Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
飛散防止構造を有するシート及びこれを備えたテント
説明

飛散防止構造を有するシート及びこれを備えたテント

【課題】風圧で飛散したり捲れたりすることを防止すると共に、水が通気孔に浸入することを防止した飛散防止構造を有するシート及びこれを備えたテントを提供する。
【解決手段】通気孔3が設けられたシート部材2と、通気孔3を覆う蓋部材4とを備え、蓋部材4は、一端部がシート部材4に密着して固定された固定端部6を有すると共に、他端部が自由端部7となっており、自由端部7と固定端部6との間において蓋部材4をシート部材2に連結し、固定端部6を中心として蓋部材4が回動するように形成された蛇腹8を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛散防止構造を有するシート及びこれを備えたテントに関し、特に、風圧で飛散したり捲れてしまうことを防止する場合に適用して有用なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄塔敷地等での急傾斜地の法面を保護したり、送電線の建築現場で養生(防音・飛散防止対策)する等、種々の目的で養生シート(ビニールシート)が使用されている。これは、風雨から保護することができ、また軽量で折り畳みが可能であるので持ち運びに優れるからである。
【0003】
このような養生シートは、一般に、強風により捲れ上がったり、養生シート自体が飛散してしまい、対象物を風雨などから保護できないという問題がある。さらに、飛散した養生シートが電気設備に接触するなどして地絡事故を起こす虞がある。
【0004】
このような問題を解決する技術として、シートに通気孔を設けて風の通りをよくして、強風でも飛散しないようにしたテントシートがある(例えば、特許文献1参照)。このテントシートは、通気孔を覆う蓋が設けられており、強風時にはその風圧で蓋が開き、無風時には蓋が閉じるように復元性を有している。
【0005】
しかしながら、特許文献1に係るテントシートは、風圧で蓋が開くように上流側の端部のみがシートに固定されているので、テントシートの表面を流れ落ちた雨水は、蓋の側方から通気孔に浸入してしまうという問題がある。また、蓋に復元性を持たせる機構として金属やプラスチックなどからなる復元性をもった骨を用いているが、この骨の重量でテントシート全体の重さが増し、さらに折り畳みにくくなるという問題がある。
【0006】
なお、このような問題は、上述した急傾斜地の法面の保護や建築現場での養生に限らず、いわゆる養生シートを用いる場合一般に存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−158705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような事情に鑑み、風圧で飛散したり捲れたりすることを防止すると共に、水が通気孔に浸入することを防止した飛散防止構造を有するシート及びこれを備えたテントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、厚さ方向に貫通した開口である通気孔が設けられたシート部材と、前記通気孔を覆う蓋部材とを備え、前記蓋部材は、当該蓋部材が前記シート部材に対して離隔・接近する方向に伸縮自在に形成された連結部を介して前記シート部材にポケット状に取り付けられていることを特徴とする飛散防止構造を有するシートにある。
【0010】
かかる第1の態様では、シートは風を逃がす構造となっているので、シート部材の裏側(蓋部材が取り付けられていない側)から掛かる風圧でシートが飛散してしまうことを防ぐことができる。
【0011】
蓋部材はポケット状にシート部材に取り付けられているので、蓋部材の側方から雨水が流れ込んで通気孔に浸入することが防止され、シートで覆った対象物を雨水から保護することができる。
【0012】
また、連結部が伸縮自在であるため、シートを折り畳んでもかさばらず、持ち運びに便利である。さらに、先行技術のように、蓋部材に復元性を持たせる機構として金属やプラスチックなどからなる復元性をもった骨を用いないので、シート全体を軽量とすることができる。
【0013】
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載する飛散防止構造を有するシートにおいて、前記蓋部材は、一端部が前記シートに密着して固定された固定端部を有すると共に、他端部が自由端部となっており、前記連結部は、前記自由端部と前記固定端部との間において前記蓋部材を前記シート部材に連結し、前記固定端部を中心として前記蓋部材が回動するように形成された蛇腹であることを特徴とする飛散防止構造を有するシートにある。
【0014】
かかる第2の態様では、シート部材の裏側から風が通気孔に入り込むと、蛇腹が伸張して蓋部材が固定端部を中心に回動し、風を逃がす構造となっている。さらに、蛇腹は、蓋部材の側方からは通気孔に入り込もうとする水を遮る防水堤の機能も果たしている。また、蛇腹は伸縮自在であるため、シートを折り畳んでもかさばらず、持ち運びが便利である。さらに、折り畳んだ際に空気が入り込んだとしても、通気孔を介して空気が外部に抜けていくので、より一層、コンパクトに折り畳むことができる。
【0015】
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様に記載する飛散防止構造を有するシートを備えたテントであって、前記シートは、前記蓋部材の自由端部側が鉛直方向の上方に位置するように配設されていることを特徴とする飛散防止構造を有するシートを備えたテントにある。
【0016】
かかる第3の態様では、強風でテントが飛んでしまうことを防止でき、かつ日光や雨からテント内部を確実に保護することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、風圧で飛散したり捲れたりすることを防止すると共に、水が通気孔に浸入することを防止した飛散防止構造を有するシート及びこれを備えたテントが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態に係る飛散防止構造を有するシートの斜視図である。
【図2】本実施形態に係る飛散防止構造を有するシートの平面図である。
【図3】本実施形態に係る飛散防止構造を有するシートの断面図である。
【図4】本実施形態に係る飛散防止構造を有するシートの使用例を示す斜視図である。
【図5】本実施形態に係る飛散防止構造を有するシートを有するテントの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0020】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る飛散防止構造を有するシート1(以下、単にシート1と称する。)は、シート部材2を備えている。
【0021】
シート部材2は、防水性があり、折り畳むことができる程度の可撓性を有する平面状部材である。このようなシート部材2として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂シートを用いることができる。本実施形態では、シート部材2は矩形状であるが、大きさ・形状に限定はない。
【0022】
シート部材2には、厚さ方向に貫通した開口である通気孔3が複数個設けられている。通気孔3の個数や形状、配置に特に限定はないが、本実施形態では、8個の円形状の通気孔3が互いに均等な間隔で配置されるようにシート部材2に設けられている。
【0023】
さらにシート部材2の一方面には、通気孔3を覆う蓋部材4が設けられている。蓋部材4は、防水性があり、風圧で撓む程度の可撓性を有する平面状部材である。このような蓋部材4としては、シート部材2と同様の合成樹脂シートを用いることができる。
【0024】
蓋部材4の形状は、一つの通気孔3の形状よりも大きな略正方形としてあり、一つの蓋部材4が一つの通気孔3を覆うようにシート部材2に取り付けられている。なお、蓋部材4の形状は、通気孔3の形状よりも大きければ特に限定されない。また、一つの蓋部材4が複数の通気孔3を覆うようにしてもよい。
【0025】
蓋部材4は、シート部材2にポケット状に取り付けられている。ここでいうポケット状に取り付けられているとは、蓋部材4の周縁部のうちの一部は、シート部材2に取り付けられず、残りの部分がシート部材2に取り付けられた状態をいう。
【0026】
本実施形態では、蓋部材4の一端部をシート部材2に密着させて固定することで固定端部6とし、他端部を自由端部7とした。さらに、詳細は後述するが、連結部の一例である蛇腹8を蓋部材4とシート部材2との間に取り付けた。すなわち、蛇腹8は、蓋部材4の周縁部であり、かつ固定端部6と自由端部7との間において、蓋部材4をシート部材2に連結している。このように蓋部材4をポケット状に取り付けることで、蓋部材4の自由端部7とシート部材2と蛇腹8で開口部5が形成される。また、全ての蓋部材4について、開口部5が同一方向(図1の下流側)に向くようにしてある。
【0027】
図3(a)に示すように、蛇腹8は、平面状部材に谷折り9・山折り10を交互に設けたものであり、伸縮方向の上下に蓋部材4とシート部材2とがそれぞれ接続されている。また蛇腹8の幅は、蓋部材4の固定端部6から自由端部7までの長さとほぼ同等にしてあり、その幅方向の一端は、固定端部6側に隙間なく連続している。
【0028】
このような蛇腹8を介してシート部材2に取り付けられた蓋部材4の動作について説明する。図3(a)に示すように、シート部材2の裏側(蓋部材4が取り付けられていない側)に風が当たると通気孔3に流れ込み、その風圧で蓋部材4は押圧される。蓋部材4が押圧されることで、蛇腹8が伸張し、固定端部6を中心として自由端部7が上方に回動する。このように蓋部材4が回動することで、シート部材2の裏側から通気孔3に流れ込んだ風は、開口部5から抜けてゆく。
【0029】
また、図3(b)に示すように、風が止んで蓋部材4への風圧が弱まると蓋部材4の自重で蛇腹8が縮み開口部5が閉じ、蓋部材4がシート部材2にほぼ隙間なく重なって通気孔3を覆う。
【0030】
図4にシート1の使用例を示す。本使用例は、雨から守るために、シート1を地面に置かれた資材10に被せた場合である。
【0031】
シート1は、資材10の上面側全体を覆い、シート部材2の四隅に設けられた取り付け穴9に結びつけた紐を介して杭11で地面に固定されている。また、各蓋部材4は、下方側に開口部5が向くようにシート部材2に取り付けられている。
【0032】
無風の際には、蓋部材4は、シート部材2にほぼ密着し、通気孔3を覆っている。すなわち、シート1全体としては、資材10の上面側全体を覆った状態となる。
【0033】
一方、資材10の側方(シート部材2の裏側)に風が入り込むと、その風は矢印Aのように通気孔3に流れ込み、その風圧で蓋部材4が押し開かれ、通気孔3及び開口部5を通して風が抜けていく。すなわち、シート部材2の裏側に入り込んだ風がシート部材2全体を押圧するのを防ぐことができる。このように、シート部材2は風を逃がす構造となっているので、シート部材2の裏側に掛かる風圧が、杭11でシート部材2を固定した力を上回ることが防止され、シート1の飛散を防ぐことができる。また、風が逃げる構造であるため、シート部材2が風圧によりばたついて騒音が生じることを抑制できる。
【0034】
さらに、蛇腹8は、シート部材2の表面を伝い、上流から下流に流れ落ちる雨水が通気孔3に入り込んでしまうことを防止する防水堤の機能も果たしている。すなわち、蓋部材4はポケット状にシート部材2に取り付けられ、かつ開口部5は下流側に向いているので、上流から下流に流れる雨水は、防水堤としての蛇腹8に遮られてそのまま下流に流れ落ちるか(矢印B)、もしくは、固定端部6を乗り越えて蓋部材4の表面を伝い、開口部5から下方に流れ落ちる(矢印C)。
【0035】
このように、固定端部6から自由端部7の間において蛇腹8で蓋部材4をシート部材2に連結したので、蓋部材4の側方から雨水が流れ込んで通気孔3に浸入することが防止され、シート1で覆った資材10を雨水から保護することができる。
【0036】
また、蛇腹8が伸縮自在であるため、蓋部材4はほぼシート部材2に重なることが可能である。このため、シート1を折り畳んでもかさばらず、持ち運びが便利である。さらに、折り畳んだ際に空気が入り込んだとしても、通気孔3及び開口部5から空気が外部に抜けていくので、より一層、コンパクトに折り畳むことができる。
【0037】
さらに、先行技術においては、蓋部材に復元性を持たせる機構として金属やプラスチックなどからなる復元性をもった骨を用いているが、本実施形態においては蛇腹8のように軽量に構成できるものを用いたので、シート1全体を軽量とすることができる。
【0038】
なお、シート1を地面や資材10などに密着させることで、シート部材2の裏面側に風が入り込まないようにし、風圧により飛散したり捲れ上がることを防止することは可能ではあるが、そのように保護対象にシート1を密着させるという作業に手間を要してしまう。しかしながら、本実施形態に係るシート1においては、そのような手間は不要であり、シート1を簡単に設置することができる。
【0039】
さらに、シート1の適用例として、図5にシート1を備えたテント20を示す。図示するように、テント20は、4本の脚部21(図には3本が示されている)を有する骨組みの上部に、上述したシート1が取り付けられたものである。また、各蓋部材4は、開口部5が下方に向くようにシート部材2に取り付けられている。
【0040】
無風の際には、蓋部材4は、シート部材2にほぼ密着し、通気孔3を覆っている。すなわち、テント20全体としては、その内側を日光や雨水から保護することができる。
【0041】
一方、テント20の内側に風が入り込むと、その風は矢印Dのように通気孔3に流れ込み、その風圧で蓋部材4が押し開かれ、通気孔3及び開口部5を通して風が抜けていく。すなわち、シート部材2の裏側に入り込んだ風がシート部材2全体を押圧するのを防ぐことができる。このように、シート部材2は風を逃がす構造となっているので、シート部材2の裏側から掛かる風圧でシート1が飛散したりテント20自体が倒れることを防ぐことができる。
【0042】
また、上述したように、テント20においても、蛇腹8が雨水の防水堤となり、蓋部材4の側方から雨水が流れ込んで通気孔3に浸入することが防止され、テント20の内側を雨水から保護することができる。
【0043】
なお、本実施形態に係るシート1は、資材10を覆う場合やテント20の屋根として用いる場合に限定されず、種々の用途に適用可能である。例えば、鉄塔敷地や住宅地等の急傾斜地における法面保護、送電線建築現場での養生(防音・飛散防止対策等)、変電所構内等などでの資材の保護、鉄塔塗装工事での養生(塗料飛散防止)、農作物用のマルチシート、ビニールハウス、行楽地等で地面に敷くシートなどである。
【0044】
また、上述した実施形態においては、蓋部材4の一端部は直接シート部材2に密着固定されて固定端部6とされていたが、必ずしもこのような態様に限定されず、例えば、固定端部6とする代わりに、この一端部についても蛇腹8でシート部材2に連結してもよい。この場合においても、通気孔3に入り込んだ風の圧力で蓋部材4全体がシート部材2から離れ、開口部5が開き、通気孔3及び開口部5を風が通過していく。したがって、上述した実施形態と同様に、シート1は風圧で飛散したり捲れ上がることが防止される。
【0045】
さらに、連結部の一例として蛇腹8を挙げたが、このような構造に限定されず、蓋部材4をポケット状にシート部材2に取り付けることができ、かつ開口部5を開閉できるように伸縮自在である部材であればよい。
【符号の説明】
【0046】
1 シート
2 シート部材
3 通気孔
4 蓋部材
5 開口部
6 固定端部
7 自由端部
8 蛇腹
9 取り付け穴
10 資材
11 杭
20 テント
21 脚部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さ方向に貫通した開口である通気孔が設けられたシート部材と、
前記通気孔を覆う蓋部材とを備え、
前記蓋部材は、当該蓋部材が前記シート部材に対して離隔・接近する方向に伸縮自在に形成された連結部を介して前記シート部材にポケット状に取り付けられている
ことを特徴とする飛散防止構造を有するシート。
【請求項2】
請求項1に記載する飛散防止構造を有するシートにおいて、
前記蓋部材は、一端部が前記シート部材に密着して固定された固定端部を有すると共に、他端部が自由端部となっており、
前記連結部は、前記自由端部と前記固定端部との間において前記蓋部材を前記シート部材に連結し、前記固定端部を中心として前記蓋部材が回動するように形成された蛇腹である
ことを特徴とする飛散防止構造を有するシート。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載する飛散防止構造を有するシートを備えたテントであって、
前記シートは、前記蓋部材の自由端部側が鉛直方向の上方に位置するように配設されていることを特徴とする飛散防止構造を有するシートを備えたテント。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図3】
image rotate