説明

顕微鏡用観察装置

【課題】試料とマニピュレータとの相対的な位置を変えることなく、試料が載置されている試料台を容易に移動することが可能な顕微鏡用観察装置を提供すること。
【解決手段】顕微鏡用観察装置10は、少なくとも一つの可動軸を有する基台20と、基台20上に配置され、かつ基台20の有する可動軸と異なる少なくとも一つの可動軸を有する試料台30とを有する。試料を操作するためのマイクロマニピュレータ50を、連結部材40を介して基台20に取り付けて、基台20の可動軸による動作をマイクロマニピュレータ50の動作と連動させるとともに、試料台30の可動軸による動作をマイクロマニピュレータ50の動作と連動させないようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子顕微鏡や光学顕微鏡等を用いて試料を観察するための観察装置に関する。
【背景技術】
【0002】
顕微鏡を用いた拡大観察下に、マイクロマニピュレータを用いて試料に種々の操作を加えることが広く行われている。例えば特許文献1には、試料から大きさ1μm〜100μmのサンプルの切除・剥離が可能である工業目的サンプリング用のマイクロナイフが記載されている。このマイクロナイフは、モース硬度6以上の硬度を有する材料で形成され、50μm以下のサンプルの切除・剥離が可能であるブレードを備えている。このマイクロナイフは、市販のマイクロマニピュレータによって操作される。同文献の図1に記載されているように、このマイクロマニピュレータ50は、試料10が載置されている基台21とは別の部位に配置固定されている。特許文献1に記載されているマイクロマニピュレータ50を始めとして、マイクロマニピュレータはその操作性を高めるために一般には複数の可動軸を有している。また、電子顕微鏡や光学顕微鏡等の各種顕微鏡において、試料が載置される試料台も、X−Y軸を始めとする複数の可動軸を有している。
【0003】
一方、図10に示すように、マニピュレータ150を試料台130上に配置固定した観察装置100も知られている(非特許文献1参照)。この種の装置によれば、上述した特許文献1に記載の技術とは異なり、マイクロマニピュレータ150で試料(図示せず)を固定した状態で、試料台130を上下移動させたり、試料台130を傾斜させたりすることが容易に行える。
【0004】
【特許文献1】特開2002−22625号公報
【非特許文献1】"-Kleindiek社- マニピュレータ/サブステージ"、[online]、アド・サイエンス、[平成20年11月28日検索]、インターネット <URL:http://www.ads-img.co.jp/products/kleindiek/pdf/0706kleindiek.pdf>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような構造を有する顕微鏡では、マイクロマニピュレータと試料との相対的な位置を変えることなく、試料台を移動させることが容易でない。具体的には、例えば図9に示す試料台130及び先端にプローブ151を有するマイクロマニピュレータ150を備えた観察装置100を用い、図7に示すように毛髪HのキューティクルCをプローブ51で剥離した観察状態となし、この観察状態に保持したままで、試料台を上下移動させたり、試料台を傾斜させたい場合には、試料台上に載置された毛髪の観察状態をプローブによって保持したままで、試料台の上下移動や傾斜動作に連動させてプローブも精密に上下移動や傾斜動作を行う必要がある。しかし毛髪のキューティクルは一般に微細なものなので、試料台の動きにプローブの動きを連動させて、プローブによる毛髪の観察状態を保持することには、極めて熟練した技術がオペレータに要求される。
一方、非特許文献1のような場合には、マイクロマニピュレータ150の動きが試料台130の動きと完全に連動しているので、逆に、試料台130を移動させつつ試料(図示せず)とマイクロマニピュレータ150の相対的な位置を変えることができない。例えば図11に示すように毛髪HのキューティクルCをマニピュレータ150の先端に取り付けられたプローブ151で剥離する場合を考える。この場合、図11(a)に示すように、毛髪Hの幅方向からプローブ151を接近させてキューティクルCを剥離することは困難である。したがって、試料台120を90度回転させて、図11(b)に示すように、プローブ151を毛髪Hの長手方向から接近させてキューティクルCを剥離させたい。しかし図10に示す装置では、この動作を行うことができないという不都合がある。
したがって、本発明の目的は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る顕微鏡用観察装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、可動軸を有する基台と、該基台上に配置され、かつ該基台の有する可動軸と異なる可動軸を有する試料台とを有する顕微鏡用観察装置であって、
試料を操作するためのマイクロマニピュレータを、連結部材を介して該基台に取り付けて、該基台の可動軸による動作を該マイクロマニピュレータの動作と連動させるとともに、該試料台の可動軸による動作を該マイクロマニピュレータの動作と連動させないようにした顕微鏡用観察装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、試料とマニピュレータとの相対的な位置を変えることなく、試料が載置されている試料台を容易に移動することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の顕微鏡用観察装置(以下、単に「観察装置」とも言う。)の一実施形態における基台及び試料台が模式的に示されている。本実施形態における観察装置10は、走査型電子顕微鏡(以下、「SEM」と言う。)の試料室内に配置固定されるものである。観察装置10は、その下部に基台20を備えている。基台20は、電子顕微鏡の試料室内における所定箇所に固定される。基台20には、その正面側に左右一対のネジ穴20aが穿設されている。基台20の上部には試料台30が配置されている。試料台30は、X−Yステージ31及び回転ステージ32を備えている。試料台30は、観察対象物である試料(図示せず)が載置される部位のことである。試料台30は、基台20とは異なる可動軸を有する部材である。試料(図示せず)は、試料台30における回転ステージ32の上に載置される。
【0009】
基台20は、少なくとも一つの可動軸(自由度)を有している。また、試料台30は、基台20の有する可動軸と異なる少なくとも一つの可動軸(自由度)を有している。詳細には、観察装置10は全部で五軸の可動軸を有し、それらの可動軸が基台20と試料台30にそれぞれ割り振られている。具体的には、基台20が二軸の可動軸を有し、試料台30が三軸の可動軸を有している。
【0010】
試料台30が有する可動軸は、図2(a)に示すように、X軸及びそれに直交するY軸と、図2(b)に示すように、X−Y平面内での回転(ローテーション)軸(以下、「R軸」という。)の三軸である。試料(図示せず)は、X−Y平面内に載置面を有する回転ステージ上に載置される。
【0011】
基台20が有する可動軸は、図3(a)に示すように、X−Y平面と直交するZ軸と、図3(b)に示すように、X−Y平面に対する傾斜(チルト)軸(以下、「T軸」という。)の二軸である。なお、図3(a)及び(b)においては、X−Y平面は、紙面と直交する方向に広がっている。
【0012】
基台20の可動軸及び試料台30の可動軸を実現させる具体的な機構に特に制限はなく、この種の技術分野において従来用いられてきた機構と同様の機構を適宜採用することができる。そのような機構は当業者においてよく知られたものであり、特に詳述するまでもない周知のものである。
【0013】
観察装置10は、上述の基台20及び試料台30に加えて、試料台30に載置された試料を操作するためのマイクロマニピュレータ(以下、単に「マニピュレータ」とも言う。)を備えている。本実施形態の観察装置10は、マニピュレータを、後述する連結部材を介して基台20に取り付けたことを、特徴の一つとしている。なお、マニピュレータによる試料への「操作」には、例えば試料を掴む、刺す、回す、引っ張る、捻る、切る、潰す、試料に接触する、試料の一部を剥離するなどの操作が含まれる。もちろん、ここに例示されていない操作であっても、試料の観察に必要なその他の操作も包含される。
【0014】
図4には連結部材40にマニピュレータ50が取り付けられた状態が示されている。連結部材40は、図4においてマニピュレータ50を除いた部分(すなわち、同図中、40番台の符号で図示した部品の連結構造体部分)を指し、複数の部品をネジ止めして連結されて構成されている。詳細には、連結部材40は、マニピュレータ50を取り付け固定する板状の架台部41を備えている。架台部41には、その長手方向に沿って一対のマニピュレータ50が、各マニピュレータ50のプローブ51を同方向に向けて取り付けられている。架台部41の長手方向の各端部には、該端部から垂下する角柱状の立設部42が取り付けられている。架台部41と立設部42とは直交している。立設部42の下端部には、該下端部から水平方向に延びる角柱状の横臥部43が取り付けられている。横臥部43の延びる方向は、マニピュレータ50におけるプローブ51の取り付け方向と一致している。立設部42と横臥部43とは直交している。横臥部43の先端部には、連結部材40を基台20へ取り付けるための角柱状の取り付け部44が取り付けられている。取り付け部44は、横臥部43の延びる方向と直交する方向に延びている。また取り付け部44は、2つの取り付け部の先端部どうしが対向するように(ただし、先端部どうしは接触しない長さで)、横臥部43の先端部から内向きに延びている。横臥部43と取り付け部44とは直交している。
【0015】
横臥部43及び取り付け部44には、それらの連結部分に切り欠きが設けられており、それらの切り欠きが嵌り合うことで、直角の関係が保たれるようになっている。そして両者は、その直角の関係が、互いに90度交差する2方向(a方向及びb方向)から挿入された2つのネジ45c,45dによって固定されている。同様に、横臥部43及び立設部42にも、それらの連結部分に切り欠きが設けられており、それらの切り欠きが嵌り合うことで、直角の関係が保たれるようになっている。そして両者は、その直角の関係が、互いに90度交差する2方向(a方向及びb方向)から挿入されたネジによって固定されている。なお、図4では2つのネジのうち1つのネジ45bのみが表されている。更に、架台部41と立設部42とは、ネジ45aによって固定されている。図4中、取り付け部44の先端部には、貫通穴44aが設けられている。この貫通穴44aと、先に述べた架台20のネジ穴20aとを位置合わせしてネジ20b(後述する図5参照)を通すことで、マニピュレータ50は、連結部材40を介して基台20へ取り付け固定される。
【0016】
先に述べたとおり、連結部材40は、基台20へネジ止めによって固定される。つまり、連結部材40は、基台20へ着脱可能に固定される。したがって、マニピュレータ50を必要としない観察を行う場合には、マニピュレータ50を基台20から簡単に取り外すことができ、着脱操作を容易に、かつ迅速に行うことができる。
【0017】
また、連結部材40は、架台部41、立設部42、横臥部43及び取り付け部44という複数の部材の組み合わせから構成されているので、これら各部材の寸法等を適宜変更することで、電子顕微鏡の試料室のサイズ等に応じて連結部材40の寸法を柔軟に対応させることができる。
【0018】
その上、連結部材40を構成する隣り合う2つの部品、すなわち架台部41と立設部42、立設部42と横臥部43、及び横臥部43と取り付け部44とは互いに直交するように連結されているので、観察中に試料台30が振動を受けた場合であっても、振動が各部の連結部位によって首尾良く吸収され、振動の影響が低減されて、安定した観察が行える。
【0019】
図5には、マニピュレータ50が架台部41に取り付け固定された連結部材40を、基台20にネジ20bによって取り付けてなる観察装置10の斜視図が示されている。この状態の観察装置10が、電子顕微鏡の試料室内に配置固定される。先に述べたとおり、観察装置10においては、基台20がZ軸及びT軸の二軸の可動軸を有し、試料台30がX軸、Y軸及びR軸の三軸の可動軸を有している。そして、マニピュレータ50は連結部材40を介して基台20に取り付けられているので、基台20をその可動軸であるZ軸方向に又はT軸まわりに動作させると、マニピュレータ50はその動作に連動してZ軸方向に又はT軸まわりに動作する。しかし、試料台30をその可動軸であるX方向やY方向に沿って動作させたり、R軸周りに回転させたりしても、マニピュレータ50はそれらの動作には連動しない。このように、観察装置10においては、それが有する五軸の可動軸のうち、基台20が有する2つの可動軸による動作をマニピュレータ50の動作と連動させ、残り3つの可動軸による動作、すなわち試料台30が有する可動軸による動作はマニピュレータ50の動作と連動させないようにしてある。
【0020】
なお、前記の説明はマニピュレータ50それ自身が可動軸を有していることを除外する趣旨ではなく、基台20が有する可動軸による動作にマニピュレータ50の動作が連動していることを必要条件とする趣旨であり、マニピュレータ50それ自身は一般に基台20が有する可動軸とは別の可動軸を有していても何ら差し支えはない。例えばマニピュレータ50は、図6(a)に示すように左右の動作、図6(b)に示すように上下の動作、及び図6(c)に示すように伸縮の動作が可能になっている。
【0021】
以上の構造を有する本実施形態の観察装置10を用いた試料の観察方法を、図7を参照しながら説明する。同図には、マニピュレータ50のプローブ51を用いて、毛髪Hの表面のキューティクルCを一部剥離して観察する状態が示されている。
【0022】
一般に、電子顕微鏡による観察像の分解能は、試料を電子顕微鏡のポールピースに近づけることで高くなることが知られている。図7に示す状態の毛髪Hを観察する場合にも、分解能を高めることを目的として、毛髪Hをポールピースに近づけることが有利である。ところで電子顕微鏡の試料室は、できるだけ短時間で高真空状態を達成するために、その容積が可能な限り小さくなるように設計されている。したがって、試料台30を上昇させて毛髪Hをポールピースに近づけた状態でマニピュレータ50を操作してキューティクルCを剥離しようとしても、試料室の容積の制約に起因して、マニピュレータ50を操作することが不可能であるか、又は可能であったとしても極めて困難である場合が多い。このような場合、基台20とともに試料台30を降下・退避させて試料室の上部にマニピュレータ50の操作用の空間を確保して、マニピュレータ50のプローブ51によるキューティクルCの剥離操作を行い、キューティクルCを毛髪Hから一部剥離した状態を実現させ、その状態を保持したまま基台20とともに試料台30を上昇させるという操作が行われる。上述したとおり、観察装置10においては、基台20をその可動軸であるZ軸方向に動作させると、マニピュレータ50はその動作に連動してZ軸方向に動作するようになっている。したがって、降下・退避した状態の基台20を上昇させるだけの簡単な操作で、マニピュレータ50のプローブ51と毛髪HのキューティクルCとの相対的な位置を変えることなく、毛髪Hを容易にポールピースに近づけることができ、分解能を容易に高めることができる。これに対して、本明細書の従来技術の項で述べた図9に示す構造を有している観察装置の場合、オペレータが手動で試料台130を含む基台の上昇に連動させてマニピュレータ150の上昇動作を完璧に行うという、極めて高度で、かつ困難な操作が要求される。
【0023】
図8(a)及び(b)は、本実施形態の観察装置10の別の利点を説明するものである。同図には、先に説明した図7と同様に、マニピュレータ50のプローブ51を用いて、毛髪Hの表面のキューティクルCを一部剥離して観察する状態が示されている。ただし本実施形態においては、図7と異なり、剥離されたキューティクルCの下側の部位を観察する。この操作を行う場合には、図8(a)に示すように、毛髪Hの上部に位置するキューティクルCを剥離することが操作上容易である。しかし、毛髪Hの上部に位置するキューティクルCを剥離した場合、その下側の部位は、一部剥離したキューティクルCによって電子線に対して影になってしまうので、該部位の観察を行うことができない。これに対して本実施形態の観察装置10を用いれば、キューティクルCを一部剥離した状態を保持し、この状態下に、図8(b)に示すように、基台20をその可動軸であるT軸を中心として傾斜させることで、一部剥離したキューティクルCの下側の部位に電子線Eを照射させることが可能となる。このよう本実施形態によれば、マニピュレータ50のプローブ51と毛髪HのキューティクルCとの相対的な位置を変えることなく、電子線に対して影となってしまう部位を観察することが可能となる。
【0024】
このように、観察装置10によれば、マニピュレータ50を、連結部材40を介して基台に取り付けることで、マニピュレータ50と試料である毛髪Hとの相対的な位置を変えることなく、試料台を自由に移動させることができ、これまでの観察装置では実質的に不可能であった各種の観察を容易に行うことができる。この利点に加え、観察装置10には次の利点もある。すなわち、本明細書の従来技術の項で述べた図10に示す観察装置では、試料台にマニピュレータを固定しているので、観察装置全体の寸法の制約上、試料の交換時には、試料室全体を大気系に開放して観察装置を取り出し、試料の交換を行う必要がある。このような交換作業に伴う試料室の真空状態への復帰には長時間(例えば2時間)を要し、作業効率が著しく低下する。これに対し、試料台にマニピュレータを固定していない本実施形態の観察装置10では、試料の交換時に、試料室とは別個に設けられた、試料室よりも容積の非常に小さい試料交換室のみを大気系に開放すればよいので、真空状態への復帰は極めて短時間(例えば2分間)で完了する。このように、観察装置10を電子顕微鏡に適用する場合には、試料の交換を短時間で完了できるという利点もある。
【0025】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態においては、観察装置10が有する五軸の可動軸のうち、基台20にZ軸及びT軸を割り当て、試料台30にX軸、Y軸及びR軸を割り当てて、基台20の可動軸の動作をマニピュレータ50の動作と連動させたが、これに代えて、基台20にZ軸と、T軸と、X軸又はY軸とを割り当て、試料台30にR軸と、Y軸又はX軸とを割り当て、基台20の可動軸の動作をマニピュレータ50の動作と連動させてもよい。あるいは、基台20にZ軸と、T軸と、X軸と、Y軸とを割り当て、試料台30にR軸を割り当て、基台20の可動軸の動作をマニピュレータ50の動作と連動させてもよい。
【0026】
また前記実施形態においては、観察装置10は五軸の可動軸を有していたが、これに代えて、二軸以上四軸以下又は六軸以上の可動軸を有する観察装置となしてもよい。
【0027】
また前記実施形態は、観察装置10をSEMに適用した例であるが、本発明の適用範囲はSEMに限られず、他の顕微鏡、例えば集束イオンビーム(FIB)を用いた走査イオン顕微鏡(SIM)や、光学顕微鏡にも同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の顕微鏡用観察装置の一実施形態における基台及び試料台を示す模式図である。
【図2】図2(a)及び(b)はそれぞれ、図1に示す顕微鏡用観察装置における試料台の可動軸を示す平面図である。
【図3】図2(a)及び(b)はそれぞれ、図1に示す顕微鏡用観察装置における基台の可動軸を示す側面図である。
【図4】図4は、連結部材にマイクロマニピュレータを取り付けた状態を示す斜視図である。
【図5】図5は、マニピュレータが架台部に取り付け固定された連結部材を、基台にネジによって取り付けてなる顕微鏡用観察装置の斜視図である。
【図6】図6(a)ないし(c)は、マニピュレータの動作を示す模式図である。
【図7】図7は、図5に示す観察装置を用いて毛髪のキューティクルを観察する状態を示す模式図である。
【図8】図8(a)及び(b)は、図5に示す観察装置を用いて毛髪のキューティクルを一部剥離してその下側の部位を観察する状態を示す模式図である。
【図9】図9は、従来の顕微鏡用観察装置を示す模式図である。
【図10】図10は、従来の顕微鏡用観察装置を示す模式図である。
【図11】図11(a)及び(b)は、マニピュレータを用いて毛髪のキューティクルを剥離する状態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0029】
10 顕微鏡用観察装置
20 基台
30 試料台
31 X−Yステージ
32 回転ステージ
40 連結部材
41 架台部
42 立設部
43 横臥部
44 取り付け部
50 マニピュレータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動軸を有する基台と、該基台上に配置され、かつ該基台の有する可動軸と異なる可動軸を有する試料台とを有する顕微鏡用観察装置であって、
試料を操作するためのマイクロマニピュレータを、連結部材を介して該基台に取り付けて、該基台の可動軸による動作を該マイクロマニピュレータの動作と連動させるとともに、該試料台の可動軸による動作を該マイクロマニピュレータの動作と連動させないようにした顕微鏡用観察装置。
【請求項2】
五軸の可動軸を有し、
五軸のうち、前記試料台が、X軸、それに直交するY軸、及びX−Y平面内での回転軸の三軸を有し、
前記基台が、X−Y平面と直交するZ軸、及びX−Y平面に対する傾斜軸の二軸を有し、
前記基台のZ軸及び傾斜軸による動作を、前記マイクロマニピュレータの動作と連動させるとともに、前記試料台のX軸、Y軸及び回転軸による動作を、前記マイクロマニピュレータの動作と連動させないようにした請求項1記載の顕微鏡用観察装置。
【請求項3】
前記マイクロマニピュレータを、前記連結部材を介して前記基台に着脱可能に取り付けた請求項1又は2記載の顕微鏡用観察装置。
【請求項4】
前記連結部材が、複数の部品の組み合わせからなり、隣り合う2つの前記部品が互いに直交するように連結されている請求項3記載の顕微鏡用観察装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2010−128360(P2010−128360A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−305169(P2008−305169)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】