説明

食欲減退芳香剤組成物

本発明は、漢方薬材を用いた食欲減退芳香剤組成物に関する。具体的には、甘草エキス、桔梗エキス、大黄エキス、薄荷エキス、白朮エキス、センキュウエキス、荊芥エキスなどを混合したエキスとエタノールからなるものであり、香りにより室内雰囲気に清涼感を与え、気持ちをさわやかに明るくさせ、しかも、楽さを与えるために、または、冷蔵庫など悪臭が生じがちな個所の悪臭を消臭するために用いられ、さらに、防風通聖散原方の漢方天然香が人体に染み込んで食欲が抑制されてダイエット効果も奏する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は食欲減退芳香剤組成物に係り、さらに詳しくは、多数の漢方薬草から食欲抑制成分を抽出し、エタノールと適正な割合にて混合して揮発液状化させることにより、随時香りを嗅ぐだけで食欲を抑制させてダイエットを実現できるようにした食欲減退芳香剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、芳香剤は、香りにより室内雰囲気に清涼感を与え、気持ちをさわやかに明るくさせ、しかも、楽さを与えるために、または、冷蔵庫など悪臭が生じがちな個所の悪臭を消臭するための消臭剤として用いられる。このため、芳香剤には、清涼感とさわやかさ、楽さなどが求められ、場合によっては、心身の安定感と鎮静効果まで求められることがある。
【0003】
しかしながら、従来通常の芳香剤は、一部の天然香料と合成香料とからなり、芳香剤の香りを発散させるところに主な目的があるものであり、香りにより清涼感を与えるよりは、むしろ悪臭と芳香剤の芳香成分とが混在して一層酷い悪臭を生じさせる場合もあり、とりわけ、合成香料の場合には、その香臭の強弱に応じて、混迷さや頭痛を引き起こす場合もあった。
【0004】
この理由から、最近には、天然の自然香を提供するために、香りのする植物(ハーブ、漢方薬草など)を乾燥させて芳香剤として用いる試みが増えてはいるものの、ユーザーに安定した香りを提供する芳香剤組成物は未だ開発されていないのが現状である。
【0005】
また、最近の国民経済の発展には目を見張るものがあり、エネルギー含量の高い加工食品を多量摂取し、運動量が少なくなるにつれて肥満症が国民の健康を脅かす要因となっている。肥満症は、美しくない姿によって人々によくない印象を与え、活動にも不便をもたらすだけでなく、肥満人は正常人に比べて糖尿病、動脈硬化症、高血圧症、心臓病、肝臓病、胆石症、通風、腎臓病などの発生率と手術時の危険性が高いため、大体短命すると報告されている。したがって、肥満症は中年を過ぎた人には生命に関する問題であり、若い女性には美容上の理由で深刻な問題として考慮されている。
【0006】
現在、肥満の治療方法としては、食事療法、運動療法、行動療法、薬物療法、手術療法などが提案されている。中でも、食事療法は、肥満治療の最も基本的な治療法であるとはいえ、多くの患者が食餌量の調節に難があることを訴えている。それ故に、食欲の抑制のための補助方法として香気療法が用いられているが、未だその効果を立証するような資料はないのが現状である。
【0007】
香気療法は、自然から抽出した香油を用いて、人間の自然治癒能力を調律し、免疫系を活性化させて疾病を治療・予防する自然治療医学の一つであるとともに、使用する材料に応じて、様々な効果が得られる療法であり、その用途を制限できないほど広範に活用されている。すなわち、身体と精神健康のための治療法として用いられているだけではなく、化粧品の原料としても用いられ、最近には、室内装飾物の一部としても用いられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明は、上述した従来の問題点を改善するために案出されたものであり、その目的は、成人病の最大の原因となり、しかも、美容阻害の一因となる肥満に対する自然治癒能力を強化させ、免疫系を活性化させるために、漢方天然香を通じて人体に食欲が抑制される効果を生じさせて体重を減らすことのできる食欲減退芳香剤組成物を提供するところにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、ユーザーに安定した香りを提供し、発散された香りが芳香剤を設けた個所の周りに長時間漂うことのできる食欲減退芳香剤組成物を提供するところにある。
【0010】
さらに、本発明にさらに他の目的は、食欲減退芳香剤組成物を長期に亘って用いても、各種の微細物による腐敗が生じることなく、乾燥性を長時間維持して湿気による腐敗を防ぐことのできる食欲減退芳香剤組成物を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明は、甘草エキス、桔梗エキス、大黄エキス、薄荷エキス、白朮エキス、センキュウエキス、荊芥エキス、当帰エキス、防風エキス、梔子エキス、オウゴンエキス、生姜エキス、連翹エキス、白芍エキスなどの防風通聖散漢薬材エキスとエタノールからなることを特徴とする。
【0012】
より好ましくは、本発明は、エタノール90重量部に対して、甘草エキス0.5〜1重量部、桔梗エキス0.5〜1重量部、大黄エキス0.3〜0.7重量部、薄荷エキス0.3〜0.7重量部、白朮エキス0.5〜1重量部、センキュウエキス0.3〜0.7重量部、荊芥エキス0.3〜0.7重量部、当帰エキス0.3〜0.7重量部、防風エキス0.3〜0.7重量部、梔子エキス0.3〜0.7重量部、オウゴンエキス0.5〜1重量部、生姜エキス0.3〜0.7重量部、連翹エキス0.3〜0.7重量部、白芍エキス0.3〜0.7重量部を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る食欲減退芳香剤組成物は、防風通聖散原方の漢方天然香が人体に染み込んで食欲が抑制される効果を奏して、健康を維持しつつも、体重減量の効果を提供する。
【0014】
また、本発明は、その構成成分として漢方的に人体を健康にする漢方薬草を用いることにより、漢方薬草の香りによって人体の健康にも大幅に役立つ効果を提供する。
【0015】
さらに、本発明に係る食欲減退芳香剤組成物は、ユーザーに安定した香りを提供し、発散された香りが芳香剤を設けた個所の周りに長時間漂う効果を提供する。
【0016】
さらに、本発明に係る食欲減退芳香剤組成物は、長期に亘って使用しても各種の微生物による腐敗が生じることがなく、食欲減退芳香剤組成物の乾燥性を長時間維持して湿気による腐敗を防ぐという効果を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実験対象群のLeptin陽性細胞発現の変化を示すグラフ。
【図2】実験対象群のNPY陽性細胞発現の変化を示すグラフ。
【図3】実験対象群の短期記憶能力の変化を示すグラフ。
【図4】実験対象群のBDNFタンパク質発現の変化を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、甘草エキス、桔梗エキス、大黄エキス、薄荷エキス、白朮エキス、センキュウエキス、荊芥エキス、当帰エキス、防風エキス、梔子エキス、オウゴンエキス、生姜エキス、連翹エキス、白芍エキスなどの防風通聖散漢薬材エキスとエタノールからなることを特徴とする。
【0019】
以下、本発明に係る食欲減退芳香剤組成物を実施例および添付図面に基づいて説明する。
本発明の一実施の形態において用いられた薬草の香りの強度に応じてその構成成分の含量を異ならせて実験したところ、その香りの配合が最適となる構成成分比を確認することができた。その結果、本発明に係る食欲減退芳香剤組成物は、エタノール90重量部に対して、甘草エキス0.5〜1重量部、桔梗エキス0.5〜1重量部、大黄エキス0.3〜0.7重量部、薄荷エキス0.3〜0.7重量部、白朮エキス0.5〜1重量部、センキュウエキス0.3〜0.7重量部、荊芥エキス0.3〜0.7重量部を含むことを特徴とする。
【0020】
本発明は、食欲減退芳香剤組成物に関するものであり、これを得るための具体的な工程は、下記の手順に行われる。
1)甘草、桔梗、大黄、薄荷、白朮、センキュウ、荊芥をそれぞれ乾燥し、混合し且つ粉砕するステップと、
2)前記混合物を超臨界抽出槽に入れ、超臨界流体を供給するステップと、
3)抽出槽の圧力を400気圧に維持し、抽出槽内部の温度を0.5℃/minの速度で40℃まで昇温させるステップと、
4)抽出槽の温度と圧力を30〜50℃、200〜500気圧で5〜7時間維持した後、1気圧に減圧するステップと、
5)ステップ1から4を経た混合物に含有されたワックス成分および不揮発性物質をエタノールなどの溶媒に溶解させて除去することにより、食欲減退芳香剤組成物を得るステップと、
を含む。
【0021】
以下、前記本発明に係る食欲減退芳香剤組成物を抽出するステップについて詳述する。
まず、それぞれの甘草、桔梗、大黄、薄荷、白朮、センキュウ、荊芥を完全に乾燥して混合した後、粉砕機を用いて微細に粉砕する。
上記の微細粉砕ステップを経た物質を超臨界抽出槽に投入し、高圧用のガスポンプを用いて抽出槽に二酸化炭素を供給して圧力を高める。抽出槽の圧力が400気圧に達すると、二酸化炭素の供給を止める。このとき、抽出槽内部の温度は25℃〜35℃に維持する。これは、加圧ポンプと抽出槽とが長管(1m)によって連結されているため、加圧ポンプに近い個所は加温されるものの、実際に抽出槽内部の温度には変化が無くなるためである。
【0022】
前記二酸化炭素を供給するステップを経た後、温度制御器を用いて抽出槽内部の温度を0.5℃/minの速度にて65℃まで昇温させる。昇温による抽出槽の圧力は、抽出槽の出口に取り付けられている圧力調節器を用いて二酸化炭素を一部排出しつつ
200〜500気圧に維持する。
【0023】
前記温度及び圧力を上昇させるステップを経た後、抽出槽の温度と圧力を30℃〜50℃、200〜500気圧に5〜7時間維持する。高圧用のガスポンプを再作動して20L/minの流量にて二酸化炭素を抽出槽に連続して供給する。これと同時に、出口側に取り付けられている圧力調節器を用いてエキスを放出させつつ抽出槽の温度と圧力を一定に維持する。その後、放出されたエキスを1気圧に減圧して二酸化炭素を大気に放出させ、芳香性精油エキスの有効成分を一緒に捕集器内に回収する。上記の過程を12時間行うことにより、エキスが得られる。
【0024】
本発明に係る食欲減退芳香剤組成物は、上記の抽出方法により得られた天然精油エキス50gとエタノール450gを混合してなることを特徴とする。
また、本発明の他の実施形態に係る食欲減退芳香剤組成物は、エタノール90重量部に対して、甘草エキス0.5〜1重量部、桔梗エキス0.5〜1重量部、当帰エキス0.3〜0.7重量部、大黄エキス0.3〜0.7重量部、薄荷エキス0.3〜0.7重量部、防風エキス0.3〜0.7重量部、白朮エキス0.5〜1重量部、センキュウエキス0.3〜0.7重量部、梔子エキス0.3〜0.7重量部、オウゴンエキス0.5〜1重量部、生姜エキス0.3〜0.7重量部、連翹エキス0.3〜0.7重量部、白芍エキス0.3〜0.7重量部、荊芥エキス0.3〜0.7重量部を含むことを特徴とする。
【0025】
本発明のさらに他の実施形態は、14種類の防風通聖散漢薬材エキスが含有されている食欲減退芳香剤組成物に関するものであり、これを得るための工程は、下記の手順に従い行われる。
1)甘草、桔梗、当帰、大黄、薄荷、防風、白朮、センキュウ、梔子、オウゴン、生姜、連翹、白芍、荊芥をそれぞれ乾燥し、混合し且つ粉砕するステップと、
2)前記混合物を超臨界抽出槽に入れて超臨界流体を供給するステップと、
3)抽出槽の圧力を400気圧に維持し、抽出槽内部の温度を0.5℃/minの速度にて45℃まで昇温させるステップと、
4)抽出槽の温度と圧力を30〜50℃、200〜500気圧に5〜7時間維持した後、1気圧に減圧するステップと、
5)ステップ1から4を経た混合物に含有されたワックス成分および不揮発性物質をエタノールなどの溶媒に溶解して除去することにより、食欲減退芳香剤組成物を得るステップと、
を含む。
【0026】
まず、それぞれの甘草、桔梗、当帰、大黄、薄荷、防風、白朮、センキュウ、梔子、オウゴン、生姜、連翹、白芍、荊芥を完全に乾燥して混合した後、粉砕機を用いて微細に粉砕する。
【0027】
前記微細粉砕ステップを経た物質を超臨界抽出槽に投入し、高圧用ガスポンプを用いて抽出槽に二酸化炭素を供給して圧力を高める。抽出槽の圧力が400気圧に達すると、二酸化炭素の供給を止める。
このとき、抽出槽内部の温度は25〜35℃に維持する。これは、加圧ポンプと抽出槽とが長管(1m)によって連結されているため、加圧ポンプに近い個所は加温されるものの、実際に抽出槽内部の温度には変化が無くなるためである。
【0028】
前記二酸化炭素を供給するステップを経た後、温度制御器を用いて、抽出槽の外部を取り囲んでいる熱線を用いて、抽出槽内部の温度を0.5℃/minの速度にて65℃まで昇温させる。昇温による抽出槽の圧力は、抽出槽の出口に取り付けられている圧力調節器を用いて二酸化炭素を一部排出しつつ圧力を200〜500気圧に維持する。
【0029】
前記温度及び圧力を上昇させるステップを経た後、抽出槽の温度と圧力を30℃〜50℃、200〜500気圧に5〜7時間維持する。高圧用のガスポンプを再作動して20L/minの流量にて二酸化炭素を抽出槽に連続して供給する。これと同時に、出口側に取り付けられている圧力調節器を用いてエキスを放出させつつ抽出槽の温度と圧力を一定に維持する。その後、放出されたエキスを1気圧に減圧して二酸化炭素を大気に放出させ、芳香性精油エキスの有効成分を一緒に捕集器内に回収する。上記の過程を10〜12時間行うことにより、エキスが得られる。
【0030】
本発明に係る食欲減退芳香剤組成物は、上記の抽出方法により得られた天然精油エキス50gとエタノール450gを混合してなることを特徴とする。
【0031】
本発明の漢薬材の割合を上記のように定めた理由は、漢薬材固有の匂いを考慮したためであり、以下、これについて説明する。
すなわち、本発明の漢薬材の割合はユーザーに爽やかな気持ちを感じさせるために薄荷エキスと荊芥エキスの割合を0.3〜0.7重量部に、甘草エキスの割合を0.5〜1重量部に、肥満の要因となる熱を鎮めるために大黄エキスとセンキュウエキスの割合を0.3〜0.7重量部に、食欲減退による身体の衰弱を防止するために白朮エキスの割合を0.5〜1重量部に、身体の代謝活動を円滑にするために生姜エキスと白芍エキスの割合を0.3〜0.7重量部にしている。
【0032】
すなわち、前記漢薬材の割合の範囲から外れて漢薬材を構成する場合、香りが過度に発散され、熱を鎮める効果があまり得られず、ユーザーに漢薬材固有の匂いによる嘔吐症状などを生じさせるという問題があった。
【0033】
上述した漢方薬草であっても、それぞれの薬草を分離して単一香をそのまま使用する場合にはあまりにも容易に発散されてその香りが直ぐ消え易いため、上述したような薬草の構成成分を配合して種々の香りの配合によってその香りが容易に発散されることを防ぎ、その構成成分の量をそれぞれ異ならせて配合することにより、本発明に係る薬草芳香剤組成物はユーザーに特別な清涼感、爽やかさ、楽さなどを安定的に提供する香りが発散されるのである。
【0034】
次に、上述した本発明に係る薬草芳香剤組成物は、甘草エキス、桔梗エキス、当帰エキス、大黄エキス、薄荷エキス、防風エキス、白朮エキス、センキュウエキス、梔子エキス、オウゴンエキス、生姜エキス、連翹エキス、白芍エキス、荊芥エキスからなり、上述した薬草の香りはその発散する性質が強いため、薬草芳香剤組成物が設けられる個所の周りにその香りが渋滞せず、さらに広い空間に発散しようとする。このような香りの発散を抑制して薬草芳香剤組成物が設けられる個所の周りから香りが発散することなくそのまま渋滞させるために、大黄をエタノール90重量部に対して0.2〜0.5重量部さらに配合することが好ましい。なお、大黄エキスの構成成分の重量比を0.3〜0.7重量部にすることにより、大黄による薬草芳香剤組成物の香りの発散を抑制することができる。
【0035】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明の構成および効果をより詳述する。しかしながら、これらの実施例は本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例に制限されることはない。
【0036】
[実施例1]食欲減退芳香剤組成物の製造
甘草80g、桔梗80g、大黄60g、薄荷40g、白朮80g、センキュウ40g、荊芥40gを乾燥し、混合し且つ粉砕した混合物を超臨界抽出槽に投入した後、高圧用のガスポンプを用いて抽出槽に二酸化炭素を供給して、圧力が450気圧に達したところで、二酸化炭素の供給を止めた。温度制御器を用いて抽出槽の外部を取り囲んでいる熱線を通じて抽出槽内部の温度を0.5℃/minの速度にて65℃まで昇温した。抽出槽の出口に取り付けられている圧力調節器を用いて二酸化炭素を一部排出しつつ抽出槽の温度と圧力を65℃、450気圧に6時間維持した。しかる後、高圧用のガスポンプを再作動させて20L/minの流量にて二酸化炭素を抽出槽に連続して供給した。これと同時に、出口側に取り付けられている圧力調節器を用いてエキスを放出させつつ、抽出槽の温度と圧力を65℃、450気圧に6時間維持する。高圧用のガスポンプを再作動させて20L/minの流量にて二酸化炭素を抽出槽に連続して供給した。これと同時に、出口側に取り付けられている圧力調節器を用いてエキスを放出させつつ抽出槽の温度と圧力を一定に維持した。
【0037】
次に、放出されたエキスを1気圧に減圧して二酸化炭素を大気に放出させ、食欲減退芳香剤組成物の有効成分を一緒に捕集器内に回収した。上記の過程を12時間かけて行ってエキスを得た後、抽出作業を終了して天然精油51.3gを得、この天然精油をエタノール450gに天然精油50gを溶解させた。上記の方法により製造された食欲減退芳香剤組成物の食欲減退の度合いを実験してみたところ、下記表1に示す結果が得られた。
【0038】
【表1】

【0039】
上記表1は、芳香剤を吸入した群と、吸入しなかった群を分けて実験したものであり、それぞれ群に対してそれぞれの時間中の食欲の減退有無を0〜10まで表示するVAS検査を用いて実験したものであり、その結果は、上記したように、吸入群において、未吸入群よりもさらに多く食欲が減退することが測定された。なお、未吸入群が時間の経過とは無関係に一定の食欲を示すのに対し、本発明によって製造された組成物を吸入した群は、経時的に食欲が次第に減退することが分かる。
【0040】
また、本実験の正確性を図るために、実験に参加した吸入者に他の要因が食欲に及ぼすことを遮断するために、芳香剤吸入1時間前から水以外の他の物質の摂取を禁じ、実験施行時間60分間は食欲評価の正確性のために読書やインターネット、テレビ視聴など集中力を要する行為はしないように要求した。そして、芳香剤組成物原液は皮膚に直接的に当たる場合に刺激が激し過ぎる場合があるため、約2〜4滴のみ乾燥・吸入させた。
【0041】
このため、このような実験結果は、前記芳香剤組成物のみが影響要因であり、吸入群において食欲が減退する効果が得られたということは、本発明が食欲を減少させてダイエット効果を得るのに寄与することを示唆する。
【0042】
[実施例2]食欲減退芳香剤組成物の製造
甘草100g、桔梗100g、大黄80g、薄荷60g、白朮100g、センキュウ60g、荊芥60gを、実施例1の方法と同様にして食欲減退芳香剤組成物を製造した。上記の方法により製造された食欲減退芳香剤組成物の食欲減退の度合いを実験してみたところ、下記表2に示す結果が得られた。
【0043】
【表2】

【0044】
実施例1と実験施行の条件は同様にした。その結果を調べてみると、上記表2から明らかなように、漢薬材の成分の割合が増大した分、食欲減退の効果がやや増大されている。なお、薄荷と荊芥エキスの割合が増大された分、吸入者に爽やかな気持ちを感じさせ、実験後の実験対象者の異常兆候は認められなかった。
【0045】
[実施例3]食欲減退芳香剤組成物の製造
甘草50g、桔梗50g、当帰30g、大黄37g、薄荷30g、防風30g、白朮50g、センキュウ30g、梔子30g、オウゴン50g、生姜30g、連翹30g、白芍30g、荊芥30gを、実施例1の方法と同様にして食欲減退芳香剤組成物を製造した。
上記の方法により製造された食欲減退芳香剤組成物の食欲減退の度合いを実験してみたところ、下記表3に示す結果が得られた。
【0046】
【表3】

【0047】
実施例1と実験施行の条件は同様にした。その結果を調べてみると、実施例1には含まれていなかった当帰、防風などが甘草の効能を強化させて身体の熱を鎮めることから、食欲減退の効果が一層増大され、生姜と芍薬エキスが含まれることにより、身体の気を補う効果も得られた。
【0048】
[実施例4]食欲減退芳香剤組成物の製造
甘草60g、桔梗60g、当帰40g、大黄50g、薄荷40g、防風40g、白朮60g、センキュウ40g、梔子40g、オウゴン60g、生姜40g、連翹40g、白芍40g、荊芥40gを、実施例1の方法と同様にして食欲減退芳香剤組成物を製造した。
上記の方法により製造された食欲減退芳香剤組成物の食欲減退の度合いを実験してみたところ、下記表4に示す結果が得られた。
【0049】
【表4】

【0050】
実施例1と実験施行の条件は同様にした。その結果を調べてみると、実施例1には含まれていなかった当帰、防風などが甘草の効能を強化させて身体の熱を鎮めることから、食欲減退の効果が一層増大され、生姜と芍薬エキスが含まれることにより、身体の気を補う効果も得られた。
【0051】
[比較例1]
甘草60g、桔梗60g、大黄40g、薄荷20g、白朮60g、センキュウ20g、荊芥20gを、実施例1の方法と同様にして食欲減退芳香剤組成物を製造した。上記の方法により製造された食欲減退芳香剤組成物の食欲減退の度合いを実験してみたところ、下記表5に示す結果が得られた。
【0052】
【表5】

【0053】
この実験の条件もまた実施例1と同様である。その結果を調べてみると、芳香剤を吸入した群とそうでない群の食欲減退効果があまり大きくないことが分かる。漢薬材の成分が弱いほど漢薬材固有の匂いが薄くなってユーザーに不快感を与える度合いは減ったものの、防風通聖散漢薬材の効果にも劣っていて、食欲減退の効果があまりないことが分かる。
【0054】
[比較例2]
甘草120g、桔梗120g、大黄100g、薄荷80g、白朮120g、センキュウ80g、荊芥80gを、実施例1の方法と同様にして食欲減退芳香剤組成物を製造した。
上記の方法により製造された食欲減退芳香剤組成物の食欲減退の度合いを実験してみたところ、下記表6に示す結果が得られた。
【0055】
【表6】

【0056】
この実験の条件もまた実施例1と同様である。その結果を調べてみると、芳香剤を吸入した群の効果の方が、芳香剤を吸入しなかった群に比べて、食欲が減退していることが分かる。但し、漢薬材の成分比が増えることにつれて、漢薬材固有の香りが過度に発散されてユーザーに嘔吐やむかつきを感じさせる副作用が生じた。
【0057】
[比較例3]
甘草30g、桔梗30g、当帰20g、大黄27g、薄荷20g、防風20g、白朮30g、センキュウ20g、梔子20g、オウゴン30g、生姜20g、連翹20g、白芍20g、荊芥20gを、実施例1の方法と同様にして食欲減退芳香剤組成物を製造した。
上記の方法により製造された食欲減退芳香剤組成物の食欲減退の度合いを実験してみたところ、下記表7に示す結果が得られた。
【0058】
【表7】

【0059】
実施例1と実験施行の条件は同様にした。その結果を調べてみると、漢薬材の割合が少ない分、漢薬材固有の香りが強くないため、嘔吐を引き起こすことはなかったものの、食欲減退の効果もまた実施例1と比較してあまりないことが分かった。
【0060】
[比較例4]
甘草70g、桔梗70g、当帰50g、大黄47g、薄荷50g、防風50g、白朮70g、センキュウ50g、梔子50g、オウゴン70g、生姜50g、連翹50g、白芍50g、荊芥50gを、実施例1の方法と同様にして食欲減退芳香剤組成物を製造した。
上記の方法により製造された食欲減退芳香剤組成物の食欲減退の度合いを実験してみたところ、下記表8に示す結果が得られた。
【0061】
【表8】

【0062】
実施例1と実験施行の条件は同様にした。その結果を調べてみると、実施例1には含まれていなかった当帰、防風などが甘草の効能を強化させて身体の熱を鎮めることから、食欲減退の効果が一層増大され、生姜と芍薬エキスが含まれることにより、身体の気を補う効果も得られた。但し、漢薬材固有の香りが強過ぎるため、ユーザーにむかつきを感じさせ、さらには、嘔吐症状まで引き起こす副作用があった。
【0063】
上記の抽出方法によって得られた本発明の最大の特徴は、芳香剤の組成物がいずれも天然生薬材から構成されているということであり、優れた消臭効果を有するものである。本発明者は、従来の芳香剤組成物に用いられる合成香料または合成香料と天然オイルを組み合わせた組み合わせ香料ではない、生薬材だけで構成された芳香剤組成物を用いることにより、既存の芳香剤の目的を達成しつつも、心身に対するくつろぎ効果により安定感、鎮静作用の効果を収めることを目指し、新たな組成により悪臭除去およびタバコ匂いの除去など消臭にも優れた効果がある芳香剤組成物を得た。
【0064】
また、本発明の組成物を構成する成分の生薬はほとんどが一次的な主治で熱を鎮めつつ湿を除去する。漢医学的な観点から、ほとんどの肥満患者に熱と湿によって多くの疾患が生じるため、湿熱を無くすことが、肥満患者の問題を解消することにつがなる。
【0065】
以下、本発明に従い抽出されたダイエット用の芳香剤精油組成物の機能について実験例を通じて述べる。
[実験例]
1.実験の対象
この実験に供された動物は5週齢(25g±2)のICR系のラットであり、国家公認動物取扱業体(Orient Bio Co、Kyung−Gi、Korea)から入手した。実験動物に3日間の環境適応期間を経させた後、ランダム標本抽出によって、対照群(n=8)、絶食群(n=8)、絶食−ダイエット用の芳香剤精油組成物香りの吸入群(n=8)という3群に分けた。絶食ラットは48時間中に水のみを供給し、飼料は供給しなかった。各群別にラットを飼育ケージ(30cm×20cm)に入れ、恒温(20±2℃)、恒湿(60%)が維持され、12時間おきに昼間と夜間を交代させる同じ実験室環境下で飼育した。
ダイエット用の芳香剤精油組成物香りの吸入は、密閉されたプラスチック箱(35cm×23cm×24cm)にその芳香剤精油組成物を実験開始の1日前に予め入れてその香りがプラスチック箱内に十分に広がるようにした。
香りの吸入は、1日につき2回(午前10時と午後6時)1時間ずつ精油組成物香り吸入群のラットを密閉された箱内に入れて2日間自由に繰り返し吸入させる方式により行った。
【0066】
2.記憶能力の測定
記憶能力測定装備としてはstep−down avoidance task(NeuroLab、Korea)を用い、実験動物に最初7×25cmフラットフォーム(高さ2.5cm)において2分間安定を取らせた後、記憶能力測定を行った。記録は、フラットフォームの上に置かれたラットが平行に置かれた1cm間隔のステンレス鋼棒(42×25cm)に四足が全て届いたときに測定した。フラットフォームから降りたラットに0.2mAの電気刺激を2秒間与えてラットに記憶をさせた後、1時間後にテストを行った。記録の測定は上記と同じ手続きにより行い、電気刺激は与えなかった。フラットフォームに四足が全て届いた時間は、最大180秒まで記録した。
【0067】
3.組織処理
実験の終わった動物は、Zoletile 50(商標登録R)(Vibac、Carros、France)を実験動物の腹腔に10mg/kgにて注射して麻酔させた後、胸腔を開き、左心室を介して50mMリン酸塩緩衝食塩水(Phosphate buffer saline;PBS)を5分間注入した。続けて、100mMのリン酸緩衝液(phosphate buffer、PB)に4%のパラホルムアルデヒド(PFA)固定液を10分間灌流させた後に脳を摘出し、4℃において4%PFA溶液に24時間沈殿させた後に固定した。固定された脳組織は、30%スクロース溶液に一週間沈殿させた後、凍結ミクロトーム(Leica、Nussloch、Germany)を用いて40μmの厚さで連続横断切片を製作した。
【0068】
4.免疫組織化学法
1)Leptin免疫組織化学法
脳切片を選択して、まず、組織内に存在する内在性ペルオキシダーゼを不活性化させるために、50mMPBS1%にて希釈された過酸化水素(H2O2)に30分間反応させた後、50mMPBSにて3回洗浄し、1%ウシ血清アルブミン(BSA)と10%のヤギ血清により1時間反応させた後、ウサギ抗レプチン抗体(1:500、DiaSorni、Stillwater、MN、USA)と、0.05%BSAおよび0.3%TritonX−100が入っている一次抗体溶液により12時間室温において反応させた。そして、ビオチン化ウサギ二次抗体(1:2000、Vector Laboratories、Burlingame、CA、USA)において1時間反応させた後、アビジン−ビオチン−ペルオキシダーゼ錯体(Vectastain ABC(商標登録R)kit、Vector Laboratories)において1時間室温において反応させた。発色体としては、3,3´−ジアミノベンジジン・4塩酸塩(DAB)を0.05M Tris−HCl(pH7.6)に0.02%にて希釈し、0.03%のH2O2を添加して5分間発色を行った。発色の終わった組織は、ゼラチンのコーティングされたスライドガラスに載せて2時間室温において乾燥させた後、エタノールの濃度を70%、80%、90%、100%に高めていきつつ脱水させ、キシレンにより透明化させてpolymountで封止した。
【0069】
2)NPY免疫組織化学法
脳切片を選択して、まず、組織内に存在する内在性ペルオキシダーゼを不活性化させるために、50mMPBS1%にて希釈された過酸化水素(H2O2)に30分間反応させた後、50mMPBSにて3回洗浄し、1%ウシ血清アルブミン(BSA)と10%のヤギ血清により1時間反応させた後、ウサギ抗レプチン抗体(1:500、DiaSorni、Stillwater、MN、USA)と、0.05%BSAおよび0.3%TritonX−100が入っている一次抗体溶液により12時間室温において反応させた。そして、ビオチン化ウサギ二次抗体(1:2000、Vector aboratories、Burlingame、CA、USA)において1時間反応させた後、アビジン−ビオチン−ペルオキシダーゼ錯体(Vectastain ABC(商標登録R)kit、Vector Laboratories)において1時間室温において反応させた。発色体としては、3,3´−ジアミノベンジジン・4塩酸塩(DAB)を0.05M Tris−HCl(pH7.6)に0.02%にて希釈し、0.03%のH2O2を添加して5分間発色を行った。発色の終わった組織は、ゼラチンのコーティングされたスライドガラスに載せて2時間室温において乾燥させた後、エタノールの濃度を70%、80%、90%、100%に高めていきつつ脱水させ、キシレンにより透明化させてpolymountで封止した。
【0070】
5.BDNFタンパク質発現の測定
海馬のBDNFタンパク質発現を分析するために、組織をPBSにて洗浄した後、50mMのHEPES(pH7.5)、150mMのNaCl、10%のグリセロール、1%のTritonX−100、1.5mMの塩化マグネシウム六水和物、1mMの エチレングリコールビス−2−アミノエチルエーテル四酢酸(EGTA)、1mMのフッ化フェニルメチルスルホニル(PMSF)、2μg/mlのロイペプチン、1μg/mlのペプスタチン、1mMのオルトバナジウム酸ナトリウムと100mMのフッ化ナトリウムを含んでいるライシスバッファーで溶解した後、タンパク質を抽出し、遠心分離してその上澄液を取り、タンパク質を定量した。このようにして抽出されたタンパク質をSDS−ポリアクリルアミドゲルで電気泳動した後、ニトロセルロース膜(Schleicher&Schuell GmbH、Dassel、Germany)で転写させた。このようにして転写された膜をブロッキングした後に、マウスアクチン抗体(1:1000;Santa Cruz Biotech、Santa Cru、CA、USA)、ウサギBDNF抗体(1:1000;Santa Cruz Biotech)で反応させた。西洋ワサビペルオキシダーゼ標識ウサギ抗マウス抗体(1:2000;Amersham Pharmacia Biotech GmbH、Freiburg、Germany)をアクチンの2次抗体として用い、抗ウサギ抗体(1:4000;Santa Cruz biotech)をBDNFの2次抗体として用いた。ウェスタンブロッティングによる結果は、増強化学発光(ECL)検出システム(Amersham Pharmacia Biothech GmbH)により確認した。
【0071】
6.資料の処理方法
この実験により得られた資料は、SPSSバージョン11.0統計プログラムを用いて、各項目に対する平均(mean)±標準誤差(standard error mean;S.E.M)を算出した。レプチン、NPY、ラテンシー時間及びBDNF発現に対する集団間の差は、1元配置分散分析(one−way analysis of variance;ANOVA)を用い、ダンカン(Duncan)の方法により事後検定を行った。有意レベルはP<0.05に設定した。
【0072】
7.実験結果
1)レプチン陽性細胞発現の変化
各群の視床下部において食欲抑制を示すレプチン陽性細胞数は、図1に示すように、対照群(A)において137.23±10.12、絶食群(B)において72.17±5.22、絶食−ダイエット用の芳香剤精油組成物香りの吸入群(C)において111±8.41であった。
本実験の結果、絶食群は、対照群に比べて、レプチン陽性細胞の数が統計的に有意に減少しており(P<0.05)、これに対し、絶食−ダイエット用の芳香剤精油組成物香りの吸入群は、絶食群に比べて、レプチン陽性細胞の数が有意に増加していた(P<0.05).このため、この実験の結果、絶食によって食欲抑制を示すレプチン発現が減少されて食欲が亢進され、ダイエット用の芳香剤精油組成物香りの吸入によってレプチン発現が増大してその香りの吸入が絶食によって増大された食欲を減少させることが分かった。
【0073】
2)NPY陽性細胞発現の変化
図2を参照すれば、各群の視床下部において食欲増進を示すNPY陽性細胞数は、対照群(A)において94.7±4.12、絶食群(B)において116.25±1.90、絶食−ダイエット用の芳香剤精油組成物香りの吸入群(C)において106±3.15であった。
本実験の結果、絶食群は、対照群に比べて、レプチン陽性細胞の数が統計的に有意に増加しており(P<0.05)、これに対し、絶食−ダイエット用の芳香剤精油組成物香りの吸入群は、絶食群に比べて、レプチン陽性細胞の数が有意に減少されていた(P<0.05).このため、この実験の結果、絶食によって食欲抑制を示すレプチン発現が増加されて食欲が亢進され、ダイエット用の芳香剤精油組成物香りの吸入によってレプチン発現が減少されてその香りの吸入が絶食によって増大された食欲を減少させることが分かった。
【0074】
3)ダイエット用の芳香剤精油組成物香りの吸入が短期記憶能力に及ぼす影響
この実験においては、ダイエット用の芳香剤精油組成物香りの吸入が短期記憶能力に及ぼす影響を評価するために、受動的回避行動検査を行った。この実験の結果、ラテンシー時間は、図3に示すように、対照群(A)が84.0±8.4であり、絶食群(B)が32.0±4.2であり、絶食−ダイエット用の芳香剤精油組成物香りの吸入群(C)が60.9±3.2であった。
この実験の結果、絶食群は、対照群に比べて、短期記憶能力が有意に減少することがわかり(P<0.05)、これに対し、絶食−ダイエット用の芳香剤精油組成物香りの吸入群は、絶食群に比べて、短期記憶能力が有意に増大することが分かった(P<0.05).このため、この実験の結果、絶食によって短期記憶能力が減少され、ダイエット用の芳香剤精油組成物香りの吸入が絶食によって減少された短期記憶能力を改善するということが分かった。
【0075】
4)BDNFタンパク質発現の変化
海馬部位において神経成長因子BDNFタンパク質発現をウェスタンブロッティングにより定量化した。図4を参照すれば、対照群(A)におけるBDNFの発現を1.00としたとき、絶食群(B)は0.71±0.02、絶食−ダイエット用の芳香剤精油組成物香りの吸入群(B)は0.85±0.02であった。
この実験の結果、絶食群は、対照群に比べて、BDNFタンパク質発現が有意に減少することが分かった(P<0.05).これに対し、絶食−ダイエット用の芳香剤精油組成物香りの吸入群は、絶食群に比べて、BDNFタンパク質発現が有意に増大することが分かった(P<0.05).このため、この実験の結果、絶食によって神経成長因子であるBDNFタンパク質発現が減少されて絶食は神経の生成を抑制することが分かり、ダイエット用の芳香剤精油組成物香りの吸入が絶食によって減少されたBDNFタンパク質発現を増大させてダイエット用の芳香剤精油組成物香りの吸入が神経成長をさらに亢進させることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明に係る食欲減退芳香剤組成物は、防風通聖散原方の漢方天然香が人体に染み込んで食欲が抑制される効果を奏して、健康を維持しつつも、体重減量の効果を提供する。
【0077】
また、本発明は、その構成成分として漢方的に人体を健康にする漢方薬草を用いることにより、漢方薬草の香りによって人体の健康にも大幅に役立つ効果を提供する。
【0078】
さらに、本発明に係る食欲減退芳香剤組成物は、ユーザーに安定した香りを提供し、発散された香りが芳香剤を設けた個所の周りに長時間漂う効果を提供する。
【0079】
さらに、本発明に係る食欲減退芳香剤組成物は、長期に亘って使用しても各種の微生物による腐敗が生じることがなく、食欲減退芳香剤組成物の乾燥性を長時間維持して湿気による腐敗を防ぐという効果を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エタノール、甘草エキス、桔梗エキス、大黄エキス、薄荷エキス、白朮エキス、センキュウエキス、荊芥エキスを含むことを特徴とする、食欲減退芳香剤組成物。
【請求項2】
エタノール90重量部に対して、甘草エキス0.5〜1重量部、桔梗エキス0.5〜1重量部、大黄エキス0.3〜0.7重量部、薄荷エキス0.3〜0.7重量部、白朮エキス0.5〜1重量部、センキュウエキス0.3〜0.7重量部、荊芥エキス0.3〜0.7重量部を含むことを特徴とする、請求項1に記載の食欲減退芳香剤組成物。
【請求項3】
当帰エキス、防風エキス、梔子エキス、オウゴンエキス、生姜エキス、連翹エキス、白芍エキスをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の食欲減退芳香剤組成物。
【請求項4】
エタノール90重量部に対して、当帰エキス0.3〜0.7重量部、防風エキス0.3〜0.7重量部、梔子エキス0.3〜0.7重量部、オウゴンエキス0.5〜1重量部、生姜エキス0.3〜0.7重量部、連翹エキス0.3〜0.7重量部、白芍エキス0.3〜0.7重量部を含むことを特徴とする、請求項3に記載の食欲減退芳香剤組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−510847(P2013−510847A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538745(P2012−538745)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際出願番号】PCT/KR2010/006119
【国際公開番号】WO2011/059171
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(512116011)チャヨンイン カンパニー リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】JAYEONIN CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】579 Sinwol−dong,Jecheon−si,Chungbuk 390−230 Republic of Korea
【Fターム(参考)】