説明

顕微鏡装置

【課題】装置の小型化を図った、共焦点顕微鏡と全反射顕微鏡とを切り換えて使用可能な顕微鏡装置を提供する。
【解決手段】レーザ光源(不図示)と、レーザ光源から射出したレーザ光束を対物レンズ16を介して標本12に照射する共焦点走査観察系(照明光学系)31と、標本12からの蛍光を検出する撮像素子23を備えた顕微鏡装置1において、レーザ光源と対物レンズ16との間の光路上に挿脱可能に液体レンズ62を設け、液体レンズ62を前記光路上に挿入したときに、レーザ光源から射出したレーザ光束の主光線を共焦点走査観察系31の光軸に対して略平行にするとともに、前記レーザ光束を対物レンズ16の瞳位置Pの所定領域内に集光し、標本12の全反射照明を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共焦点顕微鏡と全反射顕微鏡とを切り換えて使用可能な顕微鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
共焦点顕微鏡や全反射蛍光顕微鏡は、生体細胞等の観察に広く利用されている。両者は共にレーザ光源を使用する点で一致しており、共焦点顕微鏡と全反射蛍光顕微鏡とを切り換えて使用することができる顕微鏡装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−121796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の顕微鏡では、共焦点顕微鏡から全反射顕微鏡に切り換える際に、対物レンズの瞳位置の全反射領域にレーザ光を集光させるための光学部材を照明光学系内に挿入しなければならず、この切り換えのために大掛かりな切り換え機構が必要となり、顕微鏡装置の大型化に繋がるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、装置の小型化を図った、共焦点顕微鏡と全反射顕微鏡とを切り換えて使用可能な顕微鏡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するため、本発明は、レーザ光源と、前記レーザ光源から射出したレーザ光束を対物レンズを介して標本に照射する照明光学系と、前記標本からの蛍光を検出する蛍光検出光学系とを備えた顕微鏡装置において、前記レーザ光源と前記対物レンズとの間の光路上に液体レンズを挿脱可能に設け、前記液体レンズを前記光路上に挿入することにより、前記レーザ光源から射出した前記レーザ光束の主光線を前記照明光学系の光軸に対して略平行にするとともに、前記レーザ光束を前記対物レンズの瞳位置の所定領域内に集光し、前記標本の全反射照明を可能にする。
【0007】
なお、前記標本の全反射照明時において、エバネッセント場の深さをzとし、全反射照明光波長をλとし、前記液体レンズにより前記対物レンズの瞳位置に集光させた前記レーザ光束の前記照明光学系の光軸からの偏心量をdとし、前記対物レンズの焦点距離をfとし、前記標本の内部の屈折率をnとしたとき、次式 z=λ/[4π×{(d2/f2)−n21/2] の条件を満足することが好ましい。
【0008】
また、前記液体レンズは、焦点距離及び前記照明光学系の光軸からの偏心量の少なくとも一方が変更可能であり、前記レーザ光源から射出した前記レーザ光束を集光させる位置を調整するために、前記液体レンズの焦点距離及び前記照明光学系の光軸からの偏心量の少なくとも一方を制御する制御手段を有することが好ましい。
【0009】
また、前記レーザ光源と前記照明光学系との間の光路上に、前記レーザ光源から射出した前記レーザ光束を偏向する偏向手段を有し、前記液体レンズを前記光路上から外したときに、前記レーザ光束が標本面に集光し、前記偏向手段により前記標本面上を走査するように構成することが好ましい。
【0010】
また、前記照明光学系として、落射照明光学系を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、装置の小型化を図った、共焦点顕微鏡と全反射顕微鏡とを切り換えて使用可能な顕微鏡装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態に係る顕微鏡装置の概略断面図である。
【図2】第1の実施形態に係る顕微鏡装置の光学系を示した図である。
【図3】第1の実施形態に係る顕微鏡装置において、全反射顕微鏡に切り換えた際の顕微鏡装置の光学系を示した図である。
【図4】本実施形態に係る顕微鏡装置を構成する液体レンズの作用を説明する図である。
【図5】第2の実施形態に係る顕微鏡装置の光学系を示した図である。
【図6】第2の実施形態に係る顕微鏡装置において、全反射顕微鏡に切り換えた際の顕微鏡装置の光学系を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1の実施形態に係る顕微鏡装置の概略断面図である。図2は、第1の実施形態に係る顕微鏡装置の光学系を示した図である。図3は、第1の実施形態に係る顕微鏡装置において、全反射顕微鏡に切り換えた際の顕微鏡装置の光学系を示した図である。図4は、本実施形態に係る顕微鏡装置を構成する液体レンズの作用を説明する図である。なお、図2、図3では、後述する透過照明光学系の記載を省略している。
【0014】
図1から図4において、顕微鏡装置1は、倒立型蛍光顕微鏡本体2と、顕微鏡本体2に搭載されている各種装置を制御するパーソナルコンピュータ等を有する制御装置(以下、PCと記す)3とから構成される。
【0015】
まず、顕微鏡装置1を透過型顕微鏡として使用する場合について、図1及び図2を用いて説明する。
【0016】
顕微鏡本体2は、ステージ11と、ステージ11に載置された標本12に透過照明光源13からの光を照射する透過照明光学系14と、標本12を透過した光を集光する対物レンズ16と、対物レンズ16を複数搭載したリボルバ15と、結像光学系17と、レンズ19aを備えた接眼鏡筒19と、不図示の接眼レンズとを有する。結像光学系17は、対物レンズ16側から順に、結像レンズ18と、ミラーM1と、リレーレンズ17bと、ミラーM2と、リレーレンズ17cと、ミラーM3とを備える。
【0017】
なお、顕微鏡本体2は、対物レンズ16と結像光学系17との間に、後述の照明光学系51を構成する蛍光キューブボックス20を備えている。蛍光キューブボックス20は、内部に複数の蛍光キューブを装着可能であり、必要に応じて光路上から該当する蛍光キューブを光路上から挿脱可能に構成されている。なお、今回のように透過型顕微鏡として使用する場合、蛍光キューブボックス20内の蛍光キューブは、いずれも光路上から外されている。
【0018】
また、顕微鏡本体2は、結像光学系17を構成する結像レンズ18とミラーM1との間に、プリズム22を備えている。プリズム22は、光路上から挿脱可能に構成されており、標本12の透過像を観察する場合には光路上から外す。
【0019】
透過型顕微鏡として使用する場合、透過照明光源11から射出した光は透過照明光学系14を介してステージ11上の標本12に照射され、標本12を透過した光は対物レンズ16により集光される。そして、対物レンズ16により集光された光は、結像光学系17に入り、結像レンズ18と、ミラーM1とを介して、一次像面17aに結像される。一次像面17aに結像された標本12の像は、リレーレンズ17bと、ミラーM2と、リレーレンズ17cと、接眼鏡筒19のレンズ19a及びミラーM3を介して二次像面18bに結像され、不図示の接眼レンズを介して観察者に観察される。このように、顕微鏡装置1を、透過型顕微鏡として使用することができる。
【0020】
第1の実施形態においては、顕微鏡本体2に、共焦点走査観察系31と、落射照明系41とが、共通の照明光学系51(結像レンズ52、蛍光キューブ21、対物レンズ16)を介して配置されている。
【0021】
次に、顕微鏡装置1を走査型顕微鏡(走査型蛍光顕微鏡、共焦点走査型顕微鏡)として使用する場合について、図2を参照しつつ説明する。
【0022】
共焦点走査観察系31は、不図示のレーザ光源と、このレーザ光源からのレーザ光を導く光ファイバ32と、光ファイバ32の端面から射出されたレーザ光を略平行光に変換するコレクタレンズ33と、コレクタレンズ33によって変換された略平行光を標本12上で二次元に走査させる二次元スキャナ34と、二次元スキャナ34を通った略平行光を集光して像面IP1に結像させる瞳リレーレンズ35と、コレクタレンズ33と二次元スキャナ34との間に設けられたダイクロイックミラー36と、ダイクロイックミラー36により反射された光をピンホール38を介してPMT等の受光素子39に結像させる結像レンズ37とを備える。
【0023】
照明光学系51は、像面IP1で瞳リレーレンズ35により結像された像を光軸に略平行なレーザ光に変換する結像レンズ52と、上述の蛍光キューブ21と、対物レンズ16とを備える。
【0024】
走査型顕微鏡として使用する場合、光路上に配置する蛍光キューブ21として、波長選択フィルタ21a、ダイクロイックミラー21b、及び、エミッションフィルタ21cを内蔵したものを、蛍光キューブボックス20内から選択し、光路上に配置する。
【0025】
なお、顕微鏡本体2は、共焦点走査観察系31(具体的には瞳リレーレンズ35)と照明光学系51(具体的には結像レンズ52)との間に、後述する落射照明系41を構成するダイクロイックミラー44を備えているが、共焦点走査観察系31を使用する場合には照明光学系51の光軸上から外す。
【0026】
また、顕微鏡本体2は、結像光学系17を構成する結像レンズ18とミラーM1との間に、光路上から挿脱可能に設けたプリズム22を備えており、共焦点走査観察系31を使用する場合は光路上に配置する。
【0027】
走査型蛍光顕微鏡として使用する場合、共焦点走査観察系31において、不図示のレーザ光源から射出されたレーザ光は、光ファイバ32によりコレクタレンズ33に導かれ、このコレクタレンズ33により略平行光に変換された後、二次元スキャナ34を経て、瞳リレーレンズ35に入射し、この瞳リレーレンズ32により像面IP1にて結像される。続いて、像面IP1から射出したレーザ光は、照明光学系51において、結像レンズ52により略平行光にされた後、蛍光キューブ21に入射する。蛍光キューブ21に入射したレーザ光は、波長選択フィルタ21aにより所定の励起波長のレーザ光が選択された後、ダイクロイックミラー21bにより対物レンズ16の方向に反射され、対物レンズ16に入射して標本12に集光される。
【0028】
レーザ光で励起され標本12で発現した蛍光は、対物レンズ16により集光されて蛍光キューブ21に入射し、蛍光キューブ21を構成するダイクロイックミラー21bを透過し、エミッションフィルタ21cにより所定の蛍光が選択された後、結像レンズ18によりプリズム22を介して撮像素子23に結像され、撮像素子23により蛍光像が撮像される。そして、撮像素子23により撮像された蛍光像は、図1に示すPC3により画像処理され、モニター3aに表示される。このように、顕微鏡装置1は、走査型蛍光顕微鏡として使用することができる。
【0029】
一方、共焦点走査型顕微鏡として使用する場合、標本12で発現した蛍光は、対物レンズ16により集光され、蛍光キューブ21内の不図示のミラーにより反射され、照明光学系51の結像レンズ52と共焦点走査観察光学系31の瞳リレーレンズ35とを逆行し、二次元スキャナ34に入射してデスキャンされ、ダイクロイックミラー36により反射され、結像レンズ37とピンホール38とを介して、PMT等の受光素子39に入射し、該素子39上の各点での光の強度に基づきPC3により二次元像が生成され、モニター3aに表示される。このように、顕微鏡装置1は、共焦点走査型顕微鏡として使用することができる。
【0030】
なお、顕微鏡装置1では、撮像素子23により撮像された蛍光画像と、受光素子39により受光された共焦点画像とを、モニター3aに重ねて表示させるなどして観察することが可能である。
【0031】
次に、顕微鏡装置1を落射蛍光顕微鏡として使用する場合について、図2を参照しつつ説明する。
【0032】
顕微鏡本体2は、落射照明系41として、不図示の光源と、この光源からの光を導く光ファイバ42と、光ファイバ42の端面から射出された光を略平行光に変換するコレクタレンズ43と、視野絞り45と、照明光学系51の光軸上から挿脱可能に構成されたダイクロイックミラー44とを備える。なお、不図示の光源には、レーザ光源、高圧水銀ランプ、あるいはキセノンランプ等が使用可能である。
【0033】
落射蛍光顕微鏡として使用する場合、照明光学系51内に配置する蛍光キューブ21として、波長選択フィルタ21a、ダイクロイックミラー21b、及び、エミッションフィルタ21cを内蔵したものを、蛍光キューブボックス20内から選択し、光路上に配置する。
【0034】
落射蛍光顕微鏡として使用する場合、落射照明系41において、不図示の光源から射出した光は、光ファイバ42によりコレクタレンズ43に導かれ、このコレクタレンズ43により略平行に変換された後、視野絞り45を介し、照明光学系51の光軸上に配置されたダイクロイックミラー44により反射され、照明光学系51の結像レンズ52により集光され、照明光学系51の光軸に対して略平行な光として光路上に配置された蛍光キューブ21に入射する。蛍光キューブ21に入射した光は、波長選択フィルタ21aにより所定の励起波長のレーザ光が選択され、ダイクロイックミラー21bにより対物レンズ16の方向に反射され、対物レンズ16に入射して標本12に集光される。
【0035】
この光で励起され標本12で発現した蛍光は、対物レンズ16により集光され、蛍光キューブ21を構成するダイクロイックミラー21bを透過し、エミッションフィルタ21cにより所定の蛍光が選択された後、結像レンズ18により結像光学系17内に配置されたプリズム22を介して撮像素子23に結像され、撮像素子23により蛍光像が撮像される。そして、撮像素子23により撮像された蛍光像は、図1に示すPC3により画像処理され、モニター3aに表示される。このように、顕微鏡装置1は、落射蛍光顕微鏡として使用することができる。
【0036】
続いて、顕微鏡装置1を全反射顕微鏡として使用する場合について、図3及び図4を参照しつつ説明する。
【0037】
全反射顕微鏡として使用する場合、照明として、上述の共焦点走査観察系31を使用する。また、蛍光キューブボックス20内から、ダイクロイックミラー21b、エミッションフィルタ21c、及び、液体レンズ62を内蔵した蛍光キューブ61を選択し、光路上に配置する。
【0038】
液体レンズ62は、境界面で混合することなく隣接する少なくとも2種類の液体を有し、印加電圧に応じてこれら液体の境界面の形状を変化させることにより、レンズの焦点距離が調節できるように構成されている。なお、液体レンズ62は、図1に示すPC3のレンズ制御部により制御される。
【0039】
本実施形態では、図4に示すように、蛍光キューブ61に入射した照明レーザ光の主光線が照明光学系51の光軸(図4では軸xが該当)に対して略平行で、且つ、照明レーザ光が対物レンズ16の瞳位置Pにおいて照明光学系51の光軸(瞳中心)に対して距離「d」だけ偏心した位置に集光するように、PC3のレンズ制御部(図1参照)により液体レンズ62への印加電圧が制御されている。この距離「d」は、対物レンズ16の全反射条件に対応したものである。
【0040】
全反射顕微鏡として使用する場合、共焦点走査観察系31の不図示のレーザ光源から射出されたレーザ光は、光ファイバ32によりコレクタレンズ33に導かれ、このコレクタレンズ33により略平行な光に変換され、二次元スキャナ34に入射する。二次元スキャナ34を構成するXYミラーの傾斜角度は、対物レンズ16の瞳位置Pの全反射条件領域にレーザ光を集光するため、PC3の制御部(図1参照)により所定の角度に制御されている。二次元スキャナ34から射出した照明レーザ光は、瞳リレーレンズ35により像面IP1で結像された後、結像レンズ52を介して光軸に対して略平行光に変換され、光路上に配置された蛍光キューブ61に入射する。
【0041】
蛍光キューブ61に入射したレーザ光は、液体レンズ62を通ってダイクロイックミラー21bにより対物レンズ16の方向に反射され、その光軸が照明光学系51(共焦点走査観察系31)の光軸(瞳中心)から距離「d」だけ偏心した、対物レンズ16の瞳位置Pの輪帯状の全反射条件領域に集光される。この全反射条件領域に集光されたレーザ光は、標本12とこれを支持する不図示のガラス基板との境界面にて全反射を起こす入射角で、対物レンズ16から標本12に入射する。全反射角で標本12に入射したレーザ光は、境界面にエバネッセント波を発生し、標本12の境界面近傍では、このエバネッセント波により励起された蛍光が発生する。
【0042】
ここで、標本12の全反射照明が最適化された状態にある場合、図4に示すように、エバネッセント場の深さをzとし、全反射照明光波長をλとし、液体レンズ62により対物レンズ16の瞳位置Pに集光させたレーザ光束の照明光学系51(共焦点走査観察系31)の光軸からの偏心量をdとし、対物レンズ16の焦点距離をfとし、標本12内部の屈折率をnとしたとき、以下の条件式(1)を満足する。
【0043】
z=λ/[4π×{(d2/f2)−n21/2] …(1)
【0044】
例えば、対物レンズ16が、全反射蛍光観察を可能にするために十分な開口数を有する場合、蛍光キューブ61内の液体レンズ62により、対物レンズ16の瞳位置P上に照明レーザ光の集光位置を保ち、その偏心量dを制御することにより、エバネッセント光の沁み出し量を任意に選択することが可能である。
【0045】
エバネッセント波で励起され標本12で発現した蛍光は、対物レンズ16により集光されて蛍光キューブ61に入射し、蛍光キューブ21を構成するダイクロイックミラー21bを透過し、エミッションフィルタ21cにより所定の蛍光が選択された後、結像レンズ18によりプリズム22を介して撮像素子23に結像され、撮像素子23により蛍光像が撮像される。そして、撮像素子23により撮像された蛍光像は、図1に示すPC3により画像処理され、モニター3aに表示される。
【0046】
このように、顕微鏡装置1は、前述の蛍光キューブ21を蛍光キューブ61に交換し、二次元スキャナ34と液体レンズ62を用いて、照明レーザ光を、照明光学系51の光軸から距離「d」だけ偏心した、対物レンズ16の瞳位置Pの輪帯状の全反射条件領域に集光させることにより、全反射蛍光顕微鏡として使用することができる。
【0047】
以上述べたように、本実施形態に係る顕微鏡装置1によれば、共焦点走査観察系31の二次元スキャナ34のXYミラーの傾斜角度を所定の傾きに制御し、蛍光キューブボックス20内から液体レンズ62を備えた蛍光キューブ61を選択し、光路上に配置することにより、全反射蛍光観察を可能にすることができる。また、透過観察、走査型蛍光観察、共焦点走査型観察、落射蛍光観察等の顕微鏡としても使用可能な顕微鏡装置1を提供することができる。
【0048】
次に、第2の実施形態に係る顕微鏡装置101について、図面を参照しつつ説明する。なお、顕微鏡装置101の概略構成は、第1の実施形態とほぼ同様であり、図面並びに説明を省略する。
【0049】
図5は、第2の実施形態に係る顕微鏡装置の光学系を示した図である。図6は、第2の実施形態に係る顕微鏡装置において、全反射顕微鏡に切り換えた際の顕微鏡装置の光学系を示した図である。なお、図5、図6では、第1の実施形態と同様の構成には、同じ符号を付して説明している。また、図5、図6では、第1の実施形態の場合と同様に、透過照明光学系14の記載を省略している。
【0050】
まず、顕微鏡装置101を透過型顕微鏡として使用する場合について、図5を用いて説明する。
【0051】
顕微鏡本体2は、ステージ11と、ステージ11に載置された標本12に透過照明光源13からの光を照射する透過照明光学系14と、標本12を透過した光を集光する対物レンズ16と、対物レンズ16を複数搭載したリボルバ15と、結像光学系17と、レンズ19aを備えた接眼鏡筒19と、不図示の接眼レンズとを有する。結像光学系17は、対物レンズ16側から順に、結像レンズ18と、ミラーM1と、リレーレンズ17bと、ミラーM2と、リレーレンズ17cと、ミラーM3とを備える。
【0052】
なお、顕微鏡本体2は、対物レンズ16と結像光学系17との間に、後述の照明光学系51を構成する蛍光キューブボックス20を備えている。蛍光キューブボックス20は、内部に複数の蛍光キューブを装着可能であり、必要に応じて光路上から該当する蛍光キューブを光路上から挿脱可能に構成されている。なお、今回のように透過型顕微鏡として使用する場合、蛍光キューブボックス20内の蛍光キューブは、いずれも光路上から外されている。
【0053】
また、顕微鏡本体2は、第1の実施形態とは異なり、結像光学系17を構成する結像レンズ18とミラーM1との間にダイクロイックミラー71と、対物レンズ16と蛍光キューブボックス20との間にダイクロイックミラー72とを備えている。これらダイクロイックミラー71,72は、光路上から挿脱可能に構成されており、標本12の透過像を観察する場合にはいずれも光路上から外す。
【0054】
透過型顕微鏡として使用する場合、透過照明光源11から射出した光は透過照明光学系14を介してステージ11上の標本12に照射され、標本12を透過した光は対物レンズ16により集光される。そして、対物レンズ16により集光された光は、結像光学系17に入り、結像レンズ18と、ミラーM1とを介して、一次像面17aに結像される。一次像面17aに結像された標本12の像は、リレーレンズ17bと、ミラーM2と、リレーレンズ17cと、接眼鏡筒19のレンズ19a及びミラーM3を介して二次像面18bに結像され、不図示の接眼レンズを介して観察者に観察される。このように、顕微鏡装置1を、透過型顕微鏡として使用することができる。
【0055】
第2の実施形態においては、顕微鏡本体2に、共焦点走査観察系31と落射照明系41は、一部を除いて互いに独立して配置されている。
【0056】
次に、顕微鏡装置101を走査型顕微鏡(走査型蛍光顕微鏡、共焦点走査型顕微鏡)として使用する場合について、図5を参照しつつ説明する。
【0057】
なお、走査型顕微鏡として使用する場合、顕微鏡本体2は、上述の蛍光キューブ21は光路上から外し、ダイクロイックミラー71,72は光路上に設置する。
【0058】
顕微鏡本体2は、共焦点走査観察系31として、不図示のレーザ光源と、このレーザ光源からのレーザ光を導く光ファイバ32と、光ファイバ32の端面から射出されたレーザ光を略平行光に変換するコレクタレンズ33と、コレクタレンズ33によって変換された略平行光を標本12上で二次元に走査させる二次元スキャナ34と、二次元スキャナ34を通った略平行光を集光して像面IP1に結像させる瞳リレーレンズ35と、コレクタレンズ33と二次元スキャナ34との間に設けられたダイクロイックミラー36と、ダイクロイックミラー36により反射された光をピンホール38を介してPMT等の受光素子39に結像させる結像レンズ37とを備える。
【0059】
また、顕微鏡本体2は、上述したダイクロイックミラー72により反射された光のうち所定の蛍光を選択透過するエミッションフィルタ73と、エミッションフィルタ73を透過した光を撮像素子23に結像させる結像レンズ73とを備える。
【0060】
走査型蛍光顕微鏡として使用する場合、共焦点走査観察系31において、不図示のレーザ光源から射出されたレーザ光は、光ファイバ32によりコレクタレンズ33に導かれ、このコレクタレンズ33により略平行光に変換された後、二次元スキャナ34を経て、瞳リレーレンズ35に入射し、この瞳リレーレンズ32により像面IP1にて結像される。続いて、像面IP1から射出したレーザ光は、ダイクロイックミラー71で反射され、結像レンズ18により略平行光にされた後、対物レンズ16に入射し、標本12に集光される。
【0061】
レーザ光で励起され標本12で発現した蛍光は、対物レンズ16により集光され、ダイクロイックミラー72により反射され、エミッションフィルタ73により所定の蛍光が選択された後、結像レンズ74により撮像素子23に結像され、撮像素子23により蛍光像が撮像される。そして、撮像素子23により撮像された蛍光像は、図1に示すPC3により画像処理され、モニター3aに表示される。このように、顕微鏡装置1は、走査型蛍光顕微鏡として使用することができる。
【0062】
一方、共焦点走査型顕微鏡として使用する場合、標本12で発現した蛍光は、対物レンズ16により集光され、光路を逆行して、ダイクロイックミラー72を透過し、ダイクロイックミラー71により反射された後、瞳リレーレンズ35を介して、二次元スキャナ34に入射してデスキャンされ、ダイクロイックミラー36により反射され、結像レンズ37とピンホール38とを介して、PMT等の受光素子39に入射し、該素子39上の各点での光の強度に基づきPC3により二次元像が生成され、モニター3aに表示される。このように、顕微鏡装置1は、共焦点走査型顕微鏡として使用することができる。
【0063】
なお、顕微鏡装置1では、撮像素子23により撮像された蛍光画像と、受光素子39により受光された共焦点画像とを、モニター3aに重ねて表示させるなどして観察することが可能である。
【0064】
次に、顕微鏡装置101を落射蛍光顕微鏡として使用する場合について、図5を参照しつつ説明する。
【0065】
なお、落射蛍光顕微鏡として使用する場合、顕微鏡本体2は、上述のダイクロイックミラー72を光路上に配置する。
【0066】
顕微鏡本体2は、落射照明系41として、不図示の光源と、この光源からの光を導く光ファイバ42と、光ファイバ42の端面から射出された光を略平行光に変換するコレクタレンズ43と、視野絞り45とを備える。なお、不図示の光源には、レーザ光源、高圧水銀ランプ、あるいはキセノンランプ等が使用可能である。
【0067】
落射照明系41は、さらに、結像レンズ52と、蛍光キューブボックス20内から選択し、光路上に配置した、波長選択フィルタ21a、ダイクロイックミラー21b、及び、エミッションフィルタ21cを内蔵した蛍光キューブ21とを備える。
【0068】
なお、本実施形態では、走査顕微鏡として使用する場合にも流用可能な、上述の蛍光キューブ21を用いたが、これに限定されるものではない。例えば、エミッションフィルタ21cを持たない、波長選択フィルタ21aとダイクロイックミラー21bとから構成された、別の蛍光キューブを用いることも可能である。
【0069】
落射蛍光顕微鏡として使用する場合、落射照明系41において、不図示の光源から射出された光は、落射照明系41を構成する光ファイバ42によりコレクタレンズ43に導かれ、このコレクタレンズ43により略平行に変換された後、視野絞り45を介し、結像レンズ52により集光され、光軸に対して略平行な光として光路上に配置された蛍光キューブ21に入射する。蛍光キューブ21に入射した光は、波長選択フィルタ21aにより所定の励起波長のレーザ光が選択され、ダイクロイックミラー21bにより対物レンズ16の方向に反射され、対物レンズ16に入射して標本12に集光される。
【0070】
この光で励起され標本12で発現した蛍光は、対物レンズ16により集光され、ダイクロイックミラー72により反射され、エミッションフィルタ73により所定の蛍光が選択された後、結像レンズ74により撮像素子23に結像され、撮像素子23により蛍光像が撮像される。そして、撮像素子23により撮像された蛍光像は、図1に示すPC3により画像処理され、モニター3aに表示される。このように、顕微鏡装置1は、落射蛍光顕微鏡として使用することができる。
【0071】
続いて、顕微鏡装置1を全反射顕微鏡として使用する場合について、図6を参照しつつ説明する。
【0072】
なお、全反射顕微鏡として使用する場合、照明として、上述の共焦点走査観察系31(以下、照明光学系とも言う)を使用する。また、ダイクロイックミラー71,72を共に光路上に配置する。また、蛍光キューブとして、液体レンズ82を内蔵した蛍光キューブ81を蛍光キューブボックス20内から選択し、光路上に配置する。
【0073】
液体レンズ82は、境界面で混合することなく隣接する少なくとも2種類の液体を有し、印加電圧に応じて液体の境界面の形状を変化させることにより、レンズの焦点距離が調節できるように構成されている。なお、液体レンズ82は、PC3のレンズ制御部(図1参照)により制御される。
【0074】
本実施形態では、図4に示すように、蛍光キューブ81に入射した照明レーザ光の主光線が照明光学系の光軸(図4では軸xが該当)に対して略平行で、且つ、照明レーザ光が対物レンズ16の瞳位置Pにおいて共焦点走査観察系(照明光学系)31の光軸(瞳中心)に対して距離「d」だけ偏心した位置に集光するように、PC3のレンズ制御部(図1参照)により液体レンズ82への印加電圧が制御されている。この距離「d」は、対物レンズ16の全反射条件に対応したものである。
【0075】
全反射顕微鏡として使用する場合、共焦点走査観察系31の不図示のレーザ光源から射出されたレーザ光は、光ファイバ32によりコレクタレンズ33に導かれ、このコレクタレンズ33により略平行な光に変換され、二次元スキャナ34に入射する。二次元スキャナ34を構成するXYミラーの傾斜角度は、入射した照明レーザ光の光軸を共焦点走査観察系31の光軸に一致させるため、PC3の制御部(図1参照)により所定の角度に制御されている。二次元スキャナ34から射出した照明レーザ光は、瞳リレーレンズ35により像面IP1で結像された後、ダイクロイックミラー71により反射され、結像レンズ18により光軸に対して略平行なレーザ光に変換され、光路上に配置された蛍光キューブ81に入射する。
【0076】
蛍光キューブ81に入射したレーザ光は、液体レンズ82により、その光軸が共焦点走査観察系(照明光学系)31の光軸(瞳中心)から距離「d」だけ偏心した、対物レンズ16の瞳位置Pの輪帯状の全反射条件領域に集光される。この全反射条件領域に集光されたレーザ光は、標本12とこれを支持する不図示のガラス基板との境界面にて全反射を起こす入射角で、対物レンズ16から標本12に入射する。全反射角で標本12に入射したレーザ光は、境界面にエバネッセント波を発生し、標本12の境界面近傍では、このエバネッセント波により励起された蛍光が発生する。
【0077】
ここで、標本12の全反射照明が最適化された状態にある場合、エバネッセント場の深さをzとし、全反射照明光波長をλとし、液体レンズ62により対物レンズ16の瞳位置Pに集光させたレーザ光束の共焦点走査観察系(照明光学系)31の光軸からの偏心量をdとし、対物レンズ16の焦点距離をfとし、標本12内部の屈折率をnとしたとき、第1の実施形態と同様に、以下の条件式(1)を満足する。
【0078】
z=λ/[4π×{(d2/f2)−n21/2] …(1)
【0079】
例えば、対物レンズ16が、全反射蛍光観察を可能にするために十分な開口数を有する場合、蛍光キューブ81内の液体レンズ82により、対物レンズ16の瞳位置P上に照明レーザ光の集光位置を保ち、その偏心量dを制御することにより、エバネッセント光の沁み出し量を任意に選択することが可能である。
【0080】
エバネッセント波で励起され標本12で発現した蛍光は、対物レンズ16により集光され、ダイクロイックミラー72により反射され、エミッションフィルタ73により所定の蛍光が選択された後、結像レンズ74により撮像素子23に結像され、撮像素子23により蛍光像が撮像される。そして、撮像素子23により撮像された蛍光像は、図1に示すPC3により画像処理され、モニター3aに表示される。
【0081】
このように、顕微鏡装置101は、二次元スキャナ34のXYミラーの傾斜角度を所定の傾きに制御し、照明レーザ光の主光線を共焦点走査観察系(照明光学系)31の光軸に一致させ、蛍光キューブボックス20内から液体レンズ82を備えた蛍光キューブ81を選択・配置し、前記スキャナ34を射出したレーザ光を光軸から距離「d」だけ偏心した、対物レンズ16の瞳位置Pの輪帯状の全反射条件領域に集光させることにより、全反射蛍光顕微鏡として使用することができる。
【0082】
以上述べたように、本実施形態に係る顕微鏡装置101によれば、共焦点走査観察系31の二次元スキャナ34のXYミラーの傾斜角度を所定の傾きに制御し、蛍光キューブボックス20内から液体レンズ82を備えた蛍光キューブ81を選択し、光路上に配置することにより、全反射蛍光観察を可能にすることができる。また、透過観察、走査型蛍光観察、共焦点走査型観察、落射蛍光観察等の顕微鏡としても使用可能な顕微鏡装置101を提供することができる。
【0083】
以上、本発明を分かりやすくするために、実施形態の構成要件を付して説明したが、本発明がこれに限定されるものではないことは言うまでもない。
【0084】
例えば、全反射照明時において、対物レンズ16の瞳位置Pの輪帯状の全反射条件領域をレーザ光がスキャンするように、二次元スキャナ34を構成するXYミラーの傾斜角度を制御することも可能である。輪帯状の全反射条件領域をレーザ光がスキャンすることにより、良好な全反射照明を行うことが可能である。
【0085】
また、対物レンズ16の開口数NAに応じて液体レンズを制御する蛍光キューブを、蛍光キューブボックス20内に装着させておくことにより、対物レンズ16を交換した場合でも容易に全反射照明を達成することが可能である。また、対物レンズ16の瞳位置に応じて液体レンズ62,82を制御することで、対物レンズ16を交換した場合でも容易にムラのない全反射照明を達成することが可能である。
【0086】
また、上記実施形態において、瞳位置Pでの照明光の偏心量「d」は、対物レンズ16の瞳位置Pに対して近傍にある、蛍光キューブ61,81内の液体レンズ62,82の制御により調整されている。なお、この偏心量「d」の調整は、対物レンズ16の瞳位置Pに対して遠方に設置された二次元スキャナ34を用いて行うことも可能であるが、本実施形態のように二次元スキャナ34よりも瞳位置Pに近い液体レンズ62,82を用いて行うことも可能である。これにより、精度の高い偏心量調整が実施可能である。また、液体レンズ62,82と、二次元スキャナ34と同時に制御することにより、最適な全反射照明を達成することが可能である。
【0087】
また、上記実施形態に係る液体レンズを有する蛍光キューブの構成は、上記に限定されるものではなく、他の液体レンズ、単レンズ、光学部材など、適宜組み合わせることが可能である。また、液体レンズは、必ずしも蛍光キューブ(蛍光キューブボックス20)内に装着しておく必要はなく、所定の焦点位置に設置して対応することも可能である。これにより更なる小型化も期待できる。
【符号の説明】
【0088】
1,101 顕微鏡装置
2 倒立型蛍光顕微鏡(顕微鏡本体)
3 制御装置(PC,制御部、レンズ制御部)
11 ステージ
12 標本
13 透過照明光源
14 透過照明光学系
15 リボルバ
16 対物レンズ
17 結像光学系
18 結像レンズ
19 接眼鏡筒
20 蛍光キューブボックス
21 蛍光キューブ
22 プリズム
23 撮像素子
31 共焦点走査観察系
32 光ファイバ
33 コレクタレンズ
34 二次元スキャナ
35 瞳リレーレンズ
41 落射照明系
42 光ファイバ
43 コレクタレンズ
44 ダイクロイックミラー
51 照明光学系
52 結像レンズ
61,81 蛍光キューブ
62,82 液体レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光源と、前記レーザ光源から射出したレーザ光束を対物レンズを介して標本に照射する照明光学系と、前記標本からの蛍光を検出する蛍光検出光学系とを備えた顕微鏡装置において、
前記レーザ光源と前記対物レンズとの間の光路上に液体レンズを挿脱可能に設け、
前記液体レンズを前記光路上に挿入することにより、前記レーザ光源から射出した前記レーザ光束の主光線を前記照明光学系の光軸に対して略平行にするとともに、前記レーザ光束を前記対物レンズの瞳位置の所定領域内に集光し、前記標本の全反射照明を可能にすることを特徴とする顕微鏡装置。
【請求項2】
前記標本の全反射照明時において、エバネッセント場の深さをzとし、全反射照明光波長をλとし、前記液体レンズにより前記対物レンズの瞳位置に集光させた前記レーザ光束の前記照明光学系の光軸からの偏心量をdとし、前記対物レンズの焦点距離をfとし、前記標本の内部の屈折率をnとしたとき、次式
z=λ/[4π×{(d/f)−n1/2
の条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡装置。
【請求項3】
前記液体レンズは、焦点距離及び前記照明光学系の光軸からの偏心量の少なくとも一方が変更可能であり、
前記レーザ光源から射出した前記レーザ光束を集光させる位置を調整するために、前記液体レンズの焦点距離及び前記照明光学系の光軸からの偏心量の少なくとも一方を制御する制御手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の顕微鏡装置。
【請求項4】
前記レーザ光源と前記照明光学系との間の光路上に、前記レーザ光源から射出した前記レーザ光束を偏向する偏向手段を有し、
前記液体レンズを前記光路上から外したときに、前記レーザ光束が標本面に集光し、前記偏向手段により前記標本面上を走査するように構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の顕微鏡装置。
【請求項5】
前記照明光学系として、落射照明光学系を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の顕微鏡装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−118264(P2011−118264A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−277353(P2009−277353)
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】