風力発電装置のローターブレード
【課題】所定の輪郭深さを有するローターブレード、および従来よりよい効率を持つ風力発電装置を提供する。
【解決手段】風力発電装置のローターブレードは、翼弦長において、最先端から約15%〜40%の間の範囲内、好ましくは約23%〜28%の範囲内の位置でローターブレードの横断面の厚さは増大となり、その最大の厚さは、約20%と45%の間に、好ましくは、約32%と36%の間にある。
【解決手段】風力発電装置のローターブレードは、翼弦長において、最先端から約15%〜40%の間の範囲内、好ましくは約23%〜28%の範囲内の位置でローターブレードの横断面の厚さは増大となり、その最大の厚さは、約20%と45%の間に、好ましくは、約32%と36%の間にある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、風力発電装置のローターブレードおよび風力発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この点の注目での最先端技術として、Erich Hauによる「Windkraftanlagen」(1996年)の書物に一般に向けられるべきである。その書物は、風力発電装置を含み、そのような風力発電装置のロータープレードおよびそのローターブレードの横断面が最先技術として述べられている。102ページの図5.34は、NACAに基づく航空力学のローターブレードの幾何学的なローターブレードパラメーターを例証している。ローターブレードは、翼弦長に対応するローターブレードの深さ、翼弦上に平均ラインの最大上昇である最大の反り(又は反りの比率)、反りの増加(つまり、最大の反りが、ローターブレードの横断内に提供される箇所での横断面の深さに対する位置)、中央ライン上の中心ポイントで記される円の最大直径としての最大ローターブレード厚さ、および厚さの増加(ローターブレードの横断面がその最大ローターブレード厚さとなる箇所での、輪郭深さに対する位置)、によって記述されていることに理解されるべきである。さらに、ローターブレードの横断面について述べるために、最先端の半径および、下側およびトップの調和した形状が考察される。Erich Hauの書物からの既知の用語は、この出願のローターの断面の別の記述のために、保持されなくてはならない。
【0003】
ローターブレードは多くの態様に関して最適化されることになっている。一方では、それらは静かであるべきであり、他方では、最大の動的パワーを供給もすべきであり、そのため、ほんの少しの風であっても、風力発電装置は始動し、公称の風速(風力発電装置の公称パワーに初めて到達する速度)、はできるだけ低い力の風で到達する。
【0004】
風速がその後、さらに上昇すれば、ピッチが調整される今日の風力発電装置を考慮した時、ローターブレードは、公称パワーが更に維持され、風に対してローターブレードの作用する作用表面エリアは減少して、風力発電装置の全体あるいは一部を機械的な損害から保護する。しかしながら、風力発電装置のローターブレードの翼形の航空力学の特性に大きな重要性が起因することは重大である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明の目的は、ローターブレードの翼形を有するローターブレード、および、従来より良い効率の風力発電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明によれば、前記目的は、独立クレームのうちの1つで述べられるような特徴を備えたローターブレードの縦断面があるローターブレードにより達成される。有利な発展は付帯的なクレームに記述される。この発明によるローターブレードの翼形における特定のものが表1の中で述べられる。この発明は、多くの図面によって以下、例証される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】この発明による風力発電装置の正面からの斜視図を示す。
【図2】この発明による風力発電装置の背後および側部からの斜視図を示す。
【図3】この発明による風力発電装置の側部から見た図を示す。
【図4】この発明による風力発電装置の様々な方向から見た図を示す。
【図5】この発明による風力発電装置の様々な方向から見た図を示す。
【図6】この発明による風力発電装置の様々な方向から見た図を示す。
【図7】この発明による風力発電装置の様々な方向から見た図を示す。
【図8】この発明による風力発電装置の様々な方向から見た図を示す。
【図9】この発明による風力発電装置の拡大したスケールでの図を示す。
【図10】この発明によるローターブレードの図を示す。
【図11】この発明による風力発電装置の様々な図を示す。
【図12】この発明による風力発電装置の様々な図を示す。
【図13】この発明による風力発電装置の様々な図を示す。
【図14】この発明による風力発電装置の様々な図を示す。
【図15】この発明による風力発電装置の様々な図を示す。
【図16】この発明による風力発電装置の様々な図を示す。
【図17】この発明による風力発電装置の様々な図を示す。
【図18】この発明によるローターブレードのハブ近傍での横断面図を示す。
【図19】この発明による風力発電装置の様々な図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
この出願に基づき記述されるローターブレードの翼形は、特に、(ハブへの接続のために)ローターブレード接続を行う、ローターブレードの箇所で規定される。好ましくは、この明細書に記述されたローターブレード1は、ローターブレード1の全長に対し、最初の1/3で規定される。この点で、ローターブレード1の全長は、風力発電装置が含まれるべき公称パワーに依存して、10 mから70mの間にある。したがって、例えば、Enercon社のタイプE−30からの風力発電装置の公称パワーが300kWである一方、Enercon社のタイプE−112(直径、約112m)からの風力発電装置の公称パワーは4.5MWである。
【0009】
この発明によるローターブレードの翼形で特に特徴的であることは、その翼形の最大厚さが、ローターブレードの翼弦長の約25%から40%の間に、好ましくは、ローターブレードの翼弦長32%から36%の間にあるということである。図18では、ローターブレードの最大厚さは、ローターブレードの翼弦長の約34.6%である。ローターブレード後縁3の中心2からローターブレード前縁5の主要なポイント4に及ぶ翼弦が図1で示される。厚さの増大(つまり、ブレード長にわたって最大の翼形の厚さが生じるところの部位)は、翼弦長において、前縁から約20%から30%の間であり、好ましくは、23%から28%の間であり、図示した例では25.9%である。最大厚さは、翼弦に垂直になっていることが確認され、また、その増大は、ローターブレードの前縁5と関係がある。
【0010】
さらに、図18は、中間の反りライン7が何であるかを示す。その反りライン7は、ローターブレード8の各ポイントでのそれぞれの厚さの半分に起因する。従って、その反りラインは、まっすぐには延在せずに、ローターブレード1の加圧側面11上と、ローターブレード1の減圧側面10とに対向して配置されたポイントの間で常に正確に延在する。その反りラインは、ローターブレードの後縁およびローターブレードの前縁で翼弦と交差する。
【0011】
この発明によるローターブレードの横断面中の反りの増大の位置は、翼弦長の約55%から70%の間に、好ましくは約59%から63%の間にある。図示した例では、反りラインの増大の位置は翼弦長の約61.9%である。この場合、最大の反りの値は、翼弦長の約4%から8%の間に、好ましくは約5%から7%の間にある。図示した例において、反りは、翼弦長の約5.87%である。
【0012】
この発明によるローターブレードの翼形の点で特に著しいことは、加圧側面のローターブレードが翼弦を2回カットすることであり、つまり、その箇所では、加圧側面が凹面形状であるのに対し、翼形の前面では加圧側面が凸面の形状であることである。加圧側面が凹面の形状である領域では、反対側に配置された減圧側面は、ほぼ直線ラインにより境界が設定される。
【0013】
加圧側面11に、凹面の屈曲を備えること、あるいは減圧側面10に、直線状の境界を備えることは確かに公知である。しかしながら、それらの2つの手段の結合は、この発明によるローターブレードの翼形に対しては大きな意義があり、そして、この発明によるローターブレード1に関して特有である。さらに、図示したローターブレード1の翼形の後縁3は顕著に厚い。しかしながら、図示した翼形は、ローター円の内側の1/3にあり、軌道の速度があまり高くので、そのことは、ローターブレードの後縁3で音の発生に関する問題を引き起こさない。
【0014】
図の中で示された形状のx−y−座標は、表1に再掲される。また、したがって、この発明によるローターブレードの横断面はそこに正確に記載される。
〔表1〕
【0015】
ローターブレードの航空力学の形を改善するために、ローターブレードは根本の領域では最大の幅(すなわち翼弦長)をもち、従って、最適の航空力学の形に多かれ少なかれ近似される形(平面図では)である。
【0016】
好ましくは、ローターブレードの根本の領域では、ローターブレードは、ローターブレードの根本の下端(それは風力発電装置のポッドの方に向いている)が、ローターブレードが少なくとも1つの角位置にあるときには、ポッドの外部輪郭に適応されるような構造である。例えば、ポッドと、ローターブレードの根本の下端(これは、ローターブレードが公称の風位置の中に位置する場合、ポッドの方へ向いている)との間に、非常に小さな間隔、例えば約5mmから100mmの間の間隔が存在する。
【0017】
上記の示された特性を備えたローターブレードは、部分的に10%まで、パワーの顕著なより高い増大の余裕がある。予測できなかったパワーの増加によって、この発明による風力発電装置は、公称の風速以下の与えられた風速で、より高いパワー出力を達成する。さらに、それは、その公称パワー出力に従来より早く到達する。従って、そのローターブレード1もより早く回転でき(ピッチが早まり)、これは、一方では音放射のレベルが、他方、設置上の機械的な負荷が低下することを提供する。
【0018】
その観点では、この発明は、最近一般的なローターブレードの輪郭が、明白に異なる風速を用いて、しかし常に一定の気流で、風洞の中で調査されるという認識に基づく。自然界において、しかしながら、風が表面のエリアで一様に吹くことは極めてまれな場合であり、むしろ確率的な法則にゆだねられ、既知のローターブレードは、突風の結果として、ローターハブの近くのブレードの内部領域でフローの剥離を必ず含み、そのブレードは、事実、空気力学的に最適の配置にもはや存在しない。フローの剥離現象は、それの(ローターブレード先端の)外側領域の方向のローターブレードに沿った距離に伝わる。その結果、そのフローは、ローターブレードから分離されるようになり、その結果、対応するパワーロスに帰着する。この発明および上記の記述された基本的な状況にしたがって注意を払う場合には、新規なローターブレードでかつ、ローターブレードの内部領域に置いても新規な、ローターブレードのために、パワー出力の相当な増加を達成することが可能である。
【0019】
今、既知の標準のローターブレードが、この出願で提案した経験的に確認されたローターブレードの代わりに使用された場合、ローターブレードのための空気力学に新規な配置を与えるために、本願の場合に比べてほぼ2倍の最大輪郭深さ(これはローターブレードの翼弦長に相当)が、より低いローターブレードの領域(ハブの近くの領域)で要求されるであろう。前縁領域では、大きな翼形厚さが、負荷を安全にかつ信頼して伝えるために要求される。また2を越えるリフト値が要求される。
【0020】
この従来の状況からわかるように、最近、一般的に構築されたローターブレードは、内部の領域で最大限の程度まで資源の節約に大きく貢献する。それに関する典型的な例は、既に上に引用したErich Hauによる1996年の「Windkraftanlagen」の114ページから115ページ内に分野の状況が示される。ローターブレードの接続部からある距離の領域、つまり、ローターブレードの接続部に近い領域(そこでは、従来の状況に基づきローターブレードの材料が節約される)で、常に輪郭深さが最大となることが理解できるであろう。しかしながら、最適の形が設計で使用される場合、ローターブレードの最も大きな最大輪郭深さは、例えば、ローターブレードの接続部から離れておらず、ローターブレードの接続部自身の領域にある。したがって、その構造は、ローターブレードの内部の領域で可能な限り大きな量の材料を節約しない。
【0021】
従来実行されていた、材料の節約の理由は、ローターブレードの計算/開発に関して、(前に記述したように)フロー条件を考慮することに存在する。ローターブレードのための現在の計算プログラムがローターブレードを個々の間隔に分割し、全体のローターブレードのための評価をそこから引き出すために、各ローターブレード自身を計算するという事実がそれに加えられる。
【0022】
しかしながら、現実には多少異なっているように見えることに気づくであろう。一方では、風は、与えられた表面エリア領域内に一様に、かつ静的に吹くことはなく、著しく確率的な挙動を示す。他方、内側の領域(それはローターハブの近くの領域)のローターブレードの低い周囲速度によって、風速の影響は相当であり、従って、入射角は、前記領域にて、瞬間風速に依存した高いレベルで変化する。それの結果として、ローターブレードからのフローの分離は、ローターブレードの内側の領域で頻繁に生じる。
【0023】
そのような状況ではヒステリシス効果が作用する。すなわち、突風が過ぎた後、前の風速が再び生じた場合、ローターブレードでの流れは前と同じではないという効果である。もっと正確に言えば、同じ流れがローターブレードの表面に対して再び接するまで、風速はさらに落ちなければならない(したがって入射角はさらに変更されるに違いない)。しかしながら、風速がさらに落ちない場合、同じ流れがローターブレード表面に再び接していないので、ローターブレードへの風の流入にもかかわらず、力がローターブレードに及ぼされないことが、長い期間、起こるかもしれない。
【0024】
フロー剥離の危険は、ローターブレードのこの発明による構成によって著しく低減される。その剥離の危険も比較的厚い輪郭によって低減される。パワーの相当な増加も次の事実によってうまく説明することができる。その事実とは、ヒステリシスの影響により、一旦、フローの剥離が生じると、(最先端技術に基づくローターブレードでは)パワーロスは相当な期間に維持されるということである。
【0025】
パワーの増加の別の部分は、風が最小の抵抗の経路を利用するという事実によって説明することができる。したがって、ローターブレードがハブ近くの内側領域で非常に薄い場合(材料を大きく節約)、この内側領域はローター円の作動エリア内の「スリップ穴」と等価であり、そのスリップ穴を通って、空気が優先的に流れる。これは、ローター円エリア一帯の一様な分布に常に基づく共通の計算プログラムにおいては短所となることは確かである。
【0026】
もし「スリップ穴」が、ハブ近くの領域のローターブレードの形態のために「閉じ」られれば、全体の円形表面エリアに気流の改善された分布を生じさせ、したがって、ローターブレードの外側領域に対する効果も多少増加される。従って、その「スリップ穴」を「閉じる」ステップは、この発明によるローターブレードのより高いパワー出力に貢献する。
【0027】
「スリップ穴」に直接隣接するローターブレード部分を、全体のローターブレード部分と仮定していることは、従来の計算プログラムの別の短所である。特別のフロー条件(意図したフロー条件の頻繁なフロー・ブレークダウンおよびその後の回復)のため、そのように仮定できない。
【0028】
図11〜17は、正面からの、あるいは側部からのこの発明による風力発電装置の斜視図を示す。ハブ近くのブレード領域において、3枚のローターブレードがどのようにして、ほとんどシームレスでポッドの外部配置へ推移するかに関して見ることができる。しかしながら、それらが公称上の風位置にある限りでは、これは、ローターブレードの位置に関してのみ当てはまる。
【0029】
その後、風が公称の風をさらに上回る風が生じるなら、通常のように、ローターブレードは、ピッチ・コントロール(ピッチ調整)によって風からゆっくり移動させられる。図15は、その場合では、より大きな間隔が、ローターブレードの内側領域の下端と、ポッドとの間に確かにあることを示す。しかしながら、図15は、さらに構造がポッドの外部上に備えられていることを示している。その構造の横断面は、極めて本質的に、ハブ近くの領域のローターブレードの翼形の横断面に一致する。ローターブレードが公称速度にて入射角に向く場合、その構造は、ローターブレードの直下にあり、そのため、その構造と、ハブ近くの領域内のローターブレードとの間に小さなギャップだけが存在する。
【0030】
従って、ポッドは、さらにローターブレード(それはローターブレードの一体的な構成部分でない)の一部を含む。
【0031】
図18の中で示されたローターブレードの翼形の場合は、前縁5の半径は、翼弦長のおよそ0.146倍である。
【0032】
図18から理解されるように、減圧側面の周長さは、より長く、ほとんど直線状の領域である。それは例えば以下のように記述することができる:輪郭深さが最大輪郭深さすなわち翼弦長の38%〜100%の間の領域では、輪郭半径は、輪郭深さの1.19倍である。輪郭深さが最大輪郭深さの40%〜85%の間の領域では、輪郭半径は、輪郭深さのおよそ2.44倍である(図18を参照)。輪郭深さが最大輪郭深さの42%〜45%の間の領域では、その半径は、輪郭深さの5.56倍である。
【0033】
輪郭深さが最大輪郭深さの36%〜100%の間の領域では、理想的直線からの最大の偏差は輪郭長さの約0.012倍である。その値は、臨界的な値であり、曲率半径が変化するとき、最も大きな曲率半径はそれぞれの領域で既に特定している。
【0034】
図示した例では、加圧側面の周長さは、輪郭深さの1.112倍である一方、減圧側面の周長さは輪郭深さの約1.124倍である。これは、減圧側面が、加圧側面より、単にわずかに些細に長いことを意味する。加圧側面に対する減圧側面の周長さの比率が、1.2未満である場合、好ましくは1.1未満、または、1から1.03の値の範囲内なら、それはしたがって極めて有利である。
【0035】
示された図面から理解されるように、ローターブレードは、スピナーで(つまり、風力発電装置のポッドの外側で)最大の輪郭深さすなわち翼弦長を直接持つ。したがって例えば、30mのローター径を備えた風力発電装置の場合には、スピナーでの最大輪郭深さは、約1.8mと1.9mの間に、好ましくは1.84mである。従ってもし、スピナーがほぼ3.2mの直径であれば、スピナーでのローターブレードの輪郭に対する、スピナーの径との比は約0.575である。最大輪郭深さとスピナーとの比率が0.4以上、あるいは0.5〜1の値の範囲内であれば、それはしたがってかなり有利である。その点では、各値は、上記の示された範囲にあると仮定することができる。上記の特定した例においては、最大輪郭深さとローター径の比率は約0.061である。従って、最大輪郭深さとローター径の比率が0.05〜0.01の間の値より大きな場合、その「スリップ穴」はできる限り小さくなり、それに関しては、例として与えられた値は、ローターブレードの効率については、非常に適切であると証明されている。なお、ローターブレードの表面は、根元部分で主ブレード面から、ローターブレードがねじれる方向に傾いている。
【0036】
別の例は、図18の中で示されたローターブレードの横切りを備えたローターブレードであり、ローターハブに近い側の1/3では、スピナーでの最大輪郭深さは約4.35m、スピナー径は5.4m、およびローター径は、全長71mである。また、スピナー径に対する最大輪郭深さの比は0.806であり、最大輪郭深さとローター径の比率も0.061である。上記の示された値は、ピッチ調整を備えたトリプルブレードに関する。
【0037】
記述されたように、この発明によるローターブレードの場合には、ローターブレードの最も広い位置(最も大きな翼弦長を有する位置)は、まさしくローターブレードの接続領域であり得る。そのローターブレード1の接続は、風力発電装置のハブにローターブレードが接続(結合、ねじ止めなど)される箇所である。さらに、ローターブレードの下端16(つまり風力発電装置のポッドの方に面する端)は、ポッドの外周部に極めて実質的に適合されるか、あるいは縦の方角に一致する。従って、ローターブレードがフェザー位置(もはや、風の方へ面する表面エリアが皆無)にある場合、この場合、そのローターブレードは、ポッドに向かう、下端と平行であり、下端とポッドの外周部との間の間隔は、最小、好ましくは50cm未満あるいは、または20cm未満である。
【0038】
さて、そのローターブレードが風の方向にセットされる場合、ローターブレードに極めて近い領域(スリップ穴が極めて小さい)であっても、そのローターブレードは最大サイズの表面積を含む。前述の参照したErich Hau は、従来のローターブレードは、ハブに近づくにつれ規則的に減少することを示し(そのローターブレードは、そこでは幅すなわち翼弦長が最も広い部位に比べて幅がより狭い)、反対に、この発明によるローターブレードの場合には、そこで、最良の可能な程度まで風を有効的に利用することができるように、幅が最も広い位置は、まさしくハブ近傍の領域にある。
【0039】
周知なように、非常に大きなローターブレード1を扱う場合、ローターブレードの非常に大きな幅すなわち翼弦長は、ハブ17近傍に含まれる。今までどおりそのようなローターブレード1を輸送することができるように(大きなローターブレードの場合には、つまり、ローターブレードが30mより長い場合、ハブ近くの領域のローターブレードの幅は、確実に5mから8mの間にあり得る)、ローターブレードは2つの部品で構成することが出来、その場合には、2つの部品は輸送の間に分離され、輸送後に合体される。その目的のために、その2つの部分は、風力発電装置に装着される前に、例えばねじ接続および取り外し不可の接続(接着剤)で一体に結合される。大きなローターブレードを扱う場合、それらのサイズのため、ローターブレードが合体されるため内部からアクセス可能なので、それは特に問題ではなく、そのため、合体された時、ローターブレードに、部品間で外観および分離ラインに、ほとんど目に見えないか、全く見えない、単一の外観を与える。
【0040】
初期の測定が示すように、この発明によるローターブレードの設計は、公知のローターブレードと比較して著しく効率を増加させることができる。この発明による風力発電装置1の場合には図4〜8から理解できるように、そのローターブレードは、ハブの近くの領域で最も大きな最大輪郭深さすなわち翼弦長を持ち、更に、ローターブレードは、それらの全体の輪郭に沿って、ハブの近くの領域で移動させられ、風力発電装置の機械ハウジングのポッドのクラッド(スピナー)に極めて接近する。従って、ローターブレードの位置が、公称の風の範囲までの風速で採用される角度であることは、ローターブレードとポッドのクラッドとの間に非常に小さな間隔があることを意味する。他方、図1、2および3の中で例えば示されるような場合は、ローターブレードはそれらの輪郭の後部部分と共に、ポッドの外部のクラッドに極めて接近して移動される。例えば図11〜17の中で示される代替の実施例では、ポッドの外部のクラッドすなわちハブクラッドはローターブレードの一部であるがローターブレードとは一体ではない構造30を備えている。したがって、ポッドの外側に備えられたローターブレードの一部である構造が、ポッドの外部のクラッドに固定され、公称の風速までのローターブレードの角度位置に対応する角度位置に配置されることは、特に図15および17から明確に見られる。その結果、少なくとも公称の風までの風速では、後部領域におけるローターブレードの下端とポッドの間に最小のギャップがある。
【0041】
ローターブレードのこの発明による形態では、ローターの中心に、風のための全く小さな「スリップ穴」のみが存在することは、さらに図19から明確に見ることができる。
【0042】
図18は、図17の中でラインA−Aに沿って得られるようなこの発明によるローターブレードの横断面を示し、つまり、ハブの近くの領域でのローターブレードのローターブレードである。
【0043】
図17は、さらにスピナーの直径Dをいかに理解されるかを示すことを含む。
【0044】
ローターの直径は、回転する場合、ローターによってカバーされる円エリアの直径によって示される。
【0045】
図15および他のものから理解できるように、回転可能なローターブレードの一体化された構成部分でないローターブレードの一部30は、ポッドの外部のクラッドの一体化された構成する部分である。それぞれの部分は、ポッドにねじで留めることができるか、あるいは、ポッドに対して一片に接着されるか結合される。
【0046】
以下、本発明の好ましい実施形態を示す。
(実施形態1)
風力発電装置のローターブレードであり、そのローターブレードは、ほぼ15%〜40%の範囲、好ましくは約23%〜28%の範囲の厚さ地点を有し、そして、最大輪郭厚さは、約20%〜45%であり、好ましくは約32%〜36%であるローターブレード。
(実施形態2)
ローターブレードの横断面は、平均反りラインによって記述され、その最大の反りは、50°と70°の間の範囲にあり、好ましくはほぼ60°と65°の間の範囲にある実施形態1に係るローターブレード。
(実施形態3)
最大の反りは、約3%と10%の間にあり、好ましくは約4%と7%の間にある実施形態2に係るローターブレード。
(実施形態4)
前記横断面は、好ましくは、ローターブレードの接続部に隣接する、ローターブレードの下1/3に設けられる実施形態1〜3のいずれかに係るローターブレード。
(実施形態5)
ローターブレードは加圧側および減圧側面を有し、前記加圧側面は、凹面の湾曲を備えた部分を有し、そして、減圧側面には、ほとんど直線の部分が設けられる実施形態1〜4のいずれかに係るローターブレード。
(実施形態6)
ローターハブに装着される少なくとも1つのローターブレードおよびハブ・クラッド材を備え、前記ハブ・クラッド材の外側にローターブレードの一部が設けられ、前記ローターブレードの一部は、ハブ・クラッド材に固定的に結合されるが、風力発電装置のローターブレードの一体の構成部分でないことを特徴とする風力発電装置。
(実施形態7)
ハブ・クラッド材上に設けられるローターブレードの一部の輪郭面は実質的に、ハブ近傍領域でのローターブレードの輪郭に対応する実施形態6に係る風力発電装置。
(実施形態8)
ハブ・クラッド材上に設けられるローターブレードの一部は固定され、かつ、公称の風速以下の公称上の風速でのローターブレードの位置では、前記一部が、風力発電装置のローターブレードのハブ近傍領域の直下に位置するように、実質的に方位設定される実施形態7に係る風力発電装置。
(実施形態9)
実施形態1〜5のいずれかに係る少なくとも1つのローターブレードを備える風力発電装置。
(実施形態10)
風力発電装置は、ローターブレードのハブ領域で最大の輪郭深さを有する少なくとも1つのローターブレードを設けたローターを有し、ローター直径に対する輪郭深さの比率は、約0.04と0.1の間の範囲にある値、好ましくは約0.055とO.7の間の値、例えば0.061を取る実施形態9に係る風力発電装置。
(実施形態11)
発電機およびその発電機に接続されたローターを収容する機械ハウジングを備え、前記ローターは少なくとも2つのローターブレードを含み、前記ローターは、クラッド材(スピナー)を備えるハブを有し、前記スピナーの直径に対するローターブレードの輪郭深さの比率は、0.4以上の値であり、好ましくは、0.5〜1の範囲の値である実施形態9または10に係る風力発電装置。
(実施形態12)
好ましくは2つ以上のローターブレードを有するローターを備え、そのローターブレードは、最適の航空力学の形に幾分近似させた台形の形を有し、そのローターブレードは、ローターブレードの根本の領域でその最大幅を有し、又、風力発電装置のポッドに面する、ローターブレード根本は、そのエッジの形状が実質的に、ポッドの外部輪郭に(縦方向で)一致するよう形成された実施形態6〜11のいずれかに係る風力発電装置。
(実施形態13)
ポッドの方へ面する、ローターブレードの下側のエッジは、根本領域で、フェザー位置へのローターブレードの回転後には、ポッドの外部輪郭とほとんど平行である実施形態12に係る風力発電装置。
(実施形態14)
ポッドの方へ面するローターブレードの下側のエッジとポッドの外部輪郭との間隔は、フェザー位置で、50cm未満で好ましくは20cm未満である実施形態13に係る風力発電装置。
(実施形態15)
ローターブレードは、根本領域で主ブレード面から傾斜している実施形態6〜14のいずれかに係る風力発電装置。
(実施形態16)
ローターブレードは、根本領域で2個の部品で構成され、ローターブレードの縦方向に向かう分離ラインがある実施形態6〜15のいずれかに係る風力発電装置。
(実施形態17)
ローターブレードの両方の部品は、ローターブレードの風力発電装置への設置直前に合体される実施形態16に係る風力発電装置。
(実施形態18)
ローターブレードの部品はローターブレードの輸送の間は分離される実施形態16または17に係る風力発電装置。
(実施形態19)
風力発電装置は、減圧側面および加圧側面によって特徴づけられる少なくとも1つのローターブレードを持ち、加圧側面の長さに対する減圧側面の長さの比率は、1.2の値未満で好ましくは1.1の未満で、特に1〜1.03の間の値の範囲内にある実施形態6〜18のいずれかに係る風力発電装置。
【符号の説明】
【0047】
1 ローターブレード
2 ローターブレードの中心
3 ローターブレード後縁
5 ローターブレード前縁
30 ローターブレードの一端
【技術分野】
【0001】
この発明は、風力発電装置のローターブレードおよび風力発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この点の注目での最先端技術として、Erich Hauによる「Windkraftanlagen」(1996年)の書物に一般に向けられるべきである。その書物は、風力発電装置を含み、そのような風力発電装置のロータープレードおよびそのローターブレードの横断面が最先技術として述べられている。102ページの図5.34は、NACAに基づく航空力学のローターブレードの幾何学的なローターブレードパラメーターを例証している。ローターブレードは、翼弦長に対応するローターブレードの深さ、翼弦上に平均ラインの最大上昇である最大の反り(又は反りの比率)、反りの増加(つまり、最大の反りが、ローターブレードの横断内に提供される箇所での横断面の深さに対する位置)、中央ライン上の中心ポイントで記される円の最大直径としての最大ローターブレード厚さ、および厚さの増加(ローターブレードの横断面がその最大ローターブレード厚さとなる箇所での、輪郭深さに対する位置)、によって記述されていることに理解されるべきである。さらに、ローターブレードの横断面について述べるために、最先端の半径および、下側およびトップの調和した形状が考察される。Erich Hauの書物からの既知の用語は、この出願のローターの断面の別の記述のために、保持されなくてはならない。
【0003】
ローターブレードは多くの態様に関して最適化されることになっている。一方では、それらは静かであるべきであり、他方では、最大の動的パワーを供給もすべきであり、そのため、ほんの少しの風であっても、風力発電装置は始動し、公称の風速(風力発電装置の公称パワーに初めて到達する速度)、はできるだけ低い力の風で到達する。
【0004】
風速がその後、さらに上昇すれば、ピッチが調整される今日の風力発電装置を考慮した時、ローターブレードは、公称パワーが更に維持され、風に対してローターブレードの作用する作用表面エリアは減少して、風力発電装置の全体あるいは一部を機械的な損害から保護する。しかしながら、風力発電装置のローターブレードの翼形の航空力学の特性に大きな重要性が起因することは重大である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明の目的は、ローターブレードの翼形を有するローターブレード、および、従来より良い効率の風力発電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明によれば、前記目的は、独立クレームのうちの1つで述べられるような特徴を備えたローターブレードの縦断面があるローターブレードにより達成される。有利な発展は付帯的なクレームに記述される。この発明によるローターブレードの翼形における特定のものが表1の中で述べられる。この発明は、多くの図面によって以下、例証される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】この発明による風力発電装置の正面からの斜視図を示す。
【図2】この発明による風力発電装置の背後および側部からの斜視図を示す。
【図3】この発明による風力発電装置の側部から見た図を示す。
【図4】この発明による風力発電装置の様々な方向から見た図を示す。
【図5】この発明による風力発電装置の様々な方向から見た図を示す。
【図6】この発明による風力発電装置の様々な方向から見た図を示す。
【図7】この発明による風力発電装置の様々な方向から見た図を示す。
【図8】この発明による風力発電装置の様々な方向から見た図を示す。
【図9】この発明による風力発電装置の拡大したスケールでの図を示す。
【図10】この発明によるローターブレードの図を示す。
【図11】この発明による風力発電装置の様々な図を示す。
【図12】この発明による風力発電装置の様々な図を示す。
【図13】この発明による風力発電装置の様々な図を示す。
【図14】この発明による風力発電装置の様々な図を示す。
【図15】この発明による風力発電装置の様々な図を示す。
【図16】この発明による風力発電装置の様々な図を示す。
【図17】この発明による風力発電装置の様々な図を示す。
【図18】この発明によるローターブレードのハブ近傍での横断面図を示す。
【図19】この発明による風力発電装置の様々な図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
この出願に基づき記述されるローターブレードの翼形は、特に、(ハブへの接続のために)ローターブレード接続を行う、ローターブレードの箇所で規定される。好ましくは、この明細書に記述されたローターブレード1は、ローターブレード1の全長に対し、最初の1/3で規定される。この点で、ローターブレード1の全長は、風力発電装置が含まれるべき公称パワーに依存して、10 mから70mの間にある。したがって、例えば、Enercon社のタイプE−30からの風力発電装置の公称パワーが300kWである一方、Enercon社のタイプE−112(直径、約112m)からの風力発電装置の公称パワーは4.5MWである。
【0009】
この発明によるローターブレードの翼形で特に特徴的であることは、その翼形の最大厚さが、ローターブレードの翼弦長の約25%から40%の間に、好ましくは、ローターブレードの翼弦長32%から36%の間にあるということである。図18では、ローターブレードの最大厚さは、ローターブレードの翼弦長の約34.6%である。ローターブレード後縁3の中心2からローターブレード前縁5の主要なポイント4に及ぶ翼弦が図1で示される。厚さの増大(つまり、ブレード長にわたって最大の翼形の厚さが生じるところの部位)は、翼弦長において、前縁から約20%から30%の間であり、好ましくは、23%から28%の間であり、図示した例では25.9%である。最大厚さは、翼弦に垂直になっていることが確認され、また、その増大は、ローターブレードの前縁5と関係がある。
【0010】
さらに、図18は、中間の反りライン7が何であるかを示す。その反りライン7は、ローターブレード8の各ポイントでのそれぞれの厚さの半分に起因する。従って、その反りラインは、まっすぐには延在せずに、ローターブレード1の加圧側面11上と、ローターブレード1の減圧側面10とに対向して配置されたポイントの間で常に正確に延在する。その反りラインは、ローターブレードの後縁およびローターブレードの前縁で翼弦と交差する。
【0011】
この発明によるローターブレードの横断面中の反りの増大の位置は、翼弦長の約55%から70%の間に、好ましくは約59%から63%の間にある。図示した例では、反りラインの増大の位置は翼弦長の約61.9%である。この場合、最大の反りの値は、翼弦長の約4%から8%の間に、好ましくは約5%から7%の間にある。図示した例において、反りは、翼弦長の約5.87%である。
【0012】
この発明によるローターブレードの翼形の点で特に著しいことは、加圧側面のローターブレードが翼弦を2回カットすることであり、つまり、その箇所では、加圧側面が凹面形状であるのに対し、翼形の前面では加圧側面が凸面の形状であることである。加圧側面が凹面の形状である領域では、反対側に配置された減圧側面は、ほぼ直線ラインにより境界が設定される。
【0013】
加圧側面11に、凹面の屈曲を備えること、あるいは減圧側面10に、直線状の境界を備えることは確かに公知である。しかしながら、それらの2つの手段の結合は、この発明によるローターブレードの翼形に対しては大きな意義があり、そして、この発明によるローターブレード1に関して特有である。さらに、図示したローターブレード1の翼形の後縁3は顕著に厚い。しかしながら、図示した翼形は、ローター円の内側の1/3にあり、軌道の速度があまり高くので、そのことは、ローターブレードの後縁3で音の発生に関する問題を引き起こさない。
【0014】
図の中で示された形状のx−y−座標は、表1に再掲される。また、したがって、この発明によるローターブレードの横断面はそこに正確に記載される。
〔表1〕
【0015】
ローターブレードの航空力学の形を改善するために、ローターブレードは根本の領域では最大の幅(すなわち翼弦長)をもち、従って、最適の航空力学の形に多かれ少なかれ近似される形(平面図では)である。
【0016】
好ましくは、ローターブレードの根本の領域では、ローターブレードは、ローターブレードの根本の下端(それは風力発電装置のポッドの方に向いている)が、ローターブレードが少なくとも1つの角位置にあるときには、ポッドの外部輪郭に適応されるような構造である。例えば、ポッドと、ローターブレードの根本の下端(これは、ローターブレードが公称の風位置の中に位置する場合、ポッドの方へ向いている)との間に、非常に小さな間隔、例えば約5mmから100mmの間の間隔が存在する。
【0017】
上記の示された特性を備えたローターブレードは、部分的に10%まで、パワーの顕著なより高い増大の余裕がある。予測できなかったパワーの増加によって、この発明による風力発電装置は、公称の風速以下の与えられた風速で、より高いパワー出力を達成する。さらに、それは、その公称パワー出力に従来より早く到達する。従って、そのローターブレード1もより早く回転でき(ピッチが早まり)、これは、一方では音放射のレベルが、他方、設置上の機械的な負荷が低下することを提供する。
【0018】
その観点では、この発明は、最近一般的なローターブレードの輪郭が、明白に異なる風速を用いて、しかし常に一定の気流で、風洞の中で調査されるという認識に基づく。自然界において、しかしながら、風が表面のエリアで一様に吹くことは極めてまれな場合であり、むしろ確率的な法則にゆだねられ、既知のローターブレードは、突風の結果として、ローターハブの近くのブレードの内部領域でフローの剥離を必ず含み、そのブレードは、事実、空気力学的に最適の配置にもはや存在しない。フローの剥離現象は、それの(ローターブレード先端の)外側領域の方向のローターブレードに沿った距離に伝わる。その結果、そのフローは、ローターブレードから分離されるようになり、その結果、対応するパワーロスに帰着する。この発明および上記の記述された基本的な状況にしたがって注意を払う場合には、新規なローターブレードでかつ、ローターブレードの内部領域に置いても新規な、ローターブレードのために、パワー出力の相当な増加を達成することが可能である。
【0019】
今、既知の標準のローターブレードが、この出願で提案した経験的に確認されたローターブレードの代わりに使用された場合、ローターブレードのための空気力学に新規な配置を与えるために、本願の場合に比べてほぼ2倍の最大輪郭深さ(これはローターブレードの翼弦長に相当)が、より低いローターブレードの領域(ハブの近くの領域)で要求されるであろう。前縁領域では、大きな翼形厚さが、負荷を安全にかつ信頼して伝えるために要求される。また2を越えるリフト値が要求される。
【0020】
この従来の状況からわかるように、最近、一般的に構築されたローターブレードは、内部の領域で最大限の程度まで資源の節約に大きく貢献する。それに関する典型的な例は、既に上に引用したErich Hauによる1996年の「Windkraftanlagen」の114ページから115ページ内に分野の状況が示される。ローターブレードの接続部からある距離の領域、つまり、ローターブレードの接続部に近い領域(そこでは、従来の状況に基づきローターブレードの材料が節約される)で、常に輪郭深さが最大となることが理解できるであろう。しかしながら、最適の形が設計で使用される場合、ローターブレードの最も大きな最大輪郭深さは、例えば、ローターブレードの接続部から離れておらず、ローターブレードの接続部自身の領域にある。したがって、その構造は、ローターブレードの内部の領域で可能な限り大きな量の材料を節約しない。
【0021】
従来実行されていた、材料の節約の理由は、ローターブレードの計算/開発に関して、(前に記述したように)フロー条件を考慮することに存在する。ローターブレードのための現在の計算プログラムがローターブレードを個々の間隔に分割し、全体のローターブレードのための評価をそこから引き出すために、各ローターブレード自身を計算するという事実がそれに加えられる。
【0022】
しかしながら、現実には多少異なっているように見えることに気づくであろう。一方では、風は、与えられた表面エリア領域内に一様に、かつ静的に吹くことはなく、著しく確率的な挙動を示す。他方、内側の領域(それはローターハブの近くの領域)のローターブレードの低い周囲速度によって、風速の影響は相当であり、従って、入射角は、前記領域にて、瞬間風速に依存した高いレベルで変化する。それの結果として、ローターブレードからのフローの分離は、ローターブレードの内側の領域で頻繁に生じる。
【0023】
そのような状況ではヒステリシス効果が作用する。すなわち、突風が過ぎた後、前の風速が再び生じた場合、ローターブレードでの流れは前と同じではないという効果である。もっと正確に言えば、同じ流れがローターブレードの表面に対して再び接するまで、風速はさらに落ちなければならない(したがって入射角はさらに変更されるに違いない)。しかしながら、風速がさらに落ちない場合、同じ流れがローターブレード表面に再び接していないので、ローターブレードへの風の流入にもかかわらず、力がローターブレードに及ぼされないことが、長い期間、起こるかもしれない。
【0024】
フロー剥離の危険は、ローターブレードのこの発明による構成によって著しく低減される。その剥離の危険も比較的厚い輪郭によって低減される。パワーの相当な増加も次の事実によってうまく説明することができる。その事実とは、ヒステリシスの影響により、一旦、フローの剥離が生じると、(最先端技術に基づくローターブレードでは)パワーロスは相当な期間に維持されるということである。
【0025】
パワーの増加の別の部分は、風が最小の抵抗の経路を利用するという事実によって説明することができる。したがって、ローターブレードがハブ近くの内側領域で非常に薄い場合(材料を大きく節約)、この内側領域はローター円の作動エリア内の「スリップ穴」と等価であり、そのスリップ穴を通って、空気が優先的に流れる。これは、ローター円エリア一帯の一様な分布に常に基づく共通の計算プログラムにおいては短所となることは確かである。
【0026】
もし「スリップ穴」が、ハブ近くの領域のローターブレードの形態のために「閉じ」られれば、全体の円形表面エリアに気流の改善された分布を生じさせ、したがって、ローターブレードの外側領域に対する効果も多少増加される。従って、その「スリップ穴」を「閉じる」ステップは、この発明によるローターブレードのより高いパワー出力に貢献する。
【0027】
「スリップ穴」に直接隣接するローターブレード部分を、全体のローターブレード部分と仮定していることは、従来の計算プログラムの別の短所である。特別のフロー条件(意図したフロー条件の頻繁なフロー・ブレークダウンおよびその後の回復)のため、そのように仮定できない。
【0028】
図11〜17は、正面からの、あるいは側部からのこの発明による風力発電装置の斜視図を示す。ハブ近くのブレード領域において、3枚のローターブレードがどのようにして、ほとんどシームレスでポッドの外部配置へ推移するかに関して見ることができる。しかしながら、それらが公称上の風位置にある限りでは、これは、ローターブレードの位置に関してのみ当てはまる。
【0029】
その後、風が公称の風をさらに上回る風が生じるなら、通常のように、ローターブレードは、ピッチ・コントロール(ピッチ調整)によって風からゆっくり移動させられる。図15は、その場合では、より大きな間隔が、ローターブレードの内側領域の下端と、ポッドとの間に確かにあることを示す。しかしながら、図15は、さらに構造がポッドの外部上に備えられていることを示している。その構造の横断面は、極めて本質的に、ハブ近くの領域のローターブレードの翼形の横断面に一致する。ローターブレードが公称速度にて入射角に向く場合、その構造は、ローターブレードの直下にあり、そのため、その構造と、ハブ近くの領域内のローターブレードとの間に小さなギャップだけが存在する。
【0030】
従って、ポッドは、さらにローターブレード(それはローターブレードの一体的な構成部分でない)の一部を含む。
【0031】
図18の中で示されたローターブレードの翼形の場合は、前縁5の半径は、翼弦長のおよそ0.146倍である。
【0032】
図18から理解されるように、減圧側面の周長さは、より長く、ほとんど直線状の領域である。それは例えば以下のように記述することができる:輪郭深さが最大輪郭深さすなわち翼弦長の38%〜100%の間の領域では、輪郭半径は、輪郭深さの1.19倍である。輪郭深さが最大輪郭深さの40%〜85%の間の領域では、輪郭半径は、輪郭深さのおよそ2.44倍である(図18を参照)。輪郭深さが最大輪郭深さの42%〜45%の間の領域では、その半径は、輪郭深さの5.56倍である。
【0033】
輪郭深さが最大輪郭深さの36%〜100%の間の領域では、理想的直線からの最大の偏差は輪郭長さの約0.012倍である。その値は、臨界的な値であり、曲率半径が変化するとき、最も大きな曲率半径はそれぞれの領域で既に特定している。
【0034】
図示した例では、加圧側面の周長さは、輪郭深さの1.112倍である一方、減圧側面の周長さは輪郭深さの約1.124倍である。これは、減圧側面が、加圧側面より、単にわずかに些細に長いことを意味する。加圧側面に対する減圧側面の周長さの比率が、1.2未満である場合、好ましくは1.1未満、または、1から1.03の値の範囲内なら、それはしたがって極めて有利である。
【0035】
示された図面から理解されるように、ローターブレードは、スピナーで(つまり、風力発電装置のポッドの外側で)最大の輪郭深さすなわち翼弦長を直接持つ。したがって例えば、30mのローター径を備えた風力発電装置の場合には、スピナーでの最大輪郭深さは、約1.8mと1.9mの間に、好ましくは1.84mである。従ってもし、スピナーがほぼ3.2mの直径であれば、スピナーでのローターブレードの輪郭に対する、スピナーの径との比は約0.575である。最大輪郭深さとスピナーとの比率が0.4以上、あるいは0.5〜1の値の範囲内であれば、それはしたがってかなり有利である。その点では、各値は、上記の示された範囲にあると仮定することができる。上記の特定した例においては、最大輪郭深さとローター径の比率は約0.061である。従って、最大輪郭深さとローター径の比率が0.05〜0.01の間の値より大きな場合、その「スリップ穴」はできる限り小さくなり、それに関しては、例として与えられた値は、ローターブレードの効率については、非常に適切であると証明されている。なお、ローターブレードの表面は、根元部分で主ブレード面から、ローターブレードがねじれる方向に傾いている。
【0036】
別の例は、図18の中で示されたローターブレードの横切りを備えたローターブレードであり、ローターハブに近い側の1/3では、スピナーでの最大輪郭深さは約4.35m、スピナー径は5.4m、およびローター径は、全長71mである。また、スピナー径に対する最大輪郭深さの比は0.806であり、最大輪郭深さとローター径の比率も0.061である。上記の示された値は、ピッチ調整を備えたトリプルブレードに関する。
【0037】
記述されたように、この発明によるローターブレードの場合には、ローターブレードの最も広い位置(最も大きな翼弦長を有する位置)は、まさしくローターブレードの接続領域であり得る。そのローターブレード1の接続は、風力発電装置のハブにローターブレードが接続(結合、ねじ止めなど)される箇所である。さらに、ローターブレードの下端16(つまり風力発電装置のポッドの方に面する端)は、ポッドの外周部に極めて実質的に適合されるか、あるいは縦の方角に一致する。従って、ローターブレードがフェザー位置(もはや、風の方へ面する表面エリアが皆無)にある場合、この場合、そのローターブレードは、ポッドに向かう、下端と平行であり、下端とポッドの外周部との間の間隔は、最小、好ましくは50cm未満あるいは、または20cm未満である。
【0038】
さて、そのローターブレードが風の方向にセットされる場合、ローターブレードに極めて近い領域(スリップ穴が極めて小さい)であっても、そのローターブレードは最大サイズの表面積を含む。前述の参照したErich Hau は、従来のローターブレードは、ハブに近づくにつれ規則的に減少することを示し(そのローターブレードは、そこでは幅すなわち翼弦長が最も広い部位に比べて幅がより狭い)、反対に、この発明によるローターブレードの場合には、そこで、最良の可能な程度まで風を有効的に利用することができるように、幅が最も広い位置は、まさしくハブ近傍の領域にある。
【0039】
周知なように、非常に大きなローターブレード1を扱う場合、ローターブレードの非常に大きな幅すなわち翼弦長は、ハブ17近傍に含まれる。今までどおりそのようなローターブレード1を輸送することができるように(大きなローターブレードの場合には、つまり、ローターブレードが30mより長い場合、ハブ近くの領域のローターブレードの幅は、確実に5mから8mの間にあり得る)、ローターブレードは2つの部品で構成することが出来、その場合には、2つの部品は輸送の間に分離され、輸送後に合体される。その目的のために、その2つの部分は、風力発電装置に装着される前に、例えばねじ接続および取り外し不可の接続(接着剤)で一体に結合される。大きなローターブレードを扱う場合、それらのサイズのため、ローターブレードが合体されるため内部からアクセス可能なので、それは特に問題ではなく、そのため、合体された時、ローターブレードに、部品間で外観および分離ラインに、ほとんど目に見えないか、全く見えない、単一の外観を与える。
【0040】
初期の測定が示すように、この発明によるローターブレードの設計は、公知のローターブレードと比較して著しく効率を増加させることができる。この発明による風力発電装置1の場合には図4〜8から理解できるように、そのローターブレードは、ハブの近くの領域で最も大きな最大輪郭深さすなわち翼弦長を持ち、更に、ローターブレードは、それらの全体の輪郭に沿って、ハブの近くの領域で移動させられ、風力発電装置の機械ハウジングのポッドのクラッド(スピナー)に極めて接近する。従って、ローターブレードの位置が、公称の風の範囲までの風速で採用される角度であることは、ローターブレードとポッドのクラッドとの間に非常に小さな間隔があることを意味する。他方、図1、2および3の中で例えば示されるような場合は、ローターブレードはそれらの輪郭の後部部分と共に、ポッドの外部のクラッドに極めて接近して移動される。例えば図11〜17の中で示される代替の実施例では、ポッドの外部のクラッドすなわちハブクラッドはローターブレードの一部であるがローターブレードとは一体ではない構造30を備えている。したがって、ポッドの外側に備えられたローターブレードの一部である構造が、ポッドの外部のクラッドに固定され、公称の風速までのローターブレードの角度位置に対応する角度位置に配置されることは、特に図15および17から明確に見られる。その結果、少なくとも公称の風までの風速では、後部領域におけるローターブレードの下端とポッドの間に最小のギャップがある。
【0041】
ローターブレードのこの発明による形態では、ローターの中心に、風のための全く小さな「スリップ穴」のみが存在することは、さらに図19から明確に見ることができる。
【0042】
図18は、図17の中でラインA−Aに沿って得られるようなこの発明によるローターブレードの横断面を示し、つまり、ハブの近くの領域でのローターブレードのローターブレードである。
【0043】
図17は、さらにスピナーの直径Dをいかに理解されるかを示すことを含む。
【0044】
ローターの直径は、回転する場合、ローターによってカバーされる円エリアの直径によって示される。
【0045】
図15および他のものから理解できるように、回転可能なローターブレードの一体化された構成部分でないローターブレードの一部30は、ポッドの外部のクラッドの一体化された構成する部分である。それぞれの部分は、ポッドにねじで留めることができるか、あるいは、ポッドに対して一片に接着されるか結合される。
【0046】
以下、本発明の好ましい実施形態を示す。
(実施形態1)
風力発電装置のローターブレードであり、そのローターブレードは、ほぼ15%〜40%の範囲、好ましくは約23%〜28%の範囲の厚さ地点を有し、そして、最大輪郭厚さは、約20%〜45%であり、好ましくは約32%〜36%であるローターブレード。
(実施形態2)
ローターブレードの横断面は、平均反りラインによって記述され、その最大の反りは、50°と70°の間の範囲にあり、好ましくはほぼ60°と65°の間の範囲にある実施形態1に係るローターブレード。
(実施形態3)
最大の反りは、約3%と10%の間にあり、好ましくは約4%と7%の間にある実施形態2に係るローターブレード。
(実施形態4)
前記横断面は、好ましくは、ローターブレードの接続部に隣接する、ローターブレードの下1/3に設けられる実施形態1〜3のいずれかに係るローターブレード。
(実施形態5)
ローターブレードは加圧側および減圧側面を有し、前記加圧側面は、凹面の湾曲を備えた部分を有し、そして、減圧側面には、ほとんど直線の部分が設けられる実施形態1〜4のいずれかに係るローターブレード。
(実施形態6)
ローターハブに装着される少なくとも1つのローターブレードおよびハブ・クラッド材を備え、前記ハブ・クラッド材の外側にローターブレードの一部が設けられ、前記ローターブレードの一部は、ハブ・クラッド材に固定的に結合されるが、風力発電装置のローターブレードの一体の構成部分でないことを特徴とする風力発電装置。
(実施形態7)
ハブ・クラッド材上に設けられるローターブレードの一部の輪郭面は実質的に、ハブ近傍領域でのローターブレードの輪郭に対応する実施形態6に係る風力発電装置。
(実施形態8)
ハブ・クラッド材上に設けられるローターブレードの一部は固定され、かつ、公称の風速以下の公称上の風速でのローターブレードの位置では、前記一部が、風力発電装置のローターブレードのハブ近傍領域の直下に位置するように、実質的に方位設定される実施形態7に係る風力発電装置。
(実施形態9)
実施形態1〜5のいずれかに係る少なくとも1つのローターブレードを備える風力発電装置。
(実施形態10)
風力発電装置は、ローターブレードのハブ領域で最大の輪郭深さを有する少なくとも1つのローターブレードを設けたローターを有し、ローター直径に対する輪郭深さの比率は、約0.04と0.1の間の範囲にある値、好ましくは約0.055とO.7の間の値、例えば0.061を取る実施形態9に係る風力発電装置。
(実施形態11)
発電機およびその発電機に接続されたローターを収容する機械ハウジングを備え、前記ローターは少なくとも2つのローターブレードを含み、前記ローターは、クラッド材(スピナー)を備えるハブを有し、前記スピナーの直径に対するローターブレードの輪郭深さの比率は、0.4以上の値であり、好ましくは、0.5〜1の範囲の値である実施形態9または10に係る風力発電装置。
(実施形態12)
好ましくは2つ以上のローターブレードを有するローターを備え、そのローターブレードは、最適の航空力学の形に幾分近似させた台形の形を有し、そのローターブレードは、ローターブレードの根本の領域でその最大幅を有し、又、風力発電装置のポッドに面する、ローターブレード根本は、そのエッジの形状が実質的に、ポッドの外部輪郭に(縦方向で)一致するよう形成された実施形態6〜11のいずれかに係る風力発電装置。
(実施形態13)
ポッドの方へ面する、ローターブレードの下側のエッジは、根本領域で、フェザー位置へのローターブレードの回転後には、ポッドの外部輪郭とほとんど平行である実施形態12に係る風力発電装置。
(実施形態14)
ポッドの方へ面するローターブレードの下側のエッジとポッドの外部輪郭との間隔は、フェザー位置で、50cm未満で好ましくは20cm未満である実施形態13に係る風力発電装置。
(実施形態15)
ローターブレードは、根本領域で主ブレード面から傾斜している実施形態6〜14のいずれかに係る風力発電装置。
(実施形態16)
ローターブレードは、根本領域で2個の部品で構成され、ローターブレードの縦方向に向かう分離ラインがある実施形態6〜15のいずれかに係る風力発電装置。
(実施形態17)
ローターブレードの両方の部品は、ローターブレードの風力発電装置への設置直前に合体される実施形態16に係る風力発電装置。
(実施形態18)
ローターブレードの部品はローターブレードの輸送の間は分離される実施形態16または17に係る風力発電装置。
(実施形態19)
風力発電装置は、減圧側面および加圧側面によって特徴づけられる少なくとも1つのローターブレードを持ち、加圧側面の長さに対する減圧側面の長さの比率は、1.2の値未満で好ましくは1.1の未満で、特に1〜1.03の間の値の範囲内にある実施形態6〜18のいずれかに係る風力発電装置。
【符号の説明】
【0047】
1 ローターブレード
2 ローターブレードの中心
3 ローターブレード後縁
5 ローターブレード前縁
30 ローターブレードの一端
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローターハブに取り付けられ翼形を有する少なくとも1つのローターブレードと、ハブクラッドとを備える風力発電装置であり、
ハブクラッドの外側に構造が備えられ、その構造の横断面はローターハブの近傍の領域でのローターブレードの翼形の横断面に対応し、前記構造はハブクラッドに固定して接続され、
ハブクラッド上に備えられた前記構造は、ローターハブに対して静止し、かつ、公称の風速での入射角にローターブレードが設定された時にローターブレードの直下にあるようにハブクラッド上に配置され、その結果、ローターブレードのローターハブの近傍の領域で、前記構造とローターブレードとの間に小さい間隔のみが存在する、風力発電装置。
【請求項2】
ローターブレードの翼弦長において、最先端から20%から30%の範囲の位置で、ローターブレードの横断面の厚さは最大となり、その最大厚さの大きさは、翼弦長の25%から40%の範囲内の値である請求項1記載の風力発電装置。
【請求項3】
ローターブレードの翼形は、中間の反りラインによって記述され、その反り量が最大の位置は、ローターブレードの翼弦長において、最先端から55%から70%の間の範囲にある請求項1または2に記載の風力発電装置。
【請求項4】
前記最大の反り量は、ローターブレードの翼弦長の約4%から8%の間にある請求項1〜3のいずれかに記載の風力発電装置。
【請求項5】
ローターブレードの全長のローターハブに近い側の1/3内に、前記ローターブレードの翼形が与えられる請求項1〜4のいずれかに記載の風力発電装置。
【請求項6】
ローターブレードは加圧側面および減圧側面を有し、前記加圧側面は、凹面の湾曲を備えた部分を有し、そして、減圧側面には、直線の部分が設けられる請求項1〜4のいずれかに記載の風力発電装置。
【請求項7】
ハブクラッド上に装着される構造の形状は、実質的に、ローターハブ近くの領域におけるローターブレードの翼形の形状に対応する請求項6記載の風力発電装置。
【請求項8】
少なくとも1つのローターブレードに適応するローターを持ち、前記ローターブレードは、ローターブレードのローターハブ近くの領域で最大の翼弦長であり、ローター径に対する翼弦長比は0.05から0.1の範囲内での値である請求項1〜7のいずれかに記載の風力発電装置。
【請求項9】
発電機および発電機に接続されるローターを収納するマシンハウジングを備え、
ローターは少なくとも2つのローターブレードを含み、ローターは、前記ハブクラッドとしてスピナーを備え、スピナーの直径に対するローターブレードの翼弦長の比は0.5〜1の範囲の値である請求項1〜8のいずれかに記載の風力発電装置。
【請求項10】
ローターブレードの表面は、根元部分で主ブレード面から、ローターブレードがねじれる方向に傾いている請求項1〜9のいずれかに記載の風力発電装置。
【請求項11】
ローターブレードは根元領域で2つの部品からなる構成を備え、ローターブレードの縦方向に向いた分離ラインが存在する請求項1〜10のいずれかに記載の風力発電装置。
【請求項12】
ローターブレードの2つの部品は、風力発電装置にローターブレードの組み込み前に合体されている請求項11に記載の風力発電装置。
【請求項13】
ローターブレードの2つの部品は、ローターブレードの輸送時には分離されている請求項11または12に記載の風力発電装置。
【請求項14】
減圧側面および加圧側面を備える少なくとも1つのローターブレードを持ち、ローターブレードの横断面における加圧側面の周長さに対する減圧側面の周長さの比は、1.2未満である請求項1〜13のいずれかに記載の風力発電装置。
【請求項1】
ローターハブに取り付けられ翼形を有する少なくとも1つのローターブレードと、ハブクラッドとを備える風力発電装置であり、
ハブクラッドの外側に構造が備えられ、その構造の横断面はローターハブの近傍の領域でのローターブレードの翼形の横断面に対応し、前記構造はハブクラッドに固定して接続され、
ハブクラッド上に備えられた前記構造は、ローターハブに対して静止し、かつ、公称の風速での入射角にローターブレードが設定された時にローターブレードの直下にあるようにハブクラッド上に配置され、その結果、ローターブレードのローターハブの近傍の領域で、前記構造とローターブレードとの間に小さい間隔のみが存在する、風力発電装置。
【請求項2】
ローターブレードの翼弦長において、最先端から20%から30%の範囲の位置で、ローターブレードの横断面の厚さは最大となり、その最大厚さの大きさは、翼弦長の25%から40%の範囲内の値である請求項1記載の風力発電装置。
【請求項3】
ローターブレードの翼形は、中間の反りラインによって記述され、その反り量が最大の位置は、ローターブレードの翼弦長において、最先端から55%から70%の間の範囲にある請求項1または2に記載の風力発電装置。
【請求項4】
前記最大の反り量は、ローターブレードの翼弦長の約4%から8%の間にある請求項1〜3のいずれかに記載の風力発電装置。
【請求項5】
ローターブレードの全長のローターハブに近い側の1/3内に、前記ローターブレードの翼形が与えられる請求項1〜4のいずれかに記載の風力発電装置。
【請求項6】
ローターブレードは加圧側面および減圧側面を有し、前記加圧側面は、凹面の湾曲を備えた部分を有し、そして、減圧側面には、直線の部分が設けられる請求項1〜4のいずれかに記載の風力発電装置。
【請求項7】
ハブクラッド上に装着される構造の形状は、実質的に、ローターハブ近くの領域におけるローターブレードの翼形の形状に対応する請求項6記載の風力発電装置。
【請求項8】
少なくとも1つのローターブレードに適応するローターを持ち、前記ローターブレードは、ローターブレードのローターハブ近くの領域で最大の翼弦長であり、ローター径に対する翼弦長比は0.05から0.1の範囲内での値である請求項1〜7のいずれかに記載の風力発電装置。
【請求項9】
発電機および発電機に接続されるローターを収納するマシンハウジングを備え、
ローターは少なくとも2つのローターブレードを含み、ローターは、前記ハブクラッドとしてスピナーを備え、スピナーの直径に対するローターブレードの翼弦長の比は0.5〜1の範囲の値である請求項1〜8のいずれかに記載の風力発電装置。
【請求項10】
ローターブレードの表面は、根元部分で主ブレード面から、ローターブレードがねじれる方向に傾いている請求項1〜9のいずれかに記載の風力発電装置。
【請求項11】
ローターブレードは根元領域で2つの部品からなる構成を備え、ローターブレードの縦方向に向いた分離ラインが存在する請求項1〜10のいずれかに記載の風力発電装置。
【請求項12】
ローターブレードの2つの部品は、風力発電装置にローターブレードの組み込み前に合体されている請求項11に記載の風力発電装置。
【請求項13】
ローターブレードの2つの部品は、ローターブレードの輸送時には分離されている請求項11または12に記載の風力発電装置。
【請求項14】
減圧側面および加圧側面を備える少なくとも1つのローターブレードを持ち、ローターブレードの横断面における加圧側面の周長さに対する減圧側面の周長さの比は、1.2未満である請求項1〜13のいずれかに記載の風力発電装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2009−293622(P2009−293622A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−183473(P2009−183473)
【出願日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【分割の表示】特願2004−511691(P2004−511691)の分割
【原出願日】平成15年5月28日(2003.5.28)
【出願人】(500017944)アロイス・ヴォベン (107)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【分割の表示】特願2004−511691(P2004−511691)の分割
【原出願日】平成15年5月28日(2003.5.28)
【出願人】(500017944)アロイス・ヴォベン (107)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]