説明

面状発熱体

【課題】本発明は、屈曲変形に対して耐久性を有するとともに安定した電気的特性を有する電極部を備えた面状発熱体を提供することを目的とするものである。
【解決手段】面状発熱体1は、絶縁性繊維材料からなる地糸である経糸20及び導電性材料を表面に被覆した導電性繊維材料からなる発熱糸である緯糸21をそれぞれ経緯方向に配列して製織した発熱部2と、発熱部2に隣接して所定幅で形成されるとともに経糸20に代えて配列された複数の導電糸30及び緯糸21を製織した電極部3とを備え、導電糸30として、芯糸に金属繊維をカバーリング加工した抵抗が1Ω/m〜50Ω/mの加工糸を用いた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた屈曲耐久性を有する電極部分を備えた面状発熱体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、室内の床暖房、ホットカーペット等の暖房装置や、結露防止装置又は曇り防止装置に面状発熱体が用いられている。また、防寒用の衣類や車両等の座席には柔軟性のある布帛状の面状発熱体が用いられており、幅広い分野で面状発熱体が実用化されている。
【0003】
面状発熱体は、通電により発熱する線状材料(ニクロム線、炭素繊維等)を面状に配置して製造される。例えば、特許文献1では、地組織を広い空隙を有する搦織組織や模紗織組織とし、電極部は織密度の高い平織組織にして、電極部以外の地組織の空隙を介して両面の熱可塑性樹脂フィルムを熱圧着した発熱体織物が記載されている。また、特許文献2では、発熱部分を耐熱・非導電性ヤーンと所要の間隔で挿入した炭素繊維とを用いた模紗織で、発熱部分の両側に炭素繊維に電極部分を炭素繊維に交差する方向に導電線を織り込んだ平織で、発熱部分と電極部分との間に耐熱・非導電性ヤーンを用いた平織の緩衝部分を製織し、得られた発熱織布にプラスチックフィルムを接着・積層した面発熱体が記載されている。また、特許文献3では、導電性繊維を含む編織物で形成された発熱部と、この発熱部を通電するための電極部とで構成された面状発熱体において、導電性繊維を、有機繊維とこの有機繊維の表面を被覆するカーボンナノチューブとで構成した面状発熱体が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−326291号公報
【特許文献2】特開平11−283731号公報
【特許文献3】特開2010−192218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び2に記載されているように、通電により発熱する炭素繊維を間隔を空けて配置する場合面全体で不均一な発熱分布が生じるようになる。また、発熱繊維がずれないようにプラスチックフィルムで熱圧着しておく必要があり、製造工程が複雑になるとともに製造コストが大きくなるデメリットがある。
【0006】
特許文献3では、織物からなる発熱部に導電性テープを導電性粘着剤で貼着したり、金属繊維を経糸として導入することで電極部を形成する点が記載されているが、導電性テープ又は金属繊維を電極部として用いた場合、屈曲変形すると断線しやすいといった課題がある。
【0007】
そこで、本発明は、屈曲変形に対して耐久性を有するとともに安定した電気的特性を有する電極部を備えた面状発熱体を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る面状発熱体は、絶縁性繊維材料からなる地糸及び導電性材料を表面に被覆した導電性繊維材料からなる発熱糸をそれぞれ経緯方向に配列して製織した発熱部と、前記発熱部に隣接して所定幅で形成されるとともに前記地糸に代えて配列された複数の導電糸及び前記発熱糸を製織した電極部とを備え、前記導電糸は、芯糸に金属繊維をカバーリング加工した抵抗が1Ω/m〜50Ω/mの加工糸である。さらに、前記導電糸は、前記芯糸に前記地糸と同一の絶縁性繊維材料からなる糸を用いている。さらに、前記導電糸は、金属繊維を3,000回/m〜8,000回/mの巻き数でカバーリング加工している。さらに、前記発熱糸は、前記地糸と同一の絶縁性繊維材料の表面にカーボンナノチューブを被覆した導電性繊維材料を用いている。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る面状発熱体は、上記のような構成を有することで、屈曲変形に対して耐久性を有するとともに安定した電気的特性を有する電極部を備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る実施形態に関する平面図である。
【図2】導電糸に関する平面図である。
【図3】実施例1に関する測定結果を示すグラフである。
【図4】実施例2に関する測定結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
【0012】
図1は、本発明に係る実施形態に関する平面図である。図1(a)に示すように、面状発熱体1は、シート状に形成されており、矩形状に形成された発熱部2の両側に隣接して電極部3が形成されている。図1(b)は、発熱部2に関する一部拡大平面図である。発熱部2は、経糸20及び緯糸21を平織で織成された織組織により形成されている。経糸20は、絶縁性繊維材料からなる地糸であり、緯糸21は、導電性材料を表面に被覆した導電性繊維材料からなる発熱糸である。
【0013】
地糸に用いる糸としては、比誘電率が4以下の電気的に絶縁性のものが好ましい。具体的には、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PTT(ポリトリメチレンテレフタレート)又はPBT(ポリブチレンテレフタレート)等のポリエステル系繊維、ナイロン(ポリアミド繊維)、アラミド(芳香族ポリアミド繊維)、ポリプロピレン又はポリエチレン等のポリオレフィン系繊維、アクリル等の合成繊維、レーヨン、アセテート等の化学繊維、綿、麻、ウール又は絹等の天然繊維が挙げられる。また、これらの繊維を複数種類混合した複合繊維を用いてもよい。糸の繊度は、22dtex〜330dtexが好ましい。
【0014】
発熱糸に用いる糸としては、地糸に用いる絶縁性繊維材料の表面に金属被覆層や炭素被覆層等の導電層を形成した導電性繊維材料からなる糸を用いるとよく、通電可能なものであれば、特に限定されない。金属被覆層を形成した導電性繊維材料としては、絶縁性繊維材料の表面に無電解メッキ処理等の公知の方法により形成したものが挙げられる。また、炭素被覆層を形成した導電性繊維材料としては、カーボンナノチューブを絶縁性繊維材料の表面にバインダーで固着させたものが挙げられる。発熱糸は、用途に合わせて複数本を合糸したものを用いることもできる。
【0015】
発熱糸として、地糸と同じ絶縁性繊維材料からなる糸を用いることで、地糸である経糸20及び発熱糸である緯糸21がほぼ同じ伸縮特性を有するようになり、織物に織成した状態でも経方向及び緯方向への伸縮変形及び屈曲変形に対して経糸20及び緯糸21が同じように変形して織組織がほとんどずれることなく耐久性を向上させることができる。また、発熱糸を地糸と同一の繊度で同じ絶縁性繊維材料からなる糸を用いることで、2つの糸を同一の伸縮特性及び屈曲特性を持たせることができるようになり、さらに耐久性を向上させることが可能となる。
【0016】
図1(c)は、電極部3に関する一部拡大平面図である。電極部3は、経糸20の代わりに導電糸30が経方向に複数本配列されており、発熱糸である緯糸21及び導電糸30を平織で織成された織組織により形成されている。
【0017】
導電糸30は、長繊維状の金属繊維を絶縁性繊維材料からなる芯糸の周囲にカバーリング加工したものである。芯糸としては、地糸に用いるような繊維材料が挙げられる。金属繊維としては、銅繊維、ニッケル繊維、錫青銅繊維、鉄繊維、銀繊維、ステンレス繊維等が挙げられ、長期間にわたって使用する場合には錆等の劣化が生じにくいニッケル繊維が好ましい。金属繊維は、導電糸30の柔軟性を損なうことなく断線に対する強度を備えていることが望ましく、金属細線の場合には直径が10μm〜100μmの太さのものが好ましい。直径が10μmより細い場合にはカバーリング加工時に断線するおそれがあり、直径が100μmより太くなると、導電糸30の全体の直径が太くなって発熱部の変形特性と異なる特性になり、面状発熱体の変形特性に悪影響を及ぼすようになる。
【0018】
カバーリング加工としては、シングルカバーリング加工及びダブルカバーリング加工があり、図2には、芯糸31の周囲に金属繊維32を2重に巻き付けたダブルカバーリング加工を施した導電糸を示している。このように複数本の金属繊維を交差するように巻き付けることで、金属繊維同士が互いに接触して金属繊維の断線に対して耐久性を有するようになる。なお、巻き付ける金属繊維の本数は2本以上でもよい。
【0019】
導電糸30は、電気的に低抵抗のものが望ましく、電気抵抗が1Ω/m〜50Ω/mに設定することが好ましい。電気抵抗が50Ω/mを超えると、電極部3の消費電力が大きくなって発熱しやすくなり、発熱部2が均一に発熱することを妨げるようになる。
【0020】
導電糸30は、カバーリング加工する金属繊維の巻き数を3,000回/m〜8,000回/mに設定することで、芯糸とほぼ同じ特性を有するようになる。そのため、芯糸として緯糸21に用いた絶縁性繊維材料からなる糸を用いることで、緯糸21及び導電糸30が同じような柔軟性及び伸縮性を有するようになって電極部3が屈曲又は伸縮しても、導電糸30が断線したりずれることなく電極部3の変形に追従することが可能となる。そのため、発熱糸である緯糸21及び導電糸30が常時安定した接触状態となって安定した電気的特性を有する電極部を形成することができる。また、導電糸を発熱糸と同一の繊度で同じ絶縁性繊維材料からなる糸を用いることで、2つの糸を同一の伸縮特性及び屈曲特性を持たせることができるようになり、さらに電気的特性を安定させることが可能となる。
【0021】
また、経糸20、緯糸21及び導電糸30が同じ絶縁性繊維材料からなる糸を用いることで、面状発熱体全体が同じ伸縮特性及び屈曲特性を有するようになり、面状発熱体全体の変形に対して糸のずれがほとんど生じることのない耐久性を備えるようになる。
【0022】
発熱部2の発熱量は、発熱糸である緯糸21の単位長さ当りの電気抵抗が一定の場合、発熱部2に供給される電流密度により決定されるが、電流密度は、単位幅(緯糸21の糸長方向と直交する方向の幅)当りの緯糸21の本数(以下「密度本数」という)により決めることができる。そのため、面状発熱体の用途に合わせて緯糸21の密度本数を調整することで、簡単に発熱量を設定することができる。緯糸21の密度本数を調整する場合、緯糸21の間に地糸と同じ絶縁性繊維材料からなる糸を配列して密度本数を少なくすることも可能で、このように密度本数を調整すれば、面状発熱体の伸縮特性及び屈曲特性をほとんど変更することなく発熱量を調整することができる。
【0023】
発熱糸である緯糸21の密度本数に基づいて面状発熱体の発熱設計を行う場合、すべての発熱糸に電極部3から均等に電流が供給されていることが前提となる。上述したように電極部3では緯糸21及び導電糸30が安定した接触状態となっており、さらに1本の緯糸21に複数本の導電糸30が接触しているため、各緯糸21と電極部3との間の電気的接続状態をほぼ同じ状態にすることができる。したがって、各緯糸21にほぼ均等な電流が流れて発熱糸の密度本数による発熱設計が可能となり、発熱部全体が均等に発熱する実用性の高い面状発熱体を実現することができる。
【0024】
上述した面状発熱体を製織する場合には、公知の織機を用いて平織により織成することができる。経糸として所定本数の地糸の両側に複数本の導電糸を配列し、緯糸として発熱糸を織り込むことで、発熱部及び電極部を同時に織成することができる。そして、所定間隔を置いて配列された複数本の導電糸により形成された電極部の間に発熱部が形成された織物が製織される。そして、面状発熱体のサイズに応じた経方向の長さで切断することで、発熱部の両側に電極部を形成した面状発熱体を得られる。
【0025】
面状発熱体のサイズが大きい場合には、経方向に配列した地糸の両側以外に中間部にも導電糸を配列して、面状発熱体の中間部分にも電極部を形成するように構成することもできる。そのため、様々な用途やサイズに対応した面状発熱体を容易に製造することが可能となる。また、製織された面状発熱体に対して電極部をプレスしたり、導電性ペーストを付与して発熱糸と導電糸との導通状態をさらに高めるようにすることもできる。
【0026】
なお、以上説明した例では、緯糸に発熱糸を用いているが、経糸に発熱糸を用いて緯糸を地糸及び導電糸にすることもできる。また、平織以外にも朱子織、斜文織により面状発熱体を織成することも可能で、こうした三大織組織を変化させた織組織を用いることもできる。
【実施例】
【0027】
<実施例1>
地糸として、ポリエステルマルチフィラメントからなる糸(84dtex/36f)を用いた。また、発熱糸として、カーボンナノチューブをポリエステルマルチフィラメントの表面に固着した糸(クラレリビング株式会社製;製品名CNTEC、84dtex/48f、電気抵抗値103Ω/cm)を用いた。
【0028】
導電糸として、直径50μmの銅細線2本をポリエステルマルチフィラメントからなる糸(167dtex/48f)に巻き付けるカバーリング加工を行った加工糸を用いた。単位長さ当りの電気抵抗値は5Ω/mであった。
【0029】
導電糸を16本配列して経糸とし、緯糸に発熱糸を用いて平織により織成した2cm幅のサンプルを作成し、スコット型もみ試験機により疲労試験を行った。疲労試験は、サンプルの一端を固定し、他端を4cm幅で往復移動させてサンプルを90度屈曲させる動作を繰り返し行った。1往復を1回として、1,000回毎に導電糸の電気抵抗を測定して合計25,000回屈曲動作を行った。電気抵抗の測定結果をみると、抵抗値にはほとんど変化が見られなかった。また、1,000回毎に導電糸を顕微鏡で観察したところ、4,000回以上では銅細線に断線した部分が見られるようになったが、導電糸の電気抵抗に影響を及ぼすものではなく、電極部として使用する上で十分な耐久性を備えるものであることが確認できた。
【0030】
経糸として地糸及び導電糸を配列し、緯糸として発熱糸を配列して、経糸密度200本/インチ及び緯糸密度87本/インチで平織により製織した。製織された織物は、地糸が経方向に配列された発熱部分と、発熱部分の両側にそれぞれ導電糸が16本ずつ経方向に配列された電極部分とが形成されており、発熱部分の緯方向の幅は32cmで、電極部分の緯方向の幅は0.6cmであった。
【0031】
製織された織物を経方向の長さ50cmで切断し、発熱部の両側に一対の電極部が形成された面状発熱体を作成した。面状発熱体は、電極部の間に形成された発熱部が経方向の長さ50cmで緯方向の幅32cmの矩形状に形成され、発熱糸の密度本数が87本/インチであった。
【0032】
作成した面状発熱体の電極部の端部に導電性接着剤により端子部品を固着し、端子部品に電源を供給して面状発熱体を発熱させた。発熱状態をサーモグラフィで観察したところ全体にムラなく表面温度が上昇しており、全体にほぼ均等に発熱していることが確認できた。
【0033】
また、面状発熱体に印加する電圧を変化させて、電流、電気抵抗、消費電力及び表面温度を測定した。測定の間の外気温度は約28℃であった。測定結果を図3に示す。この測定結果をみると、電圧が上昇するに従い電流はほぼ比例するように上昇し、電気抵抗値は電圧により変動することが少ないことがわかる。そのため、面状発熱体の表面温度の設定を正確に行うことができるようになる。
【0034】
<実施例2>
実施例1と同じ地糸、発熱糸及び導電糸を用い、経糸として地糸及び導電糸を配列し、緯糸として発熱糸を配列して、経糸密度200本/インチ及び緯糸密度124本/インチで朱子織により製織した。製織された織物は、地糸が経方向に配列された発熱部分と、発熱部分の両側にそれぞれ導電糸が16本ずつ経方向に配列された電極部分とが形成されており、発熱部分の緯方向の幅は32cmで、電極部分の緯方向の幅は0.6cmであった。
【0035】
製織された織物を縦方向の長さ50cmで切断し、発熱部の両側に一対の電極部が形成された面状発熱体を作成した。面状発熱体は、電極部の間に形成された発熱部が経方向の長さ50cmで緯方向の幅32cmの矩形状に形成され、発熱糸の密度本数が124本/インチであった。
【0036】
実施例1と同様に、製織された織物を切断して面状発熱体を作成して電極部に端子部品を固着し、端子部品に電源を供給して面状発熱体を発熱させた。発熱状態をサーモグラフィで観察したところ全体にムラなく表面温度が上昇しており、実施例1と同様に、全体にほぼ均等に発熱していることが確認できた。
【0037】
面状発熱体に印加する電圧を変化させて、実施例1と同様に測定を行った。測定結果を図4に示す。この測定結果をみると、実施例1と同様に、電圧が上昇するに従い電流はほぼ比例するように上昇し、電気抵抗値は電圧により変動することが少ないことがわかる。
【0038】
100Vの電圧を印加した状態では、実施例1では、電流値が0.65Aであり、発熱部の発熱糸の密度本数87本/インチとの比率は、
0.65÷87=0.0075
となる。また、実施例2では、電流値が0.91Aであり、発熱部の発熱糸の密度本数124本/インチとの比率は、
0.91÷124=0.0073
となる。したがって、密度本数にほぼ比例して電流値が上昇するようになっており、面状発熱体の発熱糸の密度本数に基づいて電流密度を設定することが可能となる。このように、本発明に係る面状発熱体を用いることで、正確な発熱設計を行うことができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明に係る面状発熱体は、発熱量を正確に設定することができることから、発熱体を使用する幅広い用途に対応することができる。例えば、柔軟性及び屈曲耐久性を有していることから、乗り物用の座席シートに使用することができる。また、厚さが薄く柔軟性を有していることから、建築物の屋内用の暖房装置(結露防止装置、防曇装置、床暖房、壁暖房、ホットカーペット等)に使用することができる。また、軽量で柔軟性を備えており、容易に加工できることから、防寒用の衣料品や身の回り品(ジャケット、ベスト等の上着、ひざ掛け、寝具、靴、カイロ等)にも使用できる。さらに、屋根や道路などの屋外設備(融雪装置、凍結防止装置等)、農業用の暖房設備(園芸用敷設マット等)といった用途にも対応可能である。
【符号の説明】
【0040】
1・・・面状発熱体、2・・・発熱部、3・・・電極部、20・・・経糸、21・・・緯糸、30・・・導電糸、31・・・芯糸、32・・・金属繊維

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性繊維材料からなる地糸及び導電性材料を表面に被覆した導電性繊維材料からなる発熱糸をそれぞれ経緯方向に配列して製織した発熱部と、前記発熱部に隣接して所定幅で形成されるとともに前記地糸に代えて配列された複数の導電糸及び前記発熱糸を製織した電極部とを備え、前記導電糸は、芯糸に金属繊維をカバーリング加工した抵抗が1Ω/m〜50Ω/mの加工糸である面状発熱体。
【請求項2】
前記導電糸は、前記芯糸に前記地糸と同一の絶縁性繊維材料からなる糸を用いている請求項1に記載の面状発熱体。
【請求項3】
前記導電糸は、金属繊維を3,000回/m〜8,000回/mの巻き数でカバーリング加工している請求項1又は2に記載の面状発熱体。
【請求項4】
前記発熱糸は、前記地糸と同一の絶縁性繊維材料の表面にカーボンナノチューブを被覆した導電性繊維材料を用いている請求項1又は2に記載の面状発熱体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−77384(P2013−77384A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215089(P2011−215089)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(502078996)松文産業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】