説明

食物残渣資源のリサイクル方法及びリサイクル用システム

【課題】 トレースセンターを有する事務局が排出事業所、リサイクルセンター及び生産者の間のリサイクルする排出資源の循環を全体的に追跡管理し、循環もスムーズに流れ、全てに利益を生むような食物残渣資源リサイクル方法及びリサイクル用システムを提供する。
【解決手段】 事務局のトレースセンター2aに設置された管理用のサーバ14a及びデータベース14cと、前記管理用のサーバ14aにインターネット14を介して接続されており、排出事業所3、リサイクルセンター4及び生産者5にそれぞれ設けられた端末用コンピュータであるクライアントと、を備え、前記排出事業所3、リサイクルセンター4及び生産者5にそれぞれ設けられた端末用コンピュータであるクライアントによって、残渣資源の再資源化の循環を追跡可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般家庭、スーパー、ホテル、レストラン、給食センター又は病院などから排出された食物残渣をリサイクルするための食物残渣資源リサイクル方法及びリサイクル用システム関する発明である。
【背景技術】
【0002】
産業の発展に伴う物の使い捨てにより、地球のあちこちがゴミ捨て場と化し、大地、水、空気が次々と汚染されていったことが問題となり、環境に負担を掛けない循環型社会が求められている。
【0003】
従来における生ゴミなどの食物残渣の処分方法としては、一般家庭においては、市町村などの自治体がゴミ収集車により定期的に回収し、ゴミ処理場に集めてまとめて処分したり、コンポスト等を使用して各家庭において各自処分したりしていた。
【0004】
また、スーパー、ホテル、レストラン、給食センター又は病院などの施設においては、一般家庭と同様にゴミ収集車に回収してもらったり、各施設で独自に設けた焼却炉などで処分したりしていた。
【0005】
食物残渣を焼却炉で焼却する際は、有害なダイオキシンの発生を防止する必要がある。焼却炉にダイオキシンの対策が取れていないと、うかつに焼却することもできず、ゴミを長期間溜め込むことになり、許容量の問題にも発展する。
【0006】
食物残渣をコンポスト等で処分する際は、夏場等にうじ虫などが発生したり、ひどい悪臭が出るなどの問題もある。食物残渣に対して適した処分が出来ない状態のままであると、ゴミの不法投棄にも繋がる。
【0007】
特許文献1に記載の発明のように、会員の出した食物残さをリサイクルセンターにおいて有機質肥料又は土壌改良材にして契約農家に提供することで再利用する食物残さ資源リサイクルシステムという発明も公開されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−203038号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、食品の安全性の面から、食物残渣を単にリサイクルするだけでなく、食品の安全を確保するために栽培又は飼育から加工、製造、流通などの過程を明確にするトレーサビリティ(追跡確認可能性)を導入することが必要である。
【0010】
そこで、本発明は、排出事業所、リサイクルセンター及び生産者の間の流通を管理する事務局がトレーサビリティを導入した食物残渣資源リサイクル方法及びリサイクル用システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するために、事務局のトレースセンターに設置された管理用のサーバ及びデータベースと、前記管理用のサーバにインターネットを介して接続されており、排出事業所、リサイクルセンター及び生産者にそれぞれ設けられた端末用コンピュータであるクライアントと、を備えた残渣資源の再資源化の循環を追跡できる残渣資源リサイクル用システムであって、前記のクライアントは、それぞれ中央処理装置、記憶装置及びインタフェースを備えており、報告内容を入力すると、中央処理装置が動作して、該報告内容を記憶装置に一時的に保管するとともに、該一時的に保管された報告内容及び登録の指示を、インターネットを介して前記サーバに送信し、また、検索条件を入力すると、中央処理装置が動作して、該検索条件を記憶装置に一時的に保管するとともに、該一時的に保管された検索条件及び検索の指示を、インターネットを介して前記サーバに送信するものであり、前記サーバは、中央処理装置、記憶装置及びインタフェースを備えており、インターネットを介して、前記クライアントから報告内容及び登録の指示を受け取ると、中央処理装置が動作して、該報告内容を記憶装置に一時的に保管するとともに、該報告内容を基にデータベース操作言語を作成し、データベースに登録し、また、前記クライアントから検索条件及び検索の指示を受け取ると、中央処理装置が動作して、該検索条件を記憶装置に一時的に保管するとともに、該検索条件を基にデータベース操作言語を作成し、データベースから該当するデータを抽出し、該抽出したデータを基に画面を作成し、該画面をインターネットを介して、クライアントに送信するものであり、前記排出事業所に設けられたクライアントから送信される報告内容は、該排出事業所からリサイクルセンターに送った乾燥資源の排出量であり、該乾燥資源は、生ゴミが小型の生ゴミ処理機により含水率15%以下に乾燥処理されたもの、又は生ゴミが大型の生ゴミ処理機で60℃から160℃で攪拌されながら含水率30%以下に乾燥処理されたものであり、前記リサイクルセンターに設けられたクライアントから送信される報告内容は、前記排出事業所から受け取った乾燥資源の受取量、及び該乾燥資源から製造した有機質肥料又は飼料の生産量であり、該有機質肥料又は飼料は、前記乾燥資源を粉砕し、バイオイオンバランス(登録商標)を撹拌混合して製造されたものであり、前記生産者に設けられたクライアントから送信される報告内容は、リサイクルセンターから受け取った有機質肥料又は飼料の受取量、及びリサイクルセンターから受け取った有機質肥料又は飼料を使用して栽培又は飼育された生産物の生産量であり、前記排出事業所、リサイクルセンター及び生産者にそれぞれ設けられた端末用コンピュータであるクライアントによって、残渣資源の再資源化の循環を追跡できることを特徴とする食物残渣資源リサイクル用システムを提供する。
【0012】
本発明は、上記の課題を解決するために、事務局のトレースセンターに設置された管理用のサーバ及びデータベースと、前記管理用のサーバにインターネットを介して接続されており、排出事業所、リサイクルセンター及び生産者にそれぞれ設けられた端末用コンピュータであるクライアントと、を備えた残渣資源リサイクルシステムを利用し、残渣資源の再資源化の循環を追跡可能とする残渣資源リサイクル方法であって、前記のクライアントは、それぞれ中央処理装置、記憶装置及びインタフェースを備えており、報告内容を入力すると、中央処理装置が動作して、該報告内容を記憶装置に一時的に保管するとともに、該一時的に保管された報告内容及び登録の指示を、インターネットを介して前記サーバに送信し、また、検索条件を入力すると、中央処理装置が動作して、該検索条件を記憶装置に一時的に保管するとともに、該一時的に保管された検索条件及び検索の指示を、インターネットを介して前記サーバに送信し、前記サーバは、中央処理装置、記憶装置及びインタフェースを備えており、インターネットを介して、前記クライアントから報告内容及び登録の指示を受け取ると、中央処理装置が動作して、該報告内容を記憶装置に一時的に保管するとともに、該報告内容を基にデータベース操作言語を作成し、データベースに登録し、また、前記クライアントから検索条件及び検索の指示を受け取ると、中央処理装置が動作して、該検索条件を記憶装置に一時的に保管するとともに、該検索条件を基にデータベース操作言語を作成し、データベースから該当するデータを抽出し、該抽出したデータを基に画面を作成し、該画面をインターネットを介して、クライアントに送信し、前記排出事業所に設けられたクライアントから送信される報告内容は、該排出事業所からリサイクルセンターに送った乾燥資源の排出量であり、該乾燥資源は、生ゴミが小型の生ゴミ処理機により含水率15%以下に乾燥処理されたもの、又は生ゴミが大型の生ゴミ処理機で60℃から160℃で攪拌されながら含水率30%以下に乾燥処理されたものであり、前記リサイクルセンターに設けられたクライアントから送信される報告内容は、前記排出事業所から受け取った乾燥資源の受取量、及び該乾燥資源から製造した有機質肥料又は飼料の生産量であり、該有機質肥料又は飼料は、前記乾燥資源を粉砕し、バイオイオンバランス(登録商標)を撹拌混合して製造されたものであり、前記生産者に設けられたクライアントから送信される報告内容は、リサイクルセンターから受け取った有機質肥料又は飼料の受取量、及びリサイクルセンターから受け取った有機質肥料又は飼料を使用して栽培又は飼育された生産物の生産量であり、前記排出事業所、リサイクルセンター及び生産者にそれぞれ設けられた端末用コンピュータであるクライアントによって、残渣資源の再資源化の循環を追跡可能とすることを特徴とする食物残渣資源リサイクル方法を提供する。
【0013】
前記乾燥資源、有機質肥料、飼料及び生産物は、それぞれ追跡を確実にするために管理用の番号が付されることが好ましい。
【0014】
また、前記サーバにウェブサイトを設けることにより、インターネットを介して、排出事業所としての加入申込み又は生産物の購入申込みを受け付け可能な構成とすることが好ましい。
【0015】
前記生ゴミが大型の生ゴミ処理機で60℃から160℃で攪拌されながら含水率30%以下に乾燥処理されて製造された乾燥資源は、温度を40℃以下に温度調整されているものであることが好ましい。
【0016】
前記バイオイオンバランス(登録商標)は、乳酸菌、酵母、光合成菌、放線菌群が作り出す生理活性物質に、海洋若しくは鉱物ミネラルの総合ミネラル、アミノ酸、核酸、キトサン、ヒューマス又は海草ゲルを加えて熟成させて得られた農業用土壌改良微生物資材であることが好ましい。
【0017】
前記前記乾燥資源は、前記粉砕される際に、有機カルシウム、米ヌカ、ベントナイト、ゼオライト、ブルサイト又はマグネシウムを混入して成分調整及び水分調整されるものであることが好ましい。
【0018】
前記乾燥資源は、前記撹拌混合される際に、総合ミネラル、特殊糖蜜、マグネシウム、カルシウム又はケイ酸質資材などを添加して成分調整がされ、塩分の中和又はpHの調整がされているものであることが好ましい。
【0019】
前記乾燥資源は、生ゴミを乾燥させることにより、滅菌、殺菌され、臭い・液だれが無く、量が乾燥前の5分の1から7分の1以下にまで減らされており、宅配便を使用してリサイクルセンターに回収可能であることが好ましい。
【0020】
前記端末用コンピュータであるクライアントが設けられた排出事業所は、家庭、企業、コンビニエンスストア、スーパー、ホテル、レストラン、食堂、学校給食センター、病院若しくは老人ホーム、又は家庭、企業、コンビニエンスストア、スーパー、ホテル、レストラン、食堂、学校給食センター、病院若しくは老人ホームから排出する生ゴミを一括して回収する事業所であることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、以上の構成であるから以下の効果が得られる。第1に、トレースセンターを有する事務局が排出事業所、リサイクルセンター及び生産者の間の循環を全体的に追跡管理することで安全性が高まる。また、情報公開することにより消費者からの信頼を高めることができる。そして、事務局が排出事業所、リサイクルセンター及び生産者の間の流通を管理する資源循環のリサイクル方法であるため、循環もスムーズに流れ、全てに利益を生む持続可能な社会を作ることができる。
【0022】
第2に、排出事業所から出された食物残渣は、事務局と提携した販売代理店から購入した生ゴミ処理機により乾燥処理され、量が乾燥前の5分の1から7分の1以下にまで減らされるので、食物残渣の集荷の回数を少なくすることができ、処理コストも大幅に削減される。
【0023】
第3に、食物残渣を乾燥させるため、悪臭、液だれ又はハエ等の虫の問題がなく、改めて殺菌又は滅菌しなくても長期保管することができる。また、食物残渣はゴミ収集車以外の方法でも回収可能であり、宅配便を利用して一般家庭から回収することもできる。
【0024】
第4に、乾燥させた食物残渣は、農業では肥料として使用することができ、畜産業又は水産業では、飼料として使用することができる。分別の悪い物についても、固形燃料として使用することができ、無駄なく再資源化することができる。
【0025】
第5に、リサイクルセンターで有機質肥料又は飼料に再資源化する際、バイオイオンバランス(登録商標)を混合することで、肥料として使用した場合に土の中で分解発酵させることができ、肥料の腐敗により有害ガスが発生するのを防ぐことができる。
【0026】
第6に、再資源化した有機質肥料又は飼料を、飼料として使用した場合も、バイオイオンバランス(登録商標)を混合し、乳酸発酵させることにより、飼育動物の腸内菌が活性化し、飼育状態が良くなる。また、飼料の油成分が酸化せず、長期保管が可能となる。
【0027】
第7に、バイオイオンバランス(登録商標)は、有害物質分解酵素でもあり、土壌内に含まれるダイオキシンに対して、常温で3週間置くことで約84%、5週間置くことでほぼ100%削減することができる。
【0028】
第8に、事務局と提携した販売代理店が、排出事業所に対して食物残渣資源リサイクル方法の再資源化の理念や排出基準の説明等を行い、排出事業者の意識改革をすることにより、再資源化への意欲を高めることができる。
【0029】
第9に、栽培基準又は飼育基準などの生産基準を設けて、事務局と提携した提携機関が認証又は指導等を行うことにより、生産者は安全性及び栄養価が高く美味しい生産物を出荷することができ、消費者の信頼も得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る食物残渣資源リサイクル方法及び食物残渣資源リサイクル用システムにおける食物残渣資源の循環の状況を示す全体図である。
【図2】本発明に係る食物残渣資源リサイクル方法及び食物残渣資源リサイクル用システムにおける、サーバ及びクライアントの設置される各機関の関係と追跡管理の状況を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る食物残渣資源リサイクル方法及び食物残渣資源リサイクル用システムにおける、一般家庭についての生ゴミのリサイクルを示す図である。
【図4】本発明に係る食物残渣資源リサイクル方法及び食物残渣資源リサイクル用システムにおける、食物残渣資源の資源循環の流れと追跡管理の内容を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る食物残渣資源リサイクル方法及び食物残渣資源リサイクル用システムにおける、クライアントの設置された排出事業所の加入者網を示す図である。
【図6】本発明に係る食物残渣資源リサイクル方法及び食物残渣資源リサイクル用システムにおける、クライアントの設置されたリサイクルセンター等における食物残渣資源の処理工程を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係る食物残渣資源リサイクル方法及び食物残渣資源リサイクル用システムにおける、食物残渣資源から有機質肥料及び飼料の製造する際に添加されるバイオイオンバランス(登録商標)のダイオキシン削減の効果を示す表である。
【図8】本発明に係る食物残渣資源リサイクル方法及び食物残渣資源リサイクル用システムにおける、食物残渣資源から有機質肥料及び飼料の製造する際に添加されるバイオイオンバランス(登録商標)の分解発酵の効果を示す表である。
【図9】本発明に係る食物残渣資源リサイクル方法及び食物残渣資源リサイクル用システムを示す図である。
【図10】本発明に係る食物残渣資源リサイクル方法及び食物残渣資源リサイクル用システムにおけるコンピュータの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下に、添付図面に基づいて、本発明に係る食物残渣資源リサイクル方法及びリサイクル用システムについて詳細に説明する。本発明では、排出事業所、リサイクルセンター及び生産者の間の栽培又は飼育から加工、製造、流通までの過程を追跡するトレーサビリティを、事務局にトレースセンターを設置することで実現した。
【0032】
本発明に係る食物残渣資源リサイクル方法及びリサイクル用システムの実施例を説明する前に、本発明に係る食物残渣資源リサイクル方法及びリサイクル用システムにおける食物残渣資源リサイクル、特に本発明を構成する管理用のサーバ及びクライアントの設置される事務局、排出事業所、リサイクルセンター及び生産者等の関係、それらの間での食物残渣資源の循環等について、詳細に説明する。図1は、本発明に係る食物残渣資源リサイクル方法及び食物残渣資源リサイクル用システムにおける食物残渣資源の循環の状況を示す全体図である。
【0033】
食物残渣資源リサイクル方法1では、クライアント(利用端末)は、生産物9bの消費により排出した食物残渣3aを生ゴミ処理機6aで乾燥資源9にする排出事業所3と、前記乾燥資源9を有機質肥料又は飼料9aに再資源化11cするリサイクルセンター4と、前記有機質肥料又は飼料9aを利用してを農産物、畜産物又は水産物の生産物9bを生産する生産者5とに設置され、管理用のサーバは、前記排出事業所3、リサイクルセンター4及び生産者5の間の流通を円滑かつ確実にし、栽培又は飼育から加工、製造、流通までの過程を管理する事務局2に設置される。トレースセンター2aを有する前記事務局2が排出事業所3、リサイクルセンター4及び生産者5からの報告10、10a、10bを基に再資源化11cの循環を追跡管理することができるようにしたことを特徴とする。
【0034】
さらに、食物残渣資源リサイクル方法1には、前記乾燥資源9、有機質肥料又は飼料9a、生産物9bを運送8aする宅配又は自社便等の運送業者8と、前記排出事業所3に生ゴミ処理機6aを販売するとともに食物残渣3aの資源再利用について紹介又は説明等9cする前記事務局2と提携9eした販売代理店6と、前記生産者5に対し栽培状況又は飼育状況における認証又は指導等9dをしたり、肥料、土壌又は生産物9bの分析を行う前記事務局2と提携9fした提携機関7とが関わる。
【0035】
排出事業所3は、生産者5から購入した生産物9bを消費する場所で、家庭、企業、コンビニエンスストア、スーパー、ホテル、レストラン、食堂、学校給食センター、病院、老人ホーム又は行政の管理部署等であり、様々な消費者が該当する。
【0036】
排出事業所3では、生産物9bの消費により排出された食物残渣3aを分別し、販売代理店6から購入した生ゴミ処理機6aを使用して乾燥資源9にする。生ゴミ処理機6aは乾燥型であるため、発酵プラントのような大規模型ではなく、コンパクトなものにすることができる。
【0037】
食物残渣3aは、乾燥させることにより、量が乾燥前の5分の1から7分の1以下にまで減らされる。また、乾燥しているので、食物残渣3aが腐って悪臭や液だれが生じたり、周囲にハエ等の虫が発生する心配もなく、食物残渣3aを新たに殺菌又は滅菌しなくても長期保管することができる。
【0038】
更に、乾燥しているため扱いが簡単であり、食物残渣3aの集荷については、一般家庭3dでは宅配便を使用することができる。尚、宅配便には、消費生活協同組合などが独自に行う宅配便と、運送業者が業務として行う宅配便とがある。また、大規模な排出事業所3では自社便を利用するなど、排出事業所3に合わせて自由に選択することができる。
【0039】
一般家庭3dにおいて、消費生活協同組合などが独自に行う宅配便を利用し、定期的に野菜等の荷物を運んでもらうようにした場合、帰り便で乾燥資源9を回収することもでき、手間の軽減となる。
【0040】
宅配便により定期的に運ばれる野菜等も、再資源化された肥料又は飼料を使用して栽培又は飼育された生産物9bが届けられるので、環境保全型の資源循環方法を構築することができる。
【0041】
排出事業所3からは食物残渣3aをそのまま回収し、1ヶ所に集めてまとめて乾燥処理することもできる。食物残渣3aを乾燥処理した乾燥資源9は、運送業者8によりリサイクルセンター4に運ばれる。
【0042】
リサイクルセンター4は、乾燥資源9を有機質肥料又は飼料9aへと再資源化11cする施設である。リサイクルセンター4では、再資源化11cするために油分分解酵素、毒物分解酵素又はバイオイオンバランス(登録商標)等を添加する。
【0043】
バイオイオンバランス(登録商標)とは、乳酸菌、酵母、光合成菌、放線菌群が作り出す生理活性物質に、海洋若しくは鉱物ミネラル等の総合ミネラル、アミノ酸、核酸、キトサン、ヒューマス又は海草ゲル等を加え熟成させた農業用土壌改良微生物資材である。
【0044】
生理活性物質とは、ビタミン、ミネラル、核酸又は酵素など体の働きを調節する役割を持った物質のことで、わずかな量で生物の生理や行動に何らかの特有な作用を示すものである。
【0045】
光合成菌とは、空気のない嫌気的な環境では光合成を行い、空気のある好気的な環境では光合成をせず、有機物から呼吸によりエネルギーを獲得する細菌であり、毒性物質を除去する能力がある。
【0046】
放線菌とは、カビの菌糸のように細胞が長く放射状に伸びた形状をとる細菌であり、主に土壌中に生息する。放線菌は、農業で生産される堆肥中の主要菌で、生ゴミ処理過程でも優占する菌群である。放線菌の種類は非常に多く、抗生物質を生産する菌も多く存在する。
【0047】
ヒューマスとは、古代から水中にあった堆積植物体の中で眠っていた細胞や微生物の働きを活発にし、発酵、分解又は再合成を繰り返したもので、多糖類、アミノ酸、ビタミン、カルボン酸鉄アルミニウム又はカルシウム等を含むバランスのとれた天然物である。
【0048】
生産者5は、農業、畜産業又は水産業における生産物9bを生産する農産物生産者、畜産物生産者又は水産物生産者である。生産者5には、リサイクルセンター4で再資源化11cされた有機質肥料又は飼料9aが提供される。
【0049】
有機質肥料又は飼料9aは、農業の分野では肥料として、畜産業又は水産業の分野では飼料として利用できる。尚、分別により有機質肥料又は飼料9aとして利用できないものについても、固形燃料として無駄なく利用することができる。
【0050】
有機質肥料又は飼料9aを、肥料として使用した場合、乾燥資源9に水分を加えると生の状態に戻り、腐ると有毒ガスの発生で植物の根に障害が出る可能性があるが、バイオイオンバランス(登録商標)が混合されているため、土の中で分解発酵へ導くことができる。
【0051】
有機質肥料又は飼料9aを、飼料として使用した場合、飼料添加物として5%から20%一般飼料と混合することができる。バイオイオンバランス(登録商標)の混合や乳酸発酵により、動物の腸内菌を活性化させ、飼育状態を良くする効果がある。
【0052】
飼料については、動物が毎日食べる物であるので、油成分が酸化せずに長期間保管できる状態を保つことが要求される。有機質肥料又は飼料9aの油分は、バイオイオンバランス(登録商標)の酵素反応でゆっくり分解するため、安心して使用することができる。
【0053】
有機質肥料又は飼料9aは、土壌汚染や水質汚染の軽減などの効果もあり、添加することによりBOD(生物化学的酸素要求量)やCOD(化学的酸素要求量)の数値も大幅に下げることもできる。
【0054】
生産者5は、農業、畜産業又は水産業のいずれの場合であっても、有機質肥料又は飼料9aを使用することにより、安全性及び栄養価が高く美味しい生産物9bを消費者に提供できるようになる。
【0055】
排出事業所3も一消費者として生産者5から生産物9bを購入し、図1に示すような資源の循環が起こる。食物残渣資源リサイクル方法1における資源の循環が円滑かつ確実に行われるように、事務局2が管理する。
【0056】
販売代理店6は、事務局2と提携9eし、排出事業所3に生ゴミ処理機6aを販売する。また、販売代理店6は、排出事業所3に対し、食物残渣資源リサイクル方法1の紹介や食物残渣資源リサイクル方法1における再資源化の理念及び排出基準の説明等9cをする。
【0057】
販売代理店6は、排出事業所3の規模や食物残渣3aの質又は生ゴミ処理機6aの設置場所等に応じて、小型の生ゴミ処理機6aにするか、大型の生ゴミ処理機6aにするかなど、排出事業所3に一番合う生ゴミ処理機6aを導入できるように提案する。排出事業所3は、目的、状況又は条件に合った生ゴミ処理機6aの購入ができるようになる。
【0058】
提携機関7は、事務局2と提携9fし、生産者5に有機質肥料又は飼料9aについて栽培状況又は飼育状況における認証又は指導等9dを行う。農産物に関しては、栽培する土壌を分析し、肥料のバランス等を調べた上で有機質肥料又は飼料9aを使用する。
【0059】
畜産物又は水産物に関しては、家畜の飼育状況を把握した上で、乳酸や酵母で発酵させた有機質肥料又は飼料9aを、飼料に添加する割合を調整する。指導等9dにより、全ての生産者5から良質の肉や卵や乳を得ることができるようになる。
【0060】
提携機関7では、肥料、土壌又は生産物9bの栄養分析など各種分析も行う。生産物9bの栄養分析や土壌の有害重金属又は残留農薬の検査を実施することで、消費者に対し安全性をアピールすることができる。
【0061】
また、提携機関7は、栽培基準又は飼育基準などの生産基準を作成し、生産者5の対し認証を行うようにすることで、生産者5は安全性の高い生産物9bを生産することが義務付けられ、消費者の信頼も得ることもできる。
【0062】
運送業者8は、排出事業所3からリサイクルセンター4に乾燥資源9を運送8aしたり、リサイクルセンター4から生産者5に有機質肥料又は飼料9aを運送8aしたり、生産者5から排出事業所3に生産物9bを運送8aする宅配又は自社便等の業者である。
【0063】
各運送8aにおける運送業者8は、同一の業者を利用することもできるし、別々の業者を利用しても構わない。運送8aする物に応じて適した運送方法及び業者を選択することができる。
【0064】
図2は、本発明に係る食物残渣資源リサイクル方法及び食物残渣資源リサイクル用システムにおける、サーバ及びクライアントの設置される各機関の関係と、食物残渣資源の追跡管理の状況を示すブロック図である。資源の循環状況について、排出事業所3、リサイクルセンター4及び生産者5から事務局2に対し、報告10、10a、10bが行われる。
【0065】
事務局2には、各報告10、10a、10bを管理するためのトレースセンター2aが設けられる。排出事業所3では、リサイクルセンター4に乾燥資源9を出した際に、排出量を事務局2のトレースセンター2aに報告10する。
【0066】
リサイクルセンター4では、排出事業所3から乾燥資源9を受け取った際、及び生産者5に有機質肥料又は飼料9aを提供した際に、受取量及び生産量を事務局2のトレースセンター2aに報告10aする。
【0067】
生産者5では、リサイクルセンター4から有機質肥料又は飼料9aを受け取った際、及び生産物9bの生産のために有機質肥料又は飼料9aを使用した際に、受取量及び生産量を事務局2のトレースセンター2aに報告10bする。
【0068】
生産者5が生産した生産物9bについては、事務局2を経由して生産者5から排出事業所3に届けられる。事務局2は、排出事業所3の需要に応じて、生産者5から生産物9bを仕入れる。
【0069】
事務局2が排出事業所3と生産者5との間を仲介することにより、生産物の流れと状況確認等10cが可能となる。排出事業所3及び生産者5は、事務局2を通して相手の情報を得ることもできる。
【0070】
排出事業所3にとっては、複数の生産者5それぞれに対して生産物9bを注文するよりも、一括管理している事務局2に生産物9bを注文した方が効率的であるし、事務局2も生産物9bの流通を把握することができる。
【0071】
事務局2と提携9eした販売代理店6も、排出事業所3に生ゴミ処理機6aを販売又は説明等9cした際に事務局2に報告し、同様に、事務局2と提携9fした提携機関7も、生産者5に指導等9dした際に事務局2に報告する。
【0072】
食物残渣資源リサイクル方法1の加入者3cは、資源循環における一連の流れを理解すると共に、各自の状況を事務局2に報告する。加入者3cに報告の義務を課すことにより、食物残渣資源リサイクル方法1を有効に機能させることができる。
【0073】
事務局2のトレースセンター2aは、各報告10、10a、10bを管理することにより、栽培又は飼育から加工、製造、流通までの過程を明確にするトレーサビリティを実現することができる。
【0074】
資源循環の過程を追跡管理できるようにすることで、安全性も確保することができ、更に、インターネット等により情報を公開することにより、消費者からの信頼を高めることができる。
【0075】
図3は、本発明に係る食物残渣資源リサイクル方法及び食物残渣資源リサイクル用システムにおける、一般家庭についての生ゴミのリサイクルを示す図である。排出事業所3が一般家庭3dの場合であり、宅配便で定期的に生産物9bを運び、帰り便で乾燥資源9を回収する際の資源の循環を示す。
【0076】
生産者5が有機質肥料又は飼料9aを使用して生産した生産物9bを事務局2が仲介して宅配便で一般家庭3dに届けるのは、図2の場合と同様である。また、リサイクルセンター4が乾燥資源9を有機質肥料又は飼料9aに再資源化11cしたものを生産者5に提供するのも、図2の場合と同様である。
【0077】
図2の排出事業所3は、乾燥資源9をリサイクルセンター4に送り、排出量を報告10するが、一般家庭3dの場合は、参加しやすいように事務局2がリサイクルセンター4との間を仲介する。
【0078】
一般家庭3dでは、事務局2を介して購入した生産物9bを消費し、発生した食物残渣3aを生ゴミ処理機6aを使用して乾燥資源9にする。一般家庭3dは、宅配便で新たな生産物9bを受け取ると同時に、乾燥資源9を引き取ってもらう。
【0079】
事務局2が宅配便により一般家庭3dの乾燥資源9を回収することにより、一般家庭3dに報告10の義務を与えなくても排出量を把握することができ、一般家庭3dの側でも利用しやすいものとなる。
【0080】
一般家庭3dの生ゴミ発生量は、企業などの排出事業所3よりも多く、一般家庭3dも食物残渣資源リサイクル方法1に組み込むことにより、生ゴミが正しく処理されず、環境汚染の原因となるのを防ぐことができる。
【0081】
図4は、本発明に係る食物残渣資源リサイクル方法及び食物残渣資源リサイクル用システムにおける、食物残渣資源の資源循環の流れと追跡管理の内容を示すフローチャートである。食物残渣資源リサイクル方法1では、排出事業所3、リサイクルセンター4及び生産者5の間を資源が循環する。
【0082】
排出事業所3では、まず生産物9bの消費により食物残渣の発生11となる。事務局2では、排出事業所3の排出量報告10によりどこの排出事業所3から排出されたものであるかという情報を追跡することができる。
【0083】
次に、排出事業所3から排出した食物残渣の回収11aが行われる。事務局2では、排出事業所3の排出量報告10又はリサイクルセンター4の受取量報告10aにより、いつ誰が運んだものであるかという情報を追跡することができる。
【0084】
リサイクルセンター4では、まず受け取った乾燥資源9の異物混入のチェック11bが行われる。事務局2では、リサイクルセンター4の受取量又は生産量報告10aにより、異物の出所を確認できるとともに、どう対応したかも確認することができる。
【0085】
尚、農業用の肥料又は畜産業若しくは水産業の飼料として再資源化11cできないような混入物でも、固形燃料として使用できる。焼却炉に使われる化石燃料の量を大幅削減することができるため経済的である。
【0086】
次に、リサイクルセンター4で乾燥資源9を有機質肥料又は飼料9aへと再資源化11cが行われる。事務局2では、リサイクルセンター4の生産量報告10aにより、いつどれだけの量が再資源化11cされたかの情報を取得することができる。
【0087】
生産者5では、栽培又は飼育に際して有機質肥料又は飼料の使用11dが行われる。事務局2では、生産者5の受取量又は製品使用量報告10bにより、いつ誰がどれだけ何に使ったか、又はいつ誰がどんな栽培若しくは飼育で生産されたかを把握することができる。
【0088】
次に、生産者5において生産物の流通販売11eが行われる。事務局2では、生産物9bを経由させた際の情報を基に、誰がどこにいつどんな状態で流通されたか、又はいつどこで販売されたかが分かる。
【0089】
生産者5の生産物の流通販売11eの後は、排出事業所3の食物残渣の発生11となり循環する。各工程における情報を蓄積し管理することにより、工程を遡って情報を追跡することができる。
【0090】
例えば、消費者が生産物9bを購入した際に、事務局2に問い合わせる又はインターネット等を利用することにより、生産物9bに係わる情報を、生産者5、リサイクルセンター4、排出事業所3の順に遡って確認することができる。
【0091】
尚、事務局2が追跡を確実にするために、乾燥資源9、有機質肥料又は飼料9a、生産物9b等には、管理用の番号等を付す。番号等は流れを追うことができるように関連性や統一性を持たせて管理する。
【0092】
図5は、本発明に係る食物残渣資源リサイクル方法及び食物残渣資源リサイクル用システムにおける、クライアントの設置された排出事業所の加入者網を示す図である。
【0093】
食物残渣資源リサイクル方法1における排出事業所3は、家庭、企業、コンビニエンスストア、スーパー、ホテル、レストラン、食堂、学校給食センター、病院、老人ホーム又は行政の管理部署等の加入者3cであり、前記加入者3c同士が、事務局2を通して加入者網3bを構成することを特徴とする。
【0094】
排出事業所3には、様々な種類の事業所が存在し、それぞれが事務局2を通して加入することにより、資源循環の中の一機関として、食物残渣資源リサイクル方法1の利益を享受することができる。
【0095】
排出事業所3として加入した加入者3c同士が、事務局2のトレースセンター2aを介して加入者網3bを構成することにより、事務局2とのやり取り又は加入者3c間のやり取りが円滑化する。
【0096】
加入者3cは、それぞれ事務局2と提携9eした販売代理店6から生ゴミ処理機6aを購入し、排出した食物残渣3aを生ゴミ処理機6aにかける。生ゴミ処理機6aにより乾燥及び微生物による減量処理が施され、食物残渣3aは乾燥資源9となる。
【0097】
乾燥資源9は、生ゴミ収集車や宅配業者又は自社便業者等の運送業者により運送されるが、5分の1から7分の1以下に減量されているため、毎日5台から7台の生ゴミ収集車で運んでいたものが、0.7台から1台で済んでしまう。
【0098】
加入者網3b内の乾燥資源9をまとめて回収することもできるし、回収頻度を毎日でなく数日置きに減らすこともできる。焼却炉で焼却する量も減らすことができ、全体的にコストの削減となり経済的である。
【0099】
尚、食物残渣資源リサイクル方法1における生産者5も同様に、農産物生産者、畜産物生産者又は水産物生産者の集まりであり、生産者5として加入した加入者3c同士で、加入者網3bを構成することができる。
【0100】
図6は、本発明に係る食物残渣資源リサイクル方法及び食物残渣資源リサイクル用システムにおける、クライアントの設置されたリサイクルセンター等における食物残渣資源の処理工程を示すフローチャートである。
【0101】
食物残渣資源リサイクル方法1におけるリサイクルセンター4の処理は、小型の生ゴミ処理機6aからは含水率15%以下の乾燥資源9を回収し、大型の生ゴミ処理機6aからは60℃から160℃で攪拌しながら温風処理及び熱処理して含水率30%以下にした乾燥資源9を回収する回収工程12と、前記回収工程12後に前記乾燥資源9の温度を40℃以下にする温度調整工程12aと、前記温度調整工程12a後に形の大きい前記乾燥資源9を粉々にし、水分の多い前記乾燥資源9には有機カルシウム、米ヌカ、ベントナイト、ゼオライト、ブルサイト又はマグネシウム等を混入して成分調整及び水分調整する混合破砕工程12bと、前記混合破砕工程12b後に塩類を調整し、油分分解酵素又は毒物分解酵素であるバイオイオンバランス(登録商標)を添加して混ぜ合わせる攪拌混合工程12cと、前記攪拌混合工程12c後に用途に応じて粉状、粒状、固形状又はペレット状にする成形工程12dと、前記成形工程12d後に袋詰めして製品として出荷する出荷工程12eとからなることを特徴とする。
【0102】
リサイクルセンター4の処理は、回収工程12、温度調整工程12a、混合破砕工程12b、攪拌混合工程12c、成形工程12d及び出荷工程12eからなり、乾燥資源9にバイオイオンバランス(登録商標)等を添加して有機質肥料又は飼料9aへと再資源化11cする。
【0103】
回収工程12は、排出事業所3から乾燥資源9を回収する工程であるが、小型の生ゴミ処理機6aを使用しているか、大型の生ゴミ処理機6aを使用しているかで、回収方法に若干の違いがある。
【0104】
小型の生ゴミ処理機6aを使用している場合、即ち小規模な排出事業所3から乾燥資源9が排出される場合は、生ゴミ処理機6aにより含水率15%以下の乾燥資源9へと乾燥処理したものを回収する。
【0105】
大型の生ゴミ処理機6aを使用している場合、即ち大規模な排出事業所3から乾燥資源9が排出される場合、又は小規模な排出事業所3からの食物残渣3aを一ヶ所に集めてまとめて処理した場合は、生ゴミ処理機6aで60℃から160℃で攪拌しながら温風処理及び熱処理する。微生物発酵処理タイプも対応しており、最終的に含水率30%以下にした乾燥資源9を回収する。
【0106】
温風処理及び熱処理に要する時間は、連続投入型を使用した場合や食物残渣3aの種類によりかなりバラつきがあり、また、生ゴミ処理機6aのメーカーによっても大幅に異なることがある。
【0107】
温度調整工程12aは、乾燥資源9の温度を40℃以下にする工程である。水分を除去するために高温状態であったのを冷却するが、他に高温で作業をしておく必要があるものは、温度を40℃以下にする前にしておく必要がある。
【0108】
混合破砕工程12bは、乾燥資源9の形が大きい場合は粉砕機等により粉々にする工程である。また、乾燥資源9に含まれる水分が多い場合は、有機カルシウム、米ヌカ、ベントナイト、ゼオライト、ブルサイト又はマグネシウム等を混入し、成分調整を兼ねて水分調整する。
【0109】
ベントナイトとは、白亜紀から第三紀の時代にかけて、海底に堆積した火山灰が特殊な変成作用又は風化作用を受けて出来た粘土であり、水に付けると吸収して容積を増す性質を持つ。ベントナイトには、水田の漏水防止や肥もちが良くなるなどの効果がある。
【0110】
ゼオライト(沸石)とは、太古の火山活動により堆積した火山灰が地殻変動で大きな変圧を受け、長い年月をかけて生成されたケイ酸アルミニウム主体の多孔質鉱石である。吸着力及び脱臭力があり、有害ガスやホルムアルデヒド等の化学物質を取り除くことができる。
【0111】
ブルサイト(水滑石)とは、水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱石である。水酸化マグネシウムには、消炎又は制酸作用などがあり、腸壁から水分が吸収されるのを防ぎ、便通をよくする効果もある。
【0112】
尚、成分調整は、肥料又は飼料などの各種類別又は目的別に合わせて調整することができる。回収工程12により食物残渣3aは乾燥しているが、使用する目的に対して問題のない資材を使用する。
【0113】
攪拌混合工程12cは、乾燥資源9に対し、塩類を調整し、油分分解酵素又は毒物分解酵素であるバイオイオンバランス(登録商標)等を添加して混ぜ合わせ、有機質肥料又は飼料9aにする工程である。
【0114】
乾燥資源9には、人間の食べ物には塩分や油分が多い場合もあることから、そのまま肥料又は飼料として使用し続けると障害の出る可能性がある。塩類の調整では、使用目的に合わせて、総合ミネラル、特殊糖蜜、マグネシウム、カルシウム又はケイ酸質資材などを添加して成分調整したり、塩分の中和又はpHの調整を行う。
【0115】
更に、油分分解酵素又は毒物分解酵素であるバイオイオンバランス(登録商標)等を添加することにより、油分や毒物が分解されて、肥料又は飼料として使用しても安全な有機質肥料又は飼料9aにすることができる。
【0116】
尚、混合破砕工程12b又は攪拌混合工程12cのどちらの工程においても、目的に合わせて様々な資材の投入、添加又は混合をすることができる。
【0117】
成形工程12dは、有機質肥料又は飼料9aの用途に応じて粉状、粒状、固形状又はペレット状にする工程である。肥料として用いるか、飼料として用いるかにより、有機質肥料又は飼料9aを適した形状に成形する。
【0118】
出荷工程12eは、有機質肥料又は飼料9aを袋詰めして製品として出荷する工程である。一般には、15〜20キログラム用の袋に詰めるが、500〜1000キログラムの大きな袋に詰めて出荷する場合もある。
【0119】
食物残渣資源リサイクル方法1における有機質肥料又は飼料9aは、肥料として用いても腐敗することなく土中で分解発酵するので、土壌のバランスも改善され、植物が栄養を吸収しやすくすることができる。
【0120】
また、飼料として用いても動物の腸内菌が活発となり、新陳代謝が盛んになることで、肉質や産卵が良くなり、排泄物の臭いも改善される。更に、食べ残しがあっても分解されるし、土壌や水質の浄化能力も発揮される。
【0121】
図7は、本発明に係る食物残渣資源リサイクル方法及び食物残渣資源リサイクル用システムにおける、食物残渣資源から有機質肥料及び飼料の製造する際に添加されるバイオイオンバランス(登録商標)のダイオキシン削減の効果を示す表である。
【0122】
食物残渣資源リサイクル方法1におけるバイオイオンバランス(登録商標)は、乳酸菌、酵母、光合成菌、放線菌群が作り出す生理活性物質に総合ミネラル、アミノ酸、核酸、キトサン、ヒューマス又は海草ゲル等を加えて熟成させ、添加することにより土壌又は水質を改良することができるようにしたことを特徴とする。
【0123】
バイオイオンバランス(登録商標)は、有機質肥料又は飼料9aを作るために添加する以外に、ダイオキシンに汚染された土壌を浄化する土壌改良材として利用したり、火力発電所に発生する生貝の分解処理に利用したり、畜産の糞尿処理等に利用される。
【0124】
図7に示すように、測定分析結果13、13aは、土壌に含まれるダイオキシン(ジベンゾダイオキシン)の量を測定分析した結果を示す表である。試験方法としては、1350ミリリットルの容器に100グラムの土壌を入れ、常温で3週間置いた。
【0125】
測定分析結果13は、TEF(毒性等価係数)が従来のI−TEFの場合である。バイオイオンバランス(登録商標)処理前の毒性等量は、土壌1グラムに対し59.44500ピコグラムであり、バイオイオンバランス(登録商標)処理後の毒性等量は、土壌1グラムに対し9.33850ピコグラムとなり、約84.3%削減されたことになる。
【0126】
測定分析結果13a、TEF(毒性等価係数)がWHO(世界貿易機関)の新TEFの場合である。バイオイオンバランス(登録商標)処理前の毒性等量は、土壌1グラムに対し60.41300ピコグラムであり、バイオイオンバランス(登録商標)処理後の毒性等量は、土壌1グラムに対し9.53870ピコグラムとなり、約84.2%削減されたことになる。
【0127】
尚、TEF(毒性等価係数)とは、ダイオキシンの中で最も毒性の高いものを「1」としたときの相対的な毒性の強さを表す換算係数のことである。
【0128】
バイオイオンバランス(登録商標)は、有害物質分解酵素でもあり、土壌内に含まれるダイオキシンに対して、常温で3週間置くことで約84%、5週間置くことでほぼ100%削減することができる。
【0129】
図8に示すように、処理結果13bは、火力発電所で発生する生貝の処理に使用した結果を示す表である。火力発電所では、タービンを冷却するために海水を利用しており、大量の貝が発生する。生貝は機械で潰されるが、中身のタンパク質が腐敗して強烈な悪臭を放つ。
【0130】
開渠部では、含水率35.8%の61,730キログラムの生貝に対し、発酵菌2.3%及び種菌5%を添加し、圧縮空気を吹き込みながら約46日間処理する。結果として、硫化水素、メルカプタン及びアセトアルデヒドは0ppmであったが、アンモニアが50ppm(監視盤は150ppm)であり、異臭も発生したため消臭剤を必要とした。
【0131】
また、貝の搾り汁のCOD(化学的酸素要求量)は受入時3,000ppmであったが、圧縮空気を吹き込みながら約28日間処理しても80ppmであり、50ppm以下にすることができなかった。
【0132】
第2暗渠部では、含水率37.5%の19,740キログラムの生貝に対し、発酵菌2.3%を添加し、圧縮空気を吹き込みながら約9日間処理する。結果として、硫化水素、メルカプタン及びアセトアルデヒドは0ppmであったが、アンモニアが30ppm(監視盤は100ppm)であり、異臭も発生したため消臭剤を必要とした。
【0133】
また、貝の搾り汁のCOD(化学的酸素要求量)は受入時3,000ppmであったが、圧縮空気を吹き込みながら約9日間処理しても80ppmであり、50ppm以下にすることができなかった。
【0134】
第1暗渠部では、含水率25.7%の20,660キログラムの生貝に対し、液剤のバイオイオンバランス(登録商標)0.1%(20リットル)及び粉剤のバイオイオンバランス(登録商標)0.1%(20キログラム)を添加し、圧縮空気を吹き込みながら約36日間処理する。結果として、硫化水素、メルカプタン、アセトアルデヒド及びアンモニアは全て0ppmであり、異臭も全く発生しなかった。
【0135】
また、貝の搾り汁のCOD(化学的酸素要求量)は受入時2,000ppmであったが、バイオイオンバランス(登録商標)0.4%(2リットル)を添加すると、翌日には20ppmとなり、短期間で50ppm以下にすることができた。尚、バイオイオンバランス(登録商標)は、発酵菌よりも低コストで使用できる。
【0136】
貝の処理物は、発酵菌の場合、色の黄ばみとアンモニア臭が残ってしまうが、バイオイオンバランス(登録商標)の場合、色も白く、悪臭も一切ない。バイオイオンバランス(登録商標)は、貝のタンパク質をアンモニアガスを発生することなく分解できる。
【0137】
バイオイオンバランス(登録商標)で処理された貝は、微生物が排出する有機酸などにより、水に溶けやすく作物に吸収されやすい速効性カルシウムとなる。また、発酵により微生物が増殖していることから、堆肥に利用することもできる。
【実施例】
【0138】
図9は、本発明に係る食物残渣資源リサイクル方法及びリサイクル用システムの実施例をインターネットを利用してトレースを実現した場合を示す図であり、図10は、本発明である食物残渣資源リサイクル方法のコンピュータの構成を示すブロック図である。
【0139】
食物残渣資源リサイクル方法1は、事務局2のトレースセンター2aに管理用のサーバ14a及びデータベース14cを設置し、インターネット14を介して排出事業所3、リサイクルセンター4又は生産者5のクライアント14bからの報告15を前記データベース14cに登録15aすることにより、前記クライアント14bからの問い合わせに対し、前記サーバ14aの中央処理装置14dが前記データベース14cを検索して再資源化11cの循環を追跡することができるようにしたことを特徴とする。
【0140】
図9に示すように、事務局2のトレースセンター2aには、管理用コンピュータとしてサーバ14aを設置し、排出事業所3、リサイクルセンター4及び生産者5には、それぞれ端末用コンピュータとしてクライアント14b、14b、14bを設け、インターネット14に接続する。
【0141】
サーバ14aにはデータベース14cを設け、クライアント14bから送られてくる報告15などを登録15aする。データベース14cには、管理用番号、報告内容及び追跡管理情報などが登録15aされる。
【0142】
排出事業所3、リサイクルセンター4又は生産者5などは、クライアント14bからサーバ14aに対して資源の循環に関して問い合わせることができる。クライアント14bが追跡の照会を行うと、サーバ14aがデータベース14cを検索15bし、抽出15cした結果15eをクライアント14bに返送15dする。
【0143】
インターネット14を利用することにより、サーバ14aにウェブサイトを設けて、食物残渣資源リサイクル方法1を紹介したり、加入申込みや生産物9bの購入申込みを受け付けるようにすることができる。
【0144】
インターネット14には、食物残渣資源リサイクル方法1の加入者3c以外の者も存在しているので、セキュリティが必要な箇所に関しては、パスワード等を設けて加入者3cのみアクセスできるように制限をかけることもできる。
【0145】
図10に示すように、サーバ14aもクライアント14bも一般的なコンピュータと同様の構成であり、中央処理装置14d(CPU)、記憶装置14e、インタフェース14f、入力装置14g又は出力装置14hなどからなる。
【0146】
中央処理装置14dは、演算処理をしたり、実行の制御を行う。記憶装置14eは、作業領域である主記憶装置と、保存領域である補助記憶装置とからなり、データベース14cは補助記憶装置に該当する。
【0147】
インタフェース14fは、コンピュータ同士又はコンピュータと周辺機器を接続し、データなどのやり取りを行う装置である。入力装置14gはマウスやキーボード等であり、出力装置14hはディスプレイやプリンタ等である。
【0148】
サーバ14aに関しては入力装置14g及び出力装置14hが図示されていないが、メンテナンスの際に使用したりする。インターネット14の環境下では、クライアント14bの入力装置14g及び出力装置14hが、サーバ14aの入力装置14g及び出力装置14hであると見ることもできる。
【0149】
報告15の登録15aの流れとしては、まずクライアント14bにおいて、入力装置14gから報告内容が入力され、中央処理装置14dが記憶装置14eに一時的に保管する。中央処理装置14dは、インタフェース14fを介して、登録15aの指示と共に、記憶装置14eに保管された報告15の内容をインターネット14上に送信する。
【0150】
次にサーバ14aにおいて、インターネット14上からインタフェース14fを介して、登録15aの指示を受け取ると、中央処理装置14dが報告15の内容を記憶装置14eに一時的に保管する。中央処理装置14dは、報告15の内容を基にデータベース操作言語を作成し、データベース14cに登録15aする。
【0151】
サーバ14aにおいて登録15aの処理が完了したら、サーバ14aの中央処理装置14dがクライアント14bに対して完了の通知を送信し、クライアント14bの出力装置14hに出力される。尚、エラーが発生した場合は、エラーの通知がされる。
【0152】
追跡の照会の流れとしては、まずクライアント14bにおいて、入力装置14gから検索条件が入力され、中央処理装置14dが記憶装置14eに一時的に保管する。中央処理装置14dは、インタフェース14fを介して、検索15bの指示と共に、記憶装置14eに保管された検索条件をインターネット14上に送信する。
【0153】
次にサーバ14aにおいて、インターネット14上からインタフェース14fを介して、検索15bの指示を受け取ると、中央処理装置14dが検索条件を記憶装置14eに一時的に保管する。中央処理装置14dは、検索条件を基にデータベース操作言語を作成し、データベース14cから該当するデータを抽出15cする。
【0154】
サーバ14aにおいて抽出15cした結果15eを基に画面を作成し、サーバ14aの中央処理装置14dがクライアント14bに対して画面を送信し、クライアント14bの出力装置14hに出力される。尚、エラーが発生した場合は、エラーの通知がされる。
【0155】
追跡の照会に関しては、追跡管理情報がデータベース14cに登録されるため、検索条件を指定することによりどんどん遡ることができる。コンピュータ及びインターネット14を利用することにより、操作が容易になり、誰でも手軽に追跡の照会が行えるようになる。
【0156】
以上のように、本発明である食物残渣資源リサイクル方法1は、トレースセンター2aを有する事務局2が排出事業所3、リサイクルセンター4及び生産者5の間の循環を全体的に追跡管理することで安全性が高まる。また、情報公開することにより消費者からの信頼を高めることができる。
【0157】
排出事業所3から出された食物残渣3aは、事務局2と提携9eした販売代理店6から購入した生ゴミ処理機6aにより乾燥処理され、量が乾燥前の5分の1から7分の1以下にまで減らされるので、食物残渣3aの集荷の回数を少なくすることができ、処理コストも大幅に削減される。
【0158】
食物残渣3aを乾燥させるため、悪臭、液だれ又はハエ等の虫の問題がなく、改めて殺菌又は滅菌しなくても長期保管することができる。また、食物残渣3aはゴミ収集車以外の方法でも回収可能であり、宅配便を利用して一般家庭3dから回収することもできる。
【0159】
乾燥させた食物残渣3aは、農業では肥料として使用することができ、畜産業又は水産業では、飼料として使用することができる。分別の悪い物についても、固形燃料として使用することができ、無駄なく再資源化11cすることができる。
【0160】
リサイクルセンター4で有機質肥料又は飼料9aに再資源化11cする際、バイオイオンバランス(登録商標)を混合することで、肥料として使用した場合に土の中で分解発酵させることができ、肥料の腐敗により有害ガスが発生するのを防ぐことができる。
【0161】
再資源化11cした有機質肥料又は飼料9aを飼料として使用した場合も、バイオイオンバランス(登録商標)を混合し、乳酸発酵させることにより、飼育動物の腸内菌が活性化し、飼育状態が良くなる。また、飼料の油成分が酸化せず、長期保管が可能となる。
【0162】
バイオイオンバランス(登録商標)は、有害物質分解酵素でもあり、土壌内に含まれるダイオキシンに対して、常温で3週間置くことで約84%、5週間置くことでほぼ100%削減することができる。
【0163】
事務局2と提携9eした販売代理店6が、排出事業所3に対して食物残渣資源リサイクル方法1の再資源化11cの理念や排出基準の説明等を行い、排出事業所3の意識改革をすることにより、再資源化11cへの意欲を高めることができる。
【0164】
栽培基準又は飼育基準などの生産基準を設けて、事務局2と提携9fした提携機関7が認証又は指導等9dを行うことにより、生産者5は安全性及び栄養価が高く美味しい生産物9bを出荷することができ、消費者の信頼も得ることができる。
【0165】
事務局2が排出事業所3、リサイクルセンター4及び生産者5の間の流通を管理する資源循環のリサイクル方法であるため、循環もスムーズに流れ、全てに利益を生む持続可能な社会を作ることができる。
【0166】
環境保全型の資源循環方法である食物残渣資源リサイクル方法1を導入することにより、国内における自給率アップにも繋がり、子供に対する食育も大きく改善されることが期待できる。
【産業上の利用可能性】
【0167】
生ゴミ処理機は、微生物タイプの処理機であっても、最終的に乾燥され、含水率が15%以下にすることができれば、食物残渣資源リサイクル方法において利用することができる。また、コジェネレーションを含む大型処理や発酵型堆肥プラントなど様々なタイプに対応可能である。
【符号の説明】
【0168】
1 食物残渣資源リサイクル方法
2 事務局
2a トレースセンター
3 排出事業所
3a 食物残渣
3b 加入者網
3c 加入者
3d 一般家庭
4 リサイクルセンター
5 生産者
6 販売代理店
6a 生ゴミ処理機
7 提携機関
8 運送業者
8a 運送
9 乾燥資源
9a 有機質肥料又は飼料
9b 生産物
9c 説明等
9d 指導等
9e 提携
9f 提携
10 報告
10a 報告
10b 報告
10c 生産物の流れと状況確認等
11 食物残渣の発生
11a 食物残渣の回収
11b 異物混入のチェック
11c 再資源化
11d 有機質肥料又は飼料の使用
11e 生産物の流通販売
12 回収工程
12a 温度調整工程
12b 混合破砕工程
12c 攪拌混合工程
12d 成形工程
12e 出荷工程
13 測定分析結果
13a 測定分析結果
13b 処理結果
14 インターネット
14a サーバ
14b クライアント
14c データベース
14d 中央処理装置
14e 記憶装置
14f インタフェース
14g 入力装置
14h 出力装置
15 報告
15a 登録
15b 検索
15c 抽出
15d 返送
15e 結果

【特許請求の範囲】
【請求項1】
事務局のトレースセンターに設置された管理用のサーバ及びデータベースと、前記管理用のサーバにインターネットを介して接続されており、排出事業所、リサイクルセンター及び生産者にそれぞれ設けられた端末用コンピュータであるクライアントと、を備えた残渣資源の再資源化の循環を追跡できる残渣資源リサイクル用システムであって、
前記のクライアントは、それぞれ中央処理装置、記憶装置及びインタフェースを備えており、報告内容を入力すると、中央処理装置が動作して、該報告内容を記憶装置に一時的に保管するとともに、該一時的に保管された報告内容及び登録の指示を、インターネットを介して前記サーバに送信し、また、検索条件を入力すると、中央処理装置が動作して、該検索条件を記憶装置に一時的に保管するとともに、該一時的に保管された検索条件及び検索の指示を、インターネットを介して前記サーバに送信するものであり、
前記サーバは、中央処理装置、記憶装置及びインタフェースを備えており、インターネットを介して、前記クライアントから報告内容及び登録の指示を受け取ると、中央処理装置が動作して、該報告内容を記憶装置に一時的に保管するとともに、該報告内容を基にデータベース操作言語を作成し、データベースに登録し、また、前記クライアントから検索条件及び検索の指示を受け取ると、中央処理装置が動作して、該検索条件を記憶装置に一時的に保管するとともに、該検索条件を基にデータベース操作言語を作成し、データベースから該当するデータを抽出し、該抽出したデータを基に画面を作成し、該画面をインターネットを介して、クライアントに送信するものであり、
前記排出事業所に設けられたクライアントから送信される報告内容は、該排出事業所からリサイクルセンターに送った乾燥資源の排出量であり、該乾燥資源は、生ゴミが小型の生ゴミ処理機により含水率15%以下に乾燥処理されたもの、又は生ゴミが大型の生ゴミ処理機で60℃から160℃で攪拌されながら含水率30%以下に乾燥処理されたものであり、
前記リサイクルセンターに設けられたクライアントから送信される報告内容は、前記排出事業所から受け取った乾燥資源の受取量、及び該乾燥資源から製造した有機質肥料又は飼料の生産量であり、該有機質肥料又は飼料は、前記乾燥資源を粉砕し、バイオイオンバランス(登録商標)を撹拌混合して製造されたものであり、
前記生産者に設けられたクライアントから送信される報告内容は、リサイクルセンターから受け取った有機質肥料又は飼料の受取量、及びリサイクルセンターから受け取った有機質肥料又は飼料を使用して栽培又は飼育された生産物の生産量であり、
前記排出事業所、リサイクルセンター及び生産者にそれぞれ設けられた端末用コンピュータであるクライアントによって、残渣資源の再資源化の循環を追跡できることを特徴とする食物残渣資源リサイクル用システム。
【請求項2】
前記乾燥資源、有機質肥料、飼料及び生産物は、それぞれ追跡を確実にするために管理用の番号が付されることを特徴とする請求項1記載の食物残渣資源リサイクル用システム。
【請求項3】
前記サーバにウェブサイトを設けることにより、インターネットを介して、排出事業所としての加入申込み又は生産物の購入申込みを受け付け可能な構成としたことを特徴とする請求項1又は2記載の食物残渣資源リサイクル用システム。
【請求項4】
前記生ゴミが大型の生ゴミ処理機で60℃から160℃で攪拌されながら含水率30%以下に乾燥処理されて製造された乾燥資源は、温度を40℃以下に温度調整されているものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の食物残渣資源リサイクル用システム。
【請求項5】
前記バイオイオンバランス(登録商標)は、乳酸菌、酵母、光合成菌、放線菌群が作り出す生理活性物質に、海洋若しくは鉱物ミネラルの総合ミネラル、アミノ酸、核酸、キトサン、ヒューマス又は海草ゲルを加えて熟成させて得られた農業用土壌改良微生物資材であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の食物残渣資源リサイクル用システム。
【請求項6】
前記前記乾燥資源は、前記粉砕される際に、有機カルシウム、米ヌカ、ベントナイト、ゼオライト、ブルサイト又はマグネシウムを混入して成分調整及び水分調整されるものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の食物残渣資源リサイクル用システム。
【請求項7】
前記乾燥資源は、前記撹拌混合される際に、総合ミネラル、特殊糖蜜、マグネシウム、カルシウム又はケイ酸質資材を添加して成分調整がされ、塩分の中和又はpHの調整がされているものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の食物残渣資源リサイクル用システム。
【請求項8】
前記乾燥資源は、生ゴミを乾燥させることにより、量が乾燥前の5分の1から7分の1以下にまで減らされており、宅配便を使用してリサイクルセンターに回収可能であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の食物残渣資源リサイクル用システム。
【請求項9】
前記端末用コンピュータであるクライアントが設けられた排出事業所は、家庭、企業、コンビニエンスストア、スーパー、ホテル、レストラン、食堂、学校給食センター、病院若しくは老人ホーム、又は家庭、企業、コンビニエンスストア、スーパー、ホテル、レストラン、食堂、学校給食センター、病院若しくは老人ホームから排出する生ゴミを一括して回収する事業所であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の食物残渣資源リサイクル用システム。
【請求項10】
事務局のトレースセンターに設置された管理用のサーバ及びデータベースと、前記管理用のサーバにインターネットを介して接続されており、排出事業所、リサイクルセンター及び生産者にそれぞれ設けられた端末用コンピュータであるクライアントと、を備えた残渣資源リサイクルシステムを利用し、残渣資源の再資源化の循環を追跡可能とする残渣資源リサイクル方法であって、
前記のクライアントは、それぞれ中央処理装置、記憶装置及びインタフェースを備えており、報告内容を入力すると、中央処理装置が動作して、該報告内容を記憶装置に一時的に保管するとともに、該一時的に保管された報告内容及び登録の指示を、インターネットを介して前記サーバに送信し、また、検索条件を入力すると、中央処理装置が動作して、該検索条件を記憶装置に一時的に保管するとともに、該一時的に保管された検索条件及び検索の指示を、インターネットを介して前記サーバに送信し、
前記サーバは、中央処理装置、記憶装置及びインタフェースを備えており、インターネットを介して、前記クライアントから報告内容及び登録の指示を受け取ると、中央処理装置が動作して、該報告内容を記憶装置に一時的に保管するとともに、該報告内容を基にデータベース操作言語を作成し、データベースに登録し、また、前記クライアントから検索条件及び検索の指示を受け取ると、中央処理装置が動作して、該検索条件を記憶装置に一時的に保管するとともに、該検索条件を基にデータベース操作言語を作成し、データベースから該当するデータを抽出し、該抽出したデータを基に画面を作成し、該画面をインターネットを介して、クライアントに送信し、
前記排出事業所に設けられたクライアントから送信される報告内容は、該排出事業所からリサイクルセンターに送った乾燥資源の排出量であり、該乾燥資源は、生ゴミが小型の生ゴミ処理機により含水率15%以下に乾燥処理されたもの、又は生ゴミが大型の生ゴミ処理機で60℃から160℃で攪拌されながら含水率30%以下に乾燥処理されたものであり、
前記リサイクルセンターに設けられたクライアントから送信される報告内容は、前記排出事業所から受け取った乾燥資源の受取量、及び該乾燥資源から製造した有機質肥料又は飼料の生産量であり、該有機質肥料又は飼料は、前記乾燥資源を粉砕し、バイオイオンバランス(登録商標)を撹拌混合して製造されたものであり、
前記生産者に設けられたクライアントから送信される報告内容は、リサイクルセンターから受け取った有機質肥料又は飼料の受取量、及びリサイクルセンターから受け取った有機質肥料又は飼料を使用して栽培又は飼育された生産物の生産量であり、
前記排出事業所、リサイクルセンター及び生産者にそれぞれ設けられた端末用コンピュータであるクライアントによって、残渣資源の再資源化の循環を追跡可能とすることを特徴とする食物残渣資源リサイクル方法。
【請求項11】
前記乾燥資源、有機質肥料、飼料及び生産物には、それぞれ追跡を確実にするために管理用の番号を付すことを特徴とする請求項10記載の食物残渣資源リサイクル方法。
【請求項12】
前記サーバにウェブサイトを設けることにより、インターネットを介して、排出事業所としての加入申込み又は生産物の購入申込みを受け付け可能とすることを特徴とする請求項10又は11記載の食物残渣資源リサイクル方法。
【請求項13】
前記生ゴミが大型の生ゴミ処理機で60℃から160℃で攪拌されながら含水率30%以下に乾燥処理されて製造された乾燥資源を、温度を40℃以下に温度調整することを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の食物残渣資源リサイクル方法。
【請求項14】
前記バイオイオンバランス(登録商標)は、乳酸菌、酵母、光合成菌、放線菌群が作り出す生理活性物質に、海洋若しくは鉱物ミネラルの総合ミネラル、アミノ酸、核酸、キトサン、ヒューマス又は海草ゲルを加えて熟成させて得られた農業用土壌改良微生物資材であることを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載の食物残渣資源リサイクル方法。
【請求項15】
前記前記乾燥資源は、前記粉砕される際に、有機カルシウム、米ヌカ、ベントナイト、ゼオライト、ブルサイト又はマグネシウムを混入して成分調整及び水分調整することを特徴とする請求項10〜14のいずれかに記載の食物残渣資源リサイクル方法。
【請求項16】
前記乾燥資源は、前記撹拌混合される際に、総合ミネラル、特殊糖蜜、マグネシウム、カルシウム又はケイ酸質資材を添加して成分調整し、塩分の中和又はpHの調整を行うことを特徴とする請求項10〜15のいずれかに記載の食物残渣資源リサイクル方法。
【請求項17】
前記乾燥資源は、生ゴミを乾燥させることにより、その量を乾燥前の5分の1から7分の1以下にまで減らし、宅配便を使用してリサイクルセンターに回収可能とすることを特徴とする請求項10〜16のいずれかに記載の食物残渣資源リサイクル方法。
【請求項18】
前記端末用コンピュータであるクライアントが設けられた排出事業所は、家庭、企業、コンビニエンスストア、スーパー、ホテル、レストラン、食堂、学校給食センター、病院若しくは老人ホーム、又は家庭、企業、コンビニエンスストア、スーパー、ホテル、レストラン、食堂、学校給食センター、病院若しくは老人ホームから排出する生ゴミを一括して回収する事業所であることを特徴とする請求項10〜17のいずれかに記載の食物残渣資源リサイクル方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−508(P2010−508A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−226286(P2009−226286)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【分割の表示】特願2004−330627(P2004−330627)の分割
【原出願日】平成16年11月15日(2004.11.15)
【出願人】(596060608)有限会社アグリクリエイト (2)
【Fターム(参考)】