説明

非平面状ポルフィリンを用いた有機感光性光電子デバイス

本発明の実施形態によれば、式(I):


で表される少なくともひとつの非平面状ポルフィリンを含む有機感光性光電子デバイスが提供され、式中のM、RおよびR’の定義は明細書中に開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(共同研究合意)
クレームした発明の一部は、以下の一以上の団体に代わっておよび/または連携して、南カリフォルニア大学およびグローバルフォトニックエネルギーコーポレーションの大学−企業間協力研究の合意によってなされた。この合意はクレームした発明の各部分のなされる前およびなされた日に有効であり、クレームした発明はこの合意の範囲の活動の結果なされたものである。
【0002】
(発明の技術分野)
本発明は全般に有機感光性光電子デバイスに関する。より詳細には、本発明は、少なくともひとつの非平面状ポルフィリンを含む有機感光性光電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
(背景技術)
光電子デバイスは、物質の光学的および電子的性質によっており、電子的に電磁波放射を発生するか検出する、または、周囲の電磁波放射から電力を発生させるものである。
【0004】
感光性光電子デバイスは電磁波放射を電気信号または電力に変換する。太陽電池は、光電(Photovoltaic「PV」)デバイスとも称され、電力を発生させるために特に使用される感光性光電子デバイスの一種である。光電導セルは、光吸収による変化を検出するために素子の抵抗をモニターする信号検出回路と連結して使用される感光性光電子デバイスの一種である。光検出器は、印加されたバイアス電圧を受け、電磁波放射が照射したときに発生する電流を測定する電流検出回路と連結して使用される感光性光電子デバイスの一種である。
【0005】
これら三種類の感光性光電子デバイスは、整流接合が存在するかどうかによって、また、デバイスがバイアスまたはバイアス電圧として知られる外部からの印加電圧で動作するかによっても区別することができる。光電導セルは整流接合を有しておらず、通常はバイアスによって動作する。PVデバイスは、少なくとも1の整流接合を有し、バイアスでは動作しない。光検出器は、少なくとも1の整流接合を有し、必ずしもそうではないが通常はバイアスによって動作する。
【0006】
本明細書において、「整流」の語は、とりわけ接合部分が非対称な導電特性を有する、すなわち接合部分は一方向の電荷輸送を優先して支持することを意味する。「半導体」の語は、電荷キャリアが熱的または電磁的励起によって誘起されたときに電流が流れる物質を意味する。「光導電性」の語は、キャリアが物質中の電荷を通す(すなわち輸送する)ために、電磁放射エネルギーが吸収され、それが電荷キャリアの励起エネルギーに転換されるプロセスに一般的に関連する。「光導電性物質」の語は、電磁波放射を吸収し電荷キャリアを生じるその性質のために使用される半導体材料を参照する。
【0007】
適当なエネルギーの電磁波放射が有機半導体材料に入射すると、光子が分子の励起状態を生成するために吸収され得る。有機光導電性物質では、生成した分子状態は一般的に「励起子」すなわち、準粒子として輸送される束縛状態の電子−正孔対となると信じられている。励起子は、(電子または正孔が異なる対として再結合することとは対照的に)元の電子と正孔とが互いに再結合する双性再結合(geminate recombination)(「クエンチング」)の前に、かなりの寿命を有し得る。光電流を発生するために、励起子を生成する電子−正孔は、典型的には整流接合で分離される。
【0008】
感光性デバイスの場合は、整流接合は光電ヘテロ接合として参照される。有機光電ヘテロ接合の種類としては、ドナー物質とアクセプター物質との界面で生成されるドナー−アクセプターヘテロ接合および光導電性物質と金属との界面で生成されるショットキー障壁ヘテロ接合が含まれる。
【0009】
図1は、ドナー−アクセプターヘテロ接合の例を示すエネルギー準位図である。有機物という観点からは、「ドナー」および「アクセプター」の語は、接触している異なる二つの有機物の最高被占分子軌道(Highest Occupied Molecular Orbital「HOMO」)および最低空分子軌道(Lowest Unoccupied Molecular Orbital 「LUMO」)のエネルギー準位の相対的な位置を指す。仮に別の物質に接触しているある物質のLUMOエネルギー準位がより低ければ、その物質はアクセプターとなる。そうでなければ、ドナーとなる。アクセプター物質中に移動するドナー−アクセプター接合における電子には、「外部の」バイアスはない方がエネルギー的に望ましい。
【0010】
本明細書においては、もし第1エネルギー準位が真空エネルギー準位10に近ければ、第1HOMOまたはLUMOエネルギー準位は第2HOMOまたはLUMOエネルギー準位よりも「大きい」か「高い」。高い方のHOMOエネルギー準位は、真空準位に対してより小さい絶対エネルギーを有するイオン化ポテンシャル(「IP」)に対応する。同様に、高い方のLUMOエネルギー準位は、真空準位に対してより小さい絶対エネルギーを有する電子親和力(「EA」)に対応する。通常のエネルギー準位図では、真空準位を最上部に置き、物質のLUMOエネルギー準位は、同じ物質のHOMOエネルギー準位よりも高くなっている。
【0011】
ドナー152またはアクセプター154における光子6の吸収が励起子8を生じた後、励起子8は整流界面で分離する。ドナー152は正孔(白丸)を輸送しアクセプター154は電子(黒丸)を輸送する。
【0012】
有機半導体の重要な性質はキャリア移動度である。移動度は電荷キャリアが電場に応答して導電性物質中を動くときの動きやすさを示す。有機感光性デバイスとしての観点からは、高い電子移動度により優先的に電子によって導電性を示す物質は、電子輸送物質と称される。高い正孔移動度により優先的に正孔によって導電性を示す物質は、正孔輸送物質と称される。デバイス中の移動度および/または位置により、優先的に電子によって導電性を示す層は、電子輸送層(「ETL」)と称される。デバイス中の移動度および/または位置により、優先的に正孔によって導電性を示す層は、正孔輸送層(「HTL」)と称される。好ましくは、しかし必ずしもそうでなくてもよいが、アクセプター物質は電子輸送物質であり、ドナー物質は正孔輸送質であることがよい。
【0013】
キャリア移動度および相対的なHOMOおよびLUMO準位に基づき、光電ヘテロ接合でドナーおよびアクセプターとして機能する二つの有機光導電性物質を対にする方法は、従来よく知られており、ここでは説明しない。
【0014】
バルク半導体(bulk semiconductor)および絶縁体に共通する一つの特徴は「バンドギャップ」である。バンドギャップは、電子で埋まっている最高エネルギー準位と空の最低エネルギー準位とのエネルギー差である。無機半導体または無機絶縁体の場合は、このエネルギーの差は、価電子バンド端(価電子バンドの最上部)と伝導バンド端(伝導バンドの最下部)との差である。有機半導体または有機絶縁体の場合は、このエネルギーの差は、HOMOとLUMOとの差である。純物質のバンドギャップは、電子および正孔が存在し得るエネルギー状態が欠けている。導電性のために利用可能なキャリアは、バンドギャップを超えて励起され得るに十分なエネルギーを有する電子および正孔だけである。一般的には、半導体は絶縁体に比較して相対的に小さいバンドギャップを有している。
【0015】
有機半導体のエネルギーバンドモデルの観点から、バンドギャップのLUMO側においては電子が電荷キャリアとなり、バンドギャップのHOMO側においては正孔が電荷キャリアとなる。
【0016】
有機感光性デバイスの技術水準のさらなる背景説明および記述のために、それらの一般的な構造、性質、材料および特徴を含む、Forrestらの米国特許第6,657,378号明細書、Forrestらの米国特許第6,580,027号明細書およびBulovicらの米国特許第6,352,777号明細書を参照によりここに組み入れる。
【0017】
低分子太陽電池の性能は、明暗条件下におけるIV応答特性を検討することにより決定した。電力変換効率(η)は、式(1):
【0018】
【数1】

【0019】
(この際、Pは入射光量(incident optical power)である)を用いて、開放端電圧(open circuit voltage、「Voc」)、短絡回路電流密度(short−circuit current density、「Jsc」)、および曲線因子(fill factor、「FF」)に依存する。ここで、FFは直列抵抗に依存し、一般的には、高性能の低分子有機太陽光発電では0.5から0.65の間である。最大Jscは、有機物の吸収と太陽スペクトルの間の重なりおよび減衰係数と吸収する層の厚みと他の因子などによって決定される。しかしながら、電荷流量の抵抗性が電池性能の重要な課題を示すため、光電流は物質の電荷輸送特性に高く依存している。電池性能を参照した場合、他の重要なパラメーターは、励起子拡散長さだと考えられる。物質の励起子拡散長さは、励起子が再結合の前に動くことができる距離を表す。したがって、吸収した光子によって作られる励起子の数に比較して、電荷キャリアのパーセントを高めるためには、励起子をヘテロ接合のLD内で、形成することが好ましい。励起子拡散長さ(L)は、励起子拡散係数(D)および励起子寿命(τ)に関係し、L=√Dτで表される。有機半導体の励起子拡散長さは、一般的に、光吸収長さLと比較して短い。したがって、励起子は、電荷分離のためにドナー−アクセプター界面に達する能力が相対的に低いため、用いられる有機層の厚みを制限する。この効果は、吸収する物質の量を制限するだけでなく、効率的な光変換のためには望ましくない分離した電荷の抵抗経路を作る。
【0020】
有機太陽電池におけるVocの発生は、まだよく知られていない。二層電池(bilayer cell)(界面ギャップIgを参照)のヘテロ界面におけるアクセプター様物質の最低空分子軌道(LUMO)とドナー様物質の最高被占分子軌道(HOMO)間のエネルギーの違いに主に依存すると提案している人もいる。しかしながら、このIgと観測されたVoc間の関係の証拠がないことを述べ、この電圧は、電荷移動度に依存する化学ポテンシャル勾配によって制御されていると提案する人もいる。それにもかかわらず、Vocが吸収した光子のトータルエネルギーを反映しておらず、エネルギーが電力変換工程間で損失されることは明らかである。これらの損失は、これまで説明されておらず、開放端電圧の基盤を評価するときは十分注意を払われるべきである。
【発明の概要】
【0021】
(発明の概要)
本発明は、下記式(I)で表される少なくともひとつの非平面状ポルフィリンを含む、感光性光電子デバイスを提供する。
【0022】
【化1】

【0023】
式中、Mは、Sc、Y、La、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Al、Ga、In、Tl、SI、Ge、Sn、Pb、P、As、Sb、Bi、S、Se、Te、Po、Cl、Br、I、At、ランタニド、アクチニドおよび2Hからなる群より選択され;
R’は、独立して、Cl原子、Br原子、I原子、At原子、およびポルフィリンのメソ位の炭素原子に結合しうる結合価原子(valence atom)を含む化学基からなる群より選択され、この際、結合価原子は、B、C、N、O、Si、P、S、Ge、As、Se、In、Sn、Sb、Te、Tl、Pb、BiおよびPoからなる群より選択され;並びに
Rは、独立して、Cl原子、Br原子、I原子、At原子、およびピロール環のβ位の炭素原子に結合しうる結合価原子を含む化学基からなる群より選択され、この際、結合価原子は、B、C、N、O、Si、P、S、Ge、As、Se、In、Sn、Sb、Te、Tl、Pb、BiおよびPoからなる群より選択され、または同じピロール環に結合する2つの隣接するR基が、ピロール環のふたつのβ位の炭素原子といっしょに、炭素環基またはヘテロ環基を形成し、この際、炭素環基は単環または多環、およびヘテロ環基は単環または多環である。
【0024】
本発明は、また、本発明の感光性光電子デバイスを製造する方法を提供し、その方法としては:
ドナー物質およびアクセプター物質を準備し、この際、ドナー物質および/またはアクセプター物質は、本発明の式(I)で表される少なくともひとつの非平面状ポルフィリンを含み;および
ドナー物質をアクセプター物質と接触させて感光性光電子デバイスを製造し;
この際、ドナー物質およびアクセプター物質の両方が、式(I)で表される少なくともひとつの非平面状ポルフィリンを含む場合、ドナー物質における少なくともひとつの非平面状ポルフィリンは、アクセプター物質における少なくともひとつの非平面状ポルフィリンとは相違する、
ことを含む。
【0025】
さらに、本発明は、式(I)で表される少なくともひとつの非平面状ポルフィリンを提供し、この際、M、R’およびRが、本明細書中に記載されているように、本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかまたは全てにおいて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1はドナー−アクセプターヘテロ接合を示すエネルギー準位図である。
【図2】図2は、ジクロロメタン(「DCM」)中に溶解したPt(TPBP)とPt(TPBP)蒸着膜の吸収スペクトル(明確性のため一般化された吸収率である)の対比を示す。
【図3】図3は、擬似太陽光AM1.5G照射(実線)と暗条件下(破線)におけるITO/Pt(TPBP)(150A)/C60(400A)/BCP(100A)/Al (黒丸)、ITO/CuPc(200A)/C60(400A)/BCP(100A)/Al(白丸)JV特性を示す。
【図4】図4は、ドナー層として、(a)CuPcまたは(b)Pt(TPBP)を用いたデバイスの概略のエネルギー準位図である。HOMOエネルギーはUPSから、またLUMOエネルギーはIPES測定から求めた。なお、電気化学から決定されるLUMOおよびHOMOエネルギーのPt(TPBP)を除いた。
【図5】図5は、CuPc膜(丸)およびPt(TPBP)膜(四角)の重ねたスペクトルを示す。NRELによる擬似AM1.5Gスペクトル照射(実線)も示す。
【図6】図6は、C60およびM(TPBP)の曲率のモデル化半径を示す。
【図7】図7は、ITO/Pt(TPBP)(150Å)/C60(400Å)/BCP(100Å)/AlデバイスのJV特性を示す。Pt(TPBP)の150Åについては、完全蒸着(四角)、スピンコーティング(丸)、および表面の100Åスピンコーティングと50Å蒸着の組合せ(三角)を示す。
【図8】図8は、ITO/Pt(TPBP)(xÅ)/C60(400Å)/BCP(100Å)/AlデバイスのJV特性を示す。
【図9】図9は、ITO/Pt(TPBP)(150A)/C60(400A)/BCP(100A)/Al(白丸)およびITO/Pd(TPBP)(150A)/C60(400A)/BCP(100A)/Al(四角)のJV応答に関するPt(TPBP)およびPd(TPBP)デバイスの比較を示す。
【図10】図10は、ピロール単位の修飾されたπ系サイズを有するテトラフェニルポルフィリンの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(詳細な説明)
本明細書中で述べられた非平面状ポルフィリンは、有機太陽電池のほかに光電子デバイスにおいても適用できる。たとえば、有機光検出器、有機光センサー、有機光導電セル、化学センサーおよび生物学的センサーのような他の光電子デバイスにも、非平面状ポルフィリンを適用しうる。
【0028】
本明細書中において用いられる場合、感光性光電子デバイスは、太陽電池にしうる。
【0029】
本明細書中において用いられる場合、感光性光電子デバイスは、光検出器にしうる。
【0030】
本明細書中において用いられる場合、感光性光電子デバイスは、光センサーにしうる。
【0031】
本明細書中において用いられる場合、感光性光電子デバイスは、光導電セルにしうる。
【0032】
本明細書中において用いられる場合、感光性光電子デバイスは、化学センサーにしうる。
【0033】
本明細書中において用いられる場合、感光性光電子デバイスは、生物学的センサーにしうる。
【0034】
本明細書においては、「有機」の語は、有機光電子デバイスの製造に用いられる低分子有機物と同様にポリマー材料をも含む。「低分子」はポリマーではないあらゆる有機物を意味し、「低分子」は実際にはかなり大きい分子でもあり得る。低分子は、場合によっては、繰り返し単位も含み得る。例えば、長鎖のアルキル基を置換基として使用しても、分子は「低分子」の分類から除かれない。低分子はポリマーに組み込まれていてもよく、例えばポリマー骨格にペンダント基としてまたは骨格の一部分としてである。低分子は、コア部分の上に構築された一連の化学的シェル構造からなるデンドリマーのコア部分として存在していてもよい。デンドリマーのコア部分は、蛍光または燐光の低分子発光体であり得る。デンドリマーは「低分子」でもあり得る。一般的に、低分子は分子に共通の分子量と共に定義された化学式を有し、一方ポリマーは分子によって変わり得る分子量と共に定義された化学式を有する。本明細書においては、「有機」は、ヒドロカルビルおよびヘテロ原子で置換されたヒドロカルビルリガンドの金属錯体を含む。
【0035】
本明細書においては、「炭素環基」(cabocyclic group)とは、環のすべての原子が炭素である環状の化学基を意味する。「炭素環基」は単環でも多環であってもよい。「炭素環基」は、シクロアルキル基、環状アルケニル基、環状アルキニル基およびアリール基も含みうる。
【0036】
本明細書においては、「ヘテロ環基」とは、少なくともひとつのN、OまたはSの環原子と、残りの環原子としてC原子を有する化学基を意味する。「ヘテロ環基」は単環でも多環であってもよい。「ヘテロ環基」が芳香族と称される場合、「ヘテロアリール基」と称する。ヘテロ環基は、4−、5−、6−、7−または8−員環を含む環状基、この際、N、OおよびSからなる群より選択される少なくともひとつの環原子と残りの環原子としてC原子とを含む。ヘテロ環基の例としては、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルフォリノ基、チオモルフォリノ基、ホモピペリジニル基、クロマニル基、イソクロマニル基、クロメニル基、ピロリル基、フラニル基、チエニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、フラザニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピラニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、インドリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キナゾリニル基、プテリジニル基、キノリジニル基、ベンズオキサジニル基、カルバゾリル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基およびフェナントリジニル基などが挙げられる。
【0037】
本明細書においては、「単環」の語が、「炭素環基」または「ヘテロ環基」を修飾して用いられたとき、炭素環基またはヘテロ環基が、ひとつの環のみを含む。
【0038】
本明細書においては、「多環」の語が、「炭素環基」または「ヘテロ環基」を修飾して用いられたとき、炭素環基またはヘテロ環基が、少なくとも2つの環を含む。「多環」の例としては、2環、3環および4環が挙げられる。「多環」基のいくつかまたは全ての環は、ペリ縮合、オルト縮合および/または架橋しうる。「多環」基は、スピロ基であってもよい。
【0039】
本明細書中においては、化学基の結合価原子は、他の化学基または原子に結合する化学基の原子を意味する。
【0040】
本明細書中においては、「ヒドロカルビル基」の語は、炭素および水素原子を有する化学基を意味する。
【0041】
本明細書中においては、「アルキル基」の語は、直鎖または分岐の飽和ヒドロカルビル基を意味する。好ましくは、「アルキル基」はC〜Cである。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルが挙げられる。
【0042】
本明細書中においては、「アルケニル基」の語は、少なくともひとつのC=C二重結合を含むヒドロカルビル基を意味する。好ましくは、「アルケニル基」はC〜Cである。アルケニル基の例としては、ビニル基が挙げられる。
【0043】
本明細書中においては、「アルキニル基」の語は、少なくともひとつの炭素−炭素の三重結合を含むヒドロカルビル基を意味する。「アルキニル基」は、少なくともひとつの炭素−炭素の三重結合と少なくともひとつのC=C二重結合を有する化学基を含む。好ましくは、「アルキニル基」はC〜Cでありうる。
【0044】
本明細書中においては、「シクロアルキル基」の語は、飽和環状ヒドロカルビル基を意味する。「シクロアルキル基」は単環または多環である。「シクロアルキル基」はC〜Cでありうる。「シクロアルキル基」の例としては、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルおよびシクロノニルが挙げられる。
【0045】
本明細書中においては、「シクロアルケニル基」の語は、少なくともひとつのC=C二重結合を有する不飽和環状ヒドロカルビル基を意味する。「シクロアルケニル基」は単環または多環である。「シクロアルケニル基」はC〜Cでありうる。
【0046】
本明細書中においては、「シクロアルキニル基」の語は、不飽和環状ヒドロカルビル基を意味する。「シクロアルキニル基」は単環または多環である。「シクロアルキニル基」はC〜Cでありうる。
【0047】
本明細書中においては、「アリール基」の語は、芳香族ヒドロカルビル基を意味する。「アリール基」は単環または多環である。「アリール基」はC〜C10でありうる。「アリール基」の例としては、フェニル基およびナフチル基が挙げられる。
【0048】
本明細書中においては、「アラルキル基」の語は、少なくともひとつのアリール基が置換したアルキル基を参照する。「アラルキル基」のアリール部分はC〜C10でありうる。「アラルキル基」のアルキル部分はC〜Cでありうる。「アラルキル基」の例としては、フェニルメチル基や2−フェニルエチル基などのベンジル基が挙げられる。
【0049】
本明細書中においては、化学基は「置換された」と修飾されている場合、化学基は、少なくともひとつの置換基によって置き換わられた水素原子を有することを意味する。置換基としては、たとえば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、シクロアルコキシ基、シクロアルケニルオキシ基、シクロアルキニルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、シクロアルケニルカルボニルオキシ基、シクロアルキニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、チオール基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、シクロアルキニルチオ基、アリールチオ基、ホルミル基、アシル基、カルバモイル基、アミノ基、少なくともひとつのアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基に置換されたアミノ基、アシルアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、N−アシル−N−アルケニルアミノ基、N−アシル−N−アルキニルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルキルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルケニルアミノ基、N−アシル−N−アリールアミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基およびハロゲン原子からなる群より選択されるラジカルを含む。
【0050】
置換されたアルキル基の例としては、アラルキル基、シクロアルキルに置換されたアルキル基、シクロアルケニルに置換されたアルキル基、ヒドロキシに置換されたアルキル基、アルコキシに置換されたアルキル基、シクロアルコキシに置換されたアルキル基、アリールオキシに置換されたアルキル基、アルキルカルボニルオキシに置換されたアルキル基、シクロアルキルカルボニルオキシに置換されたアルキル基、シクロアルケニルカルボニルオキシに置換されたアルキル基、シクロアルキニルカルボニルオキシに置換されたアルキル基、アリールカルボニルオキシに置換されたアルキル基、チオールに置換されたアルキル基、アルキルチオに置換されたアルキル基、シクロアルキルチオに置換されたアルキル基、ホルミルに置換されたアルキル基、アシル化アルキル基、カルバモイルに置換されたアルキル基、アミノに置換されたアルキル基、アシルアミノに置換されたアルキル基、ニトロに置換されたアルキル基、ハロゲンに置換されたアルキル基およびヘテロ環に置換されたアルキル基が挙げられる。
【0051】
置換されたアルケニル基の例としては、アラルケニル基、シクロアルケニルに置換されたアルケニル基、シクロアルケニルに置換されたアルケニル基、ヒドロキシに置換されたアルケニル基、アルコキシに置換されたアルケニル基、シクロアルコキシに置換されたアルケニル基、アリールオキシに置換されたアルケニル基、アルキルカルボニルオキシに置換されたアルケニル基、シクロアルキルカルボニルオキシに置換されたアルケニル基、シクロアルケニルカルボニルオキシに置換されたアルケニル基、シクロアルキニルカルボニルオキシに置換されたアルケニル基、アリールカルボニルオキシに置換されたアルケニル基、チオールに置換されたアルケニル基、アルキルチオに置換されたアルケニル基、シクロアルキルチオに置換されたアルケニル基、ホルミルに置換されたアルケニル基、アシル化アルケニル基、カルバモイルに置換されたアルケニル基、アミノに置換されたアルケニル基、アシルアミノに置換されたアルケニル基、ニトロに置換されたアルケニル基、ハロゲンに置換されたアルケニル基およびヘテロ環に置換されたアルケニル基が挙げられる。
【0052】
置換されたアルキニル基の例としては、アラルキニル基、シクロアルキルに置換されたアルキニル基、シクロアルケニルに置換されたアルキニル基、ヒドロキシに置換されたアルキニル基、アルコキシに置換されたアルキニル基、シクロアルコキシに置換されたアルキニル基、アリールオキシに置換されたアルキニル基、アルキルカルボニルオキシに置換されたアルキニル基、シクロアルキルカルボニルオキシに置換されたアルキニル基、シクロアルケニルカルボニルオキシに置換されたアルキニル基、シクロアルキニルカルボニルオキシに置換されたアルキニル基、アリールカルボニルオキシに置換されたアルキニル基、チオールに置換されたアルキニル基、アルキルチオに置換されたアルキニル基、シクロアルキルチオに置換されたアルキニル基、ホルミルに置換されたアルキニル基、アシル化アルキニル基、カルバモイルに置換されたアルキニル基、アミノに置換されたアルキニル基、アシルアミノに置換されたアルキニル基、ニトロに置換されたアルキニル基、ハロゲンに置換されたアルキニル基およびヘテロ環に置換されたアルキニル基が挙げられる。
【0053】
置換されたシクロアルキル基の例としては、アルキルに置換されたシクロアルキル基、アリールに置換されたシクロアルキル基、シクロアルキルに置換されたシクロアルキル基、シクロアルケニルに置換されたシクロアルキル基、シクロアルキニルに置換されたシクロアルキル基、ヒドロキシに置換されたシクロアルキル基、アルコキシに置換されたシクロアルキル基、シクロアルコキシに置換されたシクロアルキル基、アリールオキシに置換されたシクロアルキル基、アルキルカルボニルオキシに置換されたシクロアルキル基、シクロアルキルカルボニルオキシに置換されたシクロアルキル基、シクロアルケニルカルボニルオキシに置換されたシクロアルキル基、シクロアルキニルカルボニルオキシに置換されたシクロアルキル基、アリールカルボニルオキシに置換されたシクロアルキル基、チオールに置換されたシクロアルキル基、アルキルチオに置換されたシクロアルキル基、シクロアルキルチオに置換されたシクロアルキル基、ホルミルに置換されたシクロアルキル基、アシル化シクロアルキル基、カルバモイルに置換されたシクロアルキル基、アミノに置換されたシクロアルキル基、アシルアミノに置換されたシクロアルキル基、ニトロに置換されたシクロアルキル基、ハロゲンに置換されたシクロアルキル基およびヘテロ環に置換されたシクロアルキル基が挙げられる。
【0054】
置換されたシクロアルケニル基の例としては、アルキルに置換されたシクロアルケニル基、アリールに置換されたシクロアルケニル基、シクロアルキルに置換されたシクロアルケニル基、シクロアルケニルに置換されたシクロアルケニル基、シクロアルキニルに置換されたシクロアルケニル基、ヒドロキシに置換されたシクロアルケニル基、アルコキシに置換されたシクロアルケニル基、シクロアルコキシに置換されたシクロアルケニル基、アリールオキシに置換されたシクロアルケニル基、アルキルカルボニルオキシに置換されたシクロアルケニル基、シクロアルキルカルボニルオキシに置換されたシクロアルケニル基、シクロアルケニルカルボニルオキシに置換されたシクロアルケニル基、シクロアルキニルカルボニルオキシに置換されたシクロアルケニル基、アリールカルボニルオキシに置換されたシクロアルケニル基、チオールに置換されたシクロアルケニル基、アルキルチオに置換されたシクロアルケニル基、シクロアルキルチオに置換されたシクロアルケニル基、ホルミルに置換されたシクロアルケニル基、アシル化シクロアルケニル基、カルバモイルに置換されたシクロアルケニル基、アミノに置換されたシクロアルケニル基、アシルアミノに置換されたシクロアルケニル基、ニトロに置換されたシクロアルケニル基、ハロゲンに置換されたシクロアルケニル基およびヘテロ環に置換されたシクロアルケニル基が挙げられる。
【0055】
置換されたシクロアルキニル基の例としては、アルキルに置換されたシクロアルキニル基、アリールに置換されたシクロアルキニル基、シクロアルキルに置換されたシクロアルキニル基、シクロアルケニルに置換されたシクロアルキニル基、シクロアルキニルに置換されたシクロアルキニル基、ヒドロキシに置換されたシクロアルキニル基、アルコキシに置換されたシクロアルキニル基、シクロアルコキシに置換されたシクロアルキニル基、アリールオキシに置換されたシクロアルキニル基、アルキルカルボニルオキシに置換されたシクロアルキニル基、シクロアルキルカルボニルオキシに置換されたシクロアルキニル基、シクロアルケニルカルボニルオキシに置換されたシクロアルキニル基、シクロアルキニルカルボニルオキシに置換されたシクロアルキニル基、アリールカルボニルオキシに置換されたシクロアルキニル基、チオールに置換されたシクロアルキニル基、アルキルチオに置換されたシクロアルキニル基、シクロアルキルチオに置換されたシクロアルキニル基、ホルミルに置換されたシクロアルキニル基、アシル化シクロアルキニル基、カルバモイルに置換されたシクロアルキニル基、アミノに置換されたシクロアルキニル基、アシルアミノに置換されたシクロアルキニル基、ニトロに置換されたシクロアルキニル基、ハロゲンに置換されたシクロアルキニル基およびヘテロ環に置換されたシクロアルキニル基が挙げられる。
【0056】
置換されたアリール基の例としては、アルキルに置換されたアリール基、アリールに置換されたアリール基、シクロアルキルに置換されたアリール基、シクロアルケニルに置換されたアリール基、シクロアルキニルに置換されたアリール基、ヒドロキシに置換されたアリール基、アルコキシに置換されたアリール基、シクロアルコキシに置換されたアリール基、アリールオキシに置換されたアリール基、アルキルカルボニルオキシに置換されたアリール基、シクロアルキルカルボニルオキシに置換されたアリール基、シクロアルケニルカルボニルオキシに置換されたアリール基、シクロアルキニルカルボニルオキシに置換されたアリール基、アリールカルボニルオキシに置換されたアリール基、チオールに置換されたアリール基、アルキルチオに置換されたアリール基、シクロアルキルチオに置換されたアリール基、ホルミルに置換されたアリール基、アシル化アリール基、カルバモイルに置換されたアリール基、アミノに置換されたアリール基、アシルアミノに置換されたアリール基、ニトロに置換されたアリール基、ハロゲンに置換されたアリール基およびヘテロ環に置換されたアリール基が挙げられる。
【0057】
置換されたヘテロ環基の例としては、アルキルに置換されたヘテロ環基、アリールに置換されたヘテロ環基、シクロアルキルに置換されたヘテロ環基、シクロアルケニルに置換されたヘテロ環基、シクロアルキニルに置換されたヘテロ環基、ヒドロキシに置換されたヘテロ環基、アルコキシに置換されたヘテロ環基、シクロアルコキシに置換されたヘテロ環基、アリールオキシに置換されたヘテロ環基、アルキルカルボニルオキシに置換されたヘテロ環基、シクロアルキルカルボニルオキシに置換されたヘテロ環基、シクロアルケニルカルボニルオキシに置換されたヘテロ環基、シクロアルキニルカルボニルオキシに置換されたヘテロ環基、アリールカルボニルオキシに置換されたヘテロ環基、チオールに置換されたヘテロ環基、アルキルチオに置換されたヘテロ環基、シクロアルキルチオに置換されたヘテロ環基、ホルミルに置換されたヘテロ環基、アシル化ヘテロ環基、カルバモイルに置換されたヘテロ環基、アミノに置換されたヘテロ環基、アシルアミノに置換されたヘテロ環基、ニトロに置換されたヘテロ環基、ハロゲンに置換されたヘテロ環基およびヘテロ環に置換されたヘテロ環基が挙げられる。
【0058】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、少なくともひとつのRまたはR’基における結合価原子は炭素原子である。
【0059】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、少なくともひとつのRまたはR’基における結合価原子は炭素原子であり、この際、少なくともひとつのRまたはR’基は、独立して、アルキル基、置換されたアルキル基、アルケニル基、置換されたアルケニル基、アルキニル基、置換されたアルキニル基、シクロアルキル基、置換されたシクロアルキル基、シクロアルケニル基、置換されたシクロアルケニル基、シクロアルキニル基、置換されたシクロアルキニル基、アリール基、置換されたアリール基、ヘテロ環基および置換されたヘテロ環基からなる群より選択される。
【0060】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、少なくともひとつのRまたはR’基における結合価原子は炭素原子であり、この際、少なくともひとつのRまたはR’基は、独立して、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基およびヘテロ環基からなる群より選択される。
【0061】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、少なくともひとつのRまたはR’基における結合価原子は炭素原子であり、この際、少なくともひとつのRまたはR’基は、独立して、アルキル基、置換されたアルキル基、アリール基および置換されたアリール基からなる群より選択される。
【0062】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、少なくともひとつのRまたはR’基における結合価原子は炭素原子であり、この際、少なくともひとつのRまたはR’基は、独立して、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基およびイソプロピル基からなる群より選択される。
【0063】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、少なくともひとつのピロール環のふたつの隣接するR基の結合価原子は炭素原子であり、この際、少なくともひとつのピロール環のふたつの隣接するR基は、少なくともひとつのピロール環のふたつのβ位の炭素原子といっしょになって、炭素環基または置換された炭素環基を形成する。
【0064】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、少なくともひとつのピロール環のふたつの隣接するR基の結合価原子は炭素原子であり、この際、少なくともひとつのピロール環のふたつの隣接するR基は、少なくともひとつのピロール環のふたつのβ位の炭素原子といっしょになって、ヘテロ環基または置換されたヘテロ環基を形成する。
【0065】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、少なくともひとつのピロール環のふたつの隣接するR基の結合価原子は、炭素原子であり、この際、少なくともひとつのピロール環のふたつの隣接するR基は、少なくともひとつのピロール環のふたつのβ位の炭素原子といっしょになって、炭素環基または置換された炭素環基を形成し、炭素環基または置換された炭素環基は、大員環または芳香族π系(benzanulated π−system)である。
【0066】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、少なくともひとつのピロール環のふたつの隣接するR基の結合価原子は炭素原子であり、この際、少なくともひとつのピロール環のふたつの隣接するR基は、少なくともひとつのピロール環のふたつのβ位の炭素原子といっしょになって、炭素環基または置換された炭素環基を形成し、炭素環基または置換された炭素環基は芳香族である。
【0067】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、少なくともひとつのピロール環のふたつの隣接するR基は、少なくともひとつのピロール環のふたつのβ位の炭素原子といっしょになって、ヘテロ環基または置換されたヘテロ環基を形成する。
【0068】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、式(I)で表される少なくともひとつの非平面状ポルフィリンは、図10で示される式のひとつを有する化合物から選択される。
【0069】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、少なくともひとつのRまたはR’基における結合価原子は酸素原子である。
【0070】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、少なくともひとつのRまたはR’基における結合価原子は酸素原子であり、この際、少なくともひとつの結合価原子としてOを有するRまたはR’基は、ヒドロキシ、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルコキシ、シクロアルケニルオキシ、シクロアルキニルオキシ、アラルキルオキシ、アラルケニルオキシ、アラルキニルオキシ、アリールオキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルケニルカルボニルオキシ、アルキニルカルボニルオキシ、ヒロドキシカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシである。
【0071】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、少なくともひとつのRまたはR’基における結合価原子は酸素原子であり、この際、少なくともひとつの結合価原子としてOを有するRまたはR’基は、ヒドロキシまたはアルコキシである。
【0072】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、少なくともひとつのRまたはR’基における結合価原子は酸素原子であり、この際、少なくともひとつの結合価原子としてOを有するRまたはR’基は、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシまたはイソプロポキシである。
【0073】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、少なくともひとつのRまたはR’基は、Cl原子、Br原子、I原子またはAt原子である。
【0074】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、少なくともひとつのRまたはR’基は窒素原子である。
【0075】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、少なくともひとつのRまたはR’基は窒素原子であり、この際、少なくともひとつの結合価原子としてNを有するRまたはR’基は、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルケニルアミノ基、ジアルケニルアミノ基、アルキニルアミノ基、ジアルキニルアミノ基、N−アルキル−N−アルケニルアミノ基、N−アルキル−N−アルキニルアミノ基、N−アルケニル−N−アルキニルアミノ基、アシルアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、N−アシル−N−アルケニルアミノ基、N−アシル−N−アルキニルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルキルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルケニルアミノ基、N−アシル−N−アリールアミノ基、ニトロ基、窒素結合価原子を含むヘテロ環基および窒素結合価原子を含む置換されたヘテロ環基からなる群より選択される。
【0076】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、少なくともひとつのRまたはR’基は硫黄原子である。
【0077】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、少なくともひとつのRまたはR’基は窒素原子であり、この際、少なくともひとつの結合価原子としてNを有するRまたはR’基は、チオール基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アルキニルチオ基、アラルキルチオ基、アラルケニルチオ基、アラルキニルチオ基、シクロアルキルアルキルチオ基、シクロアルケニルアルキルチオ基、シクロアルキニルアルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、シクロアルキニルチオ基、およびアリールチオ基からなる群より選択される。
【0078】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、MはPt、PdまたはIrである。好ましくは、Mは、PtまたはPdである。より好ましくは、MはPtである。
【0079】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、少なくともひとつの非平面状ポルフィリンはPt(テトラフェニルベンゾ−ポルフィリン)である。
【0080】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、少なくともひとつの非平面状ポルフィリンはPd(テトラフェニルベンゾ−ポルフィリン)である。
【0081】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、デバイスは有機太陽電池(organic photovoltaic cell)である。
【0082】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、デバイスは光導電セル電池である。
【0083】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、デバイスは光センサーである。
【0084】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、デバイスは光検出器である。
【0085】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、デバイスは化学センサーである。
【0086】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、デバイスは生物学的センサーである。
【0087】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、デバイスは有機太陽電池(organic photovoltaic cell)である。
【0088】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、デバイスはドナー物質およびアクセプター物質を含み、この際、ドナー物質またはアクセプター物質は、式(I)で表される少なくともひとつの非平面状ポルフィリンを含む。
【0089】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、デバイスはドナー物質およびアクセプター物質を含み、この際、ドナー物質またはアクセプター物質の両方が、式(I)で表される少なくともひとつの非平面状ポルフィリンを含む場合、ドナー物質における少なくともひとつの非平面状ポルフィリンは、アクセプター物質における少なくともひとつの非平面状ポルフィリンとは相違する。
【0090】
本発明の感光性光電子デバイスの実施形態のいくつかにおいて、装置はドナー物質およびアクセプター物質を含み、この際、ドナー物質は式(I)で表される少なくともひとつの非平面状ポルフィリンを含み、アクセプター物質はC60化合物を含む。
【0091】
本発明は、本発明の感光性光電子デバイスを製造する方法を提供するものであり、その方法としては:
ドナー物質およびアクセプター物質を準備し、この際、ドナー物質および/またはアクセプター物質は、本発明の式(I)で表される少なくともひとつの非平面状ポルフィリンを含み;および
ドナー物質がアクセプター物質を接触させて感光性光電子デバイスを製造し、
この際、ドナー物質およびアクセプター物質の両方が、式(I)で表される少なくともひとつの非平面状ポルフィリンを含む場合、ドナー物質における少なくともひとつの非平面状ポルフィリンは、アクセプター物質における少なくともひとつの非平面状ポルフィリンとは相違する、
ことを含む。
【0092】
本発明の様態のひとつは、本発明の感光性光電子デバイスを製造する方法に関するものであり、この際、感光性光電子デバイスは、感光性光電子デバイスを製造するあらゆる公知の方法で製造され、その改良点としては:
ドナー物質およびアクセプター物質を準備し、この際、ドナー物質および/またはアクセプター物質は、本発明の式(I)で表される少なくともひとつの非平面状ポルフィリンを含み;および
ドナー物質がアクセプター物質と接触させて感光性光電子デバイスを製造し、
この際、ドナー物質およびアクセプター物質の両方が、式(I)で表される少なくともひとつの非平面状ポルフィリンを含む場合、ドナー物質における少なくともひとつの非平面状ポルフィリンは、アクセプター物質における少なくともひとつの非平面状ポルフィリンとは相違する、
ことを含む。
【0093】
本発明の感光性光電子デバイスを製造するいずれの方法においても、ドナー物質および/またはアクセプター物質において用いられる少なくともひとつの非平面状ポルフィリンは、本明細書中に開示された式(I)で表される非平面状ポルフィリンでありうる。
【0094】
本発明の感光性光電子デバイスを製造する方法の実施形態のいくつかにおいて、感光性光電子デバイスとは太陽電池である。
【0095】
本発明の感光性光電子デバイスを製造する方法の実施形態のいくつかにおいて、感光性光電子デバイスとは光検出器である。
【0096】
本発明の感光性光電子デバイスを製造する方法の実施形態のいくつかにおいて、感光性光電子デバイスとは光センサーである。
【0097】
本発明の感光性光電子デバイスを製造する方法の実施形態のいくつかにおいて、感光性光電子デバイスとは光導電セル電池である。
【0098】
本発明の感光性光電子デバイスを製造する方法の実施形態のいくつかにおいて、感光性光電子デバイスとは化学センサーである。
【0099】
本発明の感光性光電子デバイスを製造する方法の実施形態のいくつかにおいて、感光性光電子デバイスとは生物学的センサーである。
【0100】
式(I)で表される非平面状ポルフィリンは、以下で概説する合成スキームに例示された方法などの公知の化学合成方法によって製造されうる。
【0101】
(ピロール合成の概略 (バートン−ザード(Barton−Zard)反応))
非求核性の塩基条件下で、置換されたビニルニトロ化合物をイソシアノ酢酸エチルと反応させて、ピロール誘導体で置換されたカルボン酸エステルを得る。次に、塩基条件下で、ピロール誘導体で置換されたカルボン酸エステルは脱炭酸され、ピロール部分が得られる。
【0102】
【化2】

【0103】
(ポルフィリン合成の概略 (化合物1−9)):
リンゼイ(Lindsey)条件下で、置換されたピロールを置換されたアルデヒドと反応させて酸化させ、2H−ポルフィリンを得る。たとえば、金属ハロゲン化物を用いるメタレーション(Metallation)により、メタル化されたポルフィリンが得られる。下記の反応スキームにおけるMは金属を表す。
【0104】
【化3】

【0105】
(シス-置換されたポルフィルンの合成の概略):
a)リンゼイ条件下で、カルボン酸エステルで保護された置換されたピロールを置換されたアルデヒドと縮合させて、ジピロメタンを得て、続いて塩基条件下で脱炭酸する。
【0106】
b)フリーデル−クラフツ条件下で、置換されたピロールを、塩化ベンゾイルでアシル化し、置換されたアルデヒドと縮合させて、ジピロメタンで置換されたフェニルケトンを得る。このジピロメタンで置換されたフェニルケトンを、NaBHで、対応する第2級アルコールへと還元させる。
【0107】
c)a)およびb)の工程で調製された2つのジピロメタン部分を、酢酸条件下で縮合・酸化させて、ポルフィリンを得て、メタル化する。下記の反応スキームにおけるMは金属を表す。RおよびRは、Rの例である。
【0108】
【化4】

【0109】
(トランス置換されたポルフィルンの合成の概略):
置換されたピロールを、フェニル−1,3−ベンゾキサチオリリウムテトラフルオロボレート(phenyl-1,3-benzoxathiolylium tetrafluoroborate)と反応させて、無置換のピロールを得る。続いて、酸化水銀とクエンチさせて得られたケトン誘導体を、NaBHを用いて還元させて、第2級アルコールを得る。このアルコールを酸性条件下で、異なる置換されたピロールと反応させて酸化後に、ポルフィリンを得る。たとえば、金属ハロゲン化物を用いるメタル化(Metallation)により、最終生成物が得られる。下記の反応スキームにおけるMは金属を表す。RおよびRは、Rの例である。
【0110】
【化5】

【0111】
(3,1-置換されたポルフィルンの合成の概略):
a)置換されたピロールを、フェニル−1,3−ベンゾキサチオリリウムテトラフルオロボレート(phenyl-1,3-benzoxathiolylium tetrafluoroborate)と反応させて、無置換のピロールを得る。続いて、酸化水銀とクエンチさせて得られたピロール(ビス−2,5−アシル化ピロール)のケトン誘導体を、NaBHを用いて還元させて、第2級アルコールに置換されたピロールを得る。
【0112】
b)この第2級アルコールに置換されたピロールを、置換されたカルボン酸エステルで保護されたピロールと縮合させて、カルボン酸エステルで保護されたビス−1,3−(ピロールメチル)ピロールを得た後、次の工程で塩基条件下、カルボン酸エステルを除去する。
【0113】
c)異なって置換されたピロールを、フェニル−1,3−ベンゾキサチオリリウムテトラフルオロボレート(phenyl-1,3-benzoxathiolylium tetrafluoroborate)と反応させて、無置換のピロールを得る。続いて、酸化水銀とクエンチさせて得られたピロールのケトン誘導体を、NaBHを用いて還元させて、第2級アルコールに置換されたピロールを得る。
【0114】
d)b)およびc)の工程で調製された化合物を、酸性条件下で縮合、続いて酸化させて、ポルフィリンを得る。メタル化により、最終のポルフィリンが得られる。下記の反応スキームにおけるMは金属を表す。RおよびRは、Rの例である。
【0115】
【化6】

【0116】
(Brのさらなる置換によるBr-置換されたポルフィルンの合成の概略):
リンゼイ条件下、置換されたアルデヒドとのピロール縮合により、酸化後、ポルフィリンが得られる。続いて、たとえば、NBSを用いた、ポルフィリンのブロモ化により、8個ブロモ化されたポルフィリンが得られる。たとえば、鈴木カップリングを経由したブロモ原子におけるさらなる反応により、ヘテロ原子に置換されたポルフィリンの入手が提供される。メタル化により、最終のポルフィリンが得られる。下記の反応スキームにおけるMは金属を表す。Rは、式(I)におけるRに相当する。
【0117】
【化7】

【0118】
(Brのさらなる置換によるメソ−Br-置換されたポルフィルンの合成の概略):
酸性条件下、ジメチルアセタールとのピロール縮合により、酸化後、ポルフィリンが得られる。続いて、たとえば、NBSを用いた、ポルフィリンのブロモ化により、4個ブロモ化されたポルフィリンが得られる。たとえば、鈴木カップリングを経由したブロモ原子におけるさらなる反応により、ヘテロ原子に置換されたポルフィリンの入手が提供される。メタル化により、最終のポルフィリンが得られる。下記の反応スキームにおけるMは金属を表す。Rは、式(I)におけるRに相当する。
【0119】
【化8】

【0120】
本発明で用いられうる物質のよい例としては、M(TPBP)が挙げられ、この際、TPBPは、テトラフェニルベンゾポルフィリンを表す。これらの化合物は、太陽電池に適用するのによい吸収スペクトルを示す。この吸収は、スペクトルの可視領域に大きな減衰係数で存在する(図2)。この強い吸収により、太陽電池への適用において、これまでに用いられた他の物質よりも、膜にとって強いバンドを産出する膜形成を維持することができる。この広がりのない平坦化したピークは、分子の特有な非平面性のために隣接の分子間との効率的なπ−π相互作用が欠如しているためと考えられる。
【実施例】
【0121】
(実施例)
高真空(標準圧力〜2×10−6トール)チャンバー中へ導入する前に、10分間のUV−オゾン中で溶剤洗浄および処理を行ったITOコーティングガラス基材上で、太陽電池(photovoltaic cell)を作成した。有機物質、M(TPBP)(会社内で合成)、CuPc(アルドリッチ)、C60(MTRリミテッド)、および2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)(アルドリッチ)を使用前に昇華(sublimation)により精製した。金属カソード(metal cathode)物質、AgおよびAl(Alfa Aesar)は未精製のまま用いた。物質は続いて、真空熱蒸発により以下の比率で作成した:M(TPBP)(1Å/秒)、C60(2Å/秒)、および2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)(2Å/秒)および金属:1000Å厚みのAg(4Å/秒)またはAl(2.5Å/秒)。カソードは穴直径1nmのシャドーマスクを通して蒸発させた。溶液加工されたドナーを、100Åについては3000rpmで、150Åについては1500rpmで、40秒でスピンコーティングした。太陽電池の電流−電圧(J−V)特性をKeithley社製2420 3Aソースメータを用いて擬似太陽光1.5G照射(オリエル機器)下で測定した。中性密度フィルターを用いて、広帯域校正の光量計(calibrated broadband optical power meter)で測定した光強度を変化させた。
【0122】
ドナーおよびアクセプターの厚みは、実験的に、カソードとしてAgまたはAlを用いて、M(TPBP)150Å/C60 400Å/BCP 100Å 最適化構造を産出する最も高い電力変換効率で修飾した。
【0123】
明確には、効率的なエネルギー変換に適した物質を見つけるために、まず最初に物質の光を吸収する能力を測定した。ポルフィリン類のスペクトルは、可視領域にふたつのとても強いピーク(ε〜105cm−1−1)を有し、太陽スペクトルときれいに重なり合う。M(TPBP)類はサドル型分子であることが知られており、これは太陽電池の分野において決して生かされることがない空間特性を導入しうる。この特異的な非平面性は、膜形成における分子のπ−πスタッキングを減少させ、凝集を抑制する。結果として、膜の吸収スペクトルは、ピークの広がりおよび平坦化の証拠はなく、それゆえに、溶液で見られる減衰係数と同等であることが観測されるが(図2)、これは、低分子太陽電池で広く用いられているドナーCuPcよりも、大きさがほぼ1オーダー高いものである。
【0124】
ドナー様物質としてPt(TPBP)およびアクセプター物質としてC60を用いる二重へテロ接合デバイスは最適化構造を用いて作製された。デバイスは、ドナー物質としてCuPcを標準的に用いていると考えられる電池よりも、大きい開放端電圧(open circuit voltage)を与えることができる(図3)。ポルフィリン系のIg計算値がCuPcよりも低いため、この結果は興味深い議論を生じる(図4)。この解決策としては、エネルギー準位の観点から予測されることとは反対である。しかしながら、ポルフィリンとフタロシアニンのような相違する系の間の関係であると推測し、仮定しうることは明確でない。電池において、入射する光子のほとんどのエネルギーは、十分に活用されておらず、いくらかの損失は電池内で生じている。この結果は、ポルフィリン系は、電力変換をより効率的なメカニズムで提供し、エネルギー損失を減らして、電力出力を高めることを示している。
【0125】
一方の光電流は、CuPc電池と比較して、大きく影響を受けるものではない。ポルフィリンの吸収性によって得られるものは、CuPcの吸収の広がりに基づくスペクトルのより大きな重なりによって得られるものと同等であることから、吸収された光の量は標準電池に匹敵するものであると考えられる(図5)。曲線因子の値は、電荷流量の低抵抗性と良好な接触界面をを示す標準電池よりもいくぶん高い。ポルフィリンの曲率の半径は、よいD/A接触を好むC60の曲率の半径と適合していることが以前に示されている(図6)。
【0126】
ドナー層のスピンコーティングでは、単に真空工程をしたものよりも低い性能のデバイスが得られた。低い光電流は、導電性のより低い物質を用いた異なる層工程により得られる、異なる形態を仮定することによって説明しうる。Vocは、驚くほど低下して、加水分解をサポートする。つまり、損失が高い場合(抵抗性、界面接触が低い)、エネルギー準位の議論は適用できない。このエネルギー支出の原因を絞り込むための検討において、蒸着ポルフィリンの超薄層は、層を有する溶液の表面上で蒸着された。この電池の性能は、純粋な蒸着膜をよく再現し、主な損失はドナー/アクセプター界面で生じることが確認された。蒸着C60が、スピンコーティングされたPt(TPBP)の表面上で蒸着される場合、接触は、電荷分離にとって効率的でなく、ゆえにVocおよびJSCが低下する(図6)。
【0127】
付加的な実験は、図7に記載されているように、ドナー層の厚みの変更を含む。光電流がさらに低下するとともに、厚みが増加するため、効率は150Åで最大値を有する。曲線の形は、FFにおいてほとんど効果のない状態で変動せず、これは、たとえ厚みが大きかったとしても、物質が効率的に電荷を輸送していることを示している。励起子拡散長さがそのとき界面に達する励起子の量を限定していない場合、層が厚いほど、生成する励起子が多く、それゆえに光電流が高くなることが予測されうる。観測された傾向は、より長い励起子拡散長さが、明確には関連していないが、多くの因子が変換のメカニズムに影響しており、デバイスの製造とは関係なく、励起子拡散長さを検討するさらなる実験がこの事項を決定するために必要である。
【0128】
相違する金属性ポルフィリンの性能を関連付けるために、PtおよびPdテトラフェニルベンゾポルフィリンを検討した(図8)。どちらの分子の性能も、エネルギー準位、吸収スペクトル、および分子の形が類似していることと一致していて、非常に比較されうる。主な相違点は、溶液中で測定された3重項の寿命にあり、Pt(TPBP)は53μs、Pd(TPBP)(τtripret=143μs)はその3倍である。これらの寿命は溶液中と膜試料中で測定されたが、3重項寿命を低下させる自己消光をどちらも少なからず類似した値でしうるため、これは注目すべきことである。Pd類似物の厚み依存性が確認され、Ptポルフィリンの厚み依存性も類似の結果であった。
【0129】
結果として、金属性テトラフェニルベンゾポルフィリンの使用により、標準有機太陽電池と比較して、改善された性能の太陽電池が得られる。ドナー−アクセプター界面での電荷分離の際のエネルギー損失は減少し、より低い界面ギャップエネルギー(Ig)で、より高い開放端電圧を与えることができる。金属性テトラフェニルベンゾポルフィリン以外の式(I)で表される広範囲の化合物を含む有機感光性光電子デバイスにおいても、標準感光性光電子デバイスよりも、より良い性能を達成できる。ピロール単位のπ系サイズを変化させることで、発光エネルギーを変化させる。ベンゾ機能性基とアルキル基とを置き換えると(図10の式1と式8または9を比較)、複合体の非平面性が維持するが、顕著なブルーシフトを生じる。ベンゾ機能性基の非平面性よりも、π系の拡張の方が顕著なレッドシフトを生じる。多数の化合物たとえば、図10の式1〜9を参照すれば、これが想定されうる化合物は多数ある。系の非平面性は、ポルフィリンの4つのメソ位に少なくともひとつの炭素(最小値としてCH)を有することによって、また、すべてのピロール環について両方の位置が置換されるために、維持されうる。
【0130】
本発明の特定の例が、本明細書中に例示および/または開示される。しかしながら、本発明の修正および変更は上記の開示により保護され、本発明の思想および範囲から逸脱することなく、後述する請求項の範囲内にあることを了解されたい。
【0131】
(References)
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【符号の説明】
【0132】
6 光子、
8 励起子、
10 真空準位、
152 ドナー、
154 アクセプター。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

式中、Mは、Sc、Y、La、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Al、Ga、In、Tl、SI、Ge、Sn、Pb、P、As、Sb、Bi、S、Se、Te、Po、Cl、Br、I、At、ランタニド、アクチニドおよび2Hからなる群より選択され;
R’は、独立して、Cl原子、Br原子、I原子、At原子、およびポルフィリンのメソ位の炭素原子に結合しうる結合価原子を含む化学基からなる群より選択され、この際、結合価原子は、B、C、N、O、Si、P、S、Ge、As、Se、In、Sn、Sb、Te、Tl、Pb、BiおよびPoからなる群より選択され;並びに
Rは、独立して、Cl原子、Br原子、I原子、At原子、およびピロール環のβ位の炭素原子に結合しうる結合価原子を含む化学基からなる群より選択され、この際、結合価原子は、B、C、N、O、Si、P、S、Ge、As、Se、In、Sn、Sb、Te、Tl、Pb、BiおよびPoからなる群より選択され、または同じピロール環に結合する2つの隣接するR基が、ピロール環のふたつのβ位の炭素原子といっしょに、炭素環基またはヘテロ環基を形成する、
で表される少なくともひとつの非平面状ポルフィリンを含む有機感光性光電子デバイス。
【請求項2】
少なくともひとつのR’またはR基における結合価原子はCである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
少なくともひとつのRまたはR’基は、独立して、アルキル基、置換されたアルキル基、アルケニル基、置換されたアルケニル基、アルキニル基、置換されたアルキニル基、シクロアルキル基、置換されたシクロアルキル基、シクロアルケニル基、置換されたシクロアルケニル基、シクロアルキニル基、置換されたシクロアルキニル基、アリール基、置換されたアリール基、ヘテロ環基および置換されたヘテロ環基からなる群より選択される、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
置換されたアルキル基が、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、シクロアルコキシ基、シクロアルケニルオキシ基、シクロアルキニルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、シクロアルケニルカルボニルオキシ基、シクロアルキニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、チオール基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、シクロアルキニルチオ基、アリールチオ基、ホルミル基、アシル基、カルバモイル基、アミノ基、少なくともひとつのアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、N−アシル−N−アルケニルアミノ基、N−アシル−N−アルキニルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルキルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルケニルアミノ基、N−アシル−N−アリールアミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基およびハロゲン原子からなる群より独立して選択される少なくともひとつのラジカルを有する置換されたアルキル基であり;
置換されたアルケニル基が、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、シクロアルコキシ基、シクロアルケニルオキシ基、シクロアルキニルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、シクロアルケニルカルボニルオキシ基、シクロアルキニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、チオール基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、シクロアルキニルチオ基、アリールチオ基、ホルミル基、アシル基、カルバモイル基、アミノ基、少なくともひとつのアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、N−アシル−N−アルケニルアミノ基、N−アシル−N−アルキニルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルキルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルケニルアミノ基、N−アシル−N−アリールアミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基およびハロゲン原子からなる群より独立して選択される少なくともひとつのラジカルを有する置換されたアルケニル基であり;
置換されたアルキニル基が、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、シクロアルコキシ基、シクロアルケニルオキシ基、シクロアルキニルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、シクロアルケニルカルボニルオキシ基、シクロアルキニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、チオール基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、シクロアルキニルチオ基、アリールチオ基、ホルミル基、アシル基、カルバモイル基、アミノ基、少なくともひとつのアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、N−アシル−N−アルケニルアミノ基、N−アシル−N−アルキニルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルキルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルケニルアミノ基、N−アシル−N−アリールアミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基およびハロゲン原子からなる群より独立して選択される少なくともひとつのラジカルを有する置換されたアルキニル基であり;
置換されたシクロアルキル基が、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、シクロアルコキシ基、シクロアルケニルオキシ基、シクロアルキニルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、シクロアルケニルカルボニルオキシ基、シクロアルキニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、チオール基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、シクロアルキニルチオ基、アリールチオ基、ホルミル基、アシル基、カルバモイル基、アミノ基、少なくともひとつのアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、N−アシル−N−アルケニルアミノ基、N−アシル−N−アルキニルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルキルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルケニルアミノ基、N−アシル−N−アリールアミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基およびハロゲン原子からなる群より独立して選択される少なくともひとつのラジカルを有する置換されたシクロアルキル基であり;
置換されたシクロアルケニル基が、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、シクロアルコキシ基、シクロアルケニルオキシ基、シクロアルキニルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、シクロアルケニルカルボニルオキシ基、シクロアルキニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、チオール基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、シクロアルキニルチオ基、アリールチオ基、ホルミル基、アシル基、カルバモイル基、アミノ基、少なくともひとつのアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、N−アシル−N−アルケニルアミノ基、N−アシル−N−アルキニルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルキルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルケニルアミノ基、N−アシル−N−アリールアミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基およびハロゲン原子からなる群より独立して選択される少なくともひとつのラジカルを有する置換されたシクロアルケニル基であり;
置換されたシクロアルキニル基が、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、シクロアルコキシ基、シクロアルケニルオキシ基、シクロアルキニルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、シクロアルケニルカルボニルオキシ基、シクロアルキニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、チオール基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、シクロアルキニルチオ基、アリールチオ基、ホルミル基、アシル基、カルバモイル基、アミノ基、少なくともひとつのアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、N−アシル−N−アルケニルアミノ基、N−アシル−N−アルキニルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルキルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルケニルアミノ基、N−アシル−N−アリールアミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基およびハロゲン原子からなる群より独立して選択される少なくともひとつのラジカルを有する置換されたシクロアルキニル基であり;
置換されたアリール基が、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、シクロアルコキシ基、シクロアルケニルオキシ基、シクロアルキニルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、シクロアルケニルカルボニルオキシ基、シクロアルキニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、チオール基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、シクロアルキニルチオ基、アリールチオ基、ホルミル基、アシル基、カルバモイル基、アミノ基、少なくともひとつのアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、N−アシル−N−アルケニルアミノ基、N−アシル−N−アルキニルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルキルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルケニルアミノ基、N−アシル−N−アリールアミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基およびハロゲン原子からなる群より独立して選択される少なくともひとつのラジカルを有する置換されたアリール基であり;並びに
置換されたヘテロ環基が、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、シクロアルコキシ基、シクロアルケニルオキシ基、シクロアルキニルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、シクロアルケニルカルボニルオキシ基、シクロアルキニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、チオール基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、シクロアルキニルチオ基、アリールチオ基、ホルミル基、アシル基、カルバモイル基、アミノ基、少なくともひとつのアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、N−アシル−N−アルケニルアミノ基、N−アシル−N−アルキニルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルキルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルケニルアミノ基、N−アシル−N−アリールアミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基およびハロゲン原子からなる群より独立して選択される少なくともひとつのラジカルを有する置換されたヘテロ環基である、
請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
置換されたアルキル基が、アラルキル基、シクロアルキルに置換されたアルキル基、シクロアルケニルに置換されたアルキル基、ヒドロキシに置換されたアルキル基、アルコキシに置換されたアルキル基、シクロアルコキシに置換されたアルキル基、アリールオキシに置換されたアルキル基、アルキルカルボニルオキシに置換されたアルキル基、シクロアルキルカルボニルオキシに置換されたアルキル基、シクロアルケニルカルボニルオキシに置換されたアルキル基、シクロアルキニルカルボニルオキシに置換されたアルキル基、アリールカルボニルオキシに置換されたアルキル基、チオールに置換されたアルキル基、アルキルチオに置換されたアルキル基、シクロアルキルチオに置換されたアルキル基、ホルミルに置換されたアルキル基、アシル化アルキル基、カルバモイルに置換されたアルキル基、アミノに置換されたアルキル基、アシルアミノに置換されたアルキル基、ニトロに置換されたアルキル基、ハロゲンに置換されたアルキル基およびヘテロ環に置換されたアルキル基からなる群より選択され;
置換されたアルケニル基が、アラルケニル基、シクロアルケニルに置換されたアルケニル基、シクロアルケニルに置換されたアルケニル基、ヒドロキシに置換されたアルケニル基、アルコキシに置換されたアルケニル基、シクロアルコキシに置換されたアルケニル基、アリールオキシに置換されたアルケニル基、アルキルカルボニルオキシに置換されたアルケニル基、シクロアルキルカルボニルオキシに置換されたアルケニル基、シクロアルケニルカルボニルオキシに置換されたアルケニル基、シクロアルキニルカルボニルオキシに置換されたアルケニル基、アリールカルボニルオキシに置換されたアルケニル基、チオールに置換されたアルケニル基、アルキルチオに置換されたアルケニル基、シクロアルキルチオに置換されたアルケニル基、ホルミルに置換されたアルケニル基、アシル化アルケニル基、カルバモイルに置換されたアルケニル基、アミノに置換されたアルケニル基、アシルアミノに置換されたアルケニル基、ニトロに置換されたアルケニル基、ハロゲンに置換されたアルケニル基およびヘテロ環に置換されたアルケニル基からなる群より選択され;
置換されたアルキニル基が、アラルキニル基、シクロアルキルに置換されたアルキニル基、シクロアルケニルに置換されたアルキニル基、ヒドロキシに置換されたアルキニル基、アルコキシに置換されたアルキニル基、シクロアルコキシに置換されたアルキニル基、アリールオキシに置換されたアルキニル基、アルキルカルボニルオキシに置換されたアルキニル基、シクロアルキルカルボニルオキシに置換されたアルキニル基、シクロアルケニルカルボニルオキシに置換されたアルキニル基、シクロアルキニルカルボニルオキシに置換されたアルキニル基、アリールカルボニルオキシに置換されたアルキニル基、チオールに置換されたアルキニル基、アルキルチオに置換されたアルキニル基、シクロアルキルチオに置換されたアルキニル基、ホルミルに置換されたアルキニル基、アシル化アルキニル基、カルバモイルに置換されたアルキニル基、アミノに置換されたアルキニル基、アシルアミノに置換されたアルキニル基、ニトロに置換されたアルキニル基、ハロゲンに置換されたアルキニル基およびヘテロ環に置換されたアルキニル基からなる群より選択され;
置換されたシクロアルキル基が、アルキルに置換されたシクロアルキル基、アリールに置換されたシクロアルキル基、シクロアルキルに置換されたシクロアルキル基、シクロアルケニルに置換されたシクロアルキル基、シクロアルキニルに置換されたシクロアルキル基、ヒドロキシに置換されたシクロアルキル基、アルコキシに置換されたシクロアルキル基、シクロアルコキシに置換されたシクロアルキル基、アリールオキシに置換されたシクロアルキル基、アルキルカルボニルオキシに置換されたシクロアルキル基、シクロアルキルカルボニルオキシに置換されたシクロアルキル基、シクロアルケニルカルボニルオキシに置換されたシクロアルキル基、シクロアルキニルカルボニルオキシに置換されたシクロアルキル基、アリールカルボニルオキシに置換されたシクロアルキル基、チオールに置換されたシクロアルキル基、アルキルチオに置換されたシクロアルキル基、シクロアルキルチオに置換されたシクロアルキル基、ホルミルに置換されたシクロアルキル基、アシル化シクロアルキル基、カルバモイルに置換されたシクロアルキル基、アミノに置換されたシクロアルキル基、アシルアミノに置換されたシクロアルキル基、ニトロに置換されたシクロアルキル基、ハロゲンに置換されたシクロアルキル基およびヘテロ環に置換されたシクロアルキル基からなる群より選択され;
置換されたシクロアルケニル基が、アルキルに置換されたシクロアルケニル基、アリールに置換されたシクロアルケニル基、シクロアルキルに置換されたシクロアルケニル基、シクロアルケニルに置換されたシクロアルケニル基、シクロアルキニルに置換されたシクロアルケニル基、ヒドロキシに置換されたシクロアルケニル基、アルコキシに置換されたシクロアルケニル基、シクロアルコキシに置換されたシクロアルケニル基、アリールオキシに置換されたシクロアルケニル基、アルキルカルボニルオキシに置換されたシクロアルケニル基、シクロアルキルカルボニルオキシに置換されたシクロアルケニル基、シクロアルケニルカルボニルオキシに置換されたシクロアルケニル基、シクロアルキニルカルボニルオキシに置換されたシクロアルケニル基、アリールカルボニルオキシに置換されたシクロアルケニル基、チオールに置換されたシクロアルケニル基、アルキルチオに置換されたシクロアルケニル基、シクロアルキルチオに置換されたシクロアルケニル基、ホルミルに置換されたシクロアルケニル基、アシル化シクロアルケニル基、カルバモイルに置換されたシクロアルケニル基、アミノに置換されたシクロアルケニル基、アシルアミノに置換されたシクロアルケニル基、ニトロに置換されたシクロアルケニル基、ハロゲンに置換されたシクロアルケニル基およびヘテロ環に置換されたシクロアルケニル基からなる群より選択され;
置換されたシクロアルキニル基が、アルキルに置換されたシクロアルキニル基、アリールに置換されたシクロアルキニル基、シクロアルキルに置換されたシクロアルキニル基、シクロアルケニルに置換されたシクロアルキニル基、シクロアルキニルに置換されたシクロアルキニル基、ヒドロキシに置換されたシクロアルキニル基、アルコキシに置換されたシクロアルキニル基、シクロアルコキシに置換されたシクロアルキニル基、アリールオキシに置換されたシクロアルキニル基、アルキルカルボニルオキシに置換されたシクロアルキニル基、シクロアルキルカルボニルオキシに置換されたシクロアルキニル基、シクロアルケニルカルボニルオキシに置換されたシクロアルキニル基、シクロアルキニルカルボニルオキシに置換されたシクロアルキニル基、アリールカルボニルオキシに置換されたシクロアルキニル基、チオールに置換されたシクロアルキニル基、アルキルチオに置換されたシクロアルキニル基、シクロアルキルチオに置換されたシクロアルキニル基、ホルミルに置換されたシクロアルキニル基、アシル化シクロアルキニル基、カルバモイルに置換されたシクロアルキニル基、アミノに置換されたシクロアルキニル基、アシルアミノに置換されたシクロアルキニル基、ニトロに置換されたシクロアルキニル基、ハロゲンに置換されたシクロアルキニル基およびヘテロ環に置換されたシクロアルキニル基からなる群より選択され;
置換されたアリール基が、アルキルに置換されたアリール基、アリールに置換されたアリール基、シクロアルキルに置換されたアリール基、シクロアルケニルに置換されたアリール基、シクロアルキニルに置換されたアリール基、ヒドロキシに置換されたアリール基、アルコキシに置換されたアリール基、シクロアルコキシに置換されたアリール基、アリールオキシに置換されたアリール基、アルキルカルボニルオキシに置換されたアリール基、シクロアルキルカルボニルオキシに置換されたアリール基、シクロアルケニルカルボニルオキシに置換されたアリール基、シクロアルキニルカルボニルオキシに置換されたアリール基、アリールカルボニルオキシに置換されたアリール基、チオールに置換されたアリール基、アルキルチオに置換されたアリール基、シクロアルキルチオに置換されたアリール基、ホルミルに置換されたアリール基、アシル化アリール基、カルバモイルに置換されたアリール基、アミノに置換されたアリール基、アシルアミノに置換されたアリール基、ニトロに置換されたアリール基、ハロゲンに置換されたアリール基およびヘテロ環に置換されたアリール基からなる群より選択され;並びに
置換されたヘテロ環基が、アルキルに置換されたヘテロ環基、アリールに置換されたヘテロ環基、シクロアルキルに置換されたヘテロ環基、シクロアルケニルに置換されたヘテロ環基、シクロアルキニルに置換されたヘテロ環基、ヒドロキシに置換されたヘテロ環基、アルコキシに置換されたヘテロ環基、シクロアルコキシに置換されたヘテロ環基、アリールオキシに置換されたヘテロ環基、アルキルカルボニルオキシに置換されたヘテロ環基、シクロアルキルカルボニルオキシに置換されたヘテロ環基、シクロアルケニルカルボニルオキシに置換されたヘテロ環基、シクロアルキニルカルボニルオキシに置換されたヘテロ環基、アリールカルボニルオキシに置換されたヘテロ環基、チオールに置換されたヘテロ環基、アルキルチオに置換されたヘテロ環基、シクロアルキルチオに置換されたヘテロ環基、ホルミルに置換されたヘテロ環基、アシル化ヘテロ環基、カルバモイルに置換されたヘテロ環基、アミノに置換されたヘテロ環基、アシルアミノに置換されたヘテロ環基、ニトロに置換されたヘテロ環基、ハロゲンに置換されたヘテロ環基およびヘテロ環に置換されたヘテロ環基からなる群より選択される、
請求項3に記載のデバイス。
【請求項6】
少なくともひとつのRまたはR’基が、独立して、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基およびヘテロ環基からなる群より選択される、請求項3に記載のデバイス。
【請求項7】
アルキル基が、C〜Cアルキル基であり;置換されたアルキル基が、置換されたC〜Cアルキル基であり;アルケニル基が、C〜Cアルケニル基であり;置換されたアルケニル基が、置換されたC〜Cアルケニル基であり;アルキニル基が、C〜Cアルキニル基であり;置換されたアルキニル基が、置換されたC〜Cアルキニル基であり;シクロアルキル基が、C〜Cシクロアルキル基であり;置換されたシクロアルキル基が、置換されたC〜Cシクロアルキル基であり;シクロアルケニル基が、C〜Cシクロアルケニル基であり;置換されたシクロアルケニル基が、置換されたC〜Cシクロアルケニル基であり;シクロアルキニル基が、C〜Cシクロアルキニル基であり;置換されたシクロアルキニル基が、置換されたC〜Cシクロアルキニル基であり;アリール基が、C〜C10アリール基であり;置換されたアリール基が、置換されたC〜C10アリール基であり;ヘテロ環基が、4−、5−、6−、7−または8−員環を含む環状基であり、この際、環が、N、OおよびSから選択される少なくともひとつの環原子と、残りの環原子としてC原子とを含み;並びに置換されたヘテロ環基が、4−、5−、6−、7−または8−員環およびN、OおよびSから選択される少なくともひとつの環原子と残りの環原子としてC原子とを含む置換された環基である、請求項3に記載のデバイス。
【請求項8】
シクロアルキル基、置換されたシクロアルキル基、シクロアルケニル基、置換されたシクロアルケニル基、シクロアルキニル基、置換されたシクロアルキニル基、アリール基、置換されたアリール基、ヘテロ環基および置換されたヘテロ環基が、独立して、単環または多環である、請求項3に記載のデバイス。
【請求項9】
シクロアルキル基、置換されたシクロアルキル基、シクロアルケニル基、置換されたシクロアルケニル基、シクロアルキニル基、置換されたシクロアルキニル基、アリール基、置換されたアリール基、ヘテロ環基および置換されたヘテロ環基が、独立して、単環である、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
シクロアルキル基、置換されたシクロアルキル基、シクロアルケニル基、置換されたシクロアルケニル基、シクロアルキニル基、置換されたシクロアルキニル基、アリール基、置換されたアリール基、ヘテロ環基および置換されたヘテロ環基が、独立して、多環である、請求項8に記載のデバイス。
【請求項11】
ヘテロ環基が、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルフォリノ基、チオモルフォリノ基、ホモピペリジニル基、クロマニル基、イソクロマニル基、クロメニル基、ピロリル基、フラニル基、チエニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、フラザニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピラニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、インドリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キナゾリニル基、プテリジニル基、キノリジニル基、ベンズオキサジニル基、カルバゾリル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基およびフェナントリジニル基からなる群より選択され;並びに
置換されたヘテロ環基が、置換されたピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルフォリノ基、チオモルフォリノ基、ホモピペリジニル基、クロマニル基、イソクロマニル基、クロメニル基、ピロリル基、フラニル基、チエニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、フラザニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピラニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、インドリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キナゾリニル基、プテリジニル基、キノリジニル基、ベンズオキサジニル基、カルバゾリル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基およびフェナントリジニル基からなる群より選択される、
請求項7に記載のデバイス。
【請求項12】
少なくともひとつのピロール環の2つの隣接するR基が、少なくともひとつのピロール環のふたつのβ位の炭素原子といっしょに、炭素環基、置換された炭素環基、ヘテロ環基または置換されたヘテロ環基を形成する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
少なくともひとつのピロール環の2つの隣接するR基が、少なくともひとつのピロール環のふたつのβ位の炭素原子といっしょに、炭素環基または置換された炭素環基を形成する、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
炭素環基または置換された炭素環基が、単環である、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
炭素環基または置換された炭素環基が、多環である、請求項13に記載のデバイス。
【請求項16】
炭素環または置換された炭素環基が、大員環または芳香族π系である、請求項13に記載のデバイス。
【請求項17】
炭素環または置換された炭素環基が、芳香族系である、請求項13に記載のデバイス。
【請求項18】
少なくともひとつのピロール環の2つの隣接するR基が、少なくともひとつのピロール環のふたつのβ位の炭素原子といっしょに、ヘテロ環基または置換されたヘテロ環基を形成する、請求項12に記載のデバイス。
【請求項19】
ヘテロ環基または置換されたヘテロ環基が、単環である、請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
ヘテロ環基または置換されたヘテロ環基が、多環である、請求項18に記載のデバイス。
【請求項21】
ヘテロ環基または置換されたヘテロ環基が、芳香族系である、請求項18に記載のデバイス。
【請求項22】
少なくともひとつのRまたはR’基は、アルキル、置換されたアルキル、アリールまたは置換されたアリールである、請求項2に記載のデバイス。
【請求項23】
少なくともひとつのRまたはR’基が、フェニル基、トリル基、キシレニル基、メシチル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基またはイソプロピル基である、請求項22に記載のデバイス。
【請求項24】
式(I)で表される少なくともひとつの非平面状ポルフィリンが、下記式:
【化2】

で表される化合物からなる群より選択される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項25】
少なくともひとつのRまたはR’基における結合価原子がOである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項26】
結合価原子としてOを有する少なくともひとつのRまたはR’基が、ヒドロキシ、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルコキシ、シクロアルケニルオキシ、シクロアルキニルオキシ、アラルキルオキシ、アラルケニルオキシ、アラルキニルオキシ、アリールオキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルケニルカルボニルオキシ、アルキニルカルボニルオキシ、ヒロドキシカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシである、請求項25に記載のデバイス。
【請求項27】
結合価原子としてOを有する少なくともひとつのRまたはR’基が、ヒドロキシまたはアルコキシである、請求項26に記載のデバイス。
【請求項28】
結合価原子としてOを有する少なくともひとつのRまたはR’基が、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシまたはイソプロポキシである、請求項27に記載のデバイス。
【請求項29】
少なくともひとつのRまたはR’基が、独立して、Cl原子、Br原子、I原子およびAt原子からなる群より選択される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項30】
少なくともひとつのRまたはR’基が、結合価原子としてNを有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項31】
結合価原子としてNを有する少なくともひとつのRまたはR’基が、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルケニルアミノ基、ジアルケニルアミノ基、アルキニルアミノ基、ジアルキニルアミノ基、N−アルキル−N−アルケニルアミノ基、N−アルキル−N−アルキニルアミノ基、N−アルケニル−N−アルキニルアミノ基、アシルアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、N−アシル−N−アルケニルアミノ基、N−アシル−N−アルキニルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルキルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルケニルアミノ基、N−アシル−N−アリールアミノ基、ニトロ基、窒素結合価原子を含むヘテロ環基および窒素結合価原子を含む置換されたヘテロ環基からなる群より選択される、請求項30に記載のデバイス。
【請求項32】
少なくともひとつのRまたはR’基が、結合価原子としてSを有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項33】
結合価原子としてSを有する少なくともひとつのRまたはR’基が、チオール基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アルキニルチオ基、アラルキルチオ基、アラルケニルチオ基、アラルキニルチオ基、シクロアルキルアルキルチオ基、シクロアルケニルアルキルチオ基、シクロアルキニルアルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、シクロアルキニルチオ基、およびアリールチオ基からなる群より選択される、請求項32に記載のデバイス。
【請求項34】
Mが、Pt、PdまたはIrである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項35】
Mが、Ptである、請求項34に記載のデバイス。
【請求項36】
Mが、Pdである、請求項34に記載のデバイス。
【請求項37】
少なくともひとつの非平面状ポルフィリンが、Pt(テトラフェニルベンゾ−ポルフィリン)である、請求項35に記載のデバイス。
【請求項38】
少なくともひとつの非平面状ポルフィリンが、Pd(テトラフェニルベンゾ−ポルフィリン)である、請求項36に記載のデバイス。
【請求項39】
有機太陽電池である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項40】
光導電セルである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項41】
光検出器である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項42】
ドナー物質およびアクセプター物質を含み、この際、ドナー物質が、少なくともひとつの非平面状ポルフィリンを含む、請求項1に記載のデバイス
【請求項43】
ドナー物質およびアクセプター物質を含み、この際、アクセプター物質が、少なくともひとつの非平面状ポルフィリンを含む、請求項1に記載のデバイス
【請求項44】
ドナー物質およびアクセプター物質を含み、この際、ドナー物質は、式(I)で表される少なくともひとつの非平面状ポルフィリンを含み、並びにアクセプター物質は、式(I)で表される少なくともひとつの異なる非平面状ポルフィリンを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項45】
アクセプター物質が、C60を含む、請求項42に記載のデバイス。
【請求項46】
ドナー物質およびアクセプター物質を準備し、この際、ドナー物質および/またはアクセプター物質は、式(I):
【化3】

式中、Mは、Sc、Y、La、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Al、Ga、In、Tl、SI、Ge、Sn、Pb、P、As、Sb、Bi、S、Se、Te、Po、Cl、Br、I、At、ランタニド、アクチニドおよび2Hからなる群より選択され;
R’は、独立して、Cl原子、Br原子、I原子、At原子、およびポルフィリンのメソ位の炭素原子に結合しうる結合価原子を含む化学基からなる群より選択され、この際、結合価原子は、B、C、N、O、Si、P、S、Ge、As、Se、In、Sn、Sb、Te、Tl、Pb、BiおよびPoからなる群より選択され;並びに
Rは、独立して、Cl原子、Br原子、I原子、At原子、およびピロール環のβ位の炭素原子に結合しうる結合価原子を含む化学基からなる群より選択され、この際、結合価原子は、B、C、N、O、Si、P、S、Ge、As、Se、In、Sn、Sb、Te、Tl、Pb、BiおよびPoからなる群より選択され、または同じピロール環に結合する2つの隣接するR基が、ピロール環のふたつのβ位の炭素原子といっしょに、炭素環基またはヘテロ環を形成する;
で表される少なくともひとつの非平面状ポルフィリンを含み、並びに
ドナー物質をアクセプター物質と接触させて感光性光電子デバイスを製造し、
この際、ドナー物質およびアクセプター物質の両方が、式(I)で表される少なくともひとつの非平面状ポルフィリンを含む場合、ドナー物質における少なくともひとつの非平面状ポルフィリンは、アクセプター物質における少なくともひとつの非平面状ポルフィリンとは相違する、
ことを含む有機感光性デバイスを製造する方法。
【請求項47】
有機太陽電池、有機光検出器、有機感光剤、有機光導電セル、化学センサーおよび生物学的センサーからなる群より選択される、請求項1に記載のデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−529695(P2010−529695A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−512288(P2010−512288)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【国際出願番号】PCT/US2008/066365
【国際公開番号】WO2008/157118
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(508230226)ユニバーシティ オブ サザン カリフォルニア (8)
【Fターム(参考)】