説明

顧客誘導システム及び顧客管理システム

【課題】 顧客情報の一元管理を行うことにより、サービスの向上を図る顧客管理システム並びに、その顧客情報等に基づいて顧客を適切な窓口に誘導する顧客誘導システムを提供すること。
【解決手段】 個々の顧客に割り当てられたサービス支援情報を記憶するサービス支援情報記憶手段22と、顧客の来店を受け付ける受付装置11と、前記受付装置11の受け付けに基づき、来店した前記顧客に割り当てられたサービス支援情報を前記サービス支援記憶手段22から取り出し、このサービス支援情報に基づいて前記顧客を誘導するためのカウンタ窓口を決定する誘導手段161とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顧客情報の一元管理を行うことにより、サービスの向上を図る顧客管理システム並びに、その顧客情報等に基づいて顧客を適切な窓口に誘導する顧客誘導システムに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、銀行の受付業務においては、ローン・融資などの相談、投資信託の相談或いは納税や振り込みなどの種々の受付業務を格別の窓口で行っている。この場合において、来店した顧客を顧客の用件に応じた窓口に効率的かつ円滑に案内するために、顧客が用件を入力できる受付機を設けて、入力された用件の種別に応じた処理順序を決定し、これに基づいて顧客を誘導する顧客誘導装置が提案されている(特開平10−187853号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような従来システムは、来店した顧客が入力した用件に基づいて顧客の誘導を行うのみであるから、顧客に提供しうるサービスが実質的に限定されてしまうという問題がある。例えば、預金の引き出しに訪れた顧客は、預金引き出し処理を行うハイカウンタ窓口に案内されるのみであるから、ここで、その顧客が大口預金者である場合であっても、投資信託のセールスなどを行うことはできない。
【0004】特にその顧客が自分の担当のいる支店以外の支店に訪れた場合には、上記のようなセールスなどの付加的な顧客サービスを一切受けることができず、顧客の用件に応じたサービスしか提供することができなかった。
【0005】本発明は、上記の事情に基づいてなされたもので、顧客情報の一元管理を行うことにより、サービスの向上を図る顧客管理システム並びに、その顧客情報等に基づいて顧客を適切な窓口に誘導する顧客誘導システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を解決するために次のような手段を講じた。
【0007】本発明の顧客誘導システムは、個々の顧客に割り当てられたサービス支援情報を記憶するサービス支援情報記憶手段と、顧客の来店を受け付ける受付装置と、前記受付装置の受け付けに基づき、来店した前記顧客に割り当てられたサービス支援情報を前記サービス支援記憶手段から取り出し、このサービス支援情報に基づいて前記顧客を誘導するためのカウンタ窓口を決定する誘導手段とを備えたことを特徴とする。サービス支援情報記憶手段を備えて、そのサービス支援情報記憶手段に記憶されたサービス支援情報に基づいて顧客の誘導を行うようにしているので、顧客のニーズに合致した商品の提示を行うことができ、結果としてサービスが向上する。本発明の顧客誘導システムの好ましい実施態様は以下の通りである。
【0008】(1) 前記サービス支援情報は、個々の顧客の取引属性を含むこと。サービス支援情報に定量的情報を含ませたので、サービス支援の内容を数字で表すことが可能になる。
【0009】(2) 前記サービス支援情報は、個々の顧客に対する商品の提示情報を含むこと。サービス支援情報に提示商品の情報を含ませたので、サービス支援の内容が明確になる。
【0010】(3) 前記誘導手段は、前記サービス支援情報に基づいて前記顧客を誘導する少なくとも1つのカウンタ窓口を決定し、加えて顧客の来店用件に基づいて前記顧客を所定のカウンタ窓口を決定して、誘導すること。顧客をサービス情報更に来店用件に基づいて窓口を決定することにより、顧客毎の更にきめ細かいサービスが可能となる。
【0011】(4) 前記サービス支援情報記憶手段に記憶されたサービス支援情報を設定・更新するサービス支援情報設定更新手段を更に備えたこと。サービス支援情報を適宜更新できるので、サービス支援情報の社会状況や、顧客のニーズの変化に柔軟に対応できる。
【0012】(5) 前記誘導手段は、前記サービス支援情報に基づいて、前記顧客を複数の窓口のうち特定の窓口に誘導すること。顧客をサービス情報に基づいて窓口を決定することにより、顧客毎のきめ細かいサービスが可能となる。
【0013】(6) 前記受付装置は、前記誘導手段が前記顧客を誘導する窓口が決定した場合には、その窓口が記載された受付票を発行すること。受付票の発行により、顧客を確実に窓口に誘導することができる。
【0014】(7) 前記受付装置は、来店した顧客の用件を受け付け、前記誘導手段は前記サービス支援情報に加えて顧客の用件に基づいて顧客を誘導する窓口を決定すること。顧客の用件も併せて考慮することにより、顧客の窓口決定をより適切にすることができる。
【0015】(8) 前記受付装置は、顧客データが記憶された記憶媒体を受け付け、前記誘導手段は前記記憶媒体に記憶された顧客データに基づいて前記サービス支援情報を取り出し、これに基づいて顧客を誘導する窓口を決定すること。例えば、顧客の有するキャッシュカードや通帳などで来店した顧客を特定できる。
【0016】(9) 前記顧客情報及び前記サービス支援情報を表示する端末機を更に備えたこと。端末機で顧客情報呼びサービス支援情報を確認できるので、漏れがなく、効果的なサービスを行うことが可能になる。
【0017】(10) 前記端末機は、前記顧客情報を表示する第1の端末機と、前記複数の店舗の当該店舗の来店状況を表示する第2の端末機を有すること。店舗の来店状況も把握ができるようにしているので、店舗内が混雑している場合などにおいて、混雑の緩和や解消のための手段を早急にとることができるので、サービスの低下を防ぐ。
【0018】(12) 複数の誘導手段のアクセスに基づいて、各誘導手段に対して前記サービス支援情報を前記誘導手段に出力する中央制御装置を更に備えたこと。複数の誘導を受け付ける中央制御装置を設けることによって、誘導窓口の適正化が可能になる。
【0019】また、本発明の顧客管理システムは、複数の店舗における所定の顧客情報を一括して記憶する顧客情報記憶手段と、前記複数の店舗にそれぞれ配置され、店舗に来店した顧客の来店情報を受け付ける受付装置と、前記複数の店舗にそれぞれ配置され、前記来店情報に基づいて前記顧客情報記憶手段を検索して得られた顧客情報を表示する端末機とを備えたことを特徴とする。顧客情報が、顧客情報記憶手段で一元的に管理されているので、重複した顧客データが分散して管理されることがなく、効率的かつ漏れのない顧客データベースの構築及び運用が可能である。更に、1つの顧客情報記憶手段の内容を複数の店舗で確認できるので、いずれの店舗においても、同一の顧客に対して同様のサービスを提供できるという効果も生じる。すなわち、店舗間におけるサービスの質の格差がなくなり、全体的なサービスの向上を図ることができる。
【0020】上記の顧客管理システムの好ましい実施態様は以下の通りである。
【0021】(1) 前記顧客情報に基づいて商品提示サービスを含むサービス支援情報を記憶するサービス支援情報記憶手段を更に備え、前記受付装置は、前記サービス支援情報を更に考慮して決定された担当窓口が記載された受付票を発行し、前記端末機は、前記サービス支援情報を更に表示すること。サービス支援情報も加味した顧客管理ができるので、顧客毎のきめ細かいサービスが可能になる。
【0022】(2) 前記顧客情報記憶手段に、前記顧客情報と前記サービス支援情報とに基づく情報が新たな顧客情報として追加されること。運用が簡単であり、かつ柔軟性に富んだシステムを構築可能である。
【0023】(3) 前記端末機は、前記顧客情報を表示する第1の端末機と、前記複数の店舗の当該店舗の来店状況を表示する第2の端末機を有すること。受付を終了した顧客情報は店舗内の端末機(窓口用端末機及び管理者用端末機)で受信しており、顧客の来店目的を予め知ることができるので、スムーズな処理ができる。また、端末機には、顧客別のサービス支援情報も表示され、そのサービス支援情報に基づいて商品の提示を行うことができるので、顧客に対するサービスが向上する。また、どのような顧客が来店しているかを端末機(特に管理者用端末機)で確認できるので、カウンタ待ちの顧客に対する混雑の解消などのサービス向上にもつながる。
【0024】また、上記のような顧客管理システムを採用することによって、今まで、複数の用件を1つの窓口で全て処理することも可能になるので、その結果サービスが向上する。
【0025】
【発明の実施の形態】図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る顧客管理・誘導システムの概略構成を示す図である。本実施形態における顧客管理・誘導システムは、以下のように構成されている。
【0026】複数の支店(或いは各営業所、以下、「店舗」と称する)10には、それぞれ受付機11と、窓口用端末機12と、管理者用端末機13と、これらの全体を管理する制御部16が配置されており、データバス(或いは通信回線その他のデータ通信手段であっても良い)によって相互接続されている。なお、制御部16は、顧客誘導部161を備えており、顧客誘導部161は、詳細は後述するサービス支援情報及び用件情報に応じて顧客を誘導する。なお、図1において、店舗内のATM等ももちろん制御部16と接続されているが、ここでは、単に顧客情報の収集のみに限られるので、図示及び本明細書における詳細な記述は省略する。
【0027】本発明の顧客誘導管理システムは、更に、複数の店舗10を管理する中央制御装置20と、顧客情報記憶部21と、サービス支援情報記憶部22と、サービス支援情報設定更新部23とを備えている。また、顧客情報の収集やサービス支援情報の更新用の情報収集のために、中央制御装置20は外部端末機30にも、例えば通信回線やバスで接続されており、両方向の通信が可能となっている。
【0028】なお、各支店10と中央制御装置20とは、例えば、通信回線で結ばれているが、バス等で接続された限定された地域内でのシステムであっても良い。また、以下の説明においては、特に言及しないが、本システムは、基本的にはLAN(Local Area Network)によって構築するが、セキュリティが確保されている場合には、WAN(Wide Area Network)やインターネットによる接続によって通信を行っても良い。
【0029】上記のように構成された各部の基本的な動作を説明する。
【0030】各店舗10に配置された受付機11は、顧客が店舗に来店した時点で、顧客を特定できる例えばキャッシュカード、通帳等を挿入して、顧客の来店情報を読み取り、詳細は後述する手続を経て、受付票を発行する。
【0031】窓口用端末機12と、管理者用端末機13を含む情報端末機15は、上記の受付機11の入力に基づいて、顧客情報記憶部21から取り出された顧客情報を表示する。
【0032】中央制御装置20は、各店舗10間や各記憶部21、22とのデータのやりとりや、システム全体の制御を行う。
【0033】顧客情報記憶部21は、全ての顧客データが例えばテーブル形式で与えられており、例えば、預金残高、取引回数(取引履歴)及び年齢などの情報が顧客別に与えられている。
【0034】サービス支援情報記憶部22は、例えば、顧客の年齢に応じて提示商品を設定するための記憶部であり、このサービス支援情報記憶部22と顧客情報記憶部21をリンクさせることで後述するような顧客別のきめ細かいサービスを行うことが可能になる。
【0035】サービス支援情報記憶部設定更新部23は、例えば、新商品が市場に出た場合にサービス支援情報に設定をしたり、市場調査により商品に対する評価やニーズが変化した場合にサービス支援情報の更新をしたりする。
【0036】外部端末機30は、例えば、本システムに接続されたコールセンタ、インターネット接続されたテレフォンバンキング用の情報端末機15などの外部機器であり、ここでは、渉外の営業マンが入力を行う入力機器なども含むが、本明細書では、顧客データの収集以外の用途は考慮しないので、以降は特に言及しない。
【0037】上記のように構成された本発明に係る顧客管理・誘導システムの動作について説明する。なお、本システムは、顧客が有人店舗10(例えば、ATMのみ設置されているような無人店舗を除く。以下、店舗というときは有人店舗をいう)を訪れた場合にのみ有効なシステムであるので、そのような場合を想定して説明する。
【0038】まず、顧客が店舗10を訪れた場合に、入店した顧客データを取得するために、図2に示すような画面が受付機11に表示されて、例えばキャッシュカードや通帳を挿入するように顧客に促す。この場合に、法人の顧客については、所定のボタンを押すことによって用件の入力画面に移行する。また、新規の顧客の場合には、顧客の識別用のキャッシュカードなどを所持していないので、所定のボタンを押して用件の入力画面に移行する。次に、本発明が対象とするいずれかの店舗に預金口座等を有するような顧客の場合には、キャッシュカードなどの顧客を識別できるようなものを受付機11に挿入するような指示があるので、それに従ってキャッシュカードなどを挿入する。ここでは、キャッシュカード或いは通帳を受付機11に挿入した場合を例にとって記載しているが、顧客を識別できるようなものであれば、どのような種類のものでも良い。
【0039】次に、図3に示すような用件選択の画面に移行するので、表示された用件に該当するボタンを選択する。このとき、1つの用件でなく複数の用件が選択可能であって、例えば、普通預金の引き出しと、公共料金の支払いとを同時に選択することができる。そして、用件選択が終了した場合には、確認ボタンを押すことによって用件が確定する。もし選択を誤った場合には、訂正ボタンを押すことによって再入力を行う。用件入力が終了すると、その顧客の来店情報(用件情報も含めて)が中央制御装置20に送信される。その来店情報に基づいて中央制御装置20は、顧客情報記憶部21内の顧客データを検索して、その結果を受付機11と、窓口用端末機12と、管理者用端末機13に送信する。受付機11は例えば、後述する判断基準によって担当窓口を決定する。そして、図4に示すような画面が表示されて受付番号と担当窓口が示された受付票が発行される。
【0040】ここで、受付機11における担当窓口の決定処理を説明する前に、顧客情報記憶部21とサービス支援情報記憶部22の概略内容を説明する。例えば、顧客層において、所定以上の預金量を有する顧客(以下の説明において「顧客1」と称する)とそれ以下の顧客(以下の説明において「顧客2」と称する)の2種類の顧客を想定する。ここで、サービス支援情報記憶部22には、例えば、預金量、年齢等に応じたふさわしい商品を推奨商品として、サービス支援情報が所定のテーブルで与えられているものとする。また、顧客情報記憶部21には、預金量、年齢、取引履歴等の所定の顧客情報が格納されている。この顧客情報とサービス支援情報に基づいて、推奨商品があるかどうかの判定を中央制御装置20が行うことによって、その判断結果に基づいて個々の商品に対して所定のフラグを立てて、そのフラグデータを顧客データとして顧客情報記憶部21内に予め格納しておく。このフラグは☆の数で表しても良い。顧客情報記憶部21の内容例を図5に示す。この内容が基本的に、窓口用端末機12に表示される。また、管理者用端末機13には、店舗内の運営を円滑に行うことが必要になるので、基本的に、顧客の来店状況や店舗の運営を支援するための情報が表示される。
【0041】上記の顧客情報記憶部21に基づいて、受付機11は、図6に示すように、顧客データに基づいて、顧客1のように取引属性を勘案し、推奨商品があると判断された場合(図6において、☆2つ以上の場合)には、例えば、成約の可能性が高いので、窓口1に決定する。また、顧客2のように取引属性を勘案し、現状では商品を奨めるよりはスピーディな処理を希望する可能性が高いと判断された場合(図6において、☆1つの場合)には、新規口座の開設等を除き、窓口2、3に決定する。また、その他、用件に応じて担当窓口を投信ブース等の窓口に決定する。そして、その決定した担当窓口で受け付けるように受付票を発行する。
【0042】受付を終了した顧客の顧客情報は、図7に示すように、店舗10内の情報端末機15(窓口用情報端末機15及び管理者用端末機13)で受信しており、この顧客情報に基づいて、例えば、「本日の用件」の項目で顧客の来店目的を予め知ることができるので、スムーズな処理ができる。また、図7に示すように、情報端末機15には、顧客の属性情報や苦情情報などの履歴情報以外に、その履歴情報に基づいた顧客別のサービス支援情報も表示されるので、そのサービス支援情報に基づいて商品の提示等のサービスの支援を行うことができ、それにより顧客に対するサービスが向上する。
【0043】また、どのような顧客が現在来店しているかを情報端末機15(特に、管理者用端末機13)で確認できるので、カウンタ待ちの顧客に対する混雑の緩和や解消などの対策をとることができ、結果としてサービス向上にもつながる。加えて、複数の用件を1つの窓口で全て処理することになるので、用件に応じて窓口を変える必要がなくなり、サービスの向上につながる。
【0044】本発明では、複数の店舗10に対して、全ての顧客情報を1つの顧客情報記憶部21内に格納しているので、上記の店舗10毎の効果に加えて、次のような効果を有する。すなわち、顧客情報が一元的に管理されているので、重複した顧客データが分散して管理されることがなく、効率的かつ漏れのない顧客情報記憶部21の構築及び運用が可能である。更に、1つの顧客情報記憶部21の内容を各店舗10で同様に確認できるので、いずれの店舗10においても、同一の顧客に対して同様のサービスを提供できるという効果も生じる。すなわち、顧客に対する店舗10間におけるサービスの質の格差がなくなり、全体的なサービスの向上を図ることができる。
【0045】上記の実施形態において、端末15における画面の表示例を示したが、表示は所望の顧客情報が得られればどのような表示方法或いは表示内容であっても良い。また、上記の実施形態では、特に明記しなかったが、表示方法や表示内容はその使い勝手によって簡単に変更できることが好ましく。そのような変更は端末の操作者でも容易に変更ができる構成としている。
【0046】更に、受付機の表示についても端末機と同様に社会状況の変化等に基づいて容易に変更可能な構成になっていることが、好ましい。
【0047】なお、上記の実施形態においては、顧客誘導部161を制御部16の一部の機能として記載したが、これに限らず、受付機11にその機能を持たせることも可能である。その他、上記の実施形態が運用可能であればどのような構成としても本発明は実施可能である。また、各機器間の接続についても、上記のように主にLANで構築されるようなイントラネットであっても良いし、セキュリティの問題が解決されれば、解放された通信網(例えば、インターネット)であっても良い。
【0048】また、上記の実施形態においては、本発明の全体的な構成を説明するために全ての構成要件をまとめて説明したが、これに限らず、個々の構成のみであっても、本発明は有効である。例えば、複数店舗間に共通の(共有された)顧客データベースを設置して複数店舗間の顧客データを一元的に管理するのみでも、所定の顧客サービスに対する店舗間の格差をなくすという、大きなサービス向上が期待できる。また、サービス支援情報記憶部のサービス支援情報を用いるのみであっても、顧客の潜在的なニーズに応えることができるという大きなサービス向上に寄与する。
【0049】本発明は、上記の発明の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々変形して実施できるのは勿論である。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば次のような効果が得られる。
【0051】本発明の顧客誘導システムによれば、サービス支援情報記憶手段を備えて、そのサービス支援情報記憶手段に記憶されたサービス支援情報に基づいて顧客の誘導を行うようにしているので、顧客のニーズに合致した商品の提示を行うことができ、結果としてサービスが向上する。また、サービス支援情報に預金情報を含ませたので、サービス支援の定量的管理が可能になる。更に、サービス支援情報に提示商品の情報を含ませたので、サービス支援の内容が明確になる。
【0052】本発明の本発明の顧客管理システムによれば、顧客情報が顧客情報記憶手段で一元的に管理されているので、重複した顧客データが分散して管理されることがなく、効率的かつ漏れのない顧客データベースの構築及び運用が可能である。更に、1つの顧客情報記憶手段の内容を複数の店舗で確認できるので、いずれの店舗においても、同一の顧客に対して同様のサービスを提供できるという効果も生じる。すなわち、店舗間におけるサービスの質の格差がなくなり、全体的なサービスの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る顧客管理・誘導システムの概略構成を示す図。
【図2】来店受付画面の表示例を示す図。
【図3】用件受付画面の表示例を示す図。
【図4】受付票の交付画面の表示例を示す図。
【図5】顧客情報記憶部21の内容例を示す図。
【図6】サービス支援情報及び用件情報に基づいた担当窓口の決定フローを示す図。
【図7】情報端末機15に表示される情報の一例を示す図。
【符号の説明】
10…店舗(支店或いは各営業所)、
11…受付機、
12…窓口用端末機、
13…管理者用端末機、
15…情報端末機、
16…制御部、
161…顧客誘導部、
20…中央制御装置、
21…顧客情報記憶部、
22…サービス支援情報記憶部、
23…サービス支援情報設定更新部、
30…外部端末機。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 個々の顧客に割り当てられたサービス支援情報を記憶するサービス支援情報記憶手段と、顧客の来店を受け付ける受付装置と、前記受付装置の受け付けに基づき、来店した前記顧客に割り当てられたサービス支援情報を前記サービス支援記憶手段から取り出し、このサービス支援情報に基づいて前記顧客を誘導するためのカウンタ窓口を決定する誘導手段とを備えたことを特徴とする顧客誘導システム。
【請求項2】 請求項1記載の顧客誘導システムにおいて、前記サービス支援情報は、個々の顧客の取引属性を含むことを特徴とする顧客誘導システム。
【請求項3】 請求項1記載の顧客誘導システムにおいて、前記サービス支援情報は、個々の顧客に対する商品の提示情報を含むことを特徴とする顧客誘導システム。
【請求項4】 請求項1記載の顧客誘導システムにおいて、前記誘導手段は、前記サービス支援情報に基づいて前記顧客を誘導する少なくとも1つのカウンタ窓口を決定し、加えて顧客の来店用件に基づいて前記顧客を所定のカウンタ窓口を決定して、誘導することを特徴とする顧客誘導システム。
【請求項5】 請求項1記載の顧客誘導システムにおいて、前記誘導手段は、前記サービス支援情報に基づいて、前記顧客を複数の窓口のうち特定の窓口に誘導することを特徴とする顧客誘導システム。
【請求項6】 請求項1記載の顧客誘導システムにおいて、前記受付装置は、前記誘導手段が前記顧客を誘導する窓口が決定した場合には、その窓口が記載された受付票を発行することを特徴とする顧客誘導システム。
【請求項7】 請求項1記載の顧客誘導システムにおいて、前記受付装置は、顧客データが記憶された記憶媒体を受け付け、前記誘導手段は前記記憶媒体に記憶された顧客データに基づいて前記サービス支援情報を取り出し、これに基づいて顧客を誘導する窓口を決定することを特徴とする顧客誘導システム。
【請求項8】 請求項1記載の顧客誘導システムにおいて、複数の誘導手段のアクセスに基づいて、各誘導手段に対して前記サービス支援情報を前記誘導手段に出力する中央制御装置を更に備えたことを特徴とする顧客誘導システム。
【請求項9】 複数の店舗における所定の顧客情報を一括して記憶する顧客情報記憶手段と、前記複数の店舗にそれぞれ配置され、店舗に来店した顧客の来店情報を受け付ける受付装置と、前記複数の店舗にそれぞれ配置され、前記来店情報に基づいて前記顧客情報記憶手段を検索して得られた顧客情報を表示する端末機とを備えたことを特徴とする顧客管理システム。
【請求項10】 請求項9記載の顧客管理システムにおいて、前記顧客情報に基づいて商品提示サービスを含むサービス支援情報を記憶するサービス支援情報記憶手段を更に備え、前記受付装置は、前記サービス支援情報を更に考慮して決定された担当窓口が記載された受付票を発行し、前記端末機は、前記サービス支援情報を更に表示することを特徴とする顧客管理システム。
【請求項11】 請求項10記載の顧客管理システムにおいて、前記顧客情報記憶手段に、前記顧客情報と前記サービス支援情報とに基づく情報が新たな顧客情報として追加されることを特徴とする顧客管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2000−293604(P2000−293604A)
【公開日】平成12年10月20日(2000.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−102652
【出願日】平成11年4月9日(1999.4.9)
【出願人】(596089344)株式会社さくら銀行 (2)
【Fターム(参考)】