非常停止用押ボタンスイッチ
【課題】押ボタンスイッチに施錠した錠前の解錠のときの作業性を向上できるようにするため、非常停止用押ボタンスイッチに設けられた施錠穴の回転方向の幅を大きくすることができ、かつこの施錠穴の開放を、押ボタンの押し込みロック位置で確実に行うことのできるシャッタ付きの非常停止用押ボタンスイッチを提供する。
【解決手段】プッシュロック・ターンリセット式の非常停止用押ボタンスイッチにおいて、操作部の押ボタンの周壁を囲う周壁を有するベゼルを前記スイッチ部に固定して設け、このベゼルの周壁に錠前を通す施錠穴を形成するとともに、前記押ボタンの周壁に前記操作部のロック位置で前記ベゼルの施錠穴に重なる施錠穴を形成し、前記ベゼルの周壁の内側に軸方向に移動してベゼルの周壁の施錠穴を開閉するシャッタ部材を設けるとともに、前記操作部の押し込み操作および復帰操作に連動してこのシャッタ部材を開閉駆動する開閉機構を設ける。
【解決手段】プッシュロック・ターンリセット式の非常停止用押ボタンスイッチにおいて、操作部の押ボタンの周壁を囲う周壁を有するベゼルを前記スイッチ部に固定して設け、このベゼルの周壁に錠前を通す施錠穴を形成するとともに、前記押ボタンの周壁に前記操作部のロック位置で前記ベゼルの施錠穴に重なる施錠穴を形成し、前記ベゼルの周壁の内側に軸方向に移動してベゼルの周壁の施錠穴を開閉するシャッタ部材を設けるとともに、前記操作部の押し込み操作および復帰操作に連動してこのシャッタ部材を開閉駆動する開閉機構を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、非常時に負荷を停止させる非常停止用押ボタンスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
非常停止用押ボタンスイッチ(以下、単に「押ボタンスイッチ」という。)は、緊急時や機械の保守点検時などに押ボタンを押動操作して負荷回路を強制開路し、かつ開路状態に自己保持(ロック)する機能を有するものである。押動操作した押ボタンスイッチを待機(操作待ち)状態に復帰(リセット)する方式として、押ボタンを捻回するもの(プッシュロック・ターンリセット方式)(特許文献2参照)や押ボタンを引き戻すもの(プッシュロック・プルリセット方式)がある。いずれにしても、負荷の停止状態で誤ってリセットされると、人命に関わる事故が発生する恐れがありきわめて危険である。そのため、操作の押ボタン部分を覆う施錠可能な保護カバー(誤操作防止カバー)を取り付けたり、押ボタン中心部にキーを挿入しなければリセット操作できない鍵付きスイッチを用いたりしている。誤操作防止カバーについては、例えば特許文献1に記載されている。
【0003】
ところが、誤操作防止カバーはスイッチ本体と別部品であるため、手配漏れや取付ミスにより設置が確保されない危険がある。また、鍵付きスイッチは挿入するキーが1本のみであるため、複数者が同時にキーを保有して二重、三重の安全を図りたい場合に対応できないという問題がある。
【0004】
この問題を解決するため、特許文献3に示すように、頭部にキャップ状の押ボタンを有し、軸方向及び回転方向の両方向にばね力を受ける操作部と、この操作部により操作されるスイッチ部とを備え、前記操作部は前記ばね力に抗して軸方向に押動操作されると押し込み状態にロックされ、このロック位置の操作部は前記ばね力に抗して捻回操作されるとロックが解除され、前記ばね力により待機位置に復帰する非常停止用押ボタンスイッチにおいて、前記押ボタンの周壁に沿う周壁を有するベゼルを前記スイッチ部に固定して設け、このベゼルの周壁および押ボタンの周壁に錠前を通す施錠穴を形成し、前記操作部のロック位置、すなわちスイッチ部の開閉操作された位置で、前記押ボタンを回転させて押ボタンの周壁の施錠穴が前記ベゼルの施錠穴に重なるようにし、これらの施錠穴に跨らせて錠前を通すことにより前記操作部をロック位置で施錠するようにした非常停止用押ボタンスイッチが提案されている。
【特許文献1】特開平5−20951号公報
【特許文献2】特開2003−178643号公報
【特許文献3】特開2006−049176号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この特許文献3に示される従来の非常停止用押ボタンスイッチによれば、操作部およびベゼルに設けられた施錠穴が、操作部の押し込み操作の途中では遮蔽され、操作部がロック位置に到達してスイッチ部が開閉操作されたところで開放されるようになり、押ボタンスイッチの施錠が正しく操作部のロック位置で行われ、その他の位置での誤施錠を防止することができるようになる。
【0006】
しかしながら、この従来の非常停止用押ボタンスイッチにおいては、構造的な理由から施錠穴を開閉するために押ボタンの回転する範囲(角度)は制限され、あまり大きくすることができない。このため、押ボタンやベゼルに形成する施錠穴の回転方向の幅が制限され、これをあまり大きくすることができないので、施錠穴に掛金を挿通して施錠した状態において南京錠等の錠前の動きが著しく制限されることにより、南京錠を解錠する際に、南京錠の向きを解錠し易い方向に回転することができず、解錠の作業性に問題があった。
【0007】
そこでこの発明は、このような問題を解決して、押ボタンスイッチに施錠した錠前の解錠のときの作業性を向上できるようにするため、非常停止用押ボタンスイッチに設けられた施錠穴の回転方向の幅を大きくすることができ、かつこの施錠穴の開放を、押ボタンの押し込みロック位置で確実に行うことのできるシャッタ付きの非常停止用押ボタンスイッチを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題を解決するため、この発明は、頭部にキャップ状の押ボタンを有し、軸方向及び回転方向の両方向にばね力を受けて移動可能な操作部と、この操作部により操作されるスイッチ部とを備え、前記操作部が前記ばね力に抗して軸方向に押し込み操作されると前記スイッチ部の開閉を操作する押し込み位置でロックされ、このロック位置で操作部を前記ばね力に抗して捻回操作するとロックが解除され、前記ばね力により待機位置に復帰する非常停止用押ボタンスイッチにおいて、前記操作部の押ボタンの周壁を囲う周壁を有するベゼルを前記スイッチ部に固定して設け、このベゼルの周壁に錠前を通す施錠穴を形成するとともに、前記押ボタンの周壁に前記操作部のロック位置で前記ベゼルの施錠穴に重なる施錠穴を形成し、前記ベゼルの周壁の内側に軸方向に移動してベゼルの周壁の施錠穴を開閉するシャッタ部材を設けるとともに、前記操作部の押し込み操作および復帰操作に連動してこのシャッタ部材を開閉駆動する開閉機構を設けたことを特徴とする(請求項1)。
【0009】
この発明において、前記開閉機構は、前記シャッタ部材を前記ベゼルの施錠穴を遮蔽する位置に掛止めする部材と、前記掛止めされたシャッタ部材を施錠穴を開放する方向に付勢するシャッタ駆動ばねとを備え、前記押ボタンが、前記操作部の押し込みロック位置で前記シャッタ部材の掛止めを外す釈放部材と、前記押ボタンの回動復帰操作により前記シャッタ部材を掛止め位置まで復帰させる復帰部材とを備えるようにすることができる(請求項2)。
【0010】
また、この発明において、前記開閉機構は、前記シャッタ部材を前記ベゼルの施錠穴を遮蔽する位置に掛止めする部材と、前記掛止めされたシャッタ部材を施錠穴を開放する方向に付勢するシャッタ駆動ばねとを備え、前記押ボタンに形成された施錠穴の上縁を前記操作部の押し込みロック位置で前記シャッタ部材の掛止めを外す釈放部材とし、下縁を前記シャッタ部材を掛止め位置までに復帰させる復帰部材とするようにすることができる(請求項3)。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、押ボタンスイッチのベゼルの外周に施錠穴を設けるので、その回転方向の幅を大きくすることができ、そして、ベゼルの施錠穴を開閉するシャッタ部材が、操作部材が押し込みロック位置に達した後に、ベゼルの施錠穴を開放するように駆動されるため、押ボタンスイッチに施錠した錠前の解錠のときの作業性を向上できるとともに、この施錠穴の開放を、押ボタンの押し込みロック位置で確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態を、図に示す実施例について説明する。
【実施例1】
【0013】
図1〜図12に、この発明の第1の実施例を示す。
【0014】
ここで、図1は押ボタンスイッチの待機(操作待ち)状態の斜視図、図2および図3はそれぞれ、図1におけるII−II線およびIII−III線に沿う要部縦断面図、図4および図5は同じくロック(操作)状態直前の斜視図および要部縦断面図、図6は、同じくロック(操作)状態の斜視図、図7および図8は、それぞれ図6におけるVII−VII線およびVIII−VIII線に沿う要部縦断面図、図9は図8におけるIX−IX線に沿う要部縦断面図、図10は、同じく復帰操作状態の斜視図。図11は、同じく分解斜視図である。各縦断面図において、点線は施錠穴の位置を示している。
【0015】
まず、図1において、押ボタンスイッチは頭部にキャップ状の押ボタン11を有し、軸方向及び回転方向の両方向にばね力を受ける操作部1と、この操作部1により操作されるスイッチ部9とを備えている。なお、押ボタンスイッチは、ばねや接点などの金属部品を除いて樹脂成形品により製作されている。次に、その詳細な構成について説明する。
【0016】
図1ないし図11において、操作部1は、押ボタン11、ベゼル2、支持フレーム3、押棒6等からなっている。押ボタン11はキャップ状で操作面となる前面壁11aと周壁12とから構成され、この操作部の支持フレーム3の下端にこの操作部によって開閉操作されるスイッチ部9が結合される。
【0017】
押ボタン11は、支持フレーム3に外側から嵌め合わせて、軸方向および回転方向の両方向の復元力を発生する押ボタン復帰ばね14を介して軸方向および回転方向に可動的に支持されている。この押ボタン11の周壁を取り囲んでベゼル2が配設される。このベゼル2は支持フレーム3により支持固定される。支持フレーム3内には、フレーム3の下端に結合されたスイッチ部9のアクチュエータを駆動するための押棒6が軸方向および回転方向に移動可能に設けられる。この押棒6は、トリガばね15を介して押ボタン11に結合される。
【0018】
ベゼル2、押ボタン11および支持フレーム3が順に外側から配置され、それぞれの周壁21、12および31の対応する位置に施錠穴21a、12a、31aが設けられている。ベゼル2の施錠穴21aは、回転方向に間隔を置いて形成された回転方向に長い1対の長方形の穴で構成されるが、押ボタン11および支持フレーム3の施錠穴12aおよび31aは、ベゼル2の2つの穴を合わせた長さの1つの穴で構成される。これらの施錠穴は、1組以上設けることができ、この実施例では2組設けられている。
【0019】
押ボタン11の周壁12とフレーム3の周壁31の間に円筒状のシャッタ5が挿入される。このシャッタ5とフレーム3との間にこのシャッタ5を軸方向の下方へ付勢するためシャッタばね5cが装着される。また、フレーム3により固定支持された掛止め部材35が設けられる。この掛止め部材35は、押ボタンスイッチが待機状態にあるとき、シャッタ5の係合片5aを掛止め片35aに係合させて、シャッタ5をこの位置に掛止めする。この掛止めされたシャッタ5は、丁度ベゼル2の周壁21に設けられた施錠穴21aを遮蔽する位置に置かれている。このとき、シャッタばね5cが圧縮され、シャッタ5を下方へ付勢するばね力を発生している。
【0020】
さらに、シャッタ5の外周壁には、シャッタ5を押ボタン11の周壁12の内側に突出形成したガイド片12bと接触して、押圧によりシャッタ5の掛止め解放用操作片5eと、シャッタ5を遮蔽位置に案内する遮蔽用操作片5fが設けられている。そして、シャッタ5のシャッタばね5cを受ける部分に軸方向のガイド片5bが設けられ、これがフレーム3の周壁31に形成された案内溝31bに嵌め合せられているので(図9、図11参照)、シャッタ5は、フレーム3により回転方向の回動が阻止され、軸方向にのみ移動可能に支持される。
【0021】
押棒6は中空円筒体で、下部に一対のロックチップ62を半径方向に出入自在に保持し、各ロックチップ62は、ロックばね63により外向きに付勢される。フレーム3の周壁の内周面に、この押棒6のロックチップ62と係合するロック片3fが操作部1(押ボタン11)の捻回範囲に渡って一体形成されている。
【0022】
押棒6は、圧縮コイルばねからなるトリガばね15を挟んで、押ボタン11の内筒13に軸方向に摺動可能に挿入され、その際、外周面に軸方向に形成された突条6aが内筒13に形成された軸方向の条溝(図示せず)と嵌合することにより、軸方向に案内されるとともに回転方向に回り止めされている。また、内筒13に挿入された押棒6は、外周面に突出形成された角柱状の突起6bが内筒13の長方形の角穴13aに摺動可能に嵌め込まれ、トリガばね15のばね力に対抗して抜け止めされている。
【0023】
フレーム3に一体に結合されているスイッチ部9には図1の下端部に接点ユニットが収容されており、操作部1の押し込み位置にロックされた状態において押棒6が接点ユニットの操作棒を押し下げる。これにより、押ボタンスイッチの常閉接点(b接点)が開離され、負荷回路の強制開路が達成される。
【0024】
操作部1はスイッチ部9と結合された支持フレーム3に図2の上方から軸方向に挿入され、互いの環状の凹凸部の噛みあわせにより図示の通り摺動可能に組み合わされる。その際、押ボタン11とフレーム3との間に押しボタン復帰ばね14が挿入される。復帰ばね14は圧縮ばねと捩じりばねとを兼ねた円筒状のコイルスプリングで、両端が押ボタン11とフレーム3にそれぞれ結合され、操作部1の押ボタン11は支持フレーム3から軸方向及び回転方向の両方向にばね力を受ける。トリガばね15は円筒状の圧縮コイルばねで、復帰ばね14に比べて小さなばね定数を有している。
【0025】
押ボタンスイッチの待機状態を図1ないし図3に示す。この状態では、復帰ばね14から与えられる軸方向(圧縮方向)及び回転方向(捩じり方向)のばね力により、操作部1の押ボタン11が反時計方向に常時付勢されるとともに押し上げられている。したがって、押ボタン11の周壁12の施錠穴12aが、ベゼル2および支持フレーム3の周壁に設けられた施錠穴21aおよび31aの位置より上方の位置に置かれ、ベゼル2および支持フレーム3の施錠穴21aおよび31aは押ボタン11の周壁12により遮蔽されるため、この状態では施錠穴21aへの南京錠等の掛金の挿通が阻止され、施錠することができない。
【0026】
また、この状態では、図3に示すように、押ボタン11の周壁12とフレーム3の周壁31との間に介装されたシャッタ5は、ベゼル2およびフレーム3の施錠穴21aおよび31aを遮蔽する位置で、その係合片5aをフレーム3に設けられた掛止め部材35の掛止め片35aに係合して掛止めされる。
【0027】
ここで、押ボタン11を図4および図5に示すように、押棒6のロックチップ62がフレーム3のロック片3fに当るロック位置直前の位置まで押し込み操作すると、押ボタン11が下降し、周壁12の施錠穴12aの下辺に設けたガイド片12bがシャッタ5の掛止め解放用操作片5eに当接する。ガイド片12bが解放用操作片5eに当接するだけでは、シャッタ5の掛止めは開放されないので、シャッタ5はこの掛止め位置に保持される。
【0028】
この位置では、押ボタン11の周壁12の施錠穴12aがベゼル2およびフレーム3の施錠穴21aおよび31aと対向するようになるが、シャッタ5が掛止め位置に保持されているため、施錠穴21a、12aおよび31aはシャッタ5により閉じられたままとなる。このため、押ボタン11がこの位置に押し込まれる過程で施錠穴12aがベゼル2およびフレーム3の施錠穴21aおよび31aに対向するようになってもシャッタ5によって閉じられ開放されることがないので、操作部がロックされる前に誤って南京錠等の錠前を押ボタンスイッチに施錠することはできない。
【0029】
押ボタン11が、ここからにさらに図6に示すようにわずかに押し込まれると、トリガばね15が圧縮されてばね力が増大し、このばね力が、押棒6のロックチップ62のロック片3fに対する係止力を上回ったところで、図7に示すように、ロックチップ62がこのトリガばね15により押されてフレーム3のロック片3fを乗り越え、このロック片3fの下面で保持されるので、押棒6が移動しこの押し込み位置にロックされる。このとき押ボタン11の下降によってガイド片12bがシャッタ5の解放用操作片5eを押し下げシャッタ5の係合片5aと掛止め部材35の掛止め片35aとの係合(図3参照)を解き、シャッタ5の掛止めが解放されるため、シャッタ5はシャッタばね5c(図8参照)によって図7に示すように押し下げられるので、ここで初めて、ベゼル2、押ボタン11およびフレーム3にそれぞれ設けられた3つの施錠穴21a、12aおよび31aが対応する位置に並んで開放される。この状態では、3つの施錠穴21a、12aおよび31a
は、何も遮蔽物がなく開放されているので、これらの施錠穴に図12に示すように、南京錠81の掛け金81a、またはシザースロック82の開閉可能なフック82a,82bを挿通し、押ボタンスイッチの押ボタン11等の操作部1を施錠し、操作不能にすることができる。シザースロック82は、その複数の施錠穴82cのそれぞれに南京錠等の錠前を挿通して施錠することにより、多重の施錠を行うことができる。
【0030】
ベゼル2等に設けた施錠穴は、回転方向に幅広い形状に形成されているため、施錠穴に挿通された錠前81、82を外すときは、図12に円弧の矢印で示すように、錠前81、82を施錠穴内でかなり自由に動かし、その姿勢を変えることができるので、解錠作業が容易となる。
【0031】
この押ボタンスイッチの復帰操作は、次の通りである。
【0032】
まず、図12に示すように、押ボタンスイッチの施錠穴に挿通された錠前81、82等を開錠して、押ボタンスイッチから外す。これにより、押ボタン11の回動操作が可能となるので、図10に示すように、押ボタン11を図示矢印のように時計方向へ所定角度、例えば45°捻回する。この捻回により、押ボタン11の周壁12に設けたガイド片12bがシャッタ5の周壁に設けた3角形の遮蔽用操作片5f(図11参照)の右上がりに傾斜した下面に接触して右方向へ移動するため、シャッタ5がシャッタばね5cに抗して上方へ押し上げられ、図3に示すように、シャッタ5の係合片5aが掛止め部材35の掛止め片35aに係合して掛止め部材35により掛止めされる掛止め位置に復帰される。
【0033】
また、押ボタン11と一緒に押棒6が回動するため、図7に示すようにフレーム3のロック片3fに係止されていた押棒6のロックチップ62が、ロック片3fから外れ、ロックが解除される。ロックが外れたところで、押棒6および押ボタン11が押ボタン復帰ばね14の軸方向の復元力および回転方向の復元力により、軸方向および回転方向に駆動され、図1ないし図3に示す待機位置へ復帰する。これによりスイッチ部2の接点ユニットの操作棒も元に戻り、常開接点(b接点)が閉じ、負荷回路が再び閉じられる。
【実施例2】
【0034】
次に、図13ないし図21に示すこの発明の第2の実施例について説明する。
【0035】
図13は待機状態を示す斜視図、図14および図15は、それぞれ図13におけるXIV−XIV線およびXV−XV線に沿う要部縦断面図、図16は、押し込みロック直前の状態を示す斜視図、図17は、ロック直前の状態を示す、図16におけるXVIII−XVIII線に沿う要部縦断面図、図18および図19は、それぞれ図16におけるXVIII−XVIII線およびXIX−XIX線に沿う要部断面図、図20は図19におけるXX−XX線に沿う要部縦断面図、図21は、分解斜視図である。各縦断面図において、点線は施錠穴の位置を示している。
【0036】
この実施例2の構成は、大部分が前記実施例1と同じであるので、同一構成要素は同一符号を付して示す。
【0037】
実施例2の実施例1と構成の異なる点は、押ボタン11の周壁12からガイド片12bが除かれている点、およびシャッタ5の周壁の外周に、解放用操作片5eおよび遮蔽用操作片5fに代わって、外向きに突出した操作片5gが設けられている点である(図21参照)。
【0038】
シャッタ5の操作片5gは、組立て状態において、図14および図17に示すように押ボタン11の周壁12の施錠穴12aと対向する位置に設けられ、先端がこの中に入り込み、待機状態およびロック状態において施錠穴12aの上縁壁12uおよび下縁壁12dと当接するようになる。
【0039】
このような実施例2の押ボタンスイッチは、待機状態においては、図13ないし図15に示すように、押ボタン11が押ボタン復帰ばね14により押し上げられた状態にある。押ボタン11の施錠穴12aが、ベゼル2および支持フレーム3の施錠穴21aおよび31aより上方へずれた位置にある。そして、シャッタ5は、図15に示すように係合片5aが掛止め部材35の掛止め片35aに係合され、掛止め部材35により、ベゼル2および支持フレーム3の施錠穴21aおよび31aと対向する位置に掛止めされる。また、この位置においてシャッタ5の上端の操作片5gは、押ボタン11の周壁12の施錠穴12aの下縁壁12d上に載置されている(図14参照)。
【0040】
このため、待機状態においては、ベゼル2の施錠穴21aは、押ボタン11の周壁によって遮蔽されているので、これに南京錠などの錠前の掛け金の挿通が阻止され施錠することはできない。
【0041】
次に、押ボタン11を、図16に示すように押し込み操作すると、この押ボタン11の押し込みにしたがって、トリガばね15を介して押棒6も押し込まれる。この押棒6の先端のロックチップ62がフレーム3のロック片3fと衝突する、ロックされる直前の位置までは、シャッタ5の操作片5gが相対的に押ボタン11の周壁12の施錠穴12a内を移動する。このシャッタ5の操作片5gが、図17に示すように、施錠穴12aの上縁壁12uに当接するまでは押ボタン11によって押圧されることはない。このため、シャッタ5は掛止め位置に置かれたままとなり、押ボタン11が下降し、その施錠穴12aがベゼル2の施錠穴21aと並ぶ位置へ達し、ベゼル2の施錠穴21aの押ボタン11の周壁12による遮蔽が解放されても、ベゼル2の施錠穴21aはシャッタ5によって遮蔽されているため、施錠を行うことはできない。
【0042】
さらに押ボタン11を押し込むとトリガばね15がさらに圧縮され、そのばね力が押棒6のロックチップ62のロック片3fとの係止力より大きくなったところで、ロックチップ62がロック片3fを乗り越え、ロック片3fの下方へ移動し、押棒6および押ボタン11をこの押し込み位置に自己保持(ロック)する。そして、このような押ボタン11の更なる押し込みにより、シャッタ5の操作片5gが押ボタン11の施錠穴12aの上縁壁12uにより押圧されて押し下げられるため、シャッタ5の係合片5aの、掛止め部材35の掛止め片35aとの係合が外れ、掛止めが解放される。これにより、シャッタ5がシャッタばね5cによって押し上げられて、ベゼル2の施錠穴21aの遮蔽を解きこれを開放する(図18および図19参照)。
【0043】
このように、押ボタン11および押棒6が、ロックチップ62がロック片3fを乗り越えた押し込み位置にロック(保持)されると、押し込まれた押棒6によりスイッチ部9の図示しない接点ユニットの操作棒を押し込んで常閉(b)接点を開き、負荷回路を遮断し、負荷を停止させる。そして、このとき、3つのの施錠穴21a、12aおよび31aの間の遮蔽が全てなくなり、これらの施錠穴の全てが開放されて通じるので、これらの施錠穴に南京錠等の錠前の掛け金を挿通して押ボタンの捻回操作を阻止するよう施錠することができる(図12参照)。
【0044】
この状態では、シャッタ5の操作片5gは、図18に示すように、押ボタン11の周壁12の施錠穴12aの下縁壁12d上に載置されるようになる。
【0045】
押し込みロック状態にある押ボタンスイッチを待機状態に復帰させるためには、実施例1と同様に、施錠した錠前を全て外して、押ボタン11を所定の角度、例えば45°捻回操作する。これによって、押棒6が押ボタン11と一緒に回動し、先端のロックチップ62が、支持フレーム3のロック片3fの切れたところで、これから外れてロックが開放されるため、押ボタン11および押棒6が軸方向および回転方向の両方向の復帰力を与える押ボタン復帰ばね14により回転方向および軸方向に移動されて元の待機状態の位置に復帰される。
【0046】
シャッタ5は図20に示すように、シャッタばね受け部5bがフレーム3の縦方向の案内溝31bに嵌合され、フレーム3に対して軸方向にのみ移動可能に結合されているので、押ボタン11が上昇するとき、施錠穴12aの下縁壁12dにより、これに係合されたシャッタ5の操作片5gを介してシャッタ5がシャッタばね5cを圧縮しながらベゼル2の施錠穴21aを遮蔽する位置へ引き上げ、係合片5aを掛止め部材35の掛止め片35aに係合して掛止めする(図15参照)。
【0047】
押棒6の上昇により、スイッチ部9の図示しない接点ユニットの押棒の押し込みが解除されるので常閉(b)接点が再び閉じられ、負荷回路が閉成される。このようにして押ボタンスイッチは、図13に示すような元の待機状態に復帰される。
【0048】
この実施例2の押ボタンスイッチにおいては、押ボタンに形成された施錠穴の上縁壁を前記操作部の押し込みロック位置で前記シャッタ部材の掛止めを外す釈放部材とし、下縁壁を前記シャッタ部材を掛止め位置までに復帰させる復帰部材としているので、最外側のベゼル2の施錠穴21aの開閉が、押ボタン11の押し込み位置へのロックおよびロックの解除に同期して行われ、押ボタン11および押棒6などによって構成された操作部1が押し込みロック位置にロックされ、スイッチ部9が操作されたところで確実に施錠穴を開放することができる。したがって、押ボタンスイッチへの誤った施錠を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】この発明の実施例1を示す非常停止用押ボタンスイッチの待機状態の斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿う要部縦断面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う要部縦断面図である。
【図4】この発明の実施例1を示す非常停止用押ボタンスイッチの押し込みロック状態直前の斜視図である。
【図5】この発明の実施例1を示す非常停止用押ボタンスイッチの押し込みロック状態直前の要部縦断面図である。
【図6】この発明の実施例1を示す非常停止用押ボタンスイッチのロック状態の斜視図である。
【図7】図6におけるVII−VII線に沿う要部縦断面図である。
【図8】図6におけるVIII−VIII線に沿う要部縦断面図である
【図9】図8におけるIX−のIX線に沿う要部縦断面図である。
【図10】この発明の実施例1を示す非常停止用押ボタンスイッチの復帰操作を説明する斜視図である。
【図11】この発明の実施例1を示す非常停止用押ボタンスイッチの分解斜視図である。
【図12】この発明の実施例1を示す非常停止用押ボタンスイッチの施錠した状態を示す斜視図である。
【図13】この発明の実施例2を示す非常停止用押ボタンスイッチの待機状態の斜視図である。
【図14】図13におけるXIV−XIV線に沿う要部縦断面図である。
【図15】図13におけるXV−XV線に沿う要部縦断面図である。
【図16】この発明の実施例2を示す非常停止用押ボタンスイッチの押し込みロック状態の斜視図である。
【図17】この発明の実施例2を示す非常停止用押ボタンスイッチの押し込みロック状態直前の要部縦断面図である。
【図18】図16におけるXVIII−XVIII線に沿う要部縦断面図である。
【図19】図16におけるXIX−XIX線に沿う要部縦断面図である。
【図20】図19におけるXX−XX線に沿う要部縦断面図である
【図21】この発明の実施例2を示す非常停止用押ボタンスイッチの分解斜視図である。
【符号の説明】
【0050】
1 操作部
11 押ボタン
2 ベゼル
3 支持フレーム
5 シャッタ
6 押棒
62 ロックチップ
9 スイッチ部
21a、12a、31a 施錠穴
【技術分野】
【0001】
この発明は、非常時に負荷を停止させる非常停止用押ボタンスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
非常停止用押ボタンスイッチ(以下、単に「押ボタンスイッチ」という。)は、緊急時や機械の保守点検時などに押ボタンを押動操作して負荷回路を強制開路し、かつ開路状態に自己保持(ロック)する機能を有するものである。押動操作した押ボタンスイッチを待機(操作待ち)状態に復帰(リセット)する方式として、押ボタンを捻回するもの(プッシュロック・ターンリセット方式)(特許文献2参照)や押ボタンを引き戻すもの(プッシュロック・プルリセット方式)がある。いずれにしても、負荷の停止状態で誤ってリセットされると、人命に関わる事故が発生する恐れがありきわめて危険である。そのため、操作の押ボタン部分を覆う施錠可能な保護カバー(誤操作防止カバー)を取り付けたり、押ボタン中心部にキーを挿入しなければリセット操作できない鍵付きスイッチを用いたりしている。誤操作防止カバーについては、例えば特許文献1に記載されている。
【0003】
ところが、誤操作防止カバーはスイッチ本体と別部品であるため、手配漏れや取付ミスにより設置が確保されない危険がある。また、鍵付きスイッチは挿入するキーが1本のみであるため、複数者が同時にキーを保有して二重、三重の安全を図りたい場合に対応できないという問題がある。
【0004】
この問題を解決するため、特許文献3に示すように、頭部にキャップ状の押ボタンを有し、軸方向及び回転方向の両方向にばね力を受ける操作部と、この操作部により操作されるスイッチ部とを備え、前記操作部は前記ばね力に抗して軸方向に押動操作されると押し込み状態にロックされ、このロック位置の操作部は前記ばね力に抗して捻回操作されるとロックが解除され、前記ばね力により待機位置に復帰する非常停止用押ボタンスイッチにおいて、前記押ボタンの周壁に沿う周壁を有するベゼルを前記スイッチ部に固定して設け、このベゼルの周壁および押ボタンの周壁に錠前を通す施錠穴を形成し、前記操作部のロック位置、すなわちスイッチ部の開閉操作された位置で、前記押ボタンを回転させて押ボタンの周壁の施錠穴が前記ベゼルの施錠穴に重なるようにし、これらの施錠穴に跨らせて錠前を通すことにより前記操作部をロック位置で施錠するようにした非常停止用押ボタンスイッチが提案されている。
【特許文献1】特開平5−20951号公報
【特許文献2】特開2003−178643号公報
【特許文献3】特開2006−049176号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この特許文献3に示される従来の非常停止用押ボタンスイッチによれば、操作部およびベゼルに設けられた施錠穴が、操作部の押し込み操作の途中では遮蔽され、操作部がロック位置に到達してスイッチ部が開閉操作されたところで開放されるようになり、押ボタンスイッチの施錠が正しく操作部のロック位置で行われ、その他の位置での誤施錠を防止することができるようになる。
【0006】
しかしながら、この従来の非常停止用押ボタンスイッチにおいては、構造的な理由から施錠穴を開閉するために押ボタンの回転する範囲(角度)は制限され、あまり大きくすることができない。このため、押ボタンやベゼルに形成する施錠穴の回転方向の幅が制限され、これをあまり大きくすることができないので、施錠穴に掛金を挿通して施錠した状態において南京錠等の錠前の動きが著しく制限されることにより、南京錠を解錠する際に、南京錠の向きを解錠し易い方向に回転することができず、解錠の作業性に問題があった。
【0007】
そこでこの発明は、このような問題を解決して、押ボタンスイッチに施錠した錠前の解錠のときの作業性を向上できるようにするため、非常停止用押ボタンスイッチに設けられた施錠穴の回転方向の幅を大きくすることができ、かつこの施錠穴の開放を、押ボタンの押し込みロック位置で確実に行うことのできるシャッタ付きの非常停止用押ボタンスイッチを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題を解決するため、この発明は、頭部にキャップ状の押ボタンを有し、軸方向及び回転方向の両方向にばね力を受けて移動可能な操作部と、この操作部により操作されるスイッチ部とを備え、前記操作部が前記ばね力に抗して軸方向に押し込み操作されると前記スイッチ部の開閉を操作する押し込み位置でロックされ、このロック位置で操作部を前記ばね力に抗して捻回操作するとロックが解除され、前記ばね力により待機位置に復帰する非常停止用押ボタンスイッチにおいて、前記操作部の押ボタンの周壁を囲う周壁を有するベゼルを前記スイッチ部に固定して設け、このベゼルの周壁に錠前を通す施錠穴を形成するとともに、前記押ボタンの周壁に前記操作部のロック位置で前記ベゼルの施錠穴に重なる施錠穴を形成し、前記ベゼルの周壁の内側に軸方向に移動してベゼルの周壁の施錠穴を開閉するシャッタ部材を設けるとともに、前記操作部の押し込み操作および復帰操作に連動してこのシャッタ部材を開閉駆動する開閉機構を設けたことを特徴とする(請求項1)。
【0009】
この発明において、前記開閉機構は、前記シャッタ部材を前記ベゼルの施錠穴を遮蔽する位置に掛止めする部材と、前記掛止めされたシャッタ部材を施錠穴を開放する方向に付勢するシャッタ駆動ばねとを備え、前記押ボタンが、前記操作部の押し込みロック位置で前記シャッタ部材の掛止めを外す釈放部材と、前記押ボタンの回動復帰操作により前記シャッタ部材を掛止め位置まで復帰させる復帰部材とを備えるようにすることができる(請求項2)。
【0010】
また、この発明において、前記開閉機構は、前記シャッタ部材を前記ベゼルの施錠穴を遮蔽する位置に掛止めする部材と、前記掛止めされたシャッタ部材を施錠穴を開放する方向に付勢するシャッタ駆動ばねとを備え、前記押ボタンに形成された施錠穴の上縁を前記操作部の押し込みロック位置で前記シャッタ部材の掛止めを外す釈放部材とし、下縁を前記シャッタ部材を掛止め位置までに復帰させる復帰部材とするようにすることができる(請求項3)。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、押ボタンスイッチのベゼルの外周に施錠穴を設けるので、その回転方向の幅を大きくすることができ、そして、ベゼルの施錠穴を開閉するシャッタ部材が、操作部材が押し込みロック位置に達した後に、ベゼルの施錠穴を開放するように駆動されるため、押ボタンスイッチに施錠した錠前の解錠のときの作業性を向上できるとともに、この施錠穴の開放を、押ボタンの押し込みロック位置で確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態を、図に示す実施例について説明する。
【実施例1】
【0013】
図1〜図12に、この発明の第1の実施例を示す。
【0014】
ここで、図1は押ボタンスイッチの待機(操作待ち)状態の斜視図、図2および図3はそれぞれ、図1におけるII−II線およびIII−III線に沿う要部縦断面図、図4および図5は同じくロック(操作)状態直前の斜視図および要部縦断面図、図6は、同じくロック(操作)状態の斜視図、図7および図8は、それぞれ図6におけるVII−VII線およびVIII−VIII線に沿う要部縦断面図、図9は図8におけるIX−IX線に沿う要部縦断面図、図10は、同じく復帰操作状態の斜視図。図11は、同じく分解斜視図である。各縦断面図において、点線は施錠穴の位置を示している。
【0015】
まず、図1において、押ボタンスイッチは頭部にキャップ状の押ボタン11を有し、軸方向及び回転方向の両方向にばね力を受ける操作部1と、この操作部1により操作されるスイッチ部9とを備えている。なお、押ボタンスイッチは、ばねや接点などの金属部品を除いて樹脂成形品により製作されている。次に、その詳細な構成について説明する。
【0016】
図1ないし図11において、操作部1は、押ボタン11、ベゼル2、支持フレーム3、押棒6等からなっている。押ボタン11はキャップ状で操作面となる前面壁11aと周壁12とから構成され、この操作部の支持フレーム3の下端にこの操作部によって開閉操作されるスイッチ部9が結合される。
【0017】
押ボタン11は、支持フレーム3に外側から嵌め合わせて、軸方向および回転方向の両方向の復元力を発生する押ボタン復帰ばね14を介して軸方向および回転方向に可動的に支持されている。この押ボタン11の周壁を取り囲んでベゼル2が配設される。このベゼル2は支持フレーム3により支持固定される。支持フレーム3内には、フレーム3の下端に結合されたスイッチ部9のアクチュエータを駆動するための押棒6が軸方向および回転方向に移動可能に設けられる。この押棒6は、トリガばね15を介して押ボタン11に結合される。
【0018】
ベゼル2、押ボタン11および支持フレーム3が順に外側から配置され、それぞれの周壁21、12および31の対応する位置に施錠穴21a、12a、31aが設けられている。ベゼル2の施錠穴21aは、回転方向に間隔を置いて形成された回転方向に長い1対の長方形の穴で構成されるが、押ボタン11および支持フレーム3の施錠穴12aおよび31aは、ベゼル2の2つの穴を合わせた長さの1つの穴で構成される。これらの施錠穴は、1組以上設けることができ、この実施例では2組設けられている。
【0019】
押ボタン11の周壁12とフレーム3の周壁31の間に円筒状のシャッタ5が挿入される。このシャッタ5とフレーム3との間にこのシャッタ5を軸方向の下方へ付勢するためシャッタばね5cが装着される。また、フレーム3により固定支持された掛止め部材35が設けられる。この掛止め部材35は、押ボタンスイッチが待機状態にあるとき、シャッタ5の係合片5aを掛止め片35aに係合させて、シャッタ5をこの位置に掛止めする。この掛止めされたシャッタ5は、丁度ベゼル2の周壁21に設けられた施錠穴21aを遮蔽する位置に置かれている。このとき、シャッタばね5cが圧縮され、シャッタ5を下方へ付勢するばね力を発生している。
【0020】
さらに、シャッタ5の外周壁には、シャッタ5を押ボタン11の周壁12の内側に突出形成したガイド片12bと接触して、押圧によりシャッタ5の掛止め解放用操作片5eと、シャッタ5を遮蔽位置に案内する遮蔽用操作片5fが設けられている。そして、シャッタ5のシャッタばね5cを受ける部分に軸方向のガイド片5bが設けられ、これがフレーム3の周壁31に形成された案内溝31bに嵌め合せられているので(図9、図11参照)、シャッタ5は、フレーム3により回転方向の回動が阻止され、軸方向にのみ移動可能に支持される。
【0021】
押棒6は中空円筒体で、下部に一対のロックチップ62を半径方向に出入自在に保持し、各ロックチップ62は、ロックばね63により外向きに付勢される。フレーム3の周壁の内周面に、この押棒6のロックチップ62と係合するロック片3fが操作部1(押ボタン11)の捻回範囲に渡って一体形成されている。
【0022】
押棒6は、圧縮コイルばねからなるトリガばね15を挟んで、押ボタン11の内筒13に軸方向に摺動可能に挿入され、その際、外周面に軸方向に形成された突条6aが内筒13に形成された軸方向の条溝(図示せず)と嵌合することにより、軸方向に案内されるとともに回転方向に回り止めされている。また、内筒13に挿入された押棒6は、外周面に突出形成された角柱状の突起6bが内筒13の長方形の角穴13aに摺動可能に嵌め込まれ、トリガばね15のばね力に対抗して抜け止めされている。
【0023】
フレーム3に一体に結合されているスイッチ部9には図1の下端部に接点ユニットが収容されており、操作部1の押し込み位置にロックされた状態において押棒6が接点ユニットの操作棒を押し下げる。これにより、押ボタンスイッチの常閉接点(b接点)が開離され、負荷回路の強制開路が達成される。
【0024】
操作部1はスイッチ部9と結合された支持フレーム3に図2の上方から軸方向に挿入され、互いの環状の凹凸部の噛みあわせにより図示の通り摺動可能に組み合わされる。その際、押ボタン11とフレーム3との間に押しボタン復帰ばね14が挿入される。復帰ばね14は圧縮ばねと捩じりばねとを兼ねた円筒状のコイルスプリングで、両端が押ボタン11とフレーム3にそれぞれ結合され、操作部1の押ボタン11は支持フレーム3から軸方向及び回転方向の両方向にばね力を受ける。トリガばね15は円筒状の圧縮コイルばねで、復帰ばね14に比べて小さなばね定数を有している。
【0025】
押ボタンスイッチの待機状態を図1ないし図3に示す。この状態では、復帰ばね14から与えられる軸方向(圧縮方向)及び回転方向(捩じり方向)のばね力により、操作部1の押ボタン11が反時計方向に常時付勢されるとともに押し上げられている。したがって、押ボタン11の周壁12の施錠穴12aが、ベゼル2および支持フレーム3の周壁に設けられた施錠穴21aおよび31aの位置より上方の位置に置かれ、ベゼル2および支持フレーム3の施錠穴21aおよび31aは押ボタン11の周壁12により遮蔽されるため、この状態では施錠穴21aへの南京錠等の掛金の挿通が阻止され、施錠することができない。
【0026】
また、この状態では、図3に示すように、押ボタン11の周壁12とフレーム3の周壁31との間に介装されたシャッタ5は、ベゼル2およびフレーム3の施錠穴21aおよび31aを遮蔽する位置で、その係合片5aをフレーム3に設けられた掛止め部材35の掛止め片35aに係合して掛止めされる。
【0027】
ここで、押ボタン11を図4および図5に示すように、押棒6のロックチップ62がフレーム3のロック片3fに当るロック位置直前の位置まで押し込み操作すると、押ボタン11が下降し、周壁12の施錠穴12aの下辺に設けたガイド片12bがシャッタ5の掛止め解放用操作片5eに当接する。ガイド片12bが解放用操作片5eに当接するだけでは、シャッタ5の掛止めは開放されないので、シャッタ5はこの掛止め位置に保持される。
【0028】
この位置では、押ボタン11の周壁12の施錠穴12aがベゼル2およびフレーム3の施錠穴21aおよび31aと対向するようになるが、シャッタ5が掛止め位置に保持されているため、施錠穴21a、12aおよび31aはシャッタ5により閉じられたままとなる。このため、押ボタン11がこの位置に押し込まれる過程で施錠穴12aがベゼル2およびフレーム3の施錠穴21aおよび31aに対向するようになってもシャッタ5によって閉じられ開放されることがないので、操作部がロックされる前に誤って南京錠等の錠前を押ボタンスイッチに施錠することはできない。
【0029】
押ボタン11が、ここからにさらに図6に示すようにわずかに押し込まれると、トリガばね15が圧縮されてばね力が増大し、このばね力が、押棒6のロックチップ62のロック片3fに対する係止力を上回ったところで、図7に示すように、ロックチップ62がこのトリガばね15により押されてフレーム3のロック片3fを乗り越え、このロック片3fの下面で保持されるので、押棒6が移動しこの押し込み位置にロックされる。このとき押ボタン11の下降によってガイド片12bがシャッタ5の解放用操作片5eを押し下げシャッタ5の係合片5aと掛止め部材35の掛止め片35aとの係合(図3参照)を解き、シャッタ5の掛止めが解放されるため、シャッタ5はシャッタばね5c(図8参照)によって図7に示すように押し下げられるので、ここで初めて、ベゼル2、押ボタン11およびフレーム3にそれぞれ設けられた3つの施錠穴21a、12aおよび31aが対応する位置に並んで開放される。この状態では、3つの施錠穴21a、12aおよび31a
は、何も遮蔽物がなく開放されているので、これらの施錠穴に図12に示すように、南京錠81の掛け金81a、またはシザースロック82の開閉可能なフック82a,82bを挿通し、押ボタンスイッチの押ボタン11等の操作部1を施錠し、操作不能にすることができる。シザースロック82は、その複数の施錠穴82cのそれぞれに南京錠等の錠前を挿通して施錠することにより、多重の施錠を行うことができる。
【0030】
ベゼル2等に設けた施錠穴は、回転方向に幅広い形状に形成されているため、施錠穴に挿通された錠前81、82を外すときは、図12に円弧の矢印で示すように、錠前81、82を施錠穴内でかなり自由に動かし、その姿勢を変えることができるので、解錠作業が容易となる。
【0031】
この押ボタンスイッチの復帰操作は、次の通りである。
【0032】
まず、図12に示すように、押ボタンスイッチの施錠穴に挿通された錠前81、82等を開錠して、押ボタンスイッチから外す。これにより、押ボタン11の回動操作が可能となるので、図10に示すように、押ボタン11を図示矢印のように時計方向へ所定角度、例えば45°捻回する。この捻回により、押ボタン11の周壁12に設けたガイド片12bがシャッタ5の周壁に設けた3角形の遮蔽用操作片5f(図11参照)の右上がりに傾斜した下面に接触して右方向へ移動するため、シャッタ5がシャッタばね5cに抗して上方へ押し上げられ、図3に示すように、シャッタ5の係合片5aが掛止め部材35の掛止め片35aに係合して掛止め部材35により掛止めされる掛止め位置に復帰される。
【0033】
また、押ボタン11と一緒に押棒6が回動するため、図7に示すようにフレーム3のロック片3fに係止されていた押棒6のロックチップ62が、ロック片3fから外れ、ロックが解除される。ロックが外れたところで、押棒6および押ボタン11が押ボタン復帰ばね14の軸方向の復元力および回転方向の復元力により、軸方向および回転方向に駆動され、図1ないし図3に示す待機位置へ復帰する。これによりスイッチ部2の接点ユニットの操作棒も元に戻り、常開接点(b接点)が閉じ、負荷回路が再び閉じられる。
【実施例2】
【0034】
次に、図13ないし図21に示すこの発明の第2の実施例について説明する。
【0035】
図13は待機状態を示す斜視図、図14および図15は、それぞれ図13におけるXIV−XIV線およびXV−XV線に沿う要部縦断面図、図16は、押し込みロック直前の状態を示す斜視図、図17は、ロック直前の状態を示す、図16におけるXVIII−XVIII線に沿う要部縦断面図、図18および図19は、それぞれ図16におけるXVIII−XVIII線およびXIX−XIX線に沿う要部断面図、図20は図19におけるXX−XX線に沿う要部縦断面図、図21は、分解斜視図である。各縦断面図において、点線は施錠穴の位置を示している。
【0036】
この実施例2の構成は、大部分が前記実施例1と同じであるので、同一構成要素は同一符号を付して示す。
【0037】
実施例2の実施例1と構成の異なる点は、押ボタン11の周壁12からガイド片12bが除かれている点、およびシャッタ5の周壁の外周に、解放用操作片5eおよび遮蔽用操作片5fに代わって、外向きに突出した操作片5gが設けられている点である(図21参照)。
【0038】
シャッタ5の操作片5gは、組立て状態において、図14および図17に示すように押ボタン11の周壁12の施錠穴12aと対向する位置に設けられ、先端がこの中に入り込み、待機状態およびロック状態において施錠穴12aの上縁壁12uおよび下縁壁12dと当接するようになる。
【0039】
このような実施例2の押ボタンスイッチは、待機状態においては、図13ないし図15に示すように、押ボタン11が押ボタン復帰ばね14により押し上げられた状態にある。押ボタン11の施錠穴12aが、ベゼル2および支持フレーム3の施錠穴21aおよび31aより上方へずれた位置にある。そして、シャッタ5は、図15に示すように係合片5aが掛止め部材35の掛止め片35aに係合され、掛止め部材35により、ベゼル2および支持フレーム3の施錠穴21aおよび31aと対向する位置に掛止めされる。また、この位置においてシャッタ5の上端の操作片5gは、押ボタン11の周壁12の施錠穴12aの下縁壁12d上に載置されている(図14参照)。
【0040】
このため、待機状態においては、ベゼル2の施錠穴21aは、押ボタン11の周壁によって遮蔽されているので、これに南京錠などの錠前の掛け金の挿通が阻止され施錠することはできない。
【0041】
次に、押ボタン11を、図16に示すように押し込み操作すると、この押ボタン11の押し込みにしたがって、トリガばね15を介して押棒6も押し込まれる。この押棒6の先端のロックチップ62がフレーム3のロック片3fと衝突する、ロックされる直前の位置までは、シャッタ5の操作片5gが相対的に押ボタン11の周壁12の施錠穴12a内を移動する。このシャッタ5の操作片5gが、図17に示すように、施錠穴12aの上縁壁12uに当接するまでは押ボタン11によって押圧されることはない。このため、シャッタ5は掛止め位置に置かれたままとなり、押ボタン11が下降し、その施錠穴12aがベゼル2の施錠穴21aと並ぶ位置へ達し、ベゼル2の施錠穴21aの押ボタン11の周壁12による遮蔽が解放されても、ベゼル2の施錠穴21aはシャッタ5によって遮蔽されているため、施錠を行うことはできない。
【0042】
さらに押ボタン11を押し込むとトリガばね15がさらに圧縮され、そのばね力が押棒6のロックチップ62のロック片3fとの係止力より大きくなったところで、ロックチップ62がロック片3fを乗り越え、ロック片3fの下方へ移動し、押棒6および押ボタン11をこの押し込み位置に自己保持(ロック)する。そして、このような押ボタン11の更なる押し込みにより、シャッタ5の操作片5gが押ボタン11の施錠穴12aの上縁壁12uにより押圧されて押し下げられるため、シャッタ5の係合片5aの、掛止め部材35の掛止め片35aとの係合が外れ、掛止めが解放される。これにより、シャッタ5がシャッタばね5cによって押し上げられて、ベゼル2の施錠穴21aの遮蔽を解きこれを開放する(図18および図19参照)。
【0043】
このように、押ボタン11および押棒6が、ロックチップ62がロック片3fを乗り越えた押し込み位置にロック(保持)されると、押し込まれた押棒6によりスイッチ部9の図示しない接点ユニットの操作棒を押し込んで常閉(b)接点を開き、負荷回路を遮断し、負荷を停止させる。そして、このとき、3つのの施錠穴21a、12aおよび31aの間の遮蔽が全てなくなり、これらの施錠穴の全てが開放されて通じるので、これらの施錠穴に南京錠等の錠前の掛け金を挿通して押ボタンの捻回操作を阻止するよう施錠することができる(図12参照)。
【0044】
この状態では、シャッタ5の操作片5gは、図18に示すように、押ボタン11の周壁12の施錠穴12aの下縁壁12d上に載置されるようになる。
【0045】
押し込みロック状態にある押ボタンスイッチを待機状態に復帰させるためには、実施例1と同様に、施錠した錠前を全て外して、押ボタン11を所定の角度、例えば45°捻回操作する。これによって、押棒6が押ボタン11と一緒に回動し、先端のロックチップ62が、支持フレーム3のロック片3fの切れたところで、これから外れてロックが開放されるため、押ボタン11および押棒6が軸方向および回転方向の両方向の復帰力を与える押ボタン復帰ばね14により回転方向および軸方向に移動されて元の待機状態の位置に復帰される。
【0046】
シャッタ5は図20に示すように、シャッタばね受け部5bがフレーム3の縦方向の案内溝31bに嵌合され、フレーム3に対して軸方向にのみ移動可能に結合されているので、押ボタン11が上昇するとき、施錠穴12aの下縁壁12dにより、これに係合されたシャッタ5の操作片5gを介してシャッタ5がシャッタばね5cを圧縮しながらベゼル2の施錠穴21aを遮蔽する位置へ引き上げ、係合片5aを掛止め部材35の掛止め片35aに係合して掛止めする(図15参照)。
【0047】
押棒6の上昇により、スイッチ部9の図示しない接点ユニットの押棒の押し込みが解除されるので常閉(b)接点が再び閉じられ、負荷回路が閉成される。このようにして押ボタンスイッチは、図13に示すような元の待機状態に復帰される。
【0048】
この実施例2の押ボタンスイッチにおいては、押ボタンに形成された施錠穴の上縁壁を前記操作部の押し込みロック位置で前記シャッタ部材の掛止めを外す釈放部材とし、下縁壁を前記シャッタ部材を掛止め位置までに復帰させる復帰部材としているので、最外側のベゼル2の施錠穴21aの開閉が、押ボタン11の押し込み位置へのロックおよびロックの解除に同期して行われ、押ボタン11および押棒6などによって構成された操作部1が押し込みロック位置にロックされ、スイッチ部9が操作されたところで確実に施錠穴を開放することができる。したがって、押ボタンスイッチへの誤った施錠を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】この発明の実施例1を示す非常停止用押ボタンスイッチの待機状態の斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿う要部縦断面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う要部縦断面図である。
【図4】この発明の実施例1を示す非常停止用押ボタンスイッチの押し込みロック状態直前の斜視図である。
【図5】この発明の実施例1を示す非常停止用押ボタンスイッチの押し込みロック状態直前の要部縦断面図である。
【図6】この発明の実施例1を示す非常停止用押ボタンスイッチのロック状態の斜視図である。
【図7】図6におけるVII−VII線に沿う要部縦断面図である。
【図8】図6におけるVIII−VIII線に沿う要部縦断面図である
【図9】図8におけるIX−のIX線に沿う要部縦断面図である。
【図10】この発明の実施例1を示す非常停止用押ボタンスイッチの復帰操作を説明する斜視図である。
【図11】この発明の実施例1を示す非常停止用押ボタンスイッチの分解斜視図である。
【図12】この発明の実施例1を示す非常停止用押ボタンスイッチの施錠した状態を示す斜視図である。
【図13】この発明の実施例2を示す非常停止用押ボタンスイッチの待機状態の斜視図である。
【図14】図13におけるXIV−XIV線に沿う要部縦断面図である。
【図15】図13におけるXV−XV線に沿う要部縦断面図である。
【図16】この発明の実施例2を示す非常停止用押ボタンスイッチの押し込みロック状態の斜視図である。
【図17】この発明の実施例2を示す非常停止用押ボタンスイッチの押し込みロック状態直前の要部縦断面図である。
【図18】図16におけるXVIII−XVIII線に沿う要部縦断面図である。
【図19】図16におけるXIX−XIX線に沿う要部縦断面図である。
【図20】図19におけるXX−XX線に沿う要部縦断面図である
【図21】この発明の実施例2を示す非常停止用押ボタンスイッチの分解斜視図である。
【符号の説明】
【0050】
1 操作部
11 押ボタン
2 ベゼル
3 支持フレーム
5 シャッタ
6 押棒
62 ロックチップ
9 スイッチ部
21a、12a、31a 施錠穴
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部にキャップ状の押ボタンを有し、軸方向及び回転方向の両方向にばね力を受けて移動可能な操作部と、この操作部により操作されるスイッチ部とを備え、前記操作部が前記ばね力に抗して軸方向に押し込み操作されると前記スイッチ部の開閉を操作する押し込み位置でロックされ、このロック位置で操作部を前記ばね力に抗して捻回操作するとロックが解除され、前記ばね力により待機位置に復帰する非常停止用押ボタンスイッチにおいて、前記操作部の押ボタンの周壁を囲う周壁を有するベゼルを前記スイッチ部に固定して設け、このベゼルの周壁に錠前を通す施錠穴を形成するとともに、前記押ボタンの周壁に前記操作部のロック位置で前記ベゼルの施錠穴に重なる施錠穴を形成し、前記ベゼルの周壁の内側に軸方向に移動してベゼルの周壁の施錠穴を開閉するシャッタ部材を設けるとともに、前記操作部の押し込み操作および復帰操作に連動してこのシャッタ部材を開閉駆動する開閉機構を設けたことを特徴とする非常停止用押ボタンスイッチ。
【請求項2】
請求項1に記載の非常停止用押ボタンスイッチにおいて、前記開閉機構が、前記シャッタ部材を前記ベゼルの施錠穴を遮蔽する位置に掛止めする部材と、前記掛止めされたシャッタ部材を施錠穴を開放する方向に付勢するシャッタ駆動ばねとを備え、前記押ボタンが、前記操作部の押し込みロック位置で前記シャッタ部材の掛止めを外す釈放部材と、前記押ボタンの回動復帰操作により前記シャッタ部材を掛止め位置までに復帰させる復帰部材とを備えたことを特徴とする非常停止用押ボタンスイッチ。
【請求項3】
請求項1に記載の非常停止用押ボタンスイッチにおいて、前記開閉機構が、前記シャッタ部材を前記ベゼルの施錠穴を遮蔽する位置に掛止めする部材と、前記掛止めされたシャッタ部材を施錠穴を開放する方向に付勢するシャッタ駆動ばねとを備え、前記押ボタンに形成された施錠穴の上縁を前記操作部の押し込みロック位置で前記シャッタ部材の掛止めを外す釈放部材とし、下縁を前記シャッタ部材を掛止め位置までに復帰させる復帰部材とすることを特徴とする非常停止用押ボタンスイッチ。
【請求項1】
頭部にキャップ状の押ボタンを有し、軸方向及び回転方向の両方向にばね力を受けて移動可能な操作部と、この操作部により操作されるスイッチ部とを備え、前記操作部が前記ばね力に抗して軸方向に押し込み操作されると前記スイッチ部の開閉を操作する押し込み位置でロックされ、このロック位置で操作部を前記ばね力に抗して捻回操作するとロックが解除され、前記ばね力により待機位置に復帰する非常停止用押ボタンスイッチにおいて、前記操作部の押ボタンの周壁を囲う周壁を有するベゼルを前記スイッチ部に固定して設け、このベゼルの周壁に錠前を通す施錠穴を形成するとともに、前記押ボタンの周壁に前記操作部のロック位置で前記ベゼルの施錠穴に重なる施錠穴を形成し、前記ベゼルの周壁の内側に軸方向に移動してベゼルの周壁の施錠穴を開閉するシャッタ部材を設けるとともに、前記操作部の押し込み操作および復帰操作に連動してこのシャッタ部材を開閉駆動する開閉機構を設けたことを特徴とする非常停止用押ボタンスイッチ。
【請求項2】
請求項1に記載の非常停止用押ボタンスイッチにおいて、前記開閉機構が、前記シャッタ部材を前記ベゼルの施錠穴を遮蔽する位置に掛止めする部材と、前記掛止めされたシャッタ部材を施錠穴を開放する方向に付勢するシャッタ駆動ばねとを備え、前記押ボタンが、前記操作部の押し込みロック位置で前記シャッタ部材の掛止めを外す釈放部材と、前記押ボタンの回動復帰操作により前記シャッタ部材を掛止め位置までに復帰させる復帰部材とを備えたことを特徴とする非常停止用押ボタンスイッチ。
【請求項3】
請求項1に記載の非常停止用押ボタンスイッチにおいて、前記開閉機構が、前記シャッタ部材を前記ベゼルの施錠穴を遮蔽する位置に掛止めする部材と、前記掛止めされたシャッタ部材を施錠穴を開放する方向に付勢するシャッタ駆動ばねとを備え、前記押ボタンに形成された施錠穴の上縁を前記操作部の押し込みロック位置で前記シャッタ部材の掛止めを外す釈放部材とし、下縁を前記シャッタ部材を掛止め位置までに復帰させる復帰部材とすることを特徴とする非常停止用押ボタンスイッチ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2008−311097(P2008−311097A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−158206(P2007−158206)
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【出願人】(390021186)株式会社秩父富士 (54)
【出願人】(503361927)富士電機アセッツマネジメント株式会社 (402)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【出願人】(390021186)株式会社秩父富士 (54)
【出願人】(503361927)富士電機アセッツマネジメント株式会社 (402)
【Fターム(参考)】
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