説明

駆動伝達装置、駆動装置、及び駆動伝達装置

【課題】駆動伝達装置から入力された駆動力の振動を減衰させ、振動が減衰された駆動力を出力ギア部から出力することを可能とする駆動伝達装置、このような駆動伝達装置を有する駆動装置、及びこのような駆動装置を有する画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置10は、駆動装置100と、駆動装置100により駆動される感光体22Y、22M、22C、22B等の画像形成関連部材とを有する。駆動装置100は、モータ102と駆動伝達部材104とを有し、駆動伝達部材104は、入力ギア部114と、出力外部116と、入力ギア部114と出力ギア部116とを連結する連結部118とを有し、連結部118が弾性変形することで入力ギア部114に入力される駆動力の振動を減衰させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動伝達装置、駆動装置、及び駆動伝達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
駆動力が入力される入力ギア部と、駆動力を出力する出力ギア部と、入力ギア部及び出力ギア部を連結する連結部とを有する駆動伝達装置が知られている。また、このような駆動伝達装置と、このような駆動伝達装置に駆動力を入力する駆動源とを有する駆動装置が知られている。また、このような駆動伝達装置と、このような駆動伝達装置から駆動力が入力され、例えば搬送ロール等の、画像形成又はシート搬送に関する画像形成関連部材とを有する画像形成装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開平11−182651
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、駆動伝達装置から入力された駆動力の振動を減衰させ、振動が減衰された駆動力を出力ギア部から出力することを可能とする駆動伝達装置、このような駆動伝達装置を有する駆動装置、及びこのような駆動装置を有する画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、駆動力が入力される入力ギア部と、駆動力を出力する出力ギア部と、前記入力ギア部と前記出力ギア部とを連結する連結部と、前記入力ギア部に入力される駆動力の振動を減衰させる振動減衰手段とを有する駆動伝達装置にある。したがって、駆動振動減衰手段により入力ギア部に入力される駆動力の振動が減衰し、入力ギア部に給力される駆動力が振動している場合に生じる虞がある例えば回転ムラ等の駆動ムラが低減され、良好な駆動伝達が可能となる。
【0006】
好適には、前記振動減衰手段は、前記連結部に設けられている。したがって、連結部に設けられた駆動振動減衰手段により、入力ギア部に入力される駆動力の振動が減衰する。
【0007】
また、好適には、少なくとも前記連結部が弾性を有する。したがって、連結部が弾性変形することで、入力ギア部に入力される駆動力の振動が減衰する。
【0008】
また、前記連結部は、切欠きが形成されている。したがって、切欠きが形成さていない場合と比較して連結部がより弾性変形しやすくなり、入力ギア部に入力される駆動力の振動がより減衰する。
【0009】
また、好適には、前記連結部は、前記入力ギア部に設けられた係合部と、前記出力ギア部に設けられ、前記係合部が係合する被係合部とを有し、前記係合部又は前記被係合部の少なくとも一方が弾性を有する。したがって、係合部又は被係合部の少なくとも一方が弾性変形することで、入力ギア部に入力される駆動力の振動が減衰する。
【0010】
また、好適には、前記入力ギア部又は前記出力ギア部の少なくとも一方に切り欠きが形成されている。したがって、切り欠きが形成されていない場合と比較して、駆動側回転部又は従動側回転部少なくとも一方が弾性変形しやすくなり、入力ギア部に入力される駆動力の振動がより減衰する。
【0011】
また、好適には、前記入力ギア部又は前記出力ギア部の少なくとも一方の、少なくとも外周部に切り込みが形成されている。したがって、切り込みが形成されていない場合と比較して、駆動側回転部又は従動側回転部少なくとも一方が弾性変形しやすくなり、入力ギア部に入力される駆動力の振動がより減衰する。
【0012】
また、本発明は、駆動源と、この駆動源から駆動力が入力される駆動伝達装置とを有し、前記駆動伝達装置は、駆動力が入力される入力ギア部と、駆動力を出力する出力ギア部と、前記入力ギア部と前記出力ギア部とを連結する連結部と、前記入力ギア部に入力される駆動力の振動を減衰させる振動減衰手段とを有する駆動装置にある。したがって、駆動振動減衰手段により入力ギア部に入力される駆動力の振動が減衰し、入力ギア部に給力される駆動力が振動している場合に生じる虞がある例えば回転ムラ等の駆動ムラが低減され、良好な駆動が可能となる。
【0013】
また、好適には、駆動伝達を断続する断続手段を有する。したがって、断続手段により駆動が断続される際に駆動力の振動が生じても、この振動が減衰し、良好な駆動が可能となる。
【0014】
また、本発明は、駆動源と、この駆動源から駆動力が入力される駆動伝達装置と、この駆動伝達装置から駆動力が入力され、画像形成又はシート搬送に用いられる画像形成関連部材とを有し、前記駆動伝達装置は、駆動力が入力される入力ギア部と、駆動力を出力する出力ギア部と、前記入力ギア部と前記出力ギア部とを連結する連結部と、前記入力ギア部に入力される駆動力の振動を減衰させる振動減衰手段とを有する画像形成装置にある。したがって、駆動振動減衰手段により入力ギア部に入力される駆動力の振動が減衰し、入力ギア部に給力される駆動力が振動している場合に生じる虞がある例えば回転ムラ等の駆動ムラが低減される。このため、画像形成関連部材に振動が伝達されにくくなり、画像形成関連部材が振動することを原因とする画像不良が生じにくくなる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、駆動伝達装置から入力された駆動力の振動を減衰させ、振動が減衰された駆動力を出力ギア部から出力することを可能とする駆動伝達装置、このような駆動伝達装置を有する駆動装置、及びこのような駆動装置を有する画像形成装置が提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1には本発明の実施形態に係る画像形成装置10が示されている。この画像形成装置10は、画像形成装置本体12を有し、この画像形成装置本体12内に画像形成部14と、画像形成部14にシートを供給するシート供給装置54が配設されている。また、画像形成装置本体12の上部に画像形成がなされたシートが排出されるシート排出部15が設けられている。
【0017】
画像形成部14は、カラー画像を形成する電子写真方式のもので、イエローの現像剤を用いてイエロー画像を形成する画像形成部18Yと、マゼンダの現像剤を用いてマゼンダ画像を形成する画像形成部18Mと、シアンの現像剤を用いてシアン画像を形成する画像形成部18Cと、ブラックの現像剤を用いてブラック画像を形成する画像形成部18Bとを有している。これらの画像形成部は、後述する搬送ベルト46に沿って、シート搬送方向上流である重力方向下方から順に、画像形成部18Y、画像形成部18M、画像形成部18C、画像形成部18Bの順に配置されている。
【0018】
画像形成部18Y、18M、18C、18Bは、形成する画像の色が異なるものの同じ構成であるので、以下、画像形成部18として構成を説明する。画像形成部18は、画像形成関連部材として用いられる感光体22と、感光体22を一様に帯電する帯電ロールを備え、帯電手段として用いられる帯電装置24と、感光体22に光により潜像を書き込む潜像書き込み手段として用いられる光書き込み装置26と、感光体22に書き込まれた潜像を現像剤で現像し、可視像として用いられる現像剤像を形成する現像装置28と、感光体に形成された現像剤像をシートに転写する転写ロール50と、転写ロールによる転写がなされた後に、感光体22の表面に残留した現像剤像を除去する現像剤除去手段として用いられるクリーニング装置30とを、それぞれが有している。光書き込み装置26はレーザー露光装置からなり、レーザー光を発し各感光体22にそれぞれ静電潜像を書き込むようになっている。
【0019】
画像形成部18が有する部材のうち、感光体22、帯電装置24、現像装置28及びクリーニング装置30は、交換ユニットとして用いられるプロセスカートリッジ32として一体型され、画像形成装置本体12に着脱自在に装着される。また、このプロセスカートリッジ32には、現像装置28に供給される現像剤(トナー)を収容する現像剤収容器(交換ユニット)としてのトナーカートリッジ(トナーボトル)34と、クリーニング装置30により除去された現像剤(トナー)を回収する現像剤回収容器としての排トナーボトル36とが該プロセスカートリッジ32と一体に又は着脱自在に設けられている。
【0020】
転写ロール50Y、50M、50C、50Bは、他の部材と共に転写ユニット42として一体化され、画像形成装置本体12から着脱することができるようになっている。転写ユニット42は、転写ロール50Y、50M、50C、50Bと併せて、二つの支持ロール44a、44bと、シートを搬送する搬送部材として用いられる搬送ベルト46と、吸着ロール48とを有している。支持ロール44aは、搬送ベルト46を駆動する駆動ロールとして用いられる。吸着ロール48は、搬送ベルト46にシート押圧するともに、搬送ベルトに46に電荷を注入し、シートを搬送ベルト46にシートを電荷的に吸着させる。
【0021】
搬送ベルト46により搬送中のシートに、感光体22Y、22M、22C、22Bに形成された現像剤像が、ぞれぞれの転写ロール50Y、50M、50C、50Bによって転写され、シートにイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの4色の現像剤像が重ねられたフルカラーの現像剤像が形成される。
【0022】
画像形成装置本体12内の上部には、シートに転写された現像剤像をシートへと定着する定着装置52が設けられている。定着装置52は、加熱ロール52aと加圧ロール52bとからなり、加熱ロール52aと加圧ロール52bとの間を通過するシートを過熱し加圧することで、シートに現像剤像を定着するようになっている。
【0023】
シート供給装置54は、シート収容部として用いられるシート供給カセット56と、シート供給カセット56からシートを画像形成部14へ向けて供給し、画像形成関連部材として用いられる供給ロール58と、分離部材として用いられる捌きロール68とを有する。
【0024】
シート供給カセット56は、画像形成装置本体12に対して着脱自在に設けられていて、普通紙、OHPシート等のシートが積層されて収容される。捌きロール68は供給ロール58に圧接され、供給ロール58との接触部でシート供給カセット56から供給されるシートを捌き、分離してシートの重送を防止する。
【0025】
画像形成装置本体12内には、シート供給装置54から供給されたシートをシート排出部15まで搬送する搬送路60が設けられていて、搬送路60に沿って、シート搬送方向上流側から順に、画像形成関連部材として用いられるレジストロール62、転写ユニット42、定着装置52及び排出ロール40が配置されている。排出ロール40は、定着装置52から搬送されたシートをシート排出部15へと排出する。
【0026】
図2には、画像形成装置10が有する駆動装置100が示されている。図2において、矢印は駆動装置100が有する各部材が回転する方向を示している。駆動装置100は、駆動源として用いられるモータ102を有する。モータ102は、それぞれ画像形成関連部材として用いられる感光体22Y、22M。22C、22B、供給ロール58、及びレジストロール62に伝達される駆動力を出力する。
【0027】
モータ102の回転軸には、ギアG1が取り付けられていて、ギアG1にはギアG2が噛み合っている。ギアG2には同軸上にギアG3が取り付けられていて、ギアG3はギアG4に噛み合っている。ギアG4には同軸上にギアG5が取り付けられていて、ギアG5にはギアG6が噛み合っている。ギアG6には、ギアG7及びG8が噛み合い、ギアG7にはG9及びG10が、ギアG8にはギアG11及びギアG12が噛み合っている。そして、ギアG9には感光体22Bが、ギアG10には感光体22Cが、ギアG11には感光体22Mが、ギアG12には感光体22Yが接続されている。したがって、モータ102からの回転駆動がギアG1乃至G12を介して感光体22Y、22M、22C、22Bに伝達され、感光体22Y、22M、22C、22Bが回転する。
【0028】
また、ギアG1には、駆動伝達装置として用いられる駆動伝達部材104を介してギアG15が連結されていて、ギアG15には同軸上にギアG16が取り付けられている。ギアG16にはギアG17が噛み合い、ギアG17には断続手段として用いられるクラッチ106が連結され、クラッチ106には、供給ロール58が連結されている。クラッチ106は例えば電磁クラッチからなり、CPU等を備える制御装置(不図示)により制御されて、ONとされOFFとされる。制御装置によりクラッチ106がONとされると、駆動装置100は、モータ102から供給ロール58への駆動伝達をなす連結状態となる。また、クラッチ106がOFFとされると、駆動装置100はモータ102から供給ロール58への駆動伝達がなされない切断状態となる。
【0029】
また、ギアG1には、駆動伝達部材104を介してギアG18が連結されていて、ギアG18には断続手段として用いられるクラッチ108が連結され、クラッチ108には、レジストロール62が連結されている。クラッチ108は、クラッチ106と同様に電磁クラッチからなり、制御装置(不図示)により制御されて、ONとされOFFとされる。制御装置によりクラッチ108がONとされると、駆動装置100は、モータ102からレジストロール62への駆動伝達をなす連結状態となる。また、クラッチ108がOFFとされると、駆動装置100はモータ102からレジストロール62への駆動伝達がなされない切断状態となる。
【0030】
図3には、駆動伝達部材104の第1の実施形態が示されている。駆動伝達部材104は、駆動力が入力される入力ギア部114と、駆動力を出力する出力ギア部116と、入力ギア部114と出力ギア部116とを連結する連結部118とを有する。駆動伝達部材104は、全体が弾性を有する材料で構成されていて、例えば、全体が樹脂を材料とする射出成形で形成される。駆動伝達部材104は、必ずしも全体を弾性を有する材料で形成する必要はなく、少なくとも連結部118が弾性変形可能であれば良い。
【0031】
入力ギア部114は、円板形状の板部120と、板部120の縁部に形成されたリム部122とを有し、リム部122の外周面にギア列が形成されている。このギア列が、ギアG1(図2参照)に噛み合うことで、ギアG1を介し、入力ギア部114にモータ102から駆動伝達がなされる。
【0032】
出力ギア部116は、円板形状の板部124と、板部124の縁部に形成されたリム部126とを有し、リム部126の外周面にギア列が形成されている。このギア列がギアG18に噛み合うことで、出力ギア部116から、ギアG18を介してクラッチ108に駆動が伝達される。また、リム部126の外周面に形成されたギア列には、先述のギアG15が噛み合っていて、出力ギア部116から、ギアG15、ギアG16、ギアG17を介してクラッチ106に駆動が伝達される。
【0033】
連結部118は、板部120及び板部124を貫通するようにして、入力ギア部114と出力ギア部116とを連結している。このため、入力ギア部114に入力された回転駆動力が出力ギア部116へと伝達される。連結部118は、円筒形状を有し、貫通孔128が形成されている。貫通孔128には、例えば連結部118を回転運動可能に支持する支持軸(不図示)が挿入される。
【0034】
連結部118は、前述のように弾性を有する材料である樹脂から成形され、しかも中空部を有する形状をしているため弾性変形しやすい。このため、連結部118は、弾性変形することで、例えば、クラッチ106又はクラッチ108がONとされ、OFFとされることに伴ってモータ102に与えられる負荷変動を低減することができる。すなわち、連結部118が剛体からなり弾性変形しにくい場合には、クラッチ106又はクラッチ108をONとしOFFとした時の負荷変動が緩和されることなく直接にモータ102に伝達されてしまう。これに対して、この実施形態では、連結部118がねじれるようにして弾性変形し、弾性変形することでモータ102に与えられる負荷の変動が低減される。
【0035】
モータ102に負荷変動が低減されることなく伝達された場合、モータ102の回転速度に変動が生じてしまうことがある。そして、モータ102に回転速度に変動が生じると、モータ102からの駆動伝達を受けて回転する感光体22Y、22M、22C、22Bの回転速度に変動が生じてしまい、形成される画像に例えば、色ズレ、バンディング、濃度ムラ等の画像不良が生じてしまう。これに対して、この実施形態では、連結部118が弾性変形することでモータ102に与えられる負荷の変動が低減されるため、モータ102の回転変動が生じにくくなり、モータ102から入力ギア部114に入力される駆動力の振動が減衰されて色ズレ、バンディング、濃度ムラ等の画像不良が生じにくくなる。
【0036】
以上のように、駆動伝達部材104では、連結部118が入力ギア部114に入力される駆動力の振動を減衰させる振動減衰手段として用いられている。
【0037】
図4には、駆動伝達部材104の第2の実施形態が示されている。第1の実施形態と比較すると、第1の実施形態では、連結部118は、切欠きが形成されていない円筒形状を有していたのに対して、この第2の実施形態の駆動伝達部材104では、連結部118に切り欠き130が形成されている。切り欠き130は、連結部118における板部120と板部124との間の位置に、連結部118の長手方向に沿って90度間隔で4個が形成されている。
【0038】
連結部118に切り欠き形成されることで、連結部118がより弾性変形しやすくなり、
モータ102に与えられる負荷の変動がより低減されるため、モータ102の回転変動がより生じにくくなり、色ズレ、バンディング、濃度ムラ等の画像不良がより生じにくくなる。なお、第1の実施形態と同一部分については、図4に同一番号を付して説明を省略する。
【0039】
図5には、駆動伝達部材104の第3の実施形態が示されている。第2の実施形態と比較すると、第1の実施形態では、連結部118に4個の切り欠き130が90度間隔で形成されていたのに対して、この第3の実施形態では、切り欠き130は120度間隔で3個の切り欠きが形成されている。
【0040】
図6には、駆動伝達部材104の第4の実施形態が示されている。第1の実施形態と比較すると、第1の実施形態では、板部120には切欠きが形成されていなかったのに対して、この第4の実施形態の駆動伝達部材104では、板部120に少なくとも一つ以上の切り欠き132が形成されている。板部120に切り欠き132が形成されることで、入力ギア部114が弾性変形しやすくなり、連結部118の弾性変形のみならず、入力ギア部114の弾性変形によってもモータ102に与えられる負荷の変動が低減されるため、モータ102の回転変動がより生じにくくなり、色ズレ、バンディング、濃度ムラ等の画像不良がより生じにくくなる。
【0041】
入力ギア部114の板部120に切り欠きを形成することに替え、又は板部120に切り欠きが形成することと併せて出力ギア部116の板部124に切欠きを形成しても良い。また、第4の実施形態と第2又は第3の実施形態とを組み合わせて、連結部118に切欠き130を形成するとともに、板部120又は板部124の少なくとも一方に切り欠き132を形成しても良い。なお、第1の実施形態と同一部分については、図6に同一番号を付して説明を省略する。
【0042】
図7には、駆動伝達部材104の第5の実施形態が示されている。第1の実施形態と比較すると、第1の実施形態では、入力ギア部114の板部120及びリム部122のいずれにも切り込みが形成されていないのに対して、この第5の実施形態においては、リム部122の外周部から板部120を経て連結部118の外周部まで至る切り込み134が、180度間隔で2個形成されている。板部120及びリム部122に切り込みが形成されることで、入力ギア部114が弾性変形しやすくなり、連結部118の弾性変形のみならず、入力ギア部114の弾性変形によってもモータ102に与えられる負荷の変動が低減されるため、モータ102の回転変動がより生じにくくなり、色ズレ、バンディング、濃度ムラ等の画像不良がより生じにくくなる。
【0043】
入力ギア部114の板部120及びリム部122に切り込みを形成することに替え、又は板部120及びリム部122に切り込みを形成することと併せて、出力ギア部116の板部124及びリム部126に切り込みを形成しても良い。また、第5の実施形態と第2又は第3の実施形態とを組み合わせて、連結部118に切欠き130を形成しても良い。なお、第1の実施形態と同一部分については、図7に同一番号を付して説明を省略する。
【0044】
図8乃至10には、駆動伝達部材104の第6の実施形態が示されている。
第1の実施形態と比較すると、第1の実施形態では駆動伝達部材104は一つの部材として成形されていたのに対して、この第6の実施形態では、駆動伝達部材104は、入力ギア部として用いられる入力ギア部材140と、出力ギア部として用いられる出力ギア部材142との2ピース構造となっている。
【0045】
図8及び9に示されるように、入力ギア部材140は、円形の板部144と、板部144の縁部に形成されたリム部146とを有する。リム部146の外周面にはギア列が形成されていて、このギア列が、ギアG1(図2参照)に噛み合う。板部144の略中央部には、突出するように円筒形状のボス部148が形成されていて、ボス部148を貫通するように貫通孔150が形成されている。ボス部148の外側には、係合部として用いられる3個の突起152、152、152が120度間隔で形成されている。突起152、152、152は、例えば樹脂等の弾性体からなり板部144に片持ちで支持されている。互いに隣り合う突起152の間には、それぞれ隙間154、154、154が形成されている。
【0046】
図8及び10に示されるように、出力ギア部材142は、円形の板部160と、板部160の縁部に成形されたリム部162とを有する。リム部162の外周面にはギア列が形成されていて、このギア列がギアG18及びギアG15に噛み合う(図2参照)。板部160の略中央部には、突出するように円筒形状のボス部164が形成されていて、ボス部164を貫通するように貫通孔166が形成されている。ボス部148の外側には、120度の間隔で、3個の切り欠き168、168、168が板部160の中心から円周部に延びるように放射状に形成されている。そして、切り欠き168、168、168の内側に配置された状態で、被係合部として用いられる突起170、170、170が形成されている。突起170、170、170は、例えば樹脂等の弾性体からなり、例えばボス部164に片持ちで支持されている。
【0047】
入力ギア部材140と出力ギア部材142とは、図8に示されるように出力ギア部材142の突起170、170、170が、それぞれ入力ギア部材140の隙間154、154、154に嵌まり込むようにして、一体として駆動伝達部材104を構成している。このため、入力ギア部材140が回転すると、突起152、152、152が、それぞれ突起170、170、170に当接し、突起170、170、170を押圧するようにして出力ギア部材142に駆動を伝達する。
【0048】
先述のように、突起152、152、152及び突起170、170、170は、弾性体から形成されている。このため、これらの部材が弾性変形することで、クラッチ106,108がONとされ、OFFとされることに伴ってモータ102に与えられる負荷変動を低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上述べたように、本発明は、例えばギア列等からなる駆動伝達装置と、このような駆動伝達装置を有する例えば複写機、ファクシミリ装置、プリンタ等の画像形成装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を正面から示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置が有する駆動伝達装置の構成を説明する説明図である。
【図3】本発明の実施形態に用いられる駆動連結部材の第1の実施形態を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に用いられる駆動連結部材の第2の実施形態を示し、図4(a)は駆動連結部材全体を示す斜視図であり、図4(b)は連結部を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態に用いられる駆動連結部材の第3の実施形態を示し、駆動連結部材の連結部を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に用いられる駆動連結部材の第4の実施形態を示す正面図である。
【図7】本発明の実施形態に用いられる駆動連結部材の第5の実施形態を示す正面図である。
【図8】本発明の実施形態に用いられる駆動連結部材の第6の実施形態の構成を説明する説明図である。
【図9】本発明の実施形態に用いられる駆動連結部材の第6の実施形態が有する入力ギア部材を示す正面図である。
【図10】本発明の実施形態に用いられる駆動連結部材の第6の実施形態が有する出力ギア部材を示す背面図である。
【符号の説明】
【0051】
10 画像形成装置
58 供給ロール
62 レジストロール
100 駆動装置
102 モータ
104 駆動伝達部材
106 クラッチ
108 クラッチ
114 入力ギア部
116 出力ギア部
118 連結部
130 切り欠き
132 切り欠き
134 切り込み
140 入力ギア部材
142 出力ギア部材
144 板部
152 突起
154 隙間
168 切り欠き
170 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動力が入力される入力ギア部と、
駆動力を出力する出力ギア部と、
前記入力ギア部と前記出力ギア部とを連結する連結部と、
前記入力ギア部に入力される駆動力の振動を減衰させる振動減衰手段と、
を有する駆動伝達装置。
【請求項2】
前記振動減衰手段は、前記連結部に設けられている請求項1記載の駆動伝達装置。
【請求項3】
少なくとも前記連結部が弾性を有する請求項1又は2記載の駆動伝達装置。
【請求項4】
前記連結部は、切欠きが形成されている請求項1乃至3いずれか記載の連結装置。
【請求項5】
前記連結部は、
前記入力ギア部に設けられた係合部と、
前記出力ギア部に設けられ、前記係合部が係合する被係合部と、
を有し、
前記係合部又は前記被係合部の少なくとも一方が弾性を有する請求項1記載の駆動伝達装置。
【請求項6】
前記入力ギア部又は前記出力ギア部の少なくとも一方に切り欠きが形成されている請求項1乃至5いずれか記載の駆動伝達装置。
【請求項7】
前記入力ギア部又は前記出力ギア部の少なくとも一方の、少なくとも外周部に切り込みが形成されている請求項1乃至6いずれか記載の駆動伝達装置。
【請求項8】
駆動源と、
この駆動源から駆動力が入力される駆動伝達装置と、
を有し、
前記駆動伝達装置は、
駆動力が入力される入力ギア部と、
駆動力を出力する出力ギア部と、
前記入力ギア部と前記出力ギア部とを連結する連結部と、
前記入力ギア部に入力される駆動力の振動を減衰させる振動減衰手段と、
を有する駆動装置。
【請求項9】
駆動伝達を断続する断続手段を有する請求項8記載の駆動装置。
【請求項10】
駆動源と、
この駆動源から駆動力が入力される駆動伝達装置と、
この駆動伝達装置から駆動力が入力され、画像形成又はシート搬送に用いられる画像形成関連部材と、
を有し、
前記駆動伝達装置は、
駆動力が入力される入力ギア部と、
駆動力を出力する出力ギア部と、
前記入力ギア部と前記出力ギア部とを連結する連結部と、
前記入力ギア部に入力される駆動力の振動を減衰させる振動減衰手段と、
を有する画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−90208(P2008−90208A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−273670(P2006−273670)
【出願日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】