説明

風車のための落雷防護システム

【課題】風車のための改良された落雷防護システムを提供する。
【解決手段】タワー2と、タワー2の上部に配置されたナセル3と、ナセル3の前端において回転軸線(a)を中心にして回転する羽根ハブ4と、該羽根ハブ4に取り付けられた羽根5とを有する風車1のための落雷防護システムにおいて、羽根5の内部の内部導体11と、羽根5の外部に配置されておりかつ内部導体11と電気導通する外部導体と、ナセル3の前端に配置されておりかつ外部導体12と電気導通する収集導体13と、大地に接続されかつ収集導体13と電気導通する下降導体14とが設けられており、外部導体12と、収集導体13とが、回転軸線(a)に対して実質的に同じ距離を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風車のための落雷防護システム、特に落雷防護システムを備えた風車に関する。
【背景技術】
【0002】
落雷によって引き起こされる大電流を風車の構成部材を損傷させることなく大地に伝導することができるように、風車には通常落雷防護システムが装備されている。
【0003】
最も落雷に曝される部品は羽根である。従って、落雷防護システムは羽根から大地までの伝導路を提供することが重要である。
【0004】
回転する羽根ハブと発電機との間に配置された減速歯車を備えた風車は、通常、落雷防護システムのための頑丈な配置を提供する大きな主軸受を有している。通常、電流は、羽根から軸受と、軸と、ある種のスパークギャップとを通って、大地へ導かれる。
【0005】
減速歯車と大きな軸受とを備えない直接駆動式風車は、特に外側ロータが用いられている場合には、落雷防護システムのための好適な条件を提供しない。
【0006】
欧州特許出願公開第1930586号明細書は、羽根の内部のワイヤ導体から羽根の根元端部における金属ストリップへ、さらにナセルのハウジングに取り付けられたガター(gutter)への伝導路を備えた風車のための落雷防護システムを示している。雷伝達エレメントはハブに固定されており、これにより、2つのスパークギャップを形成している。1つのスパークギャップは、金属ストリップと雷伝達エレメントとの間に配置されているのに対し、第2のスパークギャップは、雷伝達エレメントとガターとの間に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1930586号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、風車のための改良された落雷防護システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題は、請求項1及び11の特徴のそれぞれによって解決される。
【0010】
1つの態様において、発明は、風車のための落雷防護システムに関する。風車は、タワーと、タワーの上部に配置されたナセルと、ナセルの前端において回転軸線を中心に回転する羽根ハブと、羽根ハブに取り付けられた羽根とを有している。落雷防護システムは、羽根の内部の内部導体と、羽根の外部に配置されておりかつ内部導体と電気導通する外部導体と、ナセルの前端に配置されておりかつ外部導体と電気導通する収集導体と、大地に接続されておりかつ収集導体と電気導通する下降導体とを有している。外部導体と収集導体とは、回転軸線に対して実質的に同じ距離を有している。落雷防護システムの様々な導体は結合されており、これにより、雷電流のフラッシュオーバ若しくはジャンピングは不要であるか又は生じることはできない。別個の収集導体は、発電機、主軸受、電気システム又は電子システム等の風車の敏感な内部部品を損傷することなく雷電流の確実な伝達を許容する。
【0011】
外部導体はワイパを有していてよく、収集導体は、回転軸線を中心とする円のセグメントの形状を有する収集路を有していてよい。この配列は、可動部、すなわち内部導体及び外部導体を備えた羽根と、静止部、すなわち収集導体及び下降導体との間の良好な移行を提供する。収集路は、全ての状況において重なり合いを確保するために、ワイパ又はブラシよりも広い幅を有していてよい。外部に曝される落雷防護システムの少なくともこれらの部分は、ステンレス鋼等のステンレス材料から成ってよい。
【0012】
収集路の円のセグメントは、約120度、180度、又は360度の角度を有していてよい。この角度は、羽根の数を考慮することができる。なぜならば、全ての羽根が収集路に同時に接触する必要はないからである。3つの羽根の場合、約120度の角度は、少なくとも1つの羽根が収集路に常に接触することを保証する。180度の角度は、1つ又は2つの羽根を備えたロータを支持してよい。360度の角度、すなわち円形又は管状の収集路を備える場合は、回転部と静止部との間の常時接触が提供される。
【0013】
収集導体は、ナセル及び/又は外側ロータの上方に配置されていてよい。完全な円又は円のセグメントの形態の収集導体の両方の場合に、収集導体はナセル及び/又は外側ロータの上方に配置されている。これは、最も雷に曝される最上部の羽根の外部導体の収集導体への接触を補償する。雷電流を一枚又は複数枚の羽根から発電機の外側ロータの周囲に伝導する以外に、収集導体は、太陽による外側ロータの加熱を回避する日よけとしても働く。収集導体は、風車のナセル又はその他の部分とは別個であり、このことは、発電機又はその他の敏感な部分への雷電流のフラッシュオーバのリスクを低下させる。
【0014】
収集導体は、発電機又は電子システム等の風車の重要な部分に亘る、回転軸線方向の長さを有していてよい。落雷防護システムの導体は、雷電流のジャンプオーバの可能性を減じるために、風車の敏感な部分からできるだけ大きな距離を有していてよい。従って、収集導体及び/又は下降導体は、風車の重要な部分を回避することを許容する寸法を有することができる。
【0015】
外部導体は、回転軸線に対して実質的に平行に配置されていてよい。これは、雷電流のジャンプオーバのリスクを低下させる外部導体のための最も短い形態である。例えば、45度の角度での外部導体の斜め配列も可能である。この場合、収集導体に接触する端部のみが、回転軸線に対して平行であってよい。
【0016】
外部導体は、回転軸線に対してほぼ垂直な羽根の長手方向軸線を中心とする円の90度のセグメントを有していてよい。羽根は、ピッチシステムにより、長手方向軸線を中心に90度まで回転可能であってよい。外部導体のこの設計は、ピッチシステムを備えた風車のための落雷防護システムの回転部と静止部との間の接触を許容する。
【0017】
収集導体は、収集路及び下降導体と電気導通する伝導路を有していてよい、導電材料のストリップ又はフラットケーブルの形態の伝導路は、ナセル又はロータの表面に最小限の容量を与える。できるだけ低い自己誘導が好ましい。伝導路に適した材料は銅であってよい。雷電流のジャンプダウンを回避することができる。
【0018】
ナセルに対面した収集導体の内側は、少なくとも部分的に電気絶縁体で被覆されている。ガラス繊維等の電気絶縁体は、ロータ及び/又はナセルへの電気絶縁を高める。
【0019】
雷記録カードが、内部導体と外部導体との間に配置されていてよい。雷記録カードを介して、羽根が曝された最大雷電流を読み取ることができ、雷記録カードは落雷防護システムを完成させることができる。
【0020】
第2の態様において、発明は、タワーと、タワーの上部に配置されたナセルと、ナセルの前端において回転軸線を中心にして回転する羽根ハブと、羽根ハブに取り付けられた羽根とを有する風車に関する。風車は、上述のような落雷防護システムを有する。落雷防護システムは、伝導路が風車の外側にかつ発電機及び主軸受等の重要な部分から離れて延びているので、雷電流に対する良好な保護を提供する。
【0021】
風車は、三枚の羽根を有していてよく、落雷防護システムの収集導体は、回転軸線を中心にして約120度の円のセグメントの形状を有する収集路を有していてよい。ほとんどの設計は三枚羽根を採用しており、一枚の最上部の羽根又は二枚の最上部の羽根を保護すれば十分であり、これは、約120度の角度によって保証される。
【0022】
発電機は羽根ハブに直接に結合されている及び/又は外側ロータ及び内側ロータを有している。発電機は、直接駆動外側ロータ形式であってよい。この設計でも、提案された落雷防護システムによって十分に保護することができる。
【0023】
添付図面は実施の形態をさらに理解するために提供されている。その他の実施の形態及び意図された利点の多くは容易に認められるであろう。なぜならば、これらの利点は、以下の詳細な説明を参照することによってより理解されるからである。図面のエレメントは、必ずしも互いに実寸であるわけではない。同じ符号は、対応する同じ部材を示している。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明による風車及び落雷防護システムの概略図である。
【図2】本発明による羽根の根元における落雷防護システムの詳細を示す図である。
【図3】本発明による落雷防護システムの一部を備えた羽根の概略図である。
【図4】本発明による落雷防護システムの一部を備えた羽根の上面図である。
【図5】本発明による収集導体の斜視図である。
【図6】本発明による収集導体の概略図である。
【図7】本発明による風車及び落雷防護システムの上面図である。
【図8】本発明による風車及び落雷防護システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の詳細な説明では、その一部を構成する添付の図面が参照され、これらの図面には例として、発明が実施された特定の実施の形態が示されている。これに関して、方向を示す用語、例えば「上」又は「下」等は、説明している図面の向きに関して用いられる。実施の形態の構成部材は、多くの異なる向きで配置することができるので、方向を示す用語は、限定するためではなく、例示の目的で示されている。本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施の形態が用いられてよく、構造的又は論理的変更がなされてよい。従って、以下の詳細な説明は、限定的な意味に取るべきではなく、本発明の範囲は、添付の請求項によって定義される。
【0026】
図1は、大地に固定されたタワー2を備えた風車1を示している。タワー2の上部にはナセル3が配置されている。ナセル3の前端において、回転する羽根ハブ4が1つ又は2つ以上の羽根5を支持している。羽根ハブ4は、実質的に水平な回転軸線aを中心にして回転する。ナセル3の内部には、外側ロータ7及び内側ステータ8を備えた発電機6が配置されている。
【0027】
風車1には、発電機6、主軸受、電気部品及び電子部品等の風車1の重要な部分を雷電流から防護する落雷防護システム10が装備されている。
【0028】
落雷防護システム10は、羽根5の内部に配置された内部導体11を有している。内部導体11は、羽根5を直撃した雷によって引き起こされた電流を捕捉する。内部導体11は羽根5の上部から羽根5の根元まで延びている。根元において内部導体11は外部導体12に結合されている。外部導体12は羽根5の外部に配置されており、収集導体13と滑り接続されている。外部導体12及び収集導体13は、少なくとも、2つの導体の間の接触領域において、回転軸線aからほぼ同じ距離を有している。図示したように、外部導体12は、曲がった経路に沿って延びていることができる。
【0029】
収集導体13は、風車1の設計に応じて、ナセル3、又はロータの部材の上方に配置されている。収集導体13は、風車1の最も近い部分の上方の距離dに配置されている。距離dは、電流がナセル2又はロータにジャンプダウンすることができないように選択されている。設計の典型的なルールは、100kVの範囲の電圧が、収集導体13から、風車の最も近い部分へジャンプオーバしないことである。従って、実際の距離dは、選択された材料及び周囲の条件に依存する。
【0030】
収集導体13は、回転軸線aの方向で長さlを有しており、この長さlは、発電機6等の重要な部分にわたっている。外部導体12と収集導体13との間の接触を容易にするために、ナセル3の前端において、収集導体13は羽根5の根元の近くに位置している。その部分では、収集導体13は、ナセル2を超えて、羽根ハブ4の一部をもカバーしていてよい。羽根5から遠い方の端部において収集導体13は、タワー2の内部又は外部を通って大地まで延びた下降導体14に接続されている。
【0031】
羽根が雷によって直撃されると、雷電流は内部導体11によって外部導体12へ導かれ、外部導体12から滑り接続部15を介して収集導体13を通り、下降導体14へ、次いで大地へ導かれる。このように、雷電流を羽根5から収集導体13を介してナセル3の後方部分へ案内し、さらに大地へ案内し、大きな雷電流が、発電機6の回転する外側ロータ7及びその他の部分を通過するのを回避する。雷電流を、完全にナセル3の外側において案内することができる。
【0032】
羽根5及び外部導体12等の回転部と、ナセル3及び収集導体13等の静止部との間の移行部において、滑り接続部15は、火花及び電流のジャンプのない接続を提供する。滑り接続部15は、外部導体12に取り付けられたワイパ又はブラシ16と、収集導体13の外面における収集路17とを有している。
【0033】
収集導体13は、好適には1つ又は2つ以上のステーによってナセル2に取り付けられており、ステーは、理解を容易にするために示されていない。ステーは、収集導体13と、風車1の外面との間の絶縁耐力を高く保つために絶縁材料から形成することができる。
【0034】
図2、図3及び図4は、滑り接続部15をさらに詳細に示している。内部導体11は、羽根5の先端から羽根の根元若しくは基部まで延びている。内部導体11の下部において又は内部導体11と外部導体12との間において、いわゆる雷記録カード18を取り付けることができる。雷によって発生された磁界は、雷記録カード18の磁気ストリップに痕跡を残す。この形式で、羽根5が曝された最大雷電流を読み取ることができる。
【0035】
外部導体12は、内部導体11の後又は雷記録カード18の後に続いている。外部導体12と呼んでいるが、外部導体12は羽根5の内部から出発している。外部導体という名称を与えている、外部導体12の重要な部分は、羽根5及び完成した風車1の外部に位置する収集導体13への接触点である。
【0036】
外部導体12は、回転軸線aに対してほぼ平行に延びており、収集導体13の収集路17と滑り接触したブラシ16を有している。収集路17は、回転軸線aの方向でみて幅を有しており、この幅は、ブラシ16と収集路17との間の接触及び電気導通を常時確保するためにブラシ16と収集路17との間の良好な重なりを提供する。回転部と静止部との間の電気導通は、滑り接続部15、すなわちワイパ16及び収集路17によって行われる。
【0037】
羽根5と一緒に、外部導体12とワイパ16とが回転するので、収集路17と、望まれるならば収集導体13の全体とは、管又は、円又は環のセグメントの形状を有する。収集導体13又は少なくとも収集路17は、ナセル2の外側の形状と同心状である。これにより、収集路17と、少なくとも、最も雷に曝される最上部の羽根5のブラシ16との間に、継続的な接触が提供される。ここでは、三枚の羽根5が用いられており、収集導体13は、120度の円のセグメントの形状を有している。
【0038】
風車1にはピッチシステムが装備されており、このピッチシステムは、90度まで回転させることができる羽根5の補償を提供する。ブラシ16を備えた外部導体12を収集路17と接触させたまま維持するために、外部導体12とブラシ16とは、約90度の円のセグメントのように成形されている。好適には、端部位置における接触をも保証するために90度よりも僅かに大きくなっている。外部導体12と、ブラシ16と、収集路17の幅とは、滑り接続部15の良好な接触を保証するために回転軸線aに対してほぼ平行である。ブラシ16及び/又は外部導体12は、例えば過酷な環境のための接触を改善するためにばね付勢されていてよい。少なくとも、周囲環境に曝された落雷保護システム10の部分は、ステンレス又は防錆性である。
【0039】
図5及び図6は、収集導体13をさらに詳細に示している。収集導体13は、ナセル3の形状に対して同心状の、円又は円筒のセグメントの形状を有している。セグメントの角度は、回転軸線aを中心にして約120度である。収集導体13の前側部分には、収集路17が配置されている。収集路17は、80〜100mmの幅と、約5mmの厚さとを有することができる。収集路17はステンレス鋼から成る。2つの伝導路19は、雷電流を収集導体13の後側端部へ案内するように収集路17に接続されている。1つの伝導路19を使用することもできる。
【0040】
伝導路19は、収集導体13から風車1への電流のジャンピングオーバを回避するために、最小限の容量とできるだけ低い自己誘導とを有している。収集路13と風車1との間の絶縁耐力を高めるために、収集導体13の内側を、約20kV/mmの絶縁耐力を有するガラス繊維等の電気絶縁体20によって被覆することができる。収集導体13の全体が電気絶縁体20から成っていてもよい。収集路17及び1つ又は2つ以上の伝導路19を、電気絶縁体20の上部に形成することができる。
【0041】
収集導体13の後側端部において、雷電流を大地へ案内するために1つ又は2つ以上の伝導路19は下降導体14に接続されている。
【0042】
図7は、上方からみた風車1及び落雷防護システム10を示している。収集導体13は、ナセル3の一部と羽根ハブ4又はロータの一部とのそれぞれにわたって延びている。一部にわたって延びているとは、回転軸線aの方向と、周方向との両方を意味する。2つの最上部の羽根5の外部導体12は、収集導体13の収集路17に同時に滑り接触している。これらの伝導路19は収集路17を下降導体14に接続している。より良好な接続のために、接続路21は、前端における収集路17と同様に、収集導体13の後側端部に形成されている。下降導体14は接続路21に接続されている。
【0043】
図8は、変更された収集路17及び伝導路19を備えた落雷防護システム10とともに風車1を示している。この場合、収集路17及び伝導路19は、クッショニングスタンド22の一部である。収集路17及び伝導路19は、収集導体13の上面に直接配置されているのではなく、この上面から距離を置いて配置されている。さらに、クッショニングスタンド22又はばね機構は、接触をより高めるために、収集路17を外部導体12のブラシに対して押し付けている。収集導体13の後側部分において、クッショニングスタンド22は収集導体13に取り付けられている。
【0044】
この設計は、少なくとも発電機の重要な領域において導体と風車1との間のより大きな距離を提供し、このことは、セットアップの絶縁耐力を改善する。
【0045】
メンテナンスのために、作業者は、命綱によって風車1の構造に繋がれる必要がある。しばしば、別個の締結箇所が使用されなければならず、このことは、命綱を繰り返し緩めたり取り付けたりすることを必要とする。クッショニングスタンド22に命綱を取り付けるためにクッショニングスタンド22を使用することができる。これは、作業領域を大幅に増大し、メンテナンス作業をしやすくする。
【符号の説明】
【0046】
1 風車、 2 タワー、 3 ナセル、 4 羽根ハブ、 5 羽根、 6 発電機、 7 外側ロータ、 8 内側ステータ、 10 落雷防護システム、 11 内部導体、 11 羽根、 12 外部導体、 13 収集導体、 14 下降導体、 15 摺動接続部、 16 ワイパ又はブラシ、 17 収集路、 18 雷記録カード、 19 伝導路、 20 電気絶縁体、 21 接続経路、 22 クッショニングスタンド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タワー(2)と、該タワー(2)の上部に配置されたナセル(3)と、該ナセル(3)の前端において回転軸線(a)を中心にして回転する羽根ハブ(4)と、該羽根ハブ(4)に取り付けられた羽根(5)とを有する風車(1)のための落雷防護システムにおいて、羽根(5)の内部の内部導体(11)と、羽根(5)の外部に配置されておりかつ内部導体(11)と電気導通する外部導体(12)と、ナセル(3)の前端に配置されておりかつ外部導体(12)と電気導通する収集導体(13)と、大地に接続されかつ収集導体(13)と電気導通する下降導体(14)とが設けられており、外部導体(12)と、収集導体(13)とが、回転軸線(a)に対して実質的に同じ距離を有していることを特徴とする、風車(1)のための落雷防護システム。
【請求項2】
前記外部導体(12)がワイパ(16)を有しており、前記収集導体(13)が、回転軸線(a)を中心とする円のセグメントの形状を有する収集路(17)を有している、請求項1記載の落雷防護システム。
【請求項3】
円のセグメントが、120度、180度、又は360度の角度を有する、請求項2記載の風車(1)のための落雷防護システム。
【請求項4】
前記収集導体(13)が、ナセル(3)の上方に配置されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の風車(1)のための落雷防護システム。
【請求項5】
前記収集導体が、回転軸線(a)の方向で、風車(1)の重要な部分(6,7,8)にわたる長さを有している、請求項1から4までのいずれか1項記載の落雷防護システム。
【請求項6】
前記外部導体(12)が、回転軸線(a)に対して実質的に平行に配置されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の風車(1)のための落雷防護システム。
【請求項7】
前記外部導体(12)が、回転軸線(a)に対してほぼ垂直な羽根(5)の軸線を中心とする円の90度のセグメントを有している、請求項1から6までのいずれか1項記載の落雷防護システム。
【請求項8】
前記収集導体(13)が、収集路(17)及び下降導体(14)と電気導通する伝導路(19)を有している、請求項1から7までのいずれか1項記載の風車(1)のための落雷防護システム。
【請求項9】
ナセル(3)と対面した収集導体(13)の内側が、少なくとも部分的に電気絶縁体(20)によって被覆されている、請求項1から8までのいずれか1項記載の風車(1)のための落雷防護システム。
【請求項10】
内部導体(11)と外部導体(12)との間に雷記録カード(18)が配置されている、請求項1から9までのいずれか1項記載の落雷防護システム。
【請求項11】
タワー(2)と、タワー(2)の上部に配置されたナセル(3)と、ナセル(3)の前端において回転軸線(a)を中心にして回転する羽根ハブ(4)と、該羽根ハブ(4)に取り付けられた羽根(5)とを有する風車において、請求項1から10までのいずれか1項記載の落雷防護システム(10)を有することを特徴とする、風車。
【請求項12】
落雷防護システム(10)の収集導体(13)が、前記回転軸線(a)を中心にして約120度の円のセグメントの形状を有する収集路(17)を有している、請求項11記載の風車。
【請求項13】
前記羽根ハブ(4)に発電機(6)が直接結合されている、請求項11又は12記載の風車。
【請求項14】
発電機(6)が、外側ロータ(7)と内側ステータ(8)とを有している、請求項11から13までのいずれか1項記載の風車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−256871(P2011−256871A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−129255(P2011−129255)
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(390039413)シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト (2,104)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Wittelsbacherplatz 2, D−80333 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】