説明

音源探査装置

【課題】並列された複数の移動経路を移動する音源の音源探査に要する設備費用及び設置スペースを低減できる音源探査装置を提供する。
【解決手段】隣り合って並ぶ2つの線路31,32の中央に位置するとともに、線路31,32を移動する車両1,2に対して側部が対向するように固定された複数のマイクロホン25を配列して設けられたマイクロホンアレイ5と、マイクロホンアレイ5で集音された音圧データを記憶する音圧記憶装置7と、音圧記憶装置7に記憶された音圧データを用いて音圧分布を算出する計算装置8と、計算装置8によって算出された音圧分布を表示する表示装置9とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマイクロホンアレイを用いた音源探査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
移動音源の音源分布を計測する音源探査装置には、複数のマイクロホンを移動音源に対して1次元的(線的)に配列して移動音源の1次元的な音源分布を計測するものや、複数のマイクロホンを2次元的(面的)に配列して移動音源の2次元的な音源分布を計測するものがある。
【0003】
例えば、後者の2次元的な音源分布を計測する音源探査装置に係る技術としては、複数のマイクロホンから成る2つのマイクロホンアレイを交差させて配置し、この2つのマイクロホンアレイを構成する各マイクロホンで検出した音響信号を、移動音源から各マイクロホンまでの音波の到達時間だけ補正することで2次元的な音源分布の計測精度の向上を図っているものがある(特許文献1等参照)。
【0004】
【特許文献1】特許第2544535号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、並んで移動する複数の音源に対して音源探査を実施する場合には、その列の数だけマイクロホンアレイが必要になるため、設備費用が問題となることがある。特に、鉄道車両のような大きな移動音源を対象とする場合には、移動音源の進行方向に対して左右両側から音源探査する必要が生じるため、費用の問題はさらに顕著となる。
【0006】
また、一般的に、マイクロホンアレイにおけるマイクロホンは、感度が最も安定している正面部分が音源に向くように横向きに配置されるため、マイクロホンの長さやその支持部材の寸法分だけの設置スペースが必要となる。しかし、上記のように並走する移動音源の音源探査を実施する場合、移動音源同士の距離が近接しているときには、マイクロホンアレイの設置スペースが確保できないため、音源探査できない箇所が生じることがある。特に、複線の鉄道線路の間のスペースにマイクロホンを横向きに配置しようとすると、車両運行の安全確保のための境界である建築限界に入り込む可能性があり、設置できない場合がある。
【0007】
本発明の目的は、並列された複数の移動経路を移動する音源の音源探査に要する設備費用及び設置スペースを低減できる音源探査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明は、上記目的を達成するために、並列された複数の移動経路を移動する複数の音源のための音源探査装置において、前記複数の移動経路のうち隣り合って並ぶ2つの移動経路の中央に位置するとともに、前記2つの移動経路を移動する音源に対して側部が対向するように固定された複数のマイクロホンを配列して設けられたマイクロホンアレイと、このマイクロホンアレイで集音された音圧データを記憶する音圧記憶装置と、この音圧記憶装置に記憶された音圧データを用いて音圧分布を算出する計算装置と、この計算装置によって算出された音圧分布を表示する表示装置とを備えるものとする。
【0009】
このようにマイクロホンを配列すると、隣り合って並ぶ2つの移動経路を移動する音源に対して、正面部と感度が殆ど変わらないマイクロホンの側部を対向させることができるので、マイクロホンの両側面に位置する2つの移動音源の音減探査を行うことができる。これにより隣り合って並ぶ2つの移動経路を移動する音源の音源探査を1つのマイクロホンアレイによって実施できるので、設備費用及び設置スペースを低減することができる。
【0010】
(2)上記(1)は、好ましくは、さらに、前記2つの移動経路の一方に取り付けられ、その移動経路上を移動する音源を検知する第1移動体検知センサと、前記2つの移動経路の他方に取り付けられ、その移動経路上を移動する音源を検知する第2移動体検知センサとを備え、前記第1又は第2移動体検知センサの検知信号に基づいて、前記マイクロホンアレイで集音された音圧データがどちらの移動経路を通過した音源のものであるかを特定するものとする。
【0011】
(3)上記(2)は、好ましくは、前記音圧記憶装置に音圧データが記憶される間に、前記第1及び第2移動体検知センサがともに音源を検知した時間があるときには、その時間に前記音圧記憶装置に記憶された音圧データは前記計算装置における音圧分布の算出に利用しないものとする。
【0012】
(4)上記(1)は、好ましくは、さらに、前記2つの移動経路の一方に取り付けられ、その移動経路上を移動する音源を検知する第1移動体検知センサと、前記2つの移動経路の他方に取り付けられ、その移動経路上を移動する音源を検知する第2移動体検知センサとを備え、前記計算装置は、前記第1又は第2移動体検知センサの検知信号から得られる音源の位置情報と前記算出した音圧分布とを同期するものとする。
【0013】
(5)上記(1)は、好ましくは、前記マイクロホンは、正面部が地面と反対の方向に向くように配置されているものとする。
【0014】
(6)上記(1)は、請求項1記載の音源探査装置において、前記マイクロホンは、正面部が地面を向くように配置されているものとする。
【0015】
(7)上記(2)又は(4)の前記移動体検知センサは、磁気センサ又は光学センサであるものとする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、隣り合って並ぶ2つの移動経路を移動する音源の音源探査を1つのマイクロホンアレイによって実施できるので、設備費用及び設置スペースを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0018】
図1は本発明の実施の形態に係る音源探査装置の全体構成図である。
【0019】
この図に示す音源探査装置は、隣り合って並列された2つの線路31,32上を走行する2つの車両(移動音源)1,2の音源探査をするもので、移動体検知センサ3,4と、マイクロホンアレイ5と、収録装置6、コントローラ33と、音圧記憶装置7と、計算装置8と、表示装置9と、音圧分布記憶装置10を備えている。
【0020】
移動体検知センサ3,4は、移動体である車両1,2の通過を検知するものであり、移動体検知センサ3は線路31に、移動体検知センサ4は線路32に取り付けられている。移動体検知センサ3,4としては、例えば、磁気センサや光学センサが利用できる。移動体検知センサ3,4は、収録装置6と接続されており、車両1,2の通過時に得た検知信号(移動体検知信号)を収録装置6に出力している。また、本実施の形態の車両1,2のように、移動音源の長さが予め定まっている場合には、各センサ3,4を車両1,2が通過する時間等から、各車両1,2の速度を求めることができる。
【0021】
マイクロホンアレイ5は、車両1,2の音源探査をするもので、線路31と線路32の中央に位置するように設置されている。また、マイクロホンアレイ5は、複数のマイクロホン25を配列して設けられており、各マイクロホン25は、車両1,2に対して側部が対向するように支持部材34によって固定されている。マイクロホン25の側部を車両1,2と対向させるためには、後の図6(b)に示すように、車両1,2がマイクロホンアレイ5の設置箇所を同時に通過したと仮定したとき、両車両1,2の対応する部分を結んだ直線Lの中点Mにおいて当該直線に垂直に設けられる仮想面S上にマイクロホン25の長さ方向の中心軸が位置するようにマイクロホン25を固定すれば良い。なお、この仮想面S上に当該中心軸が位置するように固定すればマイクロホンの姿勢は問わない。しかし、地面からの反射音の影響を低減する観点からは、マイクロホン25の正面部が地面と反対の方向に向くように固定することが好ましく(後に詳述)、また、風雨の影響を軽減する観点からは、マイクロホン25の正面部が地面を向くように固定することが好ましい。後者のようにマイクロホン25を固定すると風雨の影響を低減できるので、装置の故障を軽減したり、寿命を延ばしたりすることができる。
【0022】
各マイクロホン25は音圧記憶装置7と接続されており、各マイクロホン25で集音された音圧データは音圧記憶装置7に出力されている。本実施の形態におけるマイクロホンアレイ5は、複数のマイクロホン25を線路31,32に沿って直線的に等間隔で配列(1次元配列)して構成されているが、2次元的に配列して構成しても勿論良い。
【0023】
収録装置6は、移動体検知センサ3,4から入力される移動体検知信号を記憶するもので、音圧記憶装置7、計算装置8、及びコントローラ33と接続されている。移動体検知センサ3,4から収録装置6に移動体検知信号が入力されると、音圧記憶装置7と計算装置8に当該検知信号が転送されるとともに、コントローラ33にトリガ信号が出力される。
【0024】
コントローラ33は、収録装置6からのトリガ信号に基づいて音圧記憶装置7と計算装置8の動作を制御するためのもので、音圧記憶装置7及び計算装置8と接続されている。コントローラ33に収録装置6からトリガ信号が入力されると、音圧記憶装置7と計算装置8に作動信号が出力される。この信号により音圧記憶装置7と計算装置8の動作が開始される。
【0025】
音圧記憶装置7は、マイクロホンアレイ5で集音された音圧データをマイクロホン25毎に記憶するもので、計算装置8と接続されている。コントローラ33によって作動すると、音圧記憶装置7は各マイクロホン25からの音圧データを記憶するとともに、その記憶した音圧データを計算装置8に転送する。
【0026】
計算装置8は、収録装置6からのデータと音圧記憶装置7からのデータを用いて音圧分布を算出するものである。計算装置8は、表示装置9と、音圧分布記憶装置10に接続されており、これらには計算装置8によって算出された音圧分布が出力されている。
【0027】
表示装置9は、計算装置8によって算出された音圧分布を表示するものであり、音圧分布記憶装置10は、計算装置8によって算出された音圧分布を記憶するものである。
【0028】
次に上記のように構成される音源探査装置の動作を説明する。
図2は本実施の形態に係る音源探査装置の動作のフローチャートである。
【0029】
まず、音源探査装置を動作するに先立って、車両長さ等の車両1,2の速度を算出するための条件をはじめとして、各マイクロホン25の座標、及び各マイクロホン25から車両1,2(音源)までの距離等、音源分布を測定するための諸条件を設定する。測定条件の設定が終了したら、処理を開始し、車両1又は車両2マイクロホンアレイ5の前を車両1,2が通過するのを待機する(S201)。車両1,2の通過の判定は、移動体検知センサ3,4を利用して行う(S202)。
【0030】
移動体検知センサ3,4のいずれかが車両1,2の通過を検知すると、車両を検知した移動体検知センサ3,4から移動体検知信号が収録装置6に出力される。検知信号が入力された収録装置6は、当該検知信号を収録しながら、音圧記憶装置7及び計算装置8に当該検知信号を転送するとともに、コントローラ33にトリガ信号を出力する。トリガ信号を受けたコントローラ33は音圧記憶装置7を作動させ、その作動した音圧記憶装置7はマイクロホン25で集音された音圧データの収録(記憶)を開始する(S203)。
【0031】
次に、音圧分布の精度を向上させるために、一方の車両の音圧データ収録中に他方の車両(反対車両)が通過したか否かを判定する。この判定は、音圧データ収録中に、移動体検知センサ3,4の両方が車両を検知した時間があるか否かで判断する(S204)。即ち、移動体検知センサ3,4がともに車両を検知した時間が音圧データ収録中に存在するときは、その時間に記憶された音圧データは、音圧分布の算出に利用不可能なデータとして処理する(S209)。一方、音圧データ収録中に、移動体検知センサ3,4のいずれかが車両を検出したのみだった場合には、車両が通過した線路の判別手順に移る。
【0032】
車両が通過した線路の判別は、収録装置6に検知信号を出力したものが、移動体検知センサ3と移動体検知センサ4のいずれであるかで判断する。本実施の形態では移動体検知センサ3から検知信号があった場合には移動体が通過した線路は線路31となり、移動体検知センサ4の場合には線路32となる(S205)。下記では、説明を簡略化するため、移動体検知センサ3が車両1を検知したものとして説明する。
【0033】
車両が通過した線路が線路31であると判別できたら、マイクロホンアレイ5を通過する際の車両1の速度を算出する手順に移る。計算装置8は、収録装置6から転送された検知信号に基づいて、車両1の速度を算出する。車両速度の算出方法の例としては、車両1の長さを予め入力しておき、これと車両1が移動体検知センサ3を通過する際に要した時間(即ち、検知信号が出力された時間)とから車両1の速度を求める方法がある(S206)。
【0034】
車両1の速度を算出したら、計算装置8は、その速度を利用して車両1の位置データと音圧データを同期させ、移動体としての音圧分布を算出する(S207)。これにより車両1の位置情報と音圧データを関連づけることができるので、音圧分布の精度向上と自動計測を実現することができる。なお、移動体(車両1)の位置情報と音圧データを同期する他の方法として、移動体の位置情報と同期をとって音圧データを音圧記憶装置7に記憶する方法を利用しても良い。計算装置8によって算出された音圧分布は、適宜、表示装置9に表示されたり、音圧分布記憶装置10に記憶される(S208)。
【0035】
図3及び図4は本実施の形態に係る音源探査装置による音圧分布の表示例である。図3はマイクロホン25を1次元的に配列した場合の図であり、図4は2次元的に配列した場合の図である。なお、音圧分布記憶装置10に記憶したデータは、車両の音源探査や設備診断に利用される。
【0036】
表示装置9への表示作業、音圧分布記憶装置10への記憶作業が終了したら、事前に設定した条件に基づいて、測定作業が完了したか否かを判断する(S210)。そして、音圧分布の測定処理を継続するのであればステップ203に戻って上記で説明した手順を繰り返し、測定が完了したのであれば処理を終了する。
【0037】
次に本実施の形態の作用及び効果を従来技術を参照しながら説明する。
【0038】
図5(a)は従来技術におけるマイクロホンの姿勢と移動音源の関係を示した図であり、図5(b)は従来技術の音源探査装置の全体構成図である。
【0039】
従来からの方法におけるマイクロホンは、図5(a)に示すように、感度が最も安定している正面部分が移動音源(車両1,2)に対向するように横向きに配置されていた。しかし、このようにマイクロホンを横向きに配置すると、図5(b)に示すように、少なくともマイクロホン15の長さ分の設置スペースが必要となり、場合によってはマイクロホン15の支持部材44等の寸法分のスペースも必要となる。そのため、移動音源同士の距離が近接しているときには、両音源の間にマイクロホンアレイ45の設置スペースが確保できないために音源探査が実施できない箇所が生じることがあった。特に本実施の形態のように、複線の鉄道線路の間のスペースにマイクロホン15を横向きに配置しようとすると、建築限界との関係でマイクロホンアレイ45を設置できない場合がある。また、たとえ設置スペースが確保できたとしても、並んで移動する2つの音源の音源探査を行うためには、少なくともその列の数だけマイクロホンアレイ45が必要になるため、設備費用が増大する傾向があった。特に本実施の形態にように、鉄道車両1,2のような大きな移動音源を対象とする場合には、移動音源の進行方向に対して左右両側から音源探査する必要が生じるため、費用の問題はさらに顕著となる。
【0040】
図6(a)は本実施の形態におけるマイクロホン25の姿勢と移動音源(車両1,2)の関係を示した図であり、図6(b)は本実施の形態の音源探査装置の全体構成図である。
【0041】
上記した従来技術に対して、本実施の形態におけるマイクロホン25は、図6(b)に示すように、線路31と線路32の中央に位置するとともに、車両1,2(音源)に対してマイクロホン25の側部が対向するように固定されている。このようにマイクロホン25を固定すると、図6(a)中の矢印で示した範囲(両側に位置する音源方向を中心として、前後30〜45度(即ち、見開き角60〜90度)の範囲)では、感度が最も安定している正面部と殆ど違いが無い感度を保持できるので、マイクロホン25の両側面に位置する移動音源の音源探査を行うことができる。特に、マイクロホン25はその中心軸が仮想面S上に位置するように固定されているので、線路31,32から等距離に配置されており、車両1と車両2のいずれが通過しても同じ条件で音源探査を行うことができる。これにより従来では2つ必要だったマイクロホンアレイ5を1つに減らすことができるので、設備費用を低減することができる。また、本実施の形態によれば、マイクロホン25の幅分のスペースがあればマイクロホンアレイ5を設置することができるので、設置スペースが限られている場合にも音源探査を実施することができる。したがって、本実施の形態によれば、隣り合って並ぶ2つの移動経路を移動する音源の音源探査を1つのマイクロホンアレイによって実施できるので、設備費用及び設置スペースを低減することができる。
【0042】
また、本実施の形態の音源探査装置では、線路31と線路32の双方に移動体検知センサ3,4が取り付けられているので、各検出信号を判定することにより車両1,2が同時通過したときの判定ができるとともに、どちら側の線路を車両が通過したかを確認することができるので、音源分布の自動測定を実施することができる。
【0043】
さらに、地面からの反射音の影響を低減するためには、マイクロホン25の正面部が地面と反対の方向に向くように固定すること(換言すれば、マイクロホン25の背面部が地面と対向するように固定すること)が好ましい。続いて、この理由を下記に説明する。
【0044】
図7(a)は従来技術における反射音の到達過程を示す図であり、図7(b)は本実施の形態における反射音の到達過程を示す図である。
【0045】
図7(a)に示すように、従来のようにマイクロホン15の正面部を音源11に対向させると、直接音13をマイクロホン15の正面部に到達させることができるが、地面12からの反射音14も正面部付近に到達してしまう。そのため、ノイズとなる反射音14までもが感度が良好な部分で計測されてしまうので、音源探査の精度が低下する場合がある。
【0046】
これに対して、図7(b)に示すように、マイクロホン25の正面部が地面と反対の方向に向くように固定すると、音源21からの直接音23をマイクロホン25の側部に到達させることができる一方で、地面22からの反射音24をマイクロホン25の背面部26に到達させることができる。マイクロホン25の背面部26の感度は、図6(a)などに示したように、他の部分と比較して相対的に感度が悪いため、従来の方法と比較して反射音24の影響を低減できる。これにより従来の方法と比較して音源探査の精度を向上させることができる。
【0047】
なお、上記の説明では車両1,2が移動音源の場合について説明したが、この他にも、並列された複数の移動経路を移動する複数の音源の音源探査であれば、本発明は適用可能である。これには、例えば、並行する複数のベルトコンベアに載せた製品(例えば、テレビ等のいわゆるデジタル家電製品や、洗濯機及び掃除機等の生活家電製品等)の異常音診断を行う場合等がある。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施の形態に係る音源探査装置の全体構成図。
【図2】本発明の実施の形態に係る音源探査装置の動作のフローチャート。
【図3】本発明の実施の形態に係る音源探査装置においてマイクロホンを1次元的に配列した場合の音圧分布の図。
【図4】本発明の実施の形態に係る音源探査装置においてマイクロホンを2次元的に配列した場合の音圧分布の図。
【図5】従来技術におけるマイクロホンの姿勢及び移動音源の関係図と音源探査装置の全体構成図。
【図6】本発明の実施の形態におけるマイクロホンの姿勢及び移動音源の関係図と音源探査装置の全体構成図。
【図7】本発明の実施の形態と従来技術における地面からの反射音の到達過程を示す図。
【符号の説明】
【0049】
1 車両
2 車両
3 移動体検知センサ
4 移動体検知センサ
5 マイクロホンアレイ
6 収録装置
7 音圧記憶装置
8 計算装置
9 表示装置
10 音圧分布記憶装置
25 マイクロホン
34 支持部材
L 直線
M 中点
S 仮想面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列された複数の移動経路を移動する複数の音源のための音源探査装置において、
前記複数の移動経路のうち隣り合って並ぶ2つの移動経路の中央に位置するとともに、前記2つの移動経路を移動する音源に対して側部が対向するように固定された複数のマイクロホンを配列して設けられたマイクロホンアレイと、
このマイクロホンアレイで集音された音圧データを記憶する音圧記憶装置と、
この音圧記憶装置に記憶された音圧データを用いて音圧分布を算出する計算装置と、
この計算装置によって算出された音圧分布を表示する表示装置とを備えることを特徴とする音源探査装置。
【請求項2】
請求項1記載の音源探査装置において、
さらに、前記2つの移動経路の一方に取り付けられ、その移動経路上を移動する音源を検知する第1移動体検知センサと、
前記2つの移動経路の他方に取り付けられ、その移動経路上を移動する音源を検知する第2移動体検知センサとを備え、
前記第1又は第2移動体検知センサの検知信号に基づいて、前記マイクロホンアレイで集音された音圧データがどちらの移動経路を通過した音源のものであるかを特定することを特徴とする音源探査装置。
【請求項3】
請求項2記載の音源探査装置において、
前記音圧記憶装置に音圧データが記憶される間に、前記第1及び第2移動体検知センサがともに音源を検知した時間があるときには、その時間に前記音圧記憶装置に記憶された音圧データは前記計算装置における音圧分布の算出に利用しないことを特徴とする音源探査装置。
【請求項4】
請求項1記載の音源探査装置において、
さらに、前記2つの移動経路の一方に取り付けられ、その移動経路上を移動する音源を検知する第1移動体検知センサと、
前記2つの移動経路の他方に取り付けられ、その移動経路上を移動する音源を検知する第2移動体検知センサとを備え、
前記計算装置は、前記第1又は第2移動体検知センサの検知信号から得られる音源の位置情報と前記算出した音圧分布とを同期することを特徴とする音源探査装置。
【請求項5】
請求項1記載の音源探査装置において、
前記マイクロホンは、正面部が地面と反対の方向に向くように配置されていることを特徴とする音源探査装置。
【請求項6】
請求項1記載の音源探査装置において、
前記マイクロホンは、正面部が地面を向くように配置されていることを特徴とする音源探査装置。
【請求項7】
請求項2又は4記載の音源探査装置において、
前記移動体検知センサは、磁気センサ又は光学センサであることを特徴とする音源探査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−192299(P2009−192299A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−31745(P2008−31745)
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(000233044)株式会社日立エンジニアリング・アンド・サービス (276)
【Fターム(参考)】