説明

駆動回路および光送信装置

【課題】駆動対象の応答特性を柔軟に補償すること。
【解決手段】駆動回路100は、分岐部110と、遅延部121,122と、増幅器131,132と、合成部140と、を備えている。分岐部110は、駆動信号を分岐する。遅延部121,122は、遅延量が可変の可変遅延部を含み、分岐部110によって分岐された各駆動信号をそれぞれ遅延させる。増幅器131,132は、各駆動信号のうちの一部の駆動信号を反転させる。合成部140は、遅延部121,122および増幅器131,132の後段に設けられ各駆動信号を合成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動回路および光送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、たとえばハイエンドサーバでのCPU(Central Processing Unit)の飛躍的な性能向上に伴い、ラック間、ボード間、ボード内においてデータ伝送速度が増大している。このような状況において、従来の電気配線の高速化は限界に近づいており、より高速なデータ伝送が可能な光インターコネクト技術が検討されている。
【0003】
高速な光インターコネクトを実現するには、たとえば発光素子を高速駆動する技術を用いる。発光素子を高速駆動すると、発光素子の緩和振動や帯域制限により波形劣化が生じ、伝送品質が劣化する。これに対して、発光素子の駆動信号の立ち上り部分と立ち下り部分をあらかじめ補正(強調または抑制)するプリエンファシスが知られている。たとえば、駆動信号を分岐し、分岐した各駆動信号に遅延差を与えて合成(加算または減算)する駆動回路が知られている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−88693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術では、駆動信号を柔軟に整形できないため、駆動対象のさまざまな応答特性を柔軟に補償することができないという問題がある。たとえば、分岐した各駆動信号を増幅する各増幅器の反転、非反転の組合せを変えることによって駆動信号の波形を変える方法が考えられるが、高速動作する電子回路では、増幅器の反転、非反転を調整時や運用中に切り替えることは困難である。このため、たとえば製造時に反転増幅器および非反転増幅器を駆動対象ごとに選択して実装することになり、製造コストが増大するという問題がある。
【0006】
開示の駆動回路および光送信装置は、上述した問題点を解消するものであり、駆動対象の応答特性を柔軟に補償することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、開示技術は、駆動信号を分岐する分岐部と、遅延量が可変の可変遅延部を含み、前記分岐部によって分岐された各駆動信号をそれぞれ遅延させるように並列に設けられた複数の遅延部と、前記各駆動信号のうちの一部の駆動信号を反転させる反転部と、前記遅延部および前記反転部の後段に設けられ前記各駆動信号を合成する合成部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
開示の駆動回路および光送信装置によれば、駆動対象の応答特性を柔軟に補償することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態にかかる駆動回路の構成例1を示す図である。
【図2】駆動回路の構成例1にかかる駆動信号の整形例1を示す図である。
【図3】駆動回路の構成例1にかかる駆動信号の整形例2を示す図である。
【図4】実施の形態にかかる駆動回路の構成例2を示す図である。
【図5】駆動回路の構成例2にかかる駆動信号の整形例1を示す図である。
【図6】駆動回路の構成例2にかかる駆動信号の整形例2を示す図である。
【図7】実施の形態にかかる光送信装置の構成例を示す図である。
【図8−1】発光素子の特性例1を示す図である。
【図8−2】発光素子の特性例1に対する駆動信号の整形例を示す図である。
【図9−1】発光素子の特性例2を示す図である。
【図9−2】発光素子の特性例2に対する駆動信号の整形例を示す図である。
【図10】可変遅延回路の構成例1を示す図である。
【図11−1】可変遅延回路の構成例1を用いたシミュレーションの一例を示す図(その1)である。
【図11−2】可変遅延回路の構成例1を用いたシミュレーションの一例を示す図(その2)である。
【図12】可変遅延回路の構成例2を示す図である。
【図13−1】可変遅延回路の構成例2を用いたシミュレーションの一例を示す図(その1)である。
【図13−2】可変遅延回路の構成例2を用いたシミュレーションの一例を示す図(その2)である。
【図14】構成例2にかかる可変遅延回路の変形例を示す図である。
【図15】駆動回路の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、開示技術の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態)
(駆動回路の構成例)
図1は、実施の形態にかかる駆動回路の構成例1を示す図である。図1に示す駆動回路100は、たとえば発光素子(たとえば図7参照)を駆動対象とする駆動信号を整形する。具体的には、駆動回路100は、分岐部110と、遅延部121,122と、増幅器131,132と、合成部140と、を備えている。
【0012】
分岐部110には、駆動対象を駆動するための駆動信号が入力される。駆動信号は、シングルエンド信号であってもよいし、正相信号および逆相信号を含む差動信号であってもよい。分岐部110は、入力された駆動信号を分岐し、分岐した各駆動信号をそれぞれ遅延部121および遅延部122へ出力する。
【0013】
遅延部121は、分岐部110から出力された駆動信号を固定の遅延量τ0(τ0>0)だけ遅延させ、遅延させた駆動信号を増幅器131へ出力する。遅延部122は、分岐部110から出力された駆動信号を遅延量τ1(τ1>0かつτ1≠τ0)だけ遅延させ、遅延させた駆動信号を増幅器132へ出力する。
【0014】
また、遅延部122は、遅延量τ1が可変の可変遅延部である。遅延量τ1の可変幅は、最小値が遅延量τ0より小さく、最大値が遅延量τ0より大きくなるように設計する。これにより、遅延量τ1の調整により、分岐された各駆動信号の遅延量の大小関係を変化させ、各駆動信号の順序を入れ替えることができる。
【0015】
増幅器131は、遅延部121から出力された駆動信号を非反転増幅する非反転増幅器(+)である。増幅器131は、非反転増幅した駆動信号を合成部140へ出力する。増幅器132は、駆動信号を反転させる反転部である。具体的には、増幅器132は、遅延部122から出力された駆動信号を反転増幅する反転増幅器(−)である。増幅器132は、反転増幅した駆動信号を合成部140へ出力する。
【0016】
合成部140は、増幅器131から出力された駆動信号と、増幅器132から出力された駆動信号と、を合成する。たとえば、合成部140は、各駆動信号を加算または減算することによって合成する。以下においては、合成部140は、各駆動信号を加算することによって合成する場合について説明する。合成部140は、合成した駆動信号を出力する。これにより、駆動回路100は、入力された駆動信号を整形して出力することができる。駆動回路100から出力された駆動信号は、たとえば発光素子へ入力される。
【0017】
以上の構成により、合成部140には、反転した駆動信号と反転していない駆動信号とが入力される。また、合成部140へ入力される各駆動信号の順序は、遅延部122の遅延量τ1を調整することによって変化させることができる。各駆動信号の順序とは、たとえば、各駆動信号のうちのいずれの遅延量がより大きいかを意味する。これにより、合成部140から出力される駆動信号を柔軟に整形することができる。
【0018】
なお、駆動回路100について、遅延部121の後段に増幅器131を設ける構成について説明したが、遅延部121の前段に増幅器131を設ける構成にしてもよい。同様に、遅延部122の後段に増幅器132を設ける構成について説明したが、遅延部122の前段に増幅器132を設ける構成にしてもよい。
【0019】
また、駆動回路100について、遅延部121を固定遅延部とし、遅延部122を可変遅延部とする構成について説明したが、遅延部121,122をともに可変遅延部とする構成としてもよい。このように、複数の遅延部(遅延部121,122)のうちの少なくともいずれかの遅延量を可変とすればよい。
【0020】
また、駆動回路100について、増幅器131を非反転増幅器とし、増幅器132を反転増幅器とする構成について説明したが、増幅器131を反転増幅器とし、増幅器132を非反転増幅器とする構成としてもよい。この場合は、増幅器131によって増幅された駆動信号が反転となり、増幅器132によって増幅された駆動信号が非反転となる。このように、分岐された各駆動信号のうちの一部の駆動信号を反転させる構成とすればよい。
【0021】
図2は、駆動回路の構成例1にかかる駆動信号の整形例1を示す図である。図2において、横軸は時間を示している。図2に示す駆動信号210,220,230は、図1に示した駆動回路100の各部における駆動信号を波形で示している。駆動信号210は、増幅器131から合成部140へ出力される駆動信号(非反転)である。駆動信号220は、増幅器132から合成部140へ出力される駆動信号(反転)である。駆動信号230は、合成部140から出力される駆動信号である。
【0022】
タイミングt1は、駆動回路100へ入力された駆動信号の立ち上がり部分のタイミングの一つを示している。駆動信号210には、遅延部121によって遅延量τ0が与えられている。また、駆動信号210は、増幅器131によって非反転増幅されている。駆動信号220は、遅延部122によって遅延量τ1が与えられている。また、駆動信号220は、増幅器132によって反転増幅されている。また、駆動信号220は、増幅器132によって、駆動信号210よりも小さな増幅量が与えられている。
【0023】
図2に示す例では、遅延部122の遅延量τ1が、遅延部121の遅延量τ0より大きくなるように調整されている。これにより、駆動信号220は、駆動信号210より遅延して合成部140へ入力される。このため、駆動信号210、駆動信号220の順に合成部140へ入力されることで、合成部140から出力される駆動信号230は、立ち上がり部分231および立ち下がり部分232が強調された波形になる。
【0024】
図3は、駆動回路の構成例1にかかる駆動信号の整形例2を示す図である。図3において、図2に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図3に示す例では、遅延部122の遅延量τ1が、遅延部121の遅延量τ0より小さくなるように調整されている。これにより、駆動信号210は、駆動信号220より遅延して合成部140へ入力される。このため、駆動信号220、駆動信号210の順に合成部140へ入力されることで、合成部140から出力される駆動信号230は、立ち上がり部分231および立ち下がり部分232が抑制された波形になる。
【0025】
図2,図3に示したように、遅延部122の遅延量τ1を調整して遅延量τ0と遅延量τ1との大小関係を入れ替えることで、合成部140へ入力される駆動信号210(非反転)および駆動信号220(反転)の順序を入れ替えることができる。これにより、合成部140から出力される駆動信号230を、立ち上がり部分231および立ち下がり部分232が強調された波形や抑制された波形となるように柔軟に整形することができる。
【0026】
図4は、実施の形態にかかる駆動回路の構成例2を示す図である。図4において、図1に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図4に示すように、駆動回路100は、図1に示した駆動回路100の構成に加えて、遅延部421と、増幅器431と、を備えていてもよい。図4に示す分岐部110は、駆動信号を3分岐し、分岐した各駆動信号をそれぞれ遅延部121,122,421へ出力する。
【0027】
遅延部421は、分岐部110から出力された駆動信号を遅延量τ2(τ2>0かつτ≠τ2≠τ0)だけ遅延させ、遅延させた駆動信号を増幅器431へ出力する。また、遅延部421は、遅延量τ2が可変の可変遅延部である。増幅器431は、遅延部421から出力された駆動信号を非反転増幅する非反転増幅器(+)である。増幅器431は、非反転増幅した駆動信号を合成部140へ出力する。合成部140は、増幅器131、増幅器132および増幅器431から出力された各駆動信号を合成する。
【0028】
なお、駆動回路100について、遅延部421の後段に増幅器431を設ける構成について説明したが、遅延部421の前段に増幅器431を設ける構成にしてもよい。また、駆動回路100について、遅延部421を可変遅延部とする構成について説明したが、遅延部421を固定遅延部とする構成としてもよい。このように、複数の遅延部(遅延部121,122,421)のうちの少なくともいずれかの遅延量を可変とすればよい。
【0029】
また、駆動回路100について、増幅器431を非反転増幅とする構成について説明したが、増幅器431を反転増幅とする構成としてもよい。この場合は、増幅器431によって増幅された駆動信号が反転となる。このように、分岐された各駆動信号のうちの一部の駆動信号を反転させる構成とすればよい。
【0030】
図5は、駆動回路の構成例2にかかる駆動信号の整形例1を示す図である。図5において、図2に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図5に示す駆動信号210,220,230,510は、図4に示した駆動回路100の各部における駆動信号を波形で示している。図5に示す駆動信号510は、増幅器431から合成部140へ出力される駆動信号である。
【0031】
図5に示す例では、遅延部122の遅延量τ1が遅延部121の遅延量τ0より大きく、かつ遅延部421の遅延量τ2が遅延部122の遅延量τ1より大きくなるように(τ0<τ1<τ2)調整されている。これにより、駆動信号210、駆動信号220、駆動信号510、の順に合成部140へ入力される。このため、合成部140から出力される駆動信号230は、立ち上がり部分231および立ち下がり部分232が、強調された後に抑制された波形になる。
【0032】
図6は、駆動回路の構成例2にかかる駆動信号の整形例2を示す図である。図6において、図5に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図6に示す例では、遅延部122の遅延量τ1が遅延部121の遅延量τ0より大きく、かつ遅延部421の遅延量τ2が遅延部121の遅延量τ0より小さくなるように(τ2<τ0<τ1)調整されている。これにより、駆動信号510、駆動信号210、駆動信号220、の順に合成部140へ入力される。このため、合成部140から出力される駆動信号230は、立ち上がり部分231および立ち下がり部分232が、抑制された後に強調された波形になる。
【0033】
また、駆動回路100は、分岐部110によって駆動信号を4つ以上に分岐し、分岐した各駆動信号に遅延差を与えて合成する構成としてもよい。この場合も、駆動回路100は、複数の遅延部のうちの少なくともいずれかの遅延量が可変の構成とする。また、駆動回路100は、分岐された各駆動信号のうちの一部の駆動信号を反転させる構成とする。
【0034】
(光送信装置の構成例)
図7は、実施の形態にかかる光送信装置の構成例を示す図である。図7に示す光送信装置700は、入力された駆動信号に基づく光信号を送信する。具体的には、光送信装置700は、たとえば図1または図4に示した駆動回路100と、発光素子710と、を備えている。光送信装置700は、発光素子710へ駆動信号を入力することで発光素子710を直接変調し、光信号を出力する。
【0035】
具体的には、駆動回路100は、光送信装置700へ入力された駆動信号を整形し、整形した駆動信号を発光素子710へ出力する。発光素子710は、たとえばVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:直共振器面発光レーザ)などのLDである。発光素子710は、一端が駆動回路100に接続され、他端が接地されている。発光素子710は、駆動回路100から出力された駆動信号に基づく光信号を出力する。これにより、光送信装置700は、入力された駆動信号に基づく光信号を送信することができる。
【0036】
図8−1は、発光素子の特性例1を示す図である。図8−1において、横軸は時間[ps]を示し、縦軸は光の電力を示している。図8−1に示す光信号810は、図7に示した発光素子710に矩形波の駆動信号(プリエンファシスなし)が入力されたと仮定した場合に発光素子710から出力される光信号を波形で示している。図8−1に示す例では、発光素子710の帯域制限により、光信号810の立ち上がり部分811および立ち下がり部分812がなまっている。
【0037】
図8−2は、発光素子の特性例1に対する駆動信号の整形例を示す図である。図8−2において、横軸は時間[ps]を示し、縦軸は電流を示している。発光素子710の特性が図8−1に示した特性である場合は、たとえば、駆動回路100を図4に示した構成とし、駆動信号を図8−2に示す駆動信号820のように整形する。駆動信号820は、たとえば図5に示した駆動信号230と同様に、立ち上がり部分および立ち下がり部分が、強調された後に抑制されている。
【0038】
強調部分821は、駆動信号820の立ち上がり部分における強調された部分を示している。抑制部分822は、駆動信号820の立ち上がり部分における抑制された部分を示している。駆動信号820の強調部分821によって、光信号810の立ち上がり部分811のなまりを補償して、発光素子710から出力される光信号の品質を向上させることができる。また、駆動信号820の抑制部分822によって、強調部分821に起因した光信号の突出を抑制し、光信号の品質をさらに向上させることができる。
【0039】
強調部分823は、駆動信号820の立ち下がり部分における強調された部分を示している。抑制部分824は、駆動信号820の立ち下がり部分における抑制された部分を示している。駆動信号820の強調部分823によって、光信号810の立ち下がり部分812のなまりを補償して、発光素子710から出力される光信号の品質を向上させることができる。また、駆動信号820の抑制部分824によって、強調部分823に起因した光信号の突出を抑制し、光信号の品質をさらに向上させることができる。
【0040】
図9−1は、発光素子の特性例2を示す図である。図9−1において、図8−1に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図9−1に示す例では、発光素子710の緩和振動などの特性により、光信号810の立ち上がり部分811および立ち下がり部分812が突出している。
【0041】
図9−2は、発光素子の特性例2に対する駆動信号の整形例を示す図である。図9−2において、図8−2に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。発光素子710の特性が図9−1に示した特性である場合は、たとえば、駆動回路100を図4に示した構成とし、駆動信号を図9−2に示す駆動信号920のように整形する。駆動信号920は、たとえば図6に示した駆動信号230と同様に、立ち上がり部分および立ち下がり部分が、抑制された後に強調されている。
【0042】
抑制部分921は、駆動信号920の立ち上がり部分における抑制された部分を示している。強調部分922は、駆動信号920の立ち上がり部分における強調された部分を示している。駆動信号920の抑制部分921によって、光信号810の立ち上がり部分811の突出を補償して、発光素子710から出力される光信号の品質を向上させることができる。また、駆動信号920の強調部分922によって、抑制部分921に起因した光信号のなまりを抑制し、光信号の品質をさらに向上させることができる。
【0043】
抑制部分923は、駆動信号920の立ち下がり部分における抑制された部分を示している。強調部分924は、駆動信号920の立ち下がり部分における強調された部分を示している。駆動信号920の抑制部分923によって、光信号810の立ち下がり部分812の突出を補償して、発光素子710から出力される光信号の品質を向上させることができる。また、駆動信号920の強調部分924によって、抑制部分923に起因した光信号のなまりを抑制し、光信号の品質をさらに向上させることができる。
【0044】
(可変遅延回路の構成例)
図10は、可変遅延回路の構成例1を示す図である。図10に示す可変遅延回路1000は、たとえば図1,図4に示した遅延部122,421に適用することができる。ここでは駆動信号が差動信号であるとする。
【0045】
可変遅延回路1000は、入力端子1011,1012と、固定遅延部1021〜1023と、差動増幅回路1030,1040と、バッファ1050と、出力端子1061,1062と、を備えている。入力端子1011には駆動信号の正相信号が入力される。入力端子1012には駆動信号の逆相信号が入力される。
【0046】
固定遅延部1021は、入力端子1011,1012から入力された駆動信号を固定の遅延量だけ遅延させ、遅延させた駆動信号を差動増幅回路1030へ出力する。固定遅延部1022は、入力端子1011,1012から入力された駆動信号を固定の遅延量だけ遅延させ、遅延させた駆動信号を固定遅延部1023へ出力する。固定遅延部1023は、固定遅延部1022から出力された駆動信号を固定の遅延量だけ遅延させ、遅延させた駆動信号を差動増幅回路1040へ出力する。
【0047】
差動増幅回路1030は、LTP(Long−Tailed Pair)型の差動増幅回路である。具体的には、差動増幅回路1030は、トランジスタ1031,1032と、抵抗1033,1034と、電流源1035と、を備えている。トランジスタ1031,1032のそれぞれは、たとえばFETである。
【0048】
トランジスタ1031のゲートには、固定遅延部1021から出力された駆動信号の正相信号が印加される。トランジスタ1031のドレインは抵抗1033に接続されている。トランジスタ1031のソースは電流源1035に接続されている。トランジスタ1032のゲートには、固定遅延部1021から出力された駆動信号の逆相信号が印加される。トランジスタ1032のドレインは抵抗1034に接続されている。トランジスタ1032のソースは電流源1035に接続されている。
【0049】
抵抗1033の一端はトランジスタ1031のドレインに接続され、他端は電源(不図示)に接続されている。トランジスタ1031と抵抗1033との間の部分は、差動増幅回路1030から正相信号が出力される出力部1036となる。抵抗1034の一端はトランジスタ1032のドレインに接続され、他端は電源(不図示)に接続されている。トランジスタ1032と抵抗1034との間の部分は、差動増幅回路1030から逆相信号が出力される出力部1037となる。電流源1035は、一端がトランジスタ1031およびトランジスタ1032に接続され、他端が接地されている。
【0050】
差動増幅回路1040は、LTP型の差動増幅回路である。具体的には、差動増幅回路1040は、トランジスタ1041,1042と、電流源1043と、を備えている。トランジスタ1041,1042のそれぞれは、たとえばFETである。
【0051】
トランジスタ1041のゲートには、固定遅延部1023から出力された駆動信号の正相信号が印加される。トランジスタ1041のドレインは出力部1036に接続されている。トランジスタ1041のソースは電流源1043に接続されている。トランジスタ1042のゲートには、固定遅延部1023から出力された駆動信号の逆相信号が印加される。トランジスタ1042のドレインは出力部1037に接続されている。トランジスタ1042のソースは電流源1043に接続されている。
【0052】
トランジスタ1041と出力部1036との間の部分は、差動増幅回路1030および差動増幅回路1040から出力された各正相信号が合成されてバッファ1050へ出力される出力部1044となる。トランジスタ1042と出力部1037との間の部分は、差動増幅回路1030および差動増幅回路1040から出力された各逆相信号が合成されてバッファ1050へ出力される出力部1045となる。電流源1043は、一端がトランジスタ1041およびトランジスタ1042に接続され、他端が接地されている。
【0053】
出力部1044は、バッファ1050を介して出力端子1061に接続されている。出力端子1061は、正相信号を出力する。出力部1045は、バッファ1050を介して出力端子1062に接続されている。出力端子1062は、逆相信号を出力する。これにより、出力端子1061,1062によって正相信号および逆相信号を含む駆動信号を出力することができる。
【0054】
以上の構成により、入力端子1011,1012から入力された駆動信号を分岐し、分岐した各駆動信号に遅延差を与えて合成し、出力端子1061,1062から出力することができる。そして、電流源1035,1043の各電流値の比率を調整することで、各駆動信号の合成比率を変化させることができる。これにより、出力端子1061,1062から出力される駆動信号の遅延量を変化させることができる。なお、駆動信号がシングルエンド信号である場合であっても、可変遅延回路1000を片側駆動することによって駆動信号を可変の遅延量だけ遅延させることができる。
【0055】
図11−1および図11−2は、可変遅延回路の構成例1を用いたシミュレーションの一例を示す図である。図11−1に示すように、図10に示した可変遅延回路1000を2段と、バッファ1111と、を備えた可変遅延部1110によって遅延させた信号のシミュレーション結果を図11−2のアイパターン1120に示す。
【0056】
図12は、可変遅延回路の構成例2を示す図である。図12に示す可変遅延回路1200は、たとえば図1,図4に示した遅延部122,421に適用することができる。ここでは、駆動信号が差動信号であるとする。可変遅延回路1200は、入力端子1211,1212と、差動増幅回路1220,1230と、バッファ1240と、出力端子1251,1252と、を備えている。入力端子1211には、駆動信号の正相信号が入力される。入力端子1212には、駆動信号の逆相信号が入力される。
【0057】
差動増幅回路1220は、駆動信号を可変増幅する第一増幅回路である。具体的には、差動増幅回路1220は、LTP型の差動増幅回路である。差動増幅回路1220は、トランジスタ1221,1222と、抵抗1223,1224と、電流源1225と、を備えている。トランジスタ1221,1222のそれぞれはたとえばFETである。
【0058】
トランジスタ1221のゲートは入力端子1211に接続されている。トランジスタ1221のドレインは抵抗1223に接続されている。トランジスタ1221のソースは電流源1225に接続されている。トランジスタ1222のゲートは入力端子1212に接続されている。トランジスタ1222のドレインは抵抗1224に接続されている。トランジスタ1222のソースは電流源1225に接続されている。
【0059】
抵抗1223の一端はトランジスタ1221のドレインに接続され、他端は電源(不図示)に接続されている。トランジスタ1221と抵抗1223との間の部分は、差動増幅回路1220から正相信号が出力される出力部1226となる。抵抗1224の一端はトランジスタ1222のドレインに接続され、他端は電源(不図示)に接続されている。トランジスタ1222と抵抗1224との間の部分は、差動増幅回路1220から逆相信号が出力される出力部1227となる。電流源1225は、一端がトランジスタ1221およびトランジスタ1222に接続され、他端が接地されている。
【0060】
差動増幅回路1230は、差動増幅回路1220から出力された駆動信号を可変増幅して差動増幅回路1220へフィードバックする第二増幅回路である。具体的には、差動増幅回路1230は、差動増幅回路1220の構成の一部(たとえば抵抗1223,1224や電源)を利用したLTP型の差動増幅回路である。差動増幅回路1230は、トランジスタ1231,1232と、電流源1233と、を備えている。トランジスタ1231,1232のそれぞれはたとえばFETである。
【0061】
トランジスタ1231のドレインは出力部1226に接続されている。トランジスタ1231と出力部1226との間の部分は、差動増幅回路1220,1230から出力された各正相信号がバッファ1240へ出力される出力部1234となる。トランジスタ1232のドレインは出力部1227に接続されている。トランジスタ1232と出力部1227との間の部分は、差動増幅回路1220,1230から出力された各逆相信号がバッファ1240へ出力される出力部1235となる。
【0062】
トランジスタ1231のゲートは出力部1235に接続されている。トランジスタ1231のソースは電流源1233に接続されている。トランジスタ1232のゲートは出力部1234に接続されている。トランジスタ1232のソースは電流源1233に接続されている。これにより、差動増幅回路1230の出力部1234から出力される正相信号は、トランジスタ1221にフィードバックされる。また、差動増幅回路1230の出力部1235から出力される逆相信号は、トランジスタ1222にフィードバックされる。
【0063】
出力部1234は、バッファ1240を介して出力端子1251に接続されている。出力端子1251は、正相信号を出力する。出力部1235は、バッファ1240を介して出力端子1252に接続されている。出力端子1252は、逆相信号を出力する。これにより、出力端子1251,1252によって正相信号および逆相信号を含む駆動信号を出力することができる。
【0064】
このように、差動増幅回路1230は、差動増幅回路1220から出力された駆動信号を可変増幅し、正相信号と逆相信号とを入れ替えて差動増幅回路1220へフィードバックする。これにより、差動増幅回路1220と差動増幅回路1230との間で駆動信号をループさせ、遅延量が連続的に変化する各駆動信号を重ね合わせて出力端子1251,1252から出力することができる。このため、可変遅延回路1200へ入力された駆動信号を遅延させて出力することができる。
【0065】
また、電流源1225,1233の各電流値を調整することで、差動増幅回路1220によって遅延した駆動信号と、差動増幅回路1230によってフィードバックされる駆動信号と、の比率が変化する。これにより、出力端子1251,1252から出力される駆動信号の遅延量を変化させることができる。なお、駆動信号がシングルエンド信号である場合であっても、可変遅延回路1200を片側駆動することによって駆動信号を可変の遅延量だけ遅延させることができる。
【0066】
図13−1および図13−2は、可変遅延回路の構成例2を用いたシミュレーションの一例を示す図である。図13−1に示すように、図12に示した可変遅延回路1200を4段と、バッファ1311と、を備えた可変遅延部1310によって遅延させた信号のシミュレーション結果を図13−2のアイパターン1320に示す。なお、ここでは、図11−1に示した可変遅延部1110と同等の遅延量を信号に与えるように、可変遅延部1310において可変遅延回路1200を4段設ける構成としている。
【0067】
図13−2のアイパターン1320に示すように、図12に示した可変遅延回路1200によれば、図10に示した可変遅延回路1000に比べて、遅延させた信号のジッタを抑えることができる。したがって、図12に示した可変遅延回路1200によれば、図10に示した可変遅延回路1000に比べて、段数を増やしても信号の劣化を抑えることができるため、遅延量の可変幅が大きな可変遅延部を実現することができる。
【0068】
たとえば、図1,図4に示した遅延部122,421を、複数段の可変遅延回路1200によって実現することで、並列に接続された遅延部122,421であっても遅延量の可変幅を大きくすることができる。これにより、駆動信号をより柔軟に整形し、駆動対象の応答特性を補償することが可能になる。
【0069】
また、図12に示した可変遅延回路1200は、図10に示した可変遅延回路1000のように、固定遅延部1021〜1023を設けなくても実現することができる。このため、図12に示した可変遅延回路1200は、図10に示した可変遅延回路1000に比べて回路規模を縮小することができる。
【0070】
図14は、構成例2にかかる可変遅延回路の変形例を示す図である。図14において、図12に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図14に示す可変遅延回路1200は、図12に示した可変遅延回路1200を、BJT(Bipolar Junction Transistor)により実現した可変遅延回路である。図14に示すように、可変遅延回路1200は、入力端子1211,1212と、差動増幅回路1220,1230と、トランジスタ1431,1432と、電流源1441,1442と、バッファ1240と、出力端子1251,1252と、を備えている。
【0071】
差動増幅回路1220は、図12に示したトランジスタ1221,1222に代えてそれぞれトランジスタ1411,1412を備えている。トランジスタ1411,1412のそれぞれはBJTである。
【0072】
トランジスタ1411のベースは入力端子1211に接続されている。トランジスタ1411のコレクタは抵抗1223に接続されている。トランジスタ1411のエミッタは電流源1225に接続されている。トランジスタ1412のベースは入力端子1212に接続されている。トランジスタ1412のコレクタは抵抗1224に接続されている。トランジスタ1412のエミッタは電流源1225に接続されている。
【0073】
抵抗1223の一端はトランジスタ1411のコレクタに接続され、他端は電源(不図示)に接続されている。トランジスタ1411と抵抗1223との間の部分は、差動増幅回路1220から正相信号が出力される出力部1226となる。抵抗1224の一端はトランジスタ1412のコレクタに接続され、他端は電源(不図示)に接続されている。トランジスタ1412と抵抗1224との間の部分は、差動増幅回路1220から逆相信号が出力される出力部1227となる。電流源1225は、一端がトランジスタ1411およびトランジスタ1412に接続され、他端が接地されている。
【0074】
トランジスタ1431のベースは出力部1226に接続されている。トランジスタ1431のコレクタは電源(不図示)に接続されている。トランジスタ1431のエミッタは、電流源1441およびバッファ1240に接続されている。トランジスタ1432のベースは出力部1227に接続されている。トランジスタ1432のコレクタは電源(不図示)に接続されている。トランジスタ1432のエミッタは、電流源1442およびバッファ1240に接続されている。
【0075】
トランジスタ1431と電流源1441との間の部分は、差動増幅回路1220,1230から出力された各正相信号が合成されてバッファ1240へ出力される出力部1234となる。トランジスタ1432と電流源1442との間の部分は、差動増幅回路1220,1230から出力された各逆相信号が合成されてバッファ1240へ出力される出力部1235となる。
【0076】
差動増幅回路1230は、図12に示したトランジスタ1231,1232に代えてトランジスタ1421,1422を備えている。トランジスタ1421,1422のそれぞれはBJTである。トランジスタ1421のコレクタはトランジスタ1431のベースに接続されている。トランジスタ1421のベースは出力部1234に接続されている。トランジスタ1421のエミッタは電流源1233に接続されている。トランジスタ1422のコレクタはトランジスタ1432のベースに接続されている。トランジスタ1422のベースは出力部1235に接続されている。トランジスタ1422のエミッタは電流源1233に接続されている。
【0077】
このように、差動増幅回路1230の出力部1234から出力される正相信号は、差動増幅回路1230の正相信号の入力としてトランジスタ1421にフィードバックされる。また、差動増幅回路1230の出力部1235から出力される逆相信号は、差動増幅回路1230の逆相信号の入力としてトランジスタ1422にフィードバックされる。
【0078】
以上の構成においても、図12に示した可変遅延回路1200と同様に、遅延させた信号のジッタを抑えることができる。このため、段数を増やしても信号の劣化を抑えることができるため、遅延量の可変幅が大きな可変遅延部を実現することができる。また、図10に示した可変遅延回路1000に比べて回路規模を縮小することができる。
【0079】
(駆動回路の変形例)
図15は、駆動回路の変形例を示す図である。図15において、図1に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図15に示す増幅器132は、遅延部122から出力された駆動信号を非反転増幅する非反転増幅器(+)である。また、図15に示す増幅器132は、図1に示した構成に加えて反転部1510を備えている。反転部1510は、遅延部122から増幅器132へ出力される駆動信号を反転させる。これにより、遅延部122が非反転増幅器であっても、増幅器132から合成部140へ入力される駆動信号を、反転した駆動信号とすることができる。
【0080】
なお、ここでは反転部1510を増幅器132の前段に設ける構成について説明したが、反転部1510を増幅器132の後段に設ける構成としてもよい。また、反転部1510を分岐部110と遅延部122との間に設ける構成としてもよい。また、反転部1510を増幅器131の前段または後段に設ける構成としてもよい。また、反転部1510を分岐部110と遅延部121との間に設ける構成としてもよい。
【0081】
また、図15に示す駆動回路100において、増幅器131および増幅器132をともに反転増幅器(−)とする構成としてもよい。この場合は、反転部1510によって反転した駆動信号が、増幅器132において再度反転し、非反転となる。このため、合成部140に対して、増幅器131からは反転の駆動信号が入力され、増幅器132からは非反転の駆動信号が入力される。
【0082】
このように、分岐された各駆動信号のうちの一部の駆動信号を反転させる反転部1510を設ける。これにより、合成部140へ入力される各駆動信号において、反転および非反転の駆動信号を混在させることができる。このため、各駆動信号の順序を入れ替えることによって駆動信号を柔軟に整形することができる。
【0083】
また、図1および図2に示したように、分岐された各駆動信号のうちの一部の駆動信号を反転させる反転部は、増幅器132などを非反転増幅器とすることによって実現してもよいし、反転部1510を設けることによって実現してもよい。ここでは図1に示した駆動回路100について説明したが、図4に示した駆動回路100についても同様である。
【0084】
(駆動信号の調整)
つぎに、駆動回路100における遅延量の調整について説明する。駆動回路100における遅延量τ0,τ1,τ2などは、駆動回路100の調整者(たとえばユーザ)の操作によって変化するようにする。たとえば、調整者は、発光素子710から出力される光信号を測定する測定器を光送信装置700に接続し、光信号の波形やアイパターンを測定する。そして、調整者は、測定した波形やアイパターンが所望の形状になるように、駆動回路100における遅延量τ0,τ1,τ2や、増幅器131,132,431の利得などを調整する。これにより、光信号の伝送特性を向上させることができる。
【0085】
以上説明したように、駆動回路および光送信装置によれば、駆動対象の応答特性を柔軟に補償することができる。
【0086】
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0087】
(付記1)駆動信号を分岐する分岐部と、
遅延量が可変の可変遅延部を含み、前記分岐部によって分岐された各駆動信号をそれぞれ遅延させるように並列に設けられた複数の遅延部と、
前記各駆動信号のうちの一部の駆動信号を反転させる反転部と、
前記遅延部および前記反転部の後段に設けられ前記各駆動信号を合成する合成部と、
を備えることを特徴とする駆動回路。
【0088】
(付記2)前記反転部は、前記一部の駆動信号を反転増幅する反転増幅器であることを特徴とする付記1に記載の駆動回路。
【0089】
(付記3)前記可変遅延部は、前記駆動信号を可変増幅する第一増幅回路と、前記第一増幅回路から出力された駆動信号を可変増幅して前記第一増幅回路へフィードバックする第二増幅回路と、を備えることを特徴とする付記1または2に記載の駆動回路。
【0090】
(付記4)前記可変遅延部は、前記合成部へ入力される各駆動信号の順序を入れ替え可能な遅延量の可変幅を有することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の駆動回路。
【0091】
(付記5)前記可変遅延部は、調整者による操作によって前記遅延量を変化させることを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の駆動回路。
【0092】
(付記6)前記分岐部は、前記駆動信号を3つ以上に分岐することを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の駆動回路。
【0093】
(付記7)駆動信号を分岐する分岐部と、
遅延量が可変の可変遅延部を含み、前記分岐部によって分岐された各駆動信号をそれぞれ遅延させるように並列に設けられた複数の遅延部と、
前記各駆動信号のうちの一部の駆動信号を反転させる反転部と、
前記遅延部および前記反転部の後段に設けられ前記各駆動信号を合成する合成部と、
前記合成部によって合成された信号に基づく光信号を出力する発光素子と、
を備えることを特徴とする光送信装置。
【符号の説明】
【0094】
110 分岐部
121,122,421 遅延部
131,132,431 増幅器
140 合成部
210,220,230,510,820,920 駆動信号
231,811 立ち上がり部分
232,812 立ち下がり部分
710 発光素子
810 光信号
821,823,922,924 強調部分
822,824,921,923 抑制部分
1000,1200 可変遅延回路
1011,1012,1211,1212 入力端子
1021〜1023 固定遅延部
1030,1040,1220,1230 差動増幅回路
1031,1032,1041,1042,1221,1222,1231,1232,1411,1412,1421,1422,1431,1432 トランジスタ
1033,1034,1223,1224 抵抗
1035,1043,1225,1233,1441,1442 電流源
1036,1037,1044,1045,1226,1227,1234,1235 出力部
1050,1111,1240,1311 バッファ
1061,1062,1251,1252 出力端子
1110,1310 可変遅延部
1120,1320 アイパターン
t1 タイミング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動信号を分岐する分岐部と、
遅延量が可変の可変遅延部を含み、前記分岐部によって分岐された各駆動信号をそれぞれ遅延させるように並列に設けられた複数の遅延部と、
前記各駆動信号のうちの一部の駆動信号を反転させる反転部と、
前記遅延部および前記反転部の後段に設けられ前記各駆動信号を合成する合成部と、
を備えることを特徴とする駆動回路。
【請求項2】
前記反転部は、前記一部の駆動信号を反転増幅する反転増幅器であることを特徴とする請求項1に記載の駆動回路。
【請求項3】
前記可変遅延部は、前記駆動信号を可変増幅する第一増幅回路と、前記第一増幅回路から出力された駆動信号を可変増幅して前記第一増幅回路へフィードバックする第二増幅回路と、を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の駆動回路。
【請求項4】
前記可変遅延部は、前記合成部へ入力される各駆動信号の順序を入れ替え可能な遅延量の可変幅を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の駆動回路。
【請求項5】
前記可変遅延部は、調整者による操作によって前記遅延量を変化させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の駆動回路。
【請求項6】
前記分岐部は、前記駆動信号を3つ以上に分岐することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の駆動回路。
【請求項7】
駆動信号を分岐する分岐部と、
遅延量が可変の可変遅延部を含み、前記分岐部によって分岐された各駆動信号をそれぞれ遅延させるように並列に設けられた複数の遅延部と、
前記各駆動信号のうちの一部の駆動信号を反転させる反転部と、
前記遅延部および前記反転部の後段に設けられ前記各駆動信号を合成する合成部と、
前記合成部によって合成された信号に基づく光信号を出力する発光素子と、
を備えることを特徴とする光送信装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8−1】
image rotate

【図8−2】
image rotate

【図9−1】
image rotate

【図9−2】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11−1】
image rotate

【図11−2】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13−1】
image rotate

【図13−2】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2012−44396(P2012−44396A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−183039(P2010−183039)
【出願日】平成22年8月18日(2010.8.18)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】