非破壊検査方法と非破壊検査装置
【課題】コンクリートの被りの深さに拘わりなく鉄筋の屈曲部の破断を確実に検出することのできる非破壊検査方法と非破壊検査装置を提供する。
【解決手段】コンクリート体1内に設けられるとともに屈曲部2aを有する鉄筋2をそのコンクリート体1の外側から永久磁石4により磁化し、この後そのコンクリート体1上の磁束密度を測定することによって屈曲部2aの破断Hの有無を検出する非破壊検査方法であって、屈曲部2aの位置に対応するコンクリート体1の表面1A,1B位置から鉄筋2の長手方向に沿って、永久磁石4をコンクリート体1の表面1A,1B上を移動させることにより鉄筋2を長手方向に沿って磁化させる。
【解決手段】コンクリート体1内に設けられるとともに屈曲部2aを有する鉄筋2をそのコンクリート体1の外側から永久磁石4により磁化し、この後そのコンクリート体1上の磁束密度を測定することによって屈曲部2aの破断Hの有無を検出する非破壊検査方法であって、屈曲部2aの位置に対応するコンクリート体1の表面1A,1B位置から鉄筋2の長手方向に沿って、永久磁石4をコンクリート体1の表面1A,1B上を移動させることにより鉄筋2を長手方向に沿って磁化させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば橋脚などのコンクリート体内に設けられている鉄筋の破断の有無を検出する非破壊検査方法と非破壊検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンクリート内の鉄筋の欠陥を検出する非破壊検査方法が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
かかる非破壊検査方法は、コンクリートに埋設された鉄筋にバイアス磁場によって長手方向に沿って平行に磁化し、鉄筋の欠損部により発生すり漏洩磁束を測定して欠損部を検出するものである。
【特許文献1】特開平6−294850号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような非破壊検査方法にあっては、鉄筋が屈曲されている場合、その屈曲部で漏洩磁界の向きが複雑になることにより、その屈曲部での破断を検出することができないという問題があった。また、コンクリートの被りが深いと鉄筋の磁化も難しく、その漏洩磁束の検出も難しいという問題があった。
【0005】
この発明の目的は、コンクリートの被りの深さに拘わりなく鉄筋の屈曲部の破断を確実に検出することのできる非破壊検査方法と非破壊検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、コンクリート体内に設けられるとともに屈曲部を有する鉄筋をそのコンクリート体の外側から永久磁石により磁化し、この後そのコンクリート体上の磁束密度を測定することによって前記屈曲部の破断の有無を検出する非破壊検査方法であって、
前記屈曲部の位置に対応するコンクリート体の表面位置から前記鉄筋の長手方向に沿って、前記永久磁石をコンクリート体の表面上を移動させることにより前記鉄筋を長手方向に沿って磁化させることを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、前記コンクリート体は角部を有し、この角部に対応して前記屈曲部が形成され、
前記角部を形成する一方の面における前記屈曲部に対応する位置から前記永久磁石を鉄筋の長手方向に沿ってその一方の面上を移動させ、
この後、角部を形成する他方の面における前記屈曲部に対応する位置から前記永久磁石を鉄筋の長手方向に沿ってその他方の面上を移動させることを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、コンクリート体内に並設されるとともに屈曲部を有する複数の鉄筋をそのコンクリート体の外側から永久磁石により磁化し、この後そのコンクリート体上の磁束密度を磁気センサで測定することによって前記屈曲部の破断の有無を検出する非破壊検査方法であって、
前記屈曲部の位置に対応するコンクリート体の表面位置から前記鉄筋の長手方向に沿って、前記永久磁石をコンクリート体の表面上を移動させることにより各鉄筋を長手方向に沿って磁化させ、
この後、前記屈曲部の位置に対応するコンクリート体の表面上を鉄筋の並設方向に沿って前記磁気センサを移動させて、前記磁束密度を測定することにより前記屈曲部の破断の有無を検出することを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、コンクリート体内に並設されるとともに屈曲部を有する複数の鉄筋をそのコンクリート体の外側から永久磁石により磁化し、この後そのコンクリート体上の磁束密度を測定することによって前記屈曲部の破断の有無を検出する非破壊検査方法であって、
前記屈曲部の位置に対応するコンクリート体の表面位置から前記鉄筋の長手方向に沿って、前記永久磁石をコンクリート体の表面上を移動させることにより各鉄筋を長手方向に沿って磁化させ、
この後、検査する目標鉄筋によるコンクリート体上の磁束密度を第1磁気センサで検出し、
この目標鉄筋の両側にある鉄筋によるコンクリート体上の磁束密度を第2,第3磁気センサで検出し、
この第2,第3磁気センサが検出する磁束密度に基づいて、第1磁気センサが検出する磁束密度のうち、前記目標鉄筋の両側にある鉄筋の磁界の影響による磁束密度成分を求め、この磁束密度成分をその磁束密度から除去した磁束密度を求めて目標鉄筋の破断の有無を検出することを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は、地磁気による前記コンクリート上の磁束密度を第4磁気センサで検出し、
この第4磁気センサが検出する磁束密度に基づいて、第1磁気センサが検出する磁束密度のうち、地磁気による影響をも除去した磁束密度を求めて目標鉄筋の破断の有無を検出することを特徴とする。
【0011】
請求項6の発明は、コンクリート体内に並行に配置された複数の鉄筋をその長手方向に沿って永久磁石により磁化し、この後、コンクリート体上の各鉄筋の磁束密度を測定することにより鉄筋の破断の有無を検出する非破壊検査装置であって、
検査する目標鉄筋によるコンクリート体上の磁束密度を検出する第1磁気センサと、
この目標鉄筋の両側にある鉄筋によるコンクリート体上の磁束密度を検出する第2,第3磁気センサと、
この第2,第3磁気センサが検出する磁束密度に基づいて、第1磁気センサが検出する磁束密度のうち、前記目標鉄筋の両側にある鉄筋の磁界の影響による磁束密度成分を求め、この磁束密度成分をその磁束密度から除去した磁束密度を求めて目標鉄筋の破断の有無を検出する演算手段とを備えていることを特徴とする。
【0012】
請求項7の発明は、地磁気による前記コンクリート上の磁束密度を検出する第4磁気センサを備え、
前記演算手段は、第4磁気センサが検出する磁束密度に基づいて、第1磁気センサが検出する磁束密度のうち、地磁気による影響をも除去した磁束密度を求めて目標鉄筋の破断の有無を検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、コンクリートの被りの深さに拘わりなく鉄筋の屈曲部の破断を確実に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明に係る非破壊検査方法と非破壊検査装置の実施の形態である実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0015】
[第1実施例]
図1において、1は例えば橋脚のコンクリート体であり、このコンクリート体1内には複数の主鉄筋2が設けられており、この主鉄筋2はコンクリート体1の角部1Aで屈曲された屈曲部2aを有している。3は補助鉄筋である。
【0016】
この主鉄筋2の屈曲部2aで破断Hが発生し易く、この屈曲部2aの破断Hを検出する非破壊検査方法について説明する。なお、主鉄筋2の位置や屈曲部2aの位置は既知である。
【0017】
先ず、例えばNd系のような希土類金属からなる永久磁石4を実線で示す屈曲部2aの位置、すなわち主鉄筋2の右端位置(図1において)である原点位置O1に置き、この永久磁石4を左方向へ移動させていくことにより、主鉄筋2の一方の部分2Aを長手方向に沿って原点位置O1から所定の長さだけ磁化させる。同様に、永久磁石4を鎖線で示す屈曲部2aの位置、すなわち主鉄筋2の上端位置(図1において)である原点位置O2に置き、この永久磁石4を左方向へ移動させていくことにより、主鉄筋2の他方の部分2Bを長手方向に沿って原点位置O2から所定の長さだけ磁化させる。
【0018】
この磁化は、永久磁石4を主鉄筋2の部分2A,2Bの長手方向に沿って往復移動させた後、最後に上記のように原点位置O1,O2から主鉄筋2の部分2A,2Bの長手方向に沿って永久磁石を移動させて行ってもよく、また、原点位置O1,O2から主鉄筋2の部分2A,2Bの長手方向に沿う移動を複数回繰り返し行ってもよい。
【0019】
次に、コンコリート体1の面1A,1Bに対して垂直方向の漏洩磁束密度をその面1A,1Bの各位置ごとに磁気センサ10により検出していく。この磁気センサ10は、高感度の例えばMIセンサあるいはフラックスゲート型センサである。
【0020】
漏洩磁束の測定は、図2に示すように磁気センサ10をコンコリート体1の面1A上に沿って移動させながら行う。すなわち、コンコリート体1の右端から左方向へ所定距離の範囲について行い、その磁気センサ10の移動方向は図2の実線位置から矢印方向へ移動させてもよく、逆に左側からコンコリート体1の右端位置へ移動させてもい。
【0021】
同様に、磁気センサ10をコンコリート体1の面1B上に沿って、コンコリート体1の上端(図2において)から下方へ所定距離の範囲について行い、その磁気センサ10の移動方向は上下(図2において)のどちらでもよい。
【0022】
図3は主鉄筋2の屈曲部2aの破断Hを検出する非破壊検査装置20を示す。この非破壊検査装置20は、磁気センサ10を有する磁気検知部11と、この磁気センサ10が検出する検出信号からコンコリート体1の面1A,1B上の磁束密度を演算して求める演算回路21と、この演算回路21が演算した磁束密度をグラフにして表示する表示部22とを備えている。
【0023】
磁気検知部11は、この磁気検知部11の移動距離を求める距離センサ(図示せず)が組み込まれている。
【0024】
演算回路21は、距離センサが求める移動距離に対応してコンコリート体1の面1A,1Bの各位置における垂直方向の磁束密度を求めるものである。
【0025】
上述のようにして主鉄筋2を磁化させた後、この主鉄筋2に沿って磁気検知部11をコンコリート体1の面1A上を移動させると、すなわち、X軸方向に沿って移動させていくと、図4に示すように、コンコリート体1の面1Aの各位置における磁束密度(面1Aと直交する方向の磁束密度)が求められていく。
【0026】
図4の鎖線で示すグラフG1が主鉄筋2の屈曲部2aに破断Hがない健全な場合の磁束密度であり、屈曲部2aに破断Hがあるとその磁束密度は実線で示すグラフG2になることが実験で分かった。このように、屈曲部2aに破断Hがあると、この屈曲部2aの近辺のマイナス側の位置(図4において原点O1の左側)で大きく減少し、マイナス方向にピークP1(谷部)が生じる。このグラフG1またはG2は表示部22に表示される。このピークP1はコンクリートの被りが深くても検出することができる。
【0027】
これに対して、屈曲部2aに破断Hがない場合には、グラフG1で示すようにピークは生じない。
【0028】
したがって、ピークP1があるかないかで、破断Hの有無を判断することができる。
【0029】
同様に、磁気検知部11をコンコリート体1の面1B上を移動させると、すなわち、Y軸方向に沿って移動させていくと、図5に示すように、コンコリート体1の面1Bの各位置における磁束密度(面1Bと直交する方向の磁束密度)が求められていく。
【0030】
図5の鎖線で示すグラフG3が主鉄筋2の屈曲部2aに破断Hがない健全な場合の磁束密度であり、屈曲部2aに破断Hがあるとその磁束密度は実線で示すグラフG4になることが実験で分かった。このように、屈曲部2aに破断Hがあると、この屈曲部2aの近辺のプラス側の位置(図5において原点O2の右側)で大きく増加し、プラス方向にピークP2が生じる。このグラフG3またはG4は表示部22に表示される。
【0031】
これに対して、屈曲部2aに破断Hがない場合には、グラフG3で示すようにピークは生じない。
【0032】
したがって、ピークP2があるかないかで、破断Hの有無を判断することができる。このピークP2はコンクリートの被りが深くても検出することができる。
【0033】
このように、コンクリートの被りが深くてもピークP1,P2の有無で破断Hの有無を判断することができる。このピークP1,P2は2つ求める必要はなく、少なくともどちらか一方のピークを検出すれば、破断Hの有無を判断することができる。ピークP1,P2の有無は表示部22に表示されるグラフG1〜G4からオペレータが判断してもよく、ピーク検出回路を用いてそのピークを検出して破断Hの有無を判断してもよい。
【0034】
ちなみに、主鉄筋2を上述の逆の方向、すなわち屈曲部2aに向かって永久磁石4を移動させて磁化させ、上述のようにしてコンコリート体1の面1A,1B上の磁束密度を測定すると、図6および図7に示すグラフG1′〜G4′のように測定される。このグラフG2′,G4′が屈曲部2aに破断Hがある場合であり、グラフG1′,G3′が屈曲部2aに破断Hがない場合を示す。
【0035】
このグラフG1′〜G4′から分かるように、上述のようなピークを検出することはできず、このため、屈曲部2aの破断Hを検出することはできない。
【0036】
上記実施例では、主鉄筋2の両側の部分2A,2Bを磁化させているが、どちらか一方を磁化させて、その磁化させた側のコンコリート体1の面1Aまたは面1B上の磁束密度を測定してもよい。
【0037】
この場合、図8のグラフG5で示すように、コンクリート体1の角側(図2の右端部側)で測定した磁束密度が大きく変化するときには、図9に示すように、主鉄筋2の屈曲部2aで1極(図9においてS極)に着磁されているためである。このように着磁されると、健全な場合でもピークP1と同じようなピークが現れるので、破断と健全との区別がつきにくくなることにより、極性を逆にして再着磁して測定をやり直す。
【0038】
上記実施例では、磁気検知部11を主鉄筋2の長手方向(X方向またはY方向)に沿って磁気検知部11を移動させて測定するが、主鉄筋2,2−1,2−2…は図10に示すようにZ軸方向に複数並設されているので、磁気検知部11をZ軸方向に移動させて測定してもよい。
【0039】
この場合の測定結果の一例を図11のグラフに示す。ここでは、主鉄筋2,2−2の屈曲部に破断があり、主鉄筋2−1,2−3は健全な場合を示す。また、グラフG5,6G,G7,G8はX軸方向に対して原点O1から−30cm,−20cm,−10cm,−5cmの位置をZ方向に移動させて測定した磁束密度を示す。
【0040】
このグラフG5,G6,G7,G8から分かるように、破断のある主鉄筋2,2−2の位置では磁束密度は低く、破断のない主鉄筋2−1,2−3の位置では磁束密度は大きくなっていることにより、破断を検出することができる。
[第2実施例]
図12は非破壊検査装置30の第2実施例を示す。この非破壊検査装置30は、コンクリート体20の面20A上を移動させる磁気検知部40と、この磁気検知部40から出力される検知信号に基づいてコンクリート体20の面20A上の磁束密度を演算する演算回路50と、この演算回路50が演算した磁束密度をグラフにして表示する表示部32とを備えている。
【0041】
磁気検知部40は、コンクリート体20の主鉄筋R1,R2,R3…の等間隔に合わせて同じ等間隔に配置された3つの磁気センサ41〜43と、コンクリート体20の面20A上の地磁気を検出する地磁気センサ44と、磁気検知部40の移動距離を求める図示しない距離センサとを有している。地磁気センサ44は鉄筋R1,R2…の磁界の影響を受けない位置に配置されている。
【0042】
この非破壊検査装置30は、4つの磁気センサ41〜44から出力される検出信号に基づいて、検査する目標鉄筋(図12の場合のR3)による磁束密度のみを抽出して、その目標鉄筋の破断を検出するものである。
[検査方法]
次に、上記のように構成される非破壊検査装置30による非破壊検査方法について説明する。
【0043】
先ず、主鉄筋R1,R2,R3…を第1実施例と同様にして、主鉄筋R1,R2,R3…の長手方向に沿って永久磁石により磁化させる。
【0044】
次に、例えば主鉄筋R3の破断を検知する場合には、図12に示すように主鉄筋R3の位置に磁気センサ42を位置させて磁気検知部40をコンクリート体20の面20A上に置く。これにより、磁気センサ41,43が主鉄筋R3の両側にある主鉄筋R2,R4の位置に位置する。なお、各主鉄筋R1,R2,R3…位置やコンクリートの被りの深さは既知である。
【0045】
そして、磁気検知部40を主鉄筋R2,R3,R4…の長手方向に沿ってコンクリート体20の面20A上を移動させていき、コンクリート体20の面20A上のその長手方向に対する各位置の磁束密度を求めて主鉄筋R3の破断を検出するものである。
【0046】
以下、主鉄筋R3の破断の検出方法について説明する。
【0047】
主鉄筋R1,R2…が複数ある場合、理論的には全ての鉄筋R1,R2…が互いに影響を及ぼすが、磁界の強さは距離に反比例することから、実用上は隣接する鉄筋の影響だけを考慮し、それ以上離れた鉄筋からの影響を無視することで十分と考えられる。
【0048】
今、図13および図14に示すように、目標としている鉄筋R3とその両隣の鉄筋R2,R4によるコンクリート体20の表面20Aの磁束密度をx2〜x4とし、鉄筋R3の位置上で測定される磁束密度をB3とする。なお、コンクリート体20は、図1に示すコンクリート体1と同様に表面20Aと図示しない表面20Bとによって角部が形成され、鉄筋R1,R2…はその角部に屈曲部(図示せず)を有している。
【0049】
磁束密度B3は、鉄筋R3による磁束密度x3の他に鉄筋R2からの磁束の垂直成分a32x2と、鉄筋R4からの磁束の垂直成分a34x4と、地磁気eとが含まれる。
【0050】
同様に、鉄筋R2上で測定される磁束密度B2は、鉄筋R2による磁束密度x2の他に鉄筋R3からの磁束の垂直成分a23x3と、鉄筋R1(図示せず)からa21x1と、地磁気eとが含まれるが、ここでは、検査する鉄筋R3の両側、つまり鉄筋R2,R4の影響のみを考慮し、鉄筋R1(図示せず)からの影響による磁束密度a21x1を無視する。鉄筋R4についても、同様に鉄筋R5(図示せず)からの影響による磁束密度a45x5を無視する。
【0051】
したがって、これらを定式化すれば次のように表され、上記の磁束密度B2〜B4の測定と地磁気eとの測定から、磁束密度をx2〜x4を求める3元連立一次方程式になる。
【0052】
鉄筋R2について:x2+a23・x3+e=B2 …(1)
鉄筋R3について:a32・x2+x3+a34・x4+e=B3 …(2)
鉄筋R4について:a43・x3+x4+e=B4 …(3)
(1)式にa32を掛け、
a32・x2+a32・a23・x3=a32(B2−e) …(4)
(3)式にa34を掛けて、
a34・a43・x3+a34・x4=a34(B4−e) …(5)
(2)式−(4)式−(5)式から
(1−a32・a23−a34・a43)x3
=(B3−e)−a32(B2−e)−a34(B4−e) …(6)
となる。よって、求めたいx3は
x3=((B3−e)−a32(B2−e)−a34(B4−e))/(1−a32・a23−a34・a43) …(7)
となる。
【0053】
ここで、被り深さおよび鉄筋間隔が一定であることから係数は全て等しくなるので、a32で代表させれば、(7)式はさらに次のようになる。
【0054】
x3=((B3−e)−a32((B2−e)+(B4−e)))/(1−2a32・a32) …(8)
となる。
【0055】
ここで、被り深さを100mm、鉄筋間隔を150mmとした場合のa32の係数を算出する。
【0056】
図15において、x3,x4はそれぞれ鉄筋R3,R4からの磁束である。測定点E3において、鉄筋R4からの影響F1は、磁界強度は距離に反比例するので、x4を用いて、
F1=x4×100/180となる。したがって、F1のコンクリート表面の垂直な成分F2は、
F2=F1×100/180=x4×(100/180)2 =0.309・x4
となり、a32(=a34)は0.309となる。
【0057】
したがって、x3=((B3−e)−0.309((B2−e)+(B4−e)))/(1−2×0.3092)となり、
x3=1.236(B3−e)−0.382((B2−e)+(B4−e))
…(10)となる。
【0058】
この(10)式に基づいてx3を求めるアナログ演算回路50の一例を図16に示す。
【0059】
演算回路50は、磁気センサ41が検出する磁束密度B2から磁気センサ44が検出する磁束密度eを差し引く減算器51と、磁気センサ42が検出する磁束密度B3から磁気センサ44が検出する磁束密度eを差し引く減算器52と、磁気センサ43が検出する磁束密度B4から磁気センサ44が検出する磁束密度eを差し引く減算器53と、減算器51の値と減算器53の値とを加算する加算器54と、加算器54の値を0.382倍にする掛算器55と、減算器52の値を1.236倍にする掛算器56と、掛算器56の値から掛算器55の値を差し引く減算器57とを有している。
【0060】
図17のグラフは非破壊検査装置30で測定したコンクリート体20の表面20A,20B(図示せず)の磁束密度を示す。グラフGa1,Gb1が鉄筋R3の屈曲部(図示せず)に破断のある場合の磁束密度であり、グラフGa2,Gb2が屈曲部に破断のない場合の磁束密度を示す。このグラフから分かるように、屈曲部に破断がある場合、グラフGa1,Gb1に大きなピークP4,P5が現れる。なお、図18は演算処理を行わなかった場合の磁束密度のグラフを示し、図17に比べて健全と破断の差が小さく、図17ほど顕著でない。
【0061】
非破壊検査装置30は、アナログ演算回路50によって磁束密度を求めているが、マイクロコンピュータを使用してデジタルで演算処理を行って求めてもよい。また、この非破壊検査装置30は、鉄筋の屈曲部の破断以外にも、他の箇所(例えば直線部分)の破断を検出することも可能であり、この場合、第1実施例と同様な方法で鉄筋を磁化させる必要はなく、鉄筋に沿って永久磁石で磁化させるだけでよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】鉄筋の磁化の方法を示した説明図である。
【図2】鉄筋の破断を検出する測定方法を示した説明図である。
【図3】非破壊検査装置の構成を示したブロック図である。
【図4】この発明に係る非破壊検査方法によって鉄筋を磁化させた場合のコンクリート体の角部の一方の面の各位置における磁束密度を示したグラフである。
【図5】この発明に係る非破壊検査方法によって鉄筋を磁化させた場合のコンクリート体の角部の他方の面の各位置における磁束密度を示したグラフである。
【図6】従来の方法によって鉄筋を磁化させた場合のコンクリート体の角部の一方の面の各位置における磁束密度を示したグラフである。
【図7】従来の方法によって鉄筋を磁化させた場合のコンクリート体の角部の他方の面の各位置における磁束密度を示したグラフである。
【図8】磁束密度が大きく変化し過ぎる場合の例を示した説明図である。
【図9】主鉄筋の屈曲部で1極に着磁される場合を示した説明図である。
【図10】磁気検知部をZ軸方向に移動させて測定する場合を示した説明図である。
【図11】磁気検知部をZ軸方向に移動させて測定した場合のZ方向位置に対する磁束密度を示したグラフである。
【図12】第2実施例の非破壊検査装置の構成を示したブロック図である。
【図13】各鉄筋による磁束密度を示した説明図である。
【図14】図13の一部を詳細に示した説明図である。
【図15】検査を行う鉄筋の磁束密度と隣の鉄筋による磁束密度を示した説明図である。
【図16】第2実施例の非破壊検査装置の演算回路の構成を示したブロック図である。
【図17】第2実施例の非破壊検査装置によって測定した磁束密度を示したグラフである。
【図18】演算処理を行わずに求めた磁束密度を示したグラフである。
【符号の説明】
【0063】
1 コンクリート体
1A,1B 表面
2 鉄筋
2a 屈曲部
4 永久磁石
H 破断
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば橋脚などのコンクリート体内に設けられている鉄筋の破断の有無を検出する非破壊検査方法と非破壊検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンクリート内の鉄筋の欠陥を検出する非破壊検査方法が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
かかる非破壊検査方法は、コンクリートに埋設された鉄筋にバイアス磁場によって長手方向に沿って平行に磁化し、鉄筋の欠損部により発生すり漏洩磁束を測定して欠損部を検出するものである。
【特許文献1】特開平6−294850号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような非破壊検査方法にあっては、鉄筋が屈曲されている場合、その屈曲部で漏洩磁界の向きが複雑になることにより、その屈曲部での破断を検出することができないという問題があった。また、コンクリートの被りが深いと鉄筋の磁化も難しく、その漏洩磁束の検出も難しいという問題があった。
【0005】
この発明の目的は、コンクリートの被りの深さに拘わりなく鉄筋の屈曲部の破断を確実に検出することのできる非破壊検査方法と非破壊検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、コンクリート体内に設けられるとともに屈曲部を有する鉄筋をそのコンクリート体の外側から永久磁石により磁化し、この後そのコンクリート体上の磁束密度を測定することによって前記屈曲部の破断の有無を検出する非破壊検査方法であって、
前記屈曲部の位置に対応するコンクリート体の表面位置から前記鉄筋の長手方向に沿って、前記永久磁石をコンクリート体の表面上を移動させることにより前記鉄筋を長手方向に沿って磁化させることを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、前記コンクリート体は角部を有し、この角部に対応して前記屈曲部が形成され、
前記角部を形成する一方の面における前記屈曲部に対応する位置から前記永久磁石を鉄筋の長手方向に沿ってその一方の面上を移動させ、
この後、角部を形成する他方の面における前記屈曲部に対応する位置から前記永久磁石を鉄筋の長手方向に沿ってその他方の面上を移動させることを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、コンクリート体内に並設されるとともに屈曲部を有する複数の鉄筋をそのコンクリート体の外側から永久磁石により磁化し、この後そのコンクリート体上の磁束密度を磁気センサで測定することによって前記屈曲部の破断の有無を検出する非破壊検査方法であって、
前記屈曲部の位置に対応するコンクリート体の表面位置から前記鉄筋の長手方向に沿って、前記永久磁石をコンクリート体の表面上を移動させることにより各鉄筋を長手方向に沿って磁化させ、
この後、前記屈曲部の位置に対応するコンクリート体の表面上を鉄筋の並設方向に沿って前記磁気センサを移動させて、前記磁束密度を測定することにより前記屈曲部の破断の有無を検出することを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、コンクリート体内に並設されるとともに屈曲部を有する複数の鉄筋をそのコンクリート体の外側から永久磁石により磁化し、この後そのコンクリート体上の磁束密度を測定することによって前記屈曲部の破断の有無を検出する非破壊検査方法であって、
前記屈曲部の位置に対応するコンクリート体の表面位置から前記鉄筋の長手方向に沿って、前記永久磁石をコンクリート体の表面上を移動させることにより各鉄筋を長手方向に沿って磁化させ、
この後、検査する目標鉄筋によるコンクリート体上の磁束密度を第1磁気センサで検出し、
この目標鉄筋の両側にある鉄筋によるコンクリート体上の磁束密度を第2,第3磁気センサで検出し、
この第2,第3磁気センサが検出する磁束密度に基づいて、第1磁気センサが検出する磁束密度のうち、前記目標鉄筋の両側にある鉄筋の磁界の影響による磁束密度成分を求め、この磁束密度成分をその磁束密度から除去した磁束密度を求めて目標鉄筋の破断の有無を検出することを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は、地磁気による前記コンクリート上の磁束密度を第4磁気センサで検出し、
この第4磁気センサが検出する磁束密度に基づいて、第1磁気センサが検出する磁束密度のうち、地磁気による影響をも除去した磁束密度を求めて目標鉄筋の破断の有無を検出することを特徴とする。
【0011】
請求項6の発明は、コンクリート体内に並行に配置された複数の鉄筋をその長手方向に沿って永久磁石により磁化し、この後、コンクリート体上の各鉄筋の磁束密度を測定することにより鉄筋の破断の有無を検出する非破壊検査装置であって、
検査する目標鉄筋によるコンクリート体上の磁束密度を検出する第1磁気センサと、
この目標鉄筋の両側にある鉄筋によるコンクリート体上の磁束密度を検出する第2,第3磁気センサと、
この第2,第3磁気センサが検出する磁束密度に基づいて、第1磁気センサが検出する磁束密度のうち、前記目標鉄筋の両側にある鉄筋の磁界の影響による磁束密度成分を求め、この磁束密度成分をその磁束密度から除去した磁束密度を求めて目標鉄筋の破断の有無を検出する演算手段とを備えていることを特徴とする。
【0012】
請求項7の発明は、地磁気による前記コンクリート上の磁束密度を検出する第4磁気センサを備え、
前記演算手段は、第4磁気センサが検出する磁束密度に基づいて、第1磁気センサが検出する磁束密度のうち、地磁気による影響をも除去した磁束密度を求めて目標鉄筋の破断の有無を検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、コンクリートの被りの深さに拘わりなく鉄筋の屈曲部の破断を確実に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明に係る非破壊検査方法と非破壊検査装置の実施の形態である実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0015】
[第1実施例]
図1において、1は例えば橋脚のコンクリート体であり、このコンクリート体1内には複数の主鉄筋2が設けられており、この主鉄筋2はコンクリート体1の角部1Aで屈曲された屈曲部2aを有している。3は補助鉄筋である。
【0016】
この主鉄筋2の屈曲部2aで破断Hが発生し易く、この屈曲部2aの破断Hを検出する非破壊検査方法について説明する。なお、主鉄筋2の位置や屈曲部2aの位置は既知である。
【0017】
先ず、例えばNd系のような希土類金属からなる永久磁石4を実線で示す屈曲部2aの位置、すなわち主鉄筋2の右端位置(図1において)である原点位置O1に置き、この永久磁石4を左方向へ移動させていくことにより、主鉄筋2の一方の部分2Aを長手方向に沿って原点位置O1から所定の長さだけ磁化させる。同様に、永久磁石4を鎖線で示す屈曲部2aの位置、すなわち主鉄筋2の上端位置(図1において)である原点位置O2に置き、この永久磁石4を左方向へ移動させていくことにより、主鉄筋2の他方の部分2Bを長手方向に沿って原点位置O2から所定の長さだけ磁化させる。
【0018】
この磁化は、永久磁石4を主鉄筋2の部分2A,2Bの長手方向に沿って往復移動させた後、最後に上記のように原点位置O1,O2から主鉄筋2の部分2A,2Bの長手方向に沿って永久磁石を移動させて行ってもよく、また、原点位置O1,O2から主鉄筋2の部分2A,2Bの長手方向に沿う移動を複数回繰り返し行ってもよい。
【0019】
次に、コンコリート体1の面1A,1Bに対して垂直方向の漏洩磁束密度をその面1A,1Bの各位置ごとに磁気センサ10により検出していく。この磁気センサ10は、高感度の例えばMIセンサあるいはフラックスゲート型センサである。
【0020】
漏洩磁束の測定は、図2に示すように磁気センサ10をコンコリート体1の面1A上に沿って移動させながら行う。すなわち、コンコリート体1の右端から左方向へ所定距離の範囲について行い、その磁気センサ10の移動方向は図2の実線位置から矢印方向へ移動させてもよく、逆に左側からコンコリート体1の右端位置へ移動させてもい。
【0021】
同様に、磁気センサ10をコンコリート体1の面1B上に沿って、コンコリート体1の上端(図2において)から下方へ所定距離の範囲について行い、その磁気センサ10の移動方向は上下(図2において)のどちらでもよい。
【0022】
図3は主鉄筋2の屈曲部2aの破断Hを検出する非破壊検査装置20を示す。この非破壊検査装置20は、磁気センサ10を有する磁気検知部11と、この磁気センサ10が検出する検出信号からコンコリート体1の面1A,1B上の磁束密度を演算して求める演算回路21と、この演算回路21が演算した磁束密度をグラフにして表示する表示部22とを備えている。
【0023】
磁気検知部11は、この磁気検知部11の移動距離を求める距離センサ(図示せず)が組み込まれている。
【0024】
演算回路21は、距離センサが求める移動距離に対応してコンコリート体1の面1A,1Bの各位置における垂直方向の磁束密度を求めるものである。
【0025】
上述のようにして主鉄筋2を磁化させた後、この主鉄筋2に沿って磁気検知部11をコンコリート体1の面1A上を移動させると、すなわち、X軸方向に沿って移動させていくと、図4に示すように、コンコリート体1の面1Aの各位置における磁束密度(面1Aと直交する方向の磁束密度)が求められていく。
【0026】
図4の鎖線で示すグラフG1が主鉄筋2の屈曲部2aに破断Hがない健全な場合の磁束密度であり、屈曲部2aに破断Hがあるとその磁束密度は実線で示すグラフG2になることが実験で分かった。このように、屈曲部2aに破断Hがあると、この屈曲部2aの近辺のマイナス側の位置(図4において原点O1の左側)で大きく減少し、マイナス方向にピークP1(谷部)が生じる。このグラフG1またはG2は表示部22に表示される。このピークP1はコンクリートの被りが深くても検出することができる。
【0027】
これに対して、屈曲部2aに破断Hがない場合には、グラフG1で示すようにピークは生じない。
【0028】
したがって、ピークP1があるかないかで、破断Hの有無を判断することができる。
【0029】
同様に、磁気検知部11をコンコリート体1の面1B上を移動させると、すなわち、Y軸方向に沿って移動させていくと、図5に示すように、コンコリート体1の面1Bの各位置における磁束密度(面1Bと直交する方向の磁束密度)が求められていく。
【0030】
図5の鎖線で示すグラフG3が主鉄筋2の屈曲部2aに破断Hがない健全な場合の磁束密度であり、屈曲部2aに破断Hがあるとその磁束密度は実線で示すグラフG4になることが実験で分かった。このように、屈曲部2aに破断Hがあると、この屈曲部2aの近辺のプラス側の位置(図5において原点O2の右側)で大きく増加し、プラス方向にピークP2が生じる。このグラフG3またはG4は表示部22に表示される。
【0031】
これに対して、屈曲部2aに破断Hがない場合には、グラフG3で示すようにピークは生じない。
【0032】
したがって、ピークP2があるかないかで、破断Hの有無を判断することができる。このピークP2はコンクリートの被りが深くても検出することができる。
【0033】
このように、コンクリートの被りが深くてもピークP1,P2の有無で破断Hの有無を判断することができる。このピークP1,P2は2つ求める必要はなく、少なくともどちらか一方のピークを検出すれば、破断Hの有無を判断することができる。ピークP1,P2の有無は表示部22に表示されるグラフG1〜G4からオペレータが判断してもよく、ピーク検出回路を用いてそのピークを検出して破断Hの有無を判断してもよい。
【0034】
ちなみに、主鉄筋2を上述の逆の方向、すなわち屈曲部2aに向かって永久磁石4を移動させて磁化させ、上述のようにしてコンコリート体1の面1A,1B上の磁束密度を測定すると、図6および図7に示すグラフG1′〜G4′のように測定される。このグラフG2′,G4′が屈曲部2aに破断Hがある場合であり、グラフG1′,G3′が屈曲部2aに破断Hがない場合を示す。
【0035】
このグラフG1′〜G4′から分かるように、上述のようなピークを検出することはできず、このため、屈曲部2aの破断Hを検出することはできない。
【0036】
上記実施例では、主鉄筋2の両側の部分2A,2Bを磁化させているが、どちらか一方を磁化させて、その磁化させた側のコンコリート体1の面1Aまたは面1B上の磁束密度を測定してもよい。
【0037】
この場合、図8のグラフG5で示すように、コンクリート体1の角側(図2の右端部側)で測定した磁束密度が大きく変化するときには、図9に示すように、主鉄筋2の屈曲部2aで1極(図9においてS極)に着磁されているためである。このように着磁されると、健全な場合でもピークP1と同じようなピークが現れるので、破断と健全との区別がつきにくくなることにより、極性を逆にして再着磁して測定をやり直す。
【0038】
上記実施例では、磁気検知部11を主鉄筋2の長手方向(X方向またはY方向)に沿って磁気検知部11を移動させて測定するが、主鉄筋2,2−1,2−2…は図10に示すようにZ軸方向に複数並設されているので、磁気検知部11をZ軸方向に移動させて測定してもよい。
【0039】
この場合の測定結果の一例を図11のグラフに示す。ここでは、主鉄筋2,2−2の屈曲部に破断があり、主鉄筋2−1,2−3は健全な場合を示す。また、グラフG5,6G,G7,G8はX軸方向に対して原点O1から−30cm,−20cm,−10cm,−5cmの位置をZ方向に移動させて測定した磁束密度を示す。
【0040】
このグラフG5,G6,G7,G8から分かるように、破断のある主鉄筋2,2−2の位置では磁束密度は低く、破断のない主鉄筋2−1,2−3の位置では磁束密度は大きくなっていることにより、破断を検出することができる。
[第2実施例]
図12は非破壊検査装置30の第2実施例を示す。この非破壊検査装置30は、コンクリート体20の面20A上を移動させる磁気検知部40と、この磁気検知部40から出力される検知信号に基づいてコンクリート体20の面20A上の磁束密度を演算する演算回路50と、この演算回路50が演算した磁束密度をグラフにして表示する表示部32とを備えている。
【0041】
磁気検知部40は、コンクリート体20の主鉄筋R1,R2,R3…の等間隔に合わせて同じ等間隔に配置された3つの磁気センサ41〜43と、コンクリート体20の面20A上の地磁気を検出する地磁気センサ44と、磁気検知部40の移動距離を求める図示しない距離センサとを有している。地磁気センサ44は鉄筋R1,R2…の磁界の影響を受けない位置に配置されている。
【0042】
この非破壊検査装置30は、4つの磁気センサ41〜44から出力される検出信号に基づいて、検査する目標鉄筋(図12の場合のR3)による磁束密度のみを抽出して、その目標鉄筋の破断を検出するものである。
[検査方法]
次に、上記のように構成される非破壊検査装置30による非破壊検査方法について説明する。
【0043】
先ず、主鉄筋R1,R2,R3…を第1実施例と同様にして、主鉄筋R1,R2,R3…の長手方向に沿って永久磁石により磁化させる。
【0044】
次に、例えば主鉄筋R3の破断を検知する場合には、図12に示すように主鉄筋R3の位置に磁気センサ42を位置させて磁気検知部40をコンクリート体20の面20A上に置く。これにより、磁気センサ41,43が主鉄筋R3の両側にある主鉄筋R2,R4の位置に位置する。なお、各主鉄筋R1,R2,R3…位置やコンクリートの被りの深さは既知である。
【0045】
そして、磁気検知部40を主鉄筋R2,R3,R4…の長手方向に沿ってコンクリート体20の面20A上を移動させていき、コンクリート体20の面20A上のその長手方向に対する各位置の磁束密度を求めて主鉄筋R3の破断を検出するものである。
【0046】
以下、主鉄筋R3の破断の検出方法について説明する。
【0047】
主鉄筋R1,R2…が複数ある場合、理論的には全ての鉄筋R1,R2…が互いに影響を及ぼすが、磁界の強さは距離に反比例することから、実用上は隣接する鉄筋の影響だけを考慮し、それ以上離れた鉄筋からの影響を無視することで十分と考えられる。
【0048】
今、図13および図14に示すように、目標としている鉄筋R3とその両隣の鉄筋R2,R4によるコンクリート体20の表面20Aの磁束密度をx2〜x4とし、鉄筋R3の位置上で測定される磁束密度をB3とする。なお、コンクリート体20は、図1に示すコンクリート体1と同様に表面20Aと図示しない表面20Bとによって角部が形成され、鉄筋R1,R2…はその角部に屈曲部(図示せず)を有している。
【0049】
磁束密度B3は、鉄筋R3による磁束密度x3の他に鉄筋R2からの磁束の垂直成分a32x2と、鉄筋R4からの磁束の垂直成分a34x4と、地磁気eとが含まれる。
【0050】
同様に、鉄筋R2上で測定される磁束密度B2は、鉄筋R2による磁束密度x2の他に鉄筋R3からの磁束の垂直成分a23x3と、鉄筋R1(図示せず)からa21x1と、地磁気eとが含まれるが、ここでは、検査する鉄筋R3の両側、つまり鉄筋R2,R4の影響のみを考慮し、鉄筋R1(図示せず)からの影響による磁束密度a21x1を無視する。鉄筋R4についても、同様に鉄筋R5(図示せず)からの影響による磁束密度a45x5を無視する。
【0051】
したがって、これらを定式化すれば次のように表され、上記の磁束密度B2〜B4の測定と地磁気eとの測定から、磁束密度をx2〜x4を求める3元連立一次方程式になる。
【0052】
鉄筋R2について:x2+a23・x3+e=B2 …(1)
鉄筋R3について:a32・x2+x3+a34・x4+e=B3 …(2)
鉄筋R4について:a43・x3+x4+e=B4 …(3)
(1)式にa32を掛け、
a32・x2+a32・a23・x3=a32(B2−e) …(4)
(3)式にa34を掛けて、
a34・a43・x3+a34・x4=a34(B4−e) …(5)
(2)式−(4)式−(5)式から
(1−a32・a23−a34・a43)x3
=(B3−e)−a32(B2−e)−a34(B4−e) …(6)
となる。よって、求めたいx3は
x3=((B3−e)−a32(B2−e)−a34(B4−e))/(1−a32・a23−a34・a43) …(7)
となる。
【0053】
ここで、被り深さおよび鉄筋間隔が一定であることから係数は全て等しくなるので、a32で代表させれば、(7)式はさらに次のようになる。
【0054】
x3=((B3−e)−a32((B2−e)+(B4−e)))/(1−2a32・a32) …(8)
となる。
【0055】
ここで、被り深さを100mm、鉄筋間隔を150mmとした場合のa32の係数を算出する。
【0056】
図15において、x3,x4はそれぞれ鉄筋R3,R4からの磁束である。測定点E3において、鉄筋R4からの影響F1は、磁界強度は距離に反比例するので、x4を用いて、
F1=x4×100/180となる。したがって、F1のコンクリート表面の垂直な成分F2は、
F2=F1×100/180=x4×(100/180)2 =0.309・x4
となり、a32(=a34)は0.309となる。
【0057】
したがって、x3=((B3−e)−0.309((B2−e)+(B4−e)))/(1−2×0.3092)となり、
x3=1.236(B3−e)−0.382((B2−e)+(B4−e))
…(10)となる。
【0058】
この(10)式に基づいてx3を求めるアナログ演算回路50の一例を図16に示す。
【0059】
演算回路50は、磁気センサ41が検出する磁束密度B2から磁気センサ44が検出する磁束密度eを差し引く減算器51と、磁気センサ42が検出する磁束密度B3から磁気センサ44が検出する磁束密度eを差し引く減算器52と、磁気センサ43が検出する磁束密度B4から磁気センサ44が検出する磁束密度eを差し引く減算器53と、減算器51の値と減算器53の値とを加算する加算器54と、加算器54の値を0.382倍にする掛算器55と、減算器52の値を1.236倍にする掛算器56と、掛算器56の値から掛算器55の値を差し引く減算器57とを有している。
【0060】
図17のグラフは非破壊検査装置30で測定したコンクリート体20の表面20A,20B(図示せず)の磁束密度を示す。グラフGa1,Gb1が鉄筋R3の屈曲部(図示せず)に破断のある場合の磁束密度であり、グラフGa2,Gb2が屈曲部に破断のない場合の磁束密度を示す。このグラフから分かるように、屈曲部に破断がある場合、グラフGa1,Gb1に大きなピークP4,P5が現れる。なお、図18は演算処理を行わなかった場合の磁束密度のグラフを示し、図17に比べて健全と破断の差が小さく、図17ほど顕著でない。
【0061】
非破壊検査装置30は、アナログ演算回路50によって磁束密度を求めているが、マイクロコンピュータを使用してデジタルで演算処理を行って求めてもよい。また、この非破壊検査装置30は、鉄筋の屈曲部の破断以外にも、他の箇所(例えば直線部分)の破断を検出することも可能であり、この場合、第1実施例と同様な方法で鉄筋を磁化させる必要はなく、鉄筋に沿って永久磁石で磁化させるだけでよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】鉄筋の磁化の方法を示した説明図である。
【図2】鉄筋の破断を検出する測定方法を示した説明図である。
【図3】非破壊検査装置の構成を示したブロック図である。
【図4】この発明に係る非破壊検査方法によって鉄筋を磁化させた場合のコンクリート体の角部の一方の面の各位置における磁束密度を示したグラフである。
【図5】この発明に係る非破壊検査方法によって鉄筋を磁化させた場合のコンクリート体の角部の他方の面の各位置における磁束密度を示したグラフである。
【図6】従来の方法によって鉄筋を磁化させた場合のコンクリート体の角部の一方の面の各位置における磁束密度を示したグラフである。
【図7】従来の方法によって鉄筋を磁化させた場合のコンクリート体の角部の他方の面の各位置における磁束密度を示したグラフである。
【図8】磁束密度が大きく変化し過ぎる場合の例を示した説明図である。
【図9】主鉄筋の屈曲部で1極に着磁される場合を示した説明図である。
【図10】磁気検知部をZ軸方向に移動させて測定する場合を示した説明図である。
【図11】磁気検知部をZ軸方向に移動させて測定した場合のZ方向位置に対する磁束密度を示したグラフである。
【図12】第2実施例の非破壊検査装置の構成を示したブロック図である。
【図13】各鉄筋による磁束密度を示した説明図である。
【図14】図13の一部を詳細に示した説明図である。
【図15】検査を行う鉄筋の磁束密度と隣の鉄筋による磁束密度を示した説明図である。
【図16】第2実施例の非破壊検査装置の演算回路の構成を示したブロック図である。
【図17】第2実施例の非破壊検査装置によって測定した磁束密度を示したグラフである。
【図18】演算処理を行わずに求めた磁束密度を示したグラフである。
【符号の説明】
【0063】
1 コンクリート体
1A,1B 表面
2 鉄筋
2a 屈曲部
4 永久磁石
H 破断
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート体内に設けられるとともに屈曲部を有する鉄筋をそのコンクリート体の外側から永久磁石により磁化し、この後そのコンクリート体上の磁束密度を測定することによって前記屈曲部の破断の有無を検出する非破壊検査方法であって、
前記屈曲部の位置に対応するコンクリート体の表面位置から前記鉄筋の長手方向に沿って、前記永久磁石をコンクリート体の表面上を移動させることにより前記鉄筋を長手方向に沿って磁化させることを特徴とする非破壊検査方法。
【請求項2】
前記コンクリート体は角部を有し、この角部に対応して前記屈曲部が形成され、
前記角部を形成する一方の面における前記屈曲部に対応する位置から前記永久磁石を鉄筋の長手方向に沿ってその一方の面上を移動させ、
この後、角部を形成する他方の面における前記屈曲部に対応する位置から前記永久磁石を鉄筋の長手方向に沿ってその他方の面上を移動させることを特徴とする請求項1に記載の非破壊検査方法。
【請求項3】
コンクリート体内に並設されるとともに屈曲部を有する複数の鉄筋をそのコンクリート体の外側から永久磁石により磁化し、この後そのコンクリート体上の磁束密度を磁気センサで測定することによって前記屈曲部の破断の有無を検出する非破壊検査方法であって、
前記屈曲部の位置に対応するコンクリート体の表面位置から前記鉄筋の長手方向に沿って、前記永久磁石をコンクリート体の表面上を移動させることにより各鉄筋を長手方向に沿って磁化させ、
この後、前記屈曲部の位置に対応するコンクリート体の表面上を鉄筋の並設方向に沿って前記磁気センサを移動させて、前記磁束密度を測定することにより前記屈曲部の破断の有無を検出することを特徴とする非破壊検査方法。
【請求項4】
コンクリート体内に並設されるとともに屈曲部を有する複数の鉄筋をそのコンクリート体の外側から永久磁石により磁化し、この後そのコンクリート体上の磁束密度を測定することによって前記屈曲部の破断の有無を検出する非破壊検査方法であって、
前記屈曲部の位置に対応するコンクリート体の表面位置から前記鉄筋の長手方向に沿って、前記永久磁石をコンクリート体の表面上を移動させることにより各鉄筋を長手方向に沿って磁化させ、
この後、検査する目標鉄筋によるコンクリート体上の磁束密度を第1磁気センサで検出し、
この目標鉄筋の両側にある鉄筋によるコンクリート体上の磁束密度を第2,第3磁気センサで検出し、
この第2,第3磁気センサが検出する磁束密度に基づいて、第1磁気センサが検出する磁束密度のうち、前記目標鉄筋の両側にある鉄筋の磁界の影響による磁束密度成分を求め、この磁束密度成分をその磁束密度から除去した磁束密度を求めて目標鉄筋の破断の有無を検出することを特徴とする非破壊検査方法。
【請求項5】
地磁気による前記コンクリート上の磁束密度を第4磁気センサで検出し、
この第4磁気センサが検出する磁束密度に基づいて、第1磁気センサが検出する磁束密度のうち、地磁気による影響をも除去した磁束密度を求めて目標鉄筋の破断の有無を検出することを特徴とする請求項4に記載の非破壊検査方法。
【請求項6】
コンクリート体内に並行に配置された複数の鉄筋をその長手方向に沿って永久磁石により磁化し、この後、コンクリート体上の各鉄筋の磁束密度を測定することにより鉄筋の破断の有無を検出する非破壊検査装置であって、
検査する目標鉄筋によるコンクリート体上の磁束密度を検出する第1磁気センサと、
この目標鉄筋の両側にある鉄筋によるコンクリート体上の磁束密度を検出する第2,第3磁気センサと、
この第2,第3磁気センサが検出する磁束密度に基づいて、第1磁気センサが検出する磁束密度のうち、前記目標鉄筋の両側にある鉄筋の磁界の影響による磁束密度成分を求め、この磁束密度成分をその磁束密度から除去した磁束密度を求めて目標鉄筋の破断の有無を検出する演算手段とを備えていることを特徴とする非破壊検査装置。
【請求項7】
地磁気による前記コンクリート上の磁束密度を検出する第4磁気センサを備え、
前記演算手段は、第4磁気センサが検出する磁束密度に基づいて、第1磁気センサが検出する磁束密度のうち、地磁気による影響をも除去した磁束密度を求めて目標鉄筋の破断の有無を検出することを特徴とする請求項6に記載の非破壊検査装置。
【請求項1】
コンクリート体内に設けられるとともに屈曲部を有する鉄筋をそのコンクリート体の外側から永久磁石により磁化し、この後そのコンクリート体上の磁束密度を測定することによって前記屈曲部の破断の有無を検出する非破壊検査方法であって、
前記屈曲部の位置に対応するコンクリート体の表面位置から前記鉄筋の長手方向に沿って、前記永久磁石をコンクリート体の表面上を移動させることにより前記鉄筋を長手方向に沿って磁化させることを特徴とする非破壊検査方法。
【請求項2】
前記コンクリート体は角部を有し、この角部に対応して前記屈曲部が形成され、
前記角部を形成する一方の面における前記屈曲部に対応する位置から前記永久磁石を鉄筋の長手方向に沿ってその一方の面上を移動させ、
この後、角部を形成する他方の面における前記屈曲部に対応する位置から前記永久磁石を鉄筋の長手方向に沿ってその他方の面上を移動させることを特徴とする請求項1に記載の非破壊検査方法。
【請求項3】
コンクリート体内に並設されるとともに屈曲部を有する複数の鉄筋をそのコンクリート体の外側から永久磁石により磁化し、この後そのコンクリート体上の磁束密度を磁気センサで測定することによって前記屈曲部の破断の有無を検出する非破壊検査方法であって、
前記屈曲部の位置に対応するコンクリート体の表面位置から前記鉄筋の長手方向に沿って、前記永久磁石をコンクリート体の表面上を移動させることにより各鉄筋を長手方向に沿って磁化させ、
この後、前記屈曲部の位置に対応するコンクリート体の表面上を鉄筋の並設方向に沿って前記磁気センサを移動させて、前記磁束密度を測定することにより前記屈曲部の破断の有無を検出することを特徴とする非破壊検査方法。
【請求項4】
コンクリート体内に並設されるとともに屈曲部を有する複数の鉄筋をそのコンクリート体の外側から永久磁石により磁化し、この後そのコンクリート体上の磁束密度を測定することによって前記屈曲部の破断の有無を検出する非破壊検査方法であって、
前記屈曲部の位置に対応するコンクリート体の表面位置から前記鉄筋の長手方向に沿って、前記永久磁石をコンクリート体の表面上を移動させることにより各鉄筋を長手方向に沿って磁化させ、
この後、検査する目標鉄筋によるコンクリート体上の磁束密度を第1磁気センサで検出し、
この目標鉄筋の両側にある鉄筋によるコンクリート体上の磁束密度を第2,第3磁気センサで検出し、
この第2,第3磁気センサが検出する磁束密度に基づいて、第1磁気センサが検出する磁束密度のうち、前記目標鉄筋の両側にある鉄筋の磁界の影響による磁束密度成分を求め、この磁束密度成分をその磁束密度から除去した磁束密度を求めて目標鉄筋の破断の有無を検出することを特徴とする非破壊検査方法。
【請求項5】
地磁気による前記コンクリート上の磁束密度を第4磁気センサで検出し、
この第4磁気センサが検出する磁束密度に基づいて、第1磁気センサが検出する磁束密度のうち、地磁気による影響をも除去した磁束密度を求めて目標鉄筋の破断の有無を検出することを特徴とする請求項4に記載の非破壊検査方法。
【請求項6】
コンクリート体内に並行に配置された複数の鉄筋をその長手方向に沿って永久磁石により磁化し、この後、コンクリート体上の各鉄筋の磁束密度を測定することにより鉄筋の破断の有無を検出する非破壊検査装置であって、
検査する目標鉄筋によるコンクリート体上の磁束密度を検出する第1磁気センサと、
この目標鉄筋の両側にある鉄筋によるコンクリート体上の磁束密度を検出する第2,第3磁気センサと、
この第2,第3磁気センサが検出する磁束密度に基づいて、第1磁気センサが検出する磁束密度のうち、前記目標鉄筋の両側にある鉄筋の磁界の影響による磁束密度成分を求め、この磁束密度成分をその磁束密度から除去した磁束密度を求めて目標鉄筋の破断の有無を検出する演算手段とを備えていることを特徴とする非破壊検査装置。
【請求項7】
地磁気による前記コンクリート上の磁束密度を検出する第4磁気センサを備え、
前記演算手段は、第4磁気センサが検出する磁束密度に基づいて、第1磁気センサが検出する磁束密度のうち、地磁気による影響をも除去した磁束密度を求めて目標鉄筋の破断の有無を検出することを特徴とする請求項6に記載の非破壊検査装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図13】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2007−139634(P2007−139634A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−335428(P2005−335428)
【出願日】平成17年11月21日(2005.11.21)
【出願人】(000144991)株式会社四国総合研究所 (116)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月21日(2005.11.21)
【出願人】(000144991)株式会社四国総合研究所 (116)
【Fターム(参考)】
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