するように、及びその逆を行うように形成されている)との間の圧力を調整するように設計されている。
【0013】
非対称圧力制御バルブは、システムの安定性を犠牲にすることなく、高い帯域幅で作動できる点で独特である。非対称圧力制御バルブは、更に、ダングル移動(ぶらぶら移動)を行うために負荷を移動したり変位するのに動力入力を必要とせずに負荷を自由揺動したりダングル移動したりできるように機能することによって、サーボ型システムを高効率で作動できるという点で独特である。換言すると、特定の条件及び選択的制御条件で、負荷は、負荷に連結されたアクチュエータをいずれかの方向に能動的に駆動することを必要とせずに「双方向に自由揺動又はダングル移動できる。このモードでは、流体を、アクチュエータと、圧力制御バルブと、随意の戻しリザーバとの間で、圧力制御バルブのリターンを通して、前後に分流(shunt)できる。
【0014】
従来のフィードバックループを必要とする代わりに、本発明の非対称圧力制御バルブは、設定でき且つ必要に応じて変化させることができるパイロット圧力即ち制御圧力を使用する。パイロット圧力は、独立したスプールと流体接触した制御チャンバに圧力を供給するように機能する。負荷圧力がパイロット圧力を越えたとき、システム内の圧力を安定させ、即ち等しくする試みにおいて、戻しスプールが開放し、流体を戻しポートを通して流すことができる。パイロット圧力が負荷圧力を越えたとき、システム内の圧力を安定させ、即ち等しくする試みにおいて、圧力スプールが開放し、加圧流体を圧力ポートを通して流すことができる。かくして、本発明の非対称圧力制御バルブは、一般的には、圧力バルブ及び戻しバルブの夫々を調整する二つの独立した浮動スプールを持つバルブであると説明できる。これらのスプールは、互いに協働して作用し、アクチュエータ上に又はアクチュエータ内に作用する圧力(負荷圧力)を圧力制御バルブの制御圧力即ちパイロット圧力と同じに保持する。別の言い方をすると、負荷が任意の一つの方向に変位し、かくして負荷アクチュエータ即ちアクチュエータの圧力が変化するとき、戻しスプール及び圧力スプールが負荷アクチュエータ内の圧力を調節し、圧力制御バルブ内のパイロット圧力と同じに保持する。負荷アクチュエータ内の圧力がパイロット圧力即ち制御圧力を越えると、バルブがベントして圧力をパージし、負荷アクチュエータ内の圧力がパイロット圧力よりも低いと、バルブは加圧流体を取り入れ、圧力を一定にレギュレータのように保持する。従って、本発明の圧力制御バルブは動的圧力レギュレータと考えることができる。確かに、二つの独立したスプールは、動力学的に予め定められた固定圧力レギュレータのように機能する。これは、制御圧力即ちパイロット圧力を非常に迅速に変化させることができ、負荷圧力即ちフィードバック圧力がパイロット圧力即ち制御圧力を越えたときに安定した条件を保持するためである。これにより、システムの安全性を損なうことなく、システムのゲインを大幅に増大できる。
【0015】
更に、デュアル独立スプール非対称圧力制御バルブは、被作用負荷を持つサーボシステム又はサーボ型システムに配置された場合、速度源でなく、内在的には圧力源であるため、システムの圧力は力に変換され、この力が負荷を駆動する。従って、システム内の現在の圧力の増大により負荷内の力もまた増大する。
【0016】
詳細には、本発明は、サーボシステム内の圧力を調整するための非対称圧力制御バルブにおいて、非対称形体のバルブ本体を含み、バルブ本体の戻しバルブ作動構成要素の大きさがバルブ本体の圧力バルブ作動構成要素よりも大きく、バルブ本体には、その内部キャビティと流動学的に連通するため、戻し入口ポート、戻し出口ポート、圧力入口ポート、及び圧力出口ポートが形成されており、バルブ本体の戻しバルブ作動構成要素の内部キャビティ内に自由に支持された、戻し入口ポート及び戻し出口ポートを通る流体流れを調整するように形成された戻しスプールと、この戻しスプールから独立した、バルブ本体の圧力バルブ作動構成要素の内部キャビティ内に自由に支持された、圧力入口ポート及び圧力出口ポートを通る流体流れを調整するように形成された圧力スプールとを含み、戻しスプールの大きさは圧力スプールよりも大きく、戻しバルブ作動構成要素の大きさと対応し、圧力スプールの大きさが圧力バルブ作動構成要素と対応した、非対称圧力制御バルブに関する。
【0017】
本発明は、更に、サーボシステム内の圧力を調整するための非対称圧力制御バルブにおいて、非対称形体のバルブ本体を含み、このバルブ本体は、第1及び第2のバルブ作動構成要素であって、第1バルブ作動構成要素の大きさは第2バルブ作動構成要素よりも大きい、第1及び第2のバルブ作動構成要素と、バルブ本体の内部キャビティと流動学的に連通するため、バルブ作動構成要素に形成された様々な入口ポート及び出口ポートと、バルブ本体の第1及び第2のバルブ作動構成要素のうちの一方の作動構成要素内に自由に支持された、バルブ本体に形成された選択された入口ポート及び出口ポートを通る流体流れを調整するように形成された第1スプールと、バルブ本体の第1及び第2のバルブ作動構成要素のうちの、第1スプールを支持していない他方の作動構成要素内に自由に支持された、バルブ本体に形成された選択された入口ポート及び出口ポートを通る流体流れを調整するように形成された、第1スプールとは別個の第2スプールとを含み、第1及び第2のスプールは大きさが異なっており、各スプールの大きさは、夫々の支持バルブ作動構成要素と対応する、非対称圧力制御バルブに関する。
【0018】
本発明は、更に、非対称圧力制御バルブにおいて、バルブ本体の戻しバルブ作動構成要素内で自由に移動するように形成された浮動戻しスプールと、バルブ本体の圧力バルブ作動構成要素内で自由に移動するように形成された浮動圧力スプールとを含み、戻しスプールの大きさは圧力スプールよりも大きく、戻しバルブ作動構成要素の大きさは圧力バルブ作動構成要素よりも大きく、浮動戻しスプール及び浮動圧力スプールは構造的に互いに及びバルブ本体から独立しており、圧力制御バルブは、圧力差を解消し、パイロット圧力とフィードバック圧力とを等しくする試みにおいて、戻しスプール及び圧力スプールのうちの少なくとも一方を、戻しスプール及び圧力スプールの各々の両側に作用するパイロット圧力とフィードバック圧力との間に存在する圧力差に応じて固有に及び系統的に変位するように形成された固有フィードバックシステムを介して圧力を調整するように形成されている、非対称圧力制御バルブに関する。
【0019】
本発明は、更に、非対称圧力制御バルブにおいて、圧力入口ポート、圧力出口ポート、戻し入口ポート、及び戻し出口ポートが形成されたバルブ本体を含み、このバルブ本体は、内部キャビティを持つ戻しバルブ作動構成要素と、内部キャビティを持つ圧力バルブ作動構成要素とを含み、戻しバルブ作動構成要素の内部キャビティの断面積は圧力バルブ作動構成要素の内部キャビティよりも大きい圧力バルブ作動構成要素と、戻しバルブ作動構成要素の内部キャビティ内に配置された戻しスプールであって、戻し入口ポート及び戻し出口ポートを通る流体流れを調整するように形成されており、戻しスプールはパイロット圧力側及び負荷フィードバック圧力側を含む、戻しスプールと、圧力バルブ作動構成要素の内部キャビティ内に戻しスプールと向き合って、及び別個に配置された圧力スプールであって、戻しスプールは、半径方向大きさが、圧力スプールよりも大きく、圧力スプールは、圧力入口ポート及び圧力出口ポートを通る流体流れを調整するように形成されており、圧力スプールもまた、パイロット圧力側及び負荷フィードバック圧力側を含む、圧力スプールと、戻しバルブ作動構成要素及び圧力バルブ作動構成要素内に配置された、戻しスプール及び圧力スプールの制限位置を提供するように形成された制限手段とを含み、戻しスプール及び圧力スプールは、パイロット圧力とフィードバック圧力との間に発生した圧力差に応じて、戻し入口ポート、戻し出口ポート、圧力入口ポート、及び圧力出口ポートを固有に及び系統的に開放し、及び閉鎖するように変位でき、圧力差は、圧力差を解消する目的のため、これと同時に、戻しスプール及び圧力スプールのパイロット圧力側及び負荷圧力側の夫々に作用する、非対称圧力制御バルブに関する。
【0020】
本発明は、更に、非対称圧力制御バルブにおいて、圧力入口ポート、圧力出口ポート、戻し入口ポート、及び戻し出口ポートが形成されたバルブ本体を含み、該バルブ本体は、内部キャビティを持つ戻しバルブ作動構成要素と、内部キャビティを持つ圧力バルブ作動構成要素であって、戻しバルブ作動構成要素の内部キャビティの断面積は圧力バルブ作動構成要素の内部キャビティよりも大きい、圧力バルブ作動構成要素と、戻し入口ポート及び戻し出口ポートを通る流体流れを制御するように形成された、パイロット圧力側及びフィードバック圧力側を持つ戻しスプールと、戻しスプールとは別個の圧力スプールであって、断面積が戻しスプールよりも小さく、小さな断面積は、圧力バルブ作動構成要素と対応し、圧力スプールは、圧力入口ポート及び圧力出口ポートを通る流体流れを調整するように形成されており、圧力スプールもまた、パイロット圧力側及び負荷フィードバック圧力側を含む、圧力スプールと、戻しスプール及び圧力スプールのパイロット圧力側間にこれらのパイロット圧力側によって形成されたパイロット圧力チャンバであって、パイロット圧力チャンバ内に、戻しスプール及び圧力スプールのパイロット圧力側に作用する可変のパイロット圧力を提供するように形成されたパイロット圧力源と流体連通した、パイロット圧力チャンバと、バルブ本体に形成された、戻しスプールのフィードバック圧力側と流体連通したフィードバックポートと、バルブ本体に形成された、圧力スプールのフィードバック圧力側と流体連通したフィードバックポートと、戻し出口ポート及び圧力出口ポート及びフィードバックポートと流体連通した主流体ラインと、主流体ライン及び負荷エネルギ変換システムと流体連通した負荷供給ラインであって、負荷エネルギ変換システムは、戻しスプール及び圧力スプールのフィードバック圧力側に可変のフィードバック圧力を及ぼすように形成された可変の負荷圧力をその内部に有し、フィードバック圧力は、パイロット圧力と異なっていてもよく、かくして圧力差を発生し、この圧力差により戻しスプール及び圧力スプールを変位し、圧力入口ポート、圧力出口ポート、戻し入口ポート、及び戻し出口ポートを選択的に開放し、パイロット圧力と負荷圧力とを均衡させる目的で圧力差を解消する、負荷供給ラインと、バルブ本体の戻しバルブ作動構成要素に連結された戻しスプールストップであって、戻しスプールのフィードバック圧力側に位置決めされ、パイロット圧力がフィードバック圧力よりも高い場合に、戻し入口ポート及び戻し出口ポートが少なくとも部分的に閉鎖されるように戻しスプールの変位位置を制限するように形成された戻しスプールストップと、バルブ本体の圧力バルブ作動構成要素に連結された圧力スプールストップであって、圧力スプールのパイロット圧力側に位置決めされ、パイロット圧力がフィードバック圧力よりも低い場合に、圧力入口ポート及び圧力出口ポートが少なくとも部分的に閉鎖されるように圧力スプールの変位位置を制限するように形成された圧力スプールストップとを含む、非対称圧力制御バルブに関する。
【0021】
本発明は、更に、サーボ型システム内の圧力を調整し制御するための方法において、非対称バルブ本体を含む非対称圧力制御バルブを提供する工程であって、戻しバルブ作動構成要素の大きさが圧力バルブ作動構成要素と異なり、圧力制御バルブは、更に、バルブ本体内に自由に配置された、大きさが異なる別個の戻しスプール及び圧力スプールを含み、戻しスプール及び圧力スプールは、各々、パイロット圧力側及びフィードバック圧力側を有し、これらは、各々、バルブ本体の戻し入口ポート、戻し出口ポート、圧力入口ポート、及び圧力出口ポートの夫々を通る流体流れを調整するように形成されている、工程と、戻しスプール及び圧力スプールの夫々のパイロット圧力側にパイロット圧力を供給する工程と、戻しスプール及び圧力スプールの夫々のフィードバック圧力側にフィードバック圧力を供給する工程と、戻しスプール及び圧力スプールのパイロット圧力側及びフィードバック圧力側の前後に圧力差を発生し、かくして、圧力差を解消し、パイロット圧力とフィードバック圧力とを等しくする試みにおいて、戻しスプール及び圧力スプールのうちの少なくとも一方を圧力差に応じて変位する工程とを含む、方法に関する。
【0022】
本発明は、更に、サーボシステム又はサーボ型システム内に受動的作動を導入する方法において、負荷に連結された、前後力を負荷圧力に変換するように形成された負荷アクチュエータを提供する工程と、負荷アクチュエータと流体連通した非対称圧力制御バルブを提供する工程であって、圧力制御バルブは、大きさが異なるバルブ作動構成要素、及びこれらの大きさが異なるバルブ作動構成要素内に自由に配置された大きさが異なる別個の戻しスプール及び圧力スプールを持つ非対称バルブ本体を含み、戻しスプール及び圧力スプールは、各々、パイロット圧力側及びフィードバック側を含み、バルブ本体に形成された戻し入口ポート、戻し出口ポート、圧力入口ポート、及び圧力出口ポートの夫々を通る流体流れを、固有機械式フィードバックシステムに従って調整するように形成されている、工程と、戻しスプール及び圧力スプールの夫々のパイロット圧力側にパイロット圧力を供給する工程と、戻しスプール及び圧力スプールの夫々のフィードバック側に、負荷アクチュエータによって提供された負荷圧力と対応するフィードバック圧力を供給する工程と、パイロット圧力をフィードバック圧力よりも低くなるように操作し、圧力制御バルブを受動的作動モード即ちスラッシュモードに入れる工程とを含み、スラッシュモードでは、圧力スプールが閉鎖されており且つ戻しスプールが開放されており、かくして、流体を、圧力制御バルブと負荷アクチュエータとの間で戻し入口ポート及び戻し出口ポートを通して、直接的に前後に分流できる、方法に関する。
【0023】
本発明は、以下の説明及び特許請求の範囲を添付図面と関連して読むことにより、明らかになるであろう。添付図面は、単に本発明の例示の実施例を示すに過ぎず、従って、本発明の範囲を制限するものと考えられるべきではない。添付図面に概略に示す本発明の構成要素は、様々な形体で配置でき且つ設計できるということは容易に理解されよう。それにも拘わらず、本発明を添付図面を参照して更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、対称デュアル独立スプール圧力制御バルブの一つの例示の実施例の均衡状態の断面図である。
【図2】図2は、図1に示す例示のデュアル独立スプール圧力制御バルブの断面図であり、この図では、バルブは、パイロット圧力がフィードバック圧力よりも高いため、加圧流体をサーボ型システムに入れることができる作動状態で示してある。
【図3】図3は、図1に示す例示のデュアル独立スプール圧力制御バルブの断面図であり、この図では、バルブは、フィードバック圧力がパイロット圧力よりも高いため、圧力をサーボ型システムからパージする作動状態で示してある。
【図4】図4は、図1に示す例示のデュアル独立スプール圧力制御バルブの断面図であり、この図では、バルブは、パイロット圧力がフィードバック圧力と等しいか或いはほぼ等しい非作動状態で示してある。
【図5】図5は、別の例示の対称デュアル独立スプール圧力制御バルブの断面図であり、この図では、圧力フィードバックが戻し圧力フィードバックから外してある。
【図6A】図6Aは、環状をなして間隔が隔てられており且つバルブ本体の内壁部分から突出した一連のナッブの形態の一つの例示の制限手段の断面図である。
【図6B】図6Bは、バルブ本体の内壁部分から突出した単一のナッブの形態の別の例示の制限手段の断面図である。
【図6C】図6Cは、バルブ本体の内壁部分から突出した環状リングの形態の別の例示の制限手段の断面図である。
【図7】図7は、パイロット圧力を戻しスプール及び圧力スプールに供給するように形成された機械式圧力源を持つ対称圧力制御バルブの別の例示の実施例の断面図である。
【図8】図8は、本発明の更に別の例示の実施例による対称圧力制御バルブの断面図である。
【図9】図9は、図8を参照して説明した四つの圧力制御バルブを含む圧力制御システムの斜視断面図である。
【図10】図10は、例示の用途、即ち図9の圧力制御システムを使用する動力外骨格の脚部の一部の側断面図である。
【図11】図11は、本発明の更に別の例示の実施例による圧力制御バルブの断面図である。
【図12】図12は、本発明の例示の実施例による非対称圧力制御バルブの断面図である。
【図13】図13は、本発明の別の例示の実施例による非対称圧力制御バルブの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の例示の実施例を、本願の一部を形成する添付図面を参照して以下に詳細に説明する。添付図面には、本発明の例示の実施例が図解として示してある。これらの例示の実施例は、当業者が本発明を実施するのに十分に詳細に記載してあるけれども、この他の実施例を実施してもよく、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、本発明に様々な変更を加えてもよいということは理解されるべきである。かくして、本発明の実施例の以下の更に詳細な説明は、本発明の範囲を特許請求に記載されたように限定しようとするものではなく、単に例示の目的で提供されるものであって、本発明の特徴を限定するものではなく、本発明の最良の作動モードを説明し、当業者が本発明を実施できるようにする上で十分である。
【0026】
以下の詳細な説明及び本発明の例示の実施例は、本発明のエレメント及び特徴に、全図に亘って参照番号を付した添付図面を参照することによって最もよく理解されるであろう。
【0027】
先ず、「バイラテラル(bulateral)制御」 又は「バイラテラル圧力調整」という用語は、本明細書中で使用されているように、単一の圧力制御バルブで二方向圧力調整を行う性能と理解されるべきであり、圧力制御バルブが、アクチュエータピストンの両側に設けられたアクチュエータ内に作用する圧力の調整及び制御を行うことができ、これによってピストンを変位し、及び従って負荷を双方向に駆動するということを意味する。
【0028】
本明細書中で使用した「圧力差(pressure differential)」 及びこれと同様の用語は、パイロット圧力と負荷圧力との間でシステム内に存在する不均衡状態を意味し、又はこのような状態に関すると理解されるべきである。幾つかの実施例では、「圧力差」は、負荷圧力とパイロット圧力との間の圧力の大きさの単なる差を意味する。他の実施例、即ち負荷/力の変換又は増倍を行うために面積の減少を使用する実施例では、「圧力差」は、バルブ本体、アクチュエータ、及び任意の液圧増倍を考慮に入れた、負荷圧力とパイロット圧力との間に存在する圧力の非比例的な差を意味する。
【0029】
「負荷圧力」という用語は、本明細書中で使用されているように、負荷が発生した、又は負荷が加えた圧力から、アクチュエータ機構自体の内部での摩擦又は損失を差し引いた、負荷アクチュエータ内に作用する圧力を意味するものと理解されるべきである。負荷圧力は、影響を直接的に及ぼし、フィードバック圧力を決定する。
【0030】
「フィードバック圧力」という用語は、本明細書中で使用されているように、独立した戻しスプール及び圧力スプールのフィードバック圧力側に作用する圧力を意味するか或いは、面積の減少/増大及び流体圧力の増倍/分割が行われる場合にこれらの面積の減少/増大及び流体圧力の増倍/分割の後の負荷圧力によって決まる圧力を意味するものと理解されるべきである。フィードバック圧力は、幾つかの場合には、負荷圧力と等しい。
【0031】
「アクチュエータ」又は「負荷アクチュエータ」という用語は、本明細書中で使用されているように、流体エネルギを機械的エネルギ等の使用可能なエネルギに変換できる任意のシステム又はデバイスを意味するものと理解されるべきである。負荷アクチュエータの代表的な例は、負荷に連結された液圧アクチュエータであり、この場合、液圧アクチュエータは、液圧流体源から加圧液圧流体を受け取り、これを機械的仕事又は負荷を駆動するのに十分な力に変換する。
【0032】
「ダングル移動(dangle)」という用語は、本明細書中で使用されているように、負荷に作用する非作動力(例えば、外部力や運動量等により発生した運動エネルギを使用する力)に応じた、負荷のいずれかの方向への自由揺動と理解されるべきである。この場合、負荷をいずれかの方向に移動する能動的入力が流体制御システムから提供されることなく(この状態を受動的不動態(passive passivity) と呼んでもよい)、負荷の移動が生じる。ダングル移動又は自由揺動は、「スラッシュモード(slosh mode)」で作動する本発明の様々な圧力制御バルブによって可能となる。
【0033】
「スラッシュ」又は「スラッシュモード」という用語は、本明細書中で使用されているように、拮抗的(antogonistic)圧力制御バルブの受動的バルブ作動状態を意味するものと理解されるべきである。この状態では、各バルブのパイロット圧力即ち制御圧力は、負荷圧力即ちフィードバック圧力及び戻しリザーバ圧力の両方よりも下に維持され、かくして、各バルブの戻しスプールを開放位置に変位し、この開放位置に維持する。パイロット圧力が負荷圧力即ちフィードバック圧力及び戻しリザーバ圧力の両方よりも低く、戻しスプールが開放位置にある状態で、局所的流体を、負荷及びかくしてアクチュエータの移動に応じて、負荷アクチュエータ間で、圧力制御バルブの開放状態の戻しポートを通して分流でき、即ち前後に揺り動かすことができる。局所的流体の分流は、ほとんど又は全く抵抗なしに行われ、かくしてシステムのインピーダンスを改善する。更に、上述のように、局所的流体を単に前後に分流するというのは、システムが、アクチュエータ、圧力制御バルブ、及びこれらを連結する様々な流体ライン内に存在する流体を使用するだけであって、作動を可能にする上で加圧流体を積極的に必要としないということを意味する。圧力供給源内の流体は使用も希釈もされず、かくしてシステムの効率を大幅に改善する。
【0034】
スラッシュモードでは、アクチュエータ及び負荷のいずれかの方向での動的作用に影響を及ぼす上で、従来の関連したサーボシステム及び流体制御システムにおけるように加圧流体からの能動的入力(例えば動力)を必要としない。確かに、従来の関連したシステムは、幾分受動的であるに過ぎず、このことは、負荷を一方の方向又は両方向に作動する上で或る程度の能動的動力即ち加圧流体を必要とするということを意味する。この従来技術の状態を「能動的不動態(active passivity)」と呼ぶ。これは、システムが受動的であるように見えるけれども、実際には、僅かではあるにせよ能動的であるためである。
【0035】
他方、本発明の圧力制御バルブは、受動的不動態が可能である。「受動的不動態」というのは、加えられた外部条件又は内部条件に応じて、パイロット圧力の作動やパイロット圧力を制御するサーボモータの作動以外のシステムからの能動的入力又は影響なしに負荷を移動即ち「ダングル移動」できる、サーボシステム又はサーボ型システムに含まれる本発明の圧力制御バルブの性能に関する。更に詳細には、受動的不動態は、アクチュエータ又は負荷の移動又は作動を可能にする上で供給リザーバからの加圧流体を全く必要としない。
【0036】
「出力圧力」という用語は、本明細書中で使用されているように、アクチュエータとともに作動できる圧力制御バルブからの圧力出力を意味するものと理解されるべきであり、出力圧力はアクチュエータに供給され、アクチュエータ内の作動力に変換される。
【0037】
本発明は、全体として、サーボシステム又はサーボ型システム内で機能する作動可能な負荷の動力学を制御するための方法及びシステムを説明する。負荷の動力学は、固有圧力調整(intrinsic pressure regulation) を提供するように形成された独特の圧力制御バルブ(以下、「PCV」と呼ぶ)によって制御される。従来の流れ制御バルブとは異なり、本発明のPCVは、十分に高いゲイン、及び従って、不安定になることなく、柔らかく且つ良好な性能を提供することによって、良好な動力学的性能を提供する。確かに、本発明のPCVは、従来の流れ制御バルブにおけるように速度制御を行うのでなく、力の制御を提供する。
【0038】
性能のために動的圧力レギュレータとも呼ばれるPCVは、システム全体内で作用する、制御圧力即ちパイロット圧力と負荷即ち負荷圧力との間の圧力を調整するため、互いに物理的に独立しており、バルブ本体内に自由に支持された二つのスプールを使用するという点で独自である。PCVの二つのスプールは、互いに物理的に独立しているけれども、システム内に均衡状態を維持する試みにおいて、即ちアクチュエータに又はアクチュエータ内に作用する圧力(負荷圧力)を制御圧力即ちパイロット圧力と同じに保持するため、互いに協働して機能する。更に、圧力の調整及び制御は、これらの二つのスプールの形体及び機能のため、及び固有のフィードバックシステムのため、PCVに固有であり、かくして使用者が電子的に又は機械的に制御するフィードバックシステムに対する必要をなくす。
【0039】
PCVは、負荷圧力(即ちフィードバック圧力)とパイロット圧力との間に存在する圧力差に応じて機能する固有フィードバックシステムを介して作動し、及び従って圧力を調整する。この場合、負荷圧力又はパイロット圧力の一方又は両方の変化によって圧力差が発生する。PCV内に自由に配置された二つの独立スプール、即ち圧力スプール及び戻しスプールは、夫々の圧力ポート及び戻しポートを通して流体流れ及び従って圧力を調整するように機能する。これによって、システムに入力される加圧流体並びにシステムから流体リザーバに戻る流体を系統的に制御する。PCVの作動というのは、圧力差をなくし、パイロット圧力とフィードバック即ち負荷圧力との間に均衡状態を回復するための、スプールの少なくとも一方又は両方の、圧力差に応じた固有作動を意味する。PCVの形体のため、二つの独立したスプールは、内部パイロット圧力及び/又は負荷圧力との圧力差に対し、変位によって固有に及び系統的に応答し、圧力ポート又は戻しポート又はこれらのポートの両方を通る流体流れ及び更に詳細には圧力を調整する。詳細には、負荷圧力がパイロット圧力を越えたとき、戻しスプールが変位して戻しポートを開放し、かくして、システム内に圧力均衡を維持する試みにおいて、システム内の圧力を解放する。逆に、パイロット圧力が負荷圧力を越えたとき、圧力スプールが変位して圧力ポートを開放し、かくして、システム内に圧力均衡を維持する試みにおいて、システム内の圧力を上昇する。別の特徴では、システム内の圧力を調整し、所定のシステム圧力状態を達成するため、戻しポート及び圧力ポートが同時に部分的に開放及び/又は閉鎖されていてもよい。
【0040】
パイロット圧力が圧力スプールを押圧して圧力ポートを開放し、かくして加圧流体をシステムに流入できる場合には、PCVは、結果的に生じた圧力をアクチュエータに伝達し、このアクチュエータが圧力を力に変換し、負荷を駆動する。外力が負荷に加わり、かくしてシステム内の負荷圧力が上昇する場合には、アクチュエータがこの力を変換して圧力にする。この場合、上昇した圧力によりPCVの戻しスプールを変位して戻しポートを開放し、パイロット圧力と負荷圧力との間に均衡状態を維持する試みにおいて、圧力をシステムからパージする。更に、PCVは、負荷が、負荷自体の重量で、又は外力に応じて自由に移動し又は揺動する(本明細書中、ダングル移動と呼ぶ)性能を提供するように形成されている。これは、パイロット圧力を選択的に低下し、フィードバック圧力よりも低くすることによって行われ、その結果、戻しスプールが変位して戻しポートを開放し、かくして、システムの圧力損失を減少し、流体をアクチュエータと圧力制御バルブとの間、及び/又は随意であるが、戻し流体リザーバとの間で前後に揺り動かし、即ち分流できる。上述の特徴の各々を以下に更に詳細に論じる。
【0041】
幾つかの実施例では、及び特定のシステムパラメータで、PCVは、加圧された主流体リザーブをほとんど使用せずに、又は薄めることなく作動する。これは、加圧流体の制御及びリザーバへの流体の戻しの夫々を制御するための別々の独立した圧力スプール及び戻しスプールを提供することによって行われる。更に、別々の独立したスプールにより、面積比液圧増倍(area ratio hydraulic multiplication) を、アクチュエータのところでなく、バルブのところで行うことができ、かくして、液圧システムの力出力を増減するために最少量の加圧流体しか必要としない。これにより、従来の関連したシステムで行われているように大量の流体を必要とするのでなく、主に流体の消費を抑え、主圧力源を保存することと関連した、サーボシステム又はサーボ型システムを形成する。面積比がバルブのところで変化する場合には、アクチュエータによるデリケートな動きは全流体供給を使用せず、その代わりに従来のサーボシステムで使用される流体の数分の一を使用する。換言すると、特定のシステムパラメータの下で二つの独立スプールバルブが、流体を、一つ又はそれ以上のアクチュエータのリターン及び一つ又はそれ以上の圧力制御バルブを通して、主圧力源とは独立して、及び/又は主圧力源の大きな影響を及ぼすことなく、流すことができるのである。
【0042】
本発明のPCVは、従来の関連した圧力制御バルブを越える幾つかの利点を提供する。第1の利点は、システムが、流れの制御及び調整でなく、圧力の制御及び調整に的を絞っているということである。確かに、流れの制御は、本発明では二義的な配慮である。第2の利点は、フィードバックシステムが内在的であるため、PCVは、不安定になることなく、かなり高い帯域幅で作動できるということである。第3の利点は、PCVがスラッシュモードに入るため、エネルギ効率が大幅に改善するということである。第4の利点は、ループトルクが高度に制御されるため、システムは、動的挙動の改善を示すことができるということである。換言すると、PCVの形体のため、システムは、大幅に改善された高トルクループゲインを安定性を以て達成できるのである。第5の利点は、PCVにより、システムは、高トルクループゲインを達成できると同時に、ダングル性能を提供できるということである。これは、受動的運動性能の改善又は向上である。第6の利点は、主加圧流体リザーブを使用せずに、又は薄めることなく、PCVを選択された時期に作動できるということである。換言すると、PCVは、主圧力源を乱すことなく、その代わりに流体の流れを主圧力源から独立して取り扱うことによって、主圧力源を保存するのである。第7の利点は、PCVは、安定した状態のまま、高帯域幅の高い負荷を吸収するシステムの性能を提供するということである。本明細書中に特定的に記載していないこの他の利点は、当業者には明らかになるであろう。このように、本明細書中に特定的に記載した利点は、何らかの方法で限定を行うものと解釈されるべきではない。
固有調整圧力制御バルブ
図1を参照すると、この図には、本発明のバルブシステム、即ちデュアル独立スプール圧力制御バルブの一つの例示の実施例の長さ方向断面に沿った断面図が示してある。詳細には、図1は、液圧システム等の閉ループシステム内の圧力を調整するように形成されたデュアル独立スプール圧力制御バルブ(PCV)10を示す。図示の例示の実施例では、PCV10は、戻し入口ポート14、戻し出口ポート16、圧力入口ポート18、圧力出口ポート20、戻しフィードバックポート22及び圧力フィードバックポート24の形態の第1及び第2のフィードバックポート、及びパイロット圧力ポート26が形成されたインライン線型構造を持つバルブ本体12を含む。PCV10は、更に、二つの独立したスプール、即ち戻しスプール40及び圧力スプール50を含む。これらのスプールは、バルブ本体12内にバルブ本体12の長さ方向軸線を中心として共通して配置されている。戻しスプール40及び圧力スプール50は、バルブ本体12内に自由に配置されており且つ支持されており、スプールストップ34、44、54、及び58等の一つ又はそれ以上の制限手段によって移動が制限されている。
【0043】
図示のように、バルブ本体12のこの特定の実施例は円筒形のチューブ状構造を持ち、バルブ本体12の壁セグメントによって内部キャビティ60が形成されている。内部キャビティ60は、戻しスプール40及び圧力スプール50の各々を収容し、これらのスプールの変位を受け入れるように形成されている。確かに、内部キャビティ60の直径又は断面積は、戻しスプール40及び圧力スプール50の直径又は断面積よりも僅かに大きく、かくして、戻しスプール40及び圧力スプール50は、キャビティ内で双方向に移動でき、バルブ本体12の壁セグメントの内側面に対し、必要とされるように、適切にシールされる。戻しスプール40及び圧力スプール50に対する内部キャビティ60の大きさは、これらの戻しスプール40及び圧力スプール50を内部キャビティ60内で前後に変位させたとき、戻しスプール40及び圧力スプール50が内部キャビティ60内でそれらの配向を維持できるようになっている。
【0044】
内部キャビティ60及び戻しスプール40及び圧力スプール50は、シール関係を形成するような形体を備えていてもよい。本質的には、バルブ本体12、及び特に内部キャビティ60の内部には様々なチャンバが形成されている。図1に示すように、バルブ本体12は、戻しスプール40と圧力スプール50との間の距離又は領域によって形成されたパイロット圧力チャンバ28と、戻しスプール40とバルブ本体12の一方の端部との間の領域によって形成された戻しフィードバックチャンバ62と、圧力スプール50とバルブ本体12の反対側の端部との間の領域によって形成された圧力フィードバックチャンバ68とを含む。これらのチャンバの各々は、PCVの作動中の戻しスプール40及び圧力スプール50の一方又は両方の変位に応じて大きさが変化する。チャンバ62及び68は、戻しスプール40及び圧力スプール50とバルブ本体12の壁の内側面との相互作用によって、パイロット圧力チャンバ28からシールされている。
【0045】
戻しスプール40及び圧力スプール50とバルブ本体12との間に提供されたシール関係は、望ましからぬ流体クロストーク及び圧力漏れをなくすことによって、システムの一体性を維持するように機能する。戻しスプール40及び圧力スプール50は、当該技術分野で周知の手段を使用してバルブ本体12に対してシール関係を形成する。図1の実施例では、非常に密な製造許容差を使用することによって、内部漏れが非常に低い受容可能なシールが形成される。この方法は、戻しスプール40及び圧力スプール50とバルブ本体12との間の摩擦を非常に小さくする。しかしながら、どのような種類のシールを使用しようとも、戻しスプール40及び圧力スプール50は、パイロット圧力及び負荷即ちフィードバック圧力を等しくする試みにおいて、システム内に作用する圧力差に応じて変位するように形成されていなければならない。
【0046】
戻しスプール40及び圧力スプール50の幾何学的形体又は形状は、両方とも、バルブ本体12の内部キャビティ60の幾何学的形体又は形状と一致する、又は実質的に一致する。図示のように、戻しスプール40及び圧力スプール50は、全体に円筒形形状であり、二つのランド及びこれらのランド間の凹所並びに第1及び第2の側部を有する。詳細には、図1に示す実施例では、戻しスプール40は、パイロット圧力側42、フィードバック圧力側46、第1ランド72、第2ランド74、及びランド72と74との間を延びる凹所82を含む。圧力スプール50もまた、同様の幾何学的形体又は設計を有し、パイロット圧力側52、フィードバック圧力側56、第1ランド76、第2ランド78、及びランド76と78との間を延びる凹所84を含む。
【0047】
上述のように、戻しスプール40のフィードバック側46は戻しフィードバックチャンバ62と流体連通しており、パイロット圧力側42はパイロット圧力チャンバ28と流体連通している。ランド72及び74は、バルブ本体12の内壁面に対してシールできるように、適当な直径又は断面積を有する。シールされた状態で、及び戻しスプール40の変位中、ランド72及び74は、フィードバックチャンバ62と、凹所82と、パイロット圧力チャンバ28との間の流体連通即ち流体クロストークを最小にする。更に、ランド72及び74は、凹所82とともに機能する。これは、凹所82の直径がランド72及び74よりも小さく、戻し入口ポート14を通って出口ポート16に至る流体の適正な流れを促すためである。確かに、これらのポートが開放した状態では、流体は、戻し入口ポート14を通って、PCV10に流入し、戻しスプール40の凹所82を通過し、戻し出口ポート16から出る。
【0048】
更に、上述のように、圧力スプール50のフィードバック側56は圧力フィードバックチャンバ68と流体連通しており、圧力スプール50のパイロット圧力側52はパイロット圧力チャンバ28と流体連通している。ランド76及び78もまた、バルブ本体12の内壁面に対してシールできるできるように、適当な直径又は断面積を有する。シールされた状態で、及び圧力スプール50の変位中、ランド76及び78は、フィードバックチャンバ68と、凹所84と、パイロット圧力チャンバ28との間の流体連通即ち流体クロストークを最小にする。更に、ランド76及び78は、凹所84とともに機能する。これは、凹所84の直径がランド76及び78よりも小さく、圧力入口ポート18を通って圧力出口ポート20に至る流体の適正な流れを促すためである。確かに、これらのポートが開放した状態では、流体は、圧力入口ポート18を通ってPCV10に流入し、圧力スプール50の凹所84を通過し、圧力出口ポート20から出る。
【0049】
PCV10及び特にバルブ本体12は、更に、PCV10を通る流体流れを促すように機能する、内部キャビティ60と連通する幾つかのポートを含む。図示の実施例では、バルブ本体12には、戻しスプール40及び圧力スプール50の位置によって調整される幾つかの入口ポート及び出口ポートが形成されている。詳細には、バルブ本体12には戻し入口ポート14及び戻し出口ポート16が設けられており、負荷圧力がパイロット圧力を越えたとき、戻しスプール40が変位し、これにより、これらのポートが開放し、流体をこれらのポートを通して流し、PCV10及び圧力が作用するシステムから圧力を逃がす。バルブ本体12は、更に、圧力入口ポート18及び圧力出口ポート20が設けられており、パイロット圧力が負荷圧力を越えたとき、圧力スプール50が変位し、これによりこれらのポートが開放し、これらのポートを通して流体を流し、PCV及び圧力が作用するシステムに圧力を入力する。
【0050】
バルブ本体12に沿った、及び戻しスプール40及び圧力スプール50に関する、戻し入口ポート14、戻し出口ポート16、圧力入口ポート18、及び圧力出口ポート20の相対的な位置は、戻し入口ポート14及び戻し出口ポート16が開放又は部分的に開放したとき、圧力入口ポート18及び圧力出口ポート20が閉鎖され、又は部分的に閉鎖されるような、又はこの逆が行われるような位置である。かくして、PCV10及び更に詳細には戻しスプール40及び圧力スプール50及び戻し入口ポート14、戻し出口ポート16、圧力入口ポート18、及び圧力出口ポート20は、こうした状態が得られるように形成されており、かくしてPCVが、所期の通り、システム内に作用する圧力に応じて機能できるようにする。本明細書中に例示し且つ説明した特定の設計以外の他の設計変更でもこうした状態をが満たされるということは当業者には理解されよう。
【0051】
図1に示す実施例では、戻し入口ポート14及び戻し出口ポート16は、バルブ本体12内に位置決めした戻しスプール40によって閉鎖された状態で示してある。圧力入口ポート18及び圧力出口ポート20もまた、バルブ本体12内に位置決めした圧力スプール50によって閉鎖された状態で示してある。この状態即ち作動形体は、負荷圧力(即ちフィードバック圧力)及びパイロット圧力が等しいということを示す。この状態では、システムはバランスがとれており、均衡状態にある。換言すると、戻しスプール40又は圧力スプール50のいずれかを変位する圧力差がシステム内に存在しないため、PCV10は静止状態にある。確かに、圧力は、圧力ポート18及び20を通してシステムに入力されていないし、戻しポート14及び16を通してシステムから排出されてもいない。これは、システムが、同等のパイロット圧力と負荷圧力との間でバランスがとれているためである。かくして、PCVの制御を受ける負荷は静止した状態にある。
【0052】
戻し入口ポート14は、戻しスプール40の凹所82、及び液圧アクチュエータ(図示せず)等の負荷アクチュエータと流動学的に連通する。これとは対象的に、戻し出口ポート16は、戻しスプール40の凹所82、及び主戻しリザーバ(図示せず)と流動学的に連通する。これらの様々な戻しポート間の流体連通は、以下に更に詳細に論じるように、戻しスプール40によって制御される。しかしながら、負荷圧力(即ちフィードバック圧力)がパイロット圧力を越えたとき、戻しスプール40が変位し、戻し入口ポート14及び戻し出口ポート16を開放し、かくして、流体が戻し入口ポート14を通って戻しスプール40の凹所82に流入し、次いで戻し出口ポート16を通って主戻しリザーバに向かい、システムから圧力を放出するということは理解されよう。均衡状態に達すると、戻しスプール40が変位して戻しポート14及び16を閉鎖する。
【0053】
本発明の独特の特徴の一つは、システムの制御圧力即ちパイロット圧力を低下し、戻しスプール40及び戻し入口ポート14及び戻し出口ポート16を開放するのに十分な所定レベルに維持してもよいということである。このモードでは、PCV10は、流体を負荷アクチュエータ(液圧アクチュエータ)と戻しリザーバとの間で前後に揺り動かしたり分流したりするように機能できる。これは、戻し入口ポート14及び戻し出口ポート16を通して、負荷の移動に従って行われる。これにより、負荷をいずれかの方向に駆動するのに能動的入力を全く必要とせずに、負荷を効果的に自由揺動でき即ちぶらぶらさせることができる。PCV10がスラッシュモードにある場合の、ぶらぶらさせること即ちダングル移動(dangling)の概念を以下に詳細に論じる。
【0054】
圧力入口ポート18は、圧力スプール50の凹所84及び加圧流体源(図示せず)と流動学的に連通している。これとは対象的に、圧力出口ポート20は、圧力スプール50の凹所84及びアクチュエータと流動学的に連通している。これらの様々なポート間の流体連通は、圧力スプール50によって、以下に詳細に説明するように制御される。しかしながら、パイロット圧力が負荷(又はフィードバック)圧力を越えたとき、圧力スプール50が変位し、圧力入口ポート18及び圧力出口ポート20を開放し、かくして加圧流体が圧力入口ポート18を通って圧力スプール50の凹所84に流入でき、次いで圧力出口ポート20を通過し、圧力を負荷アクチュエータに供給し、この負荷アクチュエータが、上昇した圧力を力に変換し、負荷を能動的に駆動するということは理解されよう。
【0055】
更に、バルブ本体12には、対応するパイロット圧力即ち制御圧力の加圧流体を受け取ってこれをパイロット圧力チャンバ28内に差し向けるパイロット圧力ポート26が形成されている。パイロット圧力ポート26は、加圧流体をポンプ等の流体源からパイロット圧力チャンバ28に供給するように形成されたパイロットバルブ(図示せず)と流動学的に連通している。パイロット圧力ポート26を通してパイロット圧力チャンバ28に入力された加圧流体(かくしてパイロット圧力即ち制御圧力)は、戻しスプール40のパイロット圧力側42及び圧力スプール50のパイロット圧力側52に作用するように機能し、戻しスプール40及び圧力スプール50の変位に影響を及ぼし、これらのスプールを互いから遠ざける。更に、パイロット圧力チャンバ28に入力されたパイロット圧力は、フィードバックシステムを通して戻しスプール40及び圧力スプール50に作用する負荷又はフィードバック圧力に逆らうように機能する。このように、パイロット圧力は、PCV10及びシステムに対して制御圧力として機能する。確かに、戻しスプール40及び圧力スプール50の変位及び従ってシステム内の圧力を制御するため、パイロット圧力を負荷圧力に対して選択的に上昇したり減少してもよく、又は一定に保持してもよい。パイロット圧力は、非常に迅速に変化させることができ、これにより、PCV10は、圧力が動的に所定の圧力に固定された圧力レギュレータのように作動できる。
【0056】
パイロット圧力チャンバ28の大きさは、パイロット圧力の大きさに従って、及びフィードバックシステムを通して作用する負荷圧力に抗するバルブ本体12内での戻しスプール40及び圧力スプール50の結果的変位位置に従って変化できるということは理解されよう。かくして、パイロット圧力チャンバ28の大きさの変化は、パイロット圧力と負荷即ちフィードバック圧力との間の関係の関数である。戻しスプール40及び圧力スプール50が、負荷圧力の大きさに拘わらず互いに接触しないようにされているため、パイロット圧力チャンバ28は、常にPCV10内に存在するということもまた理解されよう。確かに、戻しスプール40及び圧力スプール50は、バルブ本体12の端部が提供する限度並びにバルブ本体12の内部キャビティ60内に戦略的に配置された様々な手段によって、変位可能距離が制限されている。
【0057】
これらの制限手段は、戻しスプール40及び圧力スプール50の各々がバルブ本体12内で許容された変位距離を制御するようになっている。更に詳細には、制限手段は、PCV10の様々な作動状態又は作動モード中、各スプールに対して所定の作動位置を確立するように機能する。制限手段の一つの例示の形態は、バルブ本体12内でのスプールの望ましからぬ変位を阻止するため、バルブ本体12の内部キャビティ60内に戦略的に位置決めされた複数のスプールストップである。図1は、これらを、ストップ34、44、54、及び58として示す。戻しスプール40及び圧力スプール50は、スプールストップ34及び54のため、互いに接触できない。スプールストップ34は、戻しスプール40がパイロットポート26を決して閉鎖できないように戻しスプール40の移動を制限し、スプールストップ54は、同様の理由により、圧力スプール50の移動を制限する。かくして、パイロット圧力チャンバ28は常に存在し、流体をパイロット圧力源からパイロット圧力ポート26を通して受け取るためにアクセスできる。
【0058】
バルブ本体12の第1端に形成された戻しフィードバックポート22は、液圧アクチュエータ等の負荷アクチュエータを含む負荷アクチュエータ(図示せず)と戻しフィードバックチャンバ62及びこのフィードバックチャンバ62の一つの境界として機能する戻しスプール40のフィードバック圧力側46との流体連通を容易にする。かくして、負荷アクチュエータからの流体は、戻しフィードバックポート22を通ってフィードバックチャンバ62に流入でき、これによってフィードバック圧力を戻しスプール40のフィードバック圧力側46に連通する。フィードバックチャンバ62は所定の直径即ち断面積を有し、負荷圧力を、戻しスプールに及ぼされるべきフィードバック力に変換する。
【0059】
戻しフィードバックチャンバ62内のフィードバック圧力がパイロット圧力チャンバ28内のパイロット圧力よりも高い場合には、戻しスプール40は、スプールストップ34と接触するまでパイロット圧力チャンバ28の中心に向かって変位し、かくして戻し入口ポート14及び戻し出口ポート16を開放し、アクチュエータ圧力を解放し低下するということは理解されよう。逆に、フィードバックチャンバ62内のフィードバック圧力がパイロット圧力チャンバ28内のパイロット圧力よりも低い場合には、戻しスプール40は、バルブ本体12の端部に向かってパイロット圧力チャンバ28から遠ざかる方向に、スプールストップ44と接触するまで変位する。この位置では、戻し入口ポート14及び戻し出口ポート16は閉鎖され、これによりシステム圧力を上昇できる。戻しスプール40は、フィードバックチャンバ62内の圧力が、パイロット圧力チャンバ28内のパイロット圧力を再び越えるまで、この位置を維持する。
【0060】
同様に、バルブ本体12の第2端に形成された圧力フィードバックポート24は、負荷アクチュエータ(図示せず)と、圧力フィードバックチャンバ68及びこのフィードバックチャンバ68の一つの境界として機能する圧力スプール50のフィードバック圧力側56との流体連通を容易にする。かくして、流体が負荷アクチュエータから圧力フィードバックポート24を通ってフィードバックチャンバ68に流入でき、これによってフィードバック圧力を圧力スプール50のフィードバック圧力側56に連通する。フィードバックチャンバ68は、所定の直径又は断面積を有し、負荷圧力を、圧力スプール50に及ぼされるべきフィードバック力に変換する。
【0061】
圧力フィードバックチャンバ68内のフィードバック圧力がパイロット圧力チャンバ28内のパイロット圧力よりも高い場合、圧力スプール50は、スプールストップ54と接触し、かくして圧力入口ポート18及び圧力出口ポート20を閉鎖するまでパイロット圧力チャンバ28の中心に向かって変位するということは理解されよう。圧力スプール50は、負荷圧力及びパイロット圧力が等しくなるまでこの位置を維持する。逆に、フィードバックチャンバ68内のフィードバック圧力がパイロット圧力チャンバ28内のパイロット圧力よりも低い場合には、圧力スプール50は、バルブ本体12の端部に向かってパイロット圧力チャンバ28から遠ざかる方向に変位し、かくして圧力入口ポート18及び圧力出口ポート20を開放し、システム圧力を上昇する。圧力スプール50は、フィードバックチャンバ68内の圧力が再びパイロット圧力チャンバ28内のパイロット圧力を越えるまでこの位置を維持する。フィードバックチャンバ68内の圧力が再びパイロット圧力チャンバ28内のパイロット圧力を越えたとき、圧力入口ポート18及び圧力出口ポート20が閉鎖される。
【0062】
上文中に論じたように、制限手段、即ちスプールストップ34、44、54、及び58の夫々は、バルブ本体12の内部キャビティ60内での戻しスプール40及び圧力スプール50の移動を制限するように形成されている。更に詳細には、これらの制限手段は、戻しスプール40及び圧力スプール50が戻し入口ポート14、戻し出口ポート16、圧力入口ポート18、及び圧力出口ポート20、並びにパイロット圧力ポート26に関して適正に変位し整合するのを確実にするように形成されている。上文中に説明したように、スプールストップ34及び54は、戻しスプール40及び圧力スプール50の互いに向かう移動を制限する。詳細には、スプールストップ34は、戻しスプール40がパイロット圧力ポート26を閉鎖できないように位置決めされている。スプールストップ34は、更に、戻し入口ポート14及び戻し出口ポート16と戻しフィードバックポート22との間の流体連通を阻止する。
【0063】
スプールストップ44は、図示のように、バルブ本体12の端部に向かう戻しスプール40の変位を制限する。詳細には、スプールストップ44は、戻しスプール40がスプールストップ44と接触したとき、戻し入口ポート14及び戻し出口ポート16が閉鎖されるように位置決めされている。更に、スプールストップ44の位置は、戻し入口ポート14及び戻し出口ポート16とパイロット圧力チャンバ28との間の流体連通を阻止するということは理解されよう。
【0064】
スプールストップ54は、戻しスプール40及びパイロット圧力チャンバ28に向かう圧力スプール50の移動を制限する。詳細には、スプールストップ54は、圧力スプール50がスプールストップ54と接触したときに圧力入口ポート18及び圧力出口ポート20が閉鎖されるように位置決めされる。スプールストップ54は、圧力入口ポート18及び圧力出口ポート20と圧力フィードバックポート24との流体連通を阻止する。
【0065】
スプールストップ58は、図示のように、バルブ本体12の端部に向かう圧力スプール50の変位を制限する。詳細には、スプールストップ58は、圧力スプール50がスプールストップ58と接触したときに圧力入口ポート18及び圧力出口ポート20が閉鎖されるように位置決めされる。更に、スプールストップ58の位置は、圧力入口ポート18及び圧力出口ポート20とパイロット圧力チャンバ28との間の流体連通を阻止するということは理解されよう。
【0066】
上述のように、PCV10は、二つの独立スプール、即ち戻しスプール40及び圧力スプール50を含む。これらのスプールは、好ましくは、バルブ本体12の内部キャビティ60内に自由に配置され、又は支持される。自由に支持されるというのは、スプールが互いに、又は機械的作動手段又は支持手段等の任意の他の構造又はデバイスに取り付けられていないということを意味する。換言すると、スプールはバルブ本体内で浮動し、これらのスプールの移動即ち変位は、これらのスプールに作用する圧力及びバルブ本体12に配置された任意の制限手段のみによって拘束されるのである。一つの特徴では、戻しスプール40及び圧力スプール50は質量が小さいスプールである。しかしながら、スプールの質量は、用途に応じて変化してもよい。
【0067】
戻しスプール40及び圧力スプール50は、バルブ本体12内で互いに独立して作動するようになっている。「独立した」という用語又は「独立して制御され、作動される」という言い回し、又は任意のこの他の同様の用語及び言い回しは、本明細書中、二つのスプールが個々に又は別個に作動され、又は制御され、これらのスプールが互いに相互連結されておらず、相互依存していないということを意味しようとするものである。これは、更に、戻しスプール40及び圧力スプール50が、任意の所与の時期に、システム内に作用する固有圧力パラメータに応じて、何らかの機械制御式の又は電気作動式のデバイス又はシステムによるのでなく、変位し、又は変位されるということを意味する。更に詳細には、PCVは、PCVを含むシステム内の圧力を、PCVに固有の即ち内在的な圧力フィードバックシステムに従って調整するようになっており、圧力差を解消しようとする試みにおいて、戻しスプール40及び圧力スプール50を、システム内で発生する又はシステム内に作用する圧力差に従って変位させ、パイロット圧力と負荷即ちフィードバック圧力とを等しくする。図1の実施例では、戻しスプール40及び圧力スプール50の外側面に作用する負荷又はフィードバック圧力が、戻しスプール40及び圧力スプール50の内側面に同時に作用するパイロット圧力と異なる場合に圧力差が存在する。戻しスプール40及び圧力スプール50の両側に作用するこれらの二つの圧力が異なるため、及び優勢圧力に応じて、戻しスプール40及び圧力スプール50が変位し、適当なポートを開閉し、これによりシステム圧力全体のバランスをとるのに必要な流体流れを促し又は遮断し、又は、負荷アクチュエータ内の負荷圧力とパイロット圧力とのバランスをとろうとする。
【0068】
PCV10では、戻しスプール40及び圧力スプール50のフィードバック圧力側に作用するフィードバック圧力の大きさが、戻しスプール40及び圧力スプール50のパイロット圧力側に作用する圧力と異なる場合に圧力差が生じる。この圧力差は、負荷圧力又はパイロット圧力のうちの大きい方の方向に生じる。いずれにせよ、戻しスプール40及び圧力スプール50は、パイロット圧力と負荷圧力即ちフィードバック圧力とを均衡状態に戻す試みにおいて、圧力差に応じて変位するように設計されている。しかしながら、パイロット圧力は、特定的に及び選択的に制御されるため、所定の持続時間に亘って所定の圧力差を発生できる。かくして、システム内の圧力を上昇する必要がある場合には、パイロット圧力を、負荷即ちフィードバック圧力を越えるように選択的に操作し、かくして圧力スプール50を変位させ、圧力入口ポート18及び圧力出口ポート20を開放し、加圧流体を圧力源からシステムに入れる。同様に、システム内の圧力を低下する必要がある場合には、パイロット圧力を負荷即ちフィードバック圧力よりも低いように選択的に操作でき、かくして戻しスプール40を変位して戻し入口ポート14及び戻し出口ポート16を開放し、圧力をシステムからパージする。パイロット圧力又は負荷を操作することによってシステム内に圧力差を発生してもよいということに着目すべきである。いずれの方法でも、スプールの結果的変位は、適当な入口ポート及び出口ポートを開閉するように機能し、システム内の圧力を調整する。
【0069】
戻しスプール40及び圧力スプール50は、両方とも、バルブ本体12の内部キャビティ60の幾何学的形体又は形状と一致する、又は実質的に一致する幾何学的形体又は形状を備えている。図示のように、戻しスプール40及び圧力スプール50は全体に円筒形形状であり、二つのランド及びこれらのランド間の凹所並びに第1及び第2の側部を有する。詳細には、図1に示す実施例では、戻しスプール40は、パイロット圧力側42、フィードバック圧力側46、第1ランド72、第2ランド74、及びランド72と74との間を延びる凹所82を含む。圧力スプール50もまた、同様の幾何学的形体又は設計を有し、パイロット圧力側52、フィードバック圧力側56、第1ランド76、第2ランド78、及びランド76と78との間を延びる凹所84を含む。
【0070】
上述のように、戻しスプール40のフィードバック側46はフィードバックチャンバ68と流体連通しており、パイロット圧力側42は、パイロット圧力チャンバ28と流体連通している。ランド72及び74は、バルブ本体12の内壁面に対してシールできるように、適当な直径又は断面積を有する。シールされたとき、及び戻しスプールの変位中、ランド72及び74は、フィードバックチャンバ62と、凹所82と、パイロット圧力チャンバ28との間の流体連通即ち流体クロストークを阻止する。更に、ランド72及び74は、凹所82とともに機能する。これは、凹所82の直径がランド72及び74よりも小さく、戻し入口ポート14を通って出口ポート16に至る流体の適正な流れを促すためである。確かに、これらのポートが開放した状態では、流体は、戻し入口ポート14を通って、PCV10に流入し、戻しスプール40の凹所82を通過し、戻し出口ポート16から出る。
【0071】
更に、上述のように、圧力スプール50のフィードバック側56は圧力フィードバックチャンバ68と流体連通しており、圧力スプール50のパイロット圧力側52はパイロット圧力チャンバ28と流体連通している。ランド76及び78もまた、バルブ本体12の内壁面に対してシールできるできるように、適当な直径又は断面積を有する。シールされた状態で、及び圧力スプール50の変位中、ランド76及び78は、フィードバックチャンバ68と、凹所84と、パイロット圧力チャンバ28との間の流体連通即ち流体クロストークを阻止にする。更に、ランド76及び78は、凹所84とともに機能する。これは、凹所84の直径がランド76及び78よりも小さく、圧力入口ポート18を通って圧力出口ポート20に至る流体の適正な流れを促すためである。確かに、これらのポートが開放した状態では、流体は、圧力入口ポート18を通ってPCV10に流入し、圧力スプール50の凹所84を通過し、圧力出口ポート20から出る。
【0072】
以上の議論によれば、本発明のPCVの独特の特徴の一つは、本発明のPCVが固有フィードバックシステムであるということである。流体流れの制御に的を絞った、即ち流体流れを制御するように機能する従来の関連したシステムとは異なり、この固有フィードバックシステムは、PCVが、サーボシステム又はサーボ型システム内の圧力を、発生した条件に応じて自動的に、又は操作により、外部制御手段を必要とせずに調整し制御できるように機能する。この固有フィードバックシステムは、PCVの様々な構成要素と、パイロット圧力と、負荷圧力との間の流体連通の関数である。更に詳細には、固有フィードバックシステムは、独立した戻しスプール40及び圧力スプール50の両側に作用するパイロット圧力とフィードバック圧力との間の連通の関数である。ここで、フィードバック圧力及びパイロット圧力は互いに逆方向であり、フィードバック圧力は負荷圧力の関数である。バルブ本体12内に設けられた浮動スプールと考えられる独立した戻しスプール40及び圧力スプール50は、互いに協働して作用し、発生した圧力差に従って系統的に変位し、適当なポートを開放し、システム全体の圧力を上昇し又は低下するように形成されている。システム内に戦略的に配置された様々な制限手段、並びに戻し入口ポート、戻し出口ポート、圧力入口ポート、及び圧力出口ポートの相対的な位置により、独立した戻しスプール40及び圧力スプール50は、サーボシステムをできるだけ均衡状態近くに戻すように変位するように形成されており、システムの拘束及び/又は選択的な及び制御下での制御状態及び作動状態のみによって制限される。本発明のPCV固有フィードバックシステムの様々な例を添付図面に示し、PCVの様々な作動状態に関して以下に説明する。
【0073】
戻しスプール40及び圧力スプール50は、パイロット圧力に応じて特定の位置まで移動する。パイロット圧力は、負荷アクチュエータ内の圧力を上昇させるのが望ましいかどうか、負荷アクチュエータを弛緩状態にしておくべきかどうか、又は負荷アクチュエータを負荷が加わった状態にしておく必要があるかどうかに従って制御される。
【0074】
最後に、第1及び第2のフィードバックポート22及び24は、第1及び第2のフィードバックライン192及び196と夫々流体連通しており、これらの第1及び第2のフィードバックライン192及び196は、流体を主ライン200から受け取り、又は流体を主ライン200に伝達するように形成されている。主流体ライン200は、負荷供給ライン210を通して負荷アクチュエータ(図示せず)に流動学的に連通されている。
【0075】
図1は、PCVの一つの例示の実施例を示すけれども、本明細書中、この他の実施例が考えられるということは理解されよう。確かに、図1に示すPCVは、様々な形体又は大きさの戻しスプール40及び圧力スプール50を含むように変更してもよい。しかしながら、当然のことながら、バルブ本体12は、様々な大きさのスプールを収容するため、対応する様々な直径を備えていなければならない。従って、他の実施例では、バルブ本体12及びこのバルブ本体12内に配置された独立したスプールは、直径が均等であってもよいし、不均等であってもよく、円形以外の様々な幾何学的断面形状を備えていてもよい。更に、バルブ本体12のポート14、16、18、20、22、24、及び26は、大きさが異なっていてもよく、特定の又は所与の用途に必要な特定の圧力−力−面積関係を得るため、様々な大きさ及び形状の組み合わせが考えられる。
【0076】
図2を参照すると、この図には、長さ方向断面に沿った、例示のデュアル独立スプール圧力制御バルブ(PCV)の断面図が示してある このPCVは、上文中に説明し、図1に示したPCVであり、PCV10は、サーボシステム又はサーボ型システム内に、特に液圧アクチュエータシステム100に作動的に含まれる。詳細には、図2は、圧力入口ポート18及び圧力出口ポート20が開放した作動状態でPCVを示す。このシナリオでは、サーボシステムに加わるパイロット圧力は、アクチュエータ220内のアクチュエータピストン240によって及ぼされた、戻しスプール40及び圧力スプール50のフィードバック圧力側に作用する負荷即ちフィードバック圧力よりも大きい。この状態を達成するため、パイロット圧力チャンバ28内に存在する高いパイロット圧力が戻しスプール40及び圧力スプール50のパイロット圧力側42及び52に作用する。スプールストップ44のため、戻しスプール40は変位されないようにされており、かくして戻し入口ポート14及び戻し出口ポート16は閉鎖されたままである。逆に、パイロット圧力により、圧力スプール50が変位する。これは、圧力スプール50のパイロット圧力側52に作用するパイロット圧力が圧力スプール50のフィードバック圧力側56に作用するフィードバック圧力よりも高いためである。フィードバック及び/又は負荷圧力よりも高い圧力が作用するため、圧力スプール50はスプールストップ54から離れる方向に変位し、かくして圧力入口ポート18及び圧力出口ポート20を開放するように位置決めされる。これにより、圧力源(図示せず)からの加圧流体は、圧力入口ポート18及び圧力スプール50の凹所84を通って流れ、圧力出口ポート20から出て、主流体ライン200を介して液圧アクチュエータ220に流入する。本質的には、加圧流体の追加によってシステム圧力が上昇する。かくして、パイロット圧力がフィードバック圧力と等しい均衡状態にシステム100を戻そうとするPCVの性能が明らかになる。圧力源は、任意の圧力の流体を供給するように形成されているが、代表的には、アクチュエータピストン240を、次いで負荷250を所望の作動条件に従って駆動するのに十分である。
【0077】
上述のように、戻しスプール40にはパイロット圧力が同時に作用しており、これにより、戻しスプール40はスプールストップ44と連続的に接触した状態にあり、この状態では、戻しスプール40は戻し入口ポート14及び戻し出口ポート16を閉鎖するように位置決めされており、かくしてシステム100からの流体の流出を阻止する。圧力スプール50は、パイロット圧力がフィードバック圧力を越えることにより変位され、かくしてシステム100内に圧力差を発生するということは理解されよう。更に、圧力スプール50は、外部制御手段なしで、圧力差に応答できるということは理解されよう。かくして、本発明のPCVの固有フィードバック能力を例示する。
【0078】
更に、図2は、第1及び第2のフィードバックポート22及び24を示す。これらのフィードバックポートは、主流体ライン200と流体連通している。更に、主流体ライン200には、戻し入口ポート14、戻し出口ポート16、圧力入口ポート18、及び圧力出口ポート20が流体連通している。負荷アクチュエータ220もまた、負荷供給ライン210(即ち出力/負荷圧力ポート)によって主流体ライン200と流体連通している。これにより、流体をアクチュエータ220に流入させたりここから流出させたりできる(例えば、加圧流体をアクチュエータ220に流入させてピストン240及び負荷250を変位することができる)。主流体ライン200及び負荷供給ライン210は、PCV10が所期の機能を果たすことができるようにPCV10をアクチュエータ220に流動学的に連結する手段として機能する。
【0079】
上述のように、圧力制御バルブは、出力/負荷圧力ポートを含む。図示の実施例では、主流体ライン200は、更に、出力/負荷圧力ポート即ち負荷供給ライン210と流体連通している。この負荷供給ライン210により、主流体ライン200と負荷アクチュエータ220との間で流体を流すことができる。図2では、負荷アクチュエータ220は、下負荷ピストン(bottom loaded piston)を持つ液圧アクチュエータである。これは、負荷供給ライン210がピストン240の下側でピストンシリンダ230に連結していることを意味する。液圧システム内での圧力の上昇、かくしてピストン240の下側のピストンシリンダ230の部分の圧力の上昇により、ピストン240を負荷供給ライン210から遠ざかる方向に移動し、かくして、図2にインライン抵抗器として示す負荷250に力を及ぼす。
【0080】
従って、負荷アクチュエータ220は、戻しスプール40及び圧力スプール50の負荷フィードバック圧力側46及び56に、主供給ライン200を通して、可変の負荷即ちフィードバック圧力を及ぼすことができる。即ち、液圧アクチュエータ220が負荷が加わり、この負荷がパイロット圧力よりも低いフィードバック圧力に変換されたとき、圧力差が発生する。この圧力差により、圧力スプール50を変位し、従って、圧力入口ポート18及び圧力出口ポート20を開放し、圧力差を解消し、システムを再び等化する。これらのポートを開放することにより、加圧流体をシステムに入れ、かくしてピストン240により、このピストンに取り付けられた負荷250に、関連した力を及ぼす。別の態様では、負荷アクチュエータ220に負荷が加わり、この負荷がパイロット圧力よりも大きいフィードバック圧力に変換されたとき、種類が異なる圧力差が発生する。この圧力差により戻しスプール40を変位し、戻し入口ポート14及び戻し出口ポート16を開放し、圧力差を解消し、システムを等化する。これらのポートを開放することにより、圧力流体をシステムからパージし、かくしてシステム全体の圧力を低下し、負荷を引っ込めることができるようにする。わかるように、固有フィードバックシステムにより、本発明のPCVを、従来の関連したシステムを越える大きな利点を以て機能できる。
【0081】
図3を参照すると、この図には、長さ方向断面に沿った、上文中に論じた、図1に示す例示のデュアル独立スプール圧力制御バルブ(PCV)の断面図が示してある。この図では、PCVは、液圧アクチュエータシステム100内に作動的に収容されている。詳細には、図3は、圧力解放状態のPCV10を示す。この状態では、負荷即ちフィードバック圧力がパイロット圧力チャンバ28内のパイロット圧力よりも大きい。この状態では、戻しスプール40の負荷フィードバック圧力側46にフィードバック圧力が作用し、戻しスプールをスプールストップ44から遠ざかる方向に変位し、かくして戻し入口ポート14及び戻し出口ポート16を開放するように位置決めする。これにより、戻し流体を戻し入口ポート14を通して、戻しスプール40の凹所82を通して、戻し出口ポート16から出し、戻し流体リザーバ(図示せず)に戻す。これと同時に、圧力スプール50の負荷フィードバック圧力側56にフィードバック圧力が作用し、圧力スプール50をスプールストップ54に押し付け、かくして圧力入口ポート18及び圧力出口ポート20を閉鎖し、及びかくして加圧流体が液圧システム100を通って流れないようにする。
【0082】
戻しスプール40は、パイロット圧力と負荷即ち結果的に生じたフィードバック圧力との間に存在する圧力差によるフィードバック圧力の作用によって変位されるということは理解されよう。確かに、フィードバック圧力がパイロット圧力よりも大きくなると、浮動戻しスプール40のパイロット圧力側42と負荷フィードバック圧力側46との間に圧力差が存在する。同じ圧力差が浮動圧力スプール50に作用する。従って、負荷即ちフィードバック圧力がパイロット圧力よりも大きく、戻しスプール40が変位して戻し入口ポート14及び戻し出口ポート16が開放した場合、圧力スプール50はスプールストップ54に押し付けられ、これによって圧力入口ポート18及び圧力出口ポート20を閉鎖する。戻し入口ポート14及び戻し出口ポート16の開放は、流体をアクチュエータ220及びPCVから流出できるように機能し、これによってシステム100内の圧力を解放する。
【0083】
パイロット圧力を低下し、負荷圧力即ちフィードバック圧力よりも小さくし、かくして戻し入口ポート14及び戻し出口ポート16を開放することによって、PCV10の別の独特の特徴が実現する。スラッシュモードとして周知のこの状態では、戻し流体をPCV10のリターンを通してPCV10とアクチュエータ220との間で分流でき、即ち前後に揺り動かすことができ、随意であるが、外力の作用による負荷250の移動及び従ってアクチュエータピストン240の移動に応じて流体リザーバに入れることができる。スラッシュモードでは、システムからの能動的駆動入力なしで負荷を移動させることができる。換言すると、PCVがスラッシュモードにある状態では、負荷は、負荷をいずれかの方向に移動するための、従来の関連したシステムで必要とされた能動的入力を必要とせずに自由に揺動でき、即ちダングル移動できる。例えば、パイロット圧力を低下し、戻しスプール40が変位して戻し入口ポート14及び戻し出口ポート16が開放した状態で、負荷を、外部からの影響により、例えば重力に応じて移動できる。
【0084】
スラッシュモードに置かれたPCVによって可能とされたダングルモードの別の特徴は、負荷内に発生した運動量に応じて、負荷を、能動的に駆動されるように移動できるということである。例えば、加圧流体を急速に定期的に入力することによって、負荷を短期間急激に、即ち短いバースト(short bursts)をなして駆動してもよい。負荷の質量、及び負荷を駆動するためのアクチュエータ220内への能動的入力(例えば加圧流体)の程度に応じて、加圧流体の供給の遮断後、負荷内に或る程度の運動量が発生する。この運動量を無駄にしてしまう従来の関連したシステムとは異なり、本発明のPCVは、スラッシュモードに入ることができ、これにより、負荷は、発生された運動量を使用して、任意の能動的入力による補助なしで追加の距離だけ変位できる。運動量が使い果たされて負荷が移動を停止したとき、パイロット圧力を上昇し、スラッシュモードを消勢する(例えば戻し入口ポート14及び戻し出口ポート16を閉鎖する)。負荷即ちフィードバック圧力を越えてパイロット圧力を上昇することによって負荷を再び駆動し、かくして圧力スプールを変位し、圧力入口ポート18及び圧力出口ポート20を開放し、負荷を駆動できるシステムに加圧流体を再び供給する。
【0085】
PCVがスラッシュモードにあるときに負荷をぶらぶらさせる即ち自由揺動させる性能は、エネルギの大幅な節約を可能にするという点で有利である。これは、負荷が重力又は負荷自体の運動量の作用下で作動でき、かくして負荷を所望の通りに操作するのに必要とされる動力の量が減少するためである。スラッシュモード及びその利点は、ロボット工学の分野で特に顕著である。これは、様々なロボット工学的システムを、人間の動きに遥かにぴったりと倣うように、及び必要とされる動力入力を小さくするように形成できるためである。
【0086】
「スラッシュ」又は「スラッシュモード」という用語は、本明細書中で使用されているように、負荷アクチュエータピストンの位置又はアクチュエータ内の負荷圧力に拘わらず、パイロット圧力が、常に、戻しスプール40及び圧力スプール50に作用する負荷即ちフィードバック圧力よりも小さく、そのため戻しスプール40が戻し入口ポート14及び戻し出口ポート16を開放し、かくして、流体を、PCV及び特にこれらの開放状態のポートを通して負荷アクチュエータ(戻し入口ポートの上流に設けられた何らかの他の同様のデバイス)と、流体リザーバ又は戻し出口ポートの下流のラインとの間で前後に分流したり揺り動かすことができる、本発明のPCVの状態を意味するものと理解されるべきである。この状態の一例を図3に示す。
【0087】
図4を参照すると、この図には、上文中に論じ、図1に示した例示のPCVの長さ方向断面に沿った断面図が示してある。この図では、PCVは、液圧アクチュエータシステム100内に作動的に収容されている。詳細には、図4は、フィードバック圧力がパイロット圧力と等しい非作動状態のPCV10を示す。この状態では、戻しスプール40はスプールストップ44に当たっており、これによって戻し入口ポート14及び戻し出口ポート16を閉鎖し、流体が液圧アクチュエータ220から戻らないようにし、圧力がシステム100から逃げないようにする。更に、圧力スプール50は、スプールストップ54に当たるように変位されており、これによって圧力入口ポート18及び圧力出口ポート20を閉鎖し、加圧流体が流体源(図示せず)からシステム100に、詳細には液圧アクチュエータ220に流入しないようにする。この形体では、液圧アクチュエータ220及びこれに連結された負荷250は静止状態にある。負荷250は、浮動戻しスプール40及び浮動圧力スプール50の前後に圧力差が発生した場合にしか動くことができない。圧力差は、パイロット圧力チャンバ28内のパイロット圧力の上昇及び低下のいずれかによって、又は液圧アクチュエータ220内に作用する負荷圧力の上昇及び低下のいずれかによって発生される。
【0088】
次に図5を参照すると、この図には、PCVが内部に支持された液圧アクチュエータシステム100の別の例示の実施例が示してある。この実施例では、PCV10は主圧力ライン204を含む。この主圧力ライン204は、一端が、アクチュエータピストン240の一方の側のアクチュエータ220の一部に負荷供給ライン210(又は出力ポート/負荷圧力ポート)を通して流動学的に連結されており、他端が、圧力入口ポート18及び圧力出口ポート20並びにフィードバックポート24に流動学的に連結されている。PCV10は、更に、主戻しライン208を含む。この主戻しライン208は、一端が、アクチュエータピストン240の反対側のアクチュエータ220の一部に戻し負荷ライン214を通して流動学的に連結されており、他端が、戻し入口ポート14及び戻し出口ポート16並びにフィードバックポート22に流動学的に連結されている。
【0089】
作動に当たっては、PCV10は、上文中に論じ、図1乃至図4に示した実施例と同様に機能する。しかしながら、この実施例では、PCV10は、戻しポートと圧力ポートとを流動学的に外す。かくして、パイロット圧力チャンバ28内のパイロット圧力が、戻しスプール40及び圧力スプール50のフィードバック圧力側46及び56に作用する負荷即ちフィードバック圧力を越えたとき、圧力スプール50が変位し、圧力入口ポート18及び圧力出口ポート20を開放する。これにより、加圧流体が圧力源(図示せず)からシステム100に流入し、主圧力ライン204及び負荷供給ライン210を通ってアクチュエータ220内に移動し、アクチュエータピストン240を駆動し、次いでこのアクチュエータピストンに連結された負荷250を駆動する。他方、パイロット圧力が低下して負荷即ちフィードバック圧力よりも低くなったとき、流体及び圧力が、ピストン240の反対側から、戻し入口ポート14及び戻し出口ポート16を通って、システム100からパージされる。パイロット圧力が負荷即ちフィードバック圧力よりも低い状態では、戻しスプール40が変位され、圧力流体をシステム100からパージする。PCV10が適正に機能できるように、システムに入力された、圧力源からの圧力もまた、パイロット圧力に関して選択的に制御できる。
【0090】
図6A、図6B、及び図6Cは、PCV10内で使用できる様々な種類の制限手段の幾つかの例を示す。図6Aは、ビード54−aの形態の複数のスプールストップを示す。これらのビードは、バルブ本体12の内部キャビティ60の内側壁面から突出しており且つこの内側壁面に亘って環状をなして間隔が隔てられている。図6Bは、ナッブ(nub) 54−bの形態の少なくとも一つのスプールストップを示す。ナッブは、バルブ本体12の内部キャビティ60の内側壁面から突出しており且つこの内側壁面上の適正な位置に位置決めされている。図6Cは、中実リング54−cの形態の少なくとも一つのスプールストップを示す。中実リングは、バルブ本体12の内部キャビティ60の内側壁面から突出しており且つこの内側壁面に亘って環状をなして延びている。当業者には、本明細書中に説明した戻しスプール及び圧力スプールの変位の制御に使用できるこの他の種類の制限手段は理解されよう。
【0091】
図7は、液圧アクチュエータシステム100に設けられた、PCV10の別の例示の実施例を示す。この実施例では、PCV10は非線形形体を有し、バルブ本体が二つの部分、即ちバルブ本体12−a及びバルブ本体12−bに分けられている。この他の非線形形体が考えられるが、特定的には論じない。この実施例では、バルブ本体12−a内に戻しスプール40が支持されており、更に、戻し入口ポート14及び戻し出口ポート16並びにフィードバックポート22が形成されている。バルブ本体12−b内には圧力スプール50が支持されており更に、圧力入口ポート18及び圧力出口ポート20並びにフィードバックポート24が形成されている。
【0092】
この実施例の特徴の一つは、戻しスプール40及び圧力スプール50のパイロット圧力側42及び52の夫々にパイロット力を供給するのに機械的エネルギを使用する機械的パイロットシステム300が設けられているということである。図示のように、機械的パイロットシステム300は、戻しスプール40のパイロット圧力側42と相互作用してパイロット力を提供する押圧部材304を含む。同様に、機械的パイロットシステム300は、圧力スプール50のパイロット圧力側52と相互作用してパイロット力を加える同様の押圧部材308を含む。両押圧部材304及び308は、好ましくは、剛性率が同じであり、戻しスプール40及び圧力スプール50の各々に同じ力を供給する。当該技術分野で周知の任意の種類の加力システム又はデバイスを使用して機械的パイロットシステム300を作動し、戻しスプール40及び圧力スプール50にパイロット力を供給できる。従って、本明細書中、詳細には論じない。
【0093】
作動では、戻しスプール40及び圧力スプール50のフィードバック圧力側46及び56に作用する所与の負荷即ちフィードバック圧力をパイロット力が越えることが必要とされる場合には、システム300を作動して必要なパイロット力を加える。この状態では、圧力スプール50を変位し、かくして圧力入口ポート18及び圧力出口ポート20を開放し、PCV10が上文中に論じたように機能できるようにする。スプールストップ34が設けられているため、戻しスプール40は変位せず、その代わり、閉鎖位置にとどまる。機械的パイロットシステム300は、圧力スプール50を変位すると同時に、押圧部材304が部分的に圧縮されることにより戻しスプール40をスプールストップ34に押し付けることができる。かくして、圧力入口ポート18及び圧力出口ポート20を開放するのに十分に機械的パイロットシステム300を変位できる。
【0094】
他方、パイロット圧力を所与の負荷即ちフィードバック圧力よりも小さくすることが必要とされる場合には、システム300をこの条件に従って作動する。この状態では、戻しスプール40を変位でき、かくして戻し入口ポート14及び戻し出口ポート16を開放できるようにシステム300を作動する。幾つかの場合には、システム300を全く作動させなくてもよい。その場合、圧力スプール50は、スプールストップ54との接触により、閉鎖状態にとどまる。本質的には、図7に示すシステムは、流体パイロット圧力源でなく機械的パイロット圧力源を使用することを除き、上文中に論じたのと同じ原理で作動する。
【0095】
図8は、PCV410の更に別の例示の実施例を示す。このPCV410は、幾つかの相違はあるが、PCV10と同様である。この特定の実施例では、PCV410はバルブ本体412を有し、このバルブ本体には、戻し入口ポート414、戻し出口ポート416、圧力入口ポート418、圧力出口ポート420、第1及び第2のフィードバックポート592及び596、パイロット圧力ポート426、及び出力/負荷圧力ポート610が形成されている。PCV410は、更に、二つの独立したスプール即ち戻しスプール440及び圧力スプール450を含む。これらのスプールは、バルブ本体412の長さ方向軸線を中心として共通して配置されている。戻しスプール440及び圧力スプール450は、自由に配置されており、バルブ本体412内に支持部材413によって支持されている。支持部材413は、スプール440及び450の変位を容易にし、スプールストップ434、444、454、及び455等の一つ又はそれ以上の制限手段によってスプール440及び450の移動を制限するような形体を備えている。わかるように、主流体ライン600は、図1の例示の実施例におけるようにバルブ本体412の外側に設けられているのでなく、バルブ本体412の内部に設けられている。更に、第1及び第2のフィードバックポート592及び596は、各々、バルブ本体412内に設けられている。
【0096】
この特定の実施例の図1の実施例との別の相違点は、戻し入口ポート414及び戻し出口ポート416が互いからずらしてあるということである。更に、圧力入口ポート418及び圧力出口ポート420が互いからずらしてある。ずらしてあるけれども、PCV410は、上文中に説明したPCV10と同様に機能する。
【0097】
更に別の相違点は、スプール450の移動即ち変位を制限する第4制限手段即ちスプールストップ455が設けられているということである。
以上に鑑み、当業者は、固有フィードバックシステム及び動的圧力調整性能を持つ本発明のデュアル独立スプール圧力制御バルブが、旧来の即ち従来のサーボシステムで見られる問題の多くをどのように解決するのかがわかる。
【0098】
図9を参照すると、この図には、図8のPCV410の例示の適用が示してある。図示のように、図9は、複数のPCV、即ち互いに組み合わせた、PCV410−a、PCV410−b、PCV410−c、及びPCV410−dとして示す四つのPCVを含む圧力制御システム700の断面斜視図を示す。これらのPCV410−a、PCV410−b、PCV410−c、及びPCV410−dは、上文中に説明した特徴及び構成要素の全てを含む。これらのうちの幾つかのをフィードバック圧力ポート592及び596、戻し入口ポート414及び戻し出口ポート416の夫々、出力/負荷圧力ポート610、及びパイロット圧力ポート426として示す。
【0099】
図10は、図9の圧力制御システムを使用する例示の用途を示す。この特定の用途では、圧力制御システム700は、外骨格(全体は示してない)、特に外骨格の脚部714内に支持されており且つこの外骨格内で作動できる。圧力制御システム700は、アクチュエータ720及び724として示す一つ又はそれ以上のアクチュエータの制御に使用される。これらのアクチュエータの各々は、夫々、腱駆動システムに連結されている。腱駆動システム内で、腱740及び744の一端が、夫々、プーリ750及び754に作動的に連結されており、これらの腱の他端が、夫々、アクチュエータ720及び724に作動的に連結されている。これらのアクチュエータ720及び724は、圧力制御システム700に流動学的に連結されており、更に詳細には、システム内の個々の圧力制御バルブに出力/負荷圧力ポートを介して流動学的に連結されている。出力/負荷圧力ポート内の圧力を使用し、アクチュエータ720及び724のシリンダ内のピストン(図示せず)を駆動する。圧力制御システム700からの圧力制御を使用し、アクチュエータ720及び724を選択的に作動し、アクチュエータに取り付けられた腱740及び744を駆動し、肢部即ち外骨格の脚部714に動力を提供するように機能するプーリ750及び754を回転する。腱駆動システムを制御するため、圧力制御システム700内のPCVのうちの任意の一つ又は全てを選択的に作動してもよい。
【0100】
図11は、本発明の圧力制御バルブの別の例示の実施例を示す。この特定の実施例では、PCV810は、上文中に説明し且つ図7に示した実施例と同様に、戻しバルブ本体812−a及び圧力バルブ本体812−bに分けられたバルブ本体を含む。しかしながら、PCVバルブ作動構成要素が同じ構造又はハウジング内に収容された図7の実施例と異なり、図11のPCV810の戻しバルブ本体812−a及び圧力バルブ本体812−bは、別体の独立した構造に設けられている。
【0101】
この特定の実施例では、戻しバルブ本体812−aは、内部キャビティ860−aを含み、この内部キャビティは、更に、戻しスプール840によってパイロット圧力チャンバ828−a及びフィードバックチャンバ862−aに分けられている。これは、図1に示す実施例と同様である。同様に、圧力バルブ本体812−bは、内部キャビティ860−bを含み、この内部キャビティは、更に、圧力スプール850によってパイロット圧力チャンバ828−b及びフィードバックチャンバ862−bに分けられている。これについても、図1に示す実施例と同様である。パイロット圧力チャンバ828−aは、パイロット圧力ポート826−aと流体連通しており、パイロット圧力チャンバ828−bは、パイロット圧力ポート826−bと流体連通している。これらのパイロット圧力ポート826−a及び826−bの各々は、これらの各々を連結する流体ラインを介して、互いに、及びパイロット圧力源829と流体連通している。
【0102】
作動では、パイロット圧力源829からのパイロット圧力は、上文中に説明したように機能する。単一のパイロット圧力チャンバを含み且つ二つのスプールがパイロット圧力チャンバの境界を形成するPCVの代わりに、及びパイロット圧力源からの加圧流体を単一のチャンバに入力する代わりに、PCV810は、別々のパイロット圧力チャンバ828−a及び828−bを持ち、これらのパイロット圧力チャンバの各々がパイロット圧力源829からパイロット圧力を受け取り、このパイロット圧力はスプール840及び850の夫々の変位を操作するように機能し、流体をリターン849に戻し、又は流体を加圧流体源819から入力し、アクチュエータ(図示せず)を制御し又はアクチュエータに応答する。パイロット圧力チャンバ828−a及び828−bの各々にパイロット圧力が導入されるようになっており、上文中に説明したのと同様に機能する。
【0103】
形体の相違以外に、戻しバルブ本体812−a及び812−bの内部キャビティ860−a及び860−b(パイロット圧力チャンバ828−a及び828−b、及びフィードバックチャンバ862−a及び862−bを含む)の夫々は、同じ構造又はハウジングと一体成形されているのでも、同じ構造又はハウジング内に含まれているのでもなく、本明細書中に記載されているように、図11のPCVの実施例は、図1乃至図4及び図7及び図8に示すPCVと実質的に同様に機能する。このように、これらの実施例の各々に関する上文中の説明を、適用可能であり、適切である場合には、PCV830の説明に組み込んでもよい。
[非対称バルブ作動形体]
本発明では、上文中に説明した対称PCV形体以外の様々な形体を持つPCVが考えられる。詳細には、本発明では、非対称形体を持ち、バルブ本体の第1バルブ作動構成要素の内部キャビティの大きさが、バルブ本体の第2バルブ作動構成要素の内部キャビティと異なるバルブ本体を含むPCVが考えられている。大きさが異なるため、自由浮動スプールを収容し且つ支持するバルブ本体の一方のバルブ作動構成要素の内部の大きさが、別の自由浮動スプールを収容し且つ支持するバルブ本体の他方のバルブ作動構成要素の内部キャビティよりも大きいようになっている。大きさが大きいという言い方は、内部に収容されたスプールの移動方向に沿って延びるバルブ作動構成要素の中心又は長さ方向軸線から半径方向外方に計測した大きさが大きい内部キャビティを持つバルブ作動構成要素を意味しようとするものである。別の言い方をすると、大きさが比較的大きいというのは、内部キャビティの断面積が大きい方のバルブ作動構成要素を意味しようとするものである。例えば、比較的大きい大きさのバルブ作動構成要素は、内部キャビティの半径/直径が大きい。
【0104】
非対称PCVは、代表的には、戻し流体を調整する戻し側及び加圧流体を調整する圧力側を含む。戻し側及び圧力側の各々は、戻しバルブ作動構成要素即ち戻しバルブ本体及び圧力バルブ作動構成要素即ち圧力バルブ本体の夫々を代表し、これらに関して説明する。更に、PCVの圧力側又は戻し側のいずれかの大きさが他方の大きさよりも大きいように形成してもよいと考えられる。
【0105】
同様に、非対称PCVは、大きさが異なる自由浮動独立スプールを含み、各々の大きさのバルブ作動構成要素が、対応する大きさのスプールを収容し又は支持する。この場合も、様々なスプールの大きさは、スプールの中心又は長さ方向軸線から半径方向外方に計測されるようになっている(例えばこれらのスプールの半径又は直径を計測する)。
【0106】
次に図12を参照すると、この図には、本発明の別の例示の実施例によるPCVが示してある。この実施例では、PCV910は、多くの点に関して図1のPCVと類似しているが、非対称形体を有し、バルブ本体912は、戻しバルブ作動構成要素即ち戻し側バルブ本体912−aを含み、この戻し側バルブ本体912−aは、圧力バルブ作動構成要素即ち圧力側バルブ本体912−bよりも大きさが比較的大きい。更に、戻しバルブ作動構成要素即ち戻しバルブ本体912−aは、大きさが比較的大きい戻しバルブ作動構成要素即ちバルブ本体912−aと対応する大きさを持つ自由浮動独立戻しスプール940を含み、圧力バルブ作動構成要素即ち圧力バルブ本体912−bもまた、圧力バルブ作動構成要素即ち圧力バルブ本体912−bと対応する大きさの自由浮動独立圧力スプール950を含む。別の言い方をすると、PCV910は非対称バルブ本体を有し、この非対称バルブ本体は、この実施例では、戻し流体を制御し且つ制御を容易にする構成要素の大きさが、圧力流体を制御し且つ制御を容易にする構成要素よりも大きいことが示してある。図示のように、バルブ本体912は、円形断面の内部キャビティ960を含む。戻しバルブ作動構成要素即ち戻しバルブ本体912−a及び戻しスプール940は、本質的に同じ直径d1を有する。これは、圧力バルブ作動構成要素即ち圧力バルブ本体912−bの直径d2及びその対応する圧力スプール950よりも大きいように示してある。
【0107】
同様に、PCV910は、戻しスプール940と隣接した戻しフィードバックチャンバ962を含む。戻しフィードバックチャンバ962は大きさが大きく、圧力スプール950と隣接した圧力フィードバックチャンバ968よりも大きい対応する容積を有する。パイロット圧力チャンバ928は、上文中に説明したのと同様の方法で機能するように形成されているが、非対称バルブ作動構造とともに作動する形体を備えている。パイロット圧力チャンバ928は、パイロット圧力ポート926を通してパイロット圧力源929と流体連通しており、これによって、戻しスプール940及び圧力スプール950の各々に上文中に教示したように作用するパイロット圧力を受け取る。
【0108】
図示の実施例では、戻しスプール940をスプールストップ944と934との間で前後に変位する。これらのスプールストップは、バルブ本体912とは別体の構造又は部材であってもよいし、バルブ本体912の部分の大きさ及び形体がスプールストップとして機能するように定められていてもよい。図示のようにパイロット圧力チャンバ928内でバルブ本体内に段をなしていてもよい。この段は、スプールストップ934と位置が一致する。
【0109】
非対称PCVは、多くの点に関して対称PCVと同様に機能するが、幾つかの大きな相違点がある。更に、非対称PCVは、幾つかの作動条件で、対称PCVを越える多くの重要な利点を提供する。上文中に論じたように、PCVは、対称であろうと非対称であろうと、圧力源を提供するようになっている。パイロットバルブ内の流れ(current) が設定されている場合には、PCV内の戻しスプール及び圧力スプールの移動に拘わらず、PCV内の所与の圧力が得られる。PCVの圧力側又は圧力バルブ本体の大きさは、PCVの戻し側即ち戻しバルブ本体よりも小さくてもよい。これは、圧力源による比較的高い圧力(例えば246.05kg/cm2(3500psi))が圧力側にあるためである。この圧力は、流体がPCVを出るときに戻し側内に作用する比較的低い圧力(例えば14.06kg/cm2(200psi))と比べて高い。PCVの戻し側は、ここに作用する比較的低い圧力を受け入れるため、比較的大きい。
【0110】
本発明のPCVが遭遇する多くの問題点をなくすため、又は低減するため、PCVの圧力側の大きさをPCVの戻し側よりも小さくしてもよい。例えば、圧力側と戻し側の大きさが異なる非対称PCVでなく対称PCVを使用すると、幾つかの場合において、過度に高圧の流体がPCVを通ってシステムに流入するため、システム及び詳細にはアクチュエータが作動不能になる。確かに、幾つかの実施例では、又は幾つかの作動環境では、対称PCVは、その機能的容量が一つ又はそれ以上の方法で制限される。例示のため、特定の範囲のパイロット圧力即ち制御圧力を発生する特定のパイロットバルブについて、パイロットバルブとともに作動し、パイロットバルブの制御を受ける対称PCVの大きさは、パイロットバルブが、代表的には、対称PCVを大きく作動又は制御することしかできないため、制限されるということがわかった。これは、アクチュエータにおける移動により戻しスプール及び圧力スプールが変位したとき、制御圧力即ちパイロット圧力を介して流体源を適切に流さなければならないためである。確かに、幾つかの状況は、使用された特定のパイロットバルブにより、PCVの大きさ及び形体が決まる。こうした場合には、パイロットバルブを図12に示すような非対称PCVと関連して作動するのが望ましい。
【0111】
非対称PCVの使用は、システム内の流体を収容するように戻し側の大きさを大きくすることによって、対称PCVによって課せられた制約のうちの幾つかを解決し、かくして安定した状態を保持する。上文中に論じた対称PCVと比較すると、PCV内の圧力バルブ作動構造及び戻しバルブ作動構造の大きさを変えることによって、即ち非対称にすることによって、パイロット圧力即ち制御圧力を供給するパイロット源が、システム及びPCVを通る良好な流体源となり、PCVの圧力側及び戻し側内に作用する様々な圧力を斟酌できる。更に、戻し側の大きさを圧力側に関して大きくすることにより、システム内の漏れの量を低減するのを補助できる。
【0112】
非対称PCVの戻し側と圧力側との間の大きさの相違は、PCVの設計間で必要とされるように変化させることができる。当業者は、必要とされる、又は所望の作動パラメータ、作動条件、システムの制約、環境への配慮、効率、費用、等の多くの要因に基づいて、所望の又は必要とされる相違を決定してもよい。
【0113】
別の実施例では、及び図7及び図11のいずれかの実施例とほぼ同様に、非対称PCVは、二つのバルブ作動構造即ち構成要素(例えば、互いに共線でも同軸でもないバルブ作動(図7参照)、又は互いに独立した(図11参照)バルブ作動構造即ち構成要素)、即ち圧力構成要素及び戻し構成要素を含んでいてもよく、上文中に論じたのと同じ理由により、戻し構成要素即ち戻し側の大きさが圧力構成要素又は圧力側よりも大きい。圧力構成要素及び戻し構成要素は、互いに独立しており、互いに同軸でなく、そして非対称であるけれども、各々、本明細書中に教示したようにパイロット圧力即ち制御圧力を受け取るため、パイロットバルブと流体連通するようになっている。図13は、一つの例示の実施例による非対称PCVを例示する。ここでは、戻し構成要素即ち戻し側が圧力構成要素即ち圧力側から独立している。図示のように、PCV1010は、バルブ本体1012を含み、このバルブ本体1012は、戻し構成要素即ち戻しバルブ本体1012−a及び圧力構成要素即ち圧力バルブ本体1012−bを有する。戻しバルブ本体1012−aは、圧力バルブ本体1012−bよりも大きく、図12に示す非対称形体と同様に、戻しバルブ本体1012−aの直径d1が圧力バルブ本体1012−bの直径d2よりも大きい。更に、PCV1010は、戻しスプール1040を含む。この戻しスプール1040は、圧力バルブ本体1012−b内の圧力スプール1050と比較して大きさが大きく、戻しバルブ本体1012−aの大きさと対応する大きさを備えている。
【0114】
この特定の実施例では、戻しバルブ本体1012−aは内部キャビティ1060−aを含み、この内部キャビティ1060−aは、図11に示す実施例と同様に、更に、戻しスプール1040によってパイロット圧力チャンバ1028−a及びフィードバックチャンバ1062に分けられる。同様に、圧力バルブ本体1012−bは内部キャビティ1060−bを含み、この内部キャビティ1060−bは、図11に示す実施例と同様に、更に、圧力スプール1050によってパイロット圧力チャンバ1028−b及びフィードバックチャンバ1068に分けられる。パイロット圧力チャンバ1028−aはパイロット圧力ポート1026−aと流体連通しており、パイロット圧力チャンバ1028−bはパイロット圧力ポート1026−bと流体連通している。パイロット圧力ポート1026−a及び1026−bは、互いに流体連通しており、これらのポートを連結する流体ラインを介してパイロット圧力源1029と流体連通している。
【0115】
作動では、パイロット圧力源1029からのパイロット圧力は、上文中に説明したように機能する。PCV1010は、PCVが単一のパイロット圧力チャンバを含み、二つのスプールがパイロット圧力チャンバの境界を形成する代わりに、及びパイロット圧力源からの加圧流体が単一のチャンバに入力される代わりに、別々のパイロット圧力チャンバ1028−a及び1028−bを含み、これらのパイロット圧力チャンバがパイロット圧力源1029からパイロット圧力を受け取り、このパイロット圧力がスプール1040及び1050の夫々の変位を操作し、流体をリターン1049に戻し、又は流体を加圧流体源1019から入力し、アクチュエータ(図示せず)を制御するか或いはアクチュエータに応答するように機能する。パイロット圧力チャンバ1028−a及び1028−bの各々内のパイロット圧力は、上文中に説明したのと同様に導入され且つ機能するようになっている。
【0116】
図12及び図13のPCVは、図1乃至図4及び図7乃至図9に示すPCVのうちの少なくとも一つと実質的に同じ方法で機能するということに着目されたい。確かに、非対称PCV910及び非対称PCV1010の様々な構成要素及び特定の機能の多くは本明細書中に詳細には記載していない。これは、図1乃至図4及び図7乃至図9のPCVの実施例のうちの一つに関して上文中に記載した説明を、適用可能であり且つ適当である場合に、非対称PCV910及び非対称PCV1010の説明に組み込むことができるためである。
【0117】
更に、本明細書中に詳細には説明していないけれども、図12及び図13に示す非対称PCVは、2005年12月1日に出願された「固有機械式フィードバックシステム」という標題の米国特許出願第11/293,726号に記載されているような固有機械式フィードバックシステムを含んでいてもよい。出典を明示することにより、この出願に開示された全ての内容は本明細書の開示の一部とされる。本開示及び上掲の出願の開示を読むことにより、機械式フィードバックシステムを持つように本発明の非対称PCVを変更する方法は、当業者には理解されよう。
【0118】
以上の詳細な説明は、特定の例示の実施例を参照して本発明を説明する。しかしながら、添付の特許請求の範囲に記載した本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変形及び変更を行うことができるということは明らかであろう。詳細な説明及び添付図面は、限定でなく単なる例示であると考えられるべきであり、このような変形及び変更の全ては、本明細書中に記載した本発明の範囲に入る。
【0119】
更に詳細には、本発明の例示の実施例を説明したけれども、本発明はこれらの実施例に限定されず、以上の詳細な説明に基づいて当業者に理解されるように、変更、省略、組み合わせ(例えば、様々な実施例に亘る特徴の組み合わせ)、適合、及び/又は変形がなされた任意の及び全ての実施例を含む。特許請求の範囲における限定は、特許請求の範囲で使用された文言に基づいて広く解釈されるべきであり、以上の詳細な説明に記載した例に限定されず、本願の実行中、これらの例は非限定的であると解釈されるべきである。例えば、本開示において、「好ましくは」という用語は非限定的であり、「好ましい」けれどもこれに限定されないということを意味しようとするものである。方法又はプロセスに関する任意の特許請求の範囲に記載した工程は、任意の順序で実行されてもよく、特許請求の範囲に記載の順序に限定されない。手段及び機能の限定、又は工程及び機能の限定は、特定の特許請求の範囲の限定について、以下に列挙する全ての条件が当該限定に存在する場合にしか使用されない。即ち、a)「〜ための手段」又は「〜ための工程」をはっきりと列挙する、b)対応する機能をはっきりと列挙する、及びc)構造、材料、又は構造を支持する行為は、明細書を除き、はっきりと列挙しない。従って、本発明の範囲は、以上の説明及び例によってでなく、専ら、添付の特許請求の範囲及びその法的等価物のみによって限定されるべきである。
【符号の説明】
【0120】
10 デュアル独立スプール圧力制御バルブ(PCV)
12 バルブ本体
14 戻し入口ポート
16 戻し出口ポート
18 圧力入口ポート
20 圧力出口ポート
22 戻しフィードバックポート
24 圧力フィードバックポート
26 パイロット圧力ポート
40 戻しスプール
50 圧力スプール
34、44、54、58 スプールストップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーボシステム内の圧力を調整するための非対称圧力制御バルブにおいて、
非対称形体を持つバルブ本体であって、前記バルブ本体の戻しバルブ作動構成要素の大きさが、前記バルブ本体の圧力バルブ作動構成要素よりも大きく、前記バルブ本体には、前記バルブ本体の内部キャビティと流動学的に連通するため、戻し入口ポート、戻し出口ポート、圧力入口ポート、及び圧力出口ポートが形成されている、バルブ本体と、
前記バルブ本体の前記戻しバルブ作動構成要素の内部キャビティ内に自由に支持された、前記戻し入口ポート及び戻し出口ポートを通る流体流れを調整するように形成された戻しスプールと、
前記戻しスプールとは別個の、前記バルブ本体の前記圧力バルブ作動構成要素の内部キャビティ内に自由に支持された、前記圧力入口ポート及び圧力出口ポートを通る流体流れを調整するように形成された圧力スプールとを含み、
前記戻しスプールの大きさは前記圧力スプールよりも大きく、前記戻しバルブ作動構成要素と対応し、前記圧力スプールの大きさは前記圧力バルブ作動構成要素と対応する、非対称圧力制御バルブ。
【請求項2】
請求項1に記載の非対称圧力制御バルブにおいて、更に、
前記戻しスプール及び前記圧力スプールに同時に作用するパイロット圧力とフィードバック圧力との間で発生した圧力差に応じて前記戻しスプール及び前記圧力スプールを変位するように形成された固有圧力フィードバックシステムを含み、前記固有圧力フィードバックシステムは、前記パイロット圧力及び前記フィードバック圧力を等しくする試みにおいて前記圧力差を解消するように機能する、非対称圧力制御バルブ。
【請求項3】
請求項1に記載の非対称圧力制御バルブにおいて、更に、
前記バルブ本体内に配置された制限手段を含み、これらの制限手段は、前記バルブ本体の前記戻しバルブ作動構成要素及び前記圧力バルブ作動構成要素の夫々の内部の前記戻しスプール及び前記圧力スプールの位置を制限するように形成されている、非対称圧力制御バルブ。
【請求項4】
請求項1に記載の非対称圧力制御バルブにおいて、
前記バルブ本体の一部が前記戻しスプール用の制限手段を形成し、この制限手段は、前記戻しバルブ作動構成要素内の前記戻しスプールの制限位置を形成する、非対称圧力制御バルブ。
【請求項5】
請求項2に記載の非対称圧力制御バルブにおいて、更に、
前記戻しスプール及び前記圧力スプールと隣接した、パイロット圧力源と流体連通したパイロット圧力チャンバを含み、前記パイロット圧力源は、前記バルブ本体に形成されたパイロット圧力ポートを通してパイロット圧力を前記パイロット圧力チャンバに導入するように機能し、前記パイロット圧力及び前記フィードバック圧力は前記戻しスプール及び前記圧力スプールに作用する、非対称圧力制御バルブ。
【請求項6】
請求項1に記載の非対称圧力制御バルブにおいて、
前記バルブ本体の前記圧力バルブ作動構成要素及び前記戻しバルブ作動構成要素は、物理的に分離された構造であり、互いに一体成形されておらず、前記圧力バルブ作動構成要素及び前記戻しバルブ作動構成要素の各々は、互いに流体連通したパイロット圧力チャンバ及び互いに流体連通したフィードバックシステムを有する、非対称圧力制御バルブ。
【請求項7】
請求項1に記載の非対称圧力制御バルブにおいて、
前記戻しスプール及び前記圧力スプールは所定の幾何学的な大きさ及び形体を有し、この幾何学的な大きさ及び形体は、前記バルブ本体の前記戻しバルブ作動構成要素及び前記圧力バルブ作動構成要素の夫々の内部キャビティの幾何学的な大きさ及び形体と実質的に一致する、非対称圧力制御バルブ。
【請求項8】
請求項1に記載の非対称圧力制御バルブにおいて、更に、
前記戻し入口ポート及び前記圧力出口ポート並びに第1及び第2のフィードバックポートと流体連通した主流体ラインを含み、前記主流体ラインは、負荷アクチュエータを負荷供給ラインを通して前記非対称圧力制御バルブに流動学的に連結するように形成されている、非対称圧力制御バルブ。
【請求項9】
請求項2に記載の非対称圧力制御バルブにおいて、更に、
前記非対称圧力制御バルブ内の圧力差条件で決まる圧力パージモードを含み、圧力パージモードでは、パイロット圧力がフィードバック圧力よりも低く、かくして前記戻しスプールを変位して前記戻し入口ポート及び前記戻し出口ポートを開放し、前記サーボシステムから圧力をパージし、前記圧力差を解消する、非対称圧力制御バルブ。
【請求項10】
請求項1に記載の非対称圧力制御バルブにおいて、更に、
前記非対称圧力制御バルブ内の圧力差条件で決まる作動モードを含み、この作動モードでは、パイロット圧力がフィードバック圧力よりも高く、かくして前記圧力スプールを変位して前記圧力入口ポート及び前記圧力出口ポートを開放し、加圧流体源からの加圧流体を入れ、前記圧力差を解消し、かくして前記サーボシステム内の圧力を上昇し、仕事を行う、非対称圧力制御バルブ。
【請求項11】
請求項1に記載の非対称圧力制御バルブにおいて、更に、
前記非対称圧力制御バルブ内の圧力差条件で決まるスラッシュモードを含み、このスラッシュモードでは、パイロット圧力はフィードバック圧力未満に維持され、かくして前記戻しスプールを変位して前記戻し入口ポート及び前記戻し出口ポートを開放し、流体を低エネルギ状態で前後に分流できる、非対称圧力制御バルブ。
【請求項12】
請求項1に記載の圧力制御バルブにおいて、
前記バルブ本体は非線形形体を有し、前記戻しバルブ作動構成要素は、前記圧力バルブ作動構成要素からオフセットしている、圧力制御バルブ。
【請求項13】
請求項2に記載の圧力制御バルブにおいて、
前記戻しスプール及び前記圧力スプールは、各々、パイロット圧力側及びフィードバック圧力側を有し、前記パイロット圧力側は、前記パイロット圧力と流動学的に連通しており且つ前記パイロット圧力を受け取るように形成されており、前記フィードバック圧力側は、前記フィードバック圧力と流動学的に連通しており且つ前記フィードバック圧力を受け取るように形成されている、圧力制御バルブ。
【請求項14】
請求項5に記載の圧力制御バルブにおいて、
前記パイロット圧力源は、機械式圧力源を含む、圧力制御バルブ。
【請求項15】
請求項1に記載の圧力制御バルブにおいて、
前記パイロット圧力は、前記圧力差を形成するパイロット圧力として機能する、圧力制御バルブ。
【請求項16】
請求項2に記載の圧力制御バルブにおいて、
前記パイロット圧力は、前記圧力制御バルブの状態及びその作動を制御し操作するため、必要とされるように変化してもよい、圧力制御バルブ。
【請求項17】
サーボシステム内の圧力を調整するための非対称圧力制御バルブにおいて、
非対称形体のバルブ本体を含み、該バルブ本体は、
第1及び第2のバルブ作動構成要素であって、前記第1バルブ作動構成要素の大きさは前記第2バルブ作動構成要素よりも大きい、第1及び第2のバルブ作動構成要素と、
前記バルブ本体の内部キャビティと流動学的に連通するため、前記バルブ作動構成要素に形成された様々な入口ポート及び出口ポートと、
前記バルブ本体の前記第1及び第2のバルブ作動構成要素のうちの一方の作動構成要素内に自由に支持された、前記バルブ本体に形成された選択された前記入口ポート及び前記出口ポートを通る流体流れを調整するように形成された第1スプールと、
前記バルブ本体の前記第1及び第2のバルブ作動構成要素のうちの、前記第1スプールを支持していない他方の作動構成要素内に自由に支持された、前記バルブ本体に形成された選択された前記入口ポート及び前記出口ポートを通る流体流れを調整するように形成された、前記第1スプールとは別個の第2スプールとを含み、
前記第1及び第2のスプールは大きさが異なっており、各スプールの大きさは、夫々の支持バルブ作動構成要素と対応する、非対称圧力制御バルブ。
【請求項18】
非対称圧力制御バルブにおいて、
バルブ本体の戻しバルブ作動構成要素内で自由に移動するように形成された浮動戻しスプールと、
前記バルブ本体の圧力バルブ作動構成要素内で自由に移動するように形成された浮動圧力スプールとを含み、
前記戻しスプールの大きさは前記圧力スプールよりも大きく、前記戻しバルブ作動構成要素の大きさは前記圧力バルブ作動構成要素よりも大きく、
前記浮動戻しスプール及び前記浮動圧力スプールは構造的に互いに及び前記バルブ本体から独立しており、前記圧力制御バルブは、前記圧力差を解消し、前記パイロット圧力と前記フィードバック圧力とを等しくする試みにおいて、前記戻しスプール及び前記圧力スプールのうちの少なくとも一方を、前記戻しスプール及び前記圧力スプールの各々の両側に作用するパイロット圧力とフィードバック圧力との間に存在する圧力差に応じて固有に及び系統的に変位するように形成された固有フィードバックシステムを介して圧力を調整するように形成されている、非対称圧力制御バルブ。
【請求項19】
請求項18に記載の圧力制御バルブにおいて、
前記パイロット圧力は、前記バルブ本体内に形成されたパイロット圧力ポートを介して前記浮動戻しスプール及び前記浮動圧力スプールと流体連通した可変パイロット圧力源によって供給され、前記パイロット圧力は、前記浮動戻しスプール及び前記浮動圧力スプールに作用する前記パイロット圧力を制御するように形成されたパイロットバルブによって調整され、前記パイロット圧力は前記圧力差を選択的に発生し制御するように変化される、圧力制御バルブ。
【請求項20】
請求項18に記載の圧力制御バルブにおいて、
前記フィードバック圧力は、前記バルブ本体の前記バルブ作動構成要素内に形成されたフィードバックポートを介して前記浮動戻しスプール及び前記浮動圧力スプールと流体連通した可変の負荷圧力によって供給され、前記負荷圧力は、前記圧力差を選択的に発生し制御するように変化する、圧力制御バルブ。
【請求項21】
請求項18に記載の圧力制御バルブにおいて、前記固有フィードバックシステムは、
前記浮動戻しスプール及び前記浮動圧力スプールの夫々のフィードバック圧力側と流体連結した第1及び第2のフィードバックチャンバと、
前記戻しバルブ作動構成要素及び前記圧力バルブ作動構成要素内に形成されており、前記第1及び第2のフィードバックチャンバの夫々並びに第1及び第2のフィードバックラインの夫々と流体連通した、第1及び第2のフィードバックポートと、
前記第1及び第2のフィードバックラインと流体連通した主流体ラインと、
前記主流体ライン及び負荷からの力を負荷圧力に変換するように形成された負荷エネルギ変換システムと流体連通した負荷供給ラインであって、前記浮動戻しスプール及び前記浮動圧力スプールの前記フィードバック圧力側に作用する前記フィードバック圧力を決める、負荷供給ラインと、
前記浮動戻しスプール及び前記浮動圧力スプールの夫々のパイロット圧力側と流体連通したパイロットチャンバと、
前記バルブ本体に形成された、前記パイロット圧力を前記パイロットチャンバに供給するように形成されたパイロット圧力源と流体連通したパイロットポートと、を含む、圧力制御バルブ。
【請求項22】
請求項18に記載の圧力制御バルブにおいて、
前記戻しスプールは、前記フィードバック圧力が前記パイロット圧力よりも大きい圧力差が発生した場合に変位する、圧力制御バルブ。
【請求項23】
請求項18に記載の圧力制御バルブにおいて、
前記圧力スプールは、前記パイロット圧力が前記フィードバック圧力よりも大きい、圧力差が発生した場合に変位する、圧力制御バルブ。
【請求項24】
非対称圧力制御バルブにおいて、
圧力入口ポート、圧力出口ポート、戻し入口ポート、及び戻し出口ポートが形成されたバルブ本体を含み、該バルブ本体は、
内部キャビティを持つ戻しバルブ作動構成要素と、
内部キャビティを持つ圧力バルブ作動構成要素とを含み、前記戻しバルブ作動構成要素の前記内部キャビティの断面積は前記圧力バルブ作動構成要素の前記内部キャビティよりも大きい圧力バルブ作動構成要素と、
前記戻しバルブ作動構成要素の前記内部キャビティ内に配置された戻しスプールであって、前記戻し入口ポート及び戻し出口ポートを通る流体流れを調整するように形成されており、前記戻しスプールはパイロット圧力側及び負荷フィードバック圧力側を含む、戻しスプールと、
前記圧力バルブ作動構成要素の前記内部キャビティ内に前記戻しスプールと向き合って、及び別個に配置された圧力スプールであって、前記戻しスプールは、半径方向大きさが、前記圧力スプールよりも大きく、前記圧力スプールは、前記圧力入口ポート及び圧力出口ポートを通る流体流れを調整するように形成されており、前記圧力スプールもまた、パイロット圧力側及び負荷フィードバック圧力側を含む、圧力スプールと、
前記戻しバルブ作動構成要素及び前記圧力バルブ作動構成要素内に配置された、前記戻しスプール及び前記圧力スプールの制限位置を提供するように形成された制限手段とを含み、
前記戻しスプール及び前記圧力スプールは、パイロット圧力とフィードバック圧力との間に発生した圧力差に応じて、前記戻し入口ポート、前記戻し出口ポート、前記圧力入口ポート、及び前記圧力出口ポートを固有に及び系統的に開放し、及び閉鎖するように変位でき、圧力差は、前記圧力差を解消する目的のため、これと同時に、前記戻しスプール及び前記圧力スプールの前記パイロット圧力側及び負荷圧力側の夫々に作用する、非対称圧力制御バルブ。
【請求項25】
非対称圧力制御バルブにおいて、
圧力入口ポート、圧力出口ポート、戻し入口ポート、及び戻し出口ポートが形成されたバルブ本体を含み、該バルブ本体は、
内部キャビティを持つ戻しバルブ作動構成要素と、
内部キャビティを持つ圧力バルブ作動構成要素であって、前記戻しバルブ作動構成要素の前記内部キャビティの断面積は前記圧力バルブ作動構成要素の前記内部キャビティよりも大きい、圧力バルブ作動構成要素と、
前記戻し入口ポート及び前記戻し出口ポートを通る流体流れを制御するように形成された、パイロット圧力側及びフィードバック圧力側を持つ戻しスプールと、
前記戻しスプールとは別個の圧力スプールであって、断面積が前記戻しスプールよりも小さく、前記小さな断面積は、前記圧力バルブ作動構成要素と対応し、前記圧力スプールは、前記圧力入口ポート及び前記圧力出口ポートを通る流体流れを調整するように形成されており、前記圧力スプールもまた、パイロット圧力側及び負荷フィードバック圧力側を含む、圧力スプールと、
前記戻しスプール及び前記圧力スプールの前記パイロット圧力側間にこれらのパイロット圧力側によって形成されたパイロット圧力チャンバであって、前記パイロット圧力チャンバ内に、前記戻しスプール及び前記圧力スプールの前記パイロット圧力側に作用する可変のパイロット圧力を提供するように形成されたパイロット圧力源と流体連通した、パイロット圧力チャンバと、
前記バルブ本体に形成された、前記戻しスプールの前記フィードバック圧力側と流体連通したフィードバックポートと、
前記バルブ本体に形成された、前記圧力スプールの前記フィードバック圧力側と流体連通したフィードバックポートと、
前記戻し出口ポート及び前記圧力出口ポート及び前記フィードバックポートと流体連通した主流体ラインと、
前記主流体ライン及び負荷エネルギ変換システムと流体連通した負荷供給ラインであって、前記負荷エネルギ変換システムは、前記戻しスプール及び前記圧力スプールの前記フィードバック圧力側に可変のフィードバック圧力を及ぼすように形成された可変の負荷圧力をその内部に有し、前記フィードバック圧力は、前記パイロット圧力と異なっていてもよく、かくして圧力差を発生し、この圧力差により前記戻しスプール及び前記圧力スプールを変位し、前記圧力入口ポート、前記圧力出口ポート、前記戻し入口ポート、及び前記戻し出口ポートを選択的に開放し、前記パイロット圧力と前記負荷圧力とを均衡させる目的で前記圧力差を解消する、負荷供給ラインと、
前記バルブ本体の前記戻しバルブ作動構成要素に連結された戻しスプールストップであって、前記戻しスプールの前記フィードバック圧力側に位置決めされ、前記パイロット圧力が前記フィードバック圧力よりも高い場合に、前記戻し入口ポート及び前記戻し出口ポートが少なくとも部分的に閉鎖されるように前記戻しスプールの変位位置を制限するように形成された戻しスプールストップと、
前記バルブ本体の前記圧力バルブ作動構成要素に連結された圧力スプールストップであって、前記圧力スプールの前記パイロット圧力側に位置決めされ、前記パイロット圧力が前記フィードバック圧力よりも低い場合に、前記圧力入口ポート及び前記圧力出口ポートが少なくとも部分的に閉鎖されるように前記圧力スプールの変位位置を制限するように形成された圧力スプールストップとを含む、非対称圧力制御バルブ。
【請求項26】
サーボ型システム内の圧力を調整し制御するための方法において、
非対称バルブ本体を含む非対称圧力制御バルブを提供する工程であって、戻しバルブ作動構成要素の大きさが圧力バルブ作動構成要素と異なり、前記圧力制御バルブは、更に、前記バルブ本体内に自由に配置された、大きさが異なる別個の戻しスプール及び圧力スプールを含み、前記戻しスプール及び前記圧力スプールは、各々、パイロット圧力側及びフィードバック圧力側を有し、これらは、各々、前記バルブ本体の前記戻し入口ポート、前記戻し出口ポート、前記圧力入口ポート、及び前記圧力出口ポートの夫々を通る流体流れを調整するように形成されている、工程と、
前記戻しスプール及び前記圧力スプールの夫々の前記パイロット圧力側にパイロット圧力を供給する工程と、
前記戻しスプール及び前記圧力スプールの夫々の前記フィードバック圧力側にフィードバック圧力を供給する工程と、
前記戻しスプール及び前記圧力スプールの前記パイロット圧力側及びフィードバック圧力側の前後に圧力差を発生し、かくして、前記圧力差を解消し、前記パイロット圧力と前記フィードバック圧力とを等しくする試みにおいて、前記戻しスプール及び前記圧力スプールのうちの少なくとも一方を前記圧力差に応じて変位する工程とを含む、方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法において、
前記圧力差を発生する工程は、前記パイロット圧力を前記フィードバック圧力よりも高くなるように操作し、かくして、前記パイロット圧力と前記フィードバック圧力とを等しくする試みにおいて、前記圧力スプールにより前記圧力入口ポート及び前記圧力出口ポートを開放し、加圧流体を入力する工程を含む、方法。
【請求項28】
請求項26に記載の方法において、更に、
前記圧力差を発生する工程は、前記パイロット圧力を前記フィードバック圧力よりも低くなるように操作し、かくして、前記パイロット圧力と前記フィードバック圧力とを等しくする試みにおいて、前記戻しスプールを変位し、前記戻し入口ポート及び前記戻し出口ポートを開放し、加圧流体をパージする工程を含む、方法。
【請求項29】
請求項26に記載の方法において、更に、
前記パイロット圧力を前記フィードバック圧力未満に保持し、かくして前記戻しスプールにより前記戻し入口ポート及び前記戻し出口ポートを開放し、前記圧力制御バルブが低エネルギスラッシュモードに入ることができるようにする工程を含み、前記低エネルギスラッシュモードは、前記圧力制御バルブに流動学的に連結された作動可能な負荷を自由に揺動できるようにする目的で、前記戻し入口ポート及び前記戻し出口ポートを通して流体を前後に分流できるように形成されている、方法。
【請求項30】
サーボシステム又はサーボ型システム内に受動的作動を導入する方法において、
負荷に連結され、前後力を負荷圧力に変換するように形成された負荷アクチュエータを提供する工程と、
前記負荷アクチュエータと流体連通した非対称圧力制御バルブを提供する工程であって、前記圧力制御バルブは、大きさが異なるバルブ作動構成要素、及びこれらの大きさが異なるバルブ作動構成要素内に自由に配置された大きさが異なる別個の戻しスプール及び圧力スプールを持つ非対称圧力制御バルブを含み、前記戻しスプール及び前記圧力スプールは、各々、パイロット圧力側及びフィードバック側を含み、前記バルブ本体に形成された前記戻し入口ポート、前記戻し出口ポート、前記圧力入口ポート、及び前記圧力出口ポートの夫々を通る流体流れを、固有機械式フィードバックシステムに従って調整するように形成されている、工程と、
前記戻しスプール及び前記圧力スプールの夫々の前記パイロット圧力側にパイロット圧力を供給する工程と、
前記戻しスプール及び前記圧力スプールの夫々の前記フィードバック側に、前記負荷アクチュエータによって提供された前記負荷圧力と対応するフィードバック圧力を供給する工程と、
前記パイロット圧力を前記フィードバック圧力よりも低くなるように操作し、前記圧力制御バルブを受動的作動モード即ちスラッシュモードに入れる工程とを含み、スラッシュモードでは、前記圧力スプールが閉鎖されており且つ前記戻しスプールが開放されており、かくして、流体を、前記圧力制御バルブと前記負荷アクチュエータとの間で前記戻し入口ポート及び前記戻し出口ポートを通して、直接的に前後に分流できる、方法。
【請求項31】
請求項30に記載の方法において、更に、
前記圧力制御バルブを前記スラッシュモードに維持するため、前記パイロット圧力を所定期間に亘って前記フィードバック圧力未満に維持する工程を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2010−532451(P2010−532451A)
【公表日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515041(P2010−515041)
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【国際出願番号】PCT/US2008/068060
【国際公開番号】WO2009/006117
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(508177024)レイセオン・サルコス・エルエルシー (22)
【Fターム(参考)】