説明

音声出力機能付き情報表示制御装置およびその制御プログラム

【課題】辞書検索により表示された見出語に対応する読み上げ音声を出力する音声出力機能付き情報表示制御装置で、任意の単語を指定してその読み上げ音声を出力する際に、品詞の違いで発音の異なる単語も正確に音声出力することを可能にする。
【解決手段】辞書検索されて表示された所望の見出語(単語)の説明情報表示画面G2において、発音音声の出力対象として任意の単語「lead1」または例文が指定されると、当該指定の単語「lead1」または例文中に含まれた見出語の辞書説明情報中に存在する品詞記号である「動」Mや「名」Nが検知され、この品詞記号に応じて予め設定された音声出力コマンド[<pron>verb]や[<pron>noun]を指定の単語「lead1」や例文中の見出語の直前に追加してなる単語または例文の音声出力コマンド“[<pron>verb]lead1”を生成し、これを音声出力エンジンに与えて音声合成出力処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば辞書検索により表示された見出語に対応する読み上げ音声の出力機能を備えた音声出力機能付き情報表示制御装置およびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子機器において、表示されたテキストの読み上げ音声を出力するものは種々提案されている。
【0003】
例えばその一つには、パーソナルコンピュータなどにインストールして機能するテキスト読み上げ制御プログラムのように、テキスト表示された個々の単語の文字に対応して予め記憶された音声を合成して順次出力するものがある。
【0004】
このテキスト読み上げ制御処理では、読み上げるべき単語の各文字毎に対応した合成音声を単純に出力すると、例えば日本語「はる」の場合に、同一の文字の綴りであっても品詞が異なる単語の「春(名詞)」と「貼る(動詞)」とでアクセントの位置が「は」と「る」で違ってしまう。
【0005】
このため、音声出力対象の単語についてその前後の文章を文法的に解析して品詞を検知し、正しいアクセントの読み上げ音声で出力できるようにした単語アクセント決定方法が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平07−140995号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来の電子機器において、テキストの読み上げ音声出力を正しく機能させるための単語アクセント決定方法は、音声出力対象の単語についてその前後の文章を文法的に解析して品詞を検知することで、品詞で異なるアクセントの位置を正しく音声出力できるようにしたものであるため、句や命令文として存在する単語、あるいは単体で存在する単語について音声出力する場合、正確な品詞を検知することができず、正しい発音の音声出力が行われないことがある。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みなされたもので、任意の単語を指定してその読み上げ音声を出力する際に、品詞の違いで発音の異なる単語も正確に音声出力することが可能になる音声出力機能付き情報表示制御装置およびその制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の音声出力機能付き情報表示制御装置は、指定の見出語の説明情報を表示させる情報表示制御手段と、この情報表示制御手段により表示された説明情報中の指定部分の音声を出力する音声出力手段とを備えた音声出力機能付き情報表示制御装置であって、前記情報表示制御手段により表示された見出語の説明情報中の所定の情報を検知する所定情報検知手段と、前記音声出力手段により前記指定部分の音声を出力させる際に、当該指定部分のうちの見出語部分の音声を、前記所定情報検知手段により検知された所定の情報を用いて音声を生成させる音声出力制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の音声出力機能付き情報表示制御装置は、前記請求項1に記載の音声出力機能付き情報表示制御装置において、前記所定情報検知手段により検知される所定の情報は品詞の情報であり、前記音声出力制御手段は、前記音声出力手段により音声を出力させる際に、前記指定部分のうちの見出語部分の音声を、前記所定情報検知手段により検知された品詞の情報を用いて音声を出力させる品詞対応音声出力制御手段を有することを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の音声出力機能付き情報表示制御装置は、前記請求項1に記載の音声出力機能付き情報表示制御装置において、前記所定情報検知手段により検知される所定の情報は発音記号であり、前記音声出力制御手段は、前記音声出力手段により音声を出力させる際に、前記指定部分のうちの見出語部分の音声を、前記所定情報検知手段により検知された発音記号を用いて音声を出力させる発音記号対応音声出力制御手段を有することを特徴としている。
【0011】
請求項4に記載の音声出力機能付き情報表示制御装置は、前記請求項3に記載の音声出力機能付き情報表示制御装置において、前記発音記号対応音声出力制御手段は、前記所定情報検知手段により検知された発音記号に対応する音声出力コマンドを取得して前記音声出力手段により音声を生成させることを特徴としている。
【0012】
請求項5に記載の音声出力機能付き情報表示制御装置は、前記請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の音声出力機能付き情報表示制御装置において、前記所定情報検知手段は、前記指定部分である単語が当該単語に対応するところの説明情報中の先頭の見出語である場合にはその後方にある説明情報中の所定の情報を検知し、先頭の見出語以外の単語である場合にはその前方にある説明情報中の所定の情報を検知することを特徴としている。
【0013】
請求項6に記載の音声出力機能付き情報表示制御装置は、前記請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の音声出力機能付き情報表示制御装置において、前記音声出力制御手段は、前記指定部分が文である場合に、当該文中の所定マーク部分を見出語部分として前記所定情報検知手段により検知された所定の情報を用いて音声を出力させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1(請求項7)に記載の音声出力機能付き情報表示制御装置(制御プログラム)によれば、音声出力手段により説明情報中の指定部分の音声を出力させる際に、当該指定部分のうちの見出語部分の音声についてはその説明情報中から所定情報検知手段により検知された品詞や発音記号などの所定の情報を用いて音声を出力させるので、同一綴りの見出語で品詞によって異なる発音も正確に音声出力できるようになる。
【0015】
本発明の請求項2に記載の音声出力機能付き情報表示制御装置によれば、前記請求項1に記載の音声出力機能付き情報表示制御装置において、音声出力制御手段では、音声出力手段により音声を出力させる際に、指定部分のうちの見出語部分の音声を、所定情報検知手段により検知された品詞の情報を用いて音声を出力させるので、同一綴りの見出語で品詞によって異なる発音も説明情報中の品詞の記述を検知して正確に音声出力できるようになる。
【0016】
本発明の請求項3に記載の音声出力機能付き情報表示制御装置によれば、前記請求項1に記載の音声出力機能付き情報表示制御装置において、音声出力制御手段では、音声出力手段により音声を出力させる際に、指定部分のうちの見出語部分の音声を、所定情報検知手段により検知された発音記号を用いて音声を出力させるので、同一綴りの見出語で品詞によって異なる発音も説明情報中の発音記号を用いて正確に音声出力できるようになる。
【0017】
本発明の請求項4に記載の音声出力機能付き情報表示制御装置によれば、前記請求項3に記載の音声出力機能付き情報表示制御装置において、発音記号に対応した音声出力制御手段では、所定情報検知手段により検知された発音記号に対応する音声出力コマンドを取得して音声出力手段により音声を出力させるので、同一綴りの見出語で品詞によって異なる発音も説明情報中の発音記号に応じた音声出力コマンドを音声出力エンジンに与えることで正確に音声出力できるようになる。
【0018】
本発明の請求項5に記載の音声出力機能付き情報表示制御装置によれば、前記請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の音声出力機能付き情報表示制御装置において、所定情報検知手段では、音声出力対象となる指定部分の単語が当該単語に対応するところの説明情報中の先頭の見出語である場合にはその後方にある説明情報中の所定の情報を検知し、先頭の見出語以外の単語である場合にはその前方にある説明情報中の所定の情報を検知するので、指定部分である単語や文のうちの見出語部分の品詞または発音記号を確実に検知して、同一綴りの見出語で品詞によって異なる発音も正確に音声出力できるようになる。
【0019】
本発明の請求項6に記載の音声出力機能付き情報表示制御装置によれば、前記請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の音声出力機能付き情報表示制御装置において、音声出力制御手段では、音声出力対象となる指定部分が文である場合に、当該文中の所定マーク部分を見出語部分として所定情報検知手段により検知された所定の情報を用いて音声を出力させるので、例えば辞書の説明情報中にある例文を音声出力対象として指定した場合でも、当該例文中で“〜”マークなどの所定マークによって記述される見出語対応部分をその品詞または発音記号に従った正確な発音にして音声出力できるようになる。
【0020】
よって、本発明によれば、任意の単語を指定してその読み上げ音声を出力する際に、品詞の違いで発音の異なる単語も正確に音声出力することが可能になる音声出力機能付き情報表示制御装置およびその制御プログラムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
図1は、本発明の音声出力機能付き情報表示制御装置の実施形態に係る携帯機器(電子辞書)10の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0023】
この携帯機器(電子辞書)10は、以下に説明する電子辞書機能を備えたPDA(personal digital assistants)、PC(personal computer)、携帯電話、電子ブックとして構成されるか、電子辞書専用の携帯機器として構成される。この携帯機器(電子辞書)10は、各種の記憶媒体に記録されたプログラム、または伝送されたプログラムを読み込んで、その読み込んだプログラムによって動作が制御されるコンピュータによって構成され、その電子回路には、CPU(central processing unit)11が備えられる。
【0024】
CPU11は、プログラムROM12a内に予め記憶された装置制御プログラム、あるいはメモリカード13などの外部記憶媒体からプログラムROM12aに読み込まれた装置制御プログラム、あるいは図示しないインターネットN上のWebサーバ(この場合はプログラムサーバ)から通信機器を経由してプログラムROM12aに読み込まれた装置制御プログラムに応じて、回路各部の動作を制御するもので、前記プログラムROM12aに記憶された装置制御プログラムは、キーボード14やタッチパネル15である入力部16からのユーザ操作に応じた入力信号、あるいは外部接続されるEEPROM,RAM,ROMなどのメモリカード(記憶媒体)13との接続通信信号に応じて起動される。
【0025】
前記CPU11には、前記プログラムROM12aの他、データベースROM12b、RAM12cが接続され、また前記メモリカード13、キーボード14、タッチパネル15が接続される他に、LCDからなる表示部17、音声出力用のアンプ18aを介したスピーカ18などが接続される。
【0026】
CPU11の内部には、合成音声出力処理プログラム12a2の起動によって機能し、辞書検索されたユーザ任意の単語や例文などのテキストの読み上げ音声を合成するための音声合成エンジン21が備えられ、これにより生成された音声信号が前記アンプ18aを介して増幅されスピーカ18から発音出力される。
【0027】
そして、この携帯機器(電子辞書)10の電子回路は、電池電源Bによる電源回路19からの電圧供給によって駆動される。
【0028】
図2は、前記携帯機器(電子辞書)10のプログラムROM12a、データベースROM12b、RAM12cに記憶されるデータの内容を示す図である。
【0029】
プログラムROM12aに記憶される装置制御プログラムとしては、当該携帯機器(電子辞書)10の全体の動作を司るシステムプログラムが記憶される他に、辞書データ(12b1)に基づいて入力文字に応じた見出語の検索表示およびその説明情報の検索表示を行うための辞書検索処理プログラム12a1、表示上で指定されたテキストデータを合成音声による読み上げ音声として出力させるための合成音声出力処理プログラム12a2、出力対象であるテキストデータの文字列組合せや品詞・発音記号に従って各音素の音声データ(12b2)を合成してその読み上げ音声を生成し出力させるための音声合成処理プログラム12a3などが記憶される。
【0030】
データベースROM12bには、英和辞書、英英辞書、和英辞書、国語辞書、漢和辞書などの各種の辞書データ12b1、音声合成処理にて使用される各音素に対応させた音声データ12b2、各辞書毎に異なる品詞記号と当該品詞に応じた音声合成処理を前記音声合成エンジン21にて行わせるための追加コマンドコードとを予め対応付けた辞書名・品詞・コマンドテーブル12b3(図3参照)、各辞書毎に異なる発音記号を前記音声合成エンジン21に対する発音記号コマンドに変換するための発音記号変換テーブル12b4(図4参照)などが記憶される。
【0031】
なお、データベースROM12bに記憶された辞書データ12b1と同様に、メモリカード13に記憶された他の辞書データを外部から入力して利用可能である。
【0032】
RAM12cには、入力部16(14,15)から入力された文字データを記憶するための入力文字メモリ12c1、辞書検索処理(12a1)に従い検索された見出語やその説明情報を記憶するための検索見出語メモリ12c2、検索表示された見出語及びその説明情報の中でユーザ入力に応じて指定された単語や例文などの位置データを記憶するための見出語情報指定位置メモリ12c3、この見出語情報指定位置メモリ12c3にて指定された辞書データ(12b1)上の位置に対応する単語や例文の文字列を抽出して記憶するための出力指定文字列メモリ12c4、この出力指定文字列メモリ12c4に記憶された単語や例文の文字列について辞書データ(12b1)上に存在する品詞記号に基づき前記辞書名・品詞・コマンドテーブル12b3を参照して生成した音声合成用の追加コマンドを記憶するための品詞対応追加コマンドメモリ12c5、辞書データ(12b1)上に存在する発音記号に基づき前記発音記号変換テーブル12b4を参照して生成した音声合成用の変換コマンドを記憶するための発音記号対応変換コマンドメモリ12c6が備えられる。
【0033】
図3は、前記携帯機器(電子辞書)10のデータベースROM12bに記憶される辞書名・品詞・コマンドテーブル12b3のテーブルデータを示す図である。
【0034】
この辞書名・品詞・コマンドテーブル12b3は、前述したとおり各辞書毎に異なる品詞記号と当該品詞に応じた音声合成処理を前記音声合成エンジン21にて行わせるための追加コマンドコードとを予め対応付けたもので、前記出力指定文字列メモリ12c4に記憶された指定の単語について当該単語が例えば“動詞”であることを示す品詞記号「動」Mが辞書の説明情報中に存在する場合には、指定単語の文字列の前に“動詞”の追加コマンド[<pron>verb]を追加することで、音声合成エンジン21は指定の単語を動詞による発音音声として音声合成処理する。また、指定の単語が例えば“名詞”であることを示す品詞記号「名」Nが辞書の説明情報中に存在する場合には、指定単語の文字列の前に“名詞”の追加コマンド[<pron>noun]を追加することで、音声合成エンジン21は指定の単語を名詞による発音音声として音声合成処理する。
【0035】
図4は、前記携帯機器(電子辞書)10のデータベースROM12bに記憶される発音記号変換テーブル12b4のテーブルデータを示す図である。
【0036】
この発音記号変換テーブル12b4は、前述したとおり各辞書毎に異なる発音記号を前記音声合成エンジン21に対する発音記号コマンドに変換するためのテーブルデータであり、前記出力指定文字列メモリ12c4に記憶された指定の単語について当該単語の発音記号が辞書の説明情報中に存在する場合には、この辞書中の発音記号を本テーブル12b4によって発音記号コマンドに変換すると共に、この変換後の発音記号コマンドを予め設定された発音記号使用コマンド[<phoneme>ON]に加えることで、音声合成エンジン21は指定の単語をその辞書の説明情報中に記述された発音記号通りの発音音声として音声合成処理する。
【0037】
次に、前記構成の携帯機器(電子辞書)10による辞書検索機能および音声出力機能について説明する。
【0038】
図5は、前記携帯機器(電子辞書)10による音声出力付き辞書検索処理の全体処理を示すフローチャートである。
【0039】
図6は、前記携帯機器(電子辞書)10の音声出力付き辞書検索処理に伴うキー操作対応の表示動作を示す図である。
【0040】
入力部16において、例えば図6(A)に示すように、今回の辞書検索に使用する種類の「辞書」キー(例えば「英和」キー14a)が操作入力されると、当該「辞書」キーに対応する種類の「英和辞書」に対応した検索文字入力画面G1が表示部17に表示される(ステップS1)。
【0041】
この検索文字入力画面G1において、入力部16における文字入力キーの操作に応じて検索すべき文字列が入力され、入力文字メモリ12c1に記憶されて表示されると(ステップS1)、この入力文字列に一致した先頭文字列を有する見出語が「英和辞書」の辞書データ12b1から検索され見出語一覧画面(図示せず)として表示部17に表示される(ステップS2)。
【0042】
そして、この見出語一覧画面(図示せず)の表示状態にあって、上下カーソルキーの操作に応じて反転カーソルKを各見出語間で移動表示させ、ユーザ所望の見出語が選択指定された状態で「訳/決定」キー14bが操作されると(ステップS3)、当該選択指定されている見出語に対応した説明情報が「英和辞書」の辞書データ12b1から読み出され、図6(A)に示すように、語義分類(品詞・語義番号)毎に分けられた説明情報表示画面G2として表示部17に表示される(ステップS4)。
【0043】
このユーザにより選択された見出語(単語)の説明情報表示画面G2において、当該選択された単語の発音を学習すべく、図6(B)に示すように、「音声」キー14cが操作されると共に(ステップS5)、当該説明情報中における何れかの単語またはイディオム(成句・熟語・慣用句など)がカーソルキー14dの操作に応じた反転カーソルKの移動表示によって指定され(この場合、検索単語「record」の語義6における名詞の「record」)、「訳/決定」キー14bが操作されると(ステップS6)、後述の図7〜図11において説明する単語音声出力処理に移行され(ステップS7→SA)、当該ユーザ指定の単語(名詞の「record」)に対応した音声合成コマンドが生成され音声合成エンジン21によって音声出力処理される。
【0044】
また、前記ユーザ選択された見出語(単語)の説明情報表示画面G2において、「音声」キー14cが操作されると共に(ステップS5)、当該説明情報中における何れかのイディオム(成句・熟語・慣用句など)が指定され、「訳/決定」キー14bが操作されると(ステップS6)、後述の図12〜図16において説明する例文音声出力処理に移行され(ステップS7→SB)、当該ユーザ指定のイディオムに対応した音声合成コマンドが生成され音声合成エンジン21によって音声出力処理される。
【0045】
一方、前記ユーザ選択された見出語(単語)の説明情報表示画面G2において、この選択された単語を使用した例文を学習すべく、図6(C)に示すように、「例文」キー14eが操作されると(ステップS8)、カーソルキー14dの操作に応じて選択された所望の語義分類の例文が一覧表示される(ステップS9)。
【0046】
そして、この所望の語義分類の例文一覧表示状態において、任意の例文の発音を学習すべく「音声」キー14cが操作されると共に(ステップS10)、何れかの例文(この場合、語義2における例文「I 〜ed the show on tape.」)がカーソルキー14dの操作に応じて反転カーソルKにより指定表示されると(ステップS11)、後述の図12〜図16において説明する例文音声出力処理に移行され(ステップSB)、当該ユーザ指定の動詞の「record」を使用した例文「I 〜ed the show on tape.」に対応する音声合成コマンドが生成され音声合成エンジン21によって音声出力処理される。
【0047】
図7は、前記携帯機器(電子辞書)10の音声出力付き辞書検索処理に伴う単語音声出力処理(ステップSA)を示すフローチャートである。
【0048】
図8は、前記携帯機器(電子辞書)10の単語音声出力処理(ステップSA)に伴い指定単語の品詞情報から音声合成コマンドを生成するための単語:品詞対応処理(ステップAC)を示すフローチャートである。
【0049】
図9は、前記携帯機器(電子辞書)10の単語音声出力処理(ステップSA)に伴い単語:品詞対応処理(ステップAC)が起動される場合の指定単語の品詞記号が存在する説明情報表示画面G2およびこれに基づいた単語音声合成コマンドの具体的生成例を説明する図である。
【0050】
例えば図9に示すように、英単語の「lead」が検索されると共に、図9(A)に示すように、その説明情報表示画面G2における動詞の「lead1」が音声出力対象の単語として指定されることで、図7における単語音声出力処理が起動されると(ステップS1〜S7→SA)、まず、当該指定の単語「lead1」が本説明情報表示画面G2の見出語であるか否か判断される(ステップA1)。
【0051】
ここで、音声出力対象である指定の単語が本説明情報表示画面G2の見出語であると判断された場合には、当該指定の単語の位置から後方にある説明情報がサーチされ(ステップA1→A2)、また同指定の単語が本説明情報表示画面G2の見出語でないと判断された場合には、当該指定の単語の位置から前方にある説明情報がサーチされ(ステップA1→A3)、指定単語の品詞情報が存在するか否か判断される(ステップA4)。
【0052】
この場合、図9(A)に示すように、指定の単語「lead1」は本説明情報表示画面G2の見出語であると判断されるので(ステップA1(Yes))、当該指定の単語の位置から後方にある説明情報がサーチされ(ステップA2)、辞書名・品詞・コマンドテーブル12b3(図3参照)に記憶されている動詞の品詞記号である「動」Mが存在していると判断される(ステップA4(Yes))。そして、図8における単語:品詞対応処理(ステップAC)に移行される。
【0053】
この単語:品詞対応処理が起動されると、前記指定の単語「lead1」の説明情報(G2)中から得られた動詞の品詞記号である「動」Mに従い、辞書名・品詞・コマンドテーブル12b3(図3参照)から音声合成用の追加コマンドコード[<pron>verb]が決定され(ステップC1)、音声出力対象である指定の単語テキスト「lead1」の前に追加されて単語音声合成コマンド「[<pron>verb]lead1」が生成される(ステップC2)。
【0054】
すると、この品詞記号「動」Mに従い生成された指定の単語である動詞の「lead1」の単語音声合成コマンド「[<pron>verb]lead1」が音声合成エンジン21に送出されることで(ステップC3)、当該音声合成エンジン21にて動詞の「lead1」に対応した発音「リード」の単語音声信号が生成されスピーカ18から出力される(ステップAC→A7,A8)。
【0055】
一方、図9(B)に示すように、前記「lead」の説明情報表示画面G2における名詞の「lead2」が音声出力対象の単語として指定された場合には、辞書名・品詞・コマンドテーブル12b3(図3参照)に記憶されている名詞の品詞記号である「名」Nが存在していると判断され(ステップA4(Yes))、図8における単語:品詞対応処理(ステップAC)に移行される。
【0056】
すると、前記指定の単語「lead2」の説明情報(G2)中から得られた名詞の品詞記号である「名」Nに従い、辞書名・品詞・コマンドテーブル12b3(図3参照)から音声合成用の追加コマンドコード[<pron>noun]が決定され(ステップC1)、音声出力対象である指定の単語テキスト「lead2」の前に追加されて単語音声合成コマンド「[<pron>noun]lead2」が生成される(ステップC2)。
【0057】
すると、この品詞記号「名」Nに従い生成された指定の単語である名詞の「lead2」の単語音声合成コマンド「[<pron>noun]lead2」が音声合成エンジン21に送出されることで(ステップC3)、当該音声合成エンジン21にて名詞の「lead2」に対応した発音「レッド」の単語音声信号が生成されスピーカ18から出力される(ステップAC→A7,A8)。
【0058】
なお、例えば前記指定の単語「lead1」の場合、名詞であって「リード」と発音する場合もあるが、この場合は指定の単語テキスト「lead1」の前に名詞の品詞記号「名」Nに従い決定された追加コマンドコード[<pron>noun]が追加され、単語音声合成コマンド「[<pron>noun]lead1」が生成されるので、合成音声エンジン21では、与えられた単語音声合成コマンドの記述が名詞の追加コマンドコード[<pron>noun]を有していても単語テキスト「lead1」の末尾に付加された番号「1」を検知することで名詞の「lead1」に対応した発音「リード」の音声信号を生成して出力する。
【0059】
図10は、前記携帯機器(電子辞書)10の単語音声出力処理(ステップSA)に伴い指定単語の発音記号から音声合成コマンドを生成するための単語:発音記号対応処理(ステップAD)を示すフローチャートである。
【0060】
図11は、前記携帯機器(電子辞書)10の単語音声出力処理(ステップSA)に伴い単語:発音記号対応処理(ステップAD)が起動される場合の指定単語の発音記号が存在する説明情報表示画面G2およびこれに基づいた単語音声合成コマンドの具体的生成例を説明する図である。
【0061】
例えば11(A)に示すように、指定の単語「lead1」の説明情報(G2)中をサーチしてもその品詞情報が存在しない場合であって(ステップA1〜A4(No))、発音記号「li:d」が存在していると判断されると(ステップA5(Yes))、図10における単語:発音記号対応処理(ステップAD)に移行される。
【0062】
この単語:発音記号対応処理が起動されると、前記指定の単語「lead1」の説明情報(G2)中から得られた発音記号「li:d」に対応して、発音記号変換テーブル12b4(図4参照)から音声合成エンジン21に対する発音記号コマンド[liyd]が決定され(ステップD1)、音声出力対象である指定の単語テキスト「lead1」が前記発音記号コマンド[liyd]の前に所定の発音記号使用コマンド[<phoneme>ON]を付加した単語音声発音記号コマンド[<phoneme>ON][liyd]に変換生成される(ステップD2)。
【0063】
すると、この説明情報中の発音記号「li:d」に従い生成された指定の単語である動詞の「lead1」の単語音声発音記号コマンド[<phoneme>ON][liyd]が音声合成エンジン21に送出されることで(ステップD3)、当該音声合成エンジン21にて動詞の「lead1」に対応した発音「リード」の単語音声信号が生成されスピーカ18から出力される(ステップAD→A7,A8)。
【0064】
一方、例えば図11(B)に示すように、指定の単語「lead2」の説明情報(G2)中をサーチしてもその品詞情報が存在しない場合であって(ステップA1〜A4(No))、発音記号「led」が存在していると判断され(ステップA5(Yes))、図10における単語:発音記号対応処理(ステップAD)に移行されると、当該指定単語「lead2」の説明情報(G2)中から得られた発音記号「led」に対応して、発音記号変換テーブル12b4(図4参照)から音声合成エンジン21に対する発音記号コマンド[lehd]が決定される(ステップD1)。
【0065】
すると、音声出力対象である指定の単語テキスト「lead2」が前記発音記号コマンド[lehd]の前に所定の発音記号使用コマンド[<phoneme>ON]を付加した単語音声発音記号コマンド[<phoneme>ON][lehd]に変換生成される(ステップD2)。
【0066】
すると、この説明情報中の発音記号「led」に従い生成された指定の単語である名詞の「lead2」の単語音声発音記号コマンド[<phoneme>ON][lehd]が音声合成エンジン21に送出されることで(ステップD3)、当該音声合成エンジン21にて名詞の「lead2」に対応した発音「レッド」の単語音声信号が生成されスピーカ18から出力される(ステップAD→A7,A8)。
【0067】
これにより、音声出力対象の指定単語が、動詞である場合と名詞である場合とで異なる発音であったとしても、当該指定単語の説明情報中に存在する品詞記号または発音記号に従って音声合成エンジン21に対するそれぞれ対応した単語音声出力コマンドを生成できるので、品詞の違いによって異なる発音音声も正確に音声出力してユーザに誤り無く学習させることができる。
【0068】
一方、前記音声出力対象の指定単語の説明情報中に、当該単語の品詞情報と発音記号との何れもが存在しないと判断された場合には(ステップA1〜A5(No))、当該指定の単語テキストがそのまま音声合成エンジン21へ送出され、当該単語テキストの個々の文字に対応した合成音声が生成されて1単語の発音音声としてスピーカ18から出力される(ステップA6〜A8)。
【0069】
図12は、前記携帯機器(電子辞書)10の音声出力付き辞書検索処理に伴う例文音声出力処理(ステップSB)を示すフローチャートである。
【0070】
図13は、前記携帯機器(電子辞書)10の例文音声出力処理(ステップSB)に伴い指定例文の語義分類の品詞情報から音声合成コマンドを生成するための例文:品詞対応処理(ステップBE)を示すフローチャートである。
【0071】
図14は、前記携帯機器(電子辞書)10の例文音声出力処理(ステップSB)に伴い例文:品詞対応処理(ステップBE)が起動される場合の指定例文中見出語の品詞記号が存在する説明情報表示画面G2およびこれに基づいた例文音声合成コマンドの具体的生成例を説明する図である。
【0072】
例えば図14に示すように、英単語の「lead」が検索されると共に、図14(A2)に示すように、その説明情報表示画面G2における動詞の「lead1」の例文「lead a horse by the bridle」が音声出力対象の例文として指定されることで、図12における例文音声出力処理が起動されると(ステップS1〜S4,S8〜S11→SB)、まず、当該指定の例文「lead a horse by the bridle」の説明情報における語義分類から品詞記号が検知され(ステップB1)、検索中である見出語の品詞記号の有無が判断される(ステップB2)。
【0073】
ここで、図14(A)に示すように、指定の例文「lead a horse by the bridle」のある説明情報における語義分類から品詞記号「動」Mが検知されたと判断されると(ステップB2(Yes))、図13における例文:品詞対応処理(ステップBE)に移行される。
【0074】
この例文:品詞対応処理が起動されると、前記指定の例文「lead a horse by the bridle」のある説明情報(G2)中から得られた動詞の品詞記号である「動」Mに従い、辞書名・品詞・コマンドテーブル12b3(図3参照)から音声合成用の追加コマンドコード[<pron>verb]が決定され(ステップE1)、音声出力対象である指定の例文テキスト「lead a horse by the bridle」の強調文字や斜体文字などで記述された見出語「lead」(または“〜”マーク)の前に追加されて例文音声合成コマンド「[<pron>verb]lead1 a horse by the bridle」が生成される(ステップE2)。
【0075】
すると、この品詞記号「動」Mに従い生成された動詞の見出語「lead1」を含む例文「lead a horse by the bridle」に対応する例文音声合成コマンド「[<pron>verb]lead1 a horse by the bridle」が音声合成エンジン21に送出されることで(ステップE3)、当該音声合成エンジン21にて動詞の「lead1」に対応した発音「リード」を含む指定の例文の音声信号が生成されスピーカ18から出力される(ステップBE→B6,B7)。
【0076】
一方、図14(B2)に示すように、検索見出語「lead」の説明情報表示画面G2における名詞の「lead2」の例文「a lead pipe」が音声出力対象の例文として指定されることで、図12における例文音声出力処理が起動された場合に(ステップS1〜S4,S8〜S11→SB)、図14(B1)に示すように、指定の例文「a lead pipe」のある説明情報における語義分類から品詞記号「名」Nが検知されたと判断されると(ステップB2(Yes))、図13における例文:品詞対応処理(ステップBE)に移行される。
【0077】
この例文:品詞対応処理が起動されると、前記指定の例文「a lead pipe」のある説明情報(G2)中から得られた名詞の品詞記号である「名」Nに従い、辞書名・品詞・コマンドテーブル12b3(図3参照)から音声合成用の追加コマンドコード[<pron>noun]が決定され(ステップE1)、音声出力対象である指定の例文テキスト「a lead pipe」の強調文字や斜体文字などで記述された見出語「lead」(または“〜”マーク)の前に追加されて例文音声合成コマンド「a[<pron>noun]lead2 pipe」が生成される(ステップE2)。
【0078】
すると、この品詞記号「名」Nに従い生成された名詞の見出語「lead2」を含む例文「a lead pipe」に対応する例文音声合成コマンド「a[<pron>noun]lead2 pipe」が音声合成エンジン21に送出されることで(ステップE3)、当該音声合成エンジン21にて名詞の「lead2」に対応した発音「レッド」を含む指定の例文の音声信号が生成されスピーカ18から出力される(ステップBE→B6,B7)。
【0079】
図15は、前記携帯機器(電子辞書)10の例文音声出力処理(ステップSB)に伴い指定例文の見出語発音記号から音声合成コマンドを生成するための例文:発音記号対応処理(ステップBF)を示すフローチャートである。
【0080】
図16は、前記携帯機器(電子辞書)10の例文音声出力処理(ステップSB)に伴い例文:発音記号対応処理(ステップBF)が起動される場合の指定例文中見出語の発音記号が存在する説明情報表示画面G2およびこれに基づいた例文音声合成コマンドの具体的生成例を説明する図である。
【0081】
例えば図16(A2)に示すように、検索見出語「lead」の説明情報表示画面G2における動詞の「lead1」の例文「lead a horse by the bridle」が音声出力対象の例文として指定されることで、図12における例文音声出力処理が起動された際に(ステップS1〜S4,S8〜S11→SB)、当該指定の例文「lead a horse by the bridle」の説明情報における語義分類から品詞記号が検知されず(ステップB1,B2(No))、図16(A1)に示すように、同説明情報の前方サーチによって発音記号「li:d」が存在していると判断されると(ステップB3,B4(Yes))、図15における例文:発音記号対応処理(ステップBF)に移行される。
【0082】
この例文:発音記号対応処理が起動されると、前記指定の例文「lead a horse by the bridle」のある説明情報(G2)中から得られた発音記号「li:d」に対応して、発音記号変換テーブル12b4(図4参照)から音声合成エンジン21に対する発音記号コマンド[liyd]が決定される(ステップF1)。そして、音声出力対象である指定の例文テキスト「lead a horse by the bridle」が、その見出語「lead」の部分を所定の発音記号使用コマンド[<phoneme>ON]+前記発音記号コマンド[liyd]に変換してなる例文音声発音記号コマンド「[<phoneme>ON][liyd]a horse by the bridle」として生成される(ステップF2)。
【0083】
すると、この説明情報中の発音記号「li:d」に従い生成された動詞の見出語「lead1」を含む例文「lead a horse by the bridle」に対応する例文音声合成コマンド「[<phoneme>ON][liyd]a horse by the bridle」が音声合成エンジン21に送出されることで(ステップF3)、当該音声合成エンジン21にて動詞の「lead1」に対応した発音「リード」を含む指定の例文の音声信号が生成されスピーカ18から出力される(ステップBF→B6,B7)。
【0084】
一方、図16(B2)に示すように、検索見出語「lead」の説明情報表示画面G2における名詞の「lead2」の例文「a lead pipe」が音声出力対象の例文として指定されることで、図12における例文音声出力処理が起動された場合に(ステップS1〜S4,S8〜S11→SB)、当該指定の例文「a lead pipe」のある説明情報における語義分類から品詞記号が検知されず(ステップB1,B2(No))、図16(B1)に示すように、同説明情報の前方サーチによって発音記号「led」が存在していると判断されると(ステップB3,B4(Yes))、図15における例文:発音記号対応処理(ステップBF)に移行される。
【0085】
この例文:発音記号対応処理が起動されると、前記指定の例文「a lead pipe」のある説明情報(G2)中から得られた発音記号「led」に対応して、発音記号変換テーブル12b4(図4参照)から音声合成エンジン21に対する発音記号コマンド[lehd]が決定される(ステップF1)。そして、音声出力対象である指定の例文テキスト「a lead pipe」が、その見出語「lead」の部分を所定の発音記号使用コマンド[<phoneme>ON]+前記発音記号コマンド[lehd]に変換してなる例文音声発音記号コマンド「a[<phoneme>ON][lehd]pipe」として生成される(ステップF2)。
【0086】
すると、この説明情報中の発音記号「led」に従い生成された名詞の見出語「lead2」を含む例文「a lead pipe」に対応する例文音声合成コマンド「a[<phoneme>ON][lehd]pipe」が音声合成エンジン21に送出されることで(ステップF3)、当該音声合成エンジン21にて名詞の「lead2」に対応した発音「レッド」を含む指定の例文の音声信号が生成されスピーカ18から出力される(ステップBF→B6,B7)。
【0087】
これにより、音声出力対象の指定例文に含まれる検索見出語が、動詞である場合と名詞である場合とで異なる発音であったとしても、当該指定例文の説明情報中に存在する当該見出語の品詞記号または発音記号に従って音声合成エンジン21に対するそれぞれ対応した例文音声出力コマンドを生成できるので、例文中の見出語の品詞の違いによって異なる発音音声も正確に音声出力してユーザに誤り無く学習させることができる。
【0088】
一方、前記音声出力対象の指定例文に対応した見出語説明情報中に、当該見出語の品詞情報と発音記号との何れもが存在しないと判断された場合には(ステップB1〜B4(No))、当該指定の例文テキストがそのまま音声合成エンジン21へ送出され、当該例文テキストの個々の文字に対応した合成音声が生成されて例文発音音声としてスピーカ18から出力される(ステップB5〜B7)。
【0089】
したがって、前記構成の携帯機器(電子辞書)10による辞書検索機能および音声出力機能によれば、辞書データ12b1から検索され表示された所望の見出語(単語)の説明情報表示画面G2において、発音音声の出力対象として任意の単語または例文が指定されると、当該指定の単語または例文中に含まれた見出語の辞書説明情報中に存在する品詞記号である「動」Mや「名」Nが検知され、この品詞記号に応じて予め設定された音声合成コマンド[<pron>verb]や[<pron>noun]を指定の単語や例文中の見出語の直前に追加してなる単語または例文の音声合成コマンドを生成し、これを音声合成エンジン21に与えて音声合成出力処理するので、音声出力対象の指定単語または指定例文中の見出語が、その品詞の違いによって異なる発音であったとしても、これを正確に音声合成出力して指定単語または指定例文の発音音声をユーザに誤り無く学習させることができる。
【0090】
また、前記構成の携帯機器(電子辞書)10による辞書検索機能および音声出力機能において、指定の単語または例文中の見出語の辞書説明情報中から品詞記号が検知されない場合には、さらに当該辞書説明情報中の発音記号が検知され、この発音記号を音声合成用の発音記号コマンドに変換すると共に、所定の発音記号使用コマンド[<phoneme>ON]+発音記号コマンドを指定の単語または例文中の見出語と置き換えてなる単語または例文の音声合成コマンドを生成し、これを音声合成エンジン21に与えて音声合成出力処理するので、この場合にも前記品詞記号を検知した場合と同様に、音声出力対象の指定単語または指定例文中の見出語が、その品詞の違いによって異なる発音であったとしても、これを正確に音声合成出力して指定単語または指定例文の発音音声をユーザに誤り無く学習させることができる。
【0091】
なお、前記各実施形態において記載した携帯機器(電子辞書)10による各処理の手法、すなわち、図5のフローチャートに示す音声出力付き辞書検索処理、図7のフローチャートに示す前記音声出力付き辞書検索処理に伴う単語音声出力処理、図8のフローチャートに示す前記単語音声出力処理に伴う単語:品詞対応処理、図10のフローチャートに示す前記単語音声出力処理に伴う単語:発音記号対応処理、図12のフローチャートに示す前記音声出力付き辞書検索処理に伴う例文音声出力処理、図13のフローチャートに示す前記例文音声出力処理に伴う例文:品詞対応処理、図15のフローチャートに示す前記例文音声出力処理に伴う例文:発音記号対応処理などでの各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)13、磁気ディスク(フロッピディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記憶媒体に格納して配布することができる。そして、辞書のデータベース(12b)を有する種々のコンピュータ端末は、この外部記憶媒体に記憶されたプログラムをプログラムROM12aに読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、前記実施形態において説明した辞書検索・音声合成出力機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0092】
また、前記各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(インターネット)N上を伝送させることができ、この通信ネットワーク(インターネット)Nに接続されたコンピュータ端末(プログラムサーバ)から前記のプログラムデータを取り込み、前述した辞書検索・音声合成出力機能を実現することもできる。
【0093】
なお、本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の音声出力機能付き情報表示制御装置の実施形態に係る携帯機器(電子辞書)10の電子回路の構成を示すブロック図。
【図2】前記携帯機器(電子辞書)10のプログラムROM12a、データベースROM12b、RAM12cに記憶されるデータの内容を示す図。
【図3】前記携帯機器(電子辞書)10のデータベースROM12bに記憶される辞書名・品詞・コマンドテーブル12b3のテーブルデータを示す図。
【図4】前記携帯機器(電子辞書)10のデータベースROM12bに記憶される発音記号変換テーブル12b4のテーブルデータを示す図。
【図5】前記携帯機器(電子辞書)10による音声出力付き辞書検索処理の全体処理を示すフローチャート。
【図6】前記携帯機器(電子辞書)10の音声出力付き辞書検索処理に伴うキー操作対応の表示動作を示す図。
【図7】前記携帯機器(電子辞書)10の音声出力付き辞書検索処理に伴う単語音声出力処理(ステップSA)を示すフローチャート。
【図8】前記携帯機器(電子辞書)10の単語音声出力処理(ステップSA)に伴い指定単語の品詞情報から音声合成コマンドを生成するための単語:品詞対応処理(ステップAC)を示すフローチャート。
【図9】前記携帯機器(電子辞書)10の単語音声出力処理(ステップSA)に伴い単語:品詞対応処理(ステップAC)が起動される場合の指定単語の品詞記号が存在する説明情報表示画面G2およびこれに基づいた単語音声合成コマンドの具体的生成例を説明する図。
【図10】前記携帯機器(電子辞書)10の単語音声出力処理(ステップSA)に伴い指定単語の発音記号から音声合成コマンドを生成するための単語:発音記号対応処理(ステップAD)を示すフローチャート。
【図11】前記携帯機器(電子辞書)10の単語音声出力処理(ステップSA)に伴い単語:発音記号対応処理(ステップAD)が起動される場合の指定単語の発音記号が存在する説明情報表示画面G2およびこれに基づいた単語音声合成コマンドの具体的生成例を説明する図。
【図12】前記携帯機器(電子辞書)10の音声出力付き辞書検索処理に伴う例文音声出力処理(ステップSB)を示すフローチャート。
【図13】前記携帯機器(電子辞書)10の例文音声出力処理(ステップSB)に伴い指定例文の語義分類の品詞情報から音声合成コマンドを生成するための例文:品詞対応処理(ステップBE)を示すフローチャート。
【図14】前記携帯機器(電子辞書)10の例文音声出力処理(ステップSB)に伴い例文:品詞対応処理(ステップBE)が起動される場合の指定例文中見出語の品詞記号が存在する説明情報表示画面G2およびこれに基づいた例文音声合成コマンドの具体的生成例を説明する図。
【図15】前記携帯機器(電子辞書)10の例文音声出力処理(ステップSB)に伴い指定例文の見出語発音記号から音声合成コマンドを生成するための例文:発音記号対応処理(ステップBF)を示すフローチャート。
【図16】前記携帯機器(電子辞書)10の例文音声出力処理(ステップSB)に伴い例文:発音記号対応処理(ステップBF)が起動される場合の指定例文中見出語の発音記号が存在する説明情報表示画面G2およびこれに基づいた例文音声合成コマンドの具体的生成例を説明する図。
【符号の説明】
【0095】
10 …携帯機器(電子辞書)
11 …CPU
12a…プログラムROM
12a1…辞書検索処理プログラム
12a2…合成音声出力処理プログラム
12a3…音声合成処理プログラム
12b…データベースROM
12b1…辞書データ
12b2…音声データ
12b3…辞書名・品詞・コマンドテーブル
12b4…発音記号変換テーブル
12c…RAM
12c1…入力文字メモリ
12c2…検索見出語メモリ
12c3…見出語情報指定位置メモリ
12c4…出力指定文字列メモリ
12c5…品詞対応追加コマンドメモリ
12c6…発音記号対応変換コマンドメモリ
13 …メモリカード
14 …キーボード(Key)
14a…「英和」キー
14b…「訳/決定」キー
14c…「音声」キー
14d…カーソルキー
14e…「例文」キー
15 …タッチパネル
16 …入力部
17 …表示部(LCD)
18 …スピーカ
18a…アンプ(Amp)
19 …電源回路
21 …音声合成エンジン
B …電池電源
G1…検索文字入力画面
G2…説明情報表示画面
K …反転カーソル
M …動詞の品詞記号
N …名詞の品詞記号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
指定の見出語の説明情報を表示させる情報表示制御手段と、この情報表示制御手段により表示された説明情報中の指定部分の音声を出力する音声出力手段とを備えた音声出力機能付き情報表示制御装置であって、
前記情報表示制御手段により表示された見出語の説明情報中の所定の情報を検知する所定情報検知手段と、
前記音声出力手段により前記指定部分の音声を出力させる際に、当該指定部分のうちの見出語部分の音声を、前記所定情報検知手段により検知された所定の情報を用いて音声を出力させる音声出力制御手段と、
を備えたことを特徴とする音声出力機能付き情報表示制御装置。
【請求項2】
前記所定情報検知手段により検知される所定の情報は品詞の情報であり、
前記音声出力制御手段は、前記音声出力手段により音声を出力させる際に、前記指定部分のうちの見出語部分の音声を、前記所定情報検知手段により検知された品詞の情報を用いて音声を出力させる品詞対応音声出力制御手段を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の音声出力機能付き情報表示制御装置。
【請求項3】
前記所定情報検知手段により検知される所定の情報は発音記号であり、
前記音声出力制御手段は、前記音声出力手段により音声を出力させる際に、前記指定部分のうちの見出語部分の音声を、前記所定情報検知手段により検知された発音記号を用いて音声を出力させる発音記号対応音声出力制御手段を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の音声出力機能付き情報表示制御装置。
【請求項4】
前記発音記号対応音声出力制御手段は、前記所定情報検知手段により検知された発音記号に対応する音声出力コマンドを取得して前記音声出力手段により音声を出力させることを特徴とする請求項3に記載の音声出力機能付き情報表示制御装置。
【請求項5】
前記所定情報検知手段は、前記指定部分である単語が当該単語に対応するところの説明情報中の先頭の見出語である場合にはその後方にある説明情報中の所定の情報を検知し、先頭の見出語以外の単語である場合にはその前方にある説明情報中の所定の情報を検知することを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の音声出力機能付き情報表示制御装置。
【請求項6】
前記音声出力制御手段は、前記指定部分が文である場合に、当該文中の所定マーク部分を見出語部分として前記所定情報検知手段により検知された所定の情報を用いて音声を出力させることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の音声出力機能付き情報表示制御装置。
【請求項7】
指定の見出語の説明情報を表示させる情報表示制御手段と、この情報表示制御手段により表示された説明情報中の指定部分の音声を出力する音声出力手段とを備えた音声出力機能付き情報表示制御装置のコンピュータを制御するための制御プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記情報表示制御手段により表示された見出語の説明情報中の所定の情報を検知する所定情報検知手段、
前記音声出力手段により前記指定部分の音声を出力させる際に、当該指定部分のうちの見出語部分の音声を、前記所定情報検知手段により検知された所定の情報を用いて音声を出力させる音声出力制御手段、
として機能させるようにしたコンピュータ読み込み可能な音声出力機能付き情報表示制御装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−94269(P2007−94269A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−286354(P2005−286354)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】