説明

非水電解質二次電池

【課題】電池が変形しても、電池の発熱や熱暴走を抑制できる非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】非水電解質二次電池は、帯状の正極集電体および前記正極集電体の表面に形成された正極活物質層を有する正極と、帯状の負極集電体および前記負極集電体の表面に形成された負極活物質層を有する負極と、正極及び負極の間に介在するセパレータとが捲回された電極群並びに非水電解質を備え、セパレータが、シャットダウン膜とシャットダウン膜の構成材料よりも融点または熱変形温度が高い耐熱材料を含む耐熱多孔膜とを有し、正極の少なくとも最外周が、正極活物質層を有さない正極集電体露出部を有し、負極の少なくとも最外周が、負極活物質層を有さない負極集電体露出部を有し、正極集電体露出部と負極集電体露出部とが、シャットダウン膜を介し、かつ耐熱多孔膜を介さずに対向している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非水電解質二次電池に関し、特に、電極群の構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池では、容量および出力を高めるため、正極と、負極と、これらの間に介在するセパレータとを、捲回することにより形成した電極群が多用されている。
【0003】
正極と負極との間には、セパレータが介在するものの、例えば、回路の異常などに伴い、正極と負極とが短絡する場合がある。正極と負極とが短絡すると、十分な電池特性が得られないだけでなく、電池温度が上昇し、発煙したり、ガスが発生したりして、電池の安全性が低下する。
そのため、電池内に、例えば、温度ヒューズ、電流ヒューズ、PTC素子などを配設することにより、電池温度の異常な上昇を抑制したり、安全弁を設けることにより、ガス発生に伴う電池内圧力の上昇を防止したりしている。
【0004】
しかし、外部からの圧力などにより電池が変形する場合、セパレータが破断または溶融するため、短絡が広範囲で起こりやすく、発熱が大きくなりやすい。特に、抵抗の大きい正極活物質層と負極との間で短絡電流が流れると、発熱が大きくなる。発熱が大きくなると、さらなるセパレータの収縮や溶融が起こり、短絡の範囲が拡大する。
【0005】
また、電池温度が高くなると、過充電により負極に析出したリチウムやリチウムが挿入された負極活物質と、非水電解質との間で発熱反応が生じたり、大きな発熱を伴う正極活物質の分解反応が生じたりする。このような発熱反応が電池内で連続的に起こることにより、電池内温度が上昇し続け、熱暴走に至る。
【0006】
非水電解質二次電池の発熱や熱暴走を抑制するため、特許文献1や特許文献2では、短絡電流を、予め設けた低抵抗部に集中させることを提案している。具体的には、正極と負極とこれらの間に介在するセパレータを捲回した電極群の最外周において、セパレータを介して、いずれも活物質層が形成されていない正極集電体露出部と負極集電体露出部とを対向させている。
一方、特許文献3では、内部短絡を抑制する観点から、耐熱性樹脂を含む耐熱多孔質層と、シャットダウン層とを積層したセパレータを用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−233149号公報
【特許文献2】特開平11−176478号公報
【特許文献3】特開2000−100408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1および2では、電池に外部から圧力が加わり、セパレータが破断しても、最外周の集電体露出部同士が、始めに短絡して電流が集中する。そのため、電極群内部の短絡点に流れる電流が小さくなり、発熱をある程度抑制できる。しかし、電池の高容量化に伴い、電極群内部の短絡点における短絡電流およびこれによる発熱を抑制することが困難になりつつある。
【0009】
特許文献3では、電極群内部で短絡が発生しても、耐熱多孔質層により、発熱によるシャットダウン層の収縮がある程度抑制される。しかし、短絡電流を集中させるための低抵抗部を設けることが困難であり、短絡点に大きな電流が流れるのを十分に抑制できない。
また、電極群の内部で発生した熱は、電池の外に放出されにくく、内部に熱がこもるため、結果として、電池全体が熱暴走する場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的は、外部からの圧力などにより電池が変形しても、電池の発熱を最小限に抑制でき、熱暴走を抑制できる非水電解質二次電池を提供することにある。
【0011】
本発明の一局面は、帯状の正極集電体および正極集電体の表面に形成された正極活物質層を有する正極と、帯状の負極集電体および負極集電体の表面に形成された負極活物質層を有する負極と、正極および負極の間に介在するセパレータとが捲回された電極群、ならびに非水電解質を備え、セパレータが、シャットダウン膜と、シャットダウン膜の構成材料よりも融点または熱変形温度が高い耐熱材料を含む耐熱多孔膜とを有し、正極の少なくとも最外周が、正極活物質層を有さない正極集電体露出部を有し、負極の少なくとも最外周が、負極活物質層を有さない負極集電体露出部を有し、正極集電体露出部と負極集電体露出部とが、シャットダウン膜を介し、かつ耐熱多孔膜を介さずに対向している、非水電解質二次電池に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、捲回した電極群において、シャットダウン膜と耐熱多孔膜とを有するセパレータを用いるとともに、正極の最外周に形成された正極集電体露出部と負極の最外周に形成された負極集電体露出部とを、シャットダウン膜を介し、かつ耐熱多孔膜を介さずに対向させる。そのため、外部からの圧力などにより電池が変形しても、集電体露出部同士を効果的に短絡させることができる。
【0013】
抵抗が小さい集電体露出部同士が短絡するため、集電体露出部における短絡点に電流が集中して、電極群内部の短絡点に流れる電流を低減でき、発生する熱を低減できる。短絡電流が主に電極群の最外周で流れるため、発生した熱を、電池の表面から外へ効率よく拡散および放出できる。その結果、電池内温度の上昇を有効に抑制でき、熱暴走を防止できる。
このように、電池の発熱や熱暴走を抑制できるため、安全性、信頼性に優れた非水電解質二次電池を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】セパレータの一例を示す長さ方向の概略断面図である。
【図2】セパレータの一例を示す長さ方向の概略断面図である。
【図3】セパレータの一例を示す長さ方向の概略断面図である。
【図4】正極、負極およびセパレータの位置関係の一例を示す、長さ方向の概略断面図である。
【図5】正極、負極およびセパレータの位置関係の一例を示す、長さ方向の概略断面図である。
【図6】本発明の非水電解質二次電池の一例を示す概略縦断面図である。
【図7】図6のAの要部拡大図である。
【図8】図6のBの要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の非水電解質二次電池は、帯状の正極集電体およびこの表面に形成された正極活物質層を有する正極と、帯状の負極集電体およびこの表面に形成された負極活物質層を有する負極と、正極および負極の間に介在するセパレータとが捲回された電極群、ならびに非水電解質を備えている。セパレータは、絶縁性材料で形成された多孔膜であり、シャットダウン膜と、耐熱多孔膜とを備えている。
【0016】
正極の少なくとも最外周は、正極活物質層を有さない正極集電体露出部を有している。また、負極の少なくとも最外周は、負極活物質層を有さない負極集電体露出部を有している。そして、正極集電体露出部と負極集電体露出部とは、シャットダウン膜を介し、かつ耐熱多孔膜を介さずに対向している。つまり、セパレータの少なくとも最外周は、耐熱多孔膜を有さず、シャットダウン膜を有している。
【0017】
そのため、外部からの圧力などにより、捲回された電極群が変形しても、最外周部分が変形して、シャットダウン膜が容易に破断し、集電体露出部同士が速やかに短絡する。集電体露出部同士の抵抗は小さいため、発熱も少ない上に、多くの電流が最外周における短絡点に流れ、電極群内部の短絡点に流れる電流を小さくできる。集電体露出部同士の対向部が、最外周一周分の長さを有するので、どこで変形が起こっても、低抵抗の短絡部が形成される。また、捲回された電極群の最も外側には、シャットダウン膜を有し、かつ耐熱多孔膜を有さないセパレータが配置される。
【0018】
セパレータは、最外周以外の領域(すなわち、電極群の内周側または内部となる領域)には、少なくとも耐熱多孔膜を有している。これにより、このような領域で変形が生じても、短絡が抑制される。よって、内部での短絡およびこれによる発熱を顕著に抑制できる。また、大きな短絡が、電極群の最外周で起こるため、発生した熱が電池表面から外に、効率よく拡散および放出され、電池内温度の上昇を抑制できる。仮に、セパレータが、最外周部に耐熱多孔膜を有すると、集電体露出部同士の短絡が速やかに起こらない。
【0019】
電極群内部において、セパレータは、耐熱多孔膜を有し、かつシャットダウン膜を有していなくてもよく、耐熱多孔膜およびシャットダウン膜の双方を有していてもよい。耐熱多孔膜と、シャットダウン膜とは、積層してもよい。すなわち、耐熱多孔膜を、シャットダウン膜の表面に形成してもよい。また、両方の膜を積層せずに、端部同士を結合させてもよい。積層する場合、シャットダウン膜の片面に耐熱多孔膜を形成してもよく、両方の表面に耐熱多孔膜を形成してもよい。また、耐熱多孔膜の両方の表面にシャットダウン膜を形成してもよい。
【0020】
図1〜図3は、電極群の外周側に相当する領域におけるセパレータの長さ方向(捲回軸に垂直な方向)の概略断面図である。図1では、セパレータ7は、最外周側の帯状のシャットダウン膜7aと、このシャットダウン膜7aの長さ方向における一方の端部から延出した帯状の耐熱多孔膜7bとを備えている。耐熱多孔膜7bとシャットダウン膜7aとは、長さにおける一方の端部(端面)同士が結合している。
【0021】
このようなセパレータは、それぞれ別途作製した耐熱多孔膜およびシャットダウン膜を、端面同士を接触させた状態で溶着などにより接合することにより作製できる。また、剥離性基材の表面にシャットダウン膜を配置し、シャットダウン膜の長さ方向の一方の端部に結合するように、耐熱多孔膜の材料を流延または塗布し、必要により乾燥して、剥離性基材を剥離することにより作製してもよい。幅広なシャットダウン膜を用いて、耐熱多孔膜と端面同士が結合した幅広のセパレータを同様に作製した後、帯状にカットすることにより、帯状のセパレータを得てもよい。
【0022】
図2のセパレータ7では、帯状のシャットダウン膜7aと、帯状の耐熱多孔膜7bとが、長さ方向における一方の端部において、一部重なりあっている。このようなセパレータは、それぞれ別途作製した耐熱多孔膜およびシャットダウン膜を、一部を重ね合わせた状態で溶着などにより接合することにより作製できる。
【0023】
図3のセパレータ7は、帯状のシャットダウン膜7aを、長さ方向の全体にわたって有しており、電極群の内周側に位置するシャットダウン膜7aの表面には、耐熱多孔膜7bを有している。このようなセパレータは、シャットダウン膜の表面の所定の位置に、耐熱多孔膜の材料(またはその前駆体)を流延または塗布し、必要により乾燥または加熱することにより得られる。また、セパレータは、それぞれ別途作製した耐熱多孔膜およびシャットダウン膜を、重ね合わせた状態で、溶着することにより作製してもよい。
【0024】
図1〜図3に示すように、セパレータは、捲回された電極群において、少なくとも最外周となる領域において、シャットダウン膜を有し、かつ耐熱多孔膜を有していない。しかし、このようなシャットダウン膜のみからなる部分を、より内周側まで設けてもよい。
【0025】
シャットダウン膜の構成材料(または構成ポリマー)としては、例えば、80〜180℃の温度で軟化して多孔膜の空隙が閉塞され、かつ非水電解質に溶解しない熱可塑性樹脂などが使用できる。このような材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィンの他、熱可塑性ポリウレタンなどが挙げられる。ポリオレフィンの具体例としては、高密度ポリエチレン(密度が942kg/m3を超えるポリエチレン)、超高分子量ポリエチレン(重量平均分子量が100万以上のポリエチレンなど)、プロピレンホモポリマー、エチレン−プロピレンブロックコポリマーなどが例示できる。これらの材料は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
【0026】
シャットダウン膜は、構成ポリマーに造孔剤(塩化カルシウムなどの水溶性の無機粒子など)を混合して、慣用の方法でシート成形し、水洗などにより造孔剤を除去することにより作製できる。シート成形は、構成ポリマーおよび造孔剤を含む樹脂コンパウンドを押出成形やブロー成形することなどにより行ってもよく、構成ポリマーおよび造孔剤を含む溶液または分散液を剥離性基材表面に、流延または塗布し、乾燥することにより行ってもよい。シート成形後、必要により、一軸または二軸延伸などの延伸処理を行ってもよい。
【0027】
シャットダウン膜の厚みは、例えば、3〜30μm、好ましくは5〜20μm、さらに好ましくは10〜18μmである。厚みが大きすぎると、相対的に活物質層の比率が小さくなり、容量を十分に向上できなくなる場合がある。厚みが小さすぎると、セパレータの機能が低下したり、シャットダウン機能が不十分となったりする場合がある。
【0028】
シャットダウン膜の平均空孔径は、好ましくは3μm以下(例えば、0.01〜3μm)、さらに好ましくは1μm以下(例えば、0.1〜1μm)である。平均空孔径が大きすぎると、正極活物質や負極活物質の粒子またはその小片が脱落したときに、短絡する場合がある。
【0029】
シャットダウン膜の空隙率は、例えば、30〜80体積%、好ましくは40〜70体積%である。空隙率が小さすぎると、シャットダウン機能が不十分となる場合があり、シャットダウン膜を電極群内部に配置しても、活物質層の周辺に十分な量の非水電解質を保持できなくなる場合がある。
【0030】
耐熱多孔膜は、シャットダウン膜の構成材料よりも融点または熱変形温度が高い耐熱材料を含む。耐熱多孔膜を構成する耐熱材料としては、耐熱性樹脂の他、耐熱性粒子(金属酸化物粒子など)などが例示できる。
【0031】
耐熱多孔膜は、耐熱材料を含有していればよい。耐熱多孔膜の具体的としては、耐熱性樹脂をマトリックスとして含む多孔膜、耐熱性樹脂の粒子や金属性酸化物粒子などの耐熱性粒子を含む多孔膜(耐熱性粒子が、耐熱性樹脂のマトリックスに分散した多孔膜、耐熱性粒子と結着材とを含む多孔膜など)などが挙げられる。これらのうち、耐熱性樹脂をマトリックスとして含む多孔膜、金属酸化物粒子を含む多孔膜(金属酸化物粒子と結着材とを含む多孔膜など)などが好ましい。
【0032】
耐熱性樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂(ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドなど)、芳香族ポリアミド樹脂(アラミドなどの全芳香族ポリアミドなど)、芳香族ポリエステル樹脂(ポリアリレートなど)、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエーテルケトン樹脂(ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンなど)、ポリスルホン樹脂(ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)、ポリフェニレンスルフィド樹脂(ポリフェニレンスルフィドなど)などが例示できる。これらの耐熱性樹脂は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
【0033】
耐熱性樹脂としては、上記の樹脂も含め、アメリカ材料試験協会の試験法ASTM−D648に準拠した荷重たわみ温度測定において、荷重1.82MPaで算出される熱変形温度が260℃以上である樹脂などが使用できる。なお、熱変形温度の上限は特に制限されないが、セパレータの特性および樹脂の熱分解性などの点から、400℃程度である。
金属酸化物粒子としては、アルミナ、シリカ、マグネシア、チタニア、ジルコニア、酸化タングステン、酸化亜鉛などのセラミックス粒子などが挙げられる。金属酸化物粒子は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
【0034】
金属酸化物粒子としては、一次粒子、一次粒子がファンデルワールス力で凝集した二次粒子などからなる一般的な粉体もしくは粒状物を用いることができる。また、複数個(例えば2〜10個程度)の一次粒子が、バインダー等を介さずに連結固着した不定形粒子を含む金属酸化物粒子も好ましく用いることができる。不定形粒子は、複数個の連結固着した一次粒子からなり、一対の互いに連結固着する一次粒子間には、ネックが形成されている。不定形粒子において、一次粒子同士は拡散結合している。一次粒子は、通常、単結晶からなるため、不定形粒子は、必ず多結晶粒子となる。
【0035】
不定形粒子を用いる場合、一次粒子の最大粒径は4μm以下であることが好ましく、1μm以下であることが更に好ましい。なお、不定形粒子において、一次粒子を明確に識別できない場合には、不定形粒子の節部(knot)の最も太い部分を一次粒子の粒径と見なすことができる。一次粒子径が4μmをこえると、多孔質絶縁層の空隙率の確保が困難になったり、極板が曲げにくくなったりすることがある。
【0036】
一次粒子の最大粒径は、例えば不定形粒子のSEM写真や透過型電子顕微鏡(TEM)写真で、少なくとも1000個の一次粒子の粒径を測定することにより、それらの最大値として求めることができる。
【0037】
一次粒子の平均粒径は、例えば、0.01〜1.5μm、好ましくは0.05〜1μm、さらに好ましくは0.07〜0.8である。一次粒子の平均粒径は、最大粒径の場合に準じて測定することができる。例えば、不定形粒子のSEM写真やTEM写真で、少なくとも1000個の一次粒子の粒径を測定することにより、それらの平均値として求めることにより測定できる。
【0038】
不定形粒子の平均粒径は、一次粒子の平均粒径の2倍以上であり、かつ10μm以下であることが望ましい。また、長期間にわたって高い空隙率を維持できる安定な多孔質絶縁層を得る観点からは、不定形粒子の平均粒径は、一次粒子の平均粒径の3倍以上であり、かつ5μm以下であることが更に好ましい。
【0039】
耐熱多孔膜が結着材を含む場合、結着材としては、例えば、フッ素樹脂(ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレンなど)、ゴム類(アクリルゴム、変性アクリロニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)など)、アクリルポリマー又はビニルポリマー(アクリル酸メチル、アクリロニトリルなどのアクリルモノマー、酢酸ビニルなどのビニルモノマーなどのモノマーの単独又は共重合体など)などが例示できる。また、上記耐熱性樹脂を結着材として用いてもよい。結着材は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0040】
耐熱多孔膜が、耐熱性粒子と、結着材またはマトリックスとしての耐熱性樹脂とを含む場合、耐熱性樹脂の割合は、耐熱性粒子100重量部に対して、1〜10000重量部程度の広い範囲から選択でき、例えば、2〜5000重量部であってもよい。
耐熱性粒子と、結着材とを含む場合、結着材の割合は、耐熱性粒子100重量部に対して、例えば、0.1〜20重量部、好ましくは1〜15重量部、さらに好ましくは2〜10重量部である。
【0041】
主成分が耐熱性樹脂である耐熱多孔膜は、例えば、シャットダウン膜の場合に準じて、耐熱性樹脂と、造孔剤とを用いて作製できる。また、耐熱性樹脂の前駆体(モノマーまたはオリゴマーなどを含む)と造孔剤とを含む溶液または分散液を用いて、流延または塗布により、シート成形する方法において、適当な段階で加熱などにより前駆体を反応させることにより、耐熱多孔膜を形成することもできる。具体的には、前駆体と造孔剤とを含む溶液を用いて得られた前駆体の多孔シートを、シャットダウン膜の所定部位に重ね合わせて、熱ロールなどにより溶着することにより、前駆体を耐熱性樹脂に変換し、耐熱多孔膜とシャットダウン膜とが積層されたセパレータを得ることができる。
【0042】
主成分が耐熱性粒子である耐熱多孔膜は、例えば、耐熱性粒子と、結着材と、必要により、分散媒とを含むペーストを、剥離性基材またはシャットダウン膜の表面に塗布し、乾燥することにより作製できる。得られた耐熱多孔膜は、必要により、圧縮し、厚みを均一化してもよい。
剥離性基材の表面に形成した耐熱多孔膜は、剥離性基材を除去した後、前述の方法などによりシャットダウン膜と結合または積層させてセパレータとして使用する。
【0043】
分散媒としては、エタノール、エチレングリコールなどのアルコール(C1-4アルカノール又はC2-4アルカンジオールなど);アセトンなどのケトン;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル;N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド;アセトニトリルなどのニトリル;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド;N−メチル−2−ピロリドン(NMP);テトラメチル尿素;またはこれらから選択された複数の溶媒の混合物などが例示できる。
【0044】
耐熱多孔膜の厚みは、例えば、1〜30μm、好ましくは1〜20μm、さらに好ましくは1.5〜10μmまたは3〜7μmである。耐熱多孔膜の厚みが大きすぎると、相対的に活物質層の比率が小さくなり、容量を十分に向上できなくなる場合がある。厚みが小さすぎると、強度が小さく、安全性が不十分となる場合がある。
【0045】
耐熱多孔膜の平均空孔径は、好ましくは3μm以下(例えば、0.01〜3μm)、さらに好ましくは1μm以下(例えば、0.1〜1μm)である。平均空孔径が大きすぎると、正極活物質や負極活物質の粒子またはその小片が脱落したときに、短絡する場合がある。活物質層が存在する位置において、セパレータが、シャットダウン膜と耐熱多孔膜との積層構造を有する場合には、シャットダウン膜および耐熱多孔膜のいずれか一方の平均空孔径が、3μm以下であれば、他方の平均空孔径は、3μmを超えていてもよい。
【0046】
耐熱多孔膜の空隙率は、例えば、30〜80体積%、好ましくは40〜70体積%である。空隙率が小さすぎると、活物質層の周辺に十分な量の非水電解質を保持できなくなる場合があり、空隙率が大きすぎると、耐熱多孔膜の強度が不十分となる場合がある。
【0047】
正極および負極は、それぞれ、長さ方向における一端部(巻き終わり端部)において、活物質層を有さない集電体露出部を有している。正極集電体露出部は、電極群において正極の少なくとも最外周となる領域に形成されている。負極集電体露出部は、電極群において負極の少なくとも最外周となる領域に形成されている。
【0048】
正極の巻き終わり端部(正極の少なくとも最外周)において、正極集電体の両方の表面に正極活物質層を有さない正極集電体露出部(両面正極集電体露出部)を形成してもよい。また、捲回したときに、より外側および内側となる表面のいずれか一方に正極集電体露出部(片面正極集電体露出部)を形成してもよい。
【0049】
負極の巻き終わり端部(負極の少なくとも最外周)において、負極集電体の両方の表面に負極活物質層を有さない負極集電体露出部(両面負極集電体露出部)を形成してもよい。また、捲回したときに、より外側および内側となる表面のいずれか一方に負極集電体露出部(片面負極集電体露出部)を形成してもよい。
【0050】
捲回した電極群のより外側に位置する電極(例えば、負極)は、少なくとも最外周において、集電体の両方の表面に活物質層を有さない両面集電体露出部であるのが好ましい。このとき、より内側に位置する電極(例えば、正極)は、少なくとも最外周において、電極群のより外側に位置する方の集電体の表面に活物質層を形成しない片面集電体露出部であってもよく、両方の表面に活物質層を形成しない両面集電体露出部であってもよい。
【0051】
捲回した電極群は、正極が負極よりも外周側となるように形成してもよく、負極が正極よりも外周側となるように形成してもよい。なお、電池ケースと導通性のある一方の電極を、より外周側に配すると、この電極よりも外側に位置するセパレータが、万が一めくれたり、破断したりしても、電池ケースと、他方の電極とが、電池内部で短絡するのを防止でき、製造時の歩留まりを向上できる。
【0052】
電極群において、正極活物質層と、負極活物質層とは、耐熱多孔膜を介さず、シャットダウン膜を介して対向する部分を有していてもよいが、耐短絡性および耐熱性の観点からは、少なくとも耐熱多孔膜を介して対向しているのが好ましい。正極活物質層と、負極活物質層とは、セパレータの構造に応じて、シャットダウン膜、およびシャットダウン膜の表面に形成された耐熱多孔膜を介して対向していてもよい。
【0053】
図4は、帯状の正極と、帯状の負極と、これらの間に介在するセパレータとの位置関係を示す、長さ方向の概略断面図である。図4では、正極5と負極6との間にはセパレータ7が介在しており、捲回したときに外側となる負極6の表面にも、セパレータ7が配置されている。
【0054】
正極5は、正極集電体5aと、この両方の表面に形成された正極活物質層5bとを備えている。正極5は、巻き終わり端部において、正極集電体5aの両方の表面に、正極活物質層5bが形成されていない正極集電体5aが露出した部分(正極集電体露出部)5cを有している。
【0055】
負極6は、負極集電体6aと、この両方の表面に形成された負極活物質層6bとを備えている。負極6は、巻き終わり端部において、負極集電体6aの両方の表面に、負極活物質層6bが形成されていない負極集電体6aが露出した部分(負極集電体露出部)6cを有している。
【0056】
セパレータ7は、シャットダウン膜7aと、シャットダウン膜7aの一方の表面に形成された耐熱多孔膜7bとを有しており、捲回された電極群において、セパレータ7の最外周に相当する領域には、シャットダウン膜7aのみを有している。
図4では、正極集電体露出部5cおよび負極集電体露出部6cは、いずれも、捲回された電極群において正極5および負極6の最外周となる位置に形成されており、シャットダウン膜7aのみを介して対向している。
【0057】
そして、正極5と、負極6と、これらの間に介在するセパレータ7とを渦捲状に捲回することにより、電極群が形成される。負極6は、2枚のセパレータの間に、両方の表面が、ポリオレフィン多孔膜7aと接するように挟持されている。正極5は、捲回したときにより外側となる方の表面の正極活物質層5bが、セパレータ7の耐熱多孔膜7bと接するように配置される。そして、捲回により、正極5の正極活物質層5bは、2枚のセパレータ7の耐熱多孔膜7bと接した状態になる。形成された電極群では、最外周において、シャットダウン膜7aのみを介して、正極集電体露出部5cと負極集電体露出部6cとを対向させることができる。捲回は、巻芯を用いて行ってもよく、巻芯は、電極群の中心部に残しても、抜き取ってもよい。
【0058】
図5は、帯状の正極と、帯状の負極と、これらの間に介在するセパレータとの位置関係を示す、長さ方向の概略断面図である。図5では、正極5と負極6との間にセパレータ7cが挟持され、捲回したときに外側となる負極6の表面には、セパレータ7dが配設されている。つまり、負極6は、セパレータ7cと7dとの間に挟持されている。
【0059】
正極5は、捲回したときに最外周となる領域において、正極集電体5aの両方の表面に正極活物質層5bを有さない正極集電体露出部5c(両面正極集電体露出部)を有している。捲回したときに最外周よりも内周側となる領域には、正極集電体5aの両方の表面に正極活物質層5bが形成されている。
図5では、捲回したときに最外周となる正極5の領域は、両面正極集電体露出部であるが、捲回したときにより内側に位置する方の表面に、正極活物質層5bを形成した片面正極集電体露出部であってもよい。
【0060】
負極6は、捲回したときに最外周となる領域に、負極集電体6aの両方の表面に負極活物質層6bが形成されていない負極集電体露出部6c(両面負極集電体露出部)を有している。図5では、負極6の巻き終わりから2周目の領域は、より内側に位置する方の負極集電体6aの表面に負極活物質層6bが形成された片面負極集電体露出部である。しかし、この例に限らず、最外周より内周側(例えば、巻き終わりから2周目)の領域が、両方の表面に負極活物質層6bを有さない両面負極集電体露出部であってもよい。
【0061】
セパレータ7cおよび7dは、いずれも、シャットダウン膜7aと、シャットダウン膜7aの一方の面に形成された耐熱多孔膜7bとを有しており、捲回された電極群において、セパレータの最外周に相当する領域には、シャットダウン膜7aのみを有している。電極群の最外周となる領域では、正極集電体露出部5cと負極集電体露出部6cとは、シャットダウン膜7aのみを介して対向している。
【0062】
負極6は、2枚のセパレータ7cおよび7d間に、両方の表面が、ポリオレフィン多孔膜7aと接するように配置される。また、セパレータ7cおよび7dは、捲回したときに、双方の耐熱多孔膜7bが正極5と接するように配置される。
【0063】
図5では、セパレータ7cは、最外周よりも内周側となる位置に耐熱多孔膜7bを有しており、セパレータ7dは、巻き終わりから2周目よりも内周側となる位置に耐熱多孔膜7bを有している。しかし、この例に限らず、セパレータ7cおよび7dを用いる代わりに、2枚のセパレータ7cを用いてもよい。また、1枚のセパレータ7cを幅方向に約半分に折り曲げ、負極6をセパレータ7cで挟み込んだ状態で、正極5と重ね合わせて、正極5と負極6との間にセパレータ7cを介在させてもよい。
【0064】
そして、正極5、セパレータ7c、負極6およびセパレータ7dを、この順序で重ね合わせて、最も外側がセパレータ7dとなるように渦捲状に捲回することにより、電極群を形成する。形成された電極群では、捲回の最外周において、シャットダウン膜7aのみを介して、正極集電体露出部5cと負極集電体露出部6cとを対向させることができる。
【0065】
図4および図5では、シャットダウン膜を介し、かつ耐熱多孔膜を介さずに、正極集電体露出部と負極集電体露出部とが対向する部分は、正極および負極の最外周(巻き終わりから1周目)のみであるが、少なくとも最外周にこのような部分が形成されていればよく、最外周よりも内周側にまで形成してもよい。シャットダウン膜を介し、かつ耐熱多孔膜を介さずに、正極集電体露出部と負極集電体露出部とが対向する部分の、巻き終わりからの長さは、最外周1周分の長さを100%としたとき、例えば、100〜130%、好ましくは100〜110%、さらに好ましくは100〜105%である。
【0066】
シャットダウン膜を介し、かつ耐熱多孔膜を介さずに、正極集電体露出部と負極集電体露出部とが対向する部分の長さが、最外周1周分に満たなければ、万一の際に、常に最外周で集電体露出部同士を短絡させることが難しくなり、安全性を十分向上できない。長さが大きくなりすぎると、電極群に占める集電体露出部の比率が大きくなったり、シャットダウン膜を介し、かつ耐熱多孔膜を介さずに、活物質層同士が対向する部分の比率が大きくなったりする。前者の場合、相対的に活物質層の比率が小さくなり、容量や出力を十分に向上できない場合がある。後者の場合、活物質層の存在する位置において、耐短絡性や耐熱性を向上できなくなる場合がある。
【0067】
図6は、本発明の非水電解質二次電池の一例を示す縦断面図である。図6の非水電解質二次電池は、長尺帯状の正極5と、長尺帯状の負極6と、正極5と負極6との間に介在するセパレータ7とが捲回された電極群4を有する。有底円筒型の金属製の電池ケース1内には、電極群4とともに、図示しない非水電解質が収容されている。
【0068】
電極群4において、正極5にはアルミニウム製などの正極リード9が電気的に接続され、負極6にはニッケル製などの負極リード10が電気的に接続されている。正極リード9としては、例えば、アルミニウム板が使用でき、負極リード10としては、例えば、ニッケル板、銅板などが使用できる。
電極群4は、正極リード9を導出した状態で、下部絶縁リング8bとともに電池ケース1に収納される。正極リード9の端部には封口板2が溶接され、正極5と封口板2とは電気的に接続されている。
【0069】
下部絶縁リング8bは、電極群4の底面と、電極群4から下方へ導出された負極リード10との間に配されている。負極リード10は電池ケース1の内底面に溶接され、負極6と電池ケース1とが電気的に接続されている。電極群4の上面には上部絶縁リング8aが載置されている。
【0070】
電極群4は、上部絶縁リング8aの上方で、かつ電池ケース1の上部側面に形成された内側に突出した段部11により電池ケース1内に保持される。段部11の上には、周縁部に樹脂製のガスケット3を有する封口板2が載置され、電池ケース1の開口端部は、内方にかしめ封口されている。なお、電極群4の中心部には、センターピン12が配設されている。また、電池内部の圧力が所定値よりも高くなったときに内部の気体を抜くための安全弁装置13および電池内部の温度上昇を防止するためのPTC素子14が設けられている。
【0071】
図7は、図6におけるAの要部拡大図であり、図8は、図6におけるBの要部拡大図である。図7は、捲回した電極群の最外周における正極と負極とセパレータとの積層構造を示す。電極群の最外周では、正極の正極集電体の両方の表面に、正極活物質層を有しない正極集電体露出部5cが形成されており、負極の負極集電体の両方の表面に、負極活物質層を有しない負極集電体露出部6cが形成されている。
【0072】
そして、正極集電体露出部5cと、負極集電体露出部6cとは、シャットダウン膜7aのみからなるセパレータを介して対向している。電極群は、このような断面構造を、電極群の少なくとも最外周において有している。
電極群において、負極は、正極よりも外側に位置し、負極の外側(すなわち、電極群の最も外側)には、シャットダウン膜7aのみからなるセパレータが配置されている。
【0073】
図8は、捲回した電極群の内周側(電極群内部)における正極と負極とセパレータとの積層構造を示す。電極群内部では、図8に示すように、正極5は、正極集電体5aとこの両方の表面に形成された正極活物質層5bとを有し、負極6は、負極集電体6aとこの両方の表面に形成された負極活物質層6bとを有している。セパレータ7は、シャットダウン膜7aと耐熱多孔膜7bとを有し、正極5と負極6との間に介在して、両者を絶縁している。正極5の両方の表面は、セパレータ7の耐熱多孔膜7bと接し、負極6の両方の表面は、セパレータ7のポリオレフィン多孔膜7aと接している。
【0074】
非水電解質二次電池の他の構成要素について以下に詳細に説明する。
(正極)
正極集電体としては、非水電解質二次電池用途で公知の正極集電体、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、チタン、チタン合金などで形成された金属箔などが使用できる。正極集電体の厚みは、例えば、1〜100μm、好ましくは10〜50μmである。
【0075】
正極活物質層は、正極活物質の他、導電剤、結着材、増粘剤などを含有してもよい。正極活物質としては、リチウムイオンをドープおよび脱ドープ可能な材料が使用できる。このような材料としては、リチウム含有遷移金属化合物、例えば、バナジウム、マンガン、鉄、コバルトおよびニッケルから選ばれる少なくとも一種の遷移金属とリチウムとの複合金属酸化物などが挙げられる。複合金属酸化物は、上記遷移金属以外に、他の金属元素、例えば、Na、Mg、Sc、Y、Ti、V、Cr、Fe、Cu、Ag、Zn、Al、Ga、In、Sn、PbおよびSbの群から選ばれる少なくとも1つの金属元素などを含有してもよい。
【0076】
具体例としては、例えば、LiCoO2、LiMn24、LiNiO2、LiNix1Mny1Co1-(x1+y1)2、LiNix2Coy21-(x2+y2)2、αLiFeO2、LiVO2などが例示できる。x1およびy1は、それぞれ、0.25≦x1≦0.5(特に、0.3≦x1≦0.4)、0.25≦y1≦0.5(特に、0.3≦y1≦0.4)である。x2およびy2は、それぞれ、0.75≦x2≦0.99(特に、0.8≦x2≦0.9)であり、y2が、0.01<y2≦0.4(特に、0.05≦y2≦0.25)である。
【0077】
上記組成式において、Mは、Na、Mg、Sc、Y、Ti、V、Cr、Fe、Cu、Ag、Zn、Al、Ga、In、Sn、PbおよびSbの群から選ばれる少なくとも1つの金属元素(Mgおよび/またはAlなど)を示す。正極活物質は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。
【0078】
平均放電電位が高い点から、ニッケルおよび/またはコバルトを含むリチウム含有複合酸化物が好ましい。特に、ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウムなどのα−NaFeO2型構造を母体とする層状リチウム含有複合酸化物、リチウムマンガンスピネルなどのスピネル型構造を母体とするリチウム含有複合酸化物などが好ましい。
また、LiNix2Coy21-(x2+y2)2を用いることも好ましい。高容量で使用した場合に高いサイクル特性が得られる点から、特に、0.8≦x2≦0.99、0.01<y2<0.2であるのが好ましい。
【0079】
結着材は、分散媒に混練により溶解又は分散できるものであれば特に限定されない。結着材としては、例えば、前記耐熱多孔膜について例示した結着材の他、熱可塑性ポリイミド、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)などが例示できる。
結着材は、単独で又は二種以上組み合わせて用いてもよい。結着材は、分散媒に分散したディスパージョンの形態で使用してもよい。
【0080】
導電剤としては、炭素質材料、例えば、カーボンブラック;天然黒鉛、人造黒鉛などの各種黒鉛;コークス;炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維などが使用できる。導電剤は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。例えば、人造黒鉛とカーボンブラックとを組み合わせて用いるなど、異なる種類の導電材を複数用いてもよい。
増粘剤としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体、セルロース誘導体(カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなど)などが例示できる。
【0081】
正極活物質層は、正極活物質、必要により、結着材、導電剤及び/又は増粘剤を、分散媒とともに混練した正極ペーストを調製し、このペーストを正極集電体に付着させることにより形成できる。また、分散媒を用いずに、粒状混合物を加圧または圧縮成型することにより、活物質層を形成してもよい。
【0082】
好ましい態様においては、正極集電体の表面の所定の領域に、正極ペーストを公知のコーティング方法により塗布し、乾燥し、必要により圧延することにより正極活物質層を形成する。帯状の正極集電体の巻き終わり端部には、前述のように、正極活物質層が形成されずに集電体の表面が露出した正極集電体露出部が形成されている。
【0083】
分散媒としては、結着材が溶解又は分散可能であれば特に制限されず、結着材の分散媒に対する親和性に応じて、有機溶媒及び水(温水を含む)のいずれも使用できる。有機溶媒としては、例えば、前記耐熱多孔膜について例示した分散媒などが例示できる。
【0084】
正極ペーストの塗布は、公知のコーターを用いて行うことができる。塗布後の乾燥は、自然乾燥に近い条件や加熱下で行うことができる。
正極の厚みは、例えば、70〜250μm、好ましくは100〜210μmである。
【0085】
(負極)
負極は、長尺(シート状もしくは帯状)の負極集電体と、負極集電体の表面に付着した負極活物質層とを含む。負極集電体としては、非水電解質二次電池用途で公知の負極集電体、例えば、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金などで形成された金属箔などが使用できる。リチウムと合金化しにくく、薄膜に加工しやすい観点から、銅または銅合金を用いた負極集電体が好ましい。負極集電体の厚みは、例えば、1〜100μm、好ましくは2〜50μmである。
【0086】
負極活物質層は、負極活物質の他、導電剤、結着材、増粘剤などを含有してもよい。負極活物質としては、リチウムイオンを可逆的にドープおよび脱ドープ可能な材料、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛などの各種黒鉛;コークス、カーボンブラック、メソカーボンマイクロビーズ、熱分解炭素、炭素繊維、黒鉛化炭素繊維、有機高分子化合物の焼成体などの炭素材料が例示できる。
【0087】
また、正極よりも低い電位でリチウムイオンのドープおよび脱ドープを行う遷移金属酸化物または遷移金属硫化物などのカルコゲン化合物;ケイ素;ケイ素酸化物、シリサイドなどのケイ素含有化合物;スズ、アルミニウム、亜鉛およびマグネシウムよりなる群から選択された少なくとも一種を含むリチウム合金および各種合金組成材料を用いることもできる。
これらの負極活物質は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
【0088】
カルコゲン化合物としては、例えば、スズ酸化物を主体とした非晶質化合物などの周期表第13〜15族元素を含む酸化物などが挙げられる。カルコゲン化合物は、結晶質および非晶質のいずれであってもよい。
【0089】
ケイ素含有化合物としては、例えば、ケイ素酸化物SiOα(0.05<α<1.95)などが挙げられる。αは、好ましくは0.1〜1.8、さらに好ましくは0.15〜1.6である。ケイ素酸化物においては、ケイ素の一部が1または2以上の元素で置換されていてもよい。このような元素としては、例えば、B、Mg、Ni、Co、Ca、Fe、Mn、Zn、C、N、Snなどが挙げられる。
【0090】
負極活物質の形状は、特に制限されず、薄片状、粒状、繊維状、塊状または凝集体などが例示できる。
負極活物質としては、電位平坦性が高く、また、平均放電電位が低いため正極と組み合わせた場合大きなエネルギー密度が得られるという点で、天然黒鉛、人造黒鉛などの黒鉛を主成分とする炭素質材料が好ましい。
【0091】
結着材および分散媒としては、それぞれ、耐熱多孔膜について例示したものなどが使用でき、導電剤および増粘剤としては、それぞれ、正極について例示したものなどが使用できる。
【0092】
負極活物質層は、結着材などを併用した前記コーティングに限らず、公知の方法により形成することができ、正極活物質層と同様の方法により形成してもよい。また、負極活物質を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの気相法により集電体表面に堆積させることにより形成してもよい。
【0093】
非水電解質は、非水溶媒にリチウム塩を溶解することにより調製される。非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの環状カーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの鎖状カーボネート;γ−ブチロラクトンなどのラクトン;ギ酸メチル、酢酸メチルなどの鎖状カルボン酸エステル;1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化アルカン;1,2−ジメトキシエタンなどのアルコキシアルカン;4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン;ペンタフルオロプロピルメチルエーテルなどの鎖状エーテル;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどの環状エーテル;アセトニトリルなどのニトリル;N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド;3−メチル−2−オキサゾリドンなどのカーバメート;スルホキシド(スルホラン、ジメチルスルホキシドなど)、1,3−プロパンサルトンなどの含硫黄化合物;もしくはこれらの溶媒の水素原子をフッ素原子などのハロゲン原子で置換したハロゲン置換体などが例示できる。これらの非水溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0094】
非水溶媒のうち、カーボネートを含む混合溶媒が好ましく、特に、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合溶媒、または環状カーボネートとエーテル(鎖状または環状エーテル)との混合溶媒が好ましい。環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合溶媒としては、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネートおよびエチルメチルカーボネートを含む混合溶媒が好ましい。このような混合溶媒は、動作温度範囲が広く、負荷特性に優れ、かつ負極の活物質として天然黒鉛、人造黒鉛などの黒鉛材料を用いた場合でも難分解性であるという点で有利である。
【0095】
リチウム塩としては、例えば、フッ素含有酸のリチウム塩(LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiSbF6、LiCF3SO3など)、フッ素含有酸イミドのリチウム塩[LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22、LiN(CF3SO2)(C49SO2)など]、フッ素含有酸メチドのリチウム塩[LiC(CF3SO23など]、塩素含有酸のリチウム塩(LiClO4、LiAlCl4、Li210Cl10など)などが使用できる。
【0096】
これらのリチウム塩は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。リチウム塩のうち、フッ素原子を含有するリチウム塩、すなわち、フッ素含有酸のリチウム塩、フッ素含有酸イミドのリチウム塩、フッ素含有酸メチドのリチウム塩が好ましい。
非水電解質中のリチウム塩の濃度は、例えば、0.5〜1.7mol/L、好ましくは0.7〜1.5mol/Lである。
また、非水電解質には、適宜、慣用の添加剤を含有させてもよい。
【0097】
電池ケースは、金属製又はラミネートフィルム製などであってもよい。耐圧強度の観点から、電池ケースの材料としては、マンガン、銅等の金属を微量含有するアルミニウム合金、安価なニッケルメッキを施した鋼鈑などが好ましい。電池ケースの形状は、電極群の形状に応じて、円筒型、角型などであってもよい。
【実施例】
【0098】
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されない。
図6に示す非水電解質二次電池を作製し、圧壊試験を行った。
実施例1
(1)正極の作製
正極活物質として100重量部のLiNi0.82Co0.15Al0.032と、1.0重量部のアセチレンブラックと、適量のNMPに0.9重量部のポリフッ化ビニリデン(結着材)を溶解した溶液とを混合した。得られた混合物を、さらに適量のNMPに分散させて正極ペーストを得た。
【0099】
得られた正極ペーストを、正極集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に均一に塗布し、乾燥した後、ロールプレス機で圧縮して正極を作製した。このとき、正極の巻き終わり端部には両面とも正極活物質層を形成せず、正極集電体が露出した正極集電体露出部を形成した。また、正極集電体露出部の長さは、πdとした(dは、電池ケースの内径)。
【0100】
(2)負極の作製
鱗片状人造黒鉛を、平均粒子径が約20μmになるように、粉砕および分級した。分級した鱗片状人造黒鉛100重量部に、結着材としてSBRを1重量部と、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースを1重量%含む水溶液100重量部とを加えて混合し、負極ペーストを得た。得られた負極ペーストを、厚さ8μmの銅箔(負極集電体)の両面に塗布し、乾燥後、圧延し、190℃で加熱処理した。このとき、負極の巻き終わり端部には両面とも負極活物質層を有しない、負極集電体が露出した負極集電体露出部を設けた。また、負極集電体露出部の長さは、πdとした。
【0101】
(3)セパレータの作製
アラミド樹脂のNMP溶液を、次のようにして調製した。まず、反応槽内で、適量のNMPに対し、所定量の乾燥した無水塩化カルシウムを添加し、加温して完全に溶解した。得られた溶液を常温に戻した後、パラフェニレンジアミンを所定量添加し、完全に溶解した。次に、テレフタル酸ジクロライドを、少しずつ滴下し、重合反応によりポリパラフェニレンテレフタルアミドを合成した。反応終了後、減圧下で30分間撹拌して脱気した。得られた重合液を、さらに、塩化カルシウム添加NMP溶液にて、適宜希釈することにより、アラミド樹脂のNMP溶液を調製した。
【0102】
アラミド樹脂のNMP溶液を、ポリエチレン微多孔膜(厚み13μm)の一方の表面に塗布し、乾燥させた。このとき、ポリエチレン微多孔膜の一端部(巻き終わり端部)には、アラミド樹脂のNMP溶液を塗布せず、ポリエチレン微多孔膜が露出した部分を形成した。得られた積層体を水洗に供して無水塩化カルシウムを除去し、乾燥することにより、ポリエチレン微多孔膜の表面に、アラミド樹脂の耐熱多孔膜(厚み4μm)が形成されたセパレータを得た。セパレータの巻き終わり端部において、ポリエチレン微多孔膜が露出した部分の長さは、πdとした。
【0103】
(4)電極群の作製
正極と、セパレータと、負極と、セパレータとをこの順で積層した。このとき、図4に示すように、2枚のセパレータのポリエチレン微多孔膜と負極とが接し、かつ、正極集電体露出部および負極集電体露出部が、耐熱多孔膜が形成されていないポリエチレン微多孔膜が露出した部分と重なるように各部材を配置した。次いで、正極を内側にして、渦捲状に多数回捲回し、電極群を形成した。
【0104】
(5)非水電解質二次電池の作製
ニッケルメッキした鋼鈑を用いて作製した電池ケース(直径約18mm、総高約65mm)1内に、電極群4及び下部絶縁リング8bを収納した。このとき、下部絶縁リング8bは、電極群4の底面と電極群4から下方に導出されたニッケル製負極リード10との間に挟持させた状態で配設した。負極リード10は、電池ケース1の内底面と抵抗溶接した。
【0105】
電池ケース1に収容された電極群4の上面に上部絶縁リング8aを載置し、上部絶縁リング8aの上方かつ電池ケース1の上部側面に、内方に突出した段部を形成することにより、電極群4をケース1内に保持した。
【0106】
電池ケース1の上方に導出したアルミニウム製の正極リード9に、封口板2をレーザー溶接し、次いで、非水電解質を注液した。なお、非水電解質は、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとジメチルカーボネートとの混合溶媒(容積比1:1:8)に、LiPF6を1.4mol/Lの濃度となるように溶解することにより調製した。
【0107】
次いで、正極リード9を屈曲させて電池ケース1内に収容し、前記段部の上には、周縁部にガスケット3を備えた封口板2を載置した。そして、電池ケース1の開口端部を、内方にかしめて封口することにより、所定個数の円筒型の非水電解質二次電池を作製した。
【0108】
比較例1
正極に正極集電体露出部を設けず、かつ負極に負極集電体露出部を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして正極および負極を作製した。得られた正極および負極を用いる以外は、実施例1と同様にして、所定個数の非水電解質二次電池液電池を作製した。
【0109】
比較例2
セパレータの巻き終わり端部にポリエチレン微多孔膜が露出した部分を形成せず、ポリエチレン微多孔膜の一方の面全体に、アラミド樹脂の耐熱多孔膜を形成した以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作製した。得られたセパレータを用いる以外は、実施例1と同様にして、所定個数の非水電解質二次電池を作製した。
【0110】
実施例および比較例で得られた非水電解質二次電池を、電圧が4.25Vに至るまで1.45Aの電流を流して定電流で充電し、4.25Vに達した後に定電圧で電流が50mAになるまで充電した。
各実施例および比較例について、充電後の電池10個を、6mmφの丸棒を用いて移動速度0.1mm/secで、電池の上部から圧壊した。異常発熱や発煙などが確認された電池の個数を熱暴走数として表1に示す。
【0111】
【表1】

【0112】
表1から明らかなように、実施例では、全ての電池において、異常発熱や発煙は全く見られなかった。これに対し、比較例1および2では、試験した全ての電池において、異常発熱や発煙が見られた。これは、比較例1では、電極群の全体にわたって、集電体の表面に活物質層が形成されており、比較例2では、電極群の全体にわたって、耐熱多孔膜が形成されいるため、短絡点における抵抗が高く、発熱を抑制できなかったことによるものと考えられる。また、比較例では、発生した熱を電池外に放出することが難しく、電池内に熱がこもり、負極活物質や正極活物質の発熱反応の温度まで電池内温度が上昇し、熱暴走に至ったものと考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明の電池は、外部からの圧力などにより変形した場合であっても、電池の発熱や熱暴走を効果的に抑制でき、安全性や信頼性に優れる。そのため、ノートパソコン、携帯電話、デジタルスチルカメラなどの電子機器の駆動源、さらには高出力を要求される電力貯蔵装置や電気自動車の電源として好適に用いられる。
【符号の説明】
【0114】
1 電池ケース
2 封口板
3 ガスケット
4 電極群
5 正極
5a 正極集電体
5b 正極活物質層
5c 正極集電体露出部
6 負極
6a 負極集電体
6b 負極活物質層
6c 負極集電体露出部
7,7c,7d セパレータ
7a シャットダウン膜
7b 耐熱多孔膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状の正極集電体および前記正極集電体の表面に形成された正極活物質層を有する正極と、帯状の負極集電体および前記負極集電体の表面に形成された負極活物質層を有する負極と、前記正極および前記負極の間に介在するセパレータとが捲回された電極群、ならびに非水電解質を備え、
前記セパレータが、シャットダウン膜と、前記シャットダウン膜の構成材料よりも融点または熱変形温度が高い耐熱材料を含む耐熱多孔膜とを有し、
前記正極の少なくとも最外周が、前記正極活物質層を有さない正極集電体露出部を有し、
前記負極の少なくとも最外周が、前記負極活物質層を有さない負極集電体露出部を有し、
前記正極集電体露出部と前記負極集電体露出部とが、前記シャットダウン膜を介し、かつ前記耐熱多孔膜を介さずに対向している、非水電解質二次電池。
【請求項2】
前記正極集電体露出部が、前記正極の少なくとも最外周において、前記正極集電体の両方の表面に前記正極活物質層を有さない両面正極集電体露出部であり、
前記負極集電体露出部が、前記負極の少なくとも最外周において、前記負極集電体の両方の表面に前記負極活物質層を有さない両面負極集電体露出部である、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
【請求項3】
前記正極活物質層と、前記負極活物質層とが、前記シャットダウン膜、および前記シャットダウン膜の表面に形成された前記耐熱多孔膜を介して対向している、請求項1または2に記載の非水電解質二次電池。
【請求項4】
前記シャットダウン膜の構成材料が、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびエチレン−プロピレン共重合体よりなる群から選択された少なくとも一種である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
【請求項5】
前記シャットダウン膜の厚みが5〜20μmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
【請求項6】
前記耐熱材料が耐熱性樹脂を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
【請求項7】
前記耐熱性樹脂が、ポリイミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリスルホン樹脂およびポリフェニレンスルフィド樹脂よりなる群から選択された少なくとも一種である、請求項6に記載の非水電解質二次電池。
【請求項8】
前記耐熱材料が金属酸化物粒子を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
【請求項9】
前記金属酸化物粒子が、単結晶の一次粒子が連結した多結晶粒子である、請求項8に記載の非水電解質二次電池。
【請求項10】
前記一次粒子の平均粒径が0.05〜1μmである、請求項9に記載の非水電解質二次電池。
【請求項11】
前記耐熱多孔膜の厚みが1.5〜10μmである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−84255(P2012−84255A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−227341(P2010−227341)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】