説明

音声メッセージ伝達シート

【課題】音声情報を記録/再生するための部品を表面シートに挟み込んだ場合に生じる段差を軽減する。
【解決手段】音声情報記録/再生部20を構成するコイン電池31、IC基板32、スイッチ33及び音声情報出力部40を、支持シート20a,20bに形成された穴部21〜24によって固定し、さらに、厚さが最も厚いコイン電池31の周囲においては、支持シート20bに貼着されていた剥離紙50を支持シート20bに貼着したまま残存させ、それにより、この部分の支持シート20a,20bの厚さが、支持シート20a,20bの他の領域の厚さよりも厚くなる段差構造を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録された音声情報を出力可能な音声メッセージ伝達シートに関し、特に、表面の平坦性向上の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ダイレクトメールやグリーティングカード等の送付物においては、発送元において、発送される送付物が作成されるとともに送付物の発送先が指定され、その後、作成された送付物が指定された発送先に送付されている。このように作成、発送される送付物は、発送元から発送先に通知したい情報が掲載された印刷物が封筒に封入されて構成されるものや、発送元から発送先に通知したい情報がはがき等のシートに印刷されて構成されるもの等がある。
【0003】
送付物の発送先においては、送付されてきた送付物が受け取られた後、送付物に印刷された情報が閲覧されることにより、送付物の発送元にて通知したい情報が認識されることになる。
【0004】
ところが、このように、送付物の発送元にて発送先に通知したい情報が印刷された送付物が発送元から送付され、送付物の発送先において送付されてきた送付物に印刷された情報が閲覧されることにより、送付物の発送元にて通知したい情報が発送先に伝達されるものにおいては、送付物の発送元における所望のメッセージを視覚的にしか発送先に伝達することができず、それにより、伝達可能な情報の種類が限定されてしまう。
【0005】
そこで、音声情報を記録/再生可能に構成された音声メッセージカードが、特許文献1に開示されている。
【0006】
図5は、従来の音声メッセージカードの一構成例を示す図であり、(a)は内部構造を示す図、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
【0007】
本従来例は図5に示すように、電池131、制御回路132及びスイッチ133が搭載されたフレキシブル基板134と、このフレキシブル基板134に接続されたスピーカ140とからなる音声発生ユニット130が補強板120に支持されてカード基材110に挟み込まれて構成されている。
【0008】
上記のように構成された音声メッセージカードにおいては、外部からスイッチ133が操作されると、制御回路132に記録された音声メッセージがスピーカ140を介して出力されることになり、それにより、この音声メッセージカードの発送元から発送先に音声によるメッセージを伝達することができる。また、カード基材110の表面に情報を印字することにより、視覚的にも所望の情報を伝達することができる。
【特許文献1】特開平5−290594号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した音声メッセージカードにおいては、音声情報を記録/再生するための音声発生ユニットがカード基材に挟み込まれて構成されているため、音声発生ユニットを構成する部品の厚さによってその表面に凹凸が生じる。そのため、例えば、電池のようにある程度の厚さを有する部品においては、部品が配置された領域とその周辺部分とで厚さが大きく異なることになり、音声メッセージカードの表面において、その部品の外形に沿って大きな段差が生じてしまい、外観を損ねてしまうとともに、プリンタにて表面に情報を印字する際、段差部分がひっかかり印字不良が生じてしまう虞れがある。
【0010】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、音声情報を記録/再生するための部品を表面シートに挟み込んだ場合に生じる段差を軽減することができる音声メッセージ伝達シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明は、
複数の部品によって構成され、音声情報の記録及び再生が可能な音声情報記録/再生手段と、前記複数の部品を固定するための支持シートと、前記複数の部品を固定した前記支持シートを表裏から挟み込んで該支持シートと貼着された表面シートとを有してなる音声メッセージ伝達シートにおいて、
前記支持シートは、前記複数の部品のうち、少なくとも一部の部品の周囲の領域が、当該支持シートの他の領域よりも厚さが厚くなる段差構造を有することを特徴とする。
【0012】
上記のように構成された本発明においては、音声情報の記録及び再生が可能な音声情報記録/再生手段を構成する複数の部品が支持シートによって固定され、この支持シートが表面シートに挟み込まれて支持シートと表面シートとが互いに貼着されている。ここで、音声情報記録/再生手段を構成する複数の部品によっては、厚さが厚い部品が存在することになるが、支持シートが、複数の部品のうち少なくとも一部の部品の周囲の領域が、支持シートの他の領域よりも厚さが厚くなる段差構造を有するものであるので、厚さが厚い部品が存在する場合でも、その部品の周囲に段差構造を設ければ、部品が挟み込まれた領域からその周辺の領域に渡る表面がなだらかとなり、段差が軽減される。
【0013】
また、支持シートの、段差構造を構成する部品の周囲の領域のみ、非貼着加工を施しておけば、支持シートのその領域が表面シートと貼着されず、表面シートの表面がさらになだらかになる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本発明においては、音声情報の記録及び再生が可能な音声情報記録/再生手段を構成する複数の部品を固定するための支持シートが、複数の部品のうち、少なくとも一部の部品の周囲の領域が、支持シートの他の領域よりも厚さが厚くなる段差構造を有する構成であるため、厚さが厚い部品が存在する場合でも、その部品の周囲に段差構造を設ければ、部品が挟み込まれた領域からその周辺の領域に渡る表面がなだらかとなり、段差を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の音声メッセージ伝達シートの実施の一形態を示す図であり、(a)は一方の面から見た図、(b)は他方の面から見た図、(c)は内部構造を示す図、(d)は(b)に示したA−A’断面図である。また、図2は、図1に示した音声メッセージ伝達シートの積層状態を示す図である。
【0017】
本形態は図1及び図2に示すように、音声情報の記録及び再生が可能な音声情報記録/再生部30が、紙基材等の柔軟性を有し、かつ薄型の基材からなる2枚の支持シート20a,20bによってその配置位置が固定され、また、音声情報記録/再生部30を固定した支持シート20a,20bが、その外形が支持シート20a,20bと同一形状であって、紙基材等の柔軟性を有し、かつ薄型の基材からなる2枚の表面シート10a,10bに挟み込まれて構成されている。なお、表面シート10a,10b、支持シート20a,20b及び音声情報記録/再生部30は、支持シート20a,20bの表裏に施された貼着加工によって互いに貼着されている。この貼着加工は、支持シート20a,20bの表裏にそれぞれ塗布された粘着剤によるものであり、支持シート20a,20bは、両面に粘着剤によって剥離紙が剥離可能に貼着されたシートから作成される。
【0018】
音声情報記録/再生部30は、ピエゾ素子41、振動板42及びフィルムシート(不図示)からシート状に構成されて音声情報を出力するための音声情報出力部40と、外部から入力された音声情報が記録されるメモリ領域を具備するIC基板32と、IC基板32に記録された音声情報を音声情報出力部40から出力する際に操作するための薄型のスイッチ33と、IC基板32に接続され、IC基板32に電源を供給するための薄型のコイン電池31とから構成されている。なお、IC基板32と、コイン電池31、スイッチ33及びピエゾ素子41とはそれぞれ、はんだ溶接されたリード線34a〜34cを介して互いに電気的に接続されている。
【0019】
2枚の表面シート10a,10bのうち、スイッチ33の操作側となる表面シート10bは、図1(b)に示すように、スイッチ33と対向する領域に、スイッチ33を押下するための再生ボタン13が印刷され、また、音声情報出力部40と対向する領域に、音声情報出力部40から出力された音声を外部に出力するための微細な穴が羅列されてなる音声出力領域14が形成されている。このように微細な穴が羅列されてなる音声出力領域14が形成されているため、音声情報出力部40が表裏を表面シート10a,10bで覆われた状態であっても、音声情報出力部40から出力される音量の低下を補うことができる。なお、音声出力領域14においては、例えば、レーザ加工によって、0.1mm径の穴が縦横2.0mm間隔で形成されている。そのため、抜き加工や針等によって穴を形成する場合と比べてバリが発生せず、その後そのバリによって穴が塞がれてしまうことはない。また、再生ボタン13においては、印刷によって表面シート10b上に設けておかず、表面シート10bに情報が印刷された後に、スイッチ33に対向する領域にシールを貼付することによって設けることも考えられる。また、表面シート10bには、この音声メッセージ伝達シートの発送元から発送先に通知すべき情報を印字あるいは記入するための通知情報表示領域12が設けられている。
【0020】
また、スイッチ33の操作側とは反対側となる表面シート10aには、図1(a)に示すように、この音声メッセージ伝達シートの発送先の住所や氏名等の宛先情報を印字あるいは記入するための宛先情報表示領域11が設けられている。この宛先情報表示領域11に印字あるいは記入された宛先情報に従って音声メッセージ伝達シートが発送先に送付される。
【0021】
また、2枚の支持シート20a,20bのうち、表面シート10bに貼着される支持シート20bには、図2に示すように、音声情報記録/再生部30のコイン電池31、IC基板32、スイッチ33及び音声情報出力部40と対向する領域に、コイン電池31と対向する領域と、IC基板32と対向する領域と、スイッチ33と対向する領域と、音声情報出力部40と対向する領域とに渡って、コイン電池31、IC基板32、スイッチ33及び音声情報出力部40を内部に含むような大きさ及び形状を有し、コイン電池31、IC基板32、スイッチ33及び音声情報出力部40が内部に入り込むことによりこれらの部品を固定するための1つの穴部21が設けられている。また、コイン電池31の周囲においては、支持シート20bに貼着されていた剥離紙50が支持シート20bに貼着されたまま残存しており、それにより、この部分の支持シート20a,20bの厚さが、支持シート20a,20bの他の領域の厚さよりも厚くなる段差構造が形成されている。
【0022】
また、表面シート10aに貼着される支持シート20aには、図2に示すように、音声情報記録/再生部30のコイン電池31及びIC基板32と対向する領域に、それぞれ、コイン電池31及びIC基板32を内部に含むような大きさ及び形状を有し、コイン電池31及びIC基板32が内部に入り込むことによりこれらの部品を固定するための穴部22,23が設けられており、また、音声情報出力部40と対向する領域に音声情報出力部40よりも小さな穴部24が設けられている。
【0023】
上記のように構成された音声メッセージ伝達シートを製造する場合は、上述したように、支持シート20a,20bとして、シート基材の両面に粘着剤が塗布され、この粘着剤によって剥離紙が剥離可能に貼着されたシートを用いる。そして、支持シート20a,20bにそれぞれ上述したような穴部21〜24を形成するとともに、支持シート20bの穴部21の周囲の領域のうち、表面シート10bに貼着される側の面についてコイン電池31の周囲となる領域の剥離紙にハーフカット加工を施した後、剥離紙を支持シート20a,20bから剥離する。すると、支持シート20a,20bに貼着されていた剥離紙のうち、支持シート20bの表面シート10bに貼着される側の面のコイン電池31の周囲の領域のみが支持シート20aに貼着されたまま残存し、その他の領域が全て剥離し、支持シート20a,20bの両面に塗布された粘着剤が表出する。
【0024】
この粘着剤によって支持シート20a,20bを互いに貼着するとともに、支持シート20a,20bに形成された穴部21〜24の内部にコイン電池31、IC基板32、スイッチ33及び音声情報出力部40を配置、固定し、支持シート20a,20bと表面シート10a,10bとを貼着する。
【0025】
以下に、上記のように構成された音声メッセージ伝達シートの作用について説明する。
【0026】
図3は、図1及び図2に示した支持シート20a,20bと音声情報記録/再生部30とを積層した状態を示す図であり、(a)は支持シート20bと音声情報記録/再生部30とを積層した状態を示す図、(b)は支持シート20aと音声情報記録/再生部30とを積層した状態を示す図である。また、図4は、図1及び図2に示した音声メッセージ伝達シートのコイン電池31、IC基板32及びスイッチ33が配置された領域の断面図である。
【0027】
図1及び図2に示した支持シート20bは、上述したように、音声情報記録/再生部30のコイン電池31、IC基板32、スイッチ33及び音声情報出力部40と対向する領域に、コイン電池31と対向する領域と、IC基板32と対向する領域と、スイッチ33と対向する領域と、音声情報出力部40と対向する領域とに渡って、コイン電池31、IC基板32、スイッチ33及び音声情報出力部40を内部に含むような大きさ及び形状を有する1つの穴部21が設けられているため、図3(a)に示すように、図1及び図2に示した支持シート20bと音声情報記録/再生部30とが積層された場合、音声情報記録/再生部30のコイン電池31、IC基板32、スイッチ33及び音声情報出力部40は、支持シート20bの穴部21に入り込むように配置され、固定されることになる。この際、IC基板32と、コイン電池31、スイッチ33及びピエゾ素子41とをそれぞれ接続しているリード線34a〜34cもこの穴部21内に配置されることになる。
【0028】
また、図1及び図2に示した支持シート20aは、上述したように、音声情報記録/再生部30のコイン電池31、IC基板32及び音声情報出力部40と対向する領域に、それぞれ、これらコイン電池31、IC基板32及び音声情報出力部40を固定するための穴部22〜24が設けられているが、その大きさは、穴部22がコイン電池31よりも大きく、穴部23がIC基板32よりも大きく、穴部24が音声情報出力部40よりも小さくなっている。そのため、図3(b)に示すように、図1及び図2に示した支持シート20aと音声情報記録/再生部30とが積層された場合、音声情報記録/再生部30のコイン電池31及びIC基板32は、支持シート20aの穴部22,23にそれぞれ入り込むように配置され、固定されることになる。また、音声情報出力部40においては、穴部24の周囲にて支持シート20aと当接し、支持シート20aの表面の粘着剤によって固定されることになる。
【0029】
図1及び図2に示した支持シート20a,20bと音声情報記録/再生部30とが積層されると、図4に示すように、スイッチ33が配置された領域においては、支持シート20a上にスイッチ33が搭載され、このスイッチ33及び支持シート20aが表面シート10a,10bに挟み込まれた状態となる。スイッチ33は、支持シート20aの表面の粘着剤によって固定されるとともに、支持シート20bの穴部21によって固定される。ここで、スイッチ33の厚さは支持シート20bの厚さよりも薄いため、スイッチ33が支持シート20a上に搭載され、支持シート20bの穴部21に入り込んでいる場合、支持シート20aの支持シート20bとの貼着面からスイッチ33の操作面までの高さは、支持シート20aの支持シート20bとの貼着面から支持シート20bの表面シート10bとの貼着面までの高さよりも低くなり、それにより、表面シート10bの表面においては、スイッチ33が配置された領域が他の領域よりも突出してしまうことがなくなる。
【0030】
また、図4に示すように、IC基板32が配置された領域においては、支持シート20a,20bにそれぞれ形成された穴部23,21にIC基板32が入り込み、穴部23,21に入り込んだIC基板32が表面シート10a,10bに挟み込まれた状態となる。IC基板32は、支持シート20a,20bにそれぞれ形成された穴部23,21によって固定される。ここで、IC基板32の厚さは、互いに貼着された支持シート20a,20bの厚さと略同一であるため、表面シート10a,10bと穴部21,23によって形成される空間の高さが、IC基板32の厚さと略同一となり、それにより、表面シート10a,10bの表面においては、IC基板32が配置された領域が他の領域よりも突出してしまうことがなくなる。
【0031】
また、音声情報出力部40が配置された領域においては、音声情報出力部40の振動板42の周縁部が穴部24の周囲にて支持シート20aと貼着され、支持シート20bの穴部21によって固定され、この音声情報出力部40が表面シート10a,10bに挟み込まれた状態となる。ここで、音声情報出力部40を構成するピエゾ素子41の厚さは支持シート20bよりも薄く、振動板42の厚さは支持シート20bと略同一である。そのため、振動板42の周縁部が支持シート20aに貼着され、音声情報出力部40が支持シート20bの穴部21に入り込んでいる場合、支持シート20aの支持シート20bとの貼着面から音声情報出力部40の表面シート10bと対向する側の面までの高さは、支持シート20aの支持シート20bとの貼着面から支持シート20bの表面シート10bとの貼着面までの高さと略同一となり、それにより、表面シート10bの表面においては、音声情報出力部40が配置された領域が他の領域よりも突出してしまうことがなくなる。
【0032】
また、IC基板32と、コイン電池31、スイッチ33及びピエゾ素子41とをそれぞれ接続しているリード線34a〜34cについては、支持シート20bに形成された穴部21内に収容される。このリード線34a〜34cが収容される領域は、支持シート20bには穴部21が形成されているが、支持シート20aには穴部が形成されていない。そのため、穴部21に収容されたリード線34a〜34cは、支持シート20aの粘着剤によって固定される。また、リード線34a〜34cの径は支持シート20bの厚さよりも小さいため、リード線34a〜34cが支持シート20a上にて固定され、支持シート20bの穴部21に入り込んでいる場合、表面シート10bの表面が、リード線34a〜34cの形状に沿って盛り上がってしまうことがなくなる。
【0033】
また、図4に示すように、コイン電池31が配置された領域においては、支持シート20a,20bにそれぞれ形成された穴部22,21にコイン電池31が入り込み、穴部22,21に入り込んだコイン電池31が表面シート10a,10bに挟み込まれた状態となる。コイン電池31は、支持シート20a,20bにそれぞれ形成された穴部22,21によって固定される。コイン電池31の厚さは、互いに貼着された支持シート20a,20bの厚さよりも厚い。そのため、表面シート10a,10bと穴部21,22によって形成される空間の高さが、コイン電池31の厚さよりも低くなり、それにより、表面シート10bの表面のうち、コイン電池31が配置された領域が他の領域よりも突出することになる。ここで、本形態においては、支持シート20bに形成された穴部21のうちコイン電池31の周囲の領域に剥離紙50が残存することにより、この部分の支持シート20a,20bの厚さが、支持シート20a,20bの他の領域の厚さよりも厚くなる段差構造が形成されている。そのため、2枚の支持シート20a,20bが貼着されて表面シート10a,10bに挟み込まれた領域からコイン電池31が配置された領域までの間に、この段差構造による厚さを有する領域が介在することになり、それにより、2枚の支持シート20a,20bが貼着されて表面シート10a,10bに挟み込まれた領域からコイン電池31が配置された領域までの間の厚さが段階的に変化し、その傾斜がなだらかになる。
【0034】
このように、2枚の支持シート20a,20bが貼着されて表面シート10a,10bに挟み込まれた領域からコイン電池31が配置された領域までの間の厚さが段階的に変化し、その傾斜がなだらかになることにより、コイン電池31の厚さによる表面シート10a上の段差が目立つことがなくなるとともに、プリンタにて表面に情報を印字する際、段差部分がひっかかり印字不良が生じてしまう可能性を低減することができる。
【0035】
また、この段差構造は、支持シート20b上に残存した剥離紙50によって構成されることにより、非貼着加工が施されたものとなっている。そのため、この部分においては、表面シート10bが支持シート20bと貼着されず、表面シート10bが段差構造に貼着されて階段状となることがなく、それにより、表面シート10bの表面において段差構造による段差も目立つことがなく、表面シート10bの表面がさらになだらかになる。
【0036】
なお、本形態においては、支持シート20bのうちコイン電池31の周囲に剥離紙50が残存することにより段差構造が設けられているが、本発明はこれに限らず、音声情報記録/再生部30を構成する部品として、支持シート20a,20bの厚さよりも厚い部品を用いた場合にその部品の周囲に段差構造を設ければ同様の効果を得ることができる。
【0037】
また、本形態においては、2枚の支持シート20a,20bを用いて音声情報記録/再生部30を固定するものを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、1枚あるいは3枚以上の支持シートを用いて音声情報記録/再生部30を固定するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の音声メッセージ伝達シートの実施の一形態を示す図であり、(a)は一方の面から見た図、(b)は他方の面から見た図、(c)は内部構造を示す図、(d)は(b)に示したA−A’断面図である。
【図2】図1に示した音声メッセージ伝達シートの積層状態を示す図である。
【図3】図1及び図2に示した支持シートと音声情報記録/再生部とを積層した状態を示す図である。
【図4】図1及び図2に示した音声メッセージ伝達シートのコイン電池、IC基板及びスイッチが配置された領域の断面図である。
【図5】従来の音声メッセージカードの一構成例を示す図であり、(a)は内部構造を示す図、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
【符号の説明】
【0039】
10a,10b 表面シート
11 宛先情報表示領域
12 通知情報表示領域
13 再生ボタン
14 音声出力領域
20a,20b 支持シート
21〜24 穴部
30 音声情報記録/再生部
31 コイン電池
32 IC基板
33 スイッチ
34a〜34c リード線
40 音声情報出力部
41 ピエゾ素子
42 振動板
50 剥離紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部品によって構成され、音声情報の記録及び再生が可能な音声情報記録/再生手段と、前記複数の部品を固定するための支持シートと、前記複数の部品を固定した前記支持シートを表裏から挟み込んで該支持シートと貼着された表面シートとを有してなる音声メッセージ伝達シートにおいて、
前記支持シートは、前記複数の部品のうち、少なくとも一部の部品の周囲の領域が、当該支持シートの他の領域よりも厚さが厚くなる段差構造を有することを特徴とする音声メッセージ伝達シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−70436(P2008−70436A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−246648(P2006−246648)
【出願日】平成18年9月12日(2006.9.12)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】