説明

音響コンプライアンス調整装置

小型の第1のスピーカの音質を改善するのに適したスピーカ構造を記載する。この構造は空洞を有し、第1のスピーカが空洞に音響的に結合される。第2のスピーカも空洞に音響的に結合され、第1のスピーカ及び第2のスピーカは互いに同相で励振される。第1のスピーカはユーザの耳に保持されるように調整されたイヤホンスピーカであってもよく、第2のスピーカは第1のスピーカより低いコンプライアンスを有する第1のスピーカより大きなリングアラートスピーカであってもよい。双方のスピーカは同一の移動電話に組み込まれる。第2のスピーカを第1のスピーカと同相で励振することにより、第2のスピーカは特に低周波数範囲において、より小型の第1のスピーカの音声再生を補助する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一定条件下で動作する第1のスピーカを含むスピーカ構造に関する。第1のスピーカに音響的に結合された第2のスピーカが第1のスピーカと同相で励振され、これにより第1のスピーカのコンプライアンス (compliance) が調整される。本発明は、特に、スピーカの寸法が小さいほど歪みの問題が大きくなるような場合で、第1のスピーカが小型イヤホンスピーカである場合に、適している。
【背景技術】
【0002】
例えば、移動電話のようなポータブル通信端末は、通常、リモートの相手との音声通信中に音声を提供するためにユーザの耳に保持されるように構成された少なくとも1つのスピーカ又はトランスデューサを備える。従って、本明細書においてイヤホンスピーカと呼ばれるそれらのスピーカは、スピーカの出力面を覆うように保持された場合に外耳により形成される空洞によって定まる音響コンプライアンスと協働するように構成される。ポータブル装置全般、特に移動電話は、小型化の傾向にある。この数十年の間、バッテリ、アンテナ、電子装置の製造を取り巻く技術は急速に進歩し、ポケットサイズの移動電話を提供することが可能になり、その性能は向上し続けている。しかし、ある点において相反する要求が課せられる。すなわち、端末は、可能な限り小型化されると同時に、顧客にとって魅力的なユーザインタフェースを有する必要がある。従って、ディスプレイ技術の進歩は移動電話の設計に大きな影響を与え、今日、全ての大手移動電話メーカは高性能マルチカラーディスプレイを有する端末を提供する。ディスプレイが大型化する一方で、端末全体は小型であることが望まれるので、端末のレイアウトが考慮されなければならない。
【0003】
移動電話のオーディオインタフェースはマイクロホン及びスピーカを含む。しかし、それらの要素は視覚面での利点はなく、従って、可能な限り小さくなければならない。スピーカの場合、スピーカの径や面積が小さくなるほど音響コンプライアンスは高くなり、音響コンプライアンスの高い膜を有するスピーカは、低コンプライアンスの膜と比較して大きな歪みを発生するため、問題が起こる。
【0004】
最新の移動電話は、2種類の音響信号、すなわち、通常はそのポータブル通信装置のユーザが通信している相手の音声である電話動作モードにおける低レベル電話型信号と、アラート動作モードにおける高レベルアラート型信号とを発生できなければならない。これら2つのレベルの音響出力信号を発生するために、従来、2つの異なるトランスデューサを使用していた。しかし、アラート信号の、ポリフォニック・リング信号に関する再生に課される要求が増大しており、また、移動電話の小型化の重要性も増してきているため、スピーカが1つだけの移動電話が提供されるようになった。2つのレベルの音響信号を発生するために、同一のトランスデューサは2つの異なる電気信号レベルで励振される。また、電話モードにおいては、移動電話は、通常、ユーザの耳に接した状態で保持されるが、アラートモードにおいては、移動電話は、通常、スピーカが自由空間の中へ音響信号を送出できるように配置される。電話モードとアラートモードでスピーカが面する対象が異なるということは、移動電話は2つの異なる音響インピーダンス状況に直面することを意味する。
【0005】
国際公開第01/033904号として公開された国際出願は、いわゆる「耐漏れ (leak-tolerant) 」システム、すなわち、ユーザの耳とそのユーザの耳に接して保持されるように設計された電話の面との間の空気漏れに対する耐性を有するシステムを実現するために、スピーカを収納する筐体に種々の開口部を導入することにより、そのようなインピーダンス差を最小限に抑える試みを提示する。しかし、この種の方法は、トランスデューサがアラートモードで駆動された場合又はトランスデューサが電話モードで使用された場合のいずれかで歪みを発生する。これは主にインピーダンスの不整合に起因しており、ユーザが電話の性能に及ぼす影響を最小限に抑えようとするこの方法は、アラートモード及び電話モードの双方においてほぼ歪みのない性能を実現するのには不適切である。更に、耐漏れ方法は音響コンプライアンスが低いスピーカの場合は比較的適切に機能するが、スピーカの寸法が小さくなるほど、音響コンプライアンスは増加する。スピーカの正面と背面との間に穴を導入する方法も、膜の音響負荷が大きくなるため、システムの高調波歪みが増加してしまう。
【特許文献1】国際公開第01/033904号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、小型スピーカ構造の技術には改善の余地がある。特に、本発明の1つの目的は、直径の小さなイヤホンスピーカにおける歪みの問題を解決又は軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
小型移動電話の小型化にも関連する問題は、移動電話の音響特性の人工的試験に関する。生産段階において、電話の音響特性は通常、人間の耳の音響インピーダンスをシミュレートする任意の種類の人工耳、より適切な用語で言えばカプラを使用して試験される。カプラには、実際の人間の耳と同様に出力開口部を覆う特有のシールが装着される。その後、スピーカは広帯域刺激又は周波数の異なる個別の正弦音を受ける。人工耳カプラの内部に収納されたマイクロホンはシステムの出力を送出する。この出力のフーリエ変換は周波数応答と呼ばれ、手元の仕様書に従って評価される。しかし、小型イヤホンスピーカの出力開口部は、電話の筐体の縁部又はそれにごく近接した位置に配置されることが多い。このような設計の結果、そのようなスピーカの出力開口部は、通常、使用中ユーザの耳に密接に被覆されない。従って、実際のユーザの耳をシミュレートするカプラも同様に、出力開口部の周囲に密接に係合してはならない。そのような構成に伴う問題点は、背景雑音が周波数応答の測定を妨げる可能性があることである。
【0008】
本明細書において提案される発明は、スピーカの音響コンプライアンスを能動的に調整する機構を含むスピーカ構造を提供するという概念を含む。移動電話などのポータブル装置の場合、この機能は、小さな正面スピーカより直径が大きく且つ音響コンプライアンスが比較的低い二次スピーカを正面スピーカの背面ボリュームに音響的に接続することにより実現される。大きな背面スピーカは、小さな正面スピーカの空洞インピーダンスをより適切に整合することにより、正面スピーカによる低周波数の再生を助長する。スピーカ間の音響的接続は、チャネルを使用する方法、導波管、又は単に2つのスピーカに同一の背面空洞を共有させる方法によって実現される。小さなイヤホンスピーカ及びより大きなリングアラートスピーカという2つのスピーカを装備した移動電話の場合、それら2つのスピーカを音響的に接続し、双方のスピーカを同相で同時に励振することにより、イヤホンスピーカの音質を改善できる。
【0009】
本発明の一実施形態は、
複数の境界壁により規定される空洞と、
一方の面が空洞に音響的に結合された第1のスピーカと、
一方の面が空洞に音響的に結合された第2のスピーカと、
第1のスピーカ及び第2のスピーカを互いに同相で励振するように接続されたスピーカ信号発生器装置とを具備するスピーカ構造を含む。
【0010】
一実施形態においては、スピーカ信号発生器装置は、空洞の内部に向かう方向及び空洞の内部から離間する方向に同時に発振するように第1のスピーカ及び第2のスピーカを同相で励振するように構成される。
【0011】
一実施形態においては、スピーカ信号発生器装置は、第2のスピーカが空洞の内部から離間する方向に発振する場合に第1のスピーカが空洞の内部に向かう方向に発振するように第1のスピーカ及び第2のスピーカを同相で励振するように構成される。
【0012】
一実施形態においては、スピーカ信号発生器装置は、第1のスピーカを第2のスピーカより高い振幅で励振するように構成される。
【0013】
一実施形態においては、スピーカ信号発生器装置は信号アッテネータを介して第2のスピーカに接続される。
【0014】
一実施形態においては、スピーカ信号発生器装置は、第1のスピーカに接続された第1の信号発生器と、第2のスピーカに接続された第2の信号発生器と、第1の信号発生器及び第2の信号発生器に接続された位相同期ユニットとを具備する。
【0015】
一実施形態においては、第1のスピーカは空洞の内側に配置され、空洞の第1の境界壁に形成された開口部を覆うように装着される。
【0016】
一実施形態においては、第2のスピーカは空洞の内側に配置され、空洞の第2の境界壁に形成された開口部を覆うように装着される。
【0017】
一実施形態においては、空洞はその外部に対して密封される。
【0018】
一実施形態においては、空洞を第1の部分空洞及び第2の部分空洞に分割する仕切り壁が空洞に形成され、圧力伝達部材が仕切り壁に形成される。
【0019】
一実施形態においては、圧力伝達部材は開口部を具備する。
【0020】
一実施形態においては、圧力伝達部材は膜を具備する。
【0021】
一実施形態においては、第2のスピーカは第1のスピーカより低い音響コンプライアンスを有する。
【0022】
本発明の別の実施形態は、
筐体と、
筐体の内部において複数の境界壁により規定された空洞と、
筐体の内部にあり、第1の出力面が筐体の第1の開口部に結合され、第1の背面が空洞に音響的に結合された第1のスピーカと、
筐体の内部にあり、第2の出力面が筐体の第2の開口部に結合され、第2の背面が空洞に音響的に結合された第2のスピーカと、
第1のスピーカ及び第2のスピーカを互いに同相で励振するように接続されたスピーカ信号発生器装置と
を具備する移動電話を含む。
【0023】
一実施形態においては、スピーカ信号発生器装置は、空洞の内部に向かう方向及び空洞の内部から離間する方向に同時に発振するように第1のスピーカ及び第2のスピーカを同相で励振するように構成される。
【0024】
一実施形態においては、スピーカ信号発生器装置は、第1のスピーカを第2のスピーカより高い振幅で励振するように構成される。
【0025】
一実施形態においては、第1のスピーカは、筐体の第1の開口部を覆うように配置されたユーザの耳へ音声を送信することにより電話モードで動作するように構成されたイヤホンスピーカであり、第2のスピーカは、オーディオプレーヤユニットに接続され且つ筐体の第2の開口部を通して自由空間へ音声を送信することによりアラートモード又はオーディオプレーヤモードで動作するように構成され、第2のスピーカは、電話モードにおいて第1のスピーカを補助する。
【0026】
一実施形態においては、筐体の第1の開口部は移動電話及び第1のスピーカの正面に形成され、筐体の第2の開口部は移動電話の背面に形成され、第1のスピーカ及び第2のスピーカは、それらの背面が互いに向かい合うように配置される。
【0027】
一実施形態においては、第2のスピーカは第1のスピーカより低い音響コンプライアンスを有する。
【0028】
本発明の別の実施形態は、スピーカ構造の音響品質を測定するための試験リグであって、
筐体と、
筐体の内部にあり、第1の出力面が筐体の開口部に結合され、開口部を覆うように配置されたユーザの耳へ音声を送信するように構成された第1のスピーカと、
を具備する音響装置と、
複数の境界壁により規定された空洞と、
境界壁にあり、筐体の開口部と密封係合する状態で嵌合するような形状に形成された開口部と、
第2の出力面が空洞に音響的に結合された第2のスピーカと、
を具備する人工耳装置と、
第1のスピーカ及び第2のスピーカを互いに同相で励振するように接続されたスピーカ信号発声器装置と
を含む試験リグを含む。
【0029】
一実施形態においては、スピーカ信号発生器装置は、第2のスピーカが空洞の内部から離間する方向に発振する場合に第1のスピーカが空洞の内部に向かう方向に発振するように第1のスピーカ及び第2のスピーカを同相で励振するように構成される。
【0030】
一実施形態においては、人工耳装置は、
カプラと、
アダプタ部材と、
を含み、
このアダプタ部材は、
貫通孔と、
この貫通孔が筐体の開口部を覆う状態で筐体に嵌合するような形状に形成された第1の面と、
カプラにより形成される空洞に対する開口部と嵌合するような形状に形成された第2の面と
を有する。
【0031】
一実施形態においては、スピーカ信号発生器装置は筐体に含まれる。
【0032】
一実施形態においては、スピーカ信号発生器装置は、第1のスピーカを第2のスピーカより高い振幅で励振するように構成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明は、第1のスピーカが第1のスピーカと同相で励振される第2のスピーカにより音響的に影響を受けるように構成されたスピーカ構造に関する。本発明は、第1のスピーカの物理的寸法が小さく、そのために歪みを増大する傾向にあるようなスピーカ構造に特に適している。前述のように、そのようなスピーカ構造の一例は、小型設計が市場で主に要求される移動電話のスピーカ構造である。この点で、移動電話は、基地局ユニットが携帯電話網における無線局であるか又は例えばDECT局であるかに関わらず、基地局ユニットと通信するように考案されたポータブル電話を含むことを意図する。従って、第1のスピーカが動作中にユーザの耳に保持されるように構成されたイヤホンスピーカである実施形態を参照して、本発明を以下に説明する。更に、用語「具備する(comprising/comprises)」は、本明細書及び添付の請求の範囲において含まれる特徴、要素又はステップを指示するために使用される場合、明示して挙げられている特徴、要素又はステップ以外の特徴、要素又はステップの存在を除外すると解釈されるべきではないことを強調しておく。また、周知の特徴に対して異なる表現が関連技術において使用される。例えば、スピーカ (speaker) は、場合によってはラウドスピーカ (loudspeaker)、トランスデューサ (transducer) 、あるいはレシーバ (receiver) という。この場合、スピーカという用語が主に使用され、この用語は、電気音声信号を受信し、例えば、膜によって音響信号を発生するために音声信号を機械的振動に変換するように考案された要素を定義するものである。好適な実施形態において使用可能なスピーカの実際の構造は特に重要な問題ではなく、従って、更に詳細には扱わない。
【0034】
次に、添付の図面を参照して好適な実施形態を説明する。
【0035】
図1は、本発明に係るスピーカ構造の最も基本的な実施形態を概略的に示す図である。第1のスピーカ10は、第1の面を下に向けて図の下端部に配置される。第1の面とは反対側のスピーカ10の第2の面は、複数の境界壁12〜15により規定される空洞11に音響的に結合される。図は空洞11の横断面図を示すが、空洞11をほぼ又は完全に包囲するために、その他に正面壁及び背面壁も含まれることを理解すべきである。図示される実施形態においては、第1のスピーカ10は空洞11の内側に配置され、空洞の第1の境界壁12に形成された開口部16を覆うように装着される。これに代わる構造においては、第1のスピーカ10は空洞11の外側に装着され、スピーカと空洞との音響接続は、導管又は単に壁12の開口部などにより実現される。いずれの場合にも、空洞11はスピーカ10の背面音響空洞、通常は背面空洞として作用する。
【0036】
第2のスピーカ17も含まれ、第2のスピーカの一方の面は空洞11と音響接続している。図中、スピーカ17は空洞11の内側に、境界壁14に形成された第2の開口部18を覆うように装着される。第1のスピーカ10の場合と同様に、第2のスピーカ17は任意に空洞11の外側に配置されてもよく、導管又は開口部によって空洞に音響的に接続されてもよい。
【0037】
図1に示される実施形態においては、空洞11に対向する面を第2のスピーカの背面と呼んでもよく、開口部18に対向する面をスピーカ17の出力面と呼んでもよい。ただし、出力面と呼ぶべき面は、実際には第2のスピーカ17の所期の用途によって決まる。スピーカ17の主な所期の用途が空洞11から離間する方向に、すなわち、図面の上に向かう方向に音響信号を供給することである場合、通常、外側に向いた面を出力面という。そのような実施形態の1つにおいては、第1のスピーカ10はイヤホンスピーカであり、第2のスピーカ17はリングアラートラウドスピーカである。双方のスピーカは移動電話に含まれる。この実施形態の場合、スピーカ17の外側に向いた面を出力面ということができる。これに対し、スピーカ17を実現する主な又は唯一の目的が第1のスピーカ10により感知されるインピーダンスに適合するために第1のスピーカ10を補助することである場合には、スピーカ17の内側に向いた面を出力面と呼ぶのがより適切である。そのような実施形態の1つにおいては、第1のスピーカ10は移動電話のイヤホンスピーカであり、第2のスピーカ17は、シミュレートされる動作モードにおいて第1のスピーカにより提供される音質を測定するための試験リグの補助スピーカである。この実施形態の場合、スピーカ17の内側に向いた面を出力面ということができる。これら2つの実施形態の例を以下に更に詳細に説明する。
【0038】
図1のスピーカ構造は、第1のスピーカ10及び第2のスピーカ17の双方に接続されたスピーカ信号発生器装置19を更に含む。更に、スピーカ信号発生器装置19は、第1のスピーカ及び第2のスピーカを互いに同相で励振するために音声信号を発生するように構成される。すなわち、周波数が変化しても、2つの信号は同一の周波数で発振する場合に限り同相にあることが可能であるので、周波数及び位相に関して同一の信号が双方のスピーカへ送出される。2つのスピーカ10及び17は互いに同相で発振するため、第1のスピーカ10に対する効果は音響インピーダンスの調整となる。開口部16を通して出力される音声が実際には第1のスピーカ10により発生され且つスピーカ17によるコンプライアンスの影響を受けた音波であるように、第2のスピーカ17は第1のスピーカ10より低い振幅で励振されるのが好ましい。更に、第2のスピーカ17は第1のスピーカ10より大型であるのが好ましく、これにより、第2のスピーカ自体が第1のスピーカ10より低いコンプライアンスを有するようになる。
【0039】
図2は、筐体21と、キーパッド又はキーボード22及びディスプレイ23を含むユーザインタフェースとを具備する移動電話20を示す。インタフェースの実際の配置は本発明には重要ではなく、図2に示される移動電話は、本発明を適用可能な構造の一例を提供する役割を果たすにすぎない。これに代わる移動電話の構造はクラムシェル型又はジャックナイフ型の端末であり、それらの端末においても本発明を適用できる。移動電話20は、マイクロホン(図示せず)と、図1の第1のスピーカ10のようなイヤホンスピーカとを含むオーディオインタフェースを更に具備する。イヤホンスピーカの出力面は筐体21の開口部24に音響的に接続される。イヤホンスピーカ10は開口部24のすぐ後に装着されてもよいが、開口部24から離間して、導管又は導波管により開口部に音響的に接続された状態で配置されてもよい。図示されてはいないが、移動電話20は、通常、無線トランシーバ回路網と、アンテナと、バッテリと、無線通信のための関連ソフトウェア及びデータメモリを含むマイクロプロセッサシステムとを更に具備し、それらは全て筐体21の内部に収納される。端末自体の特定の機能及び構造は本発明にはほとんど重要ではないので、これ以上詳細な説明は省略する。
【0040】
図3は、電話20を概略的に示す横断面側面図である。この図においては、図1に対応する内部構造は電話20の一部を形成するものとして示される。イヤホンスピーカである第1のスピーカ10とは別に、電話20はリングアラートスピーカ17を更に含む。スピーカ10及び17は、共通の空洞11を共有することにより音響的に接続される。リングアラートスピーカ17の出力面は、電話20の背面に形成された開口部25に面している。本発明に関して言えば、リングアラートスピーカは単にアラート信号を再生するために使用されるだけではなく、例えば、mp3ファイルを再生するように構成されたオーディオプレーヤユニットに結合され、それにより、自由空間構造において開口部25を通して音楽を再生するためのラウドスピーカとして機能してもよい。開口部24と同様に、開口部25もスピーカ17の出力面のすぐ上に位置している必要はなく、他の方法によりスピーカ17に音響的に接続されてもよい。スピーカ信号発生器装置19は、図1の場合と同様に第1のスピーカ10及び第2のスピーカ17の双方に接続されるが、図をわかりやすくするために、図3においては省略されている。
【0041】
図3においては、スピーカ10及び17は空洞11に関して図1の構造と同様に配置される。すなわち、2つのスピーカは空洞11の内壁に装着される。これに代わる配置例を示すことのみを目的とした図4に示されるように、リングアラートスピーカ17は空洞11の外側に配置されるが、導管41により空洞11に接続される。イヤホンスピーカ10に関しても、図3の配置の代わりに又はそれに加えて対応する配置を使用してもよい。
【0042】
図5は、スピーカ信号発生器装置19により電話40のイヤホンスピーカ10に供給される音声信号51を最も概略的に示す図である。音声信号は時間領域tで表され、単に一例として短い単一の周波数信号を表現する。垂直軸は、スピーカ10を励振するために供給される音声信号の振幅Aを表す。更に、スピーカ信号発生器装置19は、音声信号51と同相である対応する音声信号52によってリングアラートスピーカ17を励振する。正の振幅は空洞11に向かう方向の発振を表し、負の振幅は空洞11から離間する方向の発振を表す。従って、図3及び図5を参照すると、スピーカ10及び17は、互いに同相で、互いに向かう方向及び離間する方向に発振するように励振される。低コンプライアンスのリングアラートスピーカ17がイヤホンスピーカ10を補助するがイヤホンスピーカ10より優ることがないように、音声信号52の振幅は音声信号51の振幅より低いのが好ましい。信号51と信号52との振幅比は、必要条件に応じて調整される。一実施形態においては、イヤホンスピーカ10は40〜100mmの範囲の面積を有するが、リングアラートスピーカ17は80〜300mmの範囲の面積を有する。スピーカは円形又は矩形のいずれであってもよい。中間の共通空洞は1〜5cmの範囲の容積を有してもよい。これらの範囲内の寸法を有するスピーカ構造は正常に試験され、その結果、イヤホンスピーカ10の出力面における音響信号の歪みは最小限に抑えられた。スピーカ10及び17が互いに同相で互いに向かう方向及び離間する方向に発振するように励振された場合、より大型の第2のスピーカ17は、小型の第1のスピーカの空洞インピーダンスをより適切に整合することにより、通常は1kHzより低い第1のスピーカによる低周波数の再生を助長する。更に、再生音声における歪みは減少され、音質が改善される。
【0043】
次に本発明の第2の実施形態を説明する。第2の実施形態においては、2つの協働するスピーカが動作自在に組み合わされ且つ励振されるが、電話の場合のように同一の支持構造の一部を形成しない。
【0044】
図7は、ユーザの耳71に保持された通常の音声通信の場合の電話70の使用状況を示す。電話70は電話20と同一であってもよいが、必ずしも同一でなくてもよい。対応する要素を示すのに同一の参照番号を使用する。図7の電話70と電話20との相違点は、電話70が2つのスピーカを具備する必要がないということである。図示されるように、電話70は、空洞11に音響的に接続されたイヤホンスピーカ10を具備する。リングアラートスピーカ17は含まれてもよいし、含まれなくてもよい。今日の小型移動電話の場合、スピーカ開口部24が電話70の上縁部に非常に近接して配置されることが多いため、電話を耳に密接して確実に押し当てることが不可能であるということが図7に示される。従って、スピーカ10は耳により与えられる負荷と共に動作するように構成されなければならず、これは外耳71により規定される相当に開いた空洞を表す。そのため、生産中に電話の音質を試験する場合、理論上、耳が位置決めされると考えられる状態に類似するようにスピーカ開口部24にカプラを配置すべきである。このことは図8に概略的に示される。図8においては、カプラ81が横断面図で示されている。カプラ81は円筒形の形状を有し、開いた端部の周囲のシール82が電話70に対して保持されるように配置されるのが好ましい。カプラ81にはマイクロホン83が設けられ、マイクロホン83は、測定される音声を収集し且つイヤホンスピーカ10の周波数応答を評価するように構成された信号記録装置84に結合される。しかし、図8による測定構成は望ましいものではなく、これを克服する方法は、電話70とカプラ81との間にアダプタプレートを挿入することである。その場合、出力開口部24と耳道との間で通常起こる漏れは、カプラ81の壁に複数の穴を設けることによりシミュレートされる。しかし、穴を通してカプラに導入される任意の音声は測定の結果を損なう可能性があるので、そのような構成を使用する音声測定は静かな周囲環境の中で実行されるのが好ましい。しかし、防音環境の中で全ての電話の音質測定を実行するには相当に高いコストが必要であり、その作業は煩雑である。
【0045】
図9及び図10は、本発明に従って構成された試験リグの一実施形態の異なる特徴を示す図である。通常は、電話70の正面に嵌合するような形状に形成された電話側の面92及び貫通孔94の周囲の平坦な部分を含むカプラ側の面93を有する板であるアダプタ91が電話70に装着される。アダプタ91が電話70に適正に装着された場合、貫通孔94は電話70の開口部24を取り囲む。カプラ81はアダプタの面93と密接に係合するように配置され、それにより空洞85を形成する。図10において、シール82により係合される部分は破線の同心円により概略的に示される。
【0046】
更に、空洞と音響接続する状態で第2のスピーカ86が設けられる。第2のスピーカ86はカプラ81の内側に配置されてもよいが、図示されるように、カプラ81の壁を貫通して形成された穴と関連付けて配置されてもよい。スピーカ10の音質が試験される場合、第2のスピーカ86は第1のスピーカ10と同時に同相で励振される。このようにすることにより、図7に示される現実の状況と同じようなカプラ81と電話70との間の漏れの存在がシミュレートされる。より正確には、そのような漏れにより発生するインピーダンス効果がシミュレートされる。従って、試験リグにおいて使用されるスピーカ信号発生器装置87は、第2のスピーカ86が空洞85の内部から離間する方向に発振する場合にイヤホンスピーカ10は空洞85の内部に向かう方向に発振するように、イヤホンスピーカ10及び第2のスピーカ86を同相で励振するように構成される。この場合にも、図6に概略的に示されるように、スピーカ信号発生器装置87は、第2のスピーカ86に供給される音声信号62より高い振幅を有する音声信号61によって第1のスピーカを励振するように構成される。図5と同様に、図6における正の振幅は、空洞85に向かう方向の発振を表し、負の振幅は、空洞85から離間する方向の発振を表す。
【0047】
本実施形態においては、イヤホンスピーカ10に音響的に接続された第2のスピーカを設ける目的は、スピーカ10により発生される音声の品質を補助又は改善することではない。反対に、第2のスピーカは漏れを表現するように作用する。従って、第2のスピーカ86は、膜スピーカではなくピストフォンとして設けられてもよい。第2のスピーカ86を励振する音声信号62の振幅は、スピーカ10に対する信号61の振幅より小さくなければならず、リング信号62は、測定される実際の信号を表現するのではなく、単に摂動を表現することを意図する。振幅比は、主に電話70の構造設計及びスピーカ10とスピーカ86との相対面積によって決まり、従って、スピーカ信号発生器装置87は、試験リグ構成が現実の使用状況に可能な限り近いシミュレーションを実現するように調整される。図中、スピーカ信号発生器装置87は電話70の外側に位置するように示される。あるいは、電話自体のスピーカ信号発生器装置が使用されるが、その場合、スピーカ信号発生器装置は電話70のコネクタにより第2のスピーカ86に結合されてもよい。あるいは、第1のスピーカ10及び第2のスピーカ86に対して異なるスピーカ信号発生器装置が採用されてもよく、それらの装置は電話70のコネクタを介し、位相同期ユニットを経て接続される。
【0048】
図9及び図10を参照して説明された試験リグの実施形態によって、電話を防音区画の中に配置する必要なく音質試験を実行できる。これはコスト及び生産時間の点で生産ラインにおいて明らかに好都合である。
【0049】
本明細書中で説明されるスピーカ信号発生器装置19又は87は、本発明の一部を形成する2つのスピーカ10、17又は10、86に対して別個の信号発生器及び別個の増幅器段を具備してもよい。そのような場合、2つの信号発生器の間に位相同期ユニットが接続されるのが好ましい。あるいは、双方のスピーカに対して全く同一のスピーカ信号発生器装置が使用される。その場合、2つの音声信号において異なる振幅を実現するために、異なる増幅器段又は信号アッテネータが使用される。
【0050】
図2〜図4の電話20のような電話に適用される本発明の更なる実施形態においては、空洞11は仕切り壁によって2つの部分空洞に分割されてもよい。同時に励振される第2のスピーカ17がイヤホンスピーカ10を補助できるようにするために、仕切り壁に圧力伝達部材が形成される。圧力伝達部材は、例えば、開口部、膜又は仕切り壁に形成された導管であってもよい。開口部又は膜は、第2のスピーカ17が選択された可聴周波数範囲、例えば、1kHzより低い低周波数でのみイヤホンスピーカを補助するような寸法に形成されてもよい。
【0051】
図面を参照して、いくつかの実施形態によって本発明を説明した。しかし、添付の請求の範囲により定義される本発明の範囲から逸脱することなく、それらの実施形態を変形することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施形態に係るスピーカ構造を示す図である。
【図2】本発明に係るスピーカ構造が実現される移動電話を示す図である。
【図3】図2の移動電話の横断面側面図である。
【図4】図3の移動電話の代替設計を示す図である。
【図5】第1のスピーカの音質を改善するために第2のスピーカが励振されるような本発明の一実施形態に係るスピーカ構造においてスピーカを励振するための音声信号を示す図である。
【図6】第1のスピーカが接続される空洞における漏れをシミュレートするために第2のスピーカが励振されるような本発明の一実施形態に係るスピーカ構造においてスピーカを励振するための音声信号を示す図である。
【図7】スピーカ出力部がユーザの耳に保持されている状態の電話を示す図である。
【図8】カプラを使用して電話のスピーカの音質を試験するための測定構成を示す図である。
【図9】カプラ空洞を密封するためのアダプタ及びカプラ空洞に接続された二次スピーカを含めて、本発明の一実施形態に係るカプラを使用して電話のスピーカの音質を試験するための測定構成を示す図である。
【図10】図9の構成の各部分を斜視図で示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の境界壁により規定される空洞と、
一方の面が前記空洞に音響的に結合された第1のスピーカと、
一方の面が前記空洞に音響的に結合された第2のスピーカと、
前記第1のスピーカ及び前記第2のスピーカを互いに同相で励振するように接続されたスピーカ信号発生器装置と、
を具備することを特徴とするスピーカ構造。
【請求項2】
前記スピーカ信号発生器装置は、前記空洞の内部に向かう方向及び前記空洞の内部から離間する方向に同時に発振するように前記第1のスピーカ及び前記第2のスピーカを同相で励振するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ構造。
【請求項3】
前記スピーカ信号発生器装置は、前記第2のスピーカが前記空洞の内部から離間する方向に発振する場合に前記第1のスピーカが前記空洞の内部に向かう方向に発振するように、前記第1のスピーカ及び前記第2のスピーカを同相で励振するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ構造。
【請求項4】
前記スピーカ信号発生器装置は、前記第1のスピーカを前記第2のスピーカより高い振幅で励振するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ構造。
【請求項5】
前記スピーカ信号発生器装置は信号アッテネータを介して前記第2のスピーカに接続されることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ構造。
【請求項6】
前記スピーカ信号発生器装置は、前記第1のスピーカに接続された第1の信号発生器と、前記第2のスピーカに接続された第2の信号発生器と、前記第1の信号発生器及び前記第2の信号発生器に接続された位相同期ユニットとを具備することを特徴とする請求項1に記載のスピーカ構造。
【請求項7】
前記第1のスピーカは前記空洞の内側に配置され、前記空洞の第1の境界壁に形成された開口部を覆うように装着されることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ構造。
【請求項8】
前記第2のスピーカは前記空洞の内側に配置され、前記空洞の第2の境界壁に形成された開口部を覆うように装着されることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ構造。
【請求項9】
前記空洞はその外部に対して密封されることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ構造。
【請求項10】
前記空洞を第1の部分空洞及び第2の部分空洞に分割する仕切り壁が前記空洞に形成され、圧力伝達部材が前記仕切り壁に形成されることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ構造。
【請求項11】
前記圧力伝達部材は開口部を有することを特徴とする請求項10に記載のスピーカ構造。
【請求項12】
前記圧力伝達部材は膜を具備することを特徴とする請求項10に記載のスピーカ構造。
【請求項13】
前記第2のスピーカは前記第1のスピーカより低い音響コンプライアンスを有することを特徴とする請求項1に記載のスピーカ構造。
【請求項14】
筐体と、
前記筐体の内部において複数の境界壁により規定された空洞と、
前記筐体の内部にあり、第1の出力面が前記筐体の第1の開口部に結合され、第1の背面が前記空洞に音響的に結合された第1のスピーカと、
前記筐体の内部にあり、第2の出力面が前記筐体の第2の開口部に結合され、第2の背面が前記空洞に音響的に結合された第2のスピーカと、
前記第1のスピーカ及び前記第2のスピーカを互いに同相で励振するように接続されたスピーカ信号発生器装置と、
を具備することを特徴とする移動電話。
【請求項15】
前記スピーカ信号発生器装置は、前記空洞の内部に向かう方向及び前記空洞の内部から離間する方向に同時に発振するように前記第1のスピーカ及び前記第2のスピーカを同相で励振するように構成されることを特徴とする請求項14に記載の移動電話。
【請求項16】
前記スピーカ信号発生器装置は、前記第1のスピーカを前記第2のスピーカより高い振幅で励振するように構成されることを特徴とする請求項14に記載の移動電話。
【請求項17】
前記第1のスピーカは、前記筐体の前記第1の開口部を覆うように配置されたユーザの耳へ音声を送信することにより電話モードで動作するように構成されたイヤホンスピーカであり、前記第2のスピーカは、オーディオプレーヤユニットに接続され且つ前記筐体の前記第2の開口部を介して自由空間へ音声を送信することによりアラートモード又はオーディオプレーヤモードで動作するように構成され、前記第2のスピーカは、電話モードにおいて前記第1のスピーカを補助することを特徴とする請求項14に記載の移動電話。
【請求項18】
前記筐体の前記第1の開口部は前記移動電話及び前記第1のスピーカの正面に形成され、前記筐体の前記第2の開口部は前記移動電話の背面に形成され、前記第1のスピーカ及び前記第2のスピーカは、それぞれの背面が互いに向かい合うように配置されることを特徴とする請求項14に記載の移動電話。
【請求項19】
前記第2のスピーカは前記第1のスピーカより低い音響コンプライアンスを有することを特徴とする請求項14に記載の移動電話。
【請求項20】
スピーカ構造の音響品質を測定するための試験リグであって、
筐体と、
前記筐体の内部にあり、第1の出力面が前記筐体の開口部に結合され、前記開口部を覆うように配置されたユーザの耳へ音声を送信するように構成された第1のスピーカと、
を具備する音響装置と、
複数の境界壁により規定された空洞と、
1つの境界壁にあり、前記筐体の前記開口部と密封係合状態で嵌合するような形状に形成された開口部と、
第2の出力面が前記空洞に音響的に結合された第2のスピーカと、
を具備する人工耳装置と、
前記第1のスピーカ及び前記第2のスピーカを互いに同相で励振するように接続されたスピーカ信号発生器装置と、
を含むことを特徴とする試験リグ。
【請求項21】
前記スピーカ信号発生器装置は、前記第2のスピーカが前記空洞の内部から離間する方向に発振する場合に前記第1のスピーカが前記空洞の内部に向かう方向に発振するように前記第1のスピーカ及び前記第2のスピーカを同相で励振するように構成されることを特徴とする請求項20に記載の試験リグ。
【請求項22】
前記人工耳装置は、
カプラと、
アダプタ部材と、
を含み、
前記アダプタ部材は、
貫通孔と、
前記貫通孔が前記筐体の前記開口部を覆う状態で前記筐体に嵌合するような形状に形成された第1の面と、
前記カプラにより形成される前記空洞に対する前記開口部に嵌合するような形状に形成された第2の面と、
を有することを特徴とする請求項20に記載の試験リグ。
【請求項23】
前記スピーカ信号発生器装置は前記筐体の中に含まれることを特徴とする請求項20に記載の試験リグ。
【請求項24】
前記スピーカ信号発生器装置は、前記第1のスピーカを前記第2のスピーカより高い振幅で励振するように構成されることを特徴とする請求項20に記載の試験リグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2009−524957(P2009−524957A)
【公表日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−551670(P2008−551670)
【出願日】平成18年7月10日(2006.7.10)
【国際出願番号】PCT/EP2006/064038
【国際公開番号】WO2007/085305
【国際公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(502087507)ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】