説明

非接触ICカード及び非接触ICカード機能付き携帯端末装置

【課題】リーダライタにおける通信不可領域の低減ができ、しかも価格、厚み、大きさ、重量の増大を殆ど招くことない非接触ICカード及び非接触ICカード機能付き携帯端末装置の提供。
【解決手段】矩形環状の平面形をなすループコイルアンテナ10の内側の空間である、ループコイルアンテナ10における対向する2つのその内側縁に沿って、互いに離れた領域に金属板20aおよび20bを配置する。リーダライタのループコイルアンテナで生成された磁束により、金属板20aおよび20bに渦電流が流れる。この渦電流による反発磁束がリーダライタのループコイルアンテナで生成された磁束をループコイルアンテナ10の内側空間側に曲げるので、ループコイルアンテナ10とリーダライタのループコイルアンテナとの電磁誘導結合が増大する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リーダライタ等の外部通信装置との通信によりデータの授受をする非接触ICカード及び非接触ICカード機能付き携帯電話機等の携帯端末装置に関し、特に、ループコイル式アンテナを有する非接触ICカード及び非接触ICカード機能付き携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触ICカードは、ICカード乗車券(Suica,Felica等)、キャッシュカード(バンクカードとも称される。)、クレジットカード(VISA,JCB等),電子マネー(Edy,Suica,nanaco等)などとして広範な分野で実用に供されている(Suica,Felica,VISA,JCB,Edy,nanacoは登録商標。)。また、携帯電話機等の携帯端末装置にこれら非接触ICカード機能を備えるようにし、電子マネー等として利用することも既に実用されている。携帯端末装置に搭載され、非接触ICカードと同一の機能を備えるハードウエアは、カードの形状を有す必要はないが、現用されているものはカード型であるので、以下では、そのような非接触ICカードと同一の機能を備える携帯端末装置搭載のハードウエアをも非接触ICカードと称することとする。
【0003】
携帯端末装置に搭載された非接触ICカードは、アンテナを有し、このアンテナをリーダライタのアンテナに近接させることにより、リーダライタとの情報の授受を行う。非接触ICカードのアンテナ及びリーダライタのアンテナとしては、何れにもループコイルアンテナが主に用いられている。ループコイルアンテナは、アンテナ導体を基板上にプリントして形成され、そのアンテナ導体を渦巻状に複数回巻いてなる。渦巻状に複数回巻かれるアンテナ導体は、前記基板に直交する方向から見たとき、環状の形状をなす。その環状形状の中央領域はアンテナ導体のない空間となり、アンテナ導体はその環状形状の周縁領域にのみある。
【0004】
非接触ICカードのアンテナ及びリーダライタのアンテナは、互いに近接し、一方の磁束が他方のコイルと鎖交するときに、電磁誘導により結合される。いま、ループコイルアンテナにおいて、渦巻状に巻かれたアンテナ導体の芯を含む面であり、前記基板に平行な面をループ面と称することとする。非接触ICカードは、そのループコイルアンテナにおけるループ面がリーダライタのループコイルアンテナにおけるループ面にほぼ平行になる姿勢で、リーダライタのループコイルアンテナに近接される。非接触ICカードのループコイルアンテナの軸は、そのループ面に直交し、前記環状形状の中心を通る。同様に、リーダライタのループコイルアンテナの軸は、そのループ面に直交し、前記環状形状の中心を通る。
【0005】
非接触ICカードのアンテナがリーダライタのアンテナから所定の範囲にまで近接したときだけに、非接触ICカードとリーダライタとの情報の授受(非接触ICカードに記憶されている情報の読取り、および非接触ICカードへの情報の書込み)が可能となる。いま、非接触ICカードのループコイルアンテナ及びリーダライタのループコイルアンテナのループ面を互いに平行にして、両アンテナを近接させるとき、リーダライタと非接触ICカードとの情報の授受の可否は、両アンテナにおける前記電磁誘導結合により、一方のアンテナの磁束が他方のアンテナにどの程度鎖交するかによる。そして、これら両アンテナの形、寸法、材料が一定で、かつループ面が互いに平行で、両アンテナの前記軸の距離が一定であるとき、その鎖交する磁束数は、それら両アンテナが配置される周囲の磁気的環境に依存する。
【0006】
いま、駅の改札口から駅構内に入る際に、その改札口におけるリーダライタのアンテナに近接されたICカード乗車券からチャージ金額をリーダライタで読取り、リーダライタから駅コードをICカード乗車券に書き込むという状況を例に挙げて検討する。この状況では、ICカード乗車券の所持者(駅構内に入ろうとする者)は、思い思いにICカード乗車券をリーダライタのアンテナに近接させる。そこで、ICカード乗車券のアンテナとリーダライタのアンテナとのループ面の平行度や両アンテナの軸間距離は、近接されるICカード乗車券毎に相違する。そして、そのループ面の平行度が一定であったとしても、両アンテナの軸間距離はかなりの範囲に分散する。もし、両アンテナの軸間距離が、リーダライタによるICカード乗車券の情報の読取り、リーダライタによるICカード乗車券への情報の書込みが可能な所定値を越えると、その読取り又は書込みができず、ICカード乗車券の利用者はリーダライタのアンテナへの近接動作を再度行うことが必要となり、改札口の混雑の要因となる。
【0007】
図7は、リーダライタ3におけるループコイルアンテナ30のループ面と接触ICカードのループコイルアンテナのループ面とを平行にして、両アンテナを最接近させるとき、ループコイルアンテナ30の軸から非接触ICカードのループコイルアンテナの軸がどの程度離れていれば、リーダライタ3と非接触ICカードとの情報の接受が不可能になるかを例示する図である。ここで、ループコイルアンテナ30のループ面と接触ICカードのループコイルアンテナのループ面とを平行にして、両アンテナを最接近させるとは、両アンテナの表面をそれぞれ覆っているプラスチック製のケースを互いに接触させることをいう。
【0008】
図7において、X軸およびY軸は、X−Y直交座標における各軸であり、リーダライタ3における書込読取面(ループコイルアンテナ30の表面)にあるものとする。このX−Y直交座標における斜線領域3a,3bが、リーダライタ3と非接触ICカードとの情報の接受が不可能となる通信不可領域である。本図において、リーダライタ3を示す枠線は、リーダライタ3における書込読取面の外周縁に対応している。図7に示す通信不可領域3a,3bは、非接触ICカードのループコイルアンテナの軸がその書込読取面内領域に位置したとしても、リーダライタ3と非接触ICカードとの情報の授受が不可能になる領域を示している。図7に示すように、ループコイルアンテナ30のパターンとは別の要因、即ちリーダライタ3におけるループコイルアンテナ30が配置された領域の磁気的環境により、通信不可領域3a,3bはリーダライタ3の書込読取面内において偏った領域に生じる。図7の例では、ループコイルアンテナ30のパターン(平面形)がほぼ正方形であるにも拘わらず、Y軸方向における端の領域に通信不可領域3a,3bが生じる。
【0009】
非接触ICカードとリーダライタとの軸間距離ができるだけ大きい範囲で、両アンテナ間の情報の授受を可能にしようとする提案が、特許文献1(特開2002−298095)に開示されている。即ち、特許文献1の技術は、図7において通信不可領域3a,3bができるだけ少なくすることを目的とするものである。この特許文献1には、リーダライタのアンテナコイル(2)の周囲の磁気的環境を改善し、アンテナコイル(2)に鎖交する磁束(3)を増大するために、フレキシブルシート状の磁性体(5)をリーダライタケース(1)内におけるアンテナコイル(2)の底側および側面側に貼り付ける技術が示されている(段落0021−0026、図1、図2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2002−298095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1の技術では、その図1及び図2によく現れているように、円環状のアンテナコイル(2)の底面より広い範囲に亘って、リーダライタケース(1)の内側の底面および側面に、フレキシブルシート状の磁性体(5)を貼り付けている。そのフレキシブルシート状の磁性体(5)は、センダストやパーマロイ等の軟磁性体粉末を有機結合材で練り固めたものを1から3mm程度の厚みでシート状にしたものである(段落0022)。
【0012】
特許文献1のように、フレキシブルシート状の磁性体(5)を広い範囲に張ることにより、アンテナコイル(2)に鎖交する磁束(3)の増大を図り、リーダライタにおける通信不可領域を小さくする技術では、その磁性体(5)の厚みを増すか、或いは磁性体(5)の面積を増すことにより、効果の改善が期待できる。ところが、センダストやパーマロイ等の軟磁性体粉末を有機結合材で練り固めてなるような磁性体は高価である。更に、磁性体(5)の厚みや面積を増すことは、リーダライタにおける読取書込部の厚み、大きさ、重量の増大を招くこととなる。アンテナコイル(2)に鎖交する磁束(3)の増大を図るために、磁性体(5)の厚みや面積を増すことにより、リーダライタにおける通信不可領域を小さくする技術では、装置の価格、厚み、大きさ、重量の低減を図る上で、障害となる。
【0013】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、リーダライタにおける通信不可領域の低減ができ、しかも価格、厚み、大きさ、重量の増大を殆ど招くことない非接触ICカード及び非接触ICカード機能付き携帯端末装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前述の課題を解決するため、本発明による非接触ICカードおよび非接触ICカード機能付き携帯端末装置は、主に、次のような特徴的な構成を採用している。
【0015】
(1)本発明による非接触ICカードは、環状の平面形をなすループコイルアンテナの内側の空間であって、該ループコイルアンテナの内側縁に沿った限定された領域に金属板を配置したことを特徴とする。
(2)本発明による非接触ICカード機能付き携帯端末装置は、前記(1)に記載の非接触ICカードを筐体に搭載してなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、リーダライタにおける通信不可領域の低減ができ、しかも価格、厚み、大きさ、重量の増大を殆ど招くことない非接触ICカード及び非接触ICカード機能付き携帯端末装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明による非接触ICカード機能付き携帯端末装置の一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】図1の携帯端末装置における非接触ICカード部のA−A'矢視断面図である。
【図3】(a)は図1の携帯端末装置における非接触ICカード部のB−B'矢視断面図、(b)は図1の携帯端末装置における非接触ICカード部の変形例のB−B'矢視断面図である。
【図4】図1の非接触ICカード機能付き携帯端末装置とリーダライタとの位置関係を説明する斜視図である。
【図5】図1の携帯端末装置の非接触ICカード部における金属板の作用を説明する断面図である。
【図6】本発明による非接触ICカード機能付き携帯端末装置の別の実施形態を示す分解斜視図である。
【図7】リーダライタにおける通信不可領域の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明による非接触ICカード及び非接触ICカード機能付き携帯端末装置の好適な実施形態について添付図を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明による非接触ICカード機能付き携帯端末装置の一実施形態を示す分解斜視図である。また、図2は図1の携帯端末装置1における非接触ICカードのA−A'矢視断面図であり、図3(a)は図1の携帯端末装置における非接触ICカードのB−B'矢視断面図である。図において、1は携帯端末装置、10はこの携帯端末装置1の筐体内に搭載された非接触ICカードにおけるループコイルアンテナ、11はループコイルアンテナ10を構成するアンテナ導体、11a,11b,11cはループコイルアンテナ10のアンテナ導体11における各巻回線、12は磁性シート、13は可撓性のある絶縁シート、14は接着テープでなる保護シートをそれぞれしめす。また16は、携帯端末装置1の筐体の一部をなし、ループコイルアンテナ10を覆う部分を占めるプラスチック製の外装ケースを示し、20a及び20bは金属板を示す。ループコイルアンテナ10は、アンテナ導体11、絶縁シート13、接着テープ14及び磁性シート12を含んでなる。
【0020】
アンテナ導体11は、箔でなり、絶縁シート13にプリントされている。アンテナ導体11及び絶縁シート13は、フレキシブル基板(FPC:Flexible printed circuits)を構成している。金属板20a,20bは、アルミニューム、ステンレス等の汎用されている金属製であり、1mmの厚みを有する。金属板20a,20bは、後に説明するように、交番磁束により、渦電流を生ずることを目的に配置するものであり、その厚みは、渦電流を生じ得る寸法であれば足り、1mmに限る必然性はない。携帯端末装置1における非接触ICカードは、ループコイルアンテナ10、金属板20a,20bおよびIC(半導体集積回路)を有してなる。ICは、受信、発信等の機能回路を構成している。図では、ICチップそのもの、ICチップを保護するプラスチックカード、ループコイルアンテナ10とICチップとの接続部等の図示は省略してある。
【0021】
アンテナ導体11は矩形の渦巻状に、平面的にフレキシブルシート13にプリントされてなる1本の導体であるが、図2の断面図では、アンテナ導体11を構成する各巻回線11a,11b,11cが互いに離れて現れている。このように、ループコイルアンテナ10におけるアンテナ導体は、1本の導体であるから、その1本の導体をアンテナ導体11と称する。アンテナ導体11の平面形は、中央部(巻回線11cの内側)には空間を有する矩形、すなわち矩形の環状である。このように、ループコイルアンテナ10は、内側に空間を有する環状体である。
【0022】
金属板20aおよび20bは、本発明における特徴的な要素であり、本実施の形態では、矩形環状のループコイルアンテナ10の内側の空間における限定された領域、即ち、ループコイルアンテナ10における対抗する2つの内側縁に沿って、互いに離れて、配置してある。
【0023】
図3では、金属板20aおよび20bは包括して、符号20で示してある。図3にハッチングで示す部材50は、携帯端末装置1における端末装置内部の金属製筐体である。図3(a)に現れているように、金属板20は、ループコイルアンテナ10の脇であって金属製筐体50上に設けてある。携帯端末装置1における金属板20の厚み方向の配置は、図3(a)の位置に限られず、同図(b)の示すように、ループコイルアンテナ10の真横でも差し支えない。
【0024】
図4は、図1の非接触ICカード機能付き携帯端末装置1とリーダライタとの位置関係を説明する斜視図である。但し、本図では、携帯端末装置1は、図1とは上下逆の姿勢で示してある。図におけるX−Y直交座標は、リーダライタ3における書込み読取り面(上側の面)にある。符号30は、リーダライタ3におけるループコイルアンテナを示す。携帯端末装置1のループコイルアンテナ10とリーダライタ3のループコイルアンテナ30とは、互いにループ面をほぼ平行にして近接される。ループコイルアンテナ10及びループコイルアンテナ30の表面には何れも保護絶縁膜が設けてあるから、それら保護絶縁膜は接触されることはあるが、両アンテナが直接に接触することはない。
【0025】
図5は、図1の携帯端末装置1の非接触ICカード部における金属板20の作用を説明する断面図である。いま、リーダライタ3のループコイルアンテナ30で生成された磁束300は、磁束300a,300b及び300cでなるとする。磁束300aは携帯端末装置1のループコイルアンテナ10に向かい、磁束300bは金属板20に向かうものであるとする。磁束300bにより、金属板20に渦電流が流れ、この渦電流による磁束、即ち反発磁束301a及び301bが発生する。金属板20に向かう磁束300bは、反発磁束301a及び301bにより弱められるとともに、その一部は曲げられて、磁束300cとしてループコイルアンテナ10に向かる。この磁束300cは、ループコイルアンテナ10と鎖交し、磁束300aに加えられる。そこで、ループコイルアンテナ10と鎖交する磁束は、金属板20が無いループコイルアンテナに比べ、磁束300c分だけ増大する。
【0026】
このように、金属板20の作用により、本実施の形態の携帯端末装置1におけるループコイルアンテナ10は、リーダライタ3のループコイルアンテナ30で生成された磁束300のうちのより多くの磁束と鎖交することができる。即ち、本実施の形態の携帯端末装置1では、自己のループコイルアンテナ10とリーダライタ3のループコイルアンテナ30との電磁誘導結合をより増大することができる。リーダライタ3との電磁誘導結合が増大する携帯端末装置1を用いてリーダライタ3との通信(情報の読取りおよび書込み)をすることにより、リーダライタ3における通信不可領域を低減できる。そして、金属板20は、安価な汎用の導電性のある金属製の板であれば足り、環状のループコイルアンテナ10の中央部の空間に設置でき、また渦電流が発生するに足る程度にまで薄くしても差し支えない。そこで、非接触ICカード機能付き携帯端末装置に金属板20を設けることは、価格、厚み、大きさ、重量の増大を殆ど招くことがない。
【0027】
特許文献1に開示された技術では、アンテナコイル(2)に鎖交する磁束(3)の増大を図り、リーダライタにおける通信不可領域を小さくするには、磁性体(5)の厚みや面積を増さざるを得ないので、リーダライタにおける読取書込部の厚み、大きさ、重量の増大を招くことは不可避であり、ひいては、装置の価格、厚み、大きさ、重量の低減を図ることが困難となることは、前述のとおりである。これに対し、本実施の形態の非接触ICカード機能付き携帯端末装置1では、ループコイルアンテナ10に鎖交する磁束の増大を図り、リーダライタ3における通信不可領域を小さくするのに、矩形環状の平面形をなすループコイルアンテナ10の内側の空間である、ループコイルアンテナ10の内側縁に沿った限定された領域であって、対向する2つのその内側縁に沿って、互いに離れた領域に金属板20aおよび20bを配置するだけであるから、価格、厚み、大きさ、重量の増大を殆ど招くことがない。
【0028】
図6は、本発明による非接触ICカード機能付き携帯端末装置の別の実施形態を示す分解斜視図である。本実施の形態では、金属板21は、ループコイルアンテナ10の中央部の空間に配置され、矩形の環状の平面形をなしている。本発明における金属板は、このように、ループコイルアンテナの内側縁の全域に沿った、一定の幅の環状領域に配置しても実現できる。本実施の形態によっても、図1乃至図5に示した実施の形態と同様の効果を上げることができる。
【0029】
以上、本発明の好適な実施形態の構成を説明した。しかし、かかる実施形態は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。例えば、金属板の平面形は図1に示した矩形、図6に示した矩形環状の他に、更に多くの金属片で構成しても差し支えない。
【符号の説明】
【0030】
1 携帯端末装置
3 リーダライタ
10 携帯端末装置1のループコイルアンテナ
11 アンテナ導体11
11a,11b,11c アンテナ導体11における各巻回線
12 磁性シート
13 絶縁シート
14 保護シート
16 プラスチック製の外装ケース
20,20a,20b 金属板
30 リーダライタ3のループコイルアンテナ
50 金属製筐体
X,Y リーダライタ3における書込読取面にあるX−Y直交座標系の軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状の平面形をなすループコイルアンテナの内側の空間であって、該ループコイルアンテナの内側縁に沿った限定された領域に金属板を配置したことを特徴とする非接触ICカード。
【請求項2】
前記金属板は、前記内側縁に沿った、互いに離れた領域に配置してあることを特徴とする請求項1に記載の非接触ICカード。
【請求項3】
前記ループコイルアンテナの平面形が矩形であるとき、前記金属板は対向する2つの前記内側縁に沿って配置してあることを特徴とする請求項1に記載の非接触ICカード。
【請求項4】
前記金属板は、前記内側縁の全域に沿った、一定の幅の環状領域に配置してあることを特徴とする請求項1に記載の非接触ICカード。
【請求項5】
前記一定の幅の環状領域の外縁は前記内側縁から一定の距離にあることを特徴とする請求項4に記載の非接触ICカード。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかに記載の非接触ICカードを筐体に搭載してなる非接触ICカード機能付き携帯端末装置。
【請求項7】
前記非接触ICカードにおける前記ループコイルアンテナのループ面は、前記筐体の一部分をなす金属製ケースの1つの平面に平行に、該平面から所定の距離にあり、
前記金属板は、前記平面上または該平面から前記ループ面に至る間の位置に配置してある
ことを特徴とする請求項6に記載の非接触ICカード機能付き携帯端末装置。
【請求項8】
前記ループコイルアンテナの平面形が矩形であるとき、該ループコイルアンテナにおける対向する2つの外縁は、前記筐体の2つの側縁にそれぞれほぼ平行であることを特徴とする請求項6または7の何れかに記載の非接触ICカード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−175493(P2012−175493A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−36718(P2011−36718)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】