説明

飛行玩具

【課題】 安定した直進飛行性能及び旋回飛行性能を具備し、容易に製作をすることができると共に見た目にも美しい飛行玩具を提供する。
【解決手段】 プロペラ飛行玩具1は、送信機からの操作信号によって遠隔操縦される飛行玩具であって、胴体部10と、該胴体部10に取付けられた主翼11,12と、胴体部10の後部に取り付けられた水平尾翼13と、該水平尾翼13から上方に突出する垂直尾翼14と、操作信号に応答して方向制御するラダー3と、主翼11の後方側に配置されたプロペラ2と、を備えてなり、プロペラ2は、その回転軸22の延長方向が水平尾翼13の上側に向かう方向に配置されており、プロペラ2の回転軸22の延長方向と垂直尾翼14の前後方向の延長方向は胴体部10の左右方向においてある間隔をもって互いにずれて配置されていることとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信機からの操作信号によって遠隔操縦されるプロペラ飛行玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、屋内又は屋外で操縦を楽しむ遠隔操縦式のプロペラ飛行玩具として、様々な形状のプロペラ飛行玩具が提案されている(例えば、特許文献1、2)。
【0003】
特許文献1及び特許文献2の発明に係るプロペラ飛行玩具は、プロペラの回転によって生じるプロペラ後流(プロペラの後方において螺旋状に後側へ流れる旋回流)を起因とする直進飛行性能及び旋回飛行性能への悪影響を回避するために、飛行方向の前側部分に対して後側部分が飛行機本体の左右でプロペラ後流が強く当たる側から離反するように胴体部の中心線に対して傾斜した状態でトリムタブを取付け、ラダーをプロペラ後流が強く当たる側での最大舵角が他側の最大舵角に比べて小さくなるように構成しているものである。
【特許文献1】特開2007−195613号公報
【特許文献2】特開2008−119512号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び特許文献2の発明は、プロペラ後流が機体の左右一方に強く当たることを考慮して、水平翼に傾斜した状態で取付けられたトリムタブで直進性を向上させ、又、ラダーの左右の舵角に差異をつけて、左右旋回性能を均等にすることができるが、トリムタブを所定の角度で配置し、又、左右舵角に差異をつけるために水平尾翼の開口を左右非対称に形成する必要があり、製作に手間がかかるといった問題点があった。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、初心者でも容易に取り扱うことのできる飛行玩具として、安定した直進飛行性能及び旋回飛行性能を具備する飛行玩具であって、容易に製作をすることができると共に見た目にも美しい飛行玩具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の飛行玩具は、送信機からの操作信号によって遠隔操縦される飛行玩具であって、胴体部と、該胴体部に取付けられた主翼と、前記胴体部の後部に取り付けられた水平尾翼と、該水平尾翼から上方に突出する垂直尾翼と、前記操作信号に応答して方向制御するラダーと、主翼の後方側に配置されたプロペラと、を備えてなり、前記プロペラは、その回転軸の延長方向が前記水平尾翼の上側に向かう方向に配置されており、前記プロペラの回転軸の延長方向と前記垂直尾翼の前後方向の延長方向は前記胴体部の左右方向においてある間隔をもって互いにずれて配置されているものである。
【0007】
又、この飛行玩具は、機体が、前記胴体部と、前記主翼と、前記水平尾翼と、前記垂直尾翼と、前記ラダーと、前記プロペラと、前記ラダーを動作させるラダー駆動部と、前記プロペラを回転させるプロペラ駆動部と、を備え、前記垂直尾翼が前記水平尾翼の上面に垂設され、前記ラダーが前記垂直尾翼の後部に左右方向に回動可能に取付けられ、前記プロペラが前記胴体部の長手方向における中央近傍の上端部において回転可能に取付けられ、前記水平尾翼が、前記プロペラの回転軸の延長方向よりも下側に配置され、前記プロペラの回転軸の延長方向と前記垂直尾翼の前記延長方向は前記胴体部の左右方向において互いに反対の方向に偏り所定の距離だけずれた位置に配置され、前記プロペラ駆動部が前記操作信号に応答して前記プロペラを回転させることで当該機体を前進させる推力を制御し、前記ラダー駆動部が前記操作信号に応答して前記ラダーを当該機体に対して左右方向に回動させることで旋回方向を制御する構成とすることができる。
【0008】
更に、この飛行玩具は、前記プロペラを、その回転軸の延長方向が、側面視で前記胴体部の長手延長方向に対し胴体部の後方で交わるように傾かせ、且つ、胴体部中心線(胴体部を上側から見たときの仮想的中心線)に対し平面視で平行となるように配置するとともに、前記垂直尾翼を、その前後方向における延長方向が胴体部中心線に対し平面視平行となるように配置することができる。
【0009】
そして、この飛行玩具は、前記プロペラを、その回転軸の延長方向が前記垂直尾翼の前後方向に対して左右方向にずれた位置に配置するに際し、前記プロペラをプロペラの回転方向側に偏って位置するように配置するものである。
又、この飛行玩具は、前記垂直尾翼を、該垂直尾翼の前後方向が前記プロペラの回転軸に対し前記プロペラの回転方向とは反対の側に偏って位置するように配置するものである。
そして、好ましくは、当該プロペラの回転によって空中に生じる後流が、当該プロペラから前記水平尾翼の上側に向かう方向に流れるように、即ち、プロペラ後流が、前記水平尾翼の上面側に位置するように当該プロペラを配置するのがよい。
【0010】
又、より好ましくは、前記プロペラを、その回転軸の位置が前記胴体部の長手延長方向中心線に対し左右方向において前記プロペラの回転方向と同じ方向に偏った位置となるように取り付け、前記垂直尾翼を、前記胴体部の前記中心線に対し左右方向において前記プロペラの回転方向とは逆方向に偏った位置に配置するのがよく、更に好ましくは、このプロペラの回転軸の前記胴体部の前記中心線から左右にずれる距離と前記垂直尾翼の前記胴体部の前記中心線から左右にずれる距離とが等しくなるように、プロペラ及び垂直尾翼を配置するのがよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、プロペラの回転軸の延長方向と垂直尾翼の前後方向の延長方向とを胴体部の左右方向においてある間隔をもって互いにずれるように、プロペラ及び垂直尾翼を配置することで、プロペラ後流が飛行玩具の後部に左右不均等に当たることにより生じる回転モーメントの影響を軽減させて、飛行玩具に安定した直進飛行を行わせることができる。
【0012】
又、プロペラと垂直尾翼をずらして配置する際、プロペラを、その回転軸の延長方向が垂直尾翼の前後方向に対し、左右水平方向においてプロペラの回転方向側に偏って位置するように配置することによっても、或いは逆に、垂直尾翼を、該垂直尾翼の前後方向がプロペラの回転軸に対しプロペラの回転方向とは左右水平方向において反対の側に偏って位置するように配置することによっても、プロペラ後流が飛行玩具の後部に左右不均等に当たることにより生じる回転モーメントの影響を軽減させて、飛行玩具に安定した直進飛行を行わせることができる。
【0013】
そして、プロペラの回転軸の延長方向と垂直尾翼の前後方向における延長方向とが胴体部の中心線を挟んで胴体部の左右方向において互いに反対の方向に偏り所定の距離だけずれた位置となるように、プロペラ及び垂直尾翼を配置すれば、胴体部の中心線からプロペラまでの距離を短くすることができるため、プロペラの配設を容易に行うことができる。
【0014】
そして、プロペラを、その回転軸の位置が胴体部の中心線に対しプロペラの回転方向と同じ方向に偏った位置となるように取り付け、垂直尾翼を、胴体部の中心線に対しプロペラの回転方向とは逆方向に偏った位置に配置することで、プロペラ後流がプロペラの回転方向と同一方向側から飛行玩具の後部に強く当たることにより生じる回転モーメントの影響を軽減すると共に、この回転モーメントと逆方向の回転モーメントを発生させて、飛行玩具に、より安定した直進飛行を行わせることができる。
【0015】
又、プロペラの回転軸の胴体部中心線から水平にずれる距離と、垂直尾翼の胴体部中心線から水平にずれる距離とを等しくすることにより、プロペラ及び垂直尾翼の胴体部中心線からのずれ量を最小限に抑えることで、プロペラ及び垂直尾翼のずれによる外観性への影響を小さくして、見た目にもよい飛行玩具を提供することができる。
【0016】
そして、プロペラの回転によって空中に生じる後流が前記水平尾翼の上面側に位置するように当該プロペラを配置すれば、プロペラを回転させることで発生するプロペラ後流により、飛行玩具を容易に上昇、旋回させることができる。
【0017】
又、プロペラ後流が飛行玩具の後部に左右不均等に当たることを考慮して、プロペラの回転軸の延長方向と垂直尾翼の前後方向の延長方向とを胴体部の左右方向においてある間隔をもって互いにずれるように、プロペラ及び垂直尾翼を配置することで、左右方向に回動可能に垂直尾翼の後部に取付けられるラダーが、プロペラ後流の中心よりも所定の距離だけずれた位置に配置されることとなるため、左或いは右方向にラダーを回動させたときに、飛行玩具の後部に左右同等となる流体力の影響を与えて左右旋回性能を均等にすることができる。
【0018】
更に、この飛行玩具は、プロペラの回転軸の延長方向と垂直尾翼の前後方向の延長方向とを胴体部の長手延長方向中心線に対し平面視平行となるようにプロペラ及び垂直尾翼を配置し、旋回飛行時のラダー左右舵角も同一となるように構成することができるため、初心者でも容易に取り扱うことのできる飛行玩具であって、容易に製作をすることができると共に見た目にも美しい飛行玩具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を実施するための最良の形態の飛行玩具は、図1、図3乃至図5に示すように、送信機からの操作信号によって遠隔操縦されるプロペラ飛行玩具1であって、複葉機を模した軽量材料から成る機体が、送信機からの遠隔操作信号に応答してプロペラ飛行玩具1の動作制御を行う制御部を有する受信機100と、前後方向に延長する胴体部10と、該胴体部10の中央近傍において胴体部10に対して左右方向に突出するように取付けられた二枚の主翼である上部主翼11及び下部主翼12と、胴体部10の後部において該胴体部10に対して左右方向に突出するように取付けられた水平尾翼13と、該水平尾翼13の上面において該水平尾翼13に対して上方に突出するように垂設された垂直尾翼14と、該垂直尾翼14の後部に機体に対して左右方向に回動可能に取付けられたラダー3と、上部主翼11の後方である胴体部10の中央近傍の上端部において回転可能に取付けられたプロペラ2と、送信機からの操作信号に応答してプロペラ2を回転させることで機体を前進させる推力を制御するプロペラ駆動部20と、送信機からの操作信号に応答してラダー3を機体に対して左右方向に回動させることでプロペラ飛行玩具1の旋回方向を制御するラダー駆動部としてのラダー用駆動アクチュエータ30と、を備え、プロペラ2を回転することにより発生する推力により当該機体を前進させ、機体を前進させることにより発生する揚力により飛行可能に構成されて成るものである。
【0020】
そして、このプロペラ飛行玩具1は、水平尾翼13を、プロペラ2の回転軸22の延長方向よりも下側に配置する(即ち、プロペラ2の回転によって生じるプロペラ後流が当該プロペラ2から水平尾翼13の上側に向かう方向に流れるように、プロペラ2を、プロペラ2の回転軸22の延長方向が水平尾翼13の上側に向かう方向となるように側面視で胴体部10の長手延長方向に対し胴体部10の後方で交わるように傾かせて配置する)ことで、プロペラ2の回転によって空中に生じる後流が水平尾翼13の上面側に位置するように構成されて成るものである。
【0021】
又、プロペラ2と垂直尾翼14は、プロペラ2の回転軸22の延長方向と垂直尾翼14の前後方向における延長方向が胴体部10の前後長手方向に延長する中心線(胴体部10を上側から見たときの仮想的中心線)と平面視平行となるように、且つ、プロペラ2の回転軸22の延長方向と垂直尾翼14の前後方向における延長方向が胴体部10の左右方向においてある間隔をもって互いにずれて配置されているものである。
【0022】
そして、このプロペラ2は、その回転軸22の延長方向が垂直尾翼14の前後方向に対しプロペラ2の回転方向側に偏って、且つ、プロペラ2の回転軸22の延長方向が胴体部10の中心線に対しプロペラ2の回転方向と同じ方向に偏って配設され、垂直尾翼14は、該垂直尾翼14の前後方向がプロペラ2の回転軸22に対しプロペラ2の回転方向とは反対の側に偏って、且つ、垂直尾翼14の前後方向が胴体部10の中心線に対しプロペラ2の回転方向とは逆方向に偏った位置に配設されているものである。
【0023】
更に、このプロペラ2と垂直尾翼14は、プロペラ2の回転軸22の胴体部中心線からの左右にずれる距離と、垂直尾翼14の胴体部中心線から左右にずれる距離と、が等しくなるように、プロペラ2の回転軸22の延長方向と垂直尾翼14の前後方向における延長方向が、胴体部10の中心線を挟んで胴体部10の左右方向において互いに反対の方向に偏った位置となるように配置されているものである。
【実施例】
【0024】
以下、本発明の実施例を図に基づいて詳説する。尚、本発明において、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は、飛行玩具の進行方向を前方として見た方向に従うこととする。又、機体の上下軸回りに機体が回転することを「ヨー運動」とし、機体の左右軸回りに機体が回転することを「ピッチ運動」とする。
【0025】
本発明に係る飛行玩具の実施例としてのプロペラ飛行玩具1は、例えば、全長及び全幅が200mm、総重量が10g程度となるように、成型加工された発泡スチロールやプラスチック等の軽量材料から成り、図1に示すように、複葉飛行機の形状を模した機体が、前後方向に延長する胴体部10と、該胴体部10の中央近傍において胴体部10に対して左右方向に突出するように取付けられた二枚の主翼である上部主翼11及び下部主翼12と、胴体部10の後部において該胴体部10に対して左右方向に突出するように取付けられた水平尾翼13と、該水平尾翼13の上面において該水平尾翼13に対して上方に突出するように垂設された垂直尾翼14と、該垂直尾翼14の後部に機体に対して左右方向に回動可能に取付けられたラダー3と、上部主翼11の後方である胴体部10の中央近傍の上端部において回転可能に取付けられたプロペラ2と、送信機からの遠隔操作信号に応答してプロペラ2を回転させることで機体を前進させる推力を制御するプロペラ駆動部20と、送信機からの遠隔操作信号に応答してラダー3を機体に対して左右方向に回動させることでプロペラ飛行玩具1の旋回方向を制御するラダー駆動部と、このプロペラ駆動部20の駆動源となるプロペラ用駆動モータ及びラダー駆動部となるラダー用駆動アクチュエータ30を動作制御する制御部を有する受信機100と、を備え、無線送信機からの操作信号に当該受信機100が応答することによって遠隔操縦されるものであって、プロペラ2を回転することにより生じる推力により機体を前進させ、機体を前進させることにより発生する揚力により飛行可能に構成されて成るものである。
【0026】
そして、送信機110は、プロペラ飛行玩具1を遠隔操作する遊戯者が把持して操作信号を送信するものであり、図2に示すように、プロペラ2を回転駆動させるためのプロペラ操作部120と、ラダー3を左右に回動駆動させるためのラダー操作部122と、遊戯者の操作に応じて所定の信号を生成する制御部112と、この制御部112から送出される符号化された信号を変調する送信回路111と、増幅器118と、この信号を発信するアンテナ116と、図示しない電源としての電池及び電源スイッチ並びに自動離陸スイッチ、自動旋回スイッチ等から構成されているものである。
【0027】
そして、受信機100は、送信機110から発信される無線信号を、アンテナ106を介して受信し復調する受信回路101と、復調された信号を復号してプロペラ用駆動モータ28及びラダー用駆動アクチュエータ30を駆動するための制御信号を生成する制御部102と、図示しない電源としてのコンデンサーや電源スイッチ等を備えるものである。尚、送信機110及び受信機100の送信回路111及び受信回路101の受動素子を着脱自在の水晶振動子とすることにより、周波数を遊戯者によって変更することができるため好適である。
【0028】
これにより、プロペラ操作部120を操作してプロペラ回転操作指令を送信することでプロペラ用駆動モータ28を駆動してプロペラ2を回転させることにより、平面台等に載置されたプロペラ飛行玩具1を離陸させて上昇させることができる。又、プロペラ飛行玩具1が飛行状態にあるときに、ラダー操作部122を操作して旋回操作指令を送信することでラダー3を左或いは右方向に回動させることにより、左或いは右方向に機首の向きを変えるように機体にヨー運動をさせて旋回飛行を行わせることができる。尚、このプロペラ2の回転数及びラダーの舵角は、送信機110のプロペラ操作部120及びラダー操作部122における可変抵抗によって線形的に制御されるものである。
【0029】
更に、プロペラ飛行玩具1が飛行状態にあるときに、プロペラ操作部120を操作してプロペラ2の回転数を減少或いは増加させることで、機体にピッチ運動や下降或いは上昇飛行をさせることができ、又、所定の回転数を維持させてプロペラ飛行玩具1を水平飛行させることもできる。
【0030】
尚、プロペラ2の回転数の時間的変化を予め定めておき、送信機110の自動離陸スイッチを操作することにより受信機100の制御部102を動作させて、平面台等に載置されたプロペラ飛行玩具1を容易に離陸させて水平飛行に移行させることもできる。同様に、ラダー3の回動動作の時間的変化を予め定めておき、送信機110の自動旋回スイッチを操作することにより受信機100の制御部102を動作させて、左旋回及び右旋回を繰り返す所謂8の字飛行を容易に行わせることもできる。これにより、初心者や子供にも容易にプロペラ飛行玩具1を飛行させて楽しむことができる。
【0031】
又、この送信機110と受信機100は、該受信機100のコンデンサーに充電可能な構成とされるものであるため、充電場所を室内等に制限されることなく、屋外等のどんな場所でも充電をしてプロペラ飛行玩具1を飛行させて楽しむことができる。
【0032】
そして、胴体部10は、図3乃至図5に示すように、厚さ10mm程度の発泡樹脂板に所定の切欠きや窓などを模した透孔を形成して軽量化されたものであって、前方部分は前端が丸みを帯びた略三角形状に形成され、後方部分は略矩形棒状に形成されているものである。又、この胴体部10は、前方部分の縦幅に対して後方部分の縦幅が急激に短くなるように後方部分上方が取り除かれて、中央近傍より後端まで緩やかに上方に傾斜するように胴体部10の前方部分の下側より胴体部10の後方部分が後方へ延在するように形成されているものである。
【0033】
又、この胴体部10は、前方部分の前端下部の右側面に形成される凹部に受信機100が貼着され、受信機100の後方に車輪を保持する保持部材が取付けられている。又、胴体部10の前方部分の上端には、胴体部10に対して左右方向に均等に突出するように一枚翼として形成された上部主翼11が上方より貼着され、上部主翼11のやや後方の下端部には胴体部10に対して左右方向に均等に突出するように一枚翼として形成された下部主翼12が下方より貼着されている。
【0034】
そして、上部主翼11の後方には、プロペラ駆動部20が配設され、当該プロペラ駆動部20により回転する全長約80mmのプロペラ2が、このプロペラ駆動部20に回転可能に取付けられている。このプロペラ駆動部20は、胴体部10の前方部分の後部上端に設けられるモータ収納部16に収納されるプロペラ用駆動モータ28と、このプロペラ用駆動モータ28のロータに固着されるピニオンギア26と、ピニオンギア26に対して大径となる減速ギア24と、プロペラ2の中心に固着されてプロペラ2の回転中心となる回転軸22と、から構成されているものである。
【0035】
このモータ収納部16は、後方に円形開口を有し、内部にプロペラ用駆動モータ28等を収納可能な空間が形成されているものである。そして、このプロペラ用駆動モータ28及びプロペラ2の回転軸22は、当該回転軸22の後部を僅かに下方に傾斜するように、且つ、当該回転軸22の延長方向が後述する水平尾翼13の上側に向かい胴体部10の後方で胴体部10の長手延長方向と側面から見て交わる方向となるように、更に、この回転軸22の延長方向が胴体部10の前後長手方向に延長する中心線(胴体部10を上側から見たときの仮想的中心線)に対して平面視平行となるように配置されているものである。
【0036】
又、このプロペラ2は、後方から見たときに右回転するものであり、プロペラ2を構成する二枚の羽根は右回転したときに、機体が前進する推力を発生させるように所定のピッチ角で形成されているものである。尚、プロペラ2を構成する羽根は、二枚に限定されるものではない。
【0037】
更に、このプロペラ2は、図4及び図5に示すように、プロペラ用駆動モータ28は胴体部10の中心に取付けているが、当該プロペラ2の回転方向と同じ方向に胴体部10の長手延長方向中心線より水平方向に5mm程度ずれた位置(即ち、後方から見てプロペラ2は右回転であるため、胴体部10の中心線より右方向にずれた位置)にプロペラ2の回転軸22を位置させ、ピニオンギア26及び減速ギア24を介してプロペラ用駆動モータ28の駆動力が伝達されるように配置されているものである。
【0038】
そして、胴体部10の後方部分の後部には、胴体部10に対して左右方向に均等に突出するように一枚翼として形成された水平尾翼13が上方より貼着されている。又、この水平尾翼13は、プロペラ2の回転軸22の軸心よりも30mm程度下側に、且つ、当該水平尾翼13の直上におけるプロペラ2の回転軸22の延長方向よりも20mm程度下側に配置されるものである。
【0039】
そして、この水平尾翼13の上面には、略三角形状の垂直尾翼14が、該垂直尾翼14の前後方向における延長方向が胴体部10の中心線と平面視平行となるようにプロペラ後流の影響を受ける範囲内で、プロペラ2の回転方向と逆方向である左方向に胴体部10の長手延長方向中心線に対して水平距離で5mm程度ずれた位置において、水平尾翼13に対して上方に突出するように垂設され、垂直尾翼14後端のラダー3はプロペラ2の後方約90mmの位置において回動可能に取付けられている。
【0040】
又、この垂直尾翼14の後方には、略矩形状のラダー3が胴体部10の中心線に対して左右方向に回動可能に取付けられており、このラダー3と垂直尾翼14の境界部分において、ラダー3に取付けられた磁石32と、垂直尾翼14に固着されたソレノイドコイル31と、から成るラダー用駆動アクチュエータ30が配設されている。
【0041】
このラダー用駆動アクチュエータ30は、ラダー3の中央前端から前方に突出するように形成される棒状の保持部材の先端に固着された磁石32が機体に対して左右方向にN極及びS極が向くようにソレノイドコイル31に挿入されているものであって、ソレノイドコイル31に電流が流れた際に発生する磁場により、磁石32を動作させてラダー3を回動させるように構成されて成るものである。
【0042】
そして、送信機110からの遠隔操作信号に応答した受信機100の制御部102によってソレノイドコイル31に電流を流すことで、磁場を発生させて、磁石32を保持する保持部材を介してラダー3を機体に対して左右何れかの方向へ回動させることで、飛行するプロペラ飛行玩具1の旋回方向を制御することができる。又、ソレノイドコイル31に流す電流の向きを変えることで、ラダー3の回動方向を逆方向とすることができる。
【0043】
尚、このラダー用駆動アクチュエータ30は、ソレノイドコイル31と磁石32により構成する場合のみに限定することなく、ソレノイドコイル31に電流が流れない状態にあっては、ラダー3が中立位置に復帰するような弾性体を取付けることとしてもよく、又、小型モータと歯車により回動させるように構成するなど種々の機構を採用することができる。
【0044】
このように、プロペラ2を、その回転軸22の延長方向が垂直尾翼14の前後方向に対し左右水平方向においてプロペラ2の回転方向側に偏って、且つ、プロペラ2の回転軸22の延長方向が胴体部10の中心線に対して左右方向にプロペラ2の回転方向と同じ方向に偏って配設し、垂直尾翼14を、該垂直尾翼14の前後方向がプロペラ2の回転軸22に対しプロペラ2の回転方向とは水平方向反対の側に偏って、且つ、垂直尾翼14の前後方向が胴体部10の中心線に対しプロペラ2の回転方向とは水平方向逆方向に偏った位置に配設することで、プロペラ2の回転軸22の延長方向と垂直尾翼14の前後方向における延長方向とが胴体部10の左右方向においてある間隔をもって互いにずれて配置されることとなる。
【0045】
これにより、旋回流であるプロペラ後流の中心に対して垂直尾翼14及びラダー3が所定の距離だけずれた状態となるため、旋回流であるプロペラ後流の中心近傍の流れがプロペラ飛行玩具1の後部右側に当たることを回避することができ、プロペラ2を胴体部中心に配置した場合においてプロペラ飛行玩具1の後部に左右不均等(本実施例においては後部右側)に当たることにより生じる回転モーメントの影響を軽減して、直進飛行性能を向上させることができる。
【0046】
又、プロペラ2が胴体部10の中心から右方向にずれて配置されることにより、プロペラ2の回転により発生する推力は、機体の重心からずれて発生することとなるため、プロペラ飛行玩具1が飛行する際に機首が左方向に向くような回転モーメントが発生する。これにより、プロペラ後流がプロペラ飛行玩具1の後部右側に強く当たることにより発生する機首を右方向に向ける回転モーメントを相殺して、直進飛行性能をより向上させることができる。
【0047】
そして、垂直尾翼14の後方において機体に対して左右方向に回動可能に設置されるラダー3が、プロペラ後流の中心よりも所定の距離だけずれた位置に配置されているため、左或いは右方向にラダー3を回動させたときに、プロペラ飛行玩具1の後部に左右同等となる流体力の影響を与えて左右旋回性能を均等にすることができる。
【0048】
具体的には、ラダー3がプロペラ2の回転方向と同一方向である右方向に回動したときは、プロペラ後流が強く当たっていたプロペラ飛行玩具1の後部右側の形状抵抗が増すことにより機体を右旋回させるように流体力が働く。又、左方向にラダー3を回動したときは、プロペラ後流の機体の後部左側面に加わる流体力は右側面に対して比較的小さいものの、プロペラ後流の後ろ向きの速度成分は、プロペラ2の外周部近傍が中心部に比べて大きいため、この速度の速い空気を左回動したラダー3が受けることになり機体を左旋回させるように流体力を作用させることができ、且つ、プロペラ2の推力による左旋回の作用が加わる。したがって、結果的にラダー3の左右回動に伴うラダー3への流体力による旋回性への影響を同等にすることができ、左右旋回性能を均等にすることができる。
【0049】
更に、このプロペラ飛行玩具1は、プロペラ2の回転軸22の延長方向と垂直尾翼14の前後方向の延長方向とを胴体部10の前後長手方向に延長する中心線に対し平面視平行に配置され、旋回飛行時のラダー3の左右舵角も同一となるように構成されているため、初心者でも容易に取り扱うことのできるプロペラ飛行玩具1であって、容易に製作をすることができると共に見た目にも美しいプロペラ飛行玩具1を提供することができる。
【0050】
そして、プロペラ2と水平尾翼13の配置構成を前述したように、水平尾翼13をプロペラ2の回転軸22の延長方向よりも下側になるように配置する(即ち、プロペラ2の回転によって生じるプロペラ後流が当該プロペラ2から水平尾翼13の上側に向かう方向に流れるように、プロペラ2を、プロペラ2の回転軸22の延長方向が水平尾翼13の上側に向かう方向となるように側面視で胴体部10の長手延長方向に対し胴体部10の後方で交わるように傾かせて配置する)ことで、プロペラ2の回転によって空中に生じるプロペラ後流が水平尾翼13の上面側に位置するようになるため、プロペラ2を高速で回転させてプロペラ後流を水平尾翼13の上面側に強く当てることにより、機首が上がるように機体にピッチ運動をさせると共に推力を増加させて、上昇飛行を容易に行わせることができる。又、プロペラ2を低速で回転させれば、機首が上がるような回転モーメントを小さくして、機首を下げるようなピッチ運動をさせて下降飛行を行わせることもできる。更に、後述のラダー3が回動した際に、ラダー3にプロペラ後流を効率よく当てることができるため、容易に機体にヨー運動をさせて旋回飛行をさせることもできる。
【0051】
尚、前述したプロペラ2及び垂直尾翼14の胴体部中心線からの水平方向のずれ量、並びに、プロペラ2と垂直尾翼14との左右水平方向の離隔距離は、プロペラ飛行玩具1の、形状、質量、重心位置、翼及びプロペラの取付位置や取付け角度、プロペラの回転数等により、最適値が変わるものであり、例えば、垂直尾翼14及びラダー3を胴体部10の中心線上に設け、プロペラ2の回転軸22だけを胴体部中心からプロペラ2の回転方向と同じ方向に水平にずらすこともある。
【0052】
この場合、前述のように垂直尾翼14及びラダー3をずらして配置する場合に比べて、プロペラ後流の中心から垂直尾翼14及びラダー3の距離が狭くなるため、プロペラ後流の影響を受けやすくなるが、プロペラ2を前述よりもプロペラ2の回転方向と同一方向である右方向に更にずらして配置することにより、プロペラ後流の影響を僅かに軽減させると共にプロペラ2の推進力による回転モーメントを増大させることで、直進性を保持することができると共に旋回飛行性能を左右で均等にすることができる。
【0053】
尚、垂直尾翼14及びラダー3を胴体部10の中心線から水平方向で左右にずらすことにより、胴体部中心線からプロペラ2までの距離を短くすることができるため、プロペラ2を保持する保持部材や、ギア列の大型化等による重量増加を抑制することができ、飛行性能に与える影響を最小限に留めて、プロペラの配設を容易に行うことができるため、好適である。
【0054】
又、プロペラ2の回転軸22の胴体部10の中心線から水平にずれる距離と、垂直尾翼14及びラダー3の胴体部10の中心線から水平にずれる距離とを等しくすることにより、プロペラ2及び垂直尾翼14の胴体部中心線からのずれ量を最小限に抑えることで、プロペラ2及び垂直尾翼14のずれによる外観性への影響を小さくして、見た目にもよいプロペラ飛行玩具1を提供することができる。
【0055】
更に、本実施例のプロペラ飛行玩具1は、機体の後部右側にプロペラ後流が強く当たる構造であったが、前述したように、機体の形態によっては機体後部左側にプロペラ後流が強く当たる場合もある。この場合についても、プロペラ2と垂直尾翼14を、プロペラ2の回転軸22の延長方向と垂直尾翼14の前後方向における延長方向が胴体部10の左右方向においてある間隔をもって互いにずれて配置させることにより、プロペラ後流が機体後部の左右側面に不均等に当たることにより生じる直進性能への影響を軽減させ、プロペラ2を機体重心から偏心させることにより、左右のどちらかに回転モーメントを付加させて、直進性能を更に向上させることができる。
【0056】
例えば、プロペラ2が後方から見て右回転する場合において、機体の後部左側にプロペラ後流が強く当たる形態のプロペラ飛行玩具1にあっては、プロペラ2の回転軸22と垂直尾翼14を所定距離だけ離隔させると共に、プロペラ2を胴体部10の中心より左側(即ち、プロペラ2の回転方向に対して反対方向)になるように配置することで、プロペラ後流が機体後部左側に強く当たることにより発生する回転モーメントに対して逆方向の回転モーメントを発生させて、プロペラ飛行玩具1に安定した直進飛行をさせることができる。
【0057】
又、プロペラ2及び垂直尾翼14は、プロペラ2の回転軸22の延長方向と垂直尾翼14の前後方向における延長方向が胴体部10の中心線を挟んで胴体部10の左右方向において互いに反対の方向に偏り所定の距離だけずれた位置に配置する場合や、垂直尾翼14は胴体部10の中心線上に設け、プロペラ2の回転軸22だけを胴体部10の中心線上からずらして配置する場合に限定されるものでもなく、垂直尾翼14だけを胴体部10の中心線上からずらして配置する場合や、プロペラ2及び垂直尾翼14の双方が胴体部中心線より左右何れか一方に配置する場合もあり、更に、プロペラ2が胴体部中心線側に配置される場合もあれば、垂直尾翼14が胴体部中心線側に配置される場合もある。
【0058】
又、ラダー3についても、垂直尾翼14の後部に取付ける場合に限ることなく、プロペラ後流の影響を受ける範囲内で、垂直尾翼14とは別の部材に回動可能に取付けてもよい。
【0059】
そして、本発明は、以上の実施例に限定されるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で自由に変更、改良が可能である。例えば、送信機110と受信機100を有線により繋ぐことにより操縦可能としてもよい。又、プロペラ飛行玩具1は、複葉機に限らず、単葉機や三葉機、多葉機等を模したものでもよい。更に、プロペラ2の回転方向は後方から見たときに右回りとする場合に限定することなく、左回りとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施例に係る飛行玩具の斜視図。
【図2】本発明の実施例に係る飛行玩具の送信機及び受信機の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の実施例に係る飛行玩具の側面図。
【図4】本発明の実施例に係る飛行玩具の平面図。
【図5】本発明の実施例に係る飛行玩具の背面図。
【符号の説明】
【0061】
1 プロペラ飛行玩具 2 プロペラ
3 ラダー 10 胴体部
11 上部主翼 12 下部主翼
13 水平尾翼 14 垂直尾翼
16 モータ収納部 20 プロペラ駆動部
22 回転軸 24 減速ギア
26 ピニオンギア 28 プロペラ用駆動モータ
30 ラダー用駆動アクチュエータ 31 ソレノイドコイル
32 磁石 100 受信機
101 受信回路 102 制御部
106 アンテナ 110 送信機
111 送信回路 112 制御部
116 アンテナ 118 増幅器
120 プロペラ操作部 122 ラダー操作部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信機からの操作信号によって遠隔操縦される飛行玩具であって、
胴体部と、該胴体部に取付けられた主翼と、前記胴体部の後部に取り付けられた水平尾翼と、該水平尾翼から上方に突出する垂直尾翼と、前記操作信号に応答して方向制御するラダーと、主翼の後方側に配置されたプロペラと、を備えてなり、
前記プロペラは、その回転軸の延長方向が前記水平尾翼の上側に向かう方向に配置されており、
前記プロペラの回転軸の延長方向と前記垂直尾翼の前後方向の延長方向は前記胴体部の左右方向においてある間隔をもって互いにずれて配置されていることを特徴とする飛行玩具。
【請求項2】
送信機からの操作信号によって遠隔操縦される飛行玩具であって、
前記飛行玩具の機体は、胴体部と、該胴体部に取付けられた主翼と、前記胴体部の後部に取付けられた水平尾翼と、該水平尾翼の上面に上方に突出するように垂設された垂直尾翼と、左右方向に回動可能に取付けられたラダーと、前記胴体部の長手方向における中央近傍の上端部において回転可能に取付けられたプロペラと、前記プロペラを回転させることで当該機体を前進させる推力を制御するプロペラ駆動部と、前記操作信号に応答して前記ラダーを当該機体に対して左右方向に回動させることで飛行玩具の旋回方向を制御するラダー駆動部と、を備え、
前記水平尾翼は、前記プロペラの回転軸の延長方向よりも下側に配置され、
前記プロペラの回転軸の延長方向と前記垂直尾翼の前後方向における延長方向は前記胴体部の左右方向において互いに反対の方向に偏り所定の距離だけずれた位置に配置されていることを特徴とする飛行玩具。
【請求項3】
前記プロペラの回転軸の延長方向と前記垂直尾翼の前後方向における延長方向がともに前記胴体部の前記長手延長方向に対し平面視平行となるように配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の飛行玩具。
【請求項4】
前記プロペラの回転軸の位置が、前記胴体部の長手延長方向中心線に対し、左右水平方向において前記プロペラの回転方向と同じ方向に偏って取り付けられており、
前記垂直尾翼が、前記胴体部の前記中心線に対し、前記プロペラの回転方向とは左右水平方向において逆方向に偏った位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の飛行玩具。
【請求項5】
前記プロペラの回転軸の前記胴体部の前記中心線から左右にずれる距離と前記垂直尾翼の前記中心線から左右にずれる距離とが等しいことを特徴とする請求項4に記載の飛行玩具。
【請求項6】
送信機からの操作信号によって遠隔操縦される飛行玩具であって、
前記飛行玩具の機体は、胴体部と、該胴体部に取付けられた主翼と、前記胴体部の後部に取付けられた水平尾翼と、該水平尾翼の上方に突出するように垂設された垂直尾翼と、左右方向に回動可能に取付けられたラダーと、前記胴体部に回転可能に取付けられたプロペラと、前記プロペラを回転させることで前記機体を前進させる推力を制御するプロペラ駆動部と、前記操作信号に応答して前記ラダーを前記機体に対して左右方向に回動させることで旋回方向を制御するラダー駆動部と、を備え、
前記水平尾翼は、前記プロペラの回転軸の延長方向よりも下側に配置され、
前記プロペラは、その回転軸の延長方向が前記垂直尾翼の前後方向に対し前記プロペラの回転方向側に偏って位置するように配置されていることを特徴とする飛行玩具。
【請求項7】
送信機からの操作信号によって遠隔操縦される飛行玩具であって、
前記飛行玩具の機体は、胴体部と、該胴体部に取付けられた主翼と、前記胴体部の後部に取付けられた水平尾翼と、該水平尾翼の上方に突出するように垂設された垂直尾翼と、左右方向に回動可能に取付けられたラダーと、前記胴体部に回転可能に取付けられたプロペラと、前記プロペラを回転させることで前記機体を前進させる推力を制御するプロペラ駆動部と、前記操作信号に応答して前記ラダーを前記機体に対して左右方向に回動させることで旋回方向を制御するラダー駆動部と、を備え、
前記プロペラは、該プロペラの回転によって空中に生じる後流が前記水平尾翼の上面側に位置するように、かつ前記プロペラの回転軸の延長方向が前記垂直尾翼の前後方向に対し前記プロペラの回転方向側に偏って位置するように配置されていることを特徴とする飛行玩具。
【請求項8】
送信機からの操作信号によって遠隔操縦される飛行玩具であって、
前記飛行玩具の機体は、胴体部と、該胴体部に取付けられた主翼と、前記胴体部の後部に取付けられた水平尾翼と、該水平尾翼の上方に突出するように垂設された垂直尾翼と、左右方向に回動可能に取付けられたラダーと、前記胴体部に回転可能に取付けられたプロペラと、前記プロペラを回転させることで前記機体を前進させる推力を制御するプロペラ駆動部と、前記操作信号に応答して前記ラダーを前記機体に対して左右方向に回動させることで旋回方向を制御するラダー駆動部と、を備え、
前記プロペラは、該プロペラの回転によって空中に生じる後流が前記水平尾翼の上面側に位置するように配置され、かつ前記垂直尾翼は該垂直尾翼の前後方向が前記プロペラの回転軸に対し前記プロペラの回転方向とは反対の側に偏って位置するように配置されていることを特徴とする飛行玩具。
【請求項9】
送信機からの操作信号によって遠隔操縦される飛行玩具であって、
胴体部と、該胴体部に取付けられた主翼と、前記胴体部の後部に取り付けられた水平尾翼と、該水平尾翼から上方に突出する垂直尾翼と、前記操作信号に応答して方向制御するラダーと、主翼の後方側に配置されたプロペラと、を備えてなり、
前記プロペラは、その回転軸の延長方向が、側面視で胴体部中心線に対し胴体部の後方で交わるように傾きかつ平面視で平行に配置されており、これにより前記プロペラの回転によって生じる後流が前記水平尾翼の上側に向かう方向に配置されており、
前記プロペラの回転軸の延長方向と前記垂直尾翼の前後方向の延長方向は前記胴体部の左右方向においてある間隔をもって互いにずれて配置されていることを特徴とする飛行玩具。
【請求項10】
前記ラダーが前記垂直尾翼の後部に左右方向に回動可能に取付けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れかに記載の飛行玩具。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−35605(P2010−35605A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−198614(P2008−198614)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(307024004)株式会社タイヨー (6)
【Fターム(参考)】