説明

音声ガイダンス管理サーバおよび医用画像診断装置

【課題】外国籍の患者に対応する音声ガイダンスをその患者が理解できる言語を用いて容易にしかも確実に行うことができ、検査作業の効率化を図ることができる音声ガイダンス管理サーバおよび医用画像診断装置を提供する。
【解決手段】音声ガイダンス管理サーバ10Aは、予め検査手法と検査手法に対応した音声ガイダンスを複数の言語ごとに保管する検査・音声ガイダンス対応保管部13と、予約検査サーバから登録済みの患者の検査手法と患者の言語情報を有する検査情報を取得する検査情報取得部11と、検査情報取得部11から患者の検査手法と患者の言語情報を取得し、検査・音声ガイダンス対応保管部13から検査手法と患者の言語に対応する音声ガイダンスを取得して、検査・音声ガイダンス情報V1として医用画像診断装置100に通知する検査情報制御部12とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声ガイダンス管理サーバおよび音声ガイダンス管理サーバを有する医用画像診断装置に関し、特に病院や診療所等において医用画像診断装置により患者を検査する際に音声ガイダンスを行う音声ガイダンス管理サーバおよび医用画像診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばX線CT(Computed Tomography)装置やMRI(Magnetic Resonance Imaging)等の病院や診療所等におけるモダリティ(医用画像診断装置あるいは医用装置)は、そのモダリティを据え付ける時の据え付け地に対応する言語の設定を行うことにより、据え付け地向けの音声ガイダンスを検査の際に使用することができる。例えば、X線CT装置が日本国内に据え付けられる時には、音声ガイダンスの言語としては日本語が設定され、X線CT装置が米国内に据え付けられる時には、音声ガイダンスの言語としては英語が設定される。
【0003】
モダリティを用いて患者の検査を行う際には、検査を安全にしかも迅速に行うために、患者への注意事項等を現地の言葉で伝達する、いわゆる音声ガイダンスを実施している。これにより、患者に対しては据え付け地ごとの現地言語での音声ガイダンスを行うことができ、患者が検査を受ける際に患者の負担を軽減するとともに、検査の効率化に寄与することができる。
【0004】
音声を用いる医用装置の例としては、患者の前で使用した言葉を、音声認識によるテキスト変換時にその診察や検査等が行われた場面や状況に応じて適切な言葉に変換して、電子カルテ等に表示させる医療支援装置が提案されている(特許文献1を参照。)、
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008―136646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、国際グローバル化が進むにつれて、例えば日本国内において例えば英語だけしか話せない外国籍の患者が病院に来て、患者が診察や検査を受けることが増えてきている。このため、必ずしも医用画像診断装置の据え付け時に設定された例えば日本語の音声ガイダンス内容、一例として「息を止めてください」といった日本語の音声ガイダンス内容が、その英語しか話せない外国籍の患者に理解できないことが多くなっている。
【0007】
音声ガイダンスは対応する複数の言語ごとに用意されているが、医用画像診断装置を現地に据え付ける時には、その据え付ける現地に対応する言語を選択して据え付ける。このために、医用画像診断装置を据え付けた際に選択された言語以外の言語に対する音声ガイダンスを、外国籍の患者に対して使用することができない。
【0008】
このように、例えば日本語のような現地語を理解できず英語しか話せない外国籍の患者を検査する場合には、据え付け時の日本語の音声ガイダンス内容を理解できないので、担当の医者等の医療従事者がその音声ガイダンス内容を予め日本語から英語に翻訳して外国籍の患者に伝えておく必要がある。そのために、実際の医療検査業務に支障をきたし、外国籍の患者が説明資料(検体検査結果等)を理解できず、検査作業の効率化が阻害されてしまう。このような日本語のような現地語を理解できず英語しか話せない外国籍の患者を検査する場合には、据え付け時の日本語の音声ガイダンス内容を理解できないという問題は、特許文献1の技術では解消できない。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、外国籍の患者に対応する音声ガイダンスをその患者が理解できる言語を用いて容易にしかも確実に行うことができ、検査作業の効率化を図ることができる音声ガイダンス管理サーバおよび医用画像診断装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、音声ガイダンス管理サーバにおいて、予め検査手法と前記検査手法に対応した音声ガイダンスを複数の言語ごとに保管する検査・音声ガイダンス対応保管部と、
予約検査サーバから登録済みの患者の検査手法と前記患者の言語情報を有する検査情報を取得する検査情報取得部と、
前記検査情報取得部から前記患者の前記検査手法と前記患者の言語情報を取得し、前記検査・音声ガイダンス対応保管部から前記検査手法と前記患者の言語に対応する前記音声ガイダンスを取得して、検査・音声ガイダンス情報として医用画像診断装置に通知する検査情報制御部と、
を備えることを特徴とする。これにより、外国籍の患者に対応する音声ガイダンスをその患者が理解できる言語を用いて容易にしかも確実に行うことができ、検査作業の効率化を図ることができる。
【0011】
請求項2の発明は、音声ガイダンス管理サーバにおいて、予め前記検査手法と前記検査手法を実施するのに必要な音声ガイダンスを含む検査手順を保管する検査手法・音声ガイダンス手順保管部をさらに備え、
前記検査情報制御部は、前記検査情報取得部から前記患者の前記検査手法と前記患者の言語情報を取得し、前記検査・音声ガイダンス対応保管部から前記検査手法と前記患者の言語に対応する前記音声ガイダンスを取得し、しかも前記検査手法・音声ガイダンス手順保管部から前記検査手法と前記検査手法を実施するのに必要な音声ガイダンスを含む検査手順を取得して、検査・音声ガイダンス情報として前記医用画像診断装置に通知することを特徴とする。これにより、外国籍の患者に対応する音声ガイダンスをその患者が理解できる言語を用いて容易にしかも確実に行うことができ、検査作業の効率化を図ることができる。しかも、患者に対して検査手法を実施するのに必要な音声ガイダンスを含む検査手順をもガイダンスできるので、患者が検査手順を理解でき患者に対して検査を受ける時に安心感を与えることができる。
【0012】
請求項3の発明は、医用画像診断装置において、予め検査手法と前記検査手法に対応した音声ガイダンスを複数の言語ごとに保管する検査・音声ガイダンス対応保管部と、
予約検査サーバから登録済みの患者の検査手法と前記患者の言語情報を有する検査情報を取得する検査情報取得部と、
前記検査情報取得部から前記患者の前記検査手法と前記患者の言語情報を取得し、前記検査・音声ガイダンス対応保管部から前記検査手法と前記患者の言語に対応する前記音声ガイダンスを取得して、検査・音声ガイダンス情報として通知する検査情報制御部と、を備える音声ガイダンス管理サーバを有することを特徴とする。これにより、外国籍の患者に対応する音声ガイダンスをその患者が理解できる言語を用いて容易にしかも確実に行うことができ、検査作業の効率化を図ることができる。
【0013】
請求項4の発明は、医用画像診断装置において、前記音声ガイダンス管理サーバは、予め前記検査手法と前記検査手法を実施するのに必要な音声ガイダンスを含む検査手順を保管する検査手法・音声ガイダンス手順保管部をさらに備え、
前記検査情報制御部は、前記検査情報取得部から前記患者の前記検査手法と前記患者の言語情報を取得し、前記検査・音声ガイダンス対応保管部から前記検査手法と前記患者の言語に対応する前記音声ガイダンスを取得し、しかも前記検査手法・音声ガイダンス手順保管部から前記検査手法と前記検査手法を実施するのに必要な音声ガイダンスを含む検査手順を取得して、検査・音声ガイダンス情報として通知することを特徴とする。これにより、外国籍の患者に対応する音声ガイダンスをその患者が理解できる言語を用いて容易にしかも確実に行うことができ、検査作業の効率化を図ることができる。しかも、患者に対して検査手法を実施するのに必要な音声ガイダンスを含む検査手順をもガイダンスできるので、患者が検査手順を理解でき患者に対して検査を受ける時に安心感を与えることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、外国籍の患者に対応する音声ガイダンスをその患者が理解できる言語を用いて容易にしかも確実に行うことができ、検査作業の効率化を図ることができる音声ガイダンス管理サーバおよび医用画像診断装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態1における音声ガイダンス管理サーバと、患者・検査情報サーバとモダリティを含む医療画像診断システムを示す図である。
【図2】図1の実施形態1の医療画像診断システムにおける音声ガイダンス管理サーバの動作例を図である。
【図3】本発明の実施形態2を示す図である。
【図4】本発明の実施形態3を示す図である。
【図5】本発明の実施形態4を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1における音声ガイダンス管理サーバと、患者・検査情報サーバとモダリティを含む医用画像診断システムを示している。
【0018】
図1に示すように、音声ガイダンス管理サーバ10は、患者・検査情報サーバ1に対して通信ネットワークN1により接続されている。患者・検査情報サーバ1は、モダリティ100に対して通信ネットワークN2により接続されている。音声ガイダンス管理サーバ10は、モダリティ100に対して通信ネットワークN3により接続されている。これらの通信ネットワークN1〜N3は、例えば病院内に構築されたLAN(Local Area Network)等のネットワークであり、音声ガイダンス管理サーバ10と患者・検査情報サーバ1とモダリティ100は、通信可能に接続されて、医用画像診断に利用されるシステムである。
【0019】
図1に示す患者・検査情報サーバ1は、検査情報管理部分2を有しており、例えばRIS(Radiology Information Sysytem:放射線科情報システム)等の予約検査サーバである。このRISは、主に放射線機器による検査と治療の予約から検査結果までの管理を行うシステムであり、例えば予約しようとする患者の患者情報や検査情報等の内容は、HIS(病院情報システム:Hospital Information System)の受付端末から入力することで取得できる。
【0020】
図1に示すモダリティ100は、医用画像診断装置の例であり。例えばX線診断装置、X線CT装置、MRI装置、核医学診断装置、超音波診断装置等の任意の医用装置であり、特に限定されない。
【0021】
このX線診断装置は、被検体のX線画像(レントゲン画像)を撮影する装置である。X線CT装置は、被検体の断層像等のX線CT画像を撮影する装置である。MRI装置は、被検体の磁気共鳴画像(MR画像)を撮影する装置である。核医学診断装置は、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography:単光子放出断層撮影法)装置、PET(Position Emission Tomography:陽電子放出断層撮影法)装置等である。超音波診断装置は、超音波画像(エコー画像)を撮影する装置である。
【0022】
図1に示すように、患者・検査情報サーバ1の検査情報管理部分2は、モダリティ100に対してネットワークN2を通じて、予約患者の予約検査情報Fを送るようになっている。予約患者の予約検査情報Fの内容例としては、例えば外国籍の患者の対応言語が英語であり、検査方法はMRA(脳血管造影)を含んでいる。
【0023】
図2は、図1の実施形態1の医用画像診断システムにおける音声ガイダンス管理サーバ10の動作例を示している。例えば、予約しようとする患者は、受付端末等を用いて、検査情報管理部分2に対して図2に例示するように、患者情報MIと検査情報SIを登録することができる。
【0024】
図1に示すように、音声ガイダンス管理サーバ10は、検査情報取得部11と、検査情報制御部12と、検査・音声ガイダンス対応保管部13と、検査手法・音声ガイダンス手順保管部14を有している。
【0025】
図1の検査情報取得部11は、患者・検査情報サーバ1の検査情報管理部分2に対して通信ネットワークN1により通信可能に接続されている。検査情報制御部12は、モダリティ100に対してネットワークN3により通信可能に接続されている。
【0026】
図1に示す検査情報取得部11は、患者・検査情報サーバ1の検査情報管理部分2から通信ネットワークN1を通じて、予め決められたルール(時刻)ごとの自動的な操作、あるいは操作者の任意の操作によって、登録済みの予約患者の検査手法と患者の言語情報を有する検査情報を取得することができる。
【0027】
検査情報制御部12は検査情報取得部11に電気的に接続されており、検査情報制御部12は、検査情報取得部11から予約患者の検査手法と患者の言語情報Rを取得する。
【0028】
検査・音声ガイダンス対応保管部13は、予め参照テーブルT1を備えており、予め病院内で使用される検査手法とその検査手法が行われる際に適用される多国語対応の音声ガイダンスを保管して管理している。参照テーブルT1には、予め病院内で使用される検査名20と音声ガイダンス言語21が含まれている。
【0029】
この検査名20としては、参照テーブルT1に例示するように、検査手法(1)であるMRA(脳血管造影)や、検査手法(2)であるFMRI(Functional Magnetic Resonance Imaging)である。MRAは、MRIと同じ撮影装置により造影剤を用いずに脳血管を撮影することで血流だけの情報を画像化する検査である。FMRIは、MRIを利用して脳やせき髄の活動に関連した血流動態反応を視覚化する検査である。音声ガイダンス言語21は、参照テーブルT1に例示するように例えば英語、日本語、中国語である。
【0030】
このように、検査・音声ガイダンス対応保管部13では、この参照テーブルT1に示すように予め病院内で使用される検査手法とその際に適用される多国語対応の音声ガイダンスを保管して管理しておくが、この際には、検査・音声ガイダンス対応保管部13上では、操作者により音声ガイダンスを入力して設定することもできる。また、検査手法を保険会社等のサーバから取得しても構わない。
【0031】
また、図1に示す検査手法・音声ガイダンス手順保管部14は、予め参照テーブルT2を備えている。この参照テーブルT2には、検査手法22とその検査手法22を実施するのに必要な音声ガイダンスを含む詳細な検査手順23が含まれている。参照テーブルT2に例示するように、検査手法(1)は、すでに説明したMRAであり、参照テーブルT2では、詳細な検査手順23は、この検査手法(1)を実施するのに必要な手順(1)、手順(2)、音声ガイダンス(3)、手順(4)、音声ガイダンス(5)を含んでいる。
【0032】
このように、図1に示す検査手法・音声ガイダンス手順保管部14は、この参照テーブルT2に示すように、予め病院内で使用される検査手法とその検査手法を実施するのに必要な音声ガイダンスを含む詳細な検査手順を保管して管理しておく。
【0033】
図1に示す検査情報制御部12は、検査・音声ガイダンス対応保管部13から検査手法と言語に対応する音声ガイダンスの情報Wを取得するとともに、検査情報制御部12は、検査手法・音声ガイダンス手順保管部14から検査手法とこの検査手法の中で行われる詳細な検査手順の情報Sを取得する。これにより、検査情報制御部12は、患者の検査手法と患者の言語に対応する音声ガイダンスの情報W、および検査手法の中で行われる音声ガイダンスを含む詳細な検査手順の情報Vを、モダリティ100に対して通知する。この詳細な検査手順の情報Vには、検査手法における音声ガイダンスを実施するためのタイミング等を記述することができる。
【0034】
そこで、モダリティ100は、患者・検査情報サーバ1の検査情報管理部分2から取得した予約検査情報Fを実施する際に、検査に対する詳細な検査手順の情報Vに記述されているタイミングに従って、患者に対して該当する音声ガイダンスを実施することができる。これにより、音声ガイダンス管理サーバ10は、外国籍の患者に対応する音声ガイダンスをその患者が理解できる言語を用いて容易にしかも確実に行うことができ、検査作業の効率化を図ることができる。
【0035】
次に、図1に示す実施形態1の音声ガイダンス管理サーバ10の動作例を、図2を参照して説明する。図2は、図1の実施形態1の医用画像診断システムにおける音声ガイダンス管理サーバ10の動作例を示している。
【0036】
図2に示すように、例えば、予約の患者(被検体ともいう)Mが、患者Mの予約用の受付50にある受付端末40を用いてRISのような患者・検査情報サーバ1の検査情報管理部分2に対して、患者情報MIと検査情報SIを登録する。RISで患者情報MIと検査情報SIを登録の際には、例えばDICOM(医療画像情報システムの標準規格)等で患者Mの言語を登録することを想定している。患者情報MIとしては、例えば患者Mの対応言語は英語であり、検査情報SIとしては、例えば使用する装置はMRIを使用し、検査手法(1)をMRAとし、検査手法(2)はFMRIである。
【0037】
図2と図1に示す音声ガイダンス管理サーバ10の検査情報取得部11は、患者・検査情報サーバ1の検査情報管理部分2に登録された患者情報MIと検査情報SIを、通信ネットワークN1を通じて取得する。すなわち、検査情報取得部11は、予め決められたルール(時刻)ごとの自動的な操作、あるいは操作者の任意の操作によって登録された、例えば患者Mの対応言語(英語、言語情報)と患者Mの検査手法(1)を取得する。
【0038】
一方、モダリティ100は、患者・検査情報サーバ1の検査情報管理部分2に登録された患者情報MIと検査情報SIを、図1に示す予約検査情報Fとして、通信ネットワークN2を通じて取得する。
【0039】
次に、図1に示すように、検査情報制御部12は、検査情報取得部11から患者Mの検査手法と患者Mの言語情報Rを取得する。検査情報制御部12は、検査情報取得部11からの患者Mの検査手法と患者Mの言語情報Rに基づいて、検査・音声ガイダンス対応保管部13から検査手法と言語に対応する音声ガイダンスの情報Wを取得する。しかも、検査情報制御部12は、検査情報取得部11からの患者Mの検査手法と患者Mの言語情報Rに基づいて、検査手法・音声ガイダンス手順保管部14から検査手法とこの検査手法の中で行われる詳細な検査手順の情報Sを取得する。
【0040】
その後、検査情報制御部12は、患者Mの検査手法と患者Mの言語情報に対応する音声ガイダンスの情報W、および検査手法の中で行われる音声ガイダンスを含む詳細な検査手順の情報Sを、検査・音声ガイダンス情報Vとしてモダリティ100に通知する。図2に示す通知例としては、例えばMR FMRIによる検査の場合には、日本語の「指先に刺激装置をつけます。多少痛く感じるかもしれません」という内容に対応する、英語の「Setting up the some equipment on the・・・」を通知する。また、MR MRAによる検査の場合には、日本語の「頭部を動かさないでください」という内容に対応する、英語の「Please keep your head・・・」を通知する。
【0041】
このように、予め音声ガイダンス管理サーバ10の検査・音声ガイダンス対応保管部13内に登録された検査手法と、この検査手法に対応する音声ガイダンスと、検査手法・音声ガイダンス手順保管部14内に登録された検査手法と、この検査手法に対応する音声ガイダンスを含めた詳細な検査手順とを、検査・音声ガイダンス情報Vとしてモダリティ100に通知する。このため、患者Mが理解できる言語(この例では英語)、図示例では英語しか話せない患者Mは、英語による音声ガイダンスを容易にかつ確実に受けることができ、検査手順で決められた順序とタイミングにより患者Mの音声ガイダンスを行うことができる。
【0042】
モダリティ100では、外国籍の患者Mは英語の音声ガイダンス内容を理解でき、患者Mを効率良く検査することができ、検査の効率化が図れる。また、イメージングセンター等において複数の同じモダリティを用いる場合であっても、同一の検査手順と同一の音声ガイダンスを効率よく実施することができる。
【0043】
上述した例では、日本語を理解できない患者Mの使用言語を英語にしているが、特に限定されず、患者Mの使用言語は日本語であっても中国語であっても良い。患者Mの使用言語は日本語である場合とは、例えば米国内に医用画像診断装置が据え付けられた場合に、日本語しか理解できない日本人が検査を受けようとする場合に音声ガイダンスで使用する言語が日本語である。同様にして、患者Mの使用言語は中国語である場合とは、例えば米国内に医用画像診断装置が据え付けられた場合に、中国語しか理解できない中国人が検査を受けようとする場合に音声ガイダンスで使用する言語が中国語である。
【0044】
以上のようにして、図1と図2に示す音声ガイダンス管理サーバ10は、外国籍の患者Mに対応する音声ガイダンスをその患者Mが理解できる言語を用いて容易にしかも確実に行うことができ、検査作業の効率化を図ることができる。しかも、患者に対して検査手法を実施するのに必要な音声ガイダンスを含む検査手順をもガイダンスできるので、患者が検査手順を理解でき患者に対して検査を受ける時に安心感を与えることができる。
【0045】
(実施形態2)
図3は、本発明の実施形態2を示している。
【0046】
図3に示す実施形態2では、音声ガイダンス管理サーバ10Aが、図1に示す実施形態1の音声ガイダンス管理サーバ10と異なるのは、図1に示す検査手法・音声ガイダンス手順保管部14が除かれていることである。このため、音声ガイダンス管理サーバ10Aを構成している他の要素、すなわち図3に示す音声ガイダンス管理サーバ10Aの検査情報取得部11と、検査情報制御部12と、検査・音声ガイダンス対応保管部13は、図1に示す音声ガイダンス管理サーバ10の検査情報取得部11と、検査情報制御部12と、検査・音声ガイダンス対応保管部13と実質的に同じであるので、同じ符号を記して説明を用いることにする。
【0047】
図3に示す検査情報制御部12は、検査情報取得部11からの患者Mの検査手法と患者Mの言語情報Rに基づいて、検査・音声ガイダンス対応保管部13から検査手法と患者の言語に対応する音声ガイダンスの情報Wを取得する。これにより、検査情報制御部12は、患者の検査手法と患者の言語に対応する音声ガイダンスの情報Wを、検査・音声ガイダンス情報V1としてモダリティ100に通知する。この検査・音声ガイダンス情報V1には、検査手法における音声ガイダンスを実施するためのタイミング等を記述することができる。
【0048】
そこで、モダリティ100は、患者・検査情報サーバ1の検査情報管理部分2から取得した予約検査情報Fを実施する際に、患者に対して該当する言語の音声ガイダンスを実施することができる。これにより、外国籍の患者に対応する音声ガイダンスを容易にしかも確実に行うことができ、検査作業の効率化を図ることができる。
【0049】
以上のようにして、音声ガイダンス管理サーバ10Aは、外国籍の患者Mに対応する音声ガイダンスをその患者Mが理解できる言語を用いて容易にしかも確実に行うことができ、検査作業の効率化を図ることができる。
【0050】
(実施形態3)
図4は、本発明の実施形態3を示している。
【0051】
図4に示す実施形態3では、音声ガイダンス管理サーバ10がモダリティ100の中に配置されている例を示している。これに対して、図1と図2に示す実施形態1では、音声ガイダンス管理サーバ10がモダリティ100とは別になるように、モダリティ100の外部に配置され、音声ガイダンス管理サーバ10がモダリティ100とはネットワークN3により接続されている。
【0052】
図4に示すように、音声ガイダンス管理サーバ10がモダリティ100の中に配置されているが、音声ガイダンス管理サーバ10を構成している要素、すなわち図4に示す音声ガイダンス管理サーバ10の検査情報取得部11と、検査情報制御部12と、検査・音声ガイダンス対応保管部13と、検査手法・音声ガイダンス手順保管部14は、図1に示す音声ガイダンス管理サーバ10の検査情報取得部11と、検査情報制御部12と、検査・音声ガイダンス対応保管部13と、検査手法・音声ガイダンス手順保管部14と実質的に同じであるので、同じ符号を記して説明を用いることにする。
【0053】
図4の例では、患者・検査情報サーバ1の検査情報管理部分2は、モダリティ100の制御部101に対してネットワークN2を通じて、予約患者の予約検査情報Fを送るようになっている。また、検査情報制御部12は、検査情報取得部11から患者Mの検査手法と患者Mの言語情報Rを取得する。検査情報制御部12は、検査情報取得部11からの患者Mの検査手法と患者Mの言語情報Rに基づいて、検査・音声ガイダンス対応保管部13から検査手法と言語に対応する音声ガイダンスの情報Wを取得する。しかも、検査情報制御部12は、検査情報取得部11からの患者Mの検査手法と患者Mの言語情報Rに基づいて、検査手法・音声ガイダンス手順保管部14から検査手法とこの検査手法の中で行われる詳細な検査手順の情報Sを取得する。
【0054】
その後、検査情報制御部12は、患者Mの検査手法と患者Mの言語情報に対応する音声ガイダンスの情報W、および検査手法の中で行われる音声ガイダンスを含む詳細な検査手順の情報Sを、検査・音声ガイダンス情報Vとしてモダリティ100の制御部101に通知する。
【0055】
以上のようにして、音声ガイダンス管理サーバ10は、外国籍の患者Mに対応する音声ガイダンスをその患者Mが理解できる言語を用いて容易にしかも確実に行うことができ、検査作業の効率化を図ることができる。しかも、患者に対して検査手法を実施するのに必要な音声ガイダンスを含む検査手順をもガイダンスできるので、患者が検査手順を理解でき患者に対して検査を受ける時に安心感を与えることができる。
【0056】
(実施形態4)
図5は、本発明の実施形態4を示している。
【0057】
図5では、音声ガイダンス管理サーバ10Aがモダリティ100の中に配置されている例を示している。これに対して、図3に示す実施形態2では、音声ガイダンス管理サーバ10Aがモダリティ100の外部に配置され、音声ガイダンス管理サーバ10がモダリティ100とはネットワークN3により接続されている。
【0058】
図5に示すように、音声ガイダンス管理サーバ10Aがモダリティ100の中に配置されているが、音声ガイダンス管理サーバ10を構成している要素、すなわち図5に示す音声ガイダンス管理サーバ10の検査情報取得部11と、検査情報制御部12と、検査・音声ガイダンス対応保管部13は、図3に示す音声ガイダンス管理サーバ10Aの検査情報取得部11と、検査情報制御部12と、検査・音声ガイダンス対応保管部13と実質的に同じであるので、同じ符号を記して説明を用いることにする。
【0059】
図5に示す検査情報制御部12は、検査情報取得部11からの患者Mの検査手法と患者Mの言語情報Rに基づいて、検査・音声ガイダンス対応保管部13から検査手法と言語に対応する音声ガイダンスの情報Wを取得する。これにより、検査情報制御部12は、患者の検査手法と患者の言語に対応する音声ガイダンスの情報を、検査・音声ガイダンス情報V1としてモダリティ100の制御部101に通知する。この検査・音声ガイダンス情報V1には、検査手法における音声ガイダンスを実施するためのタイミング等を記述することができる。
【0060】
そこで、モダリティ100の制御部101は、患者・検査情報サーバ1の検査情報管理部分2から取得した予約検査情報Fを実施する際に、患者に対して該当する音声ガイダンスを実施することができる。これにより、外国籍の患者に対応する音声ガイダンスを容易にしかも確実に行うことができ、検査作業の効率化を図ることができる。
【0061】
以上のようにして、音声ガイダンス管理サーバ10Aは、外国籍の患者Mに対応する音声ガイダンスをその患者Mが理解できる言語を用いて容易にしかも確実に行うことができ、検査作業の効率化を図ることができる。
【0062】
本発明では、モダリティ側で患者の検査を実施する際に、検査手法と患者の理解できる言語をキーにして、音声ガイダンス管理サーバ10から患者の理解できる言語の音声ガイダンスをモダリティに取得させて、患者への音声ガイダンスとして使うことができる。これにより、次のようなメリットがある。
【0063】
モダリティ側では、音声ガイダンスを検査手法と言語に応じて個別に用意する必要が無くなり、管理コストが下げることができる。
【0064】
また、従来では、イメージング(画像)センターにおいて複数のベンダーの同一種類のモダリティ、例えば複数のベンダーのX線CT装置が用意されていて、複数のベンダーのX線CT装置が運用されている場合には、検査手法が同じであっても音声ガイダンスが異なるために、患者に対して検査に対する不安感を与えることもある。しかし、本発明の実施形態を用いることで、イメージングセンター等において複数のベンダー製の同じ種類のモダリティを用いて検査を実施する場合には、病院内で音声ガイダンスの内容、音声ガイダンスを実施するタイミングを統一することができる。これにより、効率の良い検査Sを実施することができるとともに、患者に対して安心感を与えることができる。
【0065】
新しい検査手法がベンダーや保険会社、学会等から提供された場合には、検査手法とともに音声ガイダンスも同時に提供されることにより、いち早く新しい検査手法を患者に提供することができるとともに、導入コストを下げることができることが見込まれる。
【0066】
本発明は上記実施形態に限定されない。
【0067】
本発明の各実施形態において、図に示す患者・検査情報サーバ1は、上述したRISに限定されない。
【0068】
本発明の各実施形態において、検査情報取得部、検査情報制御部、検査・音声ガイダンス対応保管部、検査手法・音声ガイダンス手順保管部の各要素は、音声ガイダンス管理サーバ内に個別に存在しても構わないし、個別ではなく同じでも構わない。
【0069】
さらに、本発明の実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成できる。例えば、本発明の実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1・・・患者・検査情報サーバ、2・・・検査情報管理部分、10・・・音声ガイダンス管理サーバ、11・・・検査情報取得部、12・・・検査情報制御部12、13・・・検査・音声ガイダンス対応保管部、14・・・検査手法・音声ガイダンス手順保管部、20・・・検査名、21・・・音声ガイダンス言語、22・・・検査手法、23・・・詳細な検査手順、V・・・詳細な検査手順の情報、100・・・モダリティ(医用画像診断装置)、100A・・・モダリティ,N1〜N3・・・通信ネットワーク、T1、T2・・・参照テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め検査手法と前記検査手法に対応した音声ガイダンスを複数の言語ごとに保管する検査・音声ガイダンス対応保管部と、
予約検査サーバから登録済みの患者の検査手法と前記患者の言語情報を有する検査情報を取得する検査情報取得部と、
前記検査情報取得部から前記患者の前記検査手法と前記患者の言語情報を取得し、前記検査・音声ガイダンス対応保管部から前記検査手法と前記患者の言語に対応する前記音声ガイダンスを取得して、検査・音声ガイダンス情報として医用画像診断装置に通知する検査情報制御部と、
を備えることを特徴とする音声ガイダンス管理サーバ。
【請求項2】
予め前記検査手法と前記検査手法を実施するのに必要な音声ガイダンスを含む検査手順を保管する検査手法・音声ガイダンス手順保管部をさらに備え、
前記検査情報制御部は、前記検査情報取得部から前記患者の前記検査手法と前記患者の言語情報を取得し、前記検査・音声ガイダンス対応保管部から前記検査手法と前記患者の言語に対応する前記音声ガイダンスを取得し、しかも前記検査手法・音声ガイダンス手順保管部から前記検査手法と前記検査手法を実施するのに必要な音声ガイダンスを含む検査手順を取得して、検査・音声ガイダンス情報として前記医用画像診断装置に通知することを特徴とする請求項1に記載の音声ガイダンス管理サーバ。
【請求項3】
予め検査手法と前記検査手法に対応した音声ガイダンスを複数の言語ごとに保管する検査・音声ガイダンス対応保管部と、
予約検査サーバから登録済みの患者の検査手法と前記患者の言語情報を有する検査情報を取得する検査情報取得部と、
前記検査情報取得部から前記患者の前記検査手法と前記患者の言語情報を取得し、前記検査・音声ガイダンス対応保管部から前記検査手法と前記患者の言語に対応する前記音声ガイダンスを取得して、検査・音声ガイダンス情報として通知する検査情報制御部と、を備える音声ガイダンス管理サーバ
を有することを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項4】
前記音声ガイダンス管理サーバは、予め前記検査手法と前記検査手法を実施するのに必要な音声ガイダンスを含む検査手順を保管する検査手法・音声ガイダンス手順保管部をさらに備え、
前記検査情報制御部は、前記検査情報取得部から前記患者の前記検査手法と前記患者の言語情報を取得し、前記検査・音声ガイダンス対応保管部から前記検査手法と前記患者の言語に対応する前記音声ガイダンスを取得し、しかも前記検査手法・音声ガイダンス手順保管部から前記検査手法と前記検査手法を実施するのに必要な音声ガイダンスを含む検査手順を取得して、検査・音声ガイダンス情報として通知することを特徴とする請求項3に記載の医用画像診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−22740(P2011−22740A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−166356(P2009−166356)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】