説明

飲食品用容器および飲食製品

【課題】体の一部に巻き付けることにより体温を下げるとともに、冷たい飲み物などを補給することができる新規な飲食品用容器を提供する。また、前記飲食品用容器に飲食品を充填してなる飲食製品を提供する。
【解決手段】本発明の飲食品用容器は、体の一部に巻き付け可能な容器であって、収容部本体5と、収容部本体に設けられた口部材7とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体の一部に巻き付けて体温を効率的に下げる機能を備えた飲食品用容器、および、飲食製品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
熱中症は、高温環境下で、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破たんするなどして、発症する障害の総称であり、重症の場合には、死に至ることもある。近年、地球温暖化やヒートアイランド現象などにより、高温環境下で、スポーツや労働などをすることが多くなり、熱中症が発生する機会が増えている。熱中症を予防するためには、例えば、体温を下げることが知られている。
【0003】
体温を下げるための保冷具、及び、体温を下げる方法としては、例えば、特許文献1〜3がある。特許文献1には、耐水性のある柔らかな合成樹脂シートを用いた、首に巻ける長さと幅の袋にゲル状の冷却剤を充填し、複数箇所に仕切りを入れることにより、小部屋を連接したもので、凍っていても仕切り部で折れ曲がるので、全く解凍せずに首に巻くことができる頚部冷却具が開示されている。特許文献2には、首に取り付ける首用パッドであって、冷却体または発熱体を収容し、首の後部に配置される収容部と、前記収容部の両端に連結されるとともに、先端にいくにしたがって細くなるように構成され、首に巻き付けられる一対の巻付部とを備えている首用パッドが開示されている。特許文献3には、保冷剤を入れた首巻タオルを用いて首部を冷やす方法であって、冷凍した保冷剤と断熱シートを重ねて首巻タオルに入れるか、または冷凍した保冷剤を断熱カバーに入れた後首巻タオルに入れて使用することを特徴とする首巻タオルを用いて首部を冷やす方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第311980号公報
【特許文献2】特開2007−319420号公報
【特許文献3】特開2010−174397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
体温を下げる別の方法として、冷たい飲み物を補給することが有効である。冷たい飲み物は、胃の表面で熱を奪って、体温を下げる。また大量の発汗があった場合には、汗で失われた体内の水分や塩分を補給することもできる。本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、体の一部に巻き付けることにより体温を下げるとともに、冷たい飲み物などを補給することができる新規な飲食品用容器を提供することを目的とする。本発明は、さらに、新規な飲食品用容器に飲食品を充填してなる飲食製品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決することのできた本発明の飲食品用容器は、体の一部に巻き付け可能な容器であって、収容部本体と、収容部本体に設けられた口部材とを有することを特徴とする。前記収容部本体に冷凍または冷蔵された飲食品が充填された容器を体の一部に巻き付けておけば、体温を効率的に下げることができる。また、飲食品用容器に、水分または塩分など含有する飲食品を充填することにより、水分または塩分などの必要な成分を効率的に補給することができる。また、本発明の飲食品用容器は、体の一部に巻き付けて使用をすることができるので、スポーツや労働をする際に邪魔にならず、スポーツや労働をしながら体温を下げることができる。
【0007】
前記収容部本体の形状としては、例えば、略U字形状、略長方形状、または、横長で、収容部本体の長手方向中心近辺で屈曲した形状を挙げることができる。収容部本体が、ストーンペーパーで構成されていることも好ましい。体の一部に巻き付けたときに肌触りが良くなる。
【0008】
前記収容部本体は、表面シートと裏面シートの周縁部を接合してなる袋状であることが好ましく、表面シートと裏面シートの周縁部を接合してなり、表面シートと裏面シートとを部分的に接合することにより、連通した複数の収容部に区画されていることがより好ましい。
【0009】
前記収容部本体には、収容部本体の一方の端部と他方の端部とを係止する手段が設けられていることが好ましい。収容部本体を体の一部に周回させておけば、飲食品用容器が体から落下しにくくなる。例えば、係止手段として、口部材を収容部本体の一方の周縁部に設けて、他方の周縁部に、前記口部材が係止する係止手段を設けるようにすることも好ましい。
【0010】
本発明には、本発明の飲食品用容器の収容部本体に飲食品を充填してなる飲食製品が含まれる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、体の一部に巻き付けることにより、体温を効率的に下げるとともに、水分や塩分などの体内に必要な成分を補強することができる。本発明は、熱中症の予防に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の飲食品用容器の一例を示す平面図である。
【図2】本発明の飲食品用容器の一例を示す平面図である。
【図3】図2の飲食品用容器の側面図である。
【図4】本発明の飲食品用容器の一例を示す平面図である。
【図5】本発明の飲食品用容器の一例を示す平面図である。
【図6】図5のI−I線における断面図である。
【図7】図5のII−II線における断面図である。
【図8】本発明の飲食品用容器の一例を示す平面図である。
【図9】本発明の飲食品用容器の一例を示す斜視図である。
【図10】図9の飲食品用容器の平面図である。
【図11】図9の飲食品用容器の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の飲食品用容器は、体の一部に巻き付け可能な容器であって、収容部本体と、収容部本体に設けられた口部材とを有することを特徴とする。
【0014】
本発明の飲食品容器が有する収容部本体としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの高分子ペレット材料から射出成形および/またはブロー成形により成形したもの、あるいは、シート材料から加工および/または成形されたものを挙げることができる。
【0015】
ポリエチレンテレフタレートなどのペレット材料から射出成形および/またはブロー成形により成形された収容部本体としては、所謂、ペットボトル状の中空の収容部であって、体の一部に巻き付け可能な形状に成形されたものが好ましい。
【0016】
シート材料を加工してなる収容部本体は、例えば、シート材料から加工された袋状のものを挙げることができ、1枚のシート材料から加工してもよいし、複数のシート材料を用いて加工してもよい。シート材料から加工された収容部本体としては、例えば、ヒートシール性フィルムから加工された袋状のものが好ましい。前記ヒートシール性フィルムとしては、包装材料若しくは飲食品包装用として市販されている公知のヒートシール性フィルムを使用することができる。この際、強度、耐熱性、酸素若しくは水蒸気透過性などの諸性能を考慮して選択すればよい。前記ヒートシール性フィルムとして好適なものとしては、単層のヒートシール層からなるヒートシール性フィルム、若しくは、ヒートシール層を有する2層以上の積層フィルムを挙げることができ、例えば、基材層とヒートシール層とが積層された積層フィルムや、ヒートシール層と中間層と基材層とが積層された積層フィルムなどが好適である。また、酸化アルミニウムや酸化ケイ素などの無機化合物が蒸着されていてもよいし、アルミニウム等の金属層がさらに積層されていてもよい。
【0017】
ヒートシール層の材料としては、例えば、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、ブテン系樹脂などのポリオレフィン樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、及び、アクリル樹脂、または、これらの混合物を挙げることができる。前記エチレン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、又は、その混合物などを挙げることができる。前記プロピレン系樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体、又は、その混合物などを挙げることができる。前記ブテン系樹脂としては、ポリブテン、ブテン−α−オレフィン共重合体などを挙げることができる。前記α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどを挙げることができる。
【0018】
基材層若しくは中間層の材料としては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂若しくはポリスチレン系樹脂、又は、これらの混合物を挙げることができる。
【0019】
収容部本体を構成するシート材料として、所謂、ストーンペーパーを用いることも好ましい。収容部本体を構成する材料としてストーンペーパーを用いれば、プラスチックフィルムを用いるときに比べて、肌触りが良くなるからである。ストーンペーパーは、無機鉱物粉末を主成分とし、パルプを用いない紙である。
【0020】
前記ストーンペーパーは、例えば、主成分としての約56質量%〜約80質量%の無機鉱物粉末、約43質量%〜約18質量%のポリエチレン、および約1質量%〜約2質量%の添加剤を含む組成物から作製される。前記無機鉱物粉末は、例えば、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリン、マイカ、酸化亜鉛、ドロマイト、ガラス繊維、中空ガラスミクロビーズ、シリカ、チョーク、タルク、ピグメント、二酸化チタン、二酸化ケイ素、ベントナイト、クレー、および、珪藻土よりなる群から選ばれる少なくとも2種の構成成分を包含しており、焼結されていてもいなくてもよい。前記ポリエチレンは、例えば、高密度ポリエチレン、あるいは、高密度ポリエチレンと、中密度ポリエチレン(すなわち、線状低密度ポリエチレン)および低密度ポリエチレンよりなる群から選ばれるものの少なくとも1種との組み合わせを包含している。前記添加剤は当該分野において従来から使用されているもの、例えば、カップリング剤、潤滑剤、分散剤、および静電防止剤を包含している。
【0021】
前記カップリング剤は、例えば、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル) エチルトリメトキシシランのようなシランカップリング剤である。前記潤滑剤の例は、N−オレイルパルミトアミドである。前記静電防止剤は、例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ココアミン(N,N−bis(2‐hydroxyethyl)cocoamine)またはN,N−ビス (2−ヒドロキシエチル) ステアリルアミンである。
【0022】
前記ストーンペーパーの成分および製造方法は、例えば、特開平11−277623号公報に記載されている。
【0023】
前記収容部本体の形状は、巻き付ける体の部位に応じて、適宜設計することができる。本発明の飲食品用容器を巻き付ける体の部位としては、首(頚部)、足首、腕、脇などを挙げることができるが、首(頚部)に巻き付けるのが好ましい。前記収容部本体の形状としては、例えば、略U字形状、略長方形状、横長で収容部本体の長手方向中心近辺で屈曲した形状などを挙げることができる。
【0024】
収容部本体には、飲口または注口となる開閉自在の口部材が設けられている。口部材は、特に限定されないが、例えば、スクリューキャップなどの口栓とスパウト部分からなる口部材を挙げることができる。
【0025】
本発明の飲食品用容器の収容部本体には、体の一部に固定し、回転を防止するような手段が設けられていることが好ましい。例えば、収容部本体の端部同士を係止するための係止手段が設けられていることが好ましい。係止手段によって収容部本体の端部同士を係止させることにより、収容部本体を体の一部に周回させることができる。収容部本体を体の一部に周回させておけば、飲食品用容器が体から落下しにくくなる。係止手段としては、特に限定されないが、例えば、ひもとひも通し穴、ボタンとボタン穴、面ファスナーの雄部材と雌部材などを挙げることができる。また、係止手段として、収容部本体に設けられる口部材を利用することも好ましい。例えば、収容部本体の一方の周縁部に口部材を設けて、他方の周縁部には口部材が係止することができる切り込みを設ければよい。
【0026】
以下、本発明の飲食品用容器を図面を参照しながら、詳細に説明する。
【0027】
図1には、本発明の飲食用品容器の一例を示した。図1に示された態様の飲食品用容器は、体の一部に巻き付け可能な容器であって、略U字形状の収容部本体5と、収容部本体5に設けられた口部材7とを有することを特徴とする(以下、この実施形態を「第一実施形態」と称する場合がある)。前記収容部本体5は、下方に開口部を有する略U字形状を有している。略U字形状の収容部本体5を有する飲食品用容器2は、体の任意の部分に巻き付けて使用することができるが、特に、首に巻きつけて使用するのが好適である。
【0028】
図1に示した略U字形状を有する収容部本体5は、シート材料を加工することにより形成されている。例えば、略U字形状に切り抜いた表面シートと裏面シートの周縁部を接合することにより袋状に形成されている。内部に飲食品が充填されることにより膨らみ、首に巻き付けることができる。図1は、収容部本体の内部に飲食品が充填されて、袋状に膨らんだ状態を模式的に示した平面図である。
【0029】
略U字形状の収容部本体5は、首の後側に当接する部分51と、首の側面に当接する部分52,52とを有する。また、首の側面に当接する部分52,52の先端部52a,52bが、収容部本体5の中心線Lに向かって伸びる形状を有しているので、飲食品用容器が首から落下しにくくなっている。収容部本体5の略U字形状は、円弧状であってもよい。例えば、中心角が180度の半円状から中心角が270度の円弧状であってもよい。
【0030】
収容部本体5の幅方向(X軸方向)の長さXaと、縦方向(Y軸方向)の長さYaの比(Ya/Xa)は、1以上が好ましく、1.1以上がより好ましく、1.2以上がさらに好ましい。前記比(Ya/Xa)が1以上であれば、首周りで収容部本体が回転しにくくなる。一方、前記比(Ya/Xa)が大きくなりすぎると、首に巻き付けて使用する際に、邪魔になりやすい。前記長さの比(Ya/Xa)の上限は、約5が好ましく、約3がより好ましい。
【0031】
収容部本体5には、飲口または注口となる開閉自在の口部材7が設けられている。口部材7は、特に限定されないが、例えば、スクリューキャップなどの口栓とスパウト部分からなる口部材を挙げることができる。
【0032】
図2は、第一実施形態の変形例を示した。本発明の説明において、この変形態様を「第二実施形態」と称する場合がある。略U字形状の収容部本体5は、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの高分子ペレット材料を射出成形および/またはブロー成形することにより、中空の筒状に形成されている。首の後側に当接する部分51には、伸縮可能なひだ状のジャバラ53が設けられている。ジャバラ53が設けられていることにより、例えば、先端部52a、52bを広げて収容部本体5を首に巻き付けることができる。また、巻き付けた後には先端部52a、52bを狭めて収容部本体5を首に固定することができる。
【0033】
図3は、図2の収容部本体5をA方向から見た側面図である。先端部52a、52bは、円盤状に形成され、先端部52a,52bの円盤の直径Dは、首の側面に当接する部分52,52の中央部の高さHよりも大きい。円盤状の先端部52a,52bは、収容部本体5を首下で固定し、収容部本体5が回転するのを防止する。
【0034】
図1および図2に示した態様では、収容部本体5が予め略U字形状に成形されている態様を示したが、例えば、収容部本体5を略直線状に成形しておき、使用に際してこれを変形して、首に巻き付けるようにしてもよい(図4参照)。収容部本体が略直線形状であれば、飲食製品の流通段階での梱包や陳列がしやすくなる。図4は、飲食品容器2の正面図であり、X軸が左右方向を、Z軸が上下方向を示す。
【0035】
図4(a)に示した収容部本体5は、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどのペレット材料を射出成形および/またはブロー成形することにより、略直線状の筒状に成形されている。収容部本体5の中央部には、ジャバラ53が設けられ、収容部本体5をジャバラ53で折り曲げることにより首に巻き付けて使用することができる。図4(a)に示した態様では、ジャバラ53の近辺が首の後側に当接する部分51に相当し、ジャバラ53から収容部本体5の先端までが首の側面に当接する部分52に相当する。収容部本体5には、円盤状の先端部52a、52bが設けられている。円盤状の先端部52a,52bは、収容部本体5を首下に固定し、収容部本体5が回転するのを防止する。
【0036】
図4(b)に示した収容部本体5には、ジャバラ53が2箇所設けられている。ジャバラ53の数を増加させることにより、収容部本体5をより複雑に屈曲させることができ、首に巻き付けやすくなる。図4(c)に示した収容部本体5では、円盤状の先端部52a,52bが斜め下方向に向くように成形されている。円盤状の先端部52a,52bを斜め下方向を向くようにすることにより、収容部本体5の首への密着性が向上する。
【0037】
図5は、本発明の飲食品用容器の別の実施形態の一例を模式的に示した一部切り欠き図である。図5に示された態様の飲食品用容器は、体の一部に巻き付け可能な容器であって、収容部本体は、シート材料を加工成形してなる袋状のものである。以下、この実施形態を「第三実施形態」と称する場合がある。
【0038】
第三実施形態の飲食品用容器としては、例えば、表面シートと裏面シートの周縁部を接合してなる収容部本体と、前記収容部本体に設けられた口部材とを有し、前記収容部本体が、表面シートと裏面シートとを部分的に接合することにより、連通した複数の収容部に区画されているものを挙げることができる。
【0039】
図5の飲食品用容器2の収容部本体5は、表面シート1aと裏面シート1bの周縁部3(ハッチング部)を接合することにより、横長の略長方形状に形成されている。収容部本体5は、表面シート1aと裏面シート1bとを部分的に接合した仕切部9により、連通した5つの収容部5a〜5eに区画されている。収容部本体5の短辺周縁部の一方には口部材7が設けられ、他方の短辺周縁部には、口部材を係止する切れ込み11が形成されている。口部材7は、表面シート1aと裏面シート1bとによって固着されている。口部材7を切り込み11に係止させることにより、収容部本体5を体の一部に周回させることができる。横長の略長方形状の収容部本体を有する飲食品用容器は、首、足首、腕などに巻き付けて使用することができる。図5の飲食品用容器2を首に巻き付けて使用すると、収容部5cが首の後ろ側に当接し、収容部5a、5b、5d、5eが首の側面に当接する。
【0040】
図6は、図5のI−I断面図である。収容部本体5は、表面シート1aと裏面シート1bの周縁部3で接合されて、袋状に形成されている。図7は、図5のII−II断面図である。表面シート1aと裏面シート1bを部分的に接合することにより、収容部本体5の周縁部3(幅S1)から内側に延びる仕切部9(長さS2)が形成されている。図6および図7では、表面シート1aと裏面シート1bとをそれぞれ2枚のシート材料を用いて作製した例を示したが、例えば、1枚のシート材料を用いて、端部Eで折り返すようにして収容部本体5を形成するようにしてもよい。
【0041】
前記収容部本体5は、表面シート1aと裏面シート1bとを部分的に接合した仕切部9により、連通した複数の収容部に区画されている。このような構成にすることにより、収容部本体5に充填される飲食品を凍らせた場合でも、収容部本体5が仕切部9で折れ曲がり、体の一部に巻き付けることができる。仕切部9によって区画される収容部の数は、特に限定されず、2以上10以下が好ましく、3以上6以下がより好ましい。収容部の数が上記範囲内であれば、収容部本体5が体に密着しやすくなる。
【0042】
例えば、図5の飲食品用容器を首に巻き付けて使用する場合、前記収容部本体の長さは、例えば、35cm〜55cmが好ましく、収容部本体の幅は、例えば、5cm〜15cmが好ましい。
【0043】
表面シート1aと裏面シート1bの接合は、接着剤による接着、ヒートシール、縫製などの公知の手段を採用することができる。表面シート1aと裏面シート1bの接合は、例えば、表面シート1aと裏面シート1bとして、ヒートシール性フィルムを用いて、これらをヒートシールすることにより行うことが好ましい。
【0044】
図8は、第三実施形態の別の一例を模式的に説明する一部切り欠き図(平面図)である。飲食品用容器2は、表面シート1aと裏面シート1bとの周縁部3(ハッチング部)を接合してなる収容部本体5と、前記周縁部3に設けられた口部材7とを有し、前記収容部本体5は、横長で、収容部本体の長手方向中心線L近辺で屈曲した形状(略への字形状)を有するとともに、表面シート1aと裏面シート1bとを部分的に接合した仕切部9により、連通した3つの収容部5a〜5cに区画されている。収容部本体5を長手方向中心線L近辺で屈曲させることにより、収容部本体5が首周りにフィットしやすくなる。図8の飲食品用容器2を首に巻き付けて使用すると、収容部5bが首の後ろ側に当接し、収容部5a、5cが首の側面に当接する。
【0045】
図8に示した飲食品用容器2は、飲食品を充填した後、左右の収容部5aと5cとを中央の収容部5b上に折りたたんだコンパクトな状態で保管することができる。そのため、例えば、自動販売機での販売にも好適である。
【0046】
図9には、第三実施形態の変形態様を示した(斜視図)。以下、本発明において、この実施形態を「第四実施形態」と称する場合がある。第四実施形態の飲食品用容器2は、表面シート1aとこれに対向する裏面シート1bと、表面シート1aと裏面シート1bに接合される一対のサイドシート13とを有し、表面シート1aと裏面シート1bのそれぞれの周縁部と一対のサイドシート13の周縁部とが接合されることにより形成された収容部本体5と、収容部本体5に設けられた口部材7とを有する。
【0047】
図9の収容部本体5は、シート材料を加工してなる袋状に形成されている。表面シート1aの長辺周縁部3が、サイドシート13の上縁部と接合され、裏面シート1bの長辺周縁部3が、サイドシート13の下縁部と接合されている。収容部本体5の短辺周縁部では、表面シート1aと裏面シート1bとが接合されている。
【0048】
収容部本体5の短辺周縁部の一方には口部材7が設けられ、他方の短辺周縁部には、口部材を係止する切れ込み11が形成されている。口部材7は、表面シート1aと裏面シート1bとによって固着されている。口部材7を切り込み11に係止させることにより、収容部本体5を体の一部に周回させることができる。横長の略長方形状の収容部本体を有する飲食品用容器は、首、足首、腕などに巻き付けて使用することができる。図9の飲食品用容器2を首に巻き付けて使用すると、収容部5b、5cが首の後ろ側に当接し、収容部5a、5dが首の側面に当接する。
【0049】
図10は、図9の飲食品用容器2の平面図であり、図11は、図9の飲食品用容器2をA方向からみた側面図である。収容部本体5には、表面シート1aと表面シート1bの対応する箇所を切り欠くことによって形成された仕切部9が設けられている。収容部本体5は、仕切部9によって、連通した複数の収容部5a〜5dに区画されている。仕切部9では、表面シート1aと裏面シート1bは接合されていないので、区画された収容部5a〜5dが連通する。
【0050】
表面シートと裏面シートのそれぞれの周縁部とサイドシートの周縁部との接合、および、表面シートと裏面シートの周縁部の接合は、接着剤による接着、ヒートシール、縫製などの公知の手段を採用することができる。表面シート、裏面シート、および、サイドシートの周縁部の接合は、例えば、ヒートシール性フィルムを用いてこれらをヒートシールして行うことが好ましい。
【0051】
本発明の飲食品容器の容量は、特に限定されないが、150mL以上が好ましく、500mL以上がより好ましく、1000mL以下が好ましく、750mL以下がより好ましい。本発明の飲食品用容器は、所謂、パウチ容器として好適である。
【0052】
本発明には、本発明の飲食品用容器の収容部本体に飲食品を充填してなる飲食製品が含まれる。飲食製品は、使用に際して冷凍または冷蔵されることが好ましい。冷凍または冷蔵されることにより、冷却効果が大きくなる。冷凍または冷蔵された飲食製品の形態としては、液状、氷状、シャーベット状、または、ゼリー状が好ましく、シャーベット状、ゼリー状、液状がより好ましく、シャーベット状がさらに好ましい。シャーベット状、ゼリー状、液状の飲食品が充填されている収容部本体は、体の形状に追随しやすいからである。前記飲食品の具体例としては、例えば、水、ミネラルウォーター、塩水、お茶、スポーツドリンク、栄養飲料、ジュース、紅茶、コーヒー、健康補助飲料、乳酸菌飲料、クエン酸を含む飲料、アミノ酸を含む飲料、ビタミンを含む飲料、ミルク、スープ、果汁飲料、タウリンやアミノ酸等を含む栄養補助飲料、清涼飲料水等の液体、または、これらをシャーベット状に凍らせて服用する目的のものなどを挙げることができる。
【0053】
飲食品を食する際には、例えば、口部材が設けられていない収容部本体の端部から収容部本体を丸めることにより、内部に充填されている飲食品を収容部本体から押し出すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、飲食品用容器および保冷具として好適である。本発明は、飲食製品としても有用である。
【符号の説明】
【0055】
1a:表面シート、1b:裏面シート、2:飲食品用容器、3:周縁部、5:収容部本体、7:口部材、9:仕切部、11:切り込み、13:サイドシート、E:端部、L:収容部本体長手方向中心線


【特許請求の範囲】
【請求項1】
体の一部に巻き付け可能な容器であって、
収容部本体と、
収容部本体に設けられた口部材とを有することを特徴とする飲食品用容器。
【請求項2】
前記収容部本体は、略U字形状を有するものである請求項1に記載の飲食品用容器。
【請求項3】
前記収容部本体は、略長方形状である請求項1に記載の飲食品用容器。
【請求項4】
前記収容部本体は、横長で、収容部本体の長手方向中心近辺で屈曲した形状を有する請求項1に記載の飲食品用容器。
【請求項5】
前記収容部本体が、ストーンペーパーで構成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の飲食品用容器。
【請求項6】
前記収容部本体には、収容部本体の一方の端部と他方の端部とを係止する手段が設けられている請求項1〜5のいずれか一項に記載の飲食品用容器。
【請求項7】
前記収容部本体は、表面シートと裏面シートの周縁部を接合してなる袋状のものである請求項1〜6のいずれか一項に記載の飲食品用容器。
【請求項8】
前記収容部本体は、表面シートと裏面シートの周縁部を接合してなり、表面シートと裏面シートとを部分的に接合することにより、連通した複数の収容部に区画されているものである請求項3〜6のいずれか一項に記載の飲食品用容器。
【請求項9】
前記口部材が、収容部本体の一方の周縁部に設けられ、他方の周縁部には、前記口部材が係止する係止手段が設けられている請求項8に記載の飲食品用容器。
【請求項10】
請求項1〜9の飲食品用容器の収容部本体に飲食品を充填してなる飲食製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−206762(P2012−206762A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75082(P2011−75082)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(598137951)株式会社エム・プラネット (2)
【出願人】(511081912)有限会社ティーユーサービス (1)
【出願人】(511081015)
【出願人】(511081934)
【出願人】(511081956)
【Fターム(参考)】