説明

駆動機構、および該機構を備えたマイクロミラー装置

【課題】 マイクロミラー装置全体の小型化に寄与するとともに、ヒンジをはじめとする装置の構成要素にかかる負荷を軽減することが可能な駆動機構を提供すること。
【解決手段】 駆動機構は、所定の回動面を回動軸周りに回動させるための駆動機構であって、該回動面の下方であって、回動軸と異なる方向に並んで配設された一対のアクチュエータを有し、各アクチュエータは、水平状態にある回動面と略平行な基板と、該基板の上面に配設される第一櫛歯部および該基板の下面に配設される第二櫛歯部と、を有する第一電極部と、第一、第二櫛歯部と接触することなく噛み合うように形成された第三、第四櫛歯部とを有する第二電極部と、を有し、第一櫛歯部と第三櫛歯部間および第二櫛歯部と第四櫛歯部間は、独立して電圧を印加自在であるように構成にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光をスキャンするための静電容量型のマイクロミラー装置や該装置に搭載される駆動機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、静電容量型マイクロミラー装置(以下、単にマイクロミラー装置という)は、通信用の光スイッチ、計測機器、スキャナ等多様な技術分野で利用されている。マイクロミラー装置は、入射光をスキャンするミラー面の下方に駆動機構が配設されている。そして、該駆動機構に電圧を印加することにより、静電引力を発生させて、ミラー面を傾けるように構成される。近年、マイクロミラー装置は、より小型化しつつもミラーを傾けるための静電引力を大きくすることが要望されている。このような要望に応えようとして、例えば以下の特許文献1に開示されるマイクロミラー装置が提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開平5−76186号公報
【0004】
特許文献1に記載のマイクロミラー装置は、櫛歯状の固定電極と噛み合うような櫛歯状の可動電極をミラー面と同一平面上に形成している。このように電極を櫛歯状に形成することにより、静電引力を発生させる面積を広く確保して、大きな静電引力を得ようとしている。
【0005】
ここで、特許文献1に開示のマイクロミラー装置は、ミラー面と同一面上に櫛歯形状の可動電極を設けている。そのため、より大きな傾き角を得るために電極の面積を広くしようとするとミラー面全体としての規模を大きくせざるを得ない。つまり、装置全体の小型化が達成されない。逆に、装置全体を小型化しようとすると、光を走査するミラー面を小さくする、あるいは可動電極を小さくせざるを得ない。つまり、十分に広い走査範囲を確保できない。
【0006】
また、特許文献2に開示するようなマイクロミラー装置も提案されている。特許文献2に開示するマイクロミラー装置は、ミラー面の下方に、互いに噛み合うような櫛歯状可動電極と櫛歯状固定電極を設けている。より詳しくは、櫛歯状可動電極と櫛歯状固定電極は、ミラー面下方において回動軸を挟んで二組配設されている。可動電極特許文献2に開示される構成であれば、特許文献1とは異なり、装置全体を小型化することができる。なお、以下の本文では、マイクロミラー装置を構成する各部材において、光が入射するミラー面に近い方(面)を上方(上面)、該ミラー面から離れた方(面)を下方(下面)という。
【0007】
【特許文献2】特開2000−147419号公報
【0008】
しかし、特許文献2のように設計した場合、固定電極に予め印加したバイアス電圧によって発生した静電引力によってミラー面が鉛直方向(該ミラー面と直交する方向)に引きつけられるおそれがある。ミラー面全体が引きつけられると、ミラー面に入射する光の入射位置のずれが発生する。入射位置がずれると、ミラー面に入射した光が所定の走査位置から外れた位置を走査してしまうという問題がある。また、いわゆるプルイン現象やヒンジに必要以上の負荷がかかるといった現象により、装置内部の破壊も発生しかねない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は上記の事情に鑑み、マイクロミラー装置全体の小型化に寄与するとともに、ヒンジをはじめとする装置の構成要素にかかる負荷を軽減することが可能な駆動機構および該駆動機構を備えるマイクロミラー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明に係る駆動機構は、所定の回動面を回動軸周りに回動させるための駆動機構であって、該回動面の下方であって、回動軸と異なる方向に並んで配設された一対のアクチュエータを有し、各アクチュエータは、水平状態にある回動面と略平行な基板と、凹部と凸部が周期的かつ連続的に形成された、該基板の上面に配設される第一櫛歯部および該基板の下面に配設される第二櫛歯部と、を有する第一電極部と、第一櫛歯部と接触することなく噛み合うように形成された第三櫛歯部と、第二櫛歯部と接触することなく噛み合うように形成された第四櫛歯部と、を有する第二電極部と、を有し、第一櫛歯部と第三櫛歯部間および第二櫛歯部と第四櫛歯部間は、独立して電圧を印加自在に構成されており、一方のアクチュエータにおける第一櫛歯部と第三櫛歯部間、および他方のアクチュエータにおける第二櫛歯部と第四櫛歯部間に電圧を印加することにより回動面を回動軸周りに回動させることを特徴とする。
【0011】
上記のように構成することにより、バイアス電圧をかけた場合、各アクチュエータでは、第一櫛歯部と第三櫛歯部間で発生する下方への静電引力と、第二櫛歯部と第四櫛歯部間で発生する上方への静電引力とが略相殺されて、上記のようなプルイン現象やヒンジに必要以上の負荷がかかるといった現象を有効に防止することができる。
【0012】
また、上記の構成によれば、電極部の面積をより広く確保することができる。従って、省電力でありながらも大きな静電引力を発生させることができる。つまり、回動面を大きく傾けることが可能になる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、少なくとも第一櫛歯部と第二櫛歯部の間、絶縁処理することにより、第一櫛歯部と第三櫛歯部間、第二櫛歯部と第四櫛歯部間を、それぞれ独立して電圧を印加することが可能になる。なお、第三櫛歯部と第四櫛歯部の間を絶縁処理することも可能である。
【0014】
また、各電極部は、支持部を有し、該支持部によって一方を回動部の下面、他方を非回動部の下面に結合される(請求項3)。
【0015】
また、より効果的には、一対のアクチュエータは、回動軸と略直交する方向に並んで配設されることが望ましい。これにより、回動面にはより大きなヒンジ周りの力のモーメントが発生するため、装置内部へ無用な負荷を与えることなく、大きな傾き角を得ることができる。
【0016】
上記構成の駆動機構は、例えばマイクロミラー装置に好適に搭載される。この場合、上記回動面は該装置におけるミラー面が相当する。
【0017】
また、請求項7に記載のマイクロミラー装置は、少なくとも一つの回動軸周りにミラー面を回動自在なマイクロミラー装置であって、回動軸上に配設され、回動軸周りに回動自在な状態でミラー面を、回動軸に対して非回動である非回動面に結合する一対のヒンジと、ミラー面の下面側において回動軸と異なる方向に並んで配設される請求項1から請求項5のいずれかに記載の駆動機構と、を有することを特徴とする。
【0018】
上記構成において、ミラー面は、一方のアクチュエータにおける第一櫛歯部と第三櫛歯部間、および他方のアクチュエータにおける第二櫛歯部と第四櫛歯部間に電圧が印加されることにより回動軸周りに回動する。
【0019】
また、上記のような駆動機構を備えたマイクロミラー装置であれば、ヒンジにかかる負荷も最小限に抑えることができる。従って、一対のヒンジを、例えば棒バネのような
線状体といった簡易な構成にすることが可能になる。
【0020】
また、上記の各特許文献1、2は、一軸回動しか想定しない構成である。これに対し、本発明に係るマイクロミラー装置であれば、互いに直交する二つの回動軸によって二軸回動タイプにすることも可能である。
【発明の効果】
【0021】
以上のように本発明に係る駆動機構によれば、小型でありながらも静電引力を発生させる電極の面積を広く確保可能な構成になっている。従って本発明に係る駆動機構は、少量の印加電圧で大きな静電引力を発生させることができる。また、該駆動機構を備えたマイクロミラー装置は、小型でありながらもミラー面を大きく傾けることができる。すなわち、本発明によれば、省電力でありながらも広い範囲を走査することができる。
【0022】
なお、上記駆動機構および該駆動機構を構成するアクチュエータは、マイクロミラー装置のみならず、所定の軸周りに回動面を回動させる構造を有する装置であっても好適に搭載することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態の駆動機構およびマイクロミラー装置について説明する。図1は、本実施形態の駆動機構を備えるマイクロミラー装置100を下方からみた斜視図である。マイクロミラー装置100は、X軸回動用駆動機構10X、Y軸回動用駆動機構10Y、ミラー部30、第一フレーム40、第二フレーム50を有する。ミラー部30は、上面(つまり図1に示すミラー部30の裏側の面。図2、図3参照)がミラー面30aとして形成されている。ミラー部30は、X軸に沿って配設される一対の線分状ヒンジ20Xを介して第一フレーム40に保持されている。第一フレーム40は、X軸に直交するY軸に沿って配設される一対の線分状ヒンジ20Yによって第二フレーム50に保持される。
【0024】
マイクロミラー装置100では、X軸回動用駆動機構10Xが駆動することにより、ミラー部30が第一フレーム40に対してX軸周りに回動する。また、Y軸回動用駆動機構10Yが駆動することにより、第一フレーム40とともにミラー部30が第二フレーム50に対してY軸周りに回動する。すなわち、本実施形態のマイクロミラー装置100は、X、Yの二軸周りにミラー部30を回動自在に構成されている。
【0025】
以下、ミラー部30を駆動させるための駆動機構について詳説する。各駆動機構は、それぞれ一対のアクチュエータ(X1とX2、Y1とY2)から構成される。アクチュエータX1、X2はX軸を挟んで対峙する位置であって、両者を結ぶ線分とX軸とが直交する位置に配設される。アクチュエータY1、Y2はY軸を挟んで対峙する位置であって、両者を結ぶ線分とY軸とが直交する位置に配設される。図2、図3は、X軸回動用駆動機構10Xを構成するアクチュエータX1を説明するための図である。より具体的には、図2は、図1に示すアクチュエータX1のA−A線断面図であり、図3は、図1および図2に示すアクチュエータX1のB−B線断面図である。
【0026】
図2、図3に示すように、アクチュエータX1は、複数の櫛歯を持つ第一電極11と第二電極12を有する。第一電極11は、平面基板5を有する。該平面基板5の上面には第一櫛歯部1、該基板5の下面には第二櫛歯部2が、それぞれ設けられている。平面基板5は、内部において、図2中一点鎖線で示すように第一櫛歯部1と第二櫛歯部2を分けるように絶縁処理が施されている。絶縁処理としては、各櫛歯部1、2間を絶縁層で被膜することが例示される。従って、各櫛歯部1、2にはそれぞれ独立して電圧を印加することが可能になっている。平面基板5は、水平状態にあるミラー部30と略平行な位置関係にある。図3に示すように、第一電極11は、平面基板5からL字状に延出する支持部13によって第一フレーム40の下面40bに結合される。
【0027】
第二電極12は、第一櫛歯部1と噛み合うように形成された第三櫛歯部3と、第二櫛歯部2と噛み合うように形成された第四櫛歯部4を有する。第二電極12は、第一電極11と同様に、各櫛歯部3、4の略中間位置(図2中、点線で示す)において絶縁処理が施されている。これにより、第三櫛歯部3と第四櫛歯部4には、それぞれ独立して電圧を印加することができる。図2に示すように第二電極12は、第三櫛歯部3によってミラー部30の下面30bに結合される。なお、特定のアクチュエータでの印加電圧が他のアクチュエータの櫛歯部に印加されることがないように、第三櫛歯部3とミラー部の下面30b間も絶縁処理されている。
【0028】
なお、X軸回動用駆動機構10Xにおけるもう一方のアクチュエータX2、Y軸回動用駆動機構10Yを構成する一対のアクチュエータY1、Y2も上述したアクチュエータX1と同一構成であるため、ここでの説明は省略する。但し、図1に示すように、アクチュエータY1、Y2は、第一電極11が第二フレーム50に、第二電極12が第一フレーム40に、それぞれ結合されている点が異なる。
【0029】
次に、本実施形態のマイクロミラー装置100におけるミラー部のX軸周りの回動に関する原理について図4を参照しつつ説明する。図4は、ミラー部30と直交し、かつ一対のヒンジ20Yを含む面でのマイクロミラー装置100の断面図である。図4(A)は、各電極に電圧を印加する前のマイクロミラー装置100の状態を、図4(B)は、各電極に電圧を印加した時のマイクロミラー装置10の状態を、それぞれ示す。
【0030】
ミラー部30をX軸周りに回動する場合、図4(A)に示すように、アクチュエータX1の第二櫛歯部2とアクチュエータX2の第一櫛歯部1に所定の電圧(+V)を印加する。電圧を印加すると、アクチュエータX1では第二櫛歯部2と第四櫛歯部4間に、アクチュエータX2では第一櫛歯部1と第三櫛歯部3間に静電引力が発生して、互いに引きつけ合う。その結果、図1に示す一対のヒンジ20Xを軸にして、ミラー部30が回動する(図4(B)黒矢印)。このとき、第一フレーム40は固定状態にある。
【0031】
上記の構成および回動の原理によって以下のような効果が得られる。すなわち、本実施形態によれば、アクチュエータX1の第二櫛歯部2と第四櫛歯部4間で発生する静電引力は、ミラー部30のアクチュエータX1側を上方に押し上げる。また、アクチュエータX2の第一櫛歯部1と第三櫛歯部3間で発生する静電引力は、ミラー部30のアクチュエータX2側を下方に押し下げる。結果として、より大きなX軸周りの力のモーメントをミラー部30に与えることができる。また、X軸を挟んで対峙する一対のアクチュエータX1、X2の各櫛歯部(上記一例ではアクチュエータX1の第二櫛歯部2とアクチュエータX2の第一櫛歯部1)に電圧を印加する構成であるため、静電引力を発生させるために用いられる電極の面積を広く確保できる。従って、各電極11、12に印加する電圧を抑えつつも、大きな傾き角を得ることができる。しかも、ミラー部30の下方に従来存する空間に櫛歯部を設ける構成であるため、駆動機構さらには装置全体としての小型化も図れる。さらに、二箇所で発生する静電引力によって得られる力のモーメントが大きいため、ヒンジ20Xに与えられる負荷も小さく抑えられる。従って、本実施形態のマイクロミラー装置100によれば、各ヒンジ20Xを一本の線分形状(いわゆる棒バネ)として形成することが可能になる。
【0032】
なお、X軸周りにおいて上記(図4(B))とは逆方向にミラー面を回動させる場合には、アクチュエータX1の第一櫛歯部1とアクチュエータX2の第二櫛歯部2に所定の電圧を印加すればよい。Y軸周りの回動については、Y軸回動用駆動機構10Yについて、上記と同様の制御を行えば良い。但し、Y軸周りの回動時には、第二フレーム50が固定状態となり、ミラー部30は第一フレーム40とともに回動する。いずれの回動時であっても、上記と同様の効果を奏する。
【0033】
以上が本発明の実施形態である。本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく例えば、以下に説明するような変形をしても上記と同様の効果を得ることが可能である。
【0034】
上記実施形態では、電圧印加時は、ミラー部30に保持されている第三櫛歯部や第四櫛歯部が駆動することにより、ミラー部30を回動させる構成をとっている。これに対し、本発明に係るマイクロミラー装置や駆動機構は、図5に示すように変形しても良い。図5は、X軸回動用駆動機構を構成するアクチュエータの変形例X3を示す図である。図5に示すように、アクチュエータX3は、第一櫛歯部1’、第二櫛歯部2’、基板5’からなる第一電極11’を、支持部13’を介してミラー部30に結合し、第三櫛歯部3’と第四電極4’からなる第二電極12’を第一フレーム40に結合する構成である。アクチュエータX3を使用するマイクロミラー装置では、第一電極11’が電圧印加によって駆動することにより、ミラー部30が回動する。
【0035】
また、上記実施形態では、本発明に係る駆動機構の好適な実施形態として、二軸回動型のマイクロミラー装置について説明した。本発明に係るマイクロミラー装置は、一軸回動型であっても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本発明に係る駆動機構は、マイクロミラー装置にのみ適用されるものではなく、所定の回動軸周りに回動する回動面を有する装置において、該回動面を駆動させるために好適に搭載することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本実施形態の駆動機構を備えるマイクロミラー装置を下方からみた斜視図である。
【図2】本発明の実施形態のアクチュエータのA−A線断面図である。
【図3】本発明の実施形態のアクチュエータのB−B線断面図である。
【図4】図4(A)は、各電極に電圧を印加する前のマイクロミラー装置100の状態を、図4(B)は、各電極に電圧を印加した時のマイクロミラー装置10の状態を、それぞれ示す図である。
【図5】本発明の実施形態の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
1 第一櫛歯部
2 第二櫛歯部
3 第三櫛歯部
4 第四櫛歯部
10X、10Y 駆動機構
11 第一電極
12 第二電極
20X、20Y ヒンジ
30 ミラー部
40 第一フレーム
50 第二フレーム
100 マイクロミラー装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回動部を所定の回動軸周りに回動させるための駆動機構であって、
前記回動軸と異なる方向に並んで配設された一対のアクチュエータを有し、各アクチュエータは、
該回動部の下方であって、水平状態にある前記回動部と略平行な基板と、凹部と凸部が周期的かつ連続的に形成された、該基板の上面に配設される第一櫛歯部および該基板の下面に配設される第二櫛歯部と、を有する第一電極部と、
前記第一櫛歯部と接触することなく噛み合うように形成された第三櫛歯部と、前記第二櫛歯部と接触することなく噛み合うように形成された第四櫛歯部と、を有する前記第二電極部と、を有し、
前記第一櫛歯部と前記第三櫛歯部間および前記第二櫛歯部と前記第四櫛歯部間は、独立して電圧を印加自在に構成されており、
一方の前記アクチュエータにおける前記第一櫛歯部と前記第三櫛歯部間、および他方の前記アクチュエータにおける前記第二櫛歯部と前記第四櫛歯部間に電圧を印加することにより前記回動部を前記回動軸周りに回動させることを特徴とする駆動機構。
【請求項2】
請求項2に記載の駆動機構において、
少なくとも前記第一櫛歯部と前記第二櫛歯部の間は絶縁処理が施されていることを特徴とする駆動機構。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の駆動機構において、
前記第一電極部は、前記回動部の下面と結合し、
前記第二電極部は、前記所定の回動軸に対して非回動である非回動部の下面と結合することを特徴とする駆動機構。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の駆動機構において、
前記第一電極部は、前記所定の回動軸に対して非回動である非回動部の下面と結合し、
前記第二電極部は、前記回動部の下面と結合することを特徴とする駆動機構。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の駆動機構において、
前記一対のアクチュエータは、前記回動軸と略直交する方向に並んで配設されることを特徴とする駆動機構。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の駆動機構は、マイクロミラー装置に搭載され、
前記回動部は、該マイクロミラー装置におけるミラー面を有することを特徴とする駆動機構。
【請求項7】
少なくとも一つの回動軸周りにミラー面を回動自在なマイクロミラー装置であって、
前記回動軸上に配設され、前記回動軸周りに回動自在な状態で前記ミラー面を、前記回動軸に対して非回動である非回動面に結合する一対のヒンジと、
前記ミラー面の下面側において前記回動軸と異なる方向に並んで配設される請求項1から請求項5のいずれかに記載の駆動機構と、を有することを特徴とするマイクロミラー装置。
【請求項8】
請求項7に記載のマイクロミラー装置において、
前記ミラー面は、前記駆動機構を構成する一方のアクチュエータにおける前記第一櫛歯部と前記第三櫛歯部間、および前記駆動機構を構成する他方のアクチュエータにおける前記第二櫛歯部と前記第四櫛歯部間に電圧が印加されることにより前記回動軸周りに回動することを特徴とするマイクロミラー装置。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載のマイクロミラー装置において、
前記一対のヒンジは、各々線状体であることを特徴とするマイクロミラー装置。
【請求項10】
前記回動軸を二つ有し、両者は略直交することを特徴とする請求項7から請求項9のいずれかに記載のマイクロミラー装置。
【請求項11】
凹部と凸部が周期的かつ連続的に形成された第一櫛歯部を一方の面に、凹部と凸部が周期的かつ連続的に形成された第二櫛歯部を他方の面に、それぞれ有する基板を有する第一電極部と、
前記第一櫛歯部と接触することなく噛み合うように形成された第三櫛歯部と、前記第二櫛歯部と接触することなく噛み合うように形成された第四櫛歯部と、を有する前記第二電極部と、を有し、
前記第一櫛歯部と前記第三櫛歯部間および前記第二櫛歯部と前記第四櫛歯部間は、独立して電圧を印加自在に構成されていることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項12】
請求項11に記載のアクチュエータにおいて、
前記第一電極部と前記第二電極部は、一方が所定の軸周りに回動自在な回動面に、他方が前記軸に対しては非回動である非回動面に、それぞれ結合され、
前記第一櫛歯部と前記第三櫛歯部間または前記第二櫛歯部と前記第四櫛歯部間のいずれか一方に電圧を印加することにより前記回動面を回動させることを特徴とするアクチュエータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−53396(P2006−53396A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−235492(P2004−235492)
【出願日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【出願人】(504157024)国立大学法人東北大学 (2,297)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】