説明

顕微鏡装置

【課題】 顕微鏡装置において、観察ポイントにおける撮影条件を簡便かつ適切に設定可能とすること。
【解決手段】 観察光学系と、観察光学系を介して被観察物の像を撮像して画像を生成する撮像部と、被観察物を含む観察領域内を、撮像部により小領域ごとに撮像して生成した複数の画像をつなぎ合わせて、観察領域内全体のマクロ画像を生成する生成部と、小領域の位置情報と、その小領域における撮像時の撮影条件とを関連付けて記録する記録部と、マクロ画像を表示する表示部と、表示部に表示したマクロ画像に基づいて、撮像部で撮影を行う地点を選択する地点選択部と、地点選択部で指示された地点の属する小領域を検知し、小領域における撮影条件を記録部から読み出し、その撮影条件にしたがって、地点における撮影を実行させる制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被観察物の像を繰り返し撮像して複数の画像を生成する撮像部を備えた顕微鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
培養容器の培地等の環境を制御しながら、培地で成育中の培養細胞を拡大撮影する顕微鏡システムが実用化されている(特許文献1などを参照)。この顕微鏡システムでは、培養細胞に生じる緩やかな時間変化を視覚的に捉えるため、タイムラプス撮影が有効である(特許文献2などを参照)。タイムラプス撮影を実行する際には、顕微鏡視野内から観察ポイントを選択し、その観察ポイントにおいて最適な撮影条件を決定するのが好ましい。特許文献2の発明では、経験的に求めた撮影条件を使用している。
【特許文献1】特開2005−326495号公報
【特許文献2】特開2006−220904号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、経験的に求めた撮影条件は平均的な条件であり、培養細胞の染まり具合や分布などにより適当でない場合がある。このような場合には、ユーザが撮影条件を調整しなければならない。このような問題はタイムラプス撮影以外の場合にも同様である。
本発明の顕微鏡装置は、顕微鏡装置において、観察ポイントにおける撮影条件を簡便かつ適切に設定可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の顕微鏡装置は、観察光学系と、前記観察光学系を介して被観察物の像を撮像して画像を生成する撮像部と、前記被観察物を含む観察領域内を、前記撮像部により小領域ごとに撮像して生成した複数の画像をつなぎ合わせて、前記観察領域内全体のマクロ画像を生成する生成部と、前記小領域の位置情報と、その小領域における撮像時の撮影条件とを関連付けて記録する記録部と、前記マクロ画像を表示する表示部と、前記表示部に表示した前記マクロ画像に基づいて、前記撮像部で撮影を行う地点を選択する地点選択部と、前記地点選択部で指示された前記地点の属する前記小領域を検知し、前記小領域における撮影条件を前記記録部から読み出し、その撮影条件にしたがって、前記地点における撮影を実行させる制御部とを備える。
【0005】
なお、好ましくは、前記地点選択部は、前記撮影を行う地点を選択するための外部操作スイッチを含んでも良い。
また、好ましくは、前記制御部は、前記撮像部により所定時間間隔ごとに前記地点の撮影を行う際に、前記記録部に記録された前記小領域の撮影条件を読み出し、前記地点の撮影を実行しても良い。
【発明の効果】
【0006】
本発明の顕微鏡装置によれば、観察ポイントにおける撮影条件を簡便かつ適切に設定可能とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態の顕微鏡装置1の構成図である。図1に示すように、顕微鏡装置1は、装置本体10と、コンピュータ170と、モニタ160と、入力器180とを備える。装置本体10には、顕微鏡部150と、透過照明部40と、冷却カメラ300と、励起用光源70と、光ファイバ7とが備えられる。
【0008】
顕微鏡部150には、ステージ23と、対物レンズ部27と、蛍光フィルタ部34と、結像レンズ部38と、偏向ミラー452と、フィールドレンズ411と、コレクタレンズ41とが備えられ、透過照明部40には、透過照明用光源47と、フィールドレンズ44と、偏向ミラー45とが備えられる。
ステージ23には、透明な培養容器20を収めたチャンバ100が載置される。培養容器20は培地で満たされており、蛍光物質で標識された培養細胞がその培地内で生育している。その培養細胞をチャンバ100の外側から観察するため、チャンバ100の底面の一部aと、チャンバ100の上面の一部bとはそれぞれ透明部になっている。ここでは簡単のため、培養容器20の上面が開放されている場合を説明するが、必要があれば培養容器20の上面は培養容器20と同質の蓋で覆われる。
【0009】
対物レンズ部27には、図1のX方向に亘り複数種類の対物レンズが装着されており、対物レンズ部27が不図示の機構によりX方向へ駆動されると、装置本体10の光路に配置される対物レンズの種類が切り替わる。この切り替えはコンピュータ170の制御下で行われる。
蛍光フィルタ部34には、図1のX方向に亘り複数種類のフィルタブロックが装着されており、蛍光フィルタ部34が不図示の機構によりX方向へ駆動されると、装置本体10の光路に配置されるフィルタブロックの種類が切り替わる。この切り替えもコンピュータ170の制御下で行われる。
【0010】
コンピュータ170は、光路に配置される対物レンズの種類と、光路に配置されるフィルタブロックの種類との組み合わせを、装置本体10に設定されるべき観察方法に応じて切り替える。以下では、この切り替えによって装置本体10の観察方法が位相差観察と2種類の蛍光観察との間で切り替わるのものとする。
このうち位相差観察と蛍光観察との間では、光路に配置されるフィルタブロックの種類と、光路に配置されうる対物レンズの種類との双方が異なり、2種対の蛍光観察の間では、光路に配置されるフィルタブロックの種類のみが異なる。また、位相差観察と蛍光観察との間では、照明方法も異なる。
【0011】
コンピュータ170は、位相差観察時には、透過照明部40の光路を有効とするべく透過照明用光源47をオンし、蛍光観察時には、落射照明部の光路(励起用光源70、光ファイバ7、コレクタレンズ41、フィールドレンズ411、偏向ミラー452、蛍光フィルタ部34、対物レンズ部27を順に経由する光路)を有効とするべく、励起用光源70をオンする。なお、透過照明用光源47がオンされるときに励起用光源70はオフされ、励起用光源70がオンされるときに透過照明用光源47はオフされる。
【0012】
位相差観察時、透過照明用光源47から射出した光は、フィールドレンズ44、偏向ミラー45、チャンバ100の透明部bを介して培養容器20の中の観察ポイントcを照明する。その観察ポイントcを透過した光は、培養容器20の底面、チャンバ100の透明部a、対物レンズ部27、蛍光フィルタ部34、結像レンズ38を介して冷却カメラ300の受光面に達し、観察ポイントcの位相差像を形成する。この状態で冷却カメラ300が駆動されると、位相差像が撮像され、画像データが生成される。この画像データ(位相差画像の画像データ)は、コンピュータ170へ取り込まれる。
【0013】
蛍光観察時、励起用光源70から射出した光は、光ファイバ7、コレクタレンズ41、フィールドレンズ411、偏向ミラー452,蛍光フィルタ部34、対物レンズ部27、チャンバ100の透明部a、培養容器20の底面を介して培養容器20の中の観察ポイントcを照明する。これによって、観察ポイントcに存在する蛍光物質が励起され、蛍光を発する。この蛍光は、培養容器20の底面、チャンバ100の透明部a、対物レンズ部27、蛍光フィルタ部34、結像レンズ38を介して冷却カメラ130の受光面に達し、観察ポイントcの蛍光像を形成する。この状態で冷却カメラ300が駆動されると、蛍光像が撮像され、画像データが生成される。この画像データ(蛍光画像の画像データ)は、コンピュータ170へ取り込まれる。
【0014】
なお、コンピュータ170は、ステージ23のXY座標及び対物レンズ部27のZ座標を制御することにより、培養容器20における観察ポイントcのXYZ座標を制御する。
また、チャンバ100には、不図示のシリコーンチューブを介して不図示の加湿器が接続されており、チャンバ100の内部の湿度及びCO2濃度は、予め決められた値の近傍にそれぞれ制御される。また、チャンバ100の周辺の雰囲気は、不図示の熱交換器によって適度に循環され、それによってチャンバ100の内部温度も予め決められた値の近傍に制御される。このようなチャンバ100の内部の湿度、CO2濃度、温度は、不図示のセンサにより測定される。そして、測定結果は、コンピュータ170へ取り込まれる。その一方で、冷却カメラ300は装置本体10との他の部分とは別の筐体に収められており、チャンバ100の内部温度に拘わらず装置本体10の外気温度と同程度に保たれる。
【0015】
次に、タイムラプス撮影に関するコンピュータ170の動作を説明する。
コンピュータ170には、観察用のプログラムがインストールされており、コンピュータ170はそのプログラムに従って動作するものとする。ユーザからコンピュータ170への情報入力は、何れも入力器180を介して行われるものとする。
図2は、コンピュータ170の動作フローチャートである。図2に示すとおり、最初にコンピュータ170は、小領域ごとに観察領域内を撮像する(ステップS11)。コンピュータ170は、装置本体10の観察方法を位相差観察(正確には低倍率の位相差観察)に設定し、培養容器20における観察ポイントcをXY方向へ移動させながら予め定められた小領域ごとに観察領域内を撮像する。同様に、装置本体10の観察方法を第1の蛍光観察(正確には低倍率の第1の蛍光観察)、第2の蛍光観察(正確には第2の蛍光観察)に設定し、小領域ごとに観察領域内を撮像する。なお、小領域ごとに観察領域内を撮像する際には、重なり部分を持ちながら撮像を行うと良い。このように撮像することにより、後述する観察ポイントの指定(ステップS16)において、対物レンズ部27内の対物レンズの光軸に比較的近い部分を、観察ポイントとして指定させることが可能である。
【0016】
そして、各小領域の位置情報(座標)及び撮像時の撮影条件を関連付けて記録する(ステップS12)。これらの情報の格納先は、例えばコンピュータ170のハードディスクである。なお、撮影条件には、露光時間、対物レンズ倍率などが含まれる。
コンピュータ170は、取得された複数の画像データを1枚の画像の画像データに合成する(ステップS13)。個々の画像データは、所謂タイル画像の画像データであり、合成後の画像データがバードビュー画像の画像データである。コンピュータ170は、位相差観察によるバードビュー画像、第1の蛍光観察によるバードビュー画像、第2の蛍光観察によるバードビュー画像をそれぞれ作成する。
【0017】
図3にバードビュー画像の例を示す。コンピュータ170は、図3に示すようにバードビュー画像の小領域ごとにその小領域の位置情報(座標)及び撮像時の撮影条件を関連付けて記録している。
次に、コンピュータ170は、作成したバードビュー画像の画像データを取得し、それをモニタ160へ表示する(ステップS14)。バードビュー画像とは、培養容器20の比較的広い領域の画像である。
【0018】
図4Aは、バードビュー画像表示画面を示す図である。図4Aに示すとおり、バードビュー画像表示画面には、表示領域101,102,103,104と、再生コントロール部105(詳細は後述する)と、詳細情報表示部106(詳細は後述する)とが配置される。
表示領域101は、位相差観察によるバードビュー画像が表示される領域であり、表示領域102は、2種類の蛍光観察の一方(第1の蛍光観察)によるバードビュー画像が表示される領域であり、表示領域103は、2種類の蛍光観察の他方(第2の蛍光観察)によるバードビュー画像が表示される領域である。また、表示領域104は、位相差観察によるバードビュー画像と蛍光観察によるバードビュー画像との合成画像が表示される領域である。なお、その際に、位相差観察によるバードビュー画像と蛍光観察によるバードビュー画像との合成画像をさらに表示しても良い。
【0019】
各バードビュー画像の表示に先立ち、コンピュータ170は、各観察方法により取得した3種類の画像データを読み出し、位相差観察によるバードビュー画像と蛍光観察によるバードビュー画像とを合成し、合成画像を作成する。合成画像を加えた4種類のバードビュー画像の格納先は、例えばコンピュータ170のハードディスクである。
コンピュータ170は、作成された4種類のバードビュー画像を読み出し、4つの表示領域101,102,103,104へ個別に表示するための画像信号を生成し、それをモニタ160へ送出する。なお、図4Aの例では、4種類のバードビュー画像を並列に表示する例を示すが、より大きな1つの表示領域に切り替えて表示する構成としても良い。
【0020】
何れの場合も、4種類のバードビュー画像を比較しつつ、例えば、位相差観察によるバードビュー画像において被観察物の形状や分布などを判別し、2種類の蛍光観察によるバードビュー画像において被観察物の染まり具合を判別するなどして、詳細な観察ポイントの指定を行うことができる。
ユーザは、モニタ160に表示されたバードビュー画像を観察しながら、タイムラプス撮影の基本条件(インターバル、ラウンド数、観察方法など)を決定するとともに、観察ポイントを決定する。このとき、図4Aに示した詳細情報表示部106には、ユーザが指定した観察ポイントが含まれる小領域の撮影条件が表示される。図4Bは、詳細情報表示部106の拡大図である。ユーザは、この詳細情報表示部106を目視することによりその観察ポイントを選択した場合の撮影条件を確認することができる。
【0021】
コンピュータ170は、ユーザから条件が入力され(ステップS15YES)、さらに観察ポイントが指定されると(ステップS16YES)、指定された観察ポイントが含まれる小領域の撮影条件(ステップS12で記録したもの)を読み出す(ステップS17)。そして、コンピュータ170は、ステップS15で入力された基本条件と読み出した撮影条件とに従ってレシピを作成する(ステップS18)。レシピの格納先は、例えばコンピュータ170のハードディスクである。以下、レシピに書き込まれたインターバル、ラウンド数、観察ポイント、観察方法をそれぞれ「指定インターバル」、「指定ラウンド数」、「指定ポイント」、「指定観察方法」と称す。
【0022】
その後、コンピュータ170は、ユーザからタイムラプス撮影の開始指示が入力されると(ステップS19)、タイムラプス撮影を開始する(ステップS20)。
タイムラプス撮影では、コンピュータ170は、培養容器20の観察ポイントcをステップS16で指定された観察ポイントに一致させると共に、装置本体10をレシピに従って制御し、その状態で画像データを取得する。指定観察方法が3種類であった場合は、装置本体10の観察方法を3種類の指定観察方法の間で切り替えながら3種類の画像データを連続的に取得する。これによって、第1ラウンドの撮影が終了する。
【0023】
その後、コンピュータ170は、第1ラウンドの撮影開始時刻から指定インターバルだけ待機時間をおき、第2ラウンドの撮影を開始する。第2ラウンドの撮影方法は、第1ラウンドのそれと同じである。
さらに、以下の撮影は、実行済みのラウンド数が指定ラウンド数に達するまで(ステップS21YESとなるまで)繰り返される。
【0024】
さて、タイムラプス撮影の期間中(ステップS21NOとなる期間中)、コンピュータ170は、装置本体10から取り込んだ画像データを実施経過ファイルへ逐次蓄積する。この実施経過ファイルの格納先は、例えばコンピュータ170のハードディスクである。
さらに、コンピュータ170は、タイムラプス撮影の期間中又はタイムラプス撮影の終了後にユーザから確認指示が入力されると、その時点における実施経過ファイルの内容を参照し、それに基づき以下に説明する実施経過確認用画面をモニタ160へ表示する。
【0025】
実施経過確認用画面は、図4Aで説明したバードビュー画像と同様である。
表示領域101は、位相差画像の動画像が表示されるべき領域であり、表示領域102は、2種類の蛍光画像の一方(第1の蛍光画像)の動画像が表示されるべき領域であり、表示領域103は、2種類の蛍光画像の他方(第2の蛍光画像)の動画像が表示されるべき領域である。また、表示領域104は、位相差画像と蛍光画像との合成画像の動画像が表示されるべき領域である。
【0026】
動画像の表示に先立ち、コンピュータ170は、各ラウンドで取得された3種類の画像データを実施経過ファイルから読み出し、このうち位相差画像の画像データの各フレームを時系列順に連結して位相差画像の動画像ファイルを作成し、第1の蛍光画像の画像データの各フレームを時系列順に連結して第1の蛍光画像の動画像ファイルを作成し、第2の蛍光画像の画像データの各フレームを時系列順に連結して第2の蛍光画像の動画像ファイルを作成する。また、コンピュータ170は、位相差画像の画像データと蛍光画像の画像データとをフレームごとに合成し、合成後の各フレームを時系列順に連結して合成画像の動画像ファイルを作成する。これら4種類の動画像ファイルの格納先は、例えばコンピュータ170のハードディスクである。
【0027】
動画像の表示にあたり、コンピュータ170は、作成された4種類の動画像ファイルを同時並列的に読み出し、4種類の動画像を4つの表示領域101,102,103,104へ個別に表示するための動画像信号を生成し、それを生成順にモニタ160へ送出する。
図4Aに示す再生コントロール部105は、動画像ファイルの再生に関する指示をユーザがコンピュータへ入力するためのGUI画像である。再生コントロール部105には、停止ボタン、スキップボタン、再生ボタン、早送りボタン、タイムラインなどが配置される。
【0028】
また、図4Bに示すように、詳細情報表示部106には、タイムラプス撮影実行時の撮影条件が表示される。ユーザは、この詳細情報表示部106によりタイムラプス撮影実行時の撮影条件を確認することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、観察光学系と、観察光学系を介して被観察物の像を撮像して画像を生成する撮像部と、被観察物を含む観察領域内を、撮像部により小領域ごとに撮像して生成した複数の画像をつなぎ合わせて、観察領域内全体のマクロ画像を生成する生成部と、小領域の位置情報と、その小領域における撮像時の撮影条件とを関連付けて記録する記録部と、マクロ画像を表示する表示部と、表示部に表示したマクロ画像に基づいて、撮像部で撮影を行う地点を選択する地点選択部とを備え、地点選択部で指示された地点の属する小領域を検知し、小領域における撮影条件を記録部から読み出し、その撮影条件にしたがって、地点における撮影を実行させる。したがって、観察ポイントにおける撮影条件を簡便かつ適切に設定可能とすることができる。
【0029】
また、本実施形態によれば、地点選択部は、撮影を行う地点を選択するための外部操作スイッチを含む。したがって、ユーザ指示にしたがって撮影を行う地点を選択する場合も同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態によれば、撮像部により所定時間間隔ごとに地点の撮影を行う際に、記録部に記録された小領域の撮影条件を読み出し、地点の撮影を実行する。したがって、タイムラプス撮影時の撮影条件を簡便かつ適切に設定可能とすることができる。
【0030】
また、本実施形態によれば、バードビュー画像を用いて観察ポイントの指定を行うことにより、被観察物を広い視点・視野で観察することにより好適な観察ポイントの指定が可能であると共に、蛍光観察による退色を抑えることができる。
なお、本実施形態では、バードビュー画像のもととなる小領域ごとの画像を撮像した際の撮影条件を、そのままタイムラプス撮影時の撮影条件とする例を示したが、本発明はこの例に限定されない。例えば、ユーザにより指定された条件(基本条件など)に応じて適宜撮影条件を調整しても良い。また、コンピュータ170により決定した撮影条件(レシピ内の)一部をユーザにより変更可能としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】顕微鏡装置1の構成図である。
【図2】コンピュータ170の動作フローチャートである。
【図3】バードビュー画像について説明する図である。
【図4】バードビュー画像表示画面及び実施経過確認用画面を示すである。
【符号の説明】
【0032】
1…顕微鏡装置,10…装置本体,170…コンピュータ,160…モニタ,180…入力器,150…顕微鏡部,300…冷却カメラ,

【特許請求の範囲】
【請求項1】
観察光学系と、
前記観察光学系を介して被観察物の像を撮像して画像を生成する撮像部と、
前記被観察物を含む観察領域内を、前記撮像部により小領域ごとに撮像して生成した複数の画像をつなぎ合わせて、前記観察領域内全体のマクロ画像を生成する生成部と、
前記小領域の位置情報と、その小領域における撮像時の撮影条件とを関連付けて記録する記録部と、
前記マクロ画像を表示する表示部と、
前記表示部に表示した前記マクロ画像に基づいて、前記撮像部で撮影を行う地点を選択する地点選択部と、
前記地点選択部で指示された前記地点の属する前記小領域を検知し、前記小領域における撮影条件を前記記録部から読み出し、その撮影条件にしたがって、前記地点における撮影を実行させる制御部と
を備えたことを特徴とする顕微鏡装置。
【請求項2】
請求項1に記載の顕微鏡装置において、
前記地点選択部は、前記撮影を行う地点を選択するための外部操作スイッチを含む
ことを特徴とする顕微鏡装置。
【請求項3】
請求項1に記載の顕微鏡装置において、
前記制御部は、前記撮像部により所定時間間隔ごとに前記地点の撮影を行う際に、前記記録部に記録された前記小領域の撮影条件を読み出し、前記地点の撮影を実行する
ことを特徴とする顕微鏡装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−139487(P2008−139487A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−324601(P2006−324601)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】