説明

食品を調理する生産品

【課題】食品又は食材を調理することができ、また、所望の味及び色と共に、所望の態様にて供することのできる生産品、その風味成分が周囲環境に拡がることがない生産品を提供する。
【解決手段】食品を調理する生産品1であって、耐熱性、折畳み可能な材料にて製造され、その生産品の内部2に食品を配置することができ、その生産品の内部に1つ以上の中間底部3が配置され、その中間底部と生産品の壁4との間にガスを発生させる材料が入れられ、その中間底部には、ガスを内部2に移送する穴5が形成される生産品において、中間底部3は、該中間底部が加熱することにより解放可能であるように生産品1の壁の少なくとも穴の点にて解放可能に締結される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品を調理する生産品であって、耐熱性、折畳み可能な材料にて製造され、その生産品の内部に食品を配置することができ、その生産品の内部に1つ以上の中間底部が配置され、その中間底部と生産品の壁との間にガスを発生させる材料が入れられ、その中間底部には、ガスを内部に移送する穴が形成される、上記生産品に関する。
【背景技術】
【0002】
魚、肉及びその他の食品又は食材をその目的用に設計された生産品内に配置し、生産品を閉じ且つ、生産品を加熱することにより魚、肉及びその他の食品又は食材を調理することが既知である。かかる生産品は、加熱されたとき、所望の味、色及び(又は)香りを提供し/発生させる必要な量の材料を容易に配置している。食材が閉じた空間内にあるとき、加熱中、蒸気、煙又は味、色及び(又は)香りを提供する同等の物が発生され、入り込み又は搬送され、これによりこの味、色及び(又は)香りが食材に付着する。
【0003】
場合によっては、味、色及び(又は)香りを発生させ/提供する上記材料は当該食品又は食材と共に、同一の空間内に入れられる。その場合、当該材料はその性質の一部を失い且つ(又は)例えば、食品の汁のため、湿ったとき、予想される仕方にて機能しないことがある。場合によっては、味、色及び(又は)香りを発生させ/提供する上記材料は、当該食品又は食材を保持する空間から分離した中間空間内に入れられ、当該中間空間は、分離した中間壁の反対側にある。この場合中間壁は、当該材料が分離した空間から食品又は食材を有する同一の空間に入ることを許容する開口部又は穴を含む。かかる生産品は、特に、フィンランド国特許第93688号明細書に記載された、食品を燻製保存処理するバッグである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】フィンランド国特許第93688号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
中間壁の穴又は開口部が開放しているとき、食品又は食材が生産品内に配置された際、食品又は食材の汁が中間壁の開口部又は穴を介して中間空間に多少入る可能性があり、また、当該材料がその性質の一部を失うことがある。食品を内部に配置する前、生産品を振り又はひっくり返した場合、材料は、中間底部の開口部/穴を介して食品空間に入ることがある。また、味、色及び(又は)香りを発生させ/提供する上記材料の臭いが強すぎる場合、この臭いは、貯蔵及び販売する間、また、少なくとも生産品を開け且つ、食品又は食材が生産品内に配置されたとき、生産品の外部に漏れることもある。
【0006】
本発明の1つの目的は、最近の生産品に関連した不利益な点を解消させるための食品を調理する生産品を提供することである。本発明の1つの特定の目的は、食品又は食材を調理することができ、また、所望の味及び色と共に、所望の態様にて供することのできる生産品を提供することである。更に、本発明の1つの目的は、その風味成分が周囲環境に拡がることがない生産品を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、請求項に記載されたことを特徴とする、生産品にて実現される。
本発明に従った生産品の中間底部は、生産品壁内にて加熱することにより穴の少なくとも幾つかの点にて解放可能に締結される。次に、味、色及び(又は)香りを発生させ/提供する上記材料はその位置に留まり、また、その食品又はその風味成分が中間底部の穴/開口部を介して食品空間又は周囲環境まで拡がることはできない。
【0008】
本発明の1つの有益な実施の形態において、中間底部は、締結成分によって生産品壁の少なくとも穴の幾つかの点にて解放可能に締結される。締結成分は、中間壁底部と壁との間にて拡がり又は固定することができ、また、加熱されたとき、その性質が変化して穴を開放することができる、その目的に適した、任意の材料とすることができる。
【0009】
本発明の有益な更なる実施の形態において、中間底部は、溶液と共に、生産品の壁に解放可能に締結される。溶液は、生産品の製造段階中、層の間にて容易に拡がることができる。適宜な溶液のため、中間壁は、生産品壁にて締結することができ、このため、その点及びその穴/開口部における中間壁は生産品の壁に対向し、また、これらは開放しない。
【0010】
本発明の1つの有益な更なる実施の形態において、溶液は、砂糖を保持する溶液である。砂糖の溶液により、中間底部は、生産品壁に対して適宜に締結され、これと同時に、砂糖の溶液は、味及び色を提供する1つの成分として機能する。本発明は、次に、添付図面を参照して、以下により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】使用すべく開放したときの本発明による生産品の1つの実施の形態を示す斜視図及び生産品の口の断面図である。
【図2】加熱する間、使用するときの本発明による生産品の1つの実施の形態を示す斜視図及び生産品の口の断面図である。
【図3】加熱する間、図1による生産品の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面による生産品は、既知の態様にて金属箔又は等価物にて製造したバッグ1である。該生産品は、頂部層6、中間底部3及び底部4という3つの層を含む。頂部及び底部は、生産品の外壁を形成する。中間壁である中間底部3は、その端縁から外壁内に締結される。中間底部3と底部壁4との間に残る空間7内にて、味、色及び(又は)香りを発生させ/提供する材料8が入れられる。内部空間、すなわち、中間底部と頂部壁6との間の内部2内に、食品又は食材が配置される。
【0013】
生産品の材料は、例えば、金属箔、又は金属箔にて被覆した紙又は等価物のような、生産品に適したようなものとして知られた耐熱性材料である。材料は、薄く、このため、生産品は、軽量で且つ安価である。生産品は、折畳み可能であり、小さい空間内に貯蔵し且つ、容易に輸送することを許容する。
【0014】
中間底部は、実際の生産品と同一の材料にて製造されるが、複数の穴5がその中間底部に形成されている。穴は、バッグの側部にあり、また、端縁から短い距離にて側部に対し平行に伸びている。中間底部は、その他の生産品材料ほど耐熱性である必要はないから、依然としてより薄い材料にて製造することができる。このことは、材料のコストを削減し、また、バッグを閉じることも多少容易にする。
【0015】
図面に従ったバッグを製造するとき、その目的に適した砂糖、その他の甘味剤又はその他の材料は、底部の頂部に均一な層として拡げられる。また、中間底部の穴の点にてのみ締結材料を拡げることが可能である。次に、例えば、ハンノキタール(alder tar)又はその他の抽出物等のような、追加的な風味成分を提供する適正な材料は、砂糖の頂部にて多量に霧化させ又は噴霧することにより連続的に狭い領域内にて頂部に置かれる。最後に、タール又は砂糖をそれ自体内に結合するハンノキチップの薄い層が頂部に置かれ、これと同時に、タール及び砂糖が粉末(dust)を吸引する。その後、底部の頂部には、中間底部が置かれ、この中間底部は、例えば、巻くことにより又はさもなければ、ESIMによりその全幅にわたって底部箔内にて締結される。次に、端縁上の砂糖の溶液又はその他の締結成分は、中間底部の穴を完全に塞ぎ/充填する。このように、中間底部は、底部にて締結され且つ、十分に使用に耐える。
【0016】
味、色及び(又は)香りを発生させ/提供する材料8は、その目的のため使用することを意図する材料である。これは、望ましくは、例えば、ヒッコリー又はハンノキ破砕材又はその他のウッド材料のような、ウッド材料とすることができる。ウッド材料は、通常、破砕材として生産品内に入れるが、また、チップ、薄切り材又は何らかのその他の形態として使用することもできる。更に、ウッド材料の中、通常、砂糖が使用される。本発明のその他の実施の形態において、生産品内には、ガスを発生させる材料として、味、又は色又は調味料効果又は同様のものを発生させる色々な材料が入れられる。また、味及び(又は)調味料効果を提供するウッド材料及びその他の材料の双方を置くことも可能である。
【0017】
生産品内に入れられたガスを発生させる材料は、その目的に適した材料であり、その材料によって発生されたガスは無毒である。食品が生産品に入れられ、また、生産品が加熱されたとき、生産品内の材料も熱する。この材料によって発生されたガスは、食品の周囲の空気と混合され且つ、食品内に吸収される。依然として、食材の本来的な風味成分は保持される。食品中に入れる材料を適正に選ぶことを通じて、食品の本来的な味を強調し又は食品を異なる味付けとすることが可能である。この生産品は、各種の食料品を料理するのに適している。
【0018】
生産品を使用するため、バッグの口を開け、その内部を手により所望の形態の形態の形状にし、このため折畳み部分を展開させる。図1は、展開させ且つ所定の形状としたバッグを示す。図1は、バッグの口の断面を示し、また、この図は、中間底部3は、バッグの底部壁4に対向し、また、穴5は底部壁に対向することを示す。例えば、魚又は肉のような、食品又は食材は、内部2、すなわち内部空間内にて中間底部の頂部に配置され、生産品の口は、例えば、口を巻くことにより固く閉じられ、また、生産品は、裸火、燻製火又は任意のその他の熱源の上方にて又はその付近に配置される。バッグが熱して、温度が100℃以上に上昇したとき、砂糖及び(又は)その他の締結成分は溶融し、中間底部の穴は開き、これにより蒸気又は煙は開放した穴を介して内部にすなわち例えば、魚又は肉のような食品又は食材を保持する内部空間に入ることができる。バッグが熱して、温度が上昇すると、中間空間内の材料はガスを発生させ、このガスは、中間空間の壁を拡張させ、これにより中間底部及びバッグ壁は互いに離れるように動く。また、このことは、穴を自由にするのを助ける。図2は、部分的に開いたバッグ及び口を断面図にて示し、これにより中間空間7及びその内部の材料8を見ることができる。この段階にて、中間底部3及び底部壁4は分離され、穴5は自由となり、煙及び風味成分が中間空間から生産品空間に入ることができる。煙は、内部にすなわち当該内部空間に従来よりも多量に且つ低温度にて入ることができる。図3は、加熱中のバッグの断面を示し、これによりガス及び風味成分は、内部にすなわち内部空間2に入ることができ、バッグは、ガスの効果によって拡張する。
【0019】
燻製保存処理の後、例えば、鋏又はナイフを使用する等により生産品を頂部から開放し、また、端縁を側部まで展開させることにより魚又は肉は供すべく調理される。肉又は魚は、これら肉又は魚を供することのできる中間底部の頂部にて魅力的に陳列される。
【0020】
本発明は、上述した有益な実施の形態に限定されるものではなく、請求項に記載した本発明の着想の範囲内にて変更が可能である。
【符号の説明】
【0021】
1 バッグ
2 内部/内部空間
3 中間底部
4 壁
5 穴
6 頂部壁
7 空間
8 材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を調理する生産品(1)であって、耐熱性、折畳み可能な材料にて製造され、該生産品の内部(2)に食品を配置することができ、該生産品の内部に1つ以上の中間底部(3)が配置され、該中間底部と生産品の壁(4)との間にガスを発生させる材料が入れられ、該中間底部には、ガスを内部(2)に移送する穴(5)が形成される、前記生産品において、
前記中間底部(3)は、前記生産品(1)の前記壁(4)の少なくとも前記穴(5)の点にて締結され、該中間底部が加熱することにより解放可能であることを特徴とする、食品を調理する生産品。
【請求項2】
請求項1に記載の生産品において、前記中間底部は、該中間底部が締結成分により前記生産品(1)の前記壁の少なくとも前記穴の点にて解放可能に締結されることを特徴とする、生産品。
【請求項3】
請求項2に記載の生産品において、前記締結成分は、前記中間底部及び前記壁を互いに締結するよう配置された溶液であることを特徴とする、生産品。
【請求項4】
請求項3に記載の生産品において、前記溶液は砂糖を含む溶液であることを特徴とする、生産品。
【請求項5】
請求項1から4の何れかの請求項に記載の生産品において、該生産品内には、ウッド材料が入れられることを特徴とする、生産品。
【請求項6】
請求項1から5の何れかの請求項に記載の生産品において、該生産品内には、調味料が入れられることを特徴とする、生産品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−235208(P2010−235208A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−34240(P2010−34240)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(510046480)
【Fターム(参考)】