説明

顔認識システムのユーザインターフェース作成装置、ユーザインターフェース作成プログラムおよびそれを記録した記録媒体

【課題】ユーザがプログラムを組むことなく顔認証用のユーザインターフェースを作成することを実現する。
【解決手段】エディタコンピュータ21の画面エディタ部24は、顔登録画面作成部24aおよび顔認証画面作成部24bを備える。顔登録画面作成部24aは、プログラマブル表示器1における顔認証エンジン9の特徴抽出部91に被認証者の顔の特徴データを登録する処理を実行させるとともに、その処理に必要な情報を提供するための顔登録画面を作成する。顔認証画面作成部24bは、顔認証エンジン9の特徴照合部92に被認証者を認証または非認証する処理を実行させるとともに、その処理に必要な情報を提供するための顔認証画面を作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔画像を用いて個人認証する顔認証システムにおけるユーザインターフェースを提供するためのユーザインターフェース作成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
バイオメトリクス認証技術としては、従来、指紋認証、声紋認証、虹彩認証などが知られているが、近年、顔認証が注目されている。顔認証技術は、予め撮影した被認証者の顔画像から目、口、鼻などの各部品の特徴を抽出して数値化して登録しておき、認証時に撮影した被認証者の顔画像から得られた各部品の特徴を登録した特徴と比較照合することにより、被認証者が登録された本人であるか否かを判定する(例えば特許文献1,2)。このように、顔認証技術は、認証のためのデータの採取が被認証者の顔を撮影するだけで行われるので、指紋認証や声紋認証などの他のバイオメトリクス認証技術と比べて、簡便にデータ採取を行うことができるだけでなく、被認証者の心理的負担が少ない。
【0003】
また、近年の情報管理におけるセキュリティ意識の高まりから、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置においても、バイオメトリクス認証技術を用いて、操作できる本人を認証させる仕組みの導入が進んでいる。
【特許文献1】特開昭63−177273号公報(1998年7月21日公開)
【特許文献2】特開平2005−242432号公報(2005年9月8日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の顔認証技術を情報処理装置に組み込む場合、被認証者の顔画像の登録、ログインのための顔の認証、認証結果の表示などを実行するために、ユーザが情報処理装置の画面上で入力などの操作をするときにユーザインターフェースが必要となる。一般に、この種のユーザインターフェースは、プログラマによって作成されたプログラムとして所定の形式で提供される。このため、ユーザの好みや使いやすさをユーザインターフェースに反映させようとすると、プログラマにユーザインターフェースの変更を依頼しなければならず、ユーザが自在にユーザインターフェースを変更することができない。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザがプログラムを組むことなく顔認証用のユーザインターフェースを作成することができるユーザインターフェース作成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る顔認証システムのユーザインターフェース作成装置は、上記の課題を解決するために、撮影された人物の画像から当該人物の顔の各部の特徴を表す第1特徴データを抽出して特徴データベースに登録する登録処理部と、被認証者の撮影画像の顔から顔の各部の特徴を表す第2特徴データを抽出して、当該第2特徴データと前記特徴データベースに登録された前記第1特徴データと比較して、両者が一致したときに被認証者を前記第1特徴データの特徴を有する人物であると認証する認証処理部とを備えた顔認証システムにおいて、前記登録処理部および前記認証処理部がそれぞれの処理を実行するために必要な情報をユーザへ報知する報知情報の表示形式および前記処理を実行するために必要なユーザが入力する入力情報の入力形式を規定するユーザインターフェースを作成する顔認証システムのユーザインターフェース作成装置であって、登録される人物に関する個人情報を入力するための個人情報入力部品と、当該人物の画像を表示するために、前記画像および前記個人情報を前記登録処理部に渡すことを定義付けられている登録画像表示部品とを予め有しており、ユーザの操作によって前記個人情報入力部品および前記登録画像表示部品とを所望の位置に配置することにより登録処理画面を作成する登録処理画面作成手段と、被認証者の画像を表示するために、当該画像を前記認証処理部へ渡すことが定義付けられている被認証画像表示部品と、前記認証処理部による認証結果を表示する認証結果表示部品とを予め有しており、ユーザの操作によって前記被認証画像表示部品および前記認証結果表示部品とを所望の位置に配置することにより認証処理画面を作成する認証処理画面作成手段とを備えていることを特徴としている。
【0007】
上記の構成では、登録処理画面作成手段により、ユーザの操作によって前記個人情報入力部品および前記登録画像表示部品とを所望の位置に配置することにより登録処理画面が作成される。
【0008】
また、認証処理画面作成手段により、ユーザの操作によって前記被認証画像表示部品および前記認証結果表示部品とを所望の位置に配置することにより認証処理画面が作成される。
【0009】
したがって、ユーザは、登録処理画面や認証処理画面を自在に作成もしくは変更することで、ユーザの好みや使いやすさを登録処理画面に反映させることができる。
【0010】
前記ユーザインターフェース作成装置は、前記認証処理部によって認証された被認証者の顔画像と当該被認証者の個人情報とを併せて所定の記憶部に保存する保存処理部と、前記記憶部に保存された被認証者の顔画像および個人情報を読み出して一覧表示する表示処理部とを備えた前記顔認証システムに対して、前記表示処理部によって前記顔画像を表示するための顔画像表示部品と、前記表示処理部によって前記個人情報を表示するための個人情報表示部品とを予め有しており、ユーザの操作によって前記顔画像表示部品および前記個人情報表示部品とを所望の位置に配置することにより被認証者一覧表示画面を作成する被認証者一覧表示画面作成手段を備えていることが好ましい。
【0011】
上記の構成では、被認証者一覧表示画面作成手段により、ユーザの操作によって前記顔画像表示部品および個人情報表示部品とを所望の位置に配置することにより被認証者一覧表示画面が作成される。
【0012】
これにより、過去に認証された被認証者を一覧表示するためのユーザインターフェースを容易に提供することができる。
【0013】
このユーザインターフェース作成装置において、前記保存処理部が、前記認証処理部によって認証されなかった被認証者の顔画像を前記所定の記憶部に保存し、前記表示処理部が、前記記憶部に保存された認証されなかった被認証者の顔画像を非認証顔画像として読み出して一覧表示する前記顔認証システムに対して、前記顔画像表示部品は、前記非認証顔画像も表示することが好ましい。これにより、認証された被認証者だけでなく、認証されなかった被認証者(非認証者)をも一覧表示するためのユーザインターフェースを容易に提供することができる。
【0014】
本発明のユーザインターフェース作成プログラムは、前述のいずれかのユーザインターフェース作成装置を動作させるためのプログラムであって、コンピュータを前記各手段として機能させるプログラムである。また、このユーザインターフェース作成プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録される。これにより、プログラムをコンピュータに読み取らせて実行させることで、前記ユーザインターフェース作成装置を実現することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るユーザインターフェース作成装置は、以上のように、登録される人物に関する個人情報を入力するための個人情報入力部品と、当該人物の画像を表示するために、前記画像および前記個人情報を顔認証システムの登録処理部に渡すことを定義付けられている登録画像表示部品とを予め有しており、ユーザの操作によって前記個人情報入力部品および前記登録画像表示部品とを所望の位置に配置することにより登録処理画面を作成する登録処理画面作成手段と、被認証者の画像を表示するために、当該画像を前記認証処理部へ渡すことが定義付けられている被認証画像表示部品と、前記認証処理部による認証結果を表示する認証結果表示部品とを予め有しており、ユーザの操作によって前記被認証画像表示部品および前記認証結果表示部品とを所望の位置に配置することにより認証処理画面を作成する認証処理画面作成手段とを備えている。これにより、ユーザがプログラムを組むことなくユーザの好みや使いやすさを反映させた顔認証用のユーザインターフェースを作成することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施形態を図1ないし図11に基づいて説明すると、以下の通りである。
【0017】
図1に示すように、操作表示装置としてのプログラマブル表示器1は、CPUなどの演算処理装置を備えており、ユーザが作成した入力操作および表示用の画面データを表示することによりプログラマブル表示器特有の操作機能および表示機能を実現する専用コンピュータである。
【0018】
このプログラマブル表示器1は、シリアルケーブル12を介したPLC13との通信により、PLC13を介して表示画面に表示される各デバイス11の状態を取得して、例えば、後述のディスプレイ2に各デバイス11の状態を表示する機能を有している。また、プログラマブル表示器1は、後述のタッチパネル3への操作に応じて、デバイス11の状態制御をPLC13に指示する機能を有している。また、プログラマブル表示器1は、顔画像を用いてログインを許可操作者の顔画像を操作情報とともに記録して保存し、かつ表示する機能も有している。
【0019】
プログラマブル表示器1は、上記の機能を実現するために、ディスプレイ2と、タッチパネル3と、インターフェース部(図中、I/F)4,5と、データメモリ6と、作業メモリ7と、HMI処理部8と、顔認証エンジン9と、顔ログエンジン10と、特徴データベース16と、ログファイル保存部17を備えている。以下、プログラマブル表示器1の主要各部について詳細に説明する。
【0020】
ディスプレイ2は、プログラマブル表示器1を薄型に構成するために、液晶ディスプレイや、ELディスプレイや、プラズマディスプレイのような平板型ディスプレイが好適に用いられる。タッチパネル3は、ディスプレイ2の表示画上でタッチ入力を行うために設けられている入力装置である。
【0021】
インターフェース部4は、プログラマブル表示器1がPLC13との間のシリアル通信を行うための通信制御部であり、シリアルケーブル12で各々が接続されている。インターフェース部4は、その接続機器データに基づいて、PLC13のメーカや機種に応じた通信プロトコルを用いて通信を行う。上記の接続機器データや通信プロトコルは、例えば、後述するデータメモリ6に格納される。
【0022】
なお、プログラマブル表示器1とPLC13との接続は、シリアルケーブル12に限らず、イーサネット(登録商標)等のネットワークやその他の通信手段によってなされてもよい。
【0023】
ここで、PLC13について説明する。
【0024】
PLC13は、ユーザが作成したシーケンスプログラム(ラダープログラムなど)にしたがって、例えば、数十msなどの予め定められたスキャンタイム毎に、入力ユニットを介して入力用のデバイス11の状態を取り込むとともに、出力用のデバイス11に状態を変更するように制御指示を与える。
【0025】
入力用のデバイス11としては、センサ(温度センサ、光センサなど)、スイッチ(押ボタンスイッチ、リミットスイッチ、圧力スイッチなど)のような機器が用いられる。出力用のデバイス11としては、アクチュエータ、リレー、電磁弁、表示器などが用いられる。これらのデバイス11は、製造ラインなどの所要各部に配置される。
【0026】
なお、デバイス11は、プログラマブル表示器1における特定のメモリ領域(例えば後述のシステムエリアにおけるユーザエリア)であってもよいし、PLC13内のメモリにおける特定のメモリ領域であってもよい。これらのメモリ領域は内部デバイスとして設定される。
【0027】
PLC13内のメモリ(デバイスメモリ)は、デバイス11の状態(デバイス11からの出力値やデバイス11への設定値)を示すデータ(ワードデータやビットデータ)を、デバイスアドレスで特定される領域に格納している。上記メモリにおいて、ワードデバイスとビットデバイスとが設定される。ワードデバイスは、入出力されるデータが数値のようなワードデータを格納する領域として設定され、ワードアドレス(デバイスアドレス)で指定される。また、ビットデバイスは、オン・オフ状態のようなビットデータを格納する領域として設定され、ビットアドレス(デバイスアドレス)で設定される。このような設定により、メモリ内の任意のワードデバイスまたはビットデバイスをデバイスアドレスとして指定してアクセスするだけでデバイス11を制御し、またはその状態に関する情報を個別に取り出すことができる。
【0028】
PLC13のメーカ毎に固有の名称で呼ばれるデバイスアドレスには、変数が対応付けられている。変数は、ユーザによって任意に設定可能な名称であり、後述するコメントを変数として扱うことができる。
【0029】
以降の説明では、デバイスアドレスを適宜、アドレスと称する。
【0030】
インターフェース部5は、プログラマブル表示器1がエディタコンピュータ21との間の通信を行うための通信制御部である。このインターフェース部5は、画面データ等をエディタコンピュータ21からプログラマブル表示器1へ転送するための転送ケーブル14に接続されている。転送ケーブル14としては、例えばUSBケーブルが用いられる。
【0031】
データメモリ6は、画面データ、前述の通信プロトコルなどを格納するためのメモリであり、FEPROM(Flash Erasable and Programmable ROM)が用いられる。FEPROMは、書き替え可能な読み出し専用のフラッシュメモリであるので、一般のパーソナルコンピュータにおけるハードディスクドライブの役割を果たす。フラッシュメモリは、可動部を持たず、かつ衝撃に強いので、劣悪な周囲環境でも安定して動作する。
【0032】
画面データは、プログラマブル表示器1に表示されるユーザ画面(1フレーム分の画面データによって構成される単位画面)のデータのファイルである。画面データは、ディスプレイ2に表示すべきベース画面や部品等のオブジェクトのデータおよび各オブジェクトに付与された処理規定情報などを含んでいる。処理規定情報は、ユーザ画面に関連して行われる各種の処理を規定しており、ベース画面上で実行されるべき事象毎に作成される。この処理規定情報は、基本的には、表示処理を実行すべきベース画面のファイル番号(画面番号)と、このベース画面上で実行すべき動作内容を特定する事象名と、各実行事象毎に参照される1または複数のデータからなる参照情報とを一組として備えている。
【0033】
作業メモリ7は、例えば、DRAMによって構成されており、表示制御などの演算処理時の作業用に用いられる。また、作業メモリ7は、取得したデバイス11のデータの一時的な記憶に用いられる。また、作業メモリ7は、PLC13のデバイスメモリに格納されるデバイス11の状態(デバイスアドレスの内容)をデバイスメモリとの間で受け渡しするための状態メモリ領域を有している。
【0034】
プログラマブル表示器1のメモリには、システムエリアが設けられている。システムエリアは、プログラマブル表示器1の稼働に必要なデータを格納するシステムデータエリアや、ユーザが内部デバイスとして利用できるユーザエリアや、特殊リレーとして利用される特殊リレーエリアなどを含んでいる。このシステムエリアは、例えば、作業メモリ7に設けられている。
【0035】
HMI処理部8は、HMI機能を実現するために、制御の中心として設けられている。このHMI処理部8は、プログラムを実行することによって実現される機能ブロックである。
【0036】
HMI処理部8は、所定の時間間隔毎や所定のイベント毎にPLC13と通信することによって、PLC13のメモリから、デバイス11の状態を状態データとして取得して、プログラマブル表示器1内に用意された一時的なメモリ空間、例えば作業メモリ7の特定の領域(状態メモリ領域)に書き込む。また、HMI処理部8は、PLC3の内部メモリにおける状態データを更新するように、状態メモリ領域におけるデバイス11の状態データを書き替えて、PLC13に送信する。HMI処理部8は、前述のオブジェクトを組み合わせて作成された画面データに基づいて、デバイス11の状態データをPLC13から取得してプログラマブル表示器1に描画表示するときの動作や、画面への操作に応じてデバイス11の状態の変更を指示するときの動作を処理規定情報によって特定する。
【0037】
顔認証エンジン9は、特徴抽出部91と、特徴照合部92とを有している。
【0038】
特徴抽出部91は、後述する顔登録部81から渡された入力画像から顔画像を切り出し、この顔画像から顔の各部の特徴を表すデータを抽出して、顔登録部81から渡された個人情報とともに特徴データベース16に登録する。
【0039】
特徴照合部92は、顔認証部81から渡された入力画像から顔画像を切り出し、この顔画像から顔の各部の特徴を表すデータを抽出して、後述する認証感度調整値や認証パラメータにしたがって特徴データベース16に登録された各部の特徴データとを比較照合し、一致/不一致(認証/非認証)の結果を後述する顔認証部82に通知する。
【0040】
顔ログエンジン10は、後述する顔認証部82から渡された、顔認証の結果が得られた被認証者の顔画像および顔認証の結果(認証/非認証)と、認証された被認証者の個人情報とをログファイル保存部17に保存する。また、顔ログエンジン10は、後述する顔ログ表示部83の指示に応じて、ログファイル保存部17に保存されている被認証者の顔画像および顔認証の結果と、認証された被認証者の個人情報とを読み出して、顔ログ表示部83に渡す。
【0041】
前述したHMI処理部8は、顔認証のために、顔登録部81と、顔認証部82と、顔ログ表示部83とを有している。
【0042】
まず、顔登録部81は、ユーザの指示等により、カメラからの入力画像を顔認証用の顔画像として登録するイベントが発生すると、カメラからの入力画像を後述する顔登録画面101(図2参照)にウインドウ表示する。
【0043】
ここで、図2を用いて、プログラマブル表示器1における顔登録画面101について説明する。
【0044】
顔登録画面101は、顔登録部81が顔登録のためのユーザインターフェースとして提供する画面である。この顔登録画面101は、登録画像表示部品102と、氏名入力ボックス103と、権限設定ボックス104と、登録開始スイッチ105とを有している。
【0045】
登録画像表示部品102は、カメラ15から入力された登録したい被認証者の画像を表示するための部品であり、イメージ表示器として設けられる。この登録画像表示部品102はと、登録される人物を表示する部品であることをわかりやすくするために、人を模した絵を含んでいる。また、登録画像表示部品102には、特徴データベース16を設定するための記憶装置(記憶媒体)、すなわち登録データ保存場所が予め設定されている。この登録データ保存場所については、他の項目を含めて、後述する登録設定ダイアログボックス501(図7参照)で設定される。登録設定ダイアログボックス501による設定については、後に詳しく説明する。
【0046】
氏名入力ボックス103は、被認証者の氏名を入力する部品として提供される。氏名入力ボックス103への氏名の入力は、例えば、氏名入力ボックス103がタッチ操作されることにより、ポップアップ表示されるキーボードを用いて行われる。
【0047】
権限設定ボックス104は、被認証者がプログラマブル表示器1の操作権限を有しているか否かを設定するために設けられる。この権限設定ボックス104は、操作権限を有するか否かをチェックボックスの形式で設定するように設けられている。
【0048】
登録開始スイッチ105は、被認証者の顔画像を登録するために被認証者が登録処理の開始を指示するために設けられたスイッチ部品である。この登録開始スイッチ105は、タッチ操作によって下記のように各情報を認証エンジン9に渡すことが処理規定情報として定義付けられている。
【0049】
顔登録部81は、登録開始スイッチ105がユーザによってタッチ操作されると、登録画像表示部品102に表示された画像とともに、登録画像表示部品102に設定された各項目、氏名入力ボックス103に入力された氏名、および権限設定ボックス104に設定されたログイン後の操作権限の有無を顔認証エンジン9に渡す。顔認証エンジン9は、前記入力画像を受け取ると、特徴抽出部91において、前記入力画像から、撮影された人物の顔の各部の特徴を表す登録用の特徴データ(第1特徴データ)を抽出し、抽出された第1特徴データを後述する個人情報とともに特徴データベース16に登録する。
【0050】
なお、顔登録画面101は、すでに第1特徴データが登録されている被認証者(登録者)の氏名の一覧を表示する登録者一覧表示部品(図示せず)を有していてもよい。この登録者一覧表示部品を設けることにより、これから登録しようとする被認証者がすでに登録されているか否かを確認することができる。
【0051】
また、顔登録画面101は、前述の登録データ保存場所を設定するスイッチを有していてもよい。このスイッチを設けることにより、顔登録画面101において、認証エンジン9に渡す登録データ保存場所を設定することができる。登録データ保存場所は、前述のように、登録画像表示部品102に予め設定されているが、上記のスイッチをタッチ操作することで、プログラマブル表示器1において登録データ保存場所を変更することができる。
【0052】
上記のスイッチは、ワードデータを指定されたメモリ領域に書き込むワードスイッチで構成され、予め後述する画面エディタ部24の顔登録画面作成部24aによって、タッチ操作されると登録データ保存場所(パス名等)を前述のユーザエリアの指定されたアドレスの領域に書き込むという属性(処理規定情報)が設定されている。顔登録部81は、登録開始スイッチ105がユーザによってタッチ操作されると、上記のアドレスにしたがってユーザエリアから登録データ保存場所を読み出して、顔認証エンジン9に渡す。
【0053】
次に、顔認証部82は、ユーザの指示により、カメラからの入力画像を認証するイベントが発生すると、カメラからの入力画像を後述する顔認証画面201(図3参照)にウインドウ表示する。
【0054】
ここで、図3を用いて、プログラマブル表示器1における顔認証画面201について説明する。
【0055】
顔認証のための画面である顔認証画面201は、被認証者表示部品202と、氏名表示部品203と、権限表示部品204と、認証結果表示部品205とを有している。
【0056】
被認証者表示部品202は、カメラ15から入力された認証したい被認証者の画像を表示するための部品であり、イメージ表示器として設けられる。この被認証者表示部品202は、被認証者を表示する部品であることをわかりやすくするために、人を模した絵を含んでいる。また、認証者登表示部品202には、後述する認証設定ダイアログボックス601(図9参照)で設定される各項目が設定されている。各項目については、後に詳しく説明する。
【0057】
氏名表示部品203は、被認証者が認証されたとき、特徴照合部92からの氏名情報を受けて、特徴照合部92が認証した被認証者の氏名を表示するために設けられた文字列表示器部品である。
【0058】
権限表示部品204は、被認証者が認証されたとき、特徴照合部92からの権限情報を受けて、被認証者がプログラマブル表示器1の操作権限を有しているか否かを表示するために設けられた文字列表示器部品である。
【0059】
認証結果表示部品205は、被認証者の認証結果を表示するために設けられた文字列表示器部品である。
【0060】
顔認証部82は、ログファイル保存部17に前記入力画像を登録し、前記入力画像を顔認証エンジン9に渡す。顔認証エンジン9は、前記入力画像を受け取ると、特徴抽出部91において、前記入力画像から、撮影された人物の顔の各部の特徴を表す認証用の特徴データ(第2特徴データ)を抽出する。さらに、顔認証エンジン9は、特徴照合部92において、当該第2特徴データと前記特徴データベースに登録された前記第1特徴データと比較して、両者が一致したときに被認証者を前記第1特徴データの特徴を有する人物であると認証する。特徴照合部92は、顔認証の結果(認証/非認証)を特徴データベース16から取得した個人情報と併せて(認証に成功した場合のみ)顔認証部82に渡す。
【0061】
顔認証部82は、特徴照合部92からの認証結果を受けて、認証された場合は、認証結果表示部品205に「認証しました」および「ログイン画面に遷移します」というメッセージを表示し、ユーザの操作もしくは、一定時間の経過などによって、図4に図示する通常の操作画面に遷移する。また、顔認証部82は、認証されなかった場合は、認証結果表示部品205に「認証されませんでした」および「ログインできません」というメッセージを表示する。また、顔認証部82は、特徴照合部92から渡された、顔認証の結果が得られた被認証者の顔画像および顔認証の結果(認証/非認証)を、認証された被認証者の個人情報と併せて前述の顔ログエンジン10に渡す。
【0062】
ここで、図4を用いて、通常の操作画面211について説明する。
【0063】
操作画面211は、顔認証画面201から認証された結果、ログインした状態のプログラマブル表示器1で表示される通常の操作・表示用の画面、すなわち制御システムの操作および制御状態表示のための画面である。また、この操作画面211には、操作画面211を含む全ての操作画面に共通する共通画面として、ログイン画面212が含まれている。このログイン画面212は、認証された被認証者の顔画像を表示する被認証者表示部品213と、被認証者の氏名を表示する氏名表示部品214と、被認証者がプログラマブル表示器1の操作権限を有しているか否かを表示する権限表示部品215と、被認証者によってタッチ操作されるとログアウトするために設けられたログアウトスイッチ216を有している。
【0064】
なお、ログイン画面212を共通画面とせず、特定の操作画面にのみ表示させたり、非表示にさせたりすることも可能である。
【0065】
最後に、顔ログ表示部83は、ユーザの指示により、プログラマブル表示器1にログインした、もしくはログインしようとした被認証者を一覧表示するイベントが発生すると、顔データベース顔画像および顔認証の結果(認証/非認証)を、顔ログエンジン10に読み出しを指示することにより、ログファイル保存部17から取得して、上記の個人情報と併せて後述する顔ログ表示画面301(図5参照)にウインドウ表示する。
【0066】
ここで、図5を用いて、プログラマブル表示器1における顔ログ表示画面301について説明する。
【0067】
顔ログ表示画面301は、顔ログ表示部83が顔認証エンジン9による認証結果のログを表示するための画面である。この顔ログ表示画面301は、ログ内容表示部品302と、顔画像表示部品303と、認証結果表示部品304と、顔ログ表示スイッチ305と、日付ソートスイッチ306と、氏名ソートスイッチ307と、前頁切替スイッチ308と、次頁切替スイッチ309とを有している。
【0068】
顔画像表示部品303は、ログファイル保存部17に保存された認証者または非認証者の顔画像を表示するための部品であり、イメージ表示器として設けられる。この顔画像表示部品303は、認証者または非認証者を表示する部品であることをわかりやすくするために、人を模した絵を含んでいる。
【0069】
認証結果表示部品304は、ログファイル保存部17に保存された認証者の氏名もしくは未登録者であることを表示し、かつログインおよびログアウトの日時を表示するために設けられた文字列表示器部品である。
【0070】
ログ内容表示部品302は、ログされた顔を一覧表示するために、複数の顔画像表示部品303および認証結果表示部品304をひとまとめに配置するための表示用の部品である。
【0071】
顔ログ表示スイッチ305は、顔画像表示部品303の表示をユーザが指示するためのスイッチ部品である。
【0072】
ユーザが顔ログ表示スイッチ305をタッチ操作すると、顔ログ表示部83は、ログファイル保存部17から、認証者または非認証者の顔画像と、認証者についての氏名、ログインおよびログアウトの日時と、非認証者によるアクセスの日時とを読み出してログ内容表示部品302に表示する。顔ログ表示部83は、非認証者については、認証結果表示部品304に「未登録者の不正アクセスです」というメッセージを表示する。
【0073】
日付ソートスイッチ306は、ログ内容表示部品302に表示されたログ内容の表示をログインの日付順にソートするためのスイッチである。顔ログ表示部83は、日付ソートスイッチ306がタッチ操作されると、ログ内容をログインの日付順にソートして再表示する。
【0074】
なお、顔ログ表示部83は、ソートされていない状態から日付ソートスイッチ306が1回タッチ操作されると順ソート表示し、2回タッチ操作されると逆ソート表示し、以後、順ソートと逆ソートを繰り返して再表示するようにしてもよい。
【0075】
氏名ソートスイッチ307は、ログ内容表示部品302に表示されたログ内容の表示を氏名の50音順にソートするためのスイッチ部品である。顔ログ表示部83は、氏名ソートスイッチ307がタッチ操作されると、ログ内容を氏名の50音順にソートして再表示する。顔ログ表示部83は、氏名によるソート表示についても、日付ソートと同様にして、順ソート表示と逆ソート表示とを行うようにしてもよい。
【0076】
また、顔ログ表示部83は、ログ内容がログ内容表示部品302に表示しきれない場合、複数頁に分けて表示する。前頁切替スイッチ308は、現在表示されている頁から前の頁に表示を切り替えるときに操作するスイッチ部品であり、次頁切替スイッチ309は、現在表示されている頁から次の頁に表示を切り替えるときに操作するスイッチ部品である。
【0077】
このようにして、プログラマブル表示器において、ユーザの好みや使いやすさを反映させた顔登録画面101、顔認証画面201および顔ログ表示画面301を用いて、ユーザが自在に顔認証システムを使用することができる。
【0078】
続いてエディタコンピュータ21について説明する。
【0079】
図1に示すように、エディタコンピュータ21は、プログラマブル表示器1に表示される画面を作成するエディタコンピュータとしての機能を有する。
【0080】
エディタコンピュータ21は、CPU、メモリ(RAM、ROMなど)、外部記憶装置(ハードディスクドライブ、MOドライブなど)、表示装置および入力装置(キーボード、マウスなど)を有するパーソナルコンピュータによって構成されている。また、エディタコンピュータ21は、制御部22、インターフェース部(図中、I/F)23、画面エディタ部24およびデータ記憶部25を備えている。
【0081】
インターフェース部23は、プログラマブル表示器1との間の通信を行うための通信制御部であり、転送ケーブル14に接続されている。
【0082】
制御部22は、ハードウエア(CPUやメモリなど)およびソフトウエア(オペレーティングシステムなど)によって実現される機能ブロックであり、アプリケーションプログラムの実行や周辺機器の動作を制御する部分である。制御部22は、その機能を果たすために作業メモリ22aを有している。作業メモリ22aは、DRAMなどによって構成され、画面ファイルやラダーファイルを展開するためなどに用いられる。
【0083】
また、制御部22は、アプリケーションプログラムであるエディタソフトウエアを実行することにより、画面エディタ部24を実現する。画面エディタ部24は、エディタコンピュータ21と分離可能に構成される記録媒体に記録され、この記憶媒体からエディタコンピュータ21にインストールすることが可能である。
【0084】
上記の記録媒体(プログラムメディア)は、コンピュータに読み取り可能な記録媒体であり、磁気テープやカセットテープなどのテープ系、フレキシブルディスクやハードディスクなどの磁気ディスク系、CD−ROM、MO、MD、DVDなどの光ディスク系、ICカード(メモリカードを含む)、光カードなどのカード系が好適である。その他、上記のプログラムメディアは、マスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROMなどによる半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0085】
また、エディタコンピュータ21が、インターネットを含む通信ネットワークと接続可能な環境に置かれていれば、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。ただし、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用プログラムは予めエディタコンピュータ21に格納されるか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであってもよい。
【0086】
画面エディタ部24は、ユーザ独自の画面であるユーザ画面の作成を支援するように、スイッチ、ランプ、テンキー、各種表示器(例えば、数値表示器、メータ表示器およびグラフ表示器)などの部品(オブジェクト)、描画機能、テキスト入力機能などを備えている。オブジェクトは、ユーザが容易に選択できるようにライブラリ形式で登録されている。
【0087】
エディタコンピュータ21で作成された画面データは、上記の外部記憶装置によって構成されるデータ記憶部25に保存される。また、この画面データは、データ記憶部25から読み出されて、転送ケーブル14を介してプログラマブル表示器1に転送される。
【0088】
画面エディタ部24は、前述の顔登録画面101を作成するためのエディタ部である顔登録画面作成部24aと、前述の顔認証画面201を作成するためのエディタ部である顔認証画面作成部24bと、前述の顔ログ表示画面301を作成するためのエディタ部である顔ログ表示画面作成部24cを有している。
【0089】
ここで、顔登録画面作成部24aについて、図6を用いて説明する。
【0090】
画面エディタ部24は、図示しないメニュー画面から画面の作成/編集モードが選択されると、図6に示すように、作画ウインドウ401を表示する。顔登録画面作成部24aは、登録画像表示部品102や、氏名入力ボックス103や、権限設定ボックス104や、登録開始スイッチ105などの登録用の各種の部品を備えている。このような顔登録画面作成部24aを用いてユーザ画面を作成する際、ユーザが、画面ウインドウ401に表示されたユーザ画面上で、上記の各部品を所定の操作手順にしたがって配置位置を指定することで、ユーザ画面上に部品を配置していき、顔登録画面101を作成していく。
【0091】
また、顔登録画面作成部24aは、図7に示すように、登録画像表示部品102に設定される処理規定情報を設定するための顔登録設定ダイアログボックス501をユーザインターフェースとして提供する。顔登録画面作成部24aは、作画ウインドウ401上に配置された登録画像表示部品102上でのマウスのダブルクリック操作または図示しないメニュー画面から選択する操作が行われると、顔登録設定ダイアログボックス501を表示する。
【0092】
この顔登録設定ダイアログボックス501は、部品表示部502と、登録データ保存場所設定ボックス503と、ウインドウサイズ設定ボックス504と、ウインドウ位置設定ボックス505と、ウインドウ表示用ラジオボタン506とを有している。
【0093】
部品表示部502は、顔登録設定ダイアログボックス501で各項目を設定すべき登録画像表示部品102の縮小画像を表示する領域である。
【0094】
登録データ保存場所設定ボックス503は、特徴データベース16を設定するための記憶装置(記憶媒体)を定めるために設けられている。特徴データベース16を設定する場所としては、プログラマブル表示器1内のメモリ(例えばデータメモリ6)や外部の記録媒体(例えばCF(登録商標)カード)などが挙げられる。
【0095】
ウインドウサイズ設定ボックス504は、登録画像表示部品102のウインドウサイズ(幅および高さ)を設定するためのボックスである。例えば、このボックスは、予め定められたいくつかのサイズの中からユーザが選択できるようにリストボックス形式で提供したり、数値入力により、サイズを決定できる。ウインドウ位置設定ボックス505は、登録画像表示部品102の顔登録画面101における配置位置(登録画像表示部品102の左上隅部の座標)を設定するためのボックスである。
【0096】
ウインドウサイズは、例えば、顔登録画面101に登録画像表示部品102を配置した状態で、登録画像表示部品102の外周辺をマウスのドラッグ操作によって広げたり狭めたりすることで大まかに決定される。このとき、ウインドウサイズ設定ボックス504には、現在のウインドウサイズが表示されるので、その値を変更することにより、サイズの微調整が可能となる。一方、ウインドウ位置は、例えば、顔登録画面101において登録画像表示部品102をドラッグ操作することにより移動できるので、この操作で大まかな位置を決めておき、ウインドウ位置設定ボックス505に表示される現在の座標位置を微調整して決定される。
【0097】
ウインドウ表示用ラジオボタン506は、被認証者の画像を登録画像表示部品102に表示するか否かを設定するために設けられる。前述の顔登録部81は、登録画像表示部品102に被認証者の画像を表示する設定がされているときに当該画像を登録画像表示部品102に表示し、表示しない設定がされているときに当該画像を登録画像表示部品102に表示しない。
【0098】
本実施の形態では、顔認証システムが組み込まれているプログラマブル表示器1について説明しているが、例えば、顔認証システムを入退場監視システムに適用する場合、登録画像表示部品102に被認証者画像の表示を必要としない。入退場監視システムでは、具体的には、入口で入場者の画像を入場の検出によって自動的に登録し、出口で当該入場者の認証を行って登録された入場者と認証すると、入場者の退場を確認する。このため、エディタコンピュータ21で作成された顔登録画面101を入退場監視システムで用いる場合、登録画像表示部品102に被認証者画像の表示は必要ない。
【0099】
次に、顔認証画面作成部24bについて説明する。
【0100】
顔認証画面作成部24bは、被認証者表示部品202や、氏名表示部品203や、権限表示部品204などの認証用の各種の部品を備えている。このような顔認証画面作成部24bを用いてユーザ画面を作成する際、図8に示すように、ユーザが、画面ウインドウ401上で、上記の各部品を所定の操作手順にしたがって配置位置を指定することで、ユーザ画面上に部品を配置していき、顔認証画面201を作成していく。
【0101】
また、顔認証画面作成部24bは、図9に示すように、被認証者表示部品202に設定される処理規定情報を設定するための顔認証設定ダイアログボックス601をユーザインターフェースとして提供する。顔認証画面作成部24bは、作画ウインドウ401上に配置された被認証者表示部品202上でのマウスのダブルクリック操作または図示しないメニュー画面から選択する操作が行われると、顔認証設定ダイアログボックス601を表示する。
【0102】
この顔認証設定ダイアログボックス601は、部品表示部502と、登録データ保存場所設定ボックス603と、顔ログ保存場所設定ボックス604と、ウインドウサイズ設定ボックス605と、ウインドウ位置設定ボックス606と、読出アドレス設定ボックス607と、認証パラメータ設定部608と、顔認証表示用ラジオボタン609とを有している。
【0103】
部品表示部603は、顔認証設定ダイアログボックス601で各項目を設定すべき被認証者表示部品202の縮小画像を表示する領域である。
【0104】
登録データ保存場所設定ボックス603は、登録データ保存場所設定ボックス503と同様、特徴データベース16を設定するための記憶装置(記憶媒体)を定めるために設けられている。
【0105】
顔ログ保存場所設定ボックス605は、ログファイル保存部17を設定するための記憶装置(記憶媒体)を定めるために設けられている。ログファイル保存部17を設定する場所としては、特徴データベース16と同様、プログラマブル表示器1内のメモリ(例えばデータメモリ6)や外部の記録媒体(例えばCF(登録商標)カード)などが挙げられる。
【0106】
ウインドウサイズ設定ボックス605は、被認証者表示部品202のウインドウサイズを設定するためのボックスである。例えば、このボックスは、前述のウインドウサイズ設定ボックス504と同様、予め定められたいくつかのサイズの中からユーザが選択できるようにリストボックス形式で提供したり、数値入力により、サイズを決定できる。ウインドウ位置設定ボックス604は、被認証者表示部品202の顔認証画面201における配置位置(被認証者表示部品202の左上隅部の座標)を前述のウインドウ位置設定ボックス505と同様にして設定するためのボックスである。
【0107】
読出アドレス設定ボックス607は、認証に成功した被認証者の個人情報を特徴データベース16から前述のユーザエリアに読み込むために、ユーザエリアにおける読込領域を指定するアドレスを設定するボックスである。顔認証部82は、HMI処理部8が操作画面211を表示するときに、被認証者の個人情報を上記のアドレスで指定されるユーザエリアから読み出してHMI処理部8に渡す。HMI処理部8は、当該個人情報を受けて、ログイン画面212における氏名表示部品214および権限表示部品215に表示する。
【0108】
認証パラメータ設定部608は、顔認証エンジン9が被認証者の認証を行うときの条件となる各種のパラメータを設定するために設けられている。この認証パラメータ設定部608は、認証感度調整値設定ボックス608aと、明るさ設定ボックス608bと、顔大きさ設定ボックス608cとを含んでいる。
【0109】
認証感度調整値設定ボックス608aは、特徴照合部92が顔認証処理を行うときに、認証したと認めることができる、登録された顔画像の各部の特徴データと照合される特徴データとの類似の度合いのしきい値である認証感度調整値を設定するために設けられたボックスである。前述の特徴照合部92は、類似の度合いが認証感度調整値以上であるときに被認証者を認証する。
【0110】
明るさ設定ボックス608bは、顔認証時の入力画像の明るさを設定するために設けられたボックスである。これにより、登録した顔画像が暗すぎたり、逆に明るすぎることで、目視で顔画像が確認できないことを未然に防ぐことができる。
【0111】
顔大きさ設定ボックス608cは、認証に用いる入力画像における顔の大きさを設定するために設けられるボックスである。これにより、登録した顔画像が小さすぎて、顔の各部品の特徴が正確に抽出できないことを未然に防ぐことができる。
【0112】
顔認証表示用ラジオボタン609は、ログイン画面212の被認証者表示部品213に認証された被認証者の顔画像を表示するか否かを設定するために設けられる。前述の顔認証部82は、顔画像を表示する設定がされているときに被認証者表示部品213に被認証者の顔画像を表示し、表示しない設定がされているときに被認証者の顔画像を表示しない。
【0113】
最後に、顔ログ表示画面作成部24cについて説明する。
【0114】
顔認ログ表示画面作成部24cは、ログ内容表示部品302や、顔画像表示部品303や、認証結果表示部品304や、各スイッチ305〜309などの顔ログ表示用の各種の部品を備えている。このような顔ログ表示画面作成部24cを用いてユーザ画面を作成する際、図10に示すように、ユーザが、画面ウインドウ401上で、上記の各部品を所定の操作手順にしたがって配置位置を指定することで、ユーザ画面上に部品を配置していき、顔ログ表示画面301を作成していく。
【0115】
また、顔ログ表示画面作成部24cは、図11に示すように、ログ内容表示部品302に設定される処理規定情報を設定するための顔ログ表示設定ダイアログボックス701をユーザインターフェースとして提供する。顔ログ表示画面作成部24cは、作画ウインドウ401上に配置されたログ内容表示部品302上でのマウスのダブルクリック操作または図示しないメニュー画面から選択する操作が行われると、顔ログ表示設定ダイアログボックス701を表示する。
【0116】
この顔ログ表示設定ダイアログボックス701は、顔ログ保存場所設定ボックス702と、ウインドウサイズ設定ボックス703と、ウインドウ位置設定ボックス704と、読出アドレス設定ボックス705と、顔ログ表示用ラジオボタン706とを有している。
【0117】
顔ログ保存場所設定ボックス702は、前述の顔ログ保存場所設定ボックス605と同様、ログファイル保存部17を設定するための記憶装置(記憶媒体)を定めるために設けられている。
【0118】
ウインドウサイズ設定ボックス703は、ログ内容表示部品302のウインドウサイズを設定するためのボックスである。例えば、このボックスは、前述のウインドウサイズ設定ボックス504と同様、予め定められたいくつかのサイズの中からユーザが選択できるようにリストボックス形式で提供したり、数値入力により、サイズを決定できる。ウインドウ位置設定ボックス704は、ログ内容表示部品302の顔ログ表示画面301における配置位置(顔ログ表示部品302の左上隅部の座標)を前述のウインドウ位置設定ボックス505と同様にして設定するためのボックスである。
【0119】
読出アドレス設定ボックス705は、認証に成功した被認証者の氏名とログイン/ログアウト日時とをログファイル保存部17から前述のユーザエリアに読み込むために、ユーザエリアにおける読込領域を指定するアドレスを設定するボックスである。顔ログ表示部83は、顔ログ表示画面301を表示するときに、被認証者の氏名とログイン/ログアウト日時とを上記のアドレスで指定されるユーザエリアから読み出して認証結果表示部品304に表示する。
【0120】
顔ログ表示用ラジオボタン706は、顔ログ表示画面301の顔画像表示部品303に認証された被認証者の顔画像または認証されなかった被認証者の顔画像を表示するか否かを設定するために設けられる。前述の顔ログ表示部83は、顔画像を表示する設定がされているときに顔画像表示部品303に被認証者の顔画像を表示し、表示しない設定がされているときに被認証者の顔画像を表示しない。また、顔ログ表示部83は、操作権限を有するか否かによって被認証者の顔画像の表示または非表示を行ってもよい。
【0121】
なお、本実施の形態では、顔認証システムがプログラマブル表示器1に組み込まれた例について説明したが、顔認証システムは、プログラマブル表示器1以外の装置やシステムに組み込まれていてもよい。例えば、前述のような入退場監視システムに顔認証システムが組み込まれた場合でも、本発明の適用が可能である。
【0122】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明のユーザインターフェース作成装置は、顔画像を用いて個人認証する顔認証システムにおいて、顔登録画面、顔認証画面および顔ログ表示画面を作成するのに必要な部品を予め用意しておくことで、容易に顔認証のためのユーザインターフェースを作成でき、ユーザインターフェース作成時に、好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】本発明の実施形態に係るプログラマブル表示器およびエディタコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図2】上記プログラマブル表示器におけるHMI処理部の顔登録部によって表示される顔登録画面を示す図である。
【図3】上記HMI処理部の顔認証部によって表示される顔認証画面を示す図である。
【図4】上記HMI処理部の顔認証エンジンによって被認証者が認証されたときに遷移するログイン画面を示す図である。
【図5】上記HMI処理部の顔ログ表示部によって表示される顔ログ表示画面を示す図である。
【図6】上記エディタコンピュータにおける画面エディタ部の顔登録画面作成部によって上記顔登録画面を作成している状態の作画ウインドウを示す図である。
【図7】上記顔登録画面に配置される登録画像表示部品に属性を設定するために上記顔登録画面作成部によって表示される登録設定ダイアログボックスを示す図である。
【図8】上記画面エディタ部の顔登録画面作成部によって上記顔認証画面を作成している状態の作画ウインドウを示す図である。
【図9】上記顔認証画面に配置される被認証者表示部品に属性を設定するために上記顔登録画面作成部によって表示される認証設定ダイアログボックスを示す図である。
【図10】上記画面エディタ部の顔ログ表示画面作成部によって上記顔ログ認証画面を作成している状態の作画ウインドウを示す図である。
【図11】上記顔ログ表示画面に配置されるログ内容表示部品に属性を設定するために上記顔ログ表示画面作成部によって表示される認証設定ダイアログボックスを示す図である。
【符号の説明】
【0125】
1 プログラマブル表示器(顔認証システム)
9 顔認証エンジン
10 顔ログエンジン
16 特徴データベース
17 ログファイル保存部(記憶部)
21 エディタコンピュータ(ユーザインターフェース作成装置)
24 画面エディタ部
24a 顔登録画面作成部(登録処理画面作成手段)
24b 認証画面作成部(認証処理画面作成手段)
24c 顔ログ表示画面作成部(認証者一覧表示画面作成手段)
81 顔登録部
82 顔認証部(保存処理部)
83 顔ログ表示部(表示処理部)
91 特徴抽出部(登録処理部)
92 特徴照合部(認証処理部)
101 顔登録画面(ユーザインターフェース)
102 登録画像表示部品
103 氏名入力ボックス(個人情報入力部品)
104 権限設定ボックス(個人情報入力部品)
201 顔認証画面(ユーザインターフェース)
202 被認証者画像表示部品
205 認証結果表示部品
301 顔ログ表示画面(ユーザインターフェース)
303 顔画像表示部品
304 認証結果表示部品(個人情報表示部品)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影された人物の画像から当該人物の顔の各部の特徴を表す第1特徴データを抽出して特徴データベースに登録する登録処理部と、被認証者の撮影画像の顔から顔の各部の特徴を表す第2特徴データを抽出して、当該第2特徴データと前記特徴データベースに登録された前記第1特徴データと比較して、両者が一致したときに被認証者を前記第1特徴データの特徴を有する人物であると認証する認証処理部とを備えた顔認証システムにおいて、前記登録処理部および前記認証処理部がそれぞれの処理を実行するために必要な情報をユーザへ報知する報知情報の表示形式および前記処理を実行するために必要なユーザが入力する入力情報の入力形式を規定するユーザインターフェースを作成する顔認証システムのユーザインターフェース作成装置であって、
登録される人物に関する個人情報を入力するための個人情報入力部品と、当該人物の画像を表示するために、前記画像および前記個人情報を前記登録処理部に渡すことを定義付けられている登録画像表示部品とを予め有しており、ユーザの操作によって前記個人情報入力部品および前記登録画像表示部品とを所望の位置に配置することにより登録処理画面を作成する登録処理画面作成手段と、
被認証者の画像を表示するために、当該画像を前記認証処理部へ渡すことが定義付けられている被認証画像表示部品と、前記認証処理部による認証結果を表示する認証結果表示部品とを予め有しており、ユーザの操作によって前記被認証画像表示部品および前記認証結果表示部品とを所望の位置に配置することにより認証処理画面を作成する認証処理画面作成手段とを備えていることを特徴とする顔認証システムのユーザインターフェース作成装置。
【請求項2】
前記顔認証システムは、前記認証処理部によって認証された被認証者の顔画像と当該被認証者の個人情報とを併せて所定の記憶部に保存する保存処理部と、前記記憶部に保存された被認証者の顔画像および個人情報を読み出して一覧表示する表示処理部とを備えており、
ユーザインターフェース作成装置は、前記表示処理部によって前記顔画像を表示するための顔画像表示部品と、前記表示処理部によって前記個人情報を表示するための個人情報表示部品とを予め有しており、ユーザの操作によって前記顔画像表示部品および前記個人情報表示部品とを所望の位置に配置することにより被認証者一覧表示画面を作成する被認証者一覧表示画面作成手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の顔認証システムのユーザインターフェース作成装置。
【請求項3】
前記保存処理部は、前記認証処理部によって認証されなかった被認証者の顔画像を前記所定の記憶部に保存し、
前記表示処理部は、前記記憶部に保存された認証されなかった被認証者の顔画像を非認証顔画像として読み出して一覧表示し、
前記顔画像表示部品は、前記非認証顔画像も表示することを特徴とする請求項2記載の顔認証システムのユーザインターフェース作成装置。
【請求項4】
請求項1、2もしくは3に記載のユーザインターフェース装置を動作させるためのユーザインターフェース作成プログラムであって、コンピュータを前記顔認証システムのユーザインターフェース作成装置の各手段として機能させるためのユーザインターフェース作成プログラム。
【請求項5】
請求項4記載のユーザインターフェース作成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−152581(P2008−152581A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−340560(P2006−340560)
【出願日】平成18年12月18日(2006.12.18)
【出願人】(000134109)株式会社デジタル (224)
【Fターム(参考)】