説明

非接触型データ受送信体およびその製造方法

【課題】耐薬品性、耐候性および耐熱性に優れ、さらに、通信特性に優れた非接触型データ受送信体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の非接触型データ受送信体10は、インレット11と、レジスト層17,18を介してインレット11を被覆する被覆材23と、を備え、インレット11は、ガラスエポキシ基板12と、その一方の面12aに設けられた第一導電体13および他方の面12bに設けられた第二導電体14と、ガラスエポキシ基板12を厚み方向に貫通する貫通孔12c,12dの内面に設けられ、第一導電体13と第二導電体14を接続する第三導電体15,16と、第一導電体13に接続されたICチップ20と、を有し、レジスト層17,18は、少なくとも第一導電体13、第二導電体14、これらの導電体とガラスエポキシ基板12の境界を覆うように設けられたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFID(Radio Frequency IDentification)用途の情報記録メディアのように、電波、主にマイクロ波を媒体として外部から情報を受信し、また、外部に情報を送信できるようにした非接触型データ受送信体およびその製造方法に関し、特に、耐薬品性、耐候性および耐熱性に優れ、さらに、通信特性に優れた非接触型データ受送信体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触型データ受送信体の一例であるICタグは、基材と、その一方の面に設けられ互いに接続されたアンテナおよびICチップとから構成されるインレットを備えており、情報書込/読出装置からの電磁波を受信すると共振作用によりアンテナに起電力が発生し、この起電力によりICタグ内のICチップが起動し、このICチップ内の情報を信号化し、この信号がICタグのアンテナから発信される。
ICタグから発信された信号は、情報書込/読出装置のアンテナで受信され、コントローラーを介してデータ処理装置へ送られ、識別などのデータ処理が行われる。
【0003】
このようなICタグを耐熱性および耐候性に優れたものとするために、インレットを、熱可塑性樹脂などによって被覆して、パッケージ化したICタグが提案されている。
このようなパッケージ化されたICタグの製造方法としては、インレットを熱可塑性樹脂シートで挟み込んだ後、熱プレス成形を行うことにより、インレットを熱可塑性樹脂で被覆する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。ここでは、インレットの基材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)基材などの可撓性の基材が用いられている。
また、インレットを熱可塑性樹脂シートで挟み込んだ後、この状態で熱可塑性樹脂シートの合わせ面を超音波溶着することによっても、ICタグをパッケージ化することができる。
【特許文献1】国際公開第2008/001729号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている製造方法により、インレットを熱可塑性樹脂で被覆すると、熱プレス成形時の熱と圧力によって、(1)インレットの基材が伸縮して、ICチップが位置ずれする、(2)ICチップの実装に用いられた接着剤が溶解して、ICチップが位置ずれする、(3)ICチップの実装部が接着不良を起こし、ICチップが位置ずれする、などの不具合を生じることがあった。
このようにICチップが位置ずれすると、ICタグが通信不良を生じるという問題があった。
【0005】
また、熱可塑性樹脂シートの合わせ面を超音波溶着する方法では、インレットに不具合が生じるような熱や圧力が加えられることはないものの、成形時に、インレットと熱可塑性樹脂シートとの間に空気を閉じ込めてしまい、内部に空気層を有するICタグを形成してしまうことがあった。
このように、ICタグの内部に空気層が存在すると、高温環境下にてICタグを使用した際、空気層が膨張してICタグが変形し、結果として、共振周波数がずれて、ICタグが通信不良を生じるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、耐薬品性、耐候性および耐熱性に優れ、さらに、通信特性に優れた非接触型データ受送信体およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の非接触型データ受送信体は、インレットと、該インレットの一方の面および他方の面に設けられたレジスト層と、該レジスト層を介して前記インレットを被覆する被覆材と、を備えた非接触型データ受送信体であって、前記インレットは、ガラスエポキシ基板と、該ガラスエポキシ基板の一方の面に設けられた第一導電体と、前記ガラスエポキシ基板の他方の面に設けられた第二導電体と、前記ガラスエポキシ基板を厚み方向に貫通する貫通孔の内面に設けられ、前記第一導電体と前記第二導電体を接続する第三導電体と、前記第一導電体または前記第二導電体に接続されたICチップと、を有し、前記レジスト層は、少なくとも前記第一導電体、前記第二導電体、前記第一導電体と前記ガラスエポキシ基板の境界、および、前記第二導電体と前記ガラスエポキシ基板の境界を覆うように設けられたことを特徴とする。
【0008】
前記貫通孔には、前記第三導電体を介して前記被覆材をなす樹脂材が充填されたことが好ましい。
【0009】
本発明の非接触型データ受送信体の製造方法は、インレットと、該インレットの一方の面および他方の面に設けられたレジスト層と、該レジスト層を介して前記インレットを被覆する被覆材と、を備えた非接触型データ受送信体の製造方法であって、ガラスエポキシ基板の一方の面に第一導電体を設け、前記ガラスエポキシ基板の他方の面に第二導電体を設ける工程Aと、前記ガラスエポキシ基板の一方の面から他方の面にわたって、前記ガラスエポキシ基板に対して略垂直の貫通孔を穿設するとともに、前記貫通孔の内面全面に第三導電体を形成することにより、該第三導電体を介して、前記第一導電体と前記第二導電体を接続する工程Bと、少なくとも前記第一導電体、前記第二導電体、前記第一導電体と前記ガラスエポキシ基板の境界、および、前記第二導電体と前記ガラスエポキシ基板の境界を覆うように、前記レジスト層を設ける工程Cと、前記ガラスエポキシ基板の一方の面において、前記第一導電体にICチップを接続し、インレットを得る工程Dと、前記被覆材をなす樹脂シートで前記インレットを挟み込み、熱プレス成形する工程Eと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の非接触型データ受送信体によれば、インレットの基材として、耐熱性に優れるガラスエポキシ基板を用いたので、被覆材を設ける際、熱プレス成形を行っても、ガラスエポキシ基板の伸縮に起因するICチップの位置ずれが生じることなく、結果として、非接触型データ受送信体の通信不良が生じることがない。また、インレットと被覆材の間にレジスト層が介在するとともに、レジスト層が、少なくとも第一導電体、第二導電体、第一導電体とガラスエポキシ基板の境界、および、第二導電体とガラスエポキシ基板の境界を覆うように設けられたので、インレットと被覆材の密着性が向上するから、インレットと被覆材の間に空気層が生じることがなく、高温環境下にて非接触型データ受送信体を使用しても、空気層が膨張してインレット11が変形することがなく、結果として、共振周波数がずれて、非接触型データ受送信体が通信不良を生じることがない。また、インレットが被覆材で被覆されているから、非接触型データ受送信体は、耐薬品性、耐候性および耐熱性に優れている。
【0011】
本発明の非接触型データ受送信体の製造方法によれば、工程Cにおいて、少なくとも第一導電体、第二導電体、第一導電体とガラスエポキシ基板の境界、および、第二導電体とガラスエポキシ基板の境界を覆うように、レジスト層を設け、工程Eにおいて、被覆材をなす樹脂シートでインレットを挟み込み、熱プレス成形するので、被覆材を形成する際、熱プレス成形を行っても、ガラスエポキシ基板の伸縮に起因するICチップの位置ずれが生じることなく、結果として、得られる非接触型データ受送信体の通信不良が生じることがない。
また、表面にレジスト層が設けられたインレットを、熱プレス成形により被覆材で被覆するので、インレットと被覆材の密着性が向上するから、インレットと被覆材の間に空気層が生じることがなく、得られた非接触型データ受送信体を高温環境下にて使用しても、空気層が膨張してインレットが変形することがなく、結果として、共振周波数がずれて、非接触型データ受送信体が通信不良を生じることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の非接触型データ受送信体およびその製造方法の最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
【0013】
(1)非接触型データ受送信体の第一の実施形態
図1は、本発明の非接触型データ受送信体の第一の実施形態を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
この実施形態の非接触型データ受送信体10は、インレット11と、インレット11の一方の面全面に設けられたレジスト層17およびインレット11の他方の面全面に設けられたレジスト層18と、これらのレジスト層17,18を介してインレット11を被覆する被覆材23とから概略構成されている。
また、インレット11は、ガラスエポキシ基板12と、ガラスエポキシ基板12の一方の面12aに設けられた面状の第一導電体13と、ガラスエポキシ基板12の他方の面12bに設けられた面状の第二導電体14と、ガラスエポキシ基板12を厚み方向に貫通し、第一導電体13と第二導電体14を、それぞれの一端部側にて互いに接続する第三導電体15,16と、第一導電体13に接続されたICチップ20とから概略構成されている。
【0014】
インレット11では、ガラスエポキシ基板12の一方の面12aに、接着材あるいは粘着材を介して、第一導電体13が設けられるとともに、ガラスエポキシ基板12の他方の面12bに、接着材あるいは粘着材を介して、第二導電体14が設けられている。
また、第一導電体13と第二導電体14は、ガラスエポキシ基板12を介して対向して配置されている。そして、第一導電体13と第二導電体14は、平行の関係にある。
【0015】
また、第三導電体15は、ガラスエポキシ基板12を厚み方向に貫通する貫通孔12c内、すなわち、一方の面12aから他方の面12bにわたって、ガラスエポキシ基板12に対して略垂直に設けられた貫通孔12c内において、この貫通孔12cの内面12e全面に設けられている。そして、第三導電体15が設けられた貫通孔12cには、第三導電体15が充填されているのではなく、第三導電体15が設けられた貫通孔12cの中央部には、ガラスエポキシ基板12の一方の面12aから他方の面12bにわたって、被覆材23をなす樹脂材が充填されている。すなわち、貫通孔12cには、第三導電体15を介して被覆材23をなす樹脂材が充填されている。
【0016】
同様に、第三導電体16は、ガラスエポキシ基板12を厚み方向に貫通する貫通孔12d内、すなわち、一方の面12aから他方の面12bにわたって、ガラスエポキシ基板12に対して略垂直に設けられた貫通孔12d内において、この貫通孔12dの内面12f全面に設けられている。そして、第三導電体16が設けられた貫通孔12dには、第三導電体16が充填されているのではなく、第三導電体16が設けられた貫通孔12dの中央部には、ガラスエポキシ基板12の一方の面12aから他方の面12bにわたって、被覆材23をなす樹脂材が充填されている。すなわち、貫通孔12dには、第三導電体16を介して被覆材23をなす樹脂材が充填されている。
【0017】
さらに、貫通孔12cと貫通孔12dは、ガラスエポキシ基板12の長手方向に沿って、所定の間隔を置いて設けられている。すなわち、第三導電体15と第三導電体16は、ガラスエポキシ基板12の長手方向に沿って、所定の間隔を置いて設けられている。
【0018】
そして、第三導電体15は、貫通孔12cにおけるガラスエポキシ基板12の一方の面12a側の開口部にて第一導電体13と接続され、一方、貫通孔12cにおけるガラスエポキシ基板12の他方の面12b側の開口部にて第二導電体14と接続されている。同様に、第三導電体16は、貫通孔12dにおけるガラスエポキシ基板12の一方の面12a側の開口部にて第一導電体13と接続され、一方、貫通孔12dにおけるガラスエポキシ基板12の他方の面12b側の開口部にて第二導電体14と接続されている。
これにより、第一導電体13と第二導電体14は、第三導電体15,16を介して電気的に接続され、第一導電体13、第二導電体14および第三導電体15,16は、ガラスエポキシ基板12の厚み方向の断面形状が略エの字型をなすアンテナ19を形成している。
【0019】
アンテナ19の長手方向における長さ、すなわち、第三導電体15,16を介して、ガラスエポキシ基板12の一方の面12aに設けられた第一導電体13から他方の面12bに設けられた第二導電体14にわたる長さは、非接触型データ受送信体10の使用周波数である極超短波帯〈UHF〉やマイクロ波帯の電波帯の周波数(300MHz〜30GHz)の1/2波長に相当する長さとなっている。
【0020】
貫通孔12c,12dのガラスエポキシ基板12の厚み方向と垂直な断面の形状、すなわち、平面視の形状は円形をなしている。なお、貫通孔12c,12dの上記断面の形状は特に限定されず、楕円形、三角形、四角形(矩形)、五角形以上の多角形などであってもよい。
また、貫通孔12c,12dの大きさは特に限定されず、アンテナ19の共振周波数などに応じて適宜調整される。
【0021】
ICチップ20は、ガラスエポキシ基板12の一方の面12aにおいて、微細なワイヤー21,21を用いたワイヤーボンディングにより、第一導電体13と接続されている。これにより、アンテナ19とICチップ20は電気的に接続されている。
また、ガラスエポキシ基板12に実装されたICチップ19は、封止材22によって封止されている。
【0022】
また、インレット11の一方の面(ガラスエポキシ基板12の一方の面12a側の面)全面に設けられたレジスト層17は、ガラスエポキシ基板12の一方の面12aに設けられた第一導電体13の全面を覆うとともに、第一導電体13とガラスエポキシ基板12の境界を覆っている。そして、このレジスト層17は、ガラスエポキシ基板12の長手方向の両端部において、第一導電体13の一端側の角13bからガラスエポキシ基板12の一端に向かって次第に厚みが薄くなるとともに、第一導電体13の他端側の角13cからガラスエポキシ基板12の他端に向かって次第に厚みが薄くなるような形状をなしている。すなわち、レジスト層17は、第一導電体13の一端側の角13bおよび他端側の角13cの近傍において、滑らかな曲線形状をなしている。
このレジスト層17は、インレット11と被覆材23の密着性を向上するために設けられる。なぜならば、ガラスエポキシ基板12の一方の面12aに設けられた第一導電体13を被覆材23で直接覆うと、第一導電体13と被覆材23の界面において、両者の密着性が悪く、界面剥離を生じる。そこで、第一導電体13と被覆材23の間にレジスト層17を介在させることにより、インレット11と被覆材23の密着性を向上させている。また、レジスト層17は、第一導電体13の一端側の角13bおよび他端側の角13cの近傍において、滑らかな曲線形状をなしているので、第一導電体13の一端側の角13bおよび他端側の角13cの近傍においても、インレット11の外形形状に追従して被覆材23が変形し易くなるから、インレット11と被覆材23の密着性が向上する。
【0023】
同様に、インレット11の他方の面(ガラスエポキシ基板12の他方の面12b側の面)全面に設けられたレジスト層18は、ガラスエポキシ基板12の他方の面12bに設けられた第二導電体14の全面を覆うとともに、第二導電体14とガラスエポキシ基板12の境界を覆っている。そして、このレジスト層18は、ガラスエポキシ基板12の長手方向の両端部において、第二導電体14の一端側の角14bからガラスエポキシ基板12の一端に向かって次第に厚みが薄くなるとともに、第二導電体14の他端側の角14cからガラスエポキシ基板12の他端に向かって次第に厚みが薄くなるような形状をなしている。すなわち、レジスト層18は、第二導電体14の一端側の角14bおよび他端側の角14cの近傍において、滑らかな曲線形状をなしている。
このレジスト層18は、インレット11と被覆材23の密着性を向上するために設けられる。なぜならば、ガラスエポキシ基板12の他方の面12bに設けられた第二導電体14を被覆材23で直接覆うと、第二導電体14と被覆材23の界面において、両者の密着性が悪く、界面剥離を生じる。そこで、第二導電体14と被覆材23の間にレジスト層18を介在させることにより、インレット11と被覆材23の密着性を向上させている。また、レジスト層18は、第二導電体14の一端側の角14bおよび他端側の角14cの近傍において、滑らかな曲線形状をなしているので、第二導電体14の一端側の角14bおよび他端側の角14cの近傍においても、インレット11の外形形状に追従して被覆材23が変形し易くなるから、インレット11と被覆材23の密着性が向上する。
【0024】
ガラスエポキシ基板12としては、ガラス繊維からなる不織布を重ねたものに、エポキシ樹脂を含浸させ、プレス成形してなるものが用いられる。ガラスエポキシ基板12は、耐熱性に優れているので、寸法安定性に優れている。また、ガラスエポキシ基板12は、誘電率が極めて低い材料であるので、インレット11の基材として用いた場合、アンテナ19の通信特性を低下させることがない。
【0025】
第一導電体13、第二導電体14および第三導電体15,16は、金属薄膜からなり、この金属薄膜を形成する金属としては、金、銀、銅、スズ、アルミニウムなどが挙げられる。
【0026】
レジスト層17,18を形成する材料としては、エポキシ系樹脂とグリコール系溶剤を主成分とするレジスト材が用いられる。このレジスト材としては、具体的には、例えば、エポキシ系樹脂23.1質量%、アクリル系樹脂3.3質量%、グルコール系溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテル17.9質量%含有)29.3質量%、芳香族系溶剤11.1質量%、顔料(シリカ1.7質量%含有)27.5質量%、光重合開始剤3.9質量%、添加剤1.8質量%からなる、タムラ化研社製のDSR−330P18−15が用いられる。なお、各成分の含有量は、レジスト材を構成する各成分の総量(100質量%)に対する割合である。
【0027】
ICチップ20としては、特に限定されず、アンテナ19を介して非接触状態にて情報の書き込みおよび読み出しが可能なものであれば、非接触型ICタグや非接触型ICラベル、あるいは非接触型ICカードなどのRFIDメディアに適用可能なものであればいかなるものでも用いられる。
【0028】
封止材22としては、特に限定されないが、熱硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤、電子線硬化型接着剤などが用いられる。
熱硬化型接着剤としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アクリル系反応樹脂などが挙げられる。具体的には、ビスフェノールF型エポキシドが挙げられる。
紫外線硬化型接着剤としては、紫外線硬化性アクリル樹脂、紫外線硬化性ウレタンアクリレート樹脂、紫外線硬化性ポリエステルアクリレート樹脂、紫外線硬化性ポリウレタン樹脂、紫外線硬化性エポキシアクリレート樹脂、紫外線硬化性イミドアクリレート樹脂などが挙げられる。
電子線硬化型接着剤としては、電子線硬化性アクリル樹脂、電子線硬化性ウレタンアクリレート樹脂、電子線硬化性ポリエステルアクリレート樹脂、電子線硬化性ポリウレタン樹脂、電子線硬化性エポキシアクリレート樹脂、カチオン硬化型樹脂などが挙げられる。
【0029】
被覆材23をなす樹脂材としては、シリコン樹脂、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマーなどのエラストマー材料などが用いられる。
【0030】
非接触型データ受送信体10によれば、インレット11の基材として、耐熱性に優れるガラスエポキシ基板12を用いたので、被覆材23を設ける際、熱プレス成形を行っても、ガラスエポキシ基板12の伸縮に起因するICチップ20の位置ずれが生じることなく、結果として、非接触型データ受送信体10の通信不良が生じることがない。
また、インレット11と被覆材23の間にレジスト層17,18が介在するとともに、レジスト層17が、第一導電体13の全面と、第一導電体13とガラスエポキシ基板12の境界とを覆い、さらに、第一導電体13の一端側の角13bおよび他端側の角13cの近傍において、滑らかな曲線形状をなしており、また、レジスト層18が、第二導電体14の全面と、第二導電体14とガラスエポキシ基板12の境界とを覆い、さらに、第二導電体14の一端側の角14bおよび他端側の角14cの近傍において、滑らかな曲線形状をなしているので、インレット11と被覆材23の密着性が向上するから、インレット11と被覆材23の間に空気層が生じることがなく、高温環境下にて非接触型データ受送信体10を使用しても、空気層が膨張してインレット11が変形することがなく、結果として、共振周波数がずれて、非接触型データ受送信体10が通信不良を生じることがない。
また、インレット11が被覆材23で被覆されているから、非接触型データ受送信体10は、耐薬品性、耐候性および耐熱性に優れている。
【0031】
また、ガラスエポキシ基板12の貫通孔12cに、第三導電体15を介して被覆材23をなす樹脂材が充填されるとともに、ガラスエポキシ基板12の貫通孔12dに、第三導電体16を介して被覆材23をなす樹脂材が充填されているので、この樹脂材が、第三導電体15,16と、第一導電体13および第二導電体14との接続部を保持し、これらの接続を安定させるから、第三導電体15,16と、第一導電体13および第二導電体14との安定した導通を確保し、非接触型データ受送信体10の通信不良を防止することができる。
【0032】
なお、この実施形態では、レジスト層17が、第一導電体13の全面と、第一導電体13とガラスエポキシ基板12の境界とを覆うとともに、レジスト層18が、第二導電体14の全面と、第二導電体14とガラスエポキシ基板12の境界とを覆っている非接触型データ受送信体10を例示したが、本発明の非接触型データ受送信体はこれに限定されない。本発明の非接触型データ受送信体にあっては、レジスト層は、少なくとも第一導電体、第二導電体、第一導電体とガラスエポキシ基板の境界、および、第二導電体とガラスエポキシ基板の境界を覆うように設けられていればよい。
【0033】
また、この実施形態では、ガラスエポキシ基板12の貫通孔12cに、第三導電体15を介して被覆材23をなす樹脂材が充填されるとともに、ガラスエポキシ基板12の貫通孔12dに、第三導電体16を介して被覆材23をなす樹脂材が充填された非接触型データ受送信体10を例示したが、本発明の非接触型データ受送信体はこれに限定されない。本発明の非接触型データ受送信体にあっては、ガラスエポキシ基板の貫通孔には、第三導電体のみ設けられていればよく、被覆材をなす樹脂材が充填されていなくてもよい。
また、この実施形態では、ICチップ20が、ガラスエポキシ基板12の一方の面12aにおいて第一導電体13と接続されている非接触型データ受送信体10を例示したが、本発明の非接触型データ受送信体はこれに限定されない。本発明の非接触型データ受送信体にあっては、ICチップが、ガラスエポキシ基板の他方の面において第二導電体と接続されていてもよい。
【0034】
(2)非接触型データ受送信体の製造方法の第一の実施形態
図1〜7を参照して、本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第一の実施形態について説明する。
まず、図2,3に示すように、ガラスエポキシ基板12の一方の面12aに、接着材あるいは粘着材を介して、第一導電体13を配設するとともに、ガラスエポキシ基板12の他方の面12bに、接着材あるいは粘着材を介して、第二導電体14を配設する(工程A)。
【0035】
次いで、図4に示すように、ドリルにより、ガラスエポキシ基板12の一方の面12aから他方の面12bにわたって、ガラスエポキシ基板12に対して略垂直の貫通孔12c,12dを穿設する。この際、ガラスエポキシ基板12の一方の面12aに設けられた第一導電体13と一緒に、ガラスエポキシ基板12に穿孔するが、第一導電体13に当接したドリルが、ガラスエポキシ基板12に貫通孔12c,12dを穿設すると同時に、第一導電体13の一部を引き延ばしながら、貫通孔12c,12d内にその引き延ばした部分を引きずり込むことによって、貫通孔12cの内面12e全面に第三導電体15を形成するとともに、貫通孔12dの内面12f全面に第三導電体16を形成する。その結果、この第三導電体15,16を介して、第一導電体13と第二導電体14が接続される(工程B)。
【0036】
次いで、図5に示すように、第一導電体13の全面と、第一導電体13とガラスエポキシ基板12の境界とを覆うとともに、第二導電体14の全面と、第二導電体14とガラスエポキシ基板12の境界とを覆うように、レジスト材を塗布した後、このレジスト材を硬化させて、レジスト層17,18を形成する(工程C)。
【0037】
この工程Cにおいて、ガラスエポキシ基板12の一方の面12aおよび他方の面12bにレジスト材を塗布する際、その厚みを、一方の面12aおよび他方の面12bを基準として、第一導電体13および第二導電体14の厚み以上とする。このようにすれば、レジスト材を硬化して形成されるレジスト層17は、第一導電体13の一端側の角13bおよび他端側の角13cの近傍において、滑らかな曲線形状をなすとともに、レジスト材を硬化して形成されるレジスト層18は、第二導電体14の一端側の角14bおよび他端側の角14cの近傍において、滑らかな曲線形状をなす。
【0038】
また、この工程Cでは、第一導電体13のICチップの実装部分、すなわち、第一導電体13の接点には、レジスト材を塗布しないようにする。
【0039】
次いで、図6に示すように、ガラスエポキシ基板12の一方の面12aにおいて、ワイヤーボンディングにより、第一導電体13にICチップ20を接続し、次いで、ICチップ20を覆うように封止材22を塗布した後、この封止材22を硬化させて、ICチップ20を封止し、インレット11を得る(工程D)。
【0040】
次いで、図7に示すように、被覆材23をなす一対の樹脂シート24,24でインレット11を挟み込み、さらに、その外側から下型31と上型32からなる金型30を用いて、熱プレス成形し、インレット11を被覆材23で被覆し、図1に示すような非接触型データ受送信体10を得る(工程E)。
【0041】
この工程Eにおいて用いられる下型31には、非接触型データ受送信体10の外形形状(詳細には、非接触型データ受送信体10の厚み方向と垂直な方向において2分割した下側半分の外形形状)に略等しい凹部31aが設けられている。同様に、上型32には、非接触型データ受送信体10の外形形状(詳細には、非接触型データ受送信体10の厚み方向と垂直な方向において2分割した上側半分の外形形状)に略等しい凹部32aが設けられている。
そして、凹部31aと凹部32aが対向するようにして下型31と上型32を配置した金型30により、樹脂シート24,24で挟み込んだインレット11を熱プレス成形することにより、樹脂シート24,24がインレット11に密着するとともに、樹脂シート24,24同士が溶着して一体化し、インレット11が被覆材23で被覆された非接触型データ受送信体10が得られる。
【0042】
また、この工程Eでは、上述の樹脂シート24,24によるインレット11の被覆と同時に、ガラスエポキシ基板12の貫通孔12cに、第三導電体15を介して被覆材23(樹脂シート24)をなす樹脂材が充填されるとともに、ガラスエポキシ基板12の貫通孔12dには、第三導電体16を介して被覆材23(樹脂シート24)をなす樹脂材が充填される。
【0043】
この実施形態の非接触型データ受送信体の製造方法によれば、工程Cにおいて、第一導電体13の全面と、第一導電体13とガラスエポキシ基板12の境界とを覆うとともに、第二導電体14の全面と、第二導電体14とガラスエポキシ基板12の境界とを覆うように、レジスト材を塗布した後、このレジスト材を硬化させて、レジスト層17,18を形成し、工程Eにおいて、被覆材23をなす一対の樹脂シート24,24でインレット11を挟み込み、さらに、その外側から下型31と上型32からなる金型30を用いて、熱プレス成形し、インレット11を被覆材23で被覆するので、被覆材23を形成する際、熱プレス成形を行っても、ガラスエポキシ基板12の伸縮に起因するICチップ20の位置ずれが生じることなく、結果として、得られる非接触型データ受送信体10の通信不良が生じることがない。
【0044】
また、第一導電体13の全面と、第一導電体13とガラスエポキシ基板12の境界とを覆い、さらに、第一導電体13の一端側の角13bおよび他端側の角13cの近傍において、滑らかな曲線形状をなすようにレジスト層17を設け、また、第二導電体14の全面と、第二導電体14とガラスエポキシ基板12の境界とを覆い、さらに、第二導電体14の一端側の角14bおよび他端側の角14cの近傍において、滑らかな曲線形状をなすようにレジスト層18を設けた後、表面にレジスト層17,18が設けられたインレット11を、熱プレス成形により被覆材23で被覆するので、インレット11と被覆材23の密着性が向上するから、インレット11と被覆材23の間に空気層が生じることがなく、得られた非接触型データ受送信体10を高温環境下にて使用しても、空気層が膨張してインレット11が変形することがなく、結果として、共振周波数がずれて、非接触型データ受送信体10が通信不良を生じることがない。
【0045】
なお、この実施形態では、工程Cにおいて、第一導電体13の全面と、第一導電体13とガラスエポキシ基板12の境界とを覆うとともに、第二導電体14の全面と、第二導電体14とガラスエポキシ基板12の境界とを覆うように、レジスト材を塗布し、このレジスト材を硬化させてレジスト層を形成したが、本発明の非接触型データ受送信体の製造方法はこれに限定されない。本発明の非接触型データ受送信体の製造方法にあっては、少なくとも第一導電体、第二導電体、第一導電体とガラスエポキシ基板の境界、および、第二導電体とガラスエポキシ基板の境界を覆うように、レジスト層を設ければよい。
【0046】
また、この実施形態では、熱プレス成形により、ガラスエポキシ基板12の貫通孔12cに、第三導電体15を介して被覆材23をなす樹脂材を充填するとともに、ガラスエポキシ基板12の貫通孔12dに、第三導電体16を介して被覆材23をなす樹脂材を充填したが、本発明の非接触型データ受送信体の製造方法はこれに限定されない。本発明の非接触型データ受送信体の製造方法にあっては、ガラスエポキシ基板の貫通孔には、第三導電体のみ設ければよく、被覆材をなす樹脂材を充填しなくてもよい。
【0047】
(3)非接触型データ受送信体の製造方法の第二の実施形態
図1、図8〜10を参照して、本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第二の実施形態について説明する。
この実施形態では、上述の第一の実施形態の工程A〜Dと同様にして、インレット11を得る。
【0048】
一方、インレット11の作製とは別に、被覆材23の一部をなす筐体25(図9参照)を成形する。
図8に示すように、筐体25の外形形状と等しい形状のキャビティ42を有する金型41を用いた射出成形により、ゲート43からキャビティ42内に、被覆材23をなすエラストマー材料を充填した後、このエラストマー材料からなる成形体を金型41から離型することによって、この筐体25が得られる(工程F)。
【0049】
なお、金型41のキャビティ42内には、インレット11において、ICチップ20を封止する封止材22が設けられている位置に相当する位置に、封止材22の外形形状に略等しい形状の突起部42aが設けられている。これにより、図9に示すように、得られた筐体25には、インレット11の外形形状に略等しい収容部25aと、収容部25a内にインレット11を収容した場合、封止材22が配置される位置に相当する位置に、封止材22の外形形状に略等しい形状の凹部25bが設けられる。
【0050】
次いで、図10に示すように、筐体25の凹部25bにICチップ20を封止する封止材22を嵌め込むように、筐体25の収容部25a内にインレット11を収容した後、金型51のキャビティ52内に、筐体25とともにインレット11を配置する(工程G)。
【0051】
次いで、射出成形により、ゲート53からキャビティ52内に、被覆材23をなすエラストマー材料を充填し、このエラストマー材料によって、筐体25内のインレット11を被覆するとともに、このエラストマー材料を筐体25と一体化させ、インレット11を被覆材23で被覆した後、被覆材23で被覆されたインレット11を金型51から離型することによって、図1に示すような非接触型データ受送信体10を得る(工程H)。
【0052】
また、この工程Hでは、上述の射出成形によるキャビティ52内へのエラストマー材料の充填と同時に、ガラスエポキシ基板12の貫通孔12cに、第三導電体15を介して被覆材23(樹脂シート24)をなす樹脂材が充填されるとともに、ガラスエポキシ基板12の貫通孔12dには、第三導電体16を介して被覆材23(樹脂シート24)をなす樹脂材が充填される。
【0053】
この実施形態の非接触型データ受送信体の製造方法によれば、工程Cにおいて、第一導電体13の全面と、第一導電体13とガラスエポキシ基板12の境界とを覆うとともに、第二導電体14の全面と、第二導電体14とガラスエポキシ基板12の境界とを覆うように、レジスト材を塗布した後、このレジスト材を硬化させて、レジスト層17,18を形成し、工程Hにおいて、筐体25内に収容したインレット11を金型51のキャビティ52内に配置した状態で、射出成形により、キャビティ52内に、被覆材23をなすエラストマー材料を充填し、このエラストマー材料によって、筐体25内のインレット11を被覆するとともに、このエラストマー材料を筐体25と一体化させ、インレット11を被覆材23で被覆するので、被覆材23を形成する際、射出成形を行っても、ガラスエポキシ基板12の伸縮に起因するICチップ20の位置ずれが生じることなく、結果として、得られる非接触型データ受送信体10の通信不良が生じることがない。
【0054】
また、第一導電体13の全面と、第一導電体13とガラスエポキシ基板12の境界とを覆い、さらに、第一導電体13の一端側の角13bおよび他端側の角13cの近傍において、滑らかな曲線形状をなすようにレジスト層17を設け、また、第二導電体14の全面と、第二導電体14とガラスエポキシ基板12の境界とを覆い、さらに、第二導電体14の一端側の角14bおよび他端側の角14cの近傍において、滑らかな曲線形状をなすようにレジスト層18を設けた後、表面にレジスト層17,18が設けられたインレット11を、射出成形により被覆材23で被覆するので、インレット11と被覆材23の密着性が向上するから、インレット11と被覆材23の間に空気層が生じることがなく、得られた非接触型データ受送信体10を高温環境下にて使用しても、空気層が膨張してインレット11が変形することがなく、結果として、共振周波数がずれて、非接触型データ受送信体10が通信不良を生じることがない。
【0055】
なお、この実施形態では、射出成形により、ガラスエポキシ基板12の貫通孔12cに、第三導電体15を介して被覆材23をなす樹脂材を充填するとともに、ガラスエポキシ基板12の貫通孔12dに、第三導電体16を介して被覆材23をなす樹脂材を充填したが、本発明の非接触型データ受送信体の製造方法はこれに限定されない。本発明の非接触型データ受送信体の製造方法にあっては、ガラスエポキシ基板の貫通孔には、第三導電体のみ設ければよく、被覆材をなす樹脂材を充填しなくてもよい。
【0056】
(4)非接触型データ受送信体の第二の実施形態
図11は、本発明の非接触型データ受送信体の第二の実施形態を示す概略断面図である。
図11において、図1に示した構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
この実施形態の非接触型データ受送信体60が、上述の非接触型データ受送信体10と異なる点は、被覆材23のICチップ20と対向している面とは反対側の面23aに金属層61が設けられている点である。
【0057】
金属層61をなす金属としては、銅、銀、金、白金、アルミニウムなどが挙げられる。
【0058】
この非接触型データ受送信体60は、上述の非接触型データ受送信体10と同様の効果を奏するだけでなく、金属製物品に貼付した場合であっても、アンテナ19にICチップ20を作動させるのに十分な誘導起電力が発生するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の非接触型データ受送信体の第一の実施形態を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
【図2】本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第一の実施形態を示す概略断面図である。
【図3】本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第一の実施形態を示す概略断面図である。
【図4】本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第一の実施形態を示す概略断面図である。
【図5】本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第一の実施形態を示す概略断面図である。
【図6】本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第一の実施形態を示す概略断面図である。
【図7】本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第一の実施形態を示す概略断面図である。
【図8】本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第二の実施形態を示す概略断面図である。
【図9】本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第二の実施形態を示す概略断面図である。
【図10】本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第二の実施形態を示す概略断面図である。
【図11】本発明の非接触型データ受送信体の第二の実施形態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0060】
10,60・・・非接触型データ受送信体、11・・・インレット、12・・・ガラスエポキシ基板、13・・・第一導電体、14・・・第二導電体、15,16・・・第三導電体、17,18・・・レジスト層、19・・・アンテナ、20・・・ICチップ、21・・・ワイヤー、22・・・封止材、23・・・被覆材、24・・・樹脂シート、25・・・筐体、30・・・金型、31・・・下型、32・・・上型、41,51・・・金型、42,52・・・キャビティ、43,53・・・ゲート、61・・・金属層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インレットと、該インレットの一方の面および他方の面に設けられたレジスト層と、該レジスト層を介して前記インレットを被覆する被覆材と、を備えた非接触型データ受送信体であって、
前記インレットは、ガラスエポキシ基板と、該ガラスエポキシ基板の一方の面に設けられた第一導電体と、前記ガラスエポキシ基板の他方の面に設けられた第二導電体と、前記ガラスエポキシ基板を厚み方向に貫通する貫通孔の内面に設けられ、前記第一導電体と前記第二導電体を接続する第三導電体と、前記第一導電体または前記第二導電体に接続されたICチップと、を有し、
前記レジスト層は、少なくとも前記第一導電体、前記第二導電体、前記第一導電体と前記ガラスエポキシ基板の境界、および、前記第二導電体と前記ガラスエポキシ基板の境界を覆うように設けられたことを特徴とする非接触型データ受送信体。
【請求項2】
前記貫通孔には、前記第三導電体を介して前記被覆材をなす樹脂材が充填されたことを特徴とする請求項1に記載の非接触型データ受送信体。
【請求項3】
インレットと、該インレットの一方の面および他方の面に設けられたレジスト層と、該レジスト層を介して前記インレットを被覆する被覆材と、を備えた非接触型データ受送信体の製造方法であって、
ガラスエポキシ基板の一方の面に第一導電体を設け、前記ガラスエポキシ基板の他方の面に第二導電体を設ける工程Aと、
前記ガラスエポキシ基板の一方の面から他方の面にわたって、前記ガラスエポキシ基板に対して略垂直の貫通孔を穿設するとともに、前記貫通孔の内面全面に第三導電体を形成することにより、該第三導電体を介して、前記第一導電体と前記第二導電体を接続する工程Bと、
少なくとも前記第一導電体、前記第二導電体、前記第一導電体と前記ガラスエポキシ基板の境界、および、前記第二導電体と前記ガラスエポキシ基板の境界を覆うように、前記レジスト層を設ける工程Cと、
前記ガラスエポキシ基板の一方の面において、前記第一導電体にICチップを接続し、インレットを得る工程Dと、
前記被覆材をなす樹脂シートで前記インレットを挟み込み、熱プレス成形する工程Eと、を有することを特徴とする非接触型データ受送信体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−152434(P2010−152434A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−326828(P2008−326828)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】