説明

駆動回路

【課題】大きな回生電力が発生してもバッテリの劣化を抑制する。
【解決手段】キャパシタCは、抵抗Rを介してバッテリBTと並列接続され、電動機30で発生した回生電力により充電される。インバータ10は、バッテリBTと並列接続され、電動機30を駆動させる。線路L1は、バッテリBTの正極とインバータ10の一端とを接続する。スイッチS2は、例えば、半導体スイッチ又は機械式スイッチにより構成され、キャパシタCの一端とインバータ10の一端とを繋ぐ線路L2上に設けられている。スイッチ制御部20は、電動機30がカ行状態又は無負荷状態であるかを検出し、電動機30がカ行状態又は無負荷状態であることを検出した場合、スイッチS1をオン、スイッチS2をオフする。また、スイッチ制御部20は、電動機30が回生状態であることを検出した場合、スイッチS1をオフ、スイッチS2をオンにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械に用いられる電動機を駆動する駆動回路に関するものであり、特にハイブリッド式又は電気式の駆動システムを搭載した建設機械の駆動回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネや環境への配慮の観点から、自動車分野だけでなく、例えば産業機械、建設機械といった分野でも、従来のエンジンと電動機とを合わせたハイブリッド式を動力源とする、或いは電動機のみを動力源とする技術、つまり、動力源を電動化する技術が採用されている。このように電動化された動力源においては、電動機の減速時に生じる回生電力を利用し、エネルギーの有効利用が行われている。例えば自動車や建設機械等の移動機械ではバッテリが搭載されており、回生電力はこのバッテリに一旦蓄積されて利用される。
【0003】
ところで、バッテリのエネルギー蓄積は化学反応を利用しているため、バッテリは瞬時に充放電できる電力に制限がある。加えて、一般的にバッテリは、放電時よりも充電時の方が高い内部抵抗を持つため、特に充電時に電流が多く流れると効率の低下やバッテリの劣化を招く。したがって、バッテリで吸収しきれない回生電力は、回生抵抗のような緊急用の負荷で消費しなければならないこともある。例えば、短時間で加減速を行う場合、短時間で電力が回生されるため、回生電力を効率良くバッテリで吸収することが難しい。特に、建設機械の旋回体を旋回させる場合のように重量物を加減速させる場合、短時間で大きな電力が回生されるため、なおさら効率よくバッテリで回生電力を吸収することは困難である。
【0004】
このような問題に関する従来技術として、特許文献1、2が知られている。特許文献1には、発進時、加速時、及び登板時等の大電流を必要とする場合、二次電池の電力不足を補うために、極めて静電容量の大きなコンデンサを二次電池に並列接続し、このコンデンサから不足分の電力を補う電気自動車が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、バッテリの急速な充放電によるバッテリの劣化を防止するために、キャパシタの電圧を検出し、検出した電圧に応じてバッテリ又はキャパシタの電圧を所定の範囲内に制御するモータ駆動用電源装置が開示されている。
【0006】
これらの技術は、いずれも、バッテリが化学反応を利用してエネルギーを蓄積するのに対し、キャパシタは物理的に電荷を蓄積する素子であるため、キャパシタはバッテリよりも急速な充放電に強いという性質を利用したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭49−37317号公報
【特許文献2】特開平6−292305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1、2はいずれも、インバータからの電圧が直接バッテリに印加されるようにインバータ及びバッテリ間が接続されている。そのため、瞬時に大きな回生電力が発生した場合、バッテリに大きな電流が流れ、バッテリを劣化させるという問題がある。特に、放電時に比べ内部抵抗が相対的に大きい充電時において、大きな電流が流れると、バッテリの劣化はより確実になる。更に、特許文献1、2では、回生電力をバッテリ側へ効率よく回収することについての何らの措置も講じられていない。
【0009】
本発明の目的は、大きな回生電力が発生してもバッテリの劣化を抑制し、回生電力をバッテリに効率良く回収することができる建設機械の電動機の駆動回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明による駆動回路は、建設機械に用いられる電動機を駆動する駆動回路であって、充放電可能なバッテリと、電流抑制部と、前記バッテリと前記電流抑制部を介して並列接続されたキャパシタと、前記キャパシタと並列接続され、前記電動機を駆動するインバータと、前記バッテリ及び前記インバータ間を繋ぐ線路と、前記線路上に設けられた第1スイッチと、前記キャパシタ及び前記インバータ間をオンオフする第2スイッチと、前記第1、第2スイッチのオンオフを制御するスイッチ制御部とを備える。
【0011】
この構成によれば、バッテリとキャパシタとの間に電流抑制部が接続されているため、回生時に第2スイッチがオンされると、インバータからの電流はバッテリに流れ込みにくくなり、大部分がキャパシタに流れ込むことになる。したがって、回生時に大きな電流が発生したとしても、電流の大部分がキャパシタに流れ込むため、バッテリの劣化を防止することができる。
【0012】
また、バッテリ及びインバータ間が線路で繋がれており、この線路には第1スイッチが設けられている。したがって、カ行時にスイッチS1をオンすることで、バッテリからの電力が線路を介してインバータに伝達されて電動機が駆動される。ここで、線路には抵抗が配置されていないため、カ行時には蓄電池の電力を効率良く電動機に伝達することができる。
【0013】
更に、カ行時において電動機はバッテリからの電力により駆動されるため、キャパシタの電力により駆動される従来の構成に比べて、キャパシタの容量を小さくすることができる。そのため、旋回体がクローラーの後端よりも後方に大きく突出すことを防止することができ、建設機械において有用な駆動回路を提供することができる。
【0014】
更に、電流抑制部が設けられているため、回生終了時には、回生時にキャパシタで蓄えられた電荷がバッテリ側へとゆっくりと移動され、回生電力を効率良く回収することができる。
【0015】
(2)前記スイッチ制御部は、前記電動機がカ行状態又は無負荷状態にある場合、前記第1スイッチをオン、前記第2スイッチをオフし、前記電動機が回生状態にある場合、前記第1スイッチをオフ、前記第2スイッチをオンすることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、電動機がカ行状態又は無負荷状態にある場合、第1スイッチをオン、第2スイッチをオフにすることができる。また、電動機が回生状態にある場合、第1スイッチをオフ、第2スイッチをオンにすることができ、回生時に大きな電流が流れても、バッテリの劣化を阻止することができる。
【0017】
(3)前記電流抑制部は、抵抗であることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、電力抑制部を簡素な回路素子によって構成することができる。
【0019】
(4)前記抵抗と前記キャパシタとの時定数は、前記回生状態が終了してから前記カ行状態が開始されるまでの所定時間内に、前記回生状態において前記キャパシタが充電した全電荷が前記バッテリに移動することができる値に設定されていることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、回生時にキャパシタで充電された電荷がバッテリで蓄積されるため、次のカ行時までに回生電力をバッテリに蓄積させることが可能となる。その結果、回生電力を電動機の駆動エネルギーとして無駄なく利用することができる。また、電動機の駆動開始時における電力不足を抑制することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、回生時に大きな電流が発生したとしても、バッテリの劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施の形態による駆動回路の回路図を示している。
【図2】カ行時での駆動回路の動作の説明図である。
【図3】回生時の駆動回路の動作の説明図である。
【図4】回生状態が終了した時の駆動回路の動作の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明の一実施の形態による駆動回路の回路図を示している。この駆動回路は、建設機械に用いられる電動機30を駆動する駆動回路である。建設機械としては、フォークリフト、パワーショベル等のアームや旋回体を備える機械が採用される。以下の説明では、電動機30は、旋回体を駆動するためのモータにより構成されているものとする。
【0024】
図1に示す駆動回路は、バッテリBT、キャパシタC、抵抗R(電流抑制部の一例)、インバータ10、スイッチ制御部20、及びスイッチS1(第1スイッチの一例)、スイッチS2(第2スイッチの一例)を備えている。
【0025】
バッテリBTは、リチウムイオン蓄電池、ニッケルカドミウム蓄電池、又は鉛蓄電池等の充放電可能な二次電池により構成されている。そして、バッテリBTは、インバータ10に電力を供給し、電動機30を駆動させる。また、バッテリBTは、図略の充電器が接続されて充電される、或いは、建設機械の動力源であるエンジンの回生エネルギーによって充電される。特に鉛蓄電池は充電時と放電時とで内部抵抗の差が顕著に表れるため、本発明は有用となる。
【0026】
キャパシタCは、抵抗Rを介してバッテリBTと並列接続され、電動機30で発生した回生電力により充電される。具体的には、キャパシタCは一端が抵抗Rを介してバッテリBTの正極に接続されている。また、キャパシタCは他端がバッテリBTの負極に接続されている。
【0027】
インバータ10は、バッテリBTと並列接続され、電動機30を駆動させる。ここで、インバータ10は、例えば、6個のトランジスタ及び6個のダイオードから構成された三相出力インバータから構成され、旋回制御部40から出力される駆動信号に従って、バッテリBTから出力される直流電圧を、電動機30を駆動するための3相交流電圧に変換し、電動機30に出力する。
【0028】
線路L1は、バッテリBTの正極とインバータ10の一端とを接続する。スイッチS1は、例えば、半導体スイッチ又は機械式スイッチにより構成され、線路L1上に設けられている。
【0029】
スイッチS2は、例えば、半導体スイッチ又は機械式スイッチにより構成され、キャパシタCの一端とインバータ10の一端とを繋ぐ線路L2上に設けられている。
【0030】
スイッチ制御部20は、例えば、CPU、ROM及びRAMを備えるマイクロコンピュータ、或いは専用のハードウェア回路により構成され、電動機30がカ行状態又は無負荷状態であるかを検出し、電動機30がカ行状態又は無負荷状態であることを検出した場合、スイッチS1をオン、スイッチS2をオフする。また、スイッチ制御部20は、電動機30が回生状態であることを検出した場合、スイッチS1をオフ、スイッチS2をオンにする。
【0031】
ここで、インバータ10内において電動機30側に向かって電流が流れる場合を正、インバータ10内においてバッテリBT側に向かって電流が流れる場合を負とすると、スイッチ制御部20は、正の方向に電流が流れている場合、電動機30はカ行状態である判断し、負の方向に電流が流れている場合、電動機30は回生状態であると判断する。また、スイッチ制御部20は、インバータ10内で電流が0の場合、電動機30は無負荷状態であると判断する。
【0032】
抵抗Rは、キャパシタCの一端と、バッテリBTの正極との間に接続され、電動機30が回生状態にある場合(回生時)において、インバータ10からの電流がバッテリBTに流れ込むことを阻止する。これにより、回生時に、突発的に大きな電流が流れたとしてもこの電流の大部分がキャパシタCに流れ込み、バッテリBTへは電流が流れ込みにくくなり、バッテリBTの劣化を防止することができる。
【0033】
つまり、抵抗Rが存在しない場合、回生時に大きな電流がバッテリBTに流れ込むため、バッテリBTを劣化させてしまう。特に、バッテリBTの内部抵抗は放電時よりも充電時の方が高いため、バッテリBTの劣化はより大きくなる。そこで、キャパシタCとバッテリBTとの間に抵抗Rを設け、回生時に大きな電流が発生したとしても、この電流がバッテリBTに流れ込むことを阻止し、バッテリBTを保護している。ここで、抵抗Rの抵抗値は、キャパシタCからバッテリBTに電荷を移動させる時間から要求される時定数に基づいて決定される。
【0034】
旋回制御部40は、例えば、CPU、ROM、及びRAMを備えるマイクロコンピュータ、或いは専用のハードウェア回路により構成され、駆動信号をインバータ10に出力することで電動機30を駆動させ、旋回体を旋回させる。ここで、旋回制御部40は、例えば操作部50を構成する旋回レバーが作業者によって倒されると、駆動信号をインバータ10に出力する。駆動信号としては、例えば、PWM信号が採用され、インバータ10を構成する6個のトランジスタの制御端子(具体的には、ベース又はゲート)に入力される。
【0035】
次に、図1に示す駆動回路の動作について説明する。まず、カ行時における駆動回路の動作を考える。図2は、カ行時での駆動回路の動作の説明図である。スイッチ制御部20は、インバータ10内において電流の方向が正であるため、カ行状態であると判断し、図2に示すように、スイッチS1をオン、スイッチS2をオフにする。
【0036】
これにより、バッテリBTから線路L1を介してインバータ10に電流Iが流れ、バッテリBTの電力がインバータ10に供給される。ここで、バッテリBTとキャパシタCとは抵抗Rを介して接続されているため、電動機30を駆動するための電力は、主としてバッテリBTから供給される。この時、キャパシタCとバッテリBTとは抵抗Rを介して接続されているため、キャパシタCとバッテリBTとはほぼ同じ電圧で推移する。
【0037】
次に、回生状態(回生時)における駆動回路の動作について説明する。図3は、回生時の駆動回路の動作の説明図である。旋回制御部40から駆動信号の出力が停止されて電動機30が減速すると、電動機30に回生電力が発生し、インバータ10内において電流は正の方向から負の方向に切り替わる。そのため、スイッチ制御部20は、電動機30が回生状態にあると判断し、図3に示すように、スイッチS1をオフ、スイッチS2をオンにする。
【0038】
これにより、電動機30で発生した回生電力によって、インバータ10からキャパシタCに向けて線路L2を介して電流Iが流れ、回生電力がキャパシタCに供給され、キャパシタCが充電される。ここで、バッテリBTとキャパシタCとは抵抗Rを介して接続されているため、電流Iは、バッテリBTに流れにくく、主としてキャパシタCに流れ込む。
【0039】
これにより、回生状態に大きな電流Iが発生したとしても、この電流IはバッテリBTに流れ込まず、バッテリBTの劣化が抑制される。なお、キャパシタCは、急速充電が可能であるため、回生状態に大きな電流Iが流れたとしても劣化の可能性は低い。
【0040】
次に、回生状態の終了時における駆動回路の動作について説明する。図4は、回生状態の終了時の駆動回路の動作の説明図である。回生状態が終了してインバータ10内の電流が正の方向又は0となって、電動機30がカ行状態又は無負荷状態になると、図4に示すように、スイッチ制御部20は、再度、スイッチS1をオン、スイッチS2をオフにする。キャパシタCには回生電力による電荷が蓄積された状態にあるので、バッテリBTよりも電圧が上昇している。そのため、キャパシタCは、バッテリBTと同じ電圧になるまで、抵抗Rを介してバッテリBTに電荷を移動させる。これにより、電動機30で発生した回生電力は、キャパシタCを介してバッテリBTに充電される。そのため、回生電力をバッテリBTに効率良く回収することができ、回生電力を電動機30の駆動電力として無駄なく利用することができる。
【0041】
ここで、抵抗RとキャパシタCとの時定数は、回生状態の終了時から次の回生状態が到来することが見込まれる所定時間において、キャパシタCが回生時に蓄えた全電荷をバッテリBTに移動し終えることができるような値に設定されている。
【0042】
これにより、電動機30は駆動を開始する際に、キャパシタCによって充電された回生電力を無駄なく使用することができ、電動機30の駆動開始時における電力不足が抑制されている。
【0043】
なお、上記説明では、スイッチ制御部20は、インバータ10及び電動機30間の電流の方向に基づいて、カ行状態又は回生状態の判断を行っていたが、これに限定されない。
【0044】
例えば、旋回制御部40がインバータ10に出力する駆動信号に基づいて、スイッチ制御部20は、電動機30がカ行状態にあるか又は回生状態にあるかを判断しても良い。この場合、スイッチ制御部20及び旋回制御部40をモニタ線(図略)で接続し、旋回制御部40がインバータ10に出力する駆動信号をスイッチ制御部20にモニタさせる。そして、旋回制御部40が駆動信号を出力した場合、スイッチ制御部20は電動機30がカ行状態にあると判断すればよい。また、スイッチ制御部20は、旋回制御部40が駆動信号の出力を停止してから、所定期間が経過するまで、電動機30は回生状態にあると判断し、所定時間が経過した以降、電動機30は無負荷状態と判断すればよい。
【0045】
また、上記実施の形態では、電流抑制部として抵抗Rを採用したが、これに限定されず、抵抗として機能し得る回路素子であれば、どのような回路素子を採用してもよい。
【0046】
また、上記実施の形態では、駆動回路は旋回体の電動機30を駆動するものとしたが、これに限定されず、アーム等の建設機械の部材を駆動する電動機に適用してもよい。また、建設機械のクローラーを移動させるための電動機30に適用してもよい。
【0047】
このように、本駆動回路によれば、カ行時には、スイッチS1がオンされ、スイッチS2がオフされて、バッテリBTからの電流Iが線路L1を介してインバータ10に供給される。そして、線路L1には抵抗Rが存在していない。そのため、バッテリBTの電力を無駄なく電動機30に供給することができる。
【0048】
また、回生時には、スイッチS1がオフされ、スイッチS2がオンされ、抵抗Rの存在によって、回生電力はバッテリBTではなく、キャパシタCで充電される。そのため、回生時に大きな電流Iが流れたとしても、この電流IがバッテリBTに流れることが阻止され、バッテリBTの劣化を抑制することができる。
【0049】
更に、回生状態が終了して、電動機30が無負荷状態になると、スイッチS1がオン、スイッチS2がオフされ、回生時にキャパシタで充電された電荷がバッテリBTに移動するため、回生電力を電動機30の駆動エネルギーとして無駄なく利用することができる。
【0050】
更に、カ行時において電動機30はバッテリBTからの電力により駆動されるため、キャパシタCの電力により駆動される従来の構成に比べて、キャパシタCの容量を小さくすることができる。
【0051】
つまり、カ行時の電力を全てキャパシタで補おうとすると、大容量のキャパシタを採用する必要がある。このようにキャパシタが大容量化すると、それを収納する旋回体も大きくせざるを得なくなる。そうすると、旋回体がクローラーの後端よりも後方に大きく突出してしまい、旋回半径が増大し、建設機械の近傍で作業を行う作業員に旋回体が衝突する可能性が高まるため危険となり、加えて、作業員の作業スペースも制限されることになる。一方、本駆動回路では、キャパシタCを小型化することができるため、旋回体が小型化され、建設機械において有用な駆動回路を提供することができる。
【符号の説明】
【0052】
10 インバータ
20 スイッチ制御部
30 電動機
40 旋回制御部
50 操作部
BT バッテリ
C キャパシタ
L1,L2 線路
R 抵抗
S1 スイッチ
S2 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械に用いられる電動機を駆動する駆動回路であって、
充放電可能なバッテリと、
電流抑制部と、
前記バッテリと前記電流抑制部を介して並列接続されたキャパシタと、
前記バッテリと並列接続され、前記電動機を駆動するインバータと、
前記バッテリ及び前記インバータ間を繋ぐ線路と、
前記線路上に設けられた第1スイッチと、
前記キャパシタ及び前記インバータ間をオンオフする第2スイッチと、
前記第1、第2スイッチのオンオフを制御するスイッチ制御部とを備える駆動回路。
【請求項2】
前記スイッチ制御部は、前記電動機がカ行状態又は無負荷状態にある場合、前記第1スイッチをオン、前記第2スイッチをオフし、前記電動機が回生状態にある場合、前記第1スイッチをオフ、前記第2スイッチをオンする請求項1記載の駆動回路。
【請求項3】
前記電流抑制部は、抵抗である請求項1又は2記載の駆動回路。
【請求項4】
前記抵抗と前記キャパシタとの時定数は、前記回生状態が終了してから前記カ行状態が開始されるまでの所定時間内に、前記回生状態において前記キャパシタが充電した全電荷が前記バッテリに移動することができる値に設定されている請求項3記載の駆動回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−152027(P2012−152027A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−9064(P2011−9064)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【出願人】(000246273)コベルコ建機株式会社 (644)
【Fターム(参考)】