説明

風力タービン立体フレームタワー用のモジュール式表面基盤

【課題】風力タービン立体フレームタワー(30)用のモジュール式表面基盤、モジュール式表面基盤のハウジング部材(44)のパネルを形成する装置、並びに風力タービン立体フレームタワー(30)用のモジュール式表面基盤を形成する方法を提供すること。
【解決手段】モジュール式表面基盤が、複数のフーチング部材と、該フーチング部材の各々に配置されたハウジング部材(44)とを備え、該ハウジング部材(44)が、フーチング部材から延びて、風力タービンタワー(30)の一部を形成する1つ又はそれ以上の構造部材に取り付けられ、該ハウジング部材(44)が、立体フレームタワー(30)に対して支持と高さの増大とをもたらし、内部空間を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、風力タービン立体フレームタワー用のモジュール式表面基盤、モジュール式表面基盤のハウジング部材の複数のパネルを形成する装置、及び風力タービン立体フレームタワー用のモジュール式表面基盤を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、風力タービンは、環境を破壊しない比較的安価な代替エネルギー源として注目を集めている。この関心の高まりに伴って、信頼性があり、効率的で、設置費用効果が高い風力タービンを開発するために多大な取り組みがなされてきた。
【0003】
一般に、風力タービンは、複数のブレードを有するロータを含む。ロータは、ハブ、メインシャフト、及び軸受を介して、トラス又は管状タワーの頂部に位置付けられたハウジング又はナセルに装着される。電力事業グレードの風力タービン(すなわち、電力供給網に電力を供給するよう設計された風力タービン)は、大型のロータ(例えば、30メートル又はそれ以上のブレード長さ)を有することができる。加えて、風力タービンは通常、少なくとも高さ60メートルのタワー上に装着される。通常、風力タービンタワーは、単一の鋼管構造又は立体フレーム構造から構成される。両方のタイプのタワーは、タワー及びタービンを支持するための適切な基盤を必要とする。一般に、基盤設計は、提案されるタービンの重量及び構造、予期される最大風速並びにタービン負荷、及び現地の土壌特性に基づく。立体フレーム又は格子タワー用の典型的な基盤手法には、立体フレームタワーの各足部において、厚みのある鉄筋コンクリートマット基盤、鉄筋コンクリートモノパイル、単一ドリルシャフト基盤、又はマイクロパイル支持フーチングが含まれる。
【0004】
所要電力が増えると風力タービンロータブレードのサイズが大きくなり、風力タービン全体のサイズが増大するようになり、結果としてタワー底部荷重が更に増大し、基盤要件の増加を更にもたらすことになる。電力増加の結果として、基盤は、重量風力タービン構造及び負荷を支持するために、より大きく、より重くし、より地中深くに埋設する必要がある。立体フレームタワー用の現在の基盤手法には種々の明白な欠点がある。典型的には、掘削して重量基盤を打設するのに専任の作業員が必要とされ、コーン貫入試験などの十分な地盤調査を含む、土壌特性を考慮しなくてはならない。風力タービン立体フレームタワー用基盤の材料要件は、従来の単一鋼管タワーに比べてかなり少ないが、コンクリート、鉄筋、及び他の強化材の量は依然として高コストである。更に、従来の風力タービン立体フレームタワーの設計に起因して、従来の風力タービン立体フレームタワーには十分な収納部が存在しないので、何らかの必要なダウンタワー装備及び構成部品を収容するために追加の構造物を現地で構築しなくてはならない。
【0005】
必要とされていることは、大規模な掘削又は専任の作業員の設置を必要としない風力タービン立体フレームタワー基盤である。また、大量の材料を必要としない風力タービン立体フレームタワー用基盤が必要とされる。更に、風力タービンタワーの構築に使用される材料コストを低減するようなタワー高さに寄与する風力タービン立体フレームタワー基盤である。更に必要なことは、基盤内にダウンタワー装備、メンテナンス補給品、又は構成部品の収納を可能にする風力タービン立体フレームタワー基盤である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の1つの態様は、複数のフーチング部材と、該フーチング部材上に配置されたハウジング部材とを備えた風力タービン立体フレームタワー用のモジュール式表面基盤を含む。ハウジング部材は、フーチング部材から延びて、風力タービンタワーの一部を形成する1つ又はそれ以上の構造部材に取り付けられる。ハウジング部材はまた、立体フレームタワーに対して支持と高さの増大とをもたらし、内部空間を含む。フーチング部材は、浅溝内に配置されるコンクリートフーチングを含むことができ、該浅溝はコンクリートフーチングと実質的に同様の形状である。実施可能な実施形態は、炭素繊維複合材、強化炭素繊維複合材、ガラス繊維複合材、強化ガラス繊維複合材、コンクリート、鉄筋コンクリート、金属、及びこれらの組み合わせを含むことができる。ハウジング部材は、コンクリート構造を含むことができ、該コンクリート構造は更に、鉄筋によって支持され且つポストテンション部材により圧縮される。コンクリート構造は、共に接合されてハウジング部材を形成する複数のパネルを含むことができる。複数のパネルは更に、垂直ポストテンション部材を受け取るための一連の垂直チャンバを備えることができる。複数のパネルは、更に、水平ポストテンション部材を受け取るための一連の水平チャンバを備えることができる。
【0007】
複数のパネルを備えたモジュール式表面は更に、下部部分上に配置され且つこれに機械的に連結された上部部分を含むことができ、該下部部分は、フーチング上に配置され且つこれに機械的に連結される。任意選択的に、上部及び下部部分は、垂直ポストテンション部材を受け取るための一連の垂直チャンバと、水平ポストテンション部材を受け取るための一連の水平チャンバとを含むことができる。モジュール式表面基盤は、モジュール式表面基盤要素(10)の直径の約1.0から約1.5倍の中心間寸法から構成することができる。モジュール式表面基盤要素の高さは、該モジュール式表面基盤要素の直径の約1.25から約1.75倍とすることができる。ハウジング部材は、円錐形、円錐台形、三角錐形、四角錐形、円筒形、立方体形、五角柱形、六角柱形、七角柱形、八角柱形、九角柱形、又は十角柱形とすることができる。モジュール式表面基盤の内部空間は、風力タービン用のダウンタワー装備(56)を収容するよう構成することができる。
【0008】
本開示の別の態様は、風力タービン立体フレームタワー用のモジュール式表面基盤を形成する方法を含み、該方法が、一連のポストテンションケーブルを有する複数のハウジング部材を製作する段階と、フーチング部材を保持する複数の浅溝を形成する段階と、複数のフーチング部材を製作して浅溝内にフーチング部材を配置する段階と、複数のフーチング部材に複数のハウジング部材を取り付けて、該複数のフーチング部材に複数のハウジング部材を固定する段階と、ポストテンションケーブルを用いてハウジング部材に張力を加え、立体フレームタワーに対する支持と高さの増大をもたらして、内部空間を含むようにする段階と、風力タービン立体フレームタワーの構造部材をハウジング部材に取り付ける段階と、を含む。本方法は更に、ハウジング部材を備えることができ、該ハウジング部材は、ドア、熱交換ダクト、通気口、階段部、及びこれらの組み合わせの1つ又はそれ以上を含む。フーチング部材は、現場外で予め製作することができる。ハウジング部材は、ダウンタワー装備を収容することができる。
【0009】
本開示の別の態様は、モジュール式表面基盤のハウジング部材の複数のパネルを形成する閉鎖可能な本体を有する装置であって、本体が更に、コンクリートを受けるアパーチャを包含する上部部分と、水平方向及び垂直方向に貫通して延びる管体を包含する下部部分とを含むことができ、形成されたパネルが共に接合されてハウジング部材を形成し、該ハウジング部材が、フーチング部材上に配置され、風力タービン立体フレームタワーの一部を形成する1つ又はそれ以上の構造部材に取り付けられ、ハウジング部材が、立体フレームタワーに対して支持と高さの増大とをもたらし、内部空間を含む。下部部分の管体は、コンクリートが硬化した後ハウジング部材の形成されたパネルから取り除くことができる。本体の下部部分は更に、鉄筋を含むことができる。
【0010】
本開示の1つの利点は、モジュール式表面基盤が掘削コスト低減し、現在の立体フレームタワー基盤と比べて設置に要する材料が少ないことである。
【0011】
本開示の別の利点は、モジュール式表面基盤がダウンタワー装備用の収納を可能にすることである。
【0012】
本開示の更に別の利点は、モジュール式表面基盤が立体フレームタワーに付加的な高さを提供することである。
【0013】
本発明の他の特徴及び利点は、例証として本発明の原理を示す添付図面を参照しながら、以下の好ましい実施形態のより詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本開示の1つの実施形態による風力タービンの側面図。
【図2】本開示の1つの実施形態によるモジュール式表面基盤の一部の斜視図。
【図3】本開示の1つの実施形態によるハウジング部材の交互ジョイントを示すモジュール式表面基盤要素の部分斜視図。
【図4】本開示の1つの実施形態によるフーチング部材の正面断面図。
【図5】本開示の1つの実施形態による内部表面を示す方向5−5で取った図2のモジュール式表面基盤要素の断面図。
【図6】本開示の1つの実施形態によるモジュール式表面基盤要素のハウジング部材の一部を形成するのに使用されるモールドの斜視図。
【図7】本開示の1つの実施形態によるモジュール式表面基盤要素のハウジング部材の一部の透視斜視図。
【図8】本開示の1つの実施形態によるモジュール式表面基盤要素のハウジング部材の一部の内部表面の斜視図。
【図9】本開示の1つの実施形態によるモジュール式表面基盤要素の内部表面を示す、方向9−9で見た図8の一部の内部表面の断面図。
【図10】モジュール式表面基盤及びモジュール式表面基盤要素の寸法を示す方向10−10で見た図1のモジュール式表面基盤の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
可能である場合、図面全体にわたって同じ又は同様の要素を示すために同じ参照具号が使用される。
【0016】
図1に示すように、風力タービン16は一般に、発電機(図示せず)を収容するナセル20を含む。ナセル20は、立体フレームタワー30の上部のフランジ(図示せず)によりタワー移行部品32の上に装着される。タワー30の高さは、当該技術分野で公知の要因及び条件に基づいて選択され、高さ60メートル又はそれ以上にまで延ばすことができる。風力タービン16は、所要の風況を有する区域にアクセスできる何れかの地形に設置することができる。地形は大きく変わる可能性が有り、限定ではないが、山岳地形又は洋上位置を含むことができる。風力タービン16はまた、回転ハブに取り付けられた1つ又はそれ以上のロータブレード24を含むロータ22を備える。図1に示す風力タービン16は、3つのロータブレード24を含むが、本発明が必要とするロータブレード24の数には特別な制限はない。立体フレームタワー30は、複数の垂直タワー支持部材34、複数の水平タワー支持部材36、及び一体的に連結される筋かいタワー支持部材38を含む。立体フレームタワー30は更に、該立体フレームタワー30を支持し且つこれをハウジング部材44に連結する複数の構造部材を含む。図1に示すように、立体フレームタワー30は、3つの構造部材40を含むトライポール構造を有する。代替の実施形態において、立体フレームタワー30は、3つよりも多い構造部材40を用いてタワー30を形成するよう構成することができる。
【0017】
モジュール式表面基盤100は、複数のモジュール式表面基盤要素10を備える。各モジュール式表面基盤要素10は更に、フーチング部材46及びハウジング部材44を含み、ハウジング部材44は、各フーチング部材46上に配置され、フーチング部材46から1つ又はそれ以上の構造部材40に取り付けられて、風力タービンタワー30の一部を形成する。図1に示すように、モジュール式表面基盤100は、3つのモジュール式表面基盤要素10を備え、各モジュール式表面基盤要素10は更に、フーチング部材46から延びて、立体フレームタワー30の各構造部材40に取り付けられるハウジング部材44を含む。代替の実施形態では、モジュール式表面基盤100は、3つよりも多いモジュール式表面基盤要素10を有することができ、各モジュール式表面基盤要素10は更に、ハウジング部材44及びフーチング部材46を含む。別の代替の実施形態では、モジュール式表面基盤100は、立体フレームタワー30を形成する構造部材40の数よりも少ない数又は多い数のモジュール式表面基盤要素10を有する。
【0018】
図1に示すように、各モジュール式表面基盤要素10のハウジング部材44は、結合されてハウジング部材44を形成する複数のパネル105を含む。別の実施形態では、図示しないが、ハウジング部材44は、鉄筋により更に支持され且つポストテンション部材により圧縮される単一のモノリシック一体形成コンクリート構造とすることができる。
【0019】
図2は、本発明のモジュール式表面基盤100の単一のモジュール式表面基盤要素10を示す。モジュール式表面基盤要素10のハウジング部材44は、共に結合されてハウジング部材44を形成する複数のパネル105から構成される。パネル105は更に、複数の上部パネルセクション102と、複数の下部パネルセクション104とを含む。上部パネルセクション102は、垂直ポストテンション部材111(図7を参照)及び他の締結部材(図示せず)により各それぞれの下部パネルセクション104上に位置し且つこれに取り付けられるよう形成される。図2に示すように、上部パネルセクション102及び下部パネルセクション104は連結され、位置合わせジョイント142を有する。代替の実施形態において、図3に示すように、上部パネルセクション102及び下部パネルセクション104は、位置ずれ又は交互ジョイント144により連結される。交互ジョイント144は、円周方向にオフセットされ、交互ジョイント144が上部パネルセクション102の中央及び下部パネルセクション104の中央に置かれ、ハウジング部材44を形成するのに十分な支持を提供するようにする。図2に示すように、ハウジング部材44の上部パネルセクション102は更に連結部材42に取り付けられ、該連結部材42は、タワー30の構造部材40に連結される。連結部材42は、モジュール式表面基盤要素10のハウジング部材44をタワー30の構造部材40に固定及び取り付けるための締結具(図示せず)を包含する。ハウジング部材44の下部パネルセクション104は更に、締結機構146(図4参照)によりフーチング部材46に連結される。好適な締結機構は、限定ではないが、ボルト、ナット、スクリュー、ピン、ガセット、グラウト、及び当該技術分野で公知の他の締結機構が含まれる。締結機構146はまた、ハウジング部材44の下部パネルセクション104内に一体的に形成され、又はフーチング部材46内に一体的に形成することができる。本発明の実施形態において、ハウジング部材44は更に、空気流のための通気口48と、ハウジング部材44内部の区域にアクセスするためのドア50と、ドア50に到達する階段部52と、熱交換ダクト5とを備える。別の実施形態において、ドア50は、通気口48を補完又は代替する空気流用の通気口を含むことができる。図2に示すように、ダウンタワー装備56は、ハウジング部材44内部に位置付けられる。典型的なダウンタワー装備56の実施例は、限定ではないが、タービンパネル、ワイヤ、ケーブル、制御構造物、スペア部品、及びトランスである。
【0020】
図2に示すように、ハウジング部材44は円錐台形である。しかしながら、モジュール式表面基盤100のモジュール式表面基盤要素10の所要の構造及び支持特性が得られる限り、あらゆる円錐形、三角錐形、四角錐形、円筒形、立方体形、或いは、五角柱形、六角柱形、七角柱形、八角柱形、九角柱形、又は十角柱形などの多角柱形を実施可能とすることができる。本発明の実施形態において、フーチング部材46は環状形状である。代替の実施形態において、フーチング部材46は、実質的にハウジング部材44下部に似た形状とすることができる。
【0021】
図10に示すように、モジュール式表面基盤100は、3つのモジュール式表面基盤要素10を含む。モジュール式表面基盤100の全体直径は、約9.8メートルから約48.8メートルであり、それぞれ定格800キロワット(kW)から10メガワット(MW)の風力タービン16を支持する立体フレームタワー30を可能にする。モジュール式表面基盤100の全体直径により定められる最外範囲は、フーチング部材46のコンクリートフーチング58の最外縁部を含み、この最外縁部はまた、原状地上に支持されるモジュール式表面基盤要素10の外側縁部である。モジュール式表面基盤100の直径範囲は約9.8メートルから約48.8メートルであり、モジュール式表面基盤要素10の直径の1.25倍に等しい中心間寸法(B)を有するモジュール式表面基盤要素10に固有のものである。中心間寸法(lctc)は、図10に直径(B)で示すように、モジュール式表面基盤要素10の中心から別の隣接するモジュール式表面基盤要素10の中心まで測定される。別の実施形態において、中心間寸法(B)は、モジュール式表面基盤要素10の直径の約1.0から約1.5倍又はそれ以上の範囲にわたり、モジュール式表面基盤100の全体直径値を増大さえる可能性をもたらすことができる。
【0022】
表Iは、3、4、5、又は6つのモジュール式表面基盤要素10を有する、モジュール式表面基盤要素(MSFE)10の直径に対する、中心間寸法(B)の比率の例示的な実施形態を与える。
【0023】
【表1】


表Iは、中心間寸法(B)の比率の例示的な実施形態を提供しているが、これは限定ではない。比率の範囲は、ハブ高さ、ロータ水力、タービン及び基盤全体の重量、及び許容可能な地耐力など、様々なタワー設計パラメータによって異なる場合がある。モジュール式表面基盤要素の直径に対する中心間寸法(lctc)の比率は、3つのモジュール表面要素10に対して2.0、6つのモジュール表面基盤要素10に対して1.86の高さとすることができる。
【0024】
本発明の実施形態において、各モジュール式表面基盤要素10間に正三角形スペーサが存在する。正三角形スペーサは、風力タービン16のサイズ及び必要な立体フレームタワー高さに応じて異なる。正三角形スペーサは、各モジュール式表面基盤要素10と隣接するモジュール式表面基盤要素10との各中心間に線が引かれた場合、正三角形が形成される(図10を参照)ように、各モジュール式表面基盤要素10の中心から計算される。本発明の実施形態において、モジュール式表面基盤100の死荷重中心200は、側面荷重が加わらず、モジュール式表面基盤要素10によって形成される正三角形の中心にある。転倒に対する耐える本発明の実施形態の最長モーメントアーム(lmax)、すなわち寸法(A)は、モジュール式表面基盤100の死荷重中心200からモジュール式表面基盤要素10のコンクリートフーチング58の最外縁部まで測定される。転倒に耐える本発明の最短モーメントアーム(lmin)すなわち寸法(C)は、モジュール式表面基盤要素10のコンクリートフーチング58の直径に等しい。本発明の実施形態において、モジュール式表面基盤100は、約8.3メートルから約41.6メートルの平均有効直径を有する。モジュール式表面基盤100の平均有効直径は、(側部から見たときに)接近する風の方向に抗して転倒に耐えるため、モジュール式表面基盤要素10の死点200から立体フレームタワー30及びモジュール式表面基盤100の基盤の最縁部(すなわち、コンクリートフーチング58の最外縁部)まで定められる最短(lmin)(寸法(C))及び最大(lmax)(寸法(A))モーメントアームにおける直径の平均に等しい。モジュール式表面基盤要素の数が増えると、モジュール式表面基盤100の平均有効直径が減少する。モジュール式表面基盤要素10の数に対する物理的限界が近づくと、最短モーメントアーム(lmin)及び最大(lmax)モーメントアームは理論上同じ値に近づくことになる。
【0025】
各モジュール式表面基盤要素10の直径は、対応する各フーチング部材46の各コンクリートフーチング58の外径を含む。モジュール式表面基盤要素10の好適な直径は、約4メートルから約約20メートルとすることができる。モジュール式表面基盤要素10の直径は、約6−メートルから約150メートルのタワー高さを許容し、800kWから10MW風力タービンを容易に支持することになる。モジュール式表面基盤要素10のより大きな又は小さな直径も実施可能であり、風力タービンのサイズ、所要のタワー高さ、及び許容可能な地耐圧力によって決まる。
【0026】
本発明の実施形態において、各ハウジング部材44は、約6メートルから約30メートルの高さを有する。以下の式を用いて、モジュール式表面基盤要素10の高さを計算する。
【0027】
msfe = 1.5×dmsfe
ここで、hmsfe はモジュール式表面基盤要素10の高さであり、dmsfe はモジュール式表面基盤要素10の直径である。代替の実施形態において、上式の係数1.5は、モジュール式表面基盤要素10の高さを計算するために、約1.25から約1.75の範囲で修正することができる。モジュール式表面基盤要素10の高さは、モジュール式表面基盤要素10の数とは無関係である。このフーチング部材46及びハウジング部材44の寸法は、800kW定格の風力タービンにおいてモジュール式表面基盤要素10当たりに少なくとも約15立方メートルから、10MW風力タービンにおいてモジュール式表面基盤要素10当たりに2000立方メートルを上回る内部容積140を許容する。内部容積140は、モジュール式表面基盤100全体(すなわち風力タービン当たりに)において総計で約45立方メートルから約6000立方メートルであり、ハウジング部材44内の収納のため、又はダウンタワー装備56を収容するために、他の場合では従来の基盤によっては提供されないスペースを提供する。
【0028】
図4は、フーチング部材46の正面断面図を示す。フーチング部材46は更に、浅溝62内に配置されたコンクリートフーチング58を含む。溝62は、コンクリートフーチング58と実質的に同様の形状である。溝62の好適な深さは、およそ深さ1メートルよりも小さく、幅が1メートルよりもほぼ小さいが、より大きな溝62の深さ及び幅も実施可能である。フーチング部材46は更に、コンクリート65又は砂利64のフローティングスラブを含み、その両方又は一方は、フーチング部材46の内部及び/又は外部の地上に配置される。モジュール式表面基盤要素10の内部で見られるコンクリート65又は砂利64のフローティングスラブは、ダウンタワー装備56を受け取るための面を提供する。モジュール式表面基盤要素10の外部で見られるコンクリート65又は砂利64のフローティングスラブは、風力タービン立体フレームタワー30近くの駐車車両及び他の装備のための面を提供する。コンクリート65のフローティングスラブは、当該技術分野では、フローティングコンクリートスラブ65の摩耗表面が構造体の構造強度として信頼されないこと、及びコンクリート65のフローティングスラブが他のコンクリート特徴(耐荷重性とすることができる)による制約を受けないことを意味すると理解されている。本発明の実施形態において、コンクリート65のフローティングスラブは、砂利64上に位置付けられ、流動するコンクリートスラブ65の下で水の移動及び排水を許容する。コンクリート65のフローティングスラブは、ハウジング部材44内で側方に「流動」するが、ハウジング部材44とのフーチング部材46の境界面である、コンクリートフーチング58の上面66にて垂直方向に支持される。フーチング部材46のコンクリートフーチング58は更に、鉄筋60によって強化される。コンクリートフーチング58は、現場で打設され、或いは施設及び組み立て現場で予め作製される。
【0029】
本発明の実施形態では、ハウジング部材44は、コンクリートフーチング58の幅に対して実質的に中心に置かれる。通常、フーチング58の幅は、ハウジング部材44の厚みと相関関係がある。本発明の実施形態では、コンクリートフーチング58の幅は、ハウジング部材44の厚みの2.5倍に等しいか又はそれ以上である。代替の実施形態において、コンクリートフーチング58の幅は、局所地耐圧力性能によって決まる好適な支持力を提供するために、かなり広げることができる。コンクリートフーチング58の深さは、ハウジング部材44の厚みと相関関係があり、又は、更に大きなコンクリートフーチング58の幅と相関関係がある。一般に、フーチング58の深さは、ハウジング部材44の厚みの1.25倍に等しいか又はそれよりも大きく、或いは、更に大きなコンクリートフーチング58の幅の0.5倍に等しいか又はそれよりも大きい。コンクリートフーチング58の好適な直径は、約4メートルから約30メートル、及びより具体的には、約4.3メートルから約20.7メートルである。フーチング部材46のコンクリートフーチング58の上面66は、ハウジング部材44を受ける。フーチング部材46は更に、ハウジング部材44をフーチング部材46に連結及び固定するための締結具146を含む。
【0030】
図5は、ハウジング部材4の内部スペース又は容積140を示す方向5−5からみた、図2のモジュール式表面基盤100の断面図である。内部スペース140は、ダウンタワー装備(図示せず)収容の場所を提供するためのコンクリート65又は砂利64(図示せず)のフローティングスラブを有することができる。図5に示すように、内部スペース140は、ハウジング部材44の内部壁106に近接するハウジング部材44の内側に位置付けられる。
【0031】
モジュール式表面基盤要素10は、立体フレームタワーを支持するために所望の構造、重量、及びスペース要件を提供するあらゆる材料及び材料の組み合わせから作ることができる。モジュール式表面基盤要素10は、限定ではないが、炭素繊維複合材、強化炭素繊維複合材、ガラス繊維複合材、強化ガラス繊維複合材、コンクリート、鉄筋コンクリート、鋼材、及びこれらの組み合わせなどの材料から作ることができる。モジュール式表面基盤要素10のハウジング部材44は、限定ではないが、炭素繊維複合材、強化炭素繊維複合材、ガラス繊維複合材、強化ガラス繊維複合材、コンクリート、鉄筋コンクリート、鋼材等の金属、及びこれらの組み合わせなどの材料から作ることができる。本発明の実施形態において、モジュール式表面基盤要素10は、コンクリート、鉄筋コンクリート、及び金属の組み合わせから作られ、ハウジング部材44は、コンクリート、鉄筋コンクリート、及び金属の組み合わせから作られる。
【0032】
ハウジング部材44は、現場外の場所で作られ、モジュール式表面基盤要素10の部分製造所に輸送される。或いは、ハウジング部材44はタワー建設現場で作られる。1つの実施形態において、ハウジング部材44は、単一のモノリシックコンクリート構造とすることができる。別の実施形態において、ハウジング部材44は、2つのモノリシックコンクリート要素、すなわち上部要素及び下部要素(図示せず)を共に接合することにより製作することができる。或いは、ハウジング部材44は、共に接合されてハウジング部材44(図1)を形成する複数のパネル105を用いて製作することができる。更に別の実施形態では、ハウジング部材44は、共に接合されてハウジング部材44(図2、3、及び6)を形成する上部パネルセクション102及び下部パネルセクション104を有する複数のパネル105から製作することができる。
【0033】
図6は、モジュール式表面基盤要素10のハウジング部材44の複数のパネル105を形成するよう閉鎖可能な本体を有する装置又はモールド130も斜視図を示す。ハウジング部材44は、所望の構造を得るために、あらゆる数の要素及びモールドを用いて製作することができる。パネル105及び/又はハウジング部材44の上部パネルセクション102及び下部パネルセクション104を製作するためのモールド130は、2つの要素。すなわち上部モールド136及び下部モールド132を含む。上部モールド136は更に、コンクリートをモールド130に打設するための開口138を更に備える。また、開口138を用いて、コンクリートを振動させ、該コンクリートをモールド130内に十分に分散させるようにすることができる。或いは、振動テーブルを用いて、コンクリートを振動させ、該コンクリートをモールド130内に十分に分散させることができる。1つの実施形態において、下部部分132は、複数の垂直インサート148及び複数の水平インサート150を含む。垂直インサート148を用いて、図7に示すように垂直テンションケーブル111を調整するのに使用される予め製作される垂直凹部152を形成する。水平インサート150を用いて、図7に示すような水平テンションケーブル111を調整するのに使用される予製作水平凹部154を形成する。インサート148、150は、コンクリート凝結に耐えるあらゆるプラスチック、鋼材、又は他の好適な材料から作ることができる。インサート148は、コンクリートを硬化させて予製作凹部152、154を設けた後、該コンクリートから部分的に又は完全に取り除くことができる。モールド130の下部部分132は更に、下部部分132の長さに沿って垂直方向及び水平方向に置かれた複数の管体134を備える。管体134は、インサート148、150(図示せず)を通って延びることができ、或いは管体134は、インサート148、150に取り付けることができる。代替の実施形態では、アンカースタブ128は、モールド130を用いてパネル150内に一体的に形成される。管体134に好適な材料は、限定ではないが、コンクリート凝結に耐えることができるプラスチック、鋼材、又は他の材料を含む。管体134は、コンクリートが硬化した後に形成されたパネル105内に残る。代替の実施形態において、管体134は、コンクリートが硬化した後にパネル105から取り除くことができる。管体134からハウジング部材44のパネル105内の中空部分は、水平及び垂直テンションケーブル又はテンドン(ポストテンション部材)111、112用の水平貫通管体114及び垂直貫通管体110を提供する。また、モールド130は通常、下部部分132内部に垂直及び/又は水平方向に延びる鉄筋(図示せず)を包含する。ハウジング部材44の硬化コンクリートの厚みは、約100ミリメートル(約4インチ)から約500ミリメートル(約20インチ)、より具体的には、約150ミリメートル(約6インチ)から約300ミリメートル(約12インチ)、或いは、更により具体的には、200ミリメートル(約8インチ)から約250ミリメートル(約10インチ)、並びにこれらの間の全ての部分範囲である。ハウジング部材44の硬化コンクリートの厚みは、構造負荷要件と相関関係があり、風力タービンのサイズに応じて変わる。
【0034】
図7は、ハウジング部材44の内部106の一部を示している。水平貫通管体114は、ハウジング部材44を貫通してフープ方向に延びる。垂直貫通管体110は、ハウジング部材44を貫通して垂直方向に延びる。図7は、水平貫通管体114を貫通して延びるように示された単一の水平テンションケーブル112と、垂直貫通管体110を貫通して延びるように示された単一の垂直テンションケーブル111とを描いているが、複数の水平テンションケーブル112及び複数の垂直テンションケーブル111を使用して、組み立てたハウジング部材44に十分なテンション(張力)を与えるようにされる。ハウジング部材44は更に、該ハウジング部材44をコンクリートフーチング部材46の上面66に固定する締結具146(図4参照)を含む。本発明の実施形態において、テンションケーブル111、112は、垂直貫通管体110及び水平貫通管体114を挿通してハウジング部材44のパネル105を接合している。垂直テンションケーブル111は、パネル105に対し高さ方向又は垂直方向に張力を与える。垂直テンションケーブル111は、一連の予組み立てされた垂直方向凹部152においてパネル105の上縁で締結される。或いは、パネル105が上部セクション102及び下部セクション104を包含する場合、垂直テンションケーブル111は、パネル105の上部セクション102及び下部セクション104を接合し、これらに対し高さ方向又は垂直方向に張力を与える。図7に示すように、一連の予組み立てされた垂直方向凹部152は、パネル105の上部セクション102及び下部セクション104の上部及び下部に設けられ、必要な張力をもたらすよう垂直テンションケーブル111を適切に調整できるようにする。水平テンションケーブル112は、ハウジング部材44の複数のパネル105を接合し、これにフープ方向に張力を与える。図7に示すように、一連の予組み立てされた水平方向凹部154がパネル105の側部に設けられ、必要な張力をもたらすよう水平テンションケーブル112を適切に調整できるようにする。或いは、ハウジング部材44が複数の上部セクション102及び複数の下部セクション104を包含する場合、水平テンションケーブル112は、ハウジング部材44の隣接する上部セクション102及び隣接する下部セクション104を接合し、これらに対しフープ方向に張力を与える。ハウジング部材44が形成されると、テンションケーブル111、112は、ハウジング部材44内部から一連の予組み立てされた凹部152、154においてパネル105の垂直縁部及び水平縁部で締結され、ハウジング部材44の形成されたコンクリート構造物に十分なポストテンション応力を与えるようにする。
【0035】
テンションケーブル111、112は、限定ではないが、鋼材、或いはガラス繊維、炭素繊維、及び他のケーブル材料などの他の何れかの好適な強化材料から作られる。テンションケーブル111、112は、単一ストランド、強化材料のバー、又は織成の、巻かれた、又は共に編組にされた強化材料の複数のストランドである。テンションケーブル111、112の厚みは、約3ミリメートル(約1/8インチ)から約50ミリメートル(約2インチ)、より具体的には、約3ミリメートル(約1/8インチ)から約30ミリメートル(約1インチ)、或いは、更により具体的には、3ミリメートル(約1/8インチ)から約10ミリメートル(約3/8インチ)、並びにこれらの間の全ての部分範囲であるが、モジュール式表面基盤100を形成するのにモジュール式表面基盤要素10に必要とされる張力に応じて、より薄く又は厚くすることもできる。テンションケーブル111、112は、非接着又は接着ポストテンションシステムの一部である。非接着ポストテンションシステムでは、テンションケーブル111、112は、特別に配合されたグリース及びシームレスプラスチックの外層でコーティングされて、腐食に対する保護を形成する。接着ポストテンションシステムでは、テンションケーブル111、112は、波形金属又はプラスチックダクトに包まれ、該テンションケーブル111、112に圧力を加えた後、セメント系タイプのグラウト又はエポキシをダクトに注入し、周囲のコンクリートにテンションケーブル111、112を接着する。
【0036】
図8は、本開示の代替の実施形態としてハウジング部材44の内部106を示している。この実施形態では、水平テンションケーブル112は、1つのスタブアンカー128を通して布設され、次いで、水平貫通管体114を通してハウジング部材44の隣接するスタブアンカー128(図9参照)にフープ方向に延びる。水平テンションケーブル112の布設プロセスは、円形平面内のスタブアンカー128の全てが、該水平テンションケーブル112によって水平貫通管体114を通してフープ方向に連結されるまで繰り返される。垂直テンションケーブル111は、1つのスタブアンカー128を通して布設され、次いで、垂直貫通管体110を通して上側又は下側の次のスタブアンカー128に高さ方向又は垂直方向に延びる。垂直テンションケーブル111の布設プロセスは、垂直線におけるスタブアンカー128の全てが、垂直テンションケーブル111によって垂直貫通管体110を通して連結されるまで繰り返される。スタブアンカー128は、窪み及び管体を有するモールドを用いてハウジング部材44の内部表面106上に一体的に形成されるコンクリート構造である。水平テンションケーブル112及び垂直テンションケーブル111は、ハウジング部材44に所要のポストテンション応力を与えるように締結される。或いは、スタブ128を用いたこのポストテンション技術をハウジング部材44の外面108上で用いて、ハウジング部材44に所要のポストテンション応力を与えることもできる。
【0037】
使用されるポストテンションケーブル、すなわち垂直テンションケーブル111及び水平テンションケーブル112の両方の数は、タービンサイズ及び負荷に応じて決まる。上述の実施形態の何れかで使用したポストテンションケーブルの数もまた、ポストテンションケーブルの厚みに応じて変えることができる。本発明では、所要の張力を与えるのに少なくとも2つの水平テンションケーブル112を用いているが、ハウジング部材44の高さ及び所要張力に応じて、最大で100本の水平テンションケーブル112を用いることができ、より具体的には、約10から30本の水平テンションケーブル112を用いることができる。本発明では、少なくとも3つの垂直テンションケーブル111を用いているが、ハウジング部材44の高さ及び所要張力に応じて、最大で300本の垂直テンションケーブル111を用いることができ、より具体的には、約20から50本の垂直テンションケーブル111を用いることができる。ハウジング部材44に対して更に強化するために、鉄筋122も使用される。
【0038】
図9は、方向9−9から見た図8の一部の内部空間の断面図を示している。図9は、本開示の1つの実施形態による内部空間140全体を示している。本発明の実施形態では、各々が2つ(図示)のスタブアンカー128を有する4つのパネル105がある。代替の実施形態において、パネル部材105の数は、4つよりも多くても、又は少なくてもよく、各パネル部材105は少なくとも1つのスタブアンカー128を包含する。スタブアンカー128は、ハウジング部材44のパネル105の内壁106上に一体的に形成される。1つの実施形態において、水平テンションケーブル112は、スタブアンカー128内のチャンネルを通して布設され、水平貫通管体114を通して隣接スタブ128に挿通されてパネル105を接合し、水平テンションケーブル112が締結されたときに所要のポストテンションを与えるようにする。別の代替の実施形態(図示せず)において、水平テンションケーブルは、1つのパネルのスタブアンカー内のチャンネルを通して布設され、隣接するスタブアンカーを抜かして水平貫通管体を通して布設され、更に、隣接パネルに配置された次のスタブアンカーのチャンネルを通して布設される。更に別の代替の実施形態(図示せず)では、1つのパネルのスタブアンカー内のチャンネルを通して布設され、隣接するパネルのスタブアンカーを抜かして水平貫通管体を通して布設され、更に、次の隣接するパネルのスタブアンカー内のチャンネルを通して布設される。スタブ128での係止は、係止端部装置を利用し、該装置は通常、テーパ付き分割クラップインサート及び適合するテーパ孔を備えた係止金属ブロックとからなり、これは、コンクリート構造用のポストテンションの技術分野では公知である。スタブアンカー128のチャンネル158を通す水平テンションケーブル112の布設及び水平貫通管体114通した隣接スタブアンカー128への挿通のプロセスは、全てのスタブアンカー128が水平テンションケーブル112によりフープ方向に連結されるまで繰り返される。スタブアンカー128のチャンネル158を通す水平テンションケーブル112の布設及び水平貫通管体114通した隣接スタブアンカー128への挿通のあらゆる組み合わせが実施可能であり、上述の方法の1つ又はそれ以上を用いて、ハウジング部材44に対する所要のポストテンション応力を与えることができる。
【0039】
垂直テンションケーブル111は、1つのスタブアンカー128を通して布設され、次いで、垂直貫通管体110を通して上側又は下側の次のスタブアンカー128(図示せず)に高さ方向又は垂直方向に延びる。垂直テンションケーブル111の布設プロセスは、垂直線におけるスタブアンカー128の全てが、垂直テンションケーブル111によって垂直貫通管体110を通して連結されるまで繰り返される(図示せず)。
【0040】
本開示はまた、風力タービン立体フレームタワー30用のモジュール式表面基盤要素10を形成する方法を提供し、該方法が、一連のポストテンションケーブル111、112を有する複数のハウジング部材44を製作する段階と、掘削又は他の手段により、フーチング部材46を保持する複数の浅溝62を形成する段階と、浅溝62内にフーチング部材46を配置する段階と、複数のフーチング部材46に複数のハウジング部材44を取り付けて該複数のフーチング部材46に複数のハウジング部材44を固定する段階と、ポストテンションケーブル111、112を用いてハウジング部材44に張力を加え、立体フレームタワーに対する支持と高さの増大をもたらして、内部空間を含むようにする段階と、風力タービン立体フレームタワー30の構造部材40をハウジング部材44に取り付ける段階と、を含む。フーチング部材46は、現場外で予め製作されて現場で組み立てることができ、又は、浅溝62内に形成されるコンクリートに打設することができる。
【0041】
好ましい実施形態を参照しながら本発明を説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく種々の変更を行うことができ且つ本発明の要素を均等物で置き換えることができる点は理解されるであろう。加えて、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況又は物的事項を本発明の教示に適合するように多くの修正を行うことができる。従って、本発明は、本発明を実施するために企図される最良の形態として開示した特定の実施形態に限定されるものではなく、また本発明は、提出した請求項の技術的範囲内に属する全ての実施形態を包含することになるものとする。
【符号の説明】
【0042】
20 ナセル
30 立体フレームタワー
44 ハウジング部材
46 フーチング部材
58 コンクリートフーチング
100 モジュール式表面基盤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力タービン立体フレームタワー(30)用のモジュール式表面基盤(100)であって、
複数のフーチング部材(46)と、
前記フーチング部材(46)の各々上に配置され、前記フーチング部材(46)から延びて、風力タービンタワー(30)の一部を形成する1つ又はそれ以上の構造部材(40)に取り付けるハウジング部材(44)と、
を備え、
前記ハウジング部材(44)が、前記立体フレームタワー(30)に対して支持と高さの増大とをもたらし、内部空間(140)を含む、
モジュール式表面基盤(100)。
【請求項2】
各フーチング部材(46)が更に、浅溝(62)内に配置されるコンクリートフーチング(58)を含み、前記浅溝(62)が前記コンクリートフーチング(58)と実質的に同様の形状である、
請求項1に記載のモジュール式表面基盤(100)。
【請求項3】
前記ハウジング部材(44)が、炭素繊維複合材、強化炭素繊維複合材、ガラス繊維複合材、強化ガラス繊維複合材、コンクリート、鉄筋コンクリート、金属、及びこれらの組み合わせを含む、
請求項1又は2に記載のモジュール式表面基盤(100)。
【請求項4】
前記ハウジング部材(44)が、鉄筋(122)によって更に支持され且つポストテンション部材(111、112)により圧縮されるコンクリート構造を含む、
請求項1又は2に記載のモジュール式表面基盤(100)。
【請求項5】
前記モジュール式表面基盤(100)の中心間寸法が、前記モジュール式表面基盤要素(10)の直径の約1.0から約1.5倍であり、及び/又は前記モジュール式表面基盤要素(10)の高さが、該要素の直径の約1.25から約1.75倍である、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のモジュール式表面基盤(100)。
【請求項6】
前記ハウジング部材(44)が、円錐形、円錐台形、三角錐形、四角錐形、円筒形、立方体形、五角柱形、六角柱形、七角柱形、八角柱形、九角柱形、又は十角柱形である、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のモジュール式表面基盤(100)。
【請求項7】
前記内部空間(140)が、前記風力タービン用のダウンタワー装備(56)を収容する、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のモジュール式表面基盤(100)。
【請求項8】
風力タービン立体フレームタワー(30)用のモジュール式表面基盤(100)を形成する方法であって、
(a)一連のポストテンションケーブル(111、112)を有する複数のハウジング部材(44)を製作する段階と、
(b)フーチング部材(46)を保持する複数の浅溝(62)を形成する段階と、
(c)前記浅溝(62)内に前記フーチング部材(46)を配置する段階と、
(d)前記複数のフーチング部材(46)に前記複数のハウジング部材(44)を取り付けて、該複数のフーチング部材(46)に前記複数のハウジング部材(44)を固定する段階と、
(e)前記ポストテンションケーブル(111、112)を用いて前記ハウジング部材(44)に張力を加え、前記立体フレームタワー(30)に対する支持と高さの増大をもたらして、内部空間(140)を含むようにする段階と、
(f)風力タービン立体フレームタワー(30)の構造部材(40)を前記ハウジング部材(44)に取り付ける段階と、
を含む方法。
【請求項9】
前記ハウジング部材(44)が更に、ドア(50)、熱交換ダクト(54)、通気口(48)、階段部(52)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択された1つ又はそれ以上を含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項10】
モジュール式表面基盤(100)のハウジング部材(44)の複数のパネル(105)を形成する閉鎖可能な本体を有する装置(130)であって、
前記本体が更に、コンクリートを受けるアパーチャ(138)を包含する上部部分(136)と、水平方向及び垂直方向に貫通して延びる管体(134)を包含する下部部分(132)とを含み、
前記形成されたパネル(105)が共に接合されて前記ハウジング部材(44)を形成し、
前記ハウジング部材(44)が、フーチング部材(46)上に配置され、風力タービン立体フレームタワー(30)の一部を形成する1つ又はそれ以上の構造部材(40)に取り付けられ、
前記ハウジング部材(44)が、前記立体フレームタワー(30)に対して支持と高さの増大とをもたらし、内部空間(140)を含む、
装置(130)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−17245(P2011−17245A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−154402(P2010−154402)
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】