説明

顧客対応管理システム

【課題】CRMシステムに蓄積された内容と通話記録装置に蓄積された内容を、効率的に調べることのできる顧客対応管理システムを提供する。
【解決手段】通話案件ごとに通話音声データ及び通話IDを含む通話情報を複数記憶する通話情報記憶手段と、通話案件ごとに作成されコンタクトIDを含むコンタクト履歴を複数記憶するコンタクト履歴記憶手段と、顧客IDを含む顧客属性情報を複数記憶する顧客属性記憶手段と、通話情報と顧客属性情報又はコンタクト履歴を含むアラート条件を記憶するアラート条件記憶手段と、アラート条件に基づき、通話情報記憶手段とコンタクト履歴記憶手段を検索又は顧客属性記憶手段を検索して、アラート条件に合致するコンタクト履歴と通話情報を特定したアラート結果を作成するアラート監視手段とを備えるよう顧客対応管理システムを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客との通話を録音等により記録する通話記録装置と、顧客との関係性をデータベースで一元的に管理する機能をもったCRM(Customer Relationship Management)システムとを連携させた顧客対応管理システムに関し、特に、コンプライアンス違反等の問題となる可能性のある顧客対応時の行為を抽出し特定することのできる顧客対応管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
CRMシステムとは、企業が顧客との関係性を顧客情報としてデータベースに一元的に管理する情報システムであり、データベースとしてまとめられた顧客情報を効率的に管理するとともに、顧客の好みやニーズなどを把握する目的などに利用される。CRMシステムには、顧客の氏名や年齢等の顧客属性情報や、顧客対応者が日報として作成した、顧客とのコンタクト内容(電話対応含む)が蓄積されている。
【0003】
一方、通話記録装置は、電話による顧客との会話の音声を履歴として録音し、保存・参照するための装置である。図12は、従来技術における顧客対応管理システムの構成例、つまり、従来例における一般的なCRMシステムと通話記録装置を含むシステムの構成を示す図である。
【0004】
まず、CRMシステムに関するシステム構成について説明する。
CRMシステムは、データセンタ210に設置されるCRM WEBサーバ211(以降、WEBサーバ211)やCRMデータベースサーバ212(以降、DBサーバ212)と、支店230などに設置される一般ユーザPC133や管理者PC135等から構成される。WEBサーバ211は、ネットワーク140からCRMシステムにアクセスするためのWEBサーバであり、DBサーバ212は、CRMシステムに蓄積される顧客情報などの各種データを蓄積するためのデータベースサーバである。
【0005】
WEBサーバ211やDBサーバ212は、ネットワーク140を介して、CRMシステムを利用する一般ユーザPC133や管理者PC135等が設置される支店230などの拠点と接続されており、一般ユーザや管理者は、WEBサーバ211やDBサーバ212と接続された一般ユーザPC133や管理者PC135等を利用して、CRMシステムのDBサーバ212に保存された各種データにアクセスすることができる。このような支店230は、1つ又は複数存在する。
【0006】
次に、通話記録装置131について説明する。
顧客66からの電話は、CTI(Computer Telephony Integration)サーバ60にて受電し、ネットワーク140を介して、例えば一般ユーザのIP(Internet Protocol)電話134へ接続され、顧客66と顧客対応者である一般ユーザとの通話内容は、ネットワーク140を介して、録音等により通話記録装置131に記録される。
通話記録装置131は、上記のCRMシステムとは独立した構成となっており、支店230などには通話録音情報を管理する通話記録装置131が配置されている。
場合によっては、ネットワーク140に接続されたバックアップセンタ220に、複数の支店に設置されている複数の通話記録装置131のデータをバックアップするセンタバックアップ装置121が設置されることもある。
【0007】
これら通話記録装置131やセンタバックアップ装置121に蓄積された通話録音データを利用するため、例えば各ユーザはユーザPC133からネットワーク140を介して、通話記録装置131やセンタバックアップ装置121に接続し、これら通話記録装置131等に録音・保存された通話録音記録にアクセスすることができる。同一支店内の通話録音装置に接続する場合にはネットワーク140を介さずに接続されることもある。
ここで、図12の例では、CRMシステムと通話記録装置131にアクセスするユーザPC133は共用となっており、それぞれの専用アプリケーションソフトによって使用システムを使い分ける構成となっているが、これらは別装置からアクセスする形態も考えられる。
【0008】
上述したような顧客対応管理システムにおいては、顧客対応時において、コンプライアンス違反となるような行為、例えば、「必ず儲かります。」のような使用してはならないNGワード(禁止用語)等を含んだ通話が顧客と行われていないかを、管理者が管理できることが望まれる。しかしながら、従来システムにおいては、CRMシステムと通話記録装置に蓄積された内容を連携させて調べることはできず、CRMシステムに蓄積された内容と通話記録装置に蓄積された内容を、それぞれ別に調べていた。そのため管理者は、コンプライアンス違反等の行為がされていないか、効率的に確認することが困難であった。
【0009】
下記の特許文献1には、通話音声履歴を管理する通話録音管理システムと接続されたCRMシステムにおいて、前記通話録音管理システムの管理データを保持する記憶テーブルをCRMシステムにおいて有することにより、CRMシステムから通話録音システムの音声をより簡便に参照することを可能とする技術が示されている。しかし、特許文献1の技術は、CRMシステムに蓄積された内容と通話記録装置に蓄積された通話内容を組み合わせて検索できるものではなく、CRMシステムと通話記録装置に蓄積された内容を連携させて調べることはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2010−79887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述したように、従来システムにおいては、CRMシステムと通話記録装置に蓄積された内容を連携させて調べることはできず、CRMシステムに蓄積された内容と通話記録装置に蓄積された内容を、それぞれ別に調べていたため、コンプライアンス違反等の行為がされていないか、効率的に確認することが困難であった。
本発明は、CRMシステムに蓄積された内容と通話記録装置に蓄積された内容を、効率的に調べることのできる顧客対応管理システムを提供することを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明においては、CRMシステムに蓄積された内容と通話記録装置に蓄積された通話内容を組み合わせて検索することにより、コンプライアンス違反等の可能性のある顧客対応行為を抽出するものである。
本発明の代表的な構成は次のとおりである。すなわち、
電話による顧客との通話案件ごとに通話音声データ及び該通話音声データを特定する通話IDを含む通話情報が複数記憶された通話情報記憶手段と、
前記電話による顧客との通話案件ごとに顧客対応した扱者により作成されたコンタクト履歴であって、該コンタクト履歴を特定するコンタクトIDを含むコンタクト履歴が複数記憶されたコンタクト履歴記憶手段と、
顧客を特定する顧客IDを含む顧客属性情報が顧客ごとに複数記憶された顧客属性記憶手段と、
前記通話情報の少なくとも一部と、前記顧客属性情報の少なくとも一部又は前記コンタクト履歴の少なくとも一部を含むアラート条件が記憶されたアラート条件記憶手段と、
前記アラート条件記憶手段に記憶されたアラート条件に基づき、前記通話情報記憶手段と前記コンタクト履歴記憶手段を検索、又は、前記通話情報記憶手段と前記顧客属性記憶手段と前記コンタクト履歴記憶手段を検索して、該アラート条件に合致するコンタクト履歴と通話情報を特定し、前記特定したコンタクト履歴のコンタクトIDと前記特定した通話情報の通話IDを含むアラート結果を作成するアラート監視手段と、
を備える顧客対応管理システム。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、アラート条件に合致するコンタクト履歴と通話情報を容易に特定することができ、コンプライアンス違反等の可能性のある顧客対応行為を、より容易に抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態における顧客対応管理システムの構成例である。
【図2】本発明の実施形態における顧客対応管理システムの機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態における顧客属性情報の構成例である。
【図4】本発明の実施形態における顧客担当者情報の構成例である。
【図5】本発明の実施形態におけるコンタクト履歴の構成例である。
【図6】本発明の実施形態における通話情報の構成例である。
【図7】本発明の実施形態におけるアラート条件の構成例である。
【図8】本発明の実施形態におけるアラート結果の構成例である。
【図9】本発明の実施形態における検索メニュー画面の構成例である。
【図10】本発明の実施形態におけるアラート条件入力画面の構成例である。
【図11】本発明の実施形態におけるアラート結果画面の構成例である。
【図12】従来技術における顧客対応管理システムの構成例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態における顧客対応管理システムの構成例について、図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態における顧客対応管理システムの構成例である。図1に示す顧客対応管理システムは、データセンタ110と、バックアップセンタ120と、支店130と、CTIサーバ60を備えている。図1において図12と同符号の構成は、図10の構成と同じであるので説明を省略する。支店130は、1つ又は複数存在する。支店130とバックアップセンタ120は、それぞれアラート監視装置132とアラート監視装置122を備える点で、図12の従来例と相違する。
【0016】
CRMシステムは、データセンタ110に設置されるCRM WEBサーバ111(以降、WEBサーバ111)やCRMデータベースサーバ112(以降、DBサーバ112)と、支店130などに設置される一般ユーザPC133や管理者PC135等から構成される。WEBサーバ111は、ネットワーク140からCRMシステムにアクセスするためのWEBサーバであり、DBサーバ112は、CRMシステムに蓄積される顧客情報などの各種データを蓄積するためのデータベースサーバである。
【0017】
また、WEBサーバ111やDBサーバ112は、ネットワーク140を介して、CRMシステムを利用する一般ユーザPC133や管理者PC135等が設置される支店130などの拠点と接続されており、一般ユーザや管理者は、WEBサーバ111やDBサーバ112と接続された一般ユーザPC133や管理者PC135等を利用して、CRMシステムのDBサーバ112に保存された各種データにアクセスすることができる。
【0018】
次に、本実施形態における顧客対応管理システムの機能を、図2を用いて説明する。図2は、本実施形態における顧客対応管理システムの機能ブロック図である。
図2に示すように、本実施形態における顧客対応管理システムは、顧客情報管理手段10と、通話記録手段20と、アラート監視手段30と、入出力手段40と、電話機50と、CTIサーバ60と、メール送信装置70とを備える。
【0019】
まず、顧客情報管理手段10について説明する。
顧客情報管理手段10は、主にCRMシステムのWEBサーバ111とDBサーバ112で構成され、図1に示すように、制御手段11と、記憶手段12と、ネットワーク140との間でデータを送受信するインタフェース部であるIF手段13とを備える。
記憶手段12は、CRMシステムのDBサーバ112で構成され、顧客属性記憶手段15と、顧客担当者情報記憶手段16と、コンタクト履歴記憶手段17と、アラート条件記憶手段18と、アラート結果記憶手段19と、預かり情報記憶手段(不図示)と、取引情報記憶手段(不図示)とを備える。預かり情報記憶手段は、顧客からの預かり資産を記憶するものであり、取引情報記憶手段は、顧客の取引履歴等を記憶するものである。
【0020】
顧客属性記憶手段15は、顧客属性情報を顧客ごとに複数記憶するものである。図3に、本実施形態における顧客属性情報151の構成例を示す。図3に示すように、顧客属性情報151は、顧客を特定する顧客コード等の顧客ID15aと、顧客名15bと、顧客住所15cと、顧客電話番号15dと、顧客の年齢15eと、顧客の職業15fと、顧客の役職15gと、顧客の性別15hと、後述する顧客担当者ID16aと、後述する支店ID16dとを含むものである。顧客属性情報151は、例えば、一般ユーザPC133等の入出力手段40から、一般ユーザPC133等の操作者である顧客担当者により作成される。
【0021】
顧客担当者情報記憶手段16は、顧客担当者に関連する顧客担当者情報を顧客担当者ごとに複数記憶するものである。図4に、本実施形態における顧客担当者情報161の構成例を示す。図4に示すように、顧客担当者情報161は、正規の顧客担当者を特定する顧客担当者ID16aと、担当者名16bと、該顧客対応者に割り当てられ該顧客対応者が利用する電話を特定する利用電話ID16cと、該顧客対応者が所属する支店を特定する支店ID16dとを含むものであり、顧客担当者ID16aと該顧客対応者の利用電話ID16cとを対応付けるものである。
【0022】
コンタクト履歴記憶手段17は、例えば、電話による顧客との通話案件ごとに顧客対応した扱者(一般ユーザ)が作成したコンタクト履歴171を、複数記憶するものである。ここで、扱者とは、実際に顧客に対応した者であり、前述した正規の顧客担当者とは必ずしも一致しない。
図5に、本実施形態におけるコンタクト履歴の構成例を示す。図5に示すように、コンタクト履歴171には、該コンタクト履歴を特定するコンタクトID17aと、顧客と通話した日時を示すコンタクト日時情報17bと、後述する通話ID25aと、通話した顧客を特定する顧客ID15aと、実際に顧客とコンタクトし該コンタクト履歴を作成した扱者を特定する扱者ID17cと、電話や面会等のコンタクト方法17dと、コンタクト内容17eが含まれる。コンタクト内容17eには、顧客と話した内容のほか、当該コンタクトした取引案件が解決したか未解決であるか等の内容も含まれる。コンタクト履歴171は、一般ユーザPC133等の入出力手段40から、一般ユーザPC133等の操作者である扱者により作成される。
【0023】
アラート(警報)条件記憶手段18は、後述するアラート監視手段30が顧客情報管理手段10の記憶手段12や通話記録手段20の記憶手段22の内容を調べる際のアラート条件を、複数記憶するものである。図7に、本実施形態におけるアラート条件181の構成例を示す。図7に示すように、アラート条件181は、どのアラート条件であるかを特定するアラート条件ID18a、アラート条件の名称であるアラート条件タイトル18b、アラート条件の作成日18c、アラート条件の作成者18d、アラート通知指定日時18e、アラート通知方法18f、アラート通知先18g、アラート条件内容18hを含むものである。
アラート通知指定日時18eとは、後述するアラート監視手段30が後述するアラート結果191を取得したときに、入出力手段40にアラート結果191を表示する日時、あるいは、メール送信装置70からアラート結果191を電子メール送信する日時を予め指定するためのものである。
【0024】
アラート通知方法18fは、アラート結果191を入出力手段40に表示するか、メール送信装置70から電子メール送信するかを指定するためのものであり、アラート通知先18gは、アラート結果191を電子メール送信する際の宛先を指定するものであり、例えば管理者の携帯電話等のメール受信装置へアラート結果191を電子メールとして送信する際の宛先となるメールアドレスを記憶する。
【0025】
アラート条件内容18hとしては、顧客属性情報151の設定内容や、後述する通話情報251中やコンタクト履歴171中に存在する語句や文章が、キーワードとして設定される。
このようにアラート条件内容18hは、コンタクト履歴171の少なくとも一部、又は前記顧客属性情報151の少なくとも一部、あるいは後述する通話情報251の少なくとも一部を含むものであり、後述するアラート監視手段30が、アラート条件内容18hに合致する通話情報251とコンタクト履歴171を特定するためなどに用いられる。
【0026】
次に、アラート条件を入力するアラート条件入力画面の構成例を説明する。
アラート条件入力画面は、図9に示す検索メニュー画面においてアラート条件入力ボタン95を押すことにより選択される。図9は、本実施形態における検索メニュー画面の構成例である。図9において、91は顧客属性情報151を検索するための顧客検索ボタン、92は日報、つまりコンタクト履歴171を作成するための日報作成ボタン、93はコンタクト履歴171を検索するための日報検索ボタン、94は録音検索、つまり通話情報251を検索するための録音検索ボタン、95はアラート条件181を入力するためのアラート条件入力ボタン、96はアラート結果191を検索するためのアラート結果検索ボタンである。
これらの検索メニュー画面やアラート条件入力画面は、入出力手段40により表示や入力、つまり、WEBサーバ111を介して一般ユーザPC133等に表示や入力されるようになっており、一般ユーザPC133等の操作者により操作される。
【0027】
図10は、本実施形態におけるアラート条件入力画面の構成例である。図10において、81はアラート条件の基本データの入力部、82は通話録音データ、つまり通話情報251に関するアラート条件内容の入力部、83は顧客属性情報151に関するアラート条件内容の入力部、84はコンタクト履歴171に関するアラート条件内容の入力部である。
図10の例では、基本データの入力部81のうち、入力部81aには、アラート条件ID18aとして例えば「00001」が入力可能であり、アラート条件タイトル18bとして例えば「XXXアラート監視」が入力可能であり、入力部81bには、アラート通知方法18fとして例えば電子メールが選択可能であり、アラート通知先18gとして例えばメールアドレスである「abcd・・・」が入力可能である。
【0028】
また、通話情報251の入力部82のうち、入力部82aには、後述する通話音声データ25b中の通話キーワード(NGワード)として、例えば「もうかる」、「XXX会社」等が入力可能であり、入力部82bには通話時間帯として、例えば「21:00〜24:00(21時0分〜24時0分)」、入力部82cには通話時間として、例えば「30〜60」分が入力可能である。
また、入力部82dには通話扱者(組織指定)、入力部82eには通話扱者(個人指定)が入力可能であり、入力部82fには通話顧客(組織指定)、入力部82gには通話顧客(個人指定)が入力可能である。
このように、通話情報251の入力部82に入力された場合は、入力部82aと、入力部82bと、入力部82cと、入力部82dと入力部82eのいずれかと、入力部82fと入力部82gのいずれかとを、全て満足する通話情報251が、後述するアラート監視手段30により検索されることになる。
【0029】
また、顧客属性情報151の入力部83のうち、入力部83aには、顧客の年齢15eとして例えば「40〜50」歳が入力可能であり、入力部83bには、顧客の性別15hとして例えば「男性」が入力可能であり、入力部83cには、顧客の職業15fとして例えば「IT関係」が入力可能であり、入力部83dには、顧客の役職15gとして例えば「課長」が入力可能であり、入力部83eには、顧客担当者として例えば「XXX支店XX扱者」が入力可能である。
このように、顧客属性情報151の入力部83に入力された場合は、入力部83a〜83eを全て満足する顧客属性情報151が、後述するアラート監視手段30により検索されることになる。
【0030】
また、コンタクト履歴171の入力部84のうち、入力部84aには、コンタクト目的として例えば「販売」が入力可能であり、入力部84bには、コンタクト相手として例えば「息子」が入力可能であり、入力部84cには、商品として例えば「国内株式」が入力可能であり、入力部84dには扱者(組織指定)、入力部84eには扱者(個人指定)が入力可能である。なお、コンタクト目的やコンタクト相手や商品は、コンタクト履歴171のコンタクト内容17eとして記録され、扱者(個人指定)や扱者(組織指定)は扱者ID17c等として記録されているものである。
このように、コンタクト履歴171の入力部84に入力された場合は、入力部84aと、入力部84bと、入力部84cと、入力部84dと入力部84eのいずれかとを、全て満足するコンタクト履歴171が、後述するアラート監視手段30により検索されることになる。
以上の入力部の全て、あるいは任意の項目に入力した後、保存ボタン85を押すことにより、アラート条件181が作成され、アラート条件記憶手段18に記憶される。
【0031】
アラート結果記憶手段19は、アラート結果を複数記憶するものである。図8に、本実施形態におけるアラート結果191の構成例を示す。アラート結果191は、後述するアラート監視手段30が、アラート条件181に基づき、顧客属性記憶手段15やコンタクト履歴記憶手段17や通話情報記憶手段25を検索して作成したものである。
図8に示すように、アラート結果191は、アラート結果191を特定するアラート結果ID19a、該アラート結果191を出すのに用いられたアラート条件181のアラート条件ID18aやアラート条件タイトル18b、アラート結果191が通知されたアラート通知日時19b、正規の顧客担当者を特定する顧客担当者ID16a、当該アラート結果191が発行される原因となったコンタクト履歴171を作成した顧客対応者(実際の扱者)を示す扱者ID17c、顧客ID15a、当該アラート結果191が発行される原因となった通話情報251の通話ID25a、当該アラート結果191が発行される原因となったコンタクト履歴171のコンタクトID17a、顧客と通話した日時を示すコンタクト日時情報17b、正規の顧客担当者が当該アラート結果191を確認済みか、未確認かを示す確認済フラグ19cを含む。
確認済フラグ19cは、正規の顧客担当者が当該アラート結果191を確認したときに、一般ユーザPC133等の入出力手段40から、正規の顧客担当者により設定される。
なお、アラート結果191として、通話開始日時情報25cや通話終了日時情報25d等の通話日時情報を含むようにしてもよい。このようにすると、通話日時情報に基づき通話情報251を検索することができ利便性が向上する。
【0032】
図11に、本実施形態におけるアラート結果画面の構成例を示す。図11の例では、No.1〜3の3つのアラート結果191が表示されている。例えば、No.1のアラート結果191は、アラート条件ID18aが「00001」、アラート通知日時19bが「2010年10月2日」、通話ID25aが「0004」、扱者ID17cが「0012」、顧客ID15aである顧客コードが「0000001」、コンタクトID17aが「11223344」、確認済フラグ19cが「確認済」であることを示す。
このように、アラート結果191により、その原因となった通話情報251の通話ID25aやコンタクト情報171のコンタクトID17aが、特定されている。
アラート結果画面の表示は、例えば図9のアラート結果検索ボタン96を押すことにより、アラート結果検索画面を表示し、該アラート結果検索画面に入力されたアラート条件ID18a等の条件に合致するアラート結果のみを表示するようにしてもよい。
【0033】
顧客情報管理手段10の制御手段11は、CRMシステムのWEBサーバ111で構成され、入出力手段40やアラート監視手段30等からの指示に応じて、記憶手段12に対する各種情報の書込みや読出しを制御する。
【0034】
次に、通話記録手段20について説明する。
通話記録手段20は、主に支店130の通話記録装置131やバックアップセンタ120のバックアップ装置121で構成され、図2に示すように、通話記録手段20の各構成部や全体を制御する制御手段21と、記憶手段22と、ネットワーク140との間でデータを送受信するインタフェース部である通話記録IF手段23とを備える。
記憶手段22は、電話による顧客との通話案件ごとの通話情報251を複数記憶する通話情報記憶手段25を備える。
【0035】
図6に、本実施形態における通話情報251の構成例を示す。図6に示すように、通話情報251は、通話案件ごとに通話情報251を特定する通話ID25aと、通話内容のデータである通話音声データ25bと、通話が開始された日時である通話開始日時情報25cと、通話が終了した日時である通話終了日時情報25dと、通話に用いられた電話を特定する利用電話ID16cとを含む。
このようにして本実施形態では、通話情報251とコンタクト履歴171は、通話ID25aにより紐付けされ、コンタクト履歴171と顧客属性情報151は、顧客ID15aにより紐付けされている。
【0036】
図2に示すように、通話記録手段20の制御手段21は、通話情報記録処理手段21aと通話情報再生処理手段21bとを備える。通話情報記録処理手段21aは、例えばIP電話136と顧客との通話が行われる度に、つまり電話による顧客との通話案件ごとに、通話ID25a、通話音声データ25b、通話開始日時情報25c、通話終了日時情報25d、利用電話ID16cを含む通話情報251を、通話情報記憶手段25へ自動的に記録処理するものである。
通話情報再生処理手段21bは、通話情報記憶手段25に記憶された通話情報251の中から、例えば録音された通話音声データ25bを、入出力手段40からの指示に応じて入出力手段40に再生する。
通話情報記録処理手段21aと通話情報再生処理手段21bは、主に通話記録装置131や入出力手段40等から構成される。
【0037】
アラート監視手段30は、主に支店130のアラート監視装置132やバックアップセンタ120のアラート監視装置122で構成され、図2に示すように、制御手段31と、記憶手段32と、ネットワーク140との間でデータを送受信するインタフェース部である通話記録IF手段33とを備える。
【0038】
制御手段31は、アラート条件記憶手段18に記憶したアラート条件181に基づき、コンタクト履歴記憶手段17に記憶したコンタクト履歴171と通話情報記憶手段25に記憶した通話情報251を検索、又は、顧客属性記憶手段15に記憶した顧客属性情報151と通話情報記憶手段25に記憶した通話情報251を検索、あるいは、コンタクト履歴記憶手段17に記憶したコンタクト履歴171と顧客属性記憶手段15に記憶した顧客属性情報151と通話情報記憶手段25に記憶した通話情報251を検索して、該アラート条件181に合致する通話情報251とコンタクト履歴171を特定し、前記特定したコンタクト履歴171のコンタクトID17aと通話情報251の通話ID25aを含むアラート結果191を作成する。
また、制御手段31は、作成したアラート結果191を、顧客情報管理手段10に送信し、顧客情報管理手段10は、受信したアラート結果191を、アラート結果記憶手段19に格納し記憶する。
【0039】
例えば、制御手段31は、アラート条件181に基づいてコンタクト履歴記憶手段17を検索してアラート条件181に該当するコンタクト履歴171を複数又は1つ抽出し、該抽出したコンタクト履歴171が含む通話ID25aに基づいて通話情報記憶手段25を検索して該通話ID25aを含む通話情報251を複数又は1つ抽出し、該抽出した通話情報251の中からアラート条件181に該当する通話情報251を複数又は1つ抽出することができる。
【0040】
あるいは、制御手段31は、アラート条件181に基づいて通話情報記憶手段25を検索してアラート条件181に該当する通話情報251を複数又は1つ抽出し、該抽出した通話情報251の通話ID25aに基づいてコンタクト履歴記憶手段17を検索して該通話ID25aを含むコンタクト履歴171を複数又は1つ抽出し、該抽出したコンタクト履歴171の中からアラート条件181に該当するコンタクト履歴171を複数又は1つ抽出することができる。
【0041】
このように、アラート条件181に基づいて、コンタクト履歴171を抽出し該抽出したコンタクト履歴171から関連する通話情報251を抽出することができる、あるいは、アラート条件181に基づいて、通話情報251を抽出し該抽出した通話情報251から関連するコンタクト履歴171を抽出することができるので、アラート条件181に合致する通話情報251やコンタクト履歴171を特定する処理効率を向上できる。
【0042】
また、制御手段31は、例えば、顧客情報監視プログラムと通話音声データ監視プログラムと結果出力プログラムとを備え、アラート条件181に基づき、顧客情報監視プログラムにより、顧客情報管理手段10の記憶手段12に記憶されているコンタクト履歴171、顧客属性情報151、顧客担当者情報161を監視(つまり検索)し、通話音声データ監視プログラムにより、通話記録手段20の記憶手段22に記憶されている通話情報251を監視(つまり検索)し、結果出力プログラムにより、設定されたアラート条件181の全てに合致するアラート結果191を出力するように構成することができる。
【0043】
この場合、例えば、顧客情報監視プログラムは、アラート条件181に基づいてコンタクト履歴記憶手段17を検索してアラート条件181に該当するコンタクト履歴171を抽出し、通話音声データ監視プログラムは、該抽出したコンタクト履歴171が含む通話ID25aに基づいて通話情報記憶手段25を検索してアラート条件181に該当する通話情報251を抽出する。
あるいは、通話音声データ監視プログラムは、アラート条件181に基づいて通話情報記憶手段25を検索してアラート条件181に該当する通話情報251を抽出し、顧客情報監視プログラムは、該抽出した通話情報251の通話ID25aに基づいてコンタクト履歴記憶手段17を検索してアラート条件181に該当するコンタクト履歴171を抽出する。
そして、結果出力プログラムは、顧客情報監視プログラムと通話音声データ監視プログラムの抽出結果に基づいて、アラート条件181のすべてに合致する通話情報251やコンタクト履歴171を特定することができる。
なお、制御手段31が上述の検索を行うタイミングとしては、例えば定期的に全てのアラート条件について行うようにしてもよく、あるいは、アラート条件毎に検索タイミングを別に設定して、その設定に沿って行うようにしてもよく、その他様々なタイミングで行うことが可能である。
【0044】
入出力手段40は、主に一般ユーザPC133や管理者PC135とWEBサーバ111から構成され、入出力手段40を制御する制御手段41と、記憶手段42と、ネットワーク140との間でデータを送受信するインタフェース部であるIF手段43と、操作者からの入力操作を受付け、また各種情報を表示する操作表示手段44とを備える。
【0045】
電話機50、CTIサーバ60、メール送信装置70も、それぞれ、制御手段と、記憶手段と、ネットワーク140との間でデータを送受信するインタフェース部であるIF手段とを備える。
電話機50、CTIサーバ60、メール送信装置70の各制御手段や、制御手段11、制御手段21、制御手段31、制御手段41は、ハードウエア構成としては、それぞれCPU(Central Processing Unit)を備え、それぞれの記憶手段に格納された動作プログラムに従って動作するように構成することができる。また、適宜、上記の各制御手段のいくつかを統合して1つの制御手段とすることもできるし、分割して複数の制御手段とすることもできる。
【0046】
次に、実施例について説明する。
(第1実施例)
第1実施例は、高齢者にリスクの高い商品を提案するコンタクトや通話を監視するもので、該当する案件のコンタクトID17aや通話ID25aが、管理者のPCへ電子メールで通報されるものである。
第1実施例においては、アラート条件入力画面から設定するアラート条件181において、顧客属性情報151の年齢15eとして、例えば70歳以上を設定し、また、通話情報251の通話音声データ25bとして、例えばハイリスク商品名を設定する。
【0047】
(第1の検索方法)
まず、アラート監視制御手段31が、アラート条件181に基づき、顧客属性情報151やコンタクト履歴171や通話情報251などのアラート対象情報を検索する第1の検索方法について説明する。
第1の検索方法において、アラート監視制御手段31は、アラート条件181に設定された年齢に該当する顧客の顧客属性情報151を抽出し、次に、該抽出した顧客属性情報151に含まれる顧客ID15aを含むコンタクト履歴171を抽出し、次に、該抽出したコンタクト履歴171に含まれる通話ID25aを含む通話情報251を抽出し、該抽出した通話情報251の通話音声データ25bに、アラート条件181として設定したハイリスク商品名が含まれているか否かを調査する。このとき併せて、上記抽出したコンタクト履歴171のコンタクト内容17eに、上記ハイリスク商品名が含まれているか否かを調査するのが好ましい。
【0048】
通話音声データ25b、又はコンタクト内容17eに上記ハイリスク商品名が含まれていた場合は、上記抽出した顧客属性情報151やコンタクト履歴171や通話情報251やアラート条件181に基づき、アラート結果191を作成し、例えば管理者PC135へ電子メールで送信する。
詳しくは、該アラート結果191のアラート条件ID18aとアラート条件タイトル18bは、アラート条件181に基づき作成され、該アラート結果191の扱者ID17cと顧客ID15aと通話ID25aとコンタクトID17aとコンタクト日時情報17bは、コンタクト履歴171に基づき作成され、該アラート結果191の顧客担当者ID16aは、顧客属性情報151に基づき作成される。
【0049】
(第2の検索方法)
次に、第1実施例における第2の検索方法について説明する。
第2の検索方法において、アラート監視制御手段31は、通話情報251の通話音声データ25bに、アラート条件181として設定したハイリスク商品名が含まれているか否かを調査し、含まれていた場合は、該ハイリスク商品名が含まれていた通話情報251の通話ID25aを抽出する。次に、該抽出した通話ID25aが含まれるコンタクト履歴171を抽出し、該抽出したコンタクト履歴171に含まれる顧客ID15aを抽出し、次に、該抽出した顧客ID15aが含まれる顧客属性情報151を抽出し、該抽出した顧客属性情報151の年齢15eが、アラート条件181として設定した年齢(例えば70歳以上)に該当するか否かを調査する。
該当していた場合は、上記抽出した顧客属性情報151やコンタクト履歴171や通話情報251やアラート条件181に基づき、アラート結果191を作成し、例えば管理者PC135へ電子メールで送信する。
【0050】
(第3の検索方法)
次に、第1実施例における第3の検索方法について説明する。
第3の検索方法において、アラート監視制御手段31は、アラート条件181に設定された年齢に該当する顧客の顧客属性情報151を抽出し、次に、該抽出した顧客属性情報151に含まれる顧客ID15aを含むコンタクト履歴171を抽出する。
また、並行して、アラート監視制御手段31は、通話情報251の通話音声データ25bに、アラート条件181として設定したハイリスク商品名が含まれているか否かを調査し、含まれていた場合は、該ハイリスク商品名が含まれていた通話情報251の通話ID25aを抽出する。
次に、上記抽出したコンタクト履歴171の中から上記抽出した通話ID25aが含まれるコンタクト履歴171を抽出する。このコンタクト履歴171が、高齢者にリスクの高い商品を提案するコンタクトということになる。
このようにして抽出した顧客属性情報151やコンタクト履歴171や通話情報251やアラート条件181に基づき、アラート結果191を作成し、例えば管理者PC135へ電子メールで送信する。
【0051】
(第2実施例)
次に、第2実施例について説明する。
第2実施例は、大口取引について、顧客に必要な説明がされているか否かを監視するもので、必要な説明がされていない案件のコンタクトID17aや通話ID25aが、管理者のPCへ電子メールで通報されるものである。
第2実施例においては、アラート条件入力画面から設定するアラート条件181において、コンタクト履歴171のコンタクト内容17eとして、例えば大口取引に関する用語を設定し、また、通話情報251の通話音声データ25bとして、例えば大口取引に関して説明が必須とされる用語を設定する。
【0052】
アラート監視制御手段31は、アラート条件181に設定されたコンタクト内容17e(例えば大口取引に関する用語)に該当するコンタクト履歴171を抽出し、次に、該抽出したコンタクト履歴171に含まれる通話ID25aを含む通話情報251を抽出し、該抽出した通話情報251の通話音声データ25bに、アラート条件181として設定した通話音声データ25b(例えば大口取引に関して説明が必須とされる用語)が含まれているか否かを調査する。
【0053】
通話音声データ25bに上記大口取引に関して説明が必須とされる用語が含まれていない場合は、上記抽出したコンタクト履歴171や通話情報251やアラート条件181に基づき、アラート結果191を作成し、例えば管理者PC135へ電子メールで送信する。
このように、第2実施例によれば、通話音声データ25bに必須とされる用語が含まれていない場合、すなわち、顧客に必要な説明がされていない場合を検索することができる。
【0054】
(第3実施例)
次に、第3実施例について説明する。
第3実施例は、正規の顧客担当者以外の扱者が顧客対応したコンタクトを監視する、つまり、他ユーザ(他の営業マン等)が自分の顧客に問題となるコンタクトを取っているか否かを監視するもので、正規の顧客担当者以外の扱者が顧客対応していた場合に、該案件のコンタクトID17aやコンタクトした扱者ID17cが、正規の顧客担当者のPCへ電子メールで通報されるものである。
第3実施例においては、アラート条件入力画面から設定するアラート条件181において、コンタクト履歴171が代理作成であること(つまり、正規の顧客担当者以外が顧客対応していたこと)と正規の顧客担当者とを設定し、また、通話情報251の通話音声データ25bとして、例えば「買いませんか?」など商品売買を提案する内容や、正規の顧客担当者が問合せを受けている件に関する用語等を設定する。
【0055】
アラート監視制御手段31は、アラート条件181に設定された正規の顧客担当者の顧客担当者ID16aが含まれる顧客属性情報151を抽出し、次に、該抽出した顧客属性情報151に含まれる顧客ID15aが含まれるコンタクト履歴171を抽出し、該抽出したコンタクト履歴171の扱者ID17cと顧客担当者ID16aが一致するか否かを調査し、一致しないコンタクト履歴171を抽出する。次に、該一致しないコンタクト履歴171に含まれる通話ID25aを含む通話情報251を抽出し、該抽出した通話情報251の通話音声データ25bに、アラート条件181として設定した通話音声データ25b(例えば「買いませんか?」など商品売買を提案する内容や、正規の顧客担当者が問合せを受けている件に関する用語等)が含まれているか否かを調査する。
【0056】
通話音声データ25bに上記商品売買を提案する内容等が含まれていた場合は、上記抽出したコンタクト履歴171や通話情報251やアラート条件181に基づき、アラート結果191を作成し、例えば正規の顧客担当者のPC133へ電子メールで送信する。
【0057】
なお、上述の実施例では、コンタクト履歴171が代理作成であるか否かを、正規の顧客担当者の顧客担当者ID16aが含まれる顧客属性情報151を抽出し、次に、該抽出した顧客属性情報151に含まれる顧客ID15aが含まれるコンタクト履歴171を抽出し、該抽出したコンタクト履歴171の扱者ID17cと顧客担当者ID16aが一致するか否かにより判断したが、コンタクト履歴171に代理作成であるか否かを示す項目を設けておき、この項目により判断するようにしてもよい。
【0058】
このように、正規の顧客担当者以外の扱者が顧客対応したことを、自動的に通知されるので、顧客担当者は迅速な対応が可能となる。例えば、営業マン(担当者)は、自分の顧客が他の扱者とコンタクトを取った場合、顧客への素早いフォローを行うため、早急にそのコンタクト内容について知りたい場合があるが、第3実施例によればこれが可能となる。
【0059】
(第4実施例)
次に、第4実施例について説明する。
第4実施例は、顧客とトラブルを起こしがちな特定の対応者(営業マン等)を監視するもので、顧客とトラブルになった可能性のある案件のコンタクトID17aや通話ID25aが、管理者のPCへ電子メールで通報されるものである。
第4実施例においては、アラート条件入力画面から設定するアラート条件181において、コンタクト履歴171を作成した扱者の扱者ID17cとして、顧客とトラブルを起こしがちな特定の対応者を設定し、また、通話情報251の通話音声データ25bとして、例えば「申し訳ございません」「すみません」など謝罪に関する用語を設定する。
【0060】
アラート監視制御手段31は、アラート条件181に設定された特定の扱者ID17cに該当するコンタクト履歴171を抽出し、次に、該抽出したコンタクト履歴171に含まれる通話ID25aを含む通話情報251を抽出し、該抽出した通話情報251の通話音声データ25bに、アラート条件181として設定した通話音声データ25b(例えば「申し訳ございません」「すみません」など謝罪に関する用語)が含まれているか否かを調査する。
通話音声データ25bに上記謝罪に関する用語が含まれていた場合は、上記抽出したコンタクト履歴171や通話情報251やアラート条件181に基づき、アラート結果191を作成し、例えば管理者PC135へ電子メールで送信する。
【0061】
(第5実施例)
次に、第5実施例について説明する。
第5実施例は、1日のうちに同一顧客と何度も電話していないか、又は営業時間外に電話していないか、つまり、顧客とトラブルを起こしているか否かを監視するもので、顧客とトラブルになった可能性のある案件のコンタクトID17aや通話ID25aが、管理者のPCへ電子メールで通報されるものである。
第5実施例においては、アラート条件入力画面から設定するアラート条件181において、1日のうちに同一顧客との間で架電回数及び受電回数が例えば5回以上であるコンタクト履歴171や、コンタクト日時情報17bが営業時間外であるコンタクト履歴171を設定し、また、通話情報251の通話音声データ25bとして、例えば「申し訳ございません」「すみません」など謝罪に関する用語を設定する。
【0062】
アラート監視制御手段31は、アラート条件181に設定されたコンタクト履歴171を抽出し、次に、該抽出したコンタクト履歴171に含まれる通話ID25aを含む通話情報251を抽出し、該抽出した通話情報251の通話音声データ25bに、アラート条件181として設定した通話音声データ25b(例えば「申し訳ございません」「すみません」など謝罪に関する用語)が含まれているか否かを調査する。
通話音声データ25bに上記謝罪に関する用語が含まれていた場合は、上記抽出したコンタクト履歴171や通話情報251やアラート条件181に基づき、アラート結果191を作成し、例えば管理者PC135へ電子メールで送信する。
【0063】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
例えば、上述の実施形態では、顧客情報管理手段10の記憶手段12、つまり、CRMシステムのDBサーバ112に、顧客属性記憶手段15と顧客担当者情報記憶手段16とコンタクト履歴記憶手段17とアラート条件記憶手段18とアラート結果記憶手段19を格納したが、これに限らず、適宜、ネットワーク140に接続される記憶手段に格納するようにしてもよい、例えば、アラート条件記憶手段18とアラート結果記憶手段19を、アラート監視手段30の記憶手段32に格納するようにしてもよい。
【0064】
また、上述の実施形態において、通話ID25a、コンタクトID17a、扱者ID17c、顧客ID15a、顧客担当者ID16a、利用電話ID16c、支店ID16d等のID(identification)は、いずれも、それぞれを識別できるものであればよく、識別子や固有名称等を含む。
【0065】
また、上述の本実施形態では、通話情報251とコンタクト履歴171を通話ID25aにより紐付け(対応付け)し、コンタクト履歴171と顧客属性情報151を顧客ID15aにより紐付けしたが、他の方法、例えば、通話したユーザである扱者が入出力手段40により、通話情報251に扱者ID17cを書き込むようにし、通話情報251とコンタクト履歴171を扱者ID17cにより紐付けすることもできる。
あるいは、顧客情報管理手段10の記憶手段12に、通話情報251の通話開始日時情報25cや通話終了日時情報25dや利用電話ID16cなどの、通話情報251を特定できるデータを保持し、これらのデータとコンタクト日時情報17bや顧客担当者情報161の顧客担当者ID16aと利用電話ID16cに基づき、コンタクト履歴171との対応付けを行うようにすることもできる。
また、上述の本実施形態では、アラート条件181を設定し、その条件に合致するコンタクト履歴171と通話情報251を監視するようにしたが、これに限られず、例えば図9の検索メニュー画面に別の検索ボタンを設け、該検索ボタンを押すことにより図10のような検索条件入力画面を一般ユーザPC133に表示し、一般ユーザPC133の操作者の指示により検索条件を入力して検索を行い、該検索条件に合致するコンタクト履歴171と通話情報251を特定し表示するようにしてもよい。
【0066】
また、本発明は、本発明に係る処理を実行するシステムとしてだけでなく、装置、方法として、或いは、このような方法やシステムを実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして把握することができる。
【0067】
本明細書の記載事項には、少なくとも次の発明が含まれる。すなわち、
第1の発明は、
電話による顧客との通話案件ごとに通話音声データ及び該通話音声データを特定する通話IDを含む通話情報が複数記憶された通話情報記憶手段と、
前記電話による顧客との通話案件ごとに顧客対応した扱者により作成されたコンタクト履歴であって、該コンタクト履歴を特定するコンタクトIDを含むコンタクト履歴が複数記憶されたコンタクト履歴記憶手段と、
顧客を特定する顧客IDを含む顧客属性情報が顧客ごとに複数記憶された顧客属性記憶手段と、
前記通話情報の少なくとも一部と、前記顧客属性情報の少なくとも一部又は前記コンタクト履歴の少なくとも一部を含むアラート条件が記憶されたアラート条件記憶手段と、
前記アラート条件記憶手段に記憶されたアラート条件に基づき、前記通話情報記憶手段と前記コンタクト履歴記憶手段を検索、又は、前記通話情報記憶手段と前記顧客属性記憶手段と前記コンタクト履歴記憶手段を検索して、該アラート条件に合致するコンタクト履歴と通話情報を特定し、前記特定したコンタクト履歴のコンタクトIDと前記特定した通話情報の通話IDを含むアラート結果を作成するアラート監視手段と、
を備える顧客対応管理システム。
このようにすると、アラート条件に合致するコンタクト履歴と通話情報を容易に特定することができる。
【0068】
第2の発明は、第1の発明の顧客対応管理システムであって、
前記コンタクト履歴記憶手段に記憶したコンタクト履歴は、通話音声データを特定する前記通話IDを含み、
前記アラート監視手段は、前記アラート条件に基づいて前記コンタクト履歴記憶手段を検索して該当するコンタクト履歴を抽出し、該抽出したコンタクト履歴が含む通話IDに基づいて前記通話情報を検索して該当する通話情報を抽出し、前記アラート条件に合致するコンタクト履歴と通話情報を特定するか、
あるいは、前記アラート監視手段は、前記アラート条件に基づいて前記通話情報を検索して該当する通話情報を抽出し、該抽出した通話情報の通話IDに基づいてコンタクト履歴を検索して該当するコンタクト履歴を抽出し、前記アラート条件に合致するコンタクト履歴と通話情報を特定するものである顧客対応管理システム。
このようにすると、アラート条件に基づいて、コンタクト履歴を抽出し該抽出したコンタクト履歴から通話情報を抽出するか、通話情報を抽出し該抽出した通話情報からコンタクト履歴を抽出するので、コンタクト履歴と通話情報を特定、つまり通話案件を特定する処理効率を向上できる。
【0069】
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明の顧客対応管理システムであって、
さらに表示手段又は電子メール送信手段を備え、
前記アラート監視手段は、前記表示手段に前記アラート結果を表示させるか、あるいは、前記電子メール送信手段から前記アラート結果を送信させるものである顧客対応管理システム。
このようにすると、アラート結果を関係者へ容易に伝えることができる。
【0070】
第4の発明は、第1の発明ないし第3の発明の顧客対応管理システムであって、
前記アラート監視手段は、前記アラート結果を表示した日時情報又は電子メール送信した日時情報を含むよう、前記アラート結果を作成する顧客対応管理システム。
このようにすると、アラート結果が出力された日時が分かるので、関係者の対応が容易になる。
【0071】
第5の発明は、第1の発明ないし第4の発明の顧客対応管理システムであって、
前記アラート結果には、顧客担当者が該アラート結果に関する情報を確認したか否かを示す確認済フラグが含まれる顧客対応管理システム。
このようにすると、顧客担当者がアラート結果に関する情報、例えば通話音声データを確認したか否かを容易に知ることができる。
【0072】
第6の発明は、第1の発明ないし第5の発明の顧客対応管理システムであって、
前記アラート条件には、前記通話音声データ中の語句が含まれる顧客対応管理システム。
このようにすると、通話音声データ中の語句をキーワードとして、該キーワードが存在する通話音声データを検索し抽出できる。
【0073】
第7の発明は、第3の発明ないし第6の発明の顧客対応管理システムであって、
前記顧客属性情報は、正規の顧客担当者を特定する顧客担当者IDを含むものであり、
前記コンタクト履歴は、前記顧客IDと、実際に顧客とコンタクトした扱者を特定する扱者IDとを含むものであり、
前記アラート監視手段は、前記アラート条件記憶手段に記憶したアラート条件に基づき、前記顧客属性記憶手段と前記コンタクト履歴記憶手段及び前記通話情報記憶手段を検索して、前記コンタクト履歴に含まれる顧客IDの顧客に対する正規の顧客担当者の顧客担当者IDと、コンタクト履歴に含まれる扱者IDとが異なる旨のアラート結果を検出すると、該検出アラート結果を、前記表示手段に表示させるか、あるいは、前記電子メール送信手段から送信させるものである顧客対応管理システム。
このようにすると、正規の担当者以外の扱者が顧客対応したことを、容易に知ることができる。
【符号の説明】
【0074】
10…顧客情報管理手段、11…制御手段、12…記憶手段、13…IF手段、15…顧客属性記憶手段、16…顧客担当者情報記憶手段、17…コンタクト履歴記憶手段、18…アラート条件記憶手段、19…アラート結果記憶手段、20…通話記録手段、21…通話記録制御手段、22…通話記録記憶手段、23…通話記録IF手段、25…通話情報記憶手段、30…アラート監視手段、31…アラート監視制御手段、32…アラート監視記憶手段、33…アラート監視IF手段、40…入出力手段、41…入出力制御手段、42…入出力記憶手段、43…入出力IF手段、44…操作表示手段、50…電話機、60…CTIサーバ、66…顧客、70…メール送信装置、110…データセンタ、111…WEBサーバ、112…DBサーバ、120…バックアップセンタ、121…バックアップ装置、122…アラート監視装置、130…支店、131…通話記録装置、122…アラート監視装置、133…一般ユーザPC、134…一般ユーザIP電話、135…管理者PC、136…管理者IP電話、140…ネットワーク、210…データセンタ、211…WEBサーバ、212…DBサーバ、220…バックアップセンタ、230…支店。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話による顧客との通話案件ごとに通話音声データ及び該通話音声データを特定する通話IDを含む通話情報が複数記憶された通話情報記憶手段と、
前記電話による顧客との通話案件ごとに顧客対応した扱者により作成されたコンタクト履歴であって、該コンタクト履歴を特定するコンタクトIDを含むコンタクト履歴が複数記憶されたコンタクト履歴記憶手段と、
顧客を特定する顧客IDを含む顧客属性情報が顧客ごとに複数記憶された顧客属性記憶手段と、
前記通話情報の少なくとも一部と、前記顧客属性情報の少なくとも一部又は前記コンタクト履歴の少なくとも一部を含むアラート条件が記憶されたアラート条件記憶手段と、
前記アラート条件記憶手段に記憶されたアラート条件に基づき、前記通話情報記憶手段と前記コンタクト履歴記憶手段を検索、又は、前記通話情報記憶手段と前記顧客属性記憶手段と前記コンタクト履歴記憶手段を検索して、該アラート条件に合致するコンタクト履歴と通話情報を特定し、前記特定したコンタクト履歴のコンタクトIDと前記特定した通話情報の通話IDを含むアラート結果を作成するアラート監視手段と、
を備える顧客対応管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載された顧客対応管理システムであって、
さらに表示手段又は電子メール送信手段を備え、
前記アラート監視手段は、前記表示手段に前記アラート結果を表示させるか、あるいは、前記電子メール送信手段から前記アラート結果を送信させるものである顧客対応管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−234269(P2012−234269A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100956(P2011−100956)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】