説明

駆動力断接装置

【課題】駆動力断接装置の入出力軸間に伝達される駆動力を利用して入出力軸を断接することで、小さな動力で駆動力を切断できる駆動力断接装置を低コストで提供する。
【解決手段】駆動力を入出力する中間軸100とリングギア軸52とを連結及び解放する駆動力断接装置54において、中間軸100に回転自在に支持された第1カム部材102と、リングギア軸52と共に回転し、中間軸100と係脱可能な第2カム部材104と、第2カム部材104を第1カム部材102に押圧するコイルスプリング106と、第1カム部材102の回転を制動し、第1カム部材102と第2カム部材104とを相対回転させるブレーキ機構108と、相対回転の範囲を規制するチェック機構116とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2輪駆動と4輪駆動とを切換え可能な4輪駆動車用駆動力伝達装置に配置して、駆動力を断接する駆動力断接装置に関し、特に、小さな動力で駆動力を断接できる駆動力断接装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の、4輪駆動車用駆動力伝達装置に配置され、駆動力を断接して2輪駆動と4輪駆動とを切換える駆動力断接装置としては、例えば、特許文献1に記載された2輪・4輪駆動切換装置がある。
【0003】
このような切換装置は、スプリングを使用した待ち機構を設け、駆動力の接続時に断接機構の主動側と従動側との位相が合わない場合、モータ等のアクチュエータによってスプリングに蓄力し、位相が合った時にその蓄力を開放して断接機構を接続する。
【0004】
特許文献1においては、2輪駆動から4輪駆動への切換え時に、ミッション側出力軸のスプラインと従動輪側出力軸のスプラインとの位相が合わない場合、モータによってトーションスプリングに蓄力し、両スプラインの位相が合った時に、ミッション側出力軸に停止していたスライダが、蓄力されたトーションスプリングによって従動輪側出力軸のスプラインに係合し、ミッション側出力軸と従動輪側出力軸とが接続される。
【0005】
また、車軸と車輪ハブとの駆動力の伝達を断接して、2輪駆動と4輪駆動とを切換える駆動力断接装置として、例えば、特許文献2に記載されたモータ等のアクチュエータを内蔵した電動式フリーホイールハブ装置があるが。
【0006】
このような電動式フリーホイールハブ装置は、2輪駆動から4輪駆動への切換え時に、内蔵したモータによって断接機構を接続するが、車軸と車輪ハブとの回転数、すなわち、前輪と後輪との回転数が一致した時にのみ接続可能であり、従って、車両の走行中には、2輪駆動から4輪駆動へ確実に切換えることができない。
【0007】
そのため、特許文献2においては、駆動力伝達装置に前後輪の回転を同期させる同期手段を設けると共に、電動式フリーホイールハブ装置には、前後輪の回転が同期した後にアクチュエータに通電する遅延手段を設け、車両の走行中に2輪駆動から4輪駆動へ確実に切換えることができるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭63−87317号公報
【特許文献2】実開平03−53640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1、2に記載されたような従来の駆動力断接装置においては、4輪駆動から2輪駆動への切換え時に、駆動力断接装置を切断するためにアクチュエータを作動させても、駆動力断接装置の入出力軸間にトルクが作用している(トルクがこもっている)場合には切断できず、トルクが作用しなくなる(トルクが抜ける)まで、4輪駆動状態のままになってしまうという問題がある。
【0010】
また、この問題への対策として、駆動力断接装置の入出力軸間のトルク伝達がなくなるのを待たずに、強制的に駆動力断接装置を切断しようとすると、断接機構を作動させるために大きな動力が必要となるため、アクチュエータが大型化、高コスト化するという問題もある。
【0011】
本発明は、駆動力断接装置の入出力軸間に伝達される駆動力を利用して入出力軸を断接することで、小さな動力で駆動力を切断できる駆動力断接装置を低コストで提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的を達成するため、本発明による駆動力断接装置は次のように構成する。本発明は、駆動力を入出力する第1軸と第2軸とを連結及び解放する駆動力断接装置において、第1軸に回転自在に支持された第1カム部材と、第2軸と共に回転し、第1軸と係脱可能な第2カム部材と、第2カム部材を第1カム部材の方向に押圧する付勢部材と、第1カム部材の回転を制動し、第1カム部材と第2カム部材とを相対回転させるブレーキ機構と、相対回転の範囲を規制するチェック機構とを備えたことを特徴とする。
【0013】
ここで、第1カム部材は、第2カム部材を第2軸方向に変位させるカム面を有し、第2カム部材は、相対回転時に、カム面に従動して第2軸方向に変位する。また、チェック機構は、第1カム部材に作用する遠心力によって作動する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、駆動力断接装置の入出力軸の各々に設けたカム部材を、ブレーキ機構を作動して相対回転させることで、入出力軸間に伝達される駆動力を利用して入出力軸が断接可能となる。そのため、ブレーキ機構を作動させる小さな動力で駆動力を断接でき、2輪駆動と4輪駆動とを切換えるための駆動力断接装置を小型化、低コスト化できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明による駆動力断接装置を配置した4輪駆動車用駆動力伝達装置の第1実施形態を示す説明図
【図2】図1の前輪駆動部の実施形態を示す断面図
【図3】図2の駆動力断接装置を取り出して詳細に示す説明図
【図4】図3のチェック機構を取り出して詳細に示す説明図
【図5】図1の後輪駆動部と回転差感応型カップリングの実施形態を示す断面図
【図6】図3の駆動力断接装置の2輪駆動モード時の状態を示す説明図
【図7】図3の駆動力断接装置の2輪駆動モードから4輪駆動モードへの切換え時の状態を示す説明図
【図8】図3の駆動力断接装置の2輪駆動モードから4輪駆動モードへの切換え時の状態を示す説明図
【図9】図3の駆動力断接装置の4輪駆動モード時の状態を示す説明図
【図10】図3の駆動力断接装置の4輪駆動モードから2輪駆動モードへの切換え時の状態を示す説明図
【図11】図3の駆動力断接装置の4輪駆動モードから2輪駆動モードへの切換え完了時の状態を示す説明図
【図12】本発明による駆動力断接装置を配置した4輪駆動車用駆動力伝達装置の第2実施形態を示す説明図
【図13】本発明による駆動力断接装置を配置した4輪駆動車用駆動力伝達装置の第3実施形態を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施形態を示す図面に基づいて、本発明の駆動力断接装置を詳細に説明する。以下の実施形態は、主駆動輪のみを駆動する2輪駆動モードと、主駆動輪を常時駆動し必要に応じて副駆動輪も駆動する4輪駆動モードとを切換え可能なオンデマンド型フルタイム4輪駆動車を例にして示している。
【0017】
各実施形態は、2輪駆動モード時に前輪を駆動するFF(Front-engine Front-drive)車ベースの4輪駆動車、または2輪駆動モード時に後輪を駆動するFR(Front-engine Rear-drive)車ベースの4輪駆動車であり、少なくともエンジン及び駆動力伝達装置が、各種車両状態検出センサの検出値等に基づいてECU(Electronic Control Unit)によって制御される。
【0018】
図1は、本発明による駆動力断接装置を配置した4輪駆動車用駆動力伝達装置の第1実施形態を示した説明図であり、FF車ベースの4輪駆動車に適用した場合である。
【0019】
図1において、本実施形態の駆動力伝達装置12は4輪駆動車10に設けられ、前輪駆動部14、駆動力伝達部16、後輪駆動部18を備え、前輪駆動部14には前輪差動装置20、駆動力伝達部16には回転差感応型カップリング28、後輪駆動部18には後輪差動装置22を設けている。
【0020】
また、前輪差動装置20と駆動力伝達部16との間には第1切換装置24、後輪差動装置22と右後輪86との間には第2切換装置26を設けている。第1切換装置24は、本発明による駆動力断接装置54を備え、第2切換装置26は、同期機構78と噛み合いクラッチ機構80で構成されており、各々第1アクチュエータ56、第2アクチュエータ82を作動して、2輪駆動モードとなる切断状態と4輪駆動モードとなる接続状態とを切換えることができる。
【0021】
第1切換装置24の第1アクチュエータ56、第2切換装置26の第2アクチュエータ82に対しては、ECU30からの制御信号E1、E2が与えられている。エンジン32からの駆動力は変速機34で変速された後、変速機34のドライブギア36から前輪差動装置20のリングギア38に入力され、前輪差動装置20は、変速機34からの駆動力を左前輪46及び右前輪48へ伝達する。
【0022】
前輪差動装置20は、コーナリング時や路面状態の変化等により左前輪46と右前輪48とに回転速度差が生じた場合、回転速度差を吸収して左前輪46と右前輪48に等しいトルクを与えて回転させる。
【0023】
ドライブギア36からの駆動力は、前輪差動装置20のリングギア38及びデフケース40を介して第1切換装置24にも入力され、第1切換装置24は、2輪駆動モードにおいては、ECU30からの制御信号E1によって第1アクチュエータ56を作動して駆動力伝達部16を切り離し、後輪側に対する駆動力を切断した状態となっている。
【0024】
そのため、変速機34からの駆動力は、前輪差動装置20のリングギア38、デフケース40を介してデフケース軸50に伝達されるが、第1切換装置24が切断状態にあるためリングギア軸52に出力されない。
【0025】
一方、第2切換装置26についても、ECU30からの制御信号E2により切断されているため、左後輪84と右後輪86が回転していても後輪差動装置22のリングギア70は回転しない。
【0026】
これによって、2輪駆動モードにおいては、リングギア58、出力ピニオン60、自在継手62、プロペラシャフト64、自在継手66、回転差感応型カップリング28、ドライブピニオン68及び後輪差動装置22のリングギア70を含む駆動力伝達部16の回転が停止し、2輪駆動モード時に駆動力伝達部16が回転することによるフリクションロスにより燃費が低下してしまう問題を解消することができる。
【0027】
一方、4輪駆動モードにおいては、第1切換装置24は、ECU30からの制御信号E1によって第1アクチュエータ56を作動して駆動力伝達部16と接続状態にある。そのため、第1切換装置24に入力された駆動力は、デフケース40と一体に回転するデフケース軸50からリングギア軸52に伝達され、リングギア軸52と一体に回転するリングギア58と出力ピニオン60とで伝達方向を変換して出力される。
【0028】
出力ピニオン60から出力された駆動力は、自在継手62、プロペラシャフト64、自在継手66、回転差感応型カップリング28を介してドライブピニオン68に伝達され、ドライブピニオン68から後輪差動装置22のリングギア70に方向を変換して伝達される。
【0029】
ここで、回転差感応型カップリングとは、入力側と出力側との回転速度に差がない場合にはトルクを伝達しないが、回転速度に差がある場合には回転速度差に応じたトルクを伝達するカップリングのことであり、本実施形態においては、ビスカスカップリングを使用している。
【0030】
4輪駆動モードにおいて、前輪46、48と後輪84、86との回転速度に差がない場合には、回転差感応型カップリング28は駆動力を後輪駆動部18に配分しないが、何れかの車輪がスリップした場合等の前輪46、48と後輪84、86との回転速度に差が生じた場合、すなわち、回転差感応型カップリング28の駆動力伝達部16側とその対向側である後輪駆動部18側とで回転速度差が発生した場合に、回転差感応型カップリング28は、その回転速度差に応じた駆動力を後輪駆動部18に配分する。
【0031】
第2切換装置26は、2輪駆動モードにおいては、ECU30からの制御信号E2によって第2アクチュエータ82を作動して切断状態に制御され、右後輪86と後輪差動装置22との駆動力の伝達を切り離し、4輪駆動モードにおいては、ECU30からの制御信号E2によって第2アクチュエータ82を作動して接続状態に制御され、回転差感応型カップリング28及び後輪差動装置22を介したエンジン32からの駆動力を右後輪86に伝達している。
【0032】
本実施形態においては、次に図2、3を参照して説明するように、第1切換装置24には本発明の駆動力断接装置54を、第2切換装置26には同期機構78を有する噛み合いクラッチ機構80を使用しており、各々第1アクチュエータ56、第2アクチュエータ82を作動して、2輪駆動モードとなる切断状態と4輪駆動モードとなる接続状態とを切換えることができる。
【0033】
図2は、図1の前輪駆動部14を示す断面図であり、図の上方が4輪駆動車10の前側(前進方向)となる。図2において、前輪差動装置20、第1切換装置24、リングギア58及び出力ピニオン60が、変速機34に接続したハウジング88に収容されている。ハウジング88は複数に分割され、各々がボルトで締結されている。
【0034】
ハウジング88の左側に位置する前輪差動装置20は、デフケース40の左前輪駆動軸42側と右前輪駆動軸44側の両側が、各々テーパーローラベアリング90、92によりハウジング88に回転自在に支持されている。デフケース40には、変速機34のドライブギア36と係合するリングギア38が固定されている。
【0035】
ハウジング88の右側には、デフケース40と同軸にリングギア58を回転不可に嵌合したリングギアギア軸52を備え、リングギア軸52は、リングギア58側の端部を複列アンギュラベアリング94によりハウジング88に回転自在に支持されている。
【0036】
ハウジング88の右下側には、リングギア58に係合する出力ピニオン60が配置され、出力ピニオン60は、下方に接続する自在継手62を介してプロペラシャフト64に連結している。
【0037】
前輪差動装置20とリングギアギア軸52の間には、前輪差動装置20側とリングギアギア軸52側の両側を各々ボールベアリング96、98により支持され、デフケース軸50とスプライン結合して一体に回転する中間軸100が備わる。
【0038】
中間軸100の外周部とリングギア軸52の前輪差動装置20側の内周部には、本発明の駆動力断接装置54が設けられ、中間軸100の上側には、第1アクチュエータ56がハウジング88に固定されている。駆動力断接装置54と第1アクチュエータ56とで第1切替え装置24を構成している。
【0039】
図3は、図2の駆動力断接装置54を取り出して詳細に示す説明図であり、図3(A)は、中間軸100の中心線の上側が接続状態、下側が切断状態を示す断面図、図3(B)は、上側が接続状態で図3(A)のA−A断面方向、下側が切断状態で図3(A)のB−B断面方向となる。また、図3(A)は、図3(B)のC−C断面方向を示している。
【0040】
図3(A)に示すように、駆動力断接装置54は、変速機34、デフケース40を介してエンジン32からの駆動力が入力される中間軸100、中間軸100に回転自在に挿入された筒状部とフランジ部を有する第1カム部材102、外周側がリングギア軸52の内周部にスプライン結合し、軸方向に移動することで内周側のスプラインが中間軸100のスプラインと係脱可能なリング状の第2カム部材104を備えている。
【0041】
駆動力断接装置54は、更に、第2カム部材104を第1カム部材102に押圧するコイルスプリング(付勢部材)106、第1カム部材102の回転を制動し第1カム部材102と第2カム部材104とを相対回転させるブレーキ機構108、第1カム部材102と第2カム部材104との相対回転の範囲を規制するチェック機構116を備えている。
【0042】
図3(B)に示すように、第1カム部材102は、フランジ部の第2カム部材104側の端面に、複数の凸部102aが円周方向に等間隔で配置されており、凸部102aの頂面102b、斜面102c、及び底面102dでカム面を構成している。
【0043】
また、第2カム部材104は、第1カム部材102側の端面に、第1カム部材102の凸部102aに対向するように同数の凸部104aが配置されており、凸部104aは、カム従動子として機能する。
【0044】
ここで、凸部104aの頂面104b(図6参照)は、図3(B)の上側では、第1カム部材102の底面102dに当接し、図3(B)の下側では、第1カム部材102の頂面102bに当接した状態である。
【0045】
ブレーキ機構108は、第1カム部材102の外周部とハウジング88に固定されたドラム110の内周部との間に配置された複数の摩擦板112と、ドラム110の内周部に摺動自在に係合し、第1アクチュエータ56に連動して摩擦板112を押圧するピストン114で構成されている。図3(A)の上側は、ブレーキ機構108が作動した状態、図3(A)の下側は、ブレーキ機構108が作動していない状態である。
【0046】
本実施形態において、第1カム部材102の凸部102aと第2カム部材104の凸部104aは、各々4つで構成されているが、これらの数は4以外でも構わない。また、ブレーキ機構108は、いわゆる多板クラッチ機構と同様な構成であり、第1アクチュエータ56として、電磁ソレノイドを使用しているが、何れも他の方式、例えば、単板クラッチ機構や油圧プランジャ等でも構わない。
【0047】
図4は、図3のチェック機構116を取り出して詳細に示す説明図であり、第1カム部材102が回転し、遠心力によってチェック機構116が作動した状態を示している。また、中間軸100と第2カム部材104を想像線で示している。
【0048】
図4に示すように、チェック機構116は、第1カム部材102の凸部102aの下部内に設けられ、ストッパピン118と、ストッパピン118を突出させない方向に付勢するスプリング120で構成されている。
【0049】
後で詳細に説明するように、第1カム部材102は、ハウジング88に対して回転していない場合と回転している場合があり、回転していない場合、ストッパピン118はスプリング120の付勢によって面102eから突出しないが、回転による遠心力がスプリング120の付勢に勝るとストッパピン118は面102eから突出し、第2カム部材104の凸部104aの下部に形成された係止部104cに係合することで、第1カム部材102と第2カム部材104との相対回転を規制することができる。
【0050】
図5は、図1の後輪駆動部18と回転差感応型カップリング28を示す断面図であり、図の上方が4輪駆動車10の前側(前進方向)となる。図5において、回転差感応型カップリング28、ドライブピニオン68、後輪差動装置22及び第2切換装置26が、ハウジング122に収容されている。ハウジング122は複数に分割され、各々がボルトで締結されている。
【0051】
本実施形態においては、回転差感応型カップリング28としてビスカスカップリングを使用している。ビスカスカップリングは、入出力軸の各々に設けた複数のクラッチ板が、オイルを封入したケースの中で相対回転する際のオイルの剪断抵抗を利用した流体クラッチとして周知の技術であるため、回転差感応型カップリング28の構成や動作の詳細な説明は省略する。
【0052】
ハウジング122の左側に位置する後輪差動装置22は、デフケース72の左後輪駆動軸74側と右後輪駆動軸76側の両側が、各々テーパーローラベアリング124、126によりハウジング122に回転自在に支持されている。デフケース72には、回転差感応型カップリング28に連結したドライブピニオン68と係合するリングギア70が固定されている。
【0053】
ハウジング122の右側には第2切換装置26が備わり、第2切換装置26は、同期機構78と噛み合いクラッチ機構80、シフトフォーク128、シフトロッド130、ピニオン132及びサーボモータ(図示していない)で構成されている。
【0054】
本実施形態において、図5に示す第2切換装置26の噛み合いクラッチ機構80はドッグクラッチ方式を使用しているが、スプラインクラッチ方式を使用することも可能であり、これ以外の他の方式でも構わない。また、第2切換装置26の同期機構78は円錐摩擦クラッチ方式使用しているが、これ以外の他の方式でも構わない。
【0055】
また、図5に示すシフトロッド130は、ラックに係合するピニオン132がサーボモータに駆動されて作動するが、シフトロッド130を駆動するアクチュエータは、どのような方式でも可能であり、サーボモータ以外の方式でも構わない。
【0056】
図5においては、4輪駆動モード時の第2切換装置26を接続した状態を示し、噛み合いクラッチ機構80は噛み合った状態であり、後輪差動装置22と右後輪駆動軸76とを連結する位置にある。この状態で、リングギア70と係合するドライブピニオン68からの駆動力は左後輪駆動軸74、右後輪駆動軸76を介して左後輪84、右後輪86に伝達可能となる。
【0057】
2輪駆動モード時には、シフトフォーク128及びシフトロッド130が右方に移動して噛み合いクラッチ機構80の噛み合いが外れ(想像線で図示)、第2切換装置26は切断状態になる。
【0058】
次に、第1実施形態における、2輪駆動モードから4輪駆動モード及び4輪駆動モードから2輪駆動モードへの切換え制御について図1、2、5を参照して説明する。
【0059】
2輪駆動モードから4輪駆動モードへの切換え時には、まずECU30の制御信号E2によって第2アクチュエータ82を作動し、第2切換装置26の同期、すなわち、回転方向の異なる後輪作動装置22側と右後輪駆動軸76側の同期を開始する。
【0060】
その後、ECU30の制御信号E1によって第1アクチュエータ56を作動して、第1切換装置24の駆動力断接装置54を接続可能状態にし、デフケース軸50とリングギア軸52とのスプラインの位相が一致した時に第1切換装置24が接続され、4輪駆動モードとなる。
【0061】
4輪駆動モードから2輪駆動モードへの切換え時には、まずECU30の制御信号E2によって第2アクチュエータ82を作動して第2切換装置26を切断する。また、ECU30の制御信号E1によって第1アクチュエータ56を作動して、第1切換装置24の駆動力断接装置54を強制的に切断し、デフケース軸50とサイドギア軸52との接続が解除されることで、2輪駆動モードとなる。
【0062】
次に、この駆動モードの切換え時の、第1切換装置24における駆動力断接装置54の断接動作について、図6−11を参照して説明する。
【0063】
図6は、図3の駆動力断接装置54の2輪駆動モード時の状態(第1切換装置24の切断状態)を示す説明図であり、図6(A)は、第1カム部材102と第2カム部材104の一部を平面に展開して係合状態を示し、図6(B)は、駆動力断接装置54の断面図で、図6(A)のD−D断面方向を示している。
【0064】
図6(A)において、第1カム部材102は、凸部102aの頂面102b、斜面102c及び底面102dでカム面を構成し、第2カム部材104は、凸部104aの頂面104bが第1カム部材102の頂面102bに当接している。
【0065】
図6(B)において、第2カム部材104は、コイルスプリング106によって第1カム部材102の方向に付勢されている。また、ブレーキ機構108及びチェック機構116は非作動状態である。
【0066】
2輪駆動モードにおいて、中間軸100は、前輪差動装置20のデフケース40と共に回転しているが、リングギア軸52は、第2切換装置26が切断され後輪84、86からの駆動力が伝達されないため停止し、リングギア軸52にスプライン結合している第2カム部材104も停止している。
【0067】
第1カム部材102は、コイルスプリング106による頂面102bと第2カム部材104の頂面104bとの摩擦力が、中間軸100との摺動面の摩擦力よりも大きくなるように構成されているため、2輪駆動モードで中間軸100が回転していても、第2カム部材104と共に停止状態を維持する。
【0068】
2輪駆動モードから4輪駆動モードへ切換える時には、まず第2切換装置26の同期が開始されることで、リングギア軸52とリングギア軸52にスプライン結合している第2カム部材104が回転を始め、また、第1カム部材102も、コイルスプリング106による頂点面102bと頂面104bとの摩擦力によって第2カム部材104に連れ回りする。
【0069】
その後、第1アクチュエータ56によってブレーキ機構108を作動して第1カム部材102を制動すると、第1カム部材102と第2カム部材104とは相対回転を始める。
【0070】
図7は、図3の駆動力断接装置54の2輪駆動モードから4輪駆動モードへの切換え時の状態を示す説明図であり、図6と同様に、図7(A)は、第1カム部材102と第2カム部材104の一部を平面に展開して係合状態を示し、図7(B)は、駆動力断接装置54の断面図で、図7(A)のD−D断面方向を示している。
【0071】
図7(A)(B)に示すように、第2カム部材104は、第2切換装置26の接続によって、回転速度V1で回転しているが、第1カム部材102は、第1アクチュエータ56がピストン114をF方向に押圧することで作動したブレーキ機構108によって制動され、回転速度V1から回転速度V2に減速する。
【0072】
第1カム部材102と第2カム部材104が相対回転することで、頂面102bと頂面104bとの係合が外れ、第2カム部材104は、コイルスプリング106の付勢によって頂面104bが第1カム部材102の底面102dに当接する方向に移動可能となる。
【0073】
この状態で、中間軸100のスプライン100sと第2カム部材104の内周側スプライン104sとの位相が一致している場合、第2カム部材104は、頂面104bが底面102aに当接するまで移動し、第2カム部材104の内周側スプライン104sは、中間軸100のスプライン100sと結合する。
【0074】
また、スプライン100sと内周側スプライン104sとの位相が合っていない場合、第2カム部材104は、内周側スプライン104sの端部がスプライン100sの端部に当接した位置で、第1カム部材102と第2カム部材104の相対回転によって位相が一致するまで待ち状態となる。
【0075】
図7は、この待ち状態を示しており、図7(B)において、第2カム部材104は、内周側スプライン104sの端部がスプライン100sの端部に当接した位置で、第1カム部材102方向への移動が停止し、図7(A)においては、第2カム部材104の凸部104aは第1カム部材102に接触していない。
【0076】
図8は、図3の駆動力断接装置54の2輪駆動モードから4輪駆動モードへの切換え時の状態を示す説明図であり、図7と同様に、図8(A)は、第1カム部材102と第2カム部材104の一部を平面に展開して係合状態を示し、図8(B)は、駆動力断接装置54の断面図で、図8(A)のD−D断面方向を示している。
【0077】
図7に示す状態から、第1カム部材102と第2カム部材104とが更に相対回転し、中間軸100のスプライン100sと第2カム部材104の内周側スプライン104sとの位相が合うと、第2カム部材104は、第1カム部材102に近づくE方向に移動可能となる。
【0078】
図8(A)(B)においては、第2カム部材104は、頂面104bが、第1カム部材102の底面102dに達する途中の状態であり、頂面104bの端部が斜面102cに当接し、第2カム部材104の内周側スプライン104sは、中間軸100のスプライン100sと結合を開始している。
【0079】
この状態で、中間軸100から第2カム部材104を介してリングギア軸52に駆動力が伝達され、第2カム部材104は、中間軸100と同じ回転速度V3(≒V1)で回転し、4輪駆動モードに移行する。
【0080】
その後、第2カム部材104の頂面104bが、第1カム部材102の底面102dに当接するまでに、第1アクチュエータ56がピストン114をR方向に退避させることで、ブレーキ機構108による第1カム部材102の制動を解除する。
【0081】
図9は、図3の駆動力断接装置54の4輪駆動モード時の状態(第1切換装置24の接続状態)を示す説明図であり、図8と同様に、図9(A)は、第1カム部材102と第2カム部材104の一部を平面に展開して係合状態を示し、図9(B)は、駆動力断接装置54の断面図で、図9(A)のD−D断面方向を示している。
【0082】
図9(A)(B)に示すように、第2カム部材104の頂面104bが、第1カム部材102の底面102dに当接した時点で、第2カム部材104の内周側スプライン104sは、中間軸100のスプライン100sと完全に結合し、駆動力断接装置54は接続を完了する。
【0083】
第1カム部材102は、コイルスプリング106の付勢による底面102dと第2カム部材104の頂面104bとの摩擦力が、中間軸100との摺動面の摩擦力よりも大きくなるように構成されているため、4輪駆動モードでは、常に第2カム部材104及び中間軸100と同じ回転速度V3で回転する。
【0084】
第2カム部材104は、2輪駆動状態で中間軸100とリングギア軸52間にトルクが作用していない場合、コイルスプリング106の付勢によって結合状態を保持し、4輪駆動状態で中間軸100とリングギア軸52間にトルクが作用している場合には、更に内周側のスプライン104sと外周側のスプライン104tに発生する摩擦力が加わり結合状態を保持する。
【0085】
また、チェック機構116は、第1カム部材102が第2カム部材104と共に回転速度V3で回転することで、図4に示すように、ストッパピン118に作用する遠心力がスプリング120の付勢力を上回り作動状態となっているが、この時点では、第1カム部材102と第2カム部材104との相対回転の範囲を規制するという機能は使用されていない。
【0086】
4輪駆動モードから2輪駆動モードへ切換える時には、まず第2切換装置26を切断し、その後、第1アクチュエータ56によってブレーキ機構108を作動して第1カム部材102を制動すると、第1カム部材102と第2カム部材104とは相対回転、すなわち、第2カム部材104側から見ると第1カム部材102が反対方向に回転を始める。
【0087】
図10は、図3の駆動力断接装置54の4輪駆動モードから2輪駆動モードへの切換え時の状態を示す説明図であり、図9と同様に、図10(A)は、第1カム部材102と第2カム部材104の一部を平面に展開して係合状態を示し、図10(B)は、駆動力断接装置54の断面図で、図10(A)のD−D断面方向を示している。
【0088】
第2カム部材104は、4輪駆動モードから2輪駆動モードへの切換え時に、第2切換装置26が切断されても中間軸100と同じ回転速度V3で回転しているが、図10(A)(B)に示すように、第1アクチュエータ56によってピストン114をF方向に押圧してブレーキ機構108を作動し第1カム部材102を制動すると、第1カム部材102は、回転速度V3から回転速度V4に減速する。
【0089】
第1カム部材102と第2カム部材104とが相対回転することで、第1カム部材102の斜面102cが第2カム部材104の頂面104bの端部を押圧し、第2カム部材104は、内周側スプライン104sと外周側スプライン104tに発生している摩擦力、及びコイルスプリング106の付勢力に抗して、第1カム部材102から離れるG方向に移動する。
【0090】
図11は、図3の駆動力断接装置54の4輪駆動モードから2輪駆動モードへの切換え完了時の状態を示す説明図であり、図10と同様に、図11(A)は、第1カム部材102と第2カム部材104の一部を平面に展開して係合状態を示し、図11(B)は、駆動力断接装置54の断面図で、図11(A)のD−D断面方向を示している。
【0091】
図11(A)に示すように、図10の状態から、第1カム部材102と第2カム部材104とが更に相対回転すると、第2カム部材104の凸部104aが第1カム部材102の凸部102aに乗り上げ、頂面104bが頂面102bに当接する。
【0092】
第1カム部材102と第2カム部材104は、頂面102bと頂面104bが当接した状態で更に相対回転しようとするが、図11(B)に示すように、チェック機構116が作動状態でストッパピン118が突出しているため、第2カム部材104の凸部104aの下部に形成された係止部104cに係合し、第1カム部材102と第2カム部材104との相対回転を規制する。
【0093】
その後、第1アクチュエータ56がピストン114をR方向に退避させることで、ブレーキ機構108による第1カム部材102の制動を解除し、2輪駆動モードとなる。なお、ブレーキ機構108の解除は、第2カム部材104が移動を開始した後、頂面104bが第1カム部材102の頂面102bに係合するまでに行っても構わない。
【0094】
このように、中間軸100に伝達されたエンジン32からの駆動力を利用して第2カム部材104を移動させ、中間軸100とリングギア軸52との連結を、両軸間のトルク伝達がなくなるのを待たずに、強制的に解除することで、ブレーキ機構108を作動させる小さな動力(第1アクチュエータ54)で駆動力を断接でき、2輪駆動モードと4輪駆動モードとを切換えるための駆動力断接装置56を小型化、低コスト化できる。
【0095】
図2−4及び図6−11に示す本実施形態の駆動力断接装置54は、第1カム部材102とブレーキ機構108を駆動力の入力側(デフケース軸50や中間軸100)に配置しているが、出力側(リングギア軸52)に配置するような構成も可能である。
【0096】
図12は、本発明による駆動力断接装置を配置した4輪駆動車用駆動力伝達装置の第2実施形態を示す説明図であり、FF車ベースの4輪駆動車に適用した場合である。本実施形態は、図1に示す第1実施形態に対し、本発明の駆動力断接装置が第1切換装置ではなく第2切換装置に備わり、第1切換装置には同期機構と噛み合いクラッチ機構が備わる以外は実質的に同じ構成であるため、図1と異なる部分のみ説明する。
【0097】
図12において、本実施形態の駆動力伝達装置212は4輪駆動車210に設けられ、前輪駆動部214、駆動力伝達部216、後輪駆動部218を備え、前輪駆動部214には前輪差動装置220、駆動力伝達部216には回転差感応型カップリング228、後輪駆動部218には後輪差動装置222を設けている。また、前輪差動装置220と駆動力伝達部216との間には第1切換装置224、後輪差動装置222と右後輪286との間には第2切換装置226を設けている。
【0098】
本実施形態においては、第1切換装置224として同期機構278を有する噛み合いクラッチ機構280を、第2切換装置226として本発明による駆動力断接装置254を使用しており、各々第1アクチュエータ256、第2アクチュエータ282を作動して、2輪駆動モードとなる切断状態と4輪駆動モードにおける接続状態とを切換えることができる。
【0099】
第1切換装置224は、第1実施形態の第1切換装置24に対して、駆動力断接装置54に代わり、同期機構278と噛み合いクラッチ機構280を設けたこと以外は実質的に同じであり、また、同期機構278と噛み合いクラッチ機構280は、図5に示す構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0100】
また、第2切換装置226は、第1実施形態の第2切換装置26に対して、同期機構78と噛み合いクラッチ機構80に代わり、本発明の駆動力断接装置254を設けたこと以外は実質的に同じであり、また、駆動力断接装置254は、図2−4に示す構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0101】
図13は、本発明による駆動力断接装置を配置した4輪駆動車用駆動力伝達装置の第3実施形態を示す説明図であり、FR車ベースの4輪駆動車に適用した場合である。本実施形態は、図12に示す第2実施形態に対し、4輪駆動車が、FFベースからFRベースに代わった以外は実質的に同じ構成であるため、機能や動作についての詳細な説明は省略する。
【0102】
図13において、本実施形態の駆動力伝達装置312は4輪駆動車310に設けられ、前輪駆動部314、駆動力伝達部316、後輪駆動部318を備え、前輪駆動部314には前輪差動装置320、駆動力伝達部316には回転差感応型カップリング328、後輪駆動部218には後輪差動装置322を設けている。また、後輪駆動部318と駆動力伝達部316との間には第1切換装置324、前輪差動装置314と右前輪348との間には第2切換装置326を設けている。
【0103】
本実施形態においては、図12に示す第2実施形態と同様に、第1切換装置324として同期機構378を有する噛み合いクラッチ機構380を、第2切換装置326として本発明による駆動力断接装置354を使用しており、各々第1アクチュエータ356、第2アクチュエータ382を作動して、2輪駆動モードとなる切断状態と4輪駆動モードにおける接続状態とを切換えることができる。
【0104】
第1切換装置324の同期機構378と噛み合いクラッチ機構380は、図5に示す第1実施形態の構成と同様であり、また、第2切換装置326は、図2−4に示す第1実施形態の構成と同様であるため、何れも詳細な説明は省略する。
【0105】
また、図13に示すようなFRベースの4輪駆動車であっても、図1に示す第1実施形態と同様に、第1切換装置に本発明による駆動力断接装置を使用し、第2切換装置に同期機構と噛み合いクラッチ機構を使用することも可能である。
【0106】
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値等による限定は受けない。
【符号の説明】
【0107】
10、210、310:4輪駆動車
12、212、312:駆動力伝達装置
14、214、314:前輪駆動部
16、216、316:駆動力伝達部
18、218、318:後輪駆動部
20、220、320:前輪差動装置
22、222、322:後輪差動装置
24、224、324:第1切換装置
26、226、326:第2切換装置
28、228、328:回転差感応型カップリング
30:ECU
32:エンジン
34:変速機
36:ドライブギア
38、58、70:リングギア
40、72:デフケース
42:左前輪駆動軸
44:右前輪駆動軸
46:左前輪
48、348:右前輪
50:デフケース軸
52:リングギア軸
54、254、354:駆動力断接装置
56、256、356:第1アクチュエータ
60:出力ピニオン
62:自在継手
64:プロペラシャフト
66:自在継手
68:ドライブピニオン
74:左後輪駆動軸
76:右後輪駆動軸
78、278、378:同期機構
80、280、380:噛み合いクラッチ機構
82、282、382:第2アクチュエータ
84:左後輪
86、286:右後輪
88、122:ハウジング
90、92:テーパーローラベアリング
94:複列アンギュラベアリング
96、98:ボールベアリング
100:中間軸
102:第1カム部材
104:第2カム部材
106:コイルスプリング(付勢部材)
108:ブレーキ機構
110:ドラム
112:摩擦板
114:ピストン
116:チェック機構
118:ストッパピン
120:スプリング
124、126:テーパーローラベアリング
128:シフトフォーク
130:シフトロッド
132:ピニオン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動力を入出力する第1軸と第2軸とを連結及び解放する駆動力断接装置において、
前記第1軸に回転自在に支持された第1カム部材と、
前記第2軸と共に回転し、前記第1軸と係脱可能な第2カム部材と、
前記第2カム部材を前記第1カム部材の方向に押圧する付勢部材と、
前記第1カム部材の回転を制動し、前記第1カム部材と前記第2カム部材とを相対回転させるブレーキ機構と、
前記相対回転の範囲を規制するチェック機構と、
を備えたことを特徴とする駆動力断接装置。
【請求項2】
請求項1記載の駆動力断接装置において、
前記第1カム部材は、前記第2カム部材を前記第2軸方向に変位させるカム面を有し、
前記第2カム部材は、前記相対回転時に、前記カム面に従動して前記第2軸方向に変位することを特徴とする駆動力断接装置。
【請求項3】
請求項1記載の駆動力断接装置において、前記チェック機構は、前記第1カム部材に作用する遠心力によって作動することを特徴とする駆動力断接装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−35530(P2013−35530A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175723(P2011−175723)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(000154347)株式会社ユニバンス (132)
【Fターム(参考)】