説明

駆動装置及び光量調節装置

【課題】コストが安く、小型で且つ軸方向の長さが短く、高出力化することができ、安定した駆動が可能な駆動装置を提供する。
【解決手段】マグネット6外周面における第1の外側磁極部1aが対向する極と第3の外側磁極部10aが対向する極は異なると共に、マグネット6外周面における第2の外側磁極部1bが対向する極と第3の外側磁極部10aが対向する極は異なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型に構成するのに好適な駆動装置及び該駆動装置を有する光量調節装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回転軸を中心とする直径を小型化し、かつ出力を高めた駆動装置として、本願出願人は特許文献1に開示される以下のような光量調節装置における駆動装置を提案している。
【0003】
図8に特許文献1に記載された駆動装置の分解斜視図を、図9に特許文献1に記載された駆動装置の側面の断面図を、それぞれ示す。
【0004】
図8、図9において、マグネット101は、外周面が周方向に2分割して交互にS極とN極に着磁され、回転中心を中心として回転可能な永久磁石を備えている。コイル102は、マグネット101の軸方向に配置されている。
【0005】
ステータ103は、コイル102により励磁され、先端部に歯形状の外側磁極部103aと円柱形状の内筒103bを有し、マグネット101の外周面及び内周面に対向する。補助ステータ104は、ステータ103の内筒103bに固着され、ステータ103の内筒103bと共に内側磁極部をなしている。以上により光量調節装置における駆動装置が構成される。
【0006】
マグネット101は、回転可能に保持されるように軸部分101e,101fを備え、これらが一体的に成形されたものである。また、ステータ103の外側磁極部103aは、マグネット101の外周面に隙間をもって対向している。また、ステータ103の内筒103bは、マグネット101の内周面に隙間をもって対向している。
【0007】
上記構成の駆動装置は、コイル102への通電方向を切り換えて外側磁極部103a、内筒103b及び補助ステータ104の極性を切り換えることで、マグネット101を往復回転させるものである。また、往復回転するマグネット101の回転規制を、地板105に設けられた案内溝105aに駆動ピン101dが当接することによって行っている。
【0008】
この駆動装置は、コイル102に通電することで発生した磁束が外側磁極部103aから対向する内筒(内側磁極部)103bへ、あるいは内筒103bから対向する外側磁極部103aへと流れる。そして、外側磁極部103aと内筒103bとの間に位置するマグネット101に効果的に作用する。
【0009】
また、外側磁極部103aと内筒103bとの距離を、円筒形状のマグネット101の厚さとマグネット101と外側磁極部103aとの隙間及びマグネット101と内筒103bとの隙間分の距離にする。
【0010】
このことで、外側磁極部103aと内筒103bとで構成される磁気回路の抵抗をできるだけ小さくしている。磁気回路の抵抗が小さいほど少ない電流で多くの磁束を発生させることができ、出力が向上する。
【0011】
一方、小型、低コストで高出力の駆動装置及び光量調節装置として、本願出願人は特許文献2に開示される以下のような駆動装置及び光量調節装置を提案している。
【0012】
上記装置は、マグネットの両側に配された一対の自由端である第1の外側磁極板及び第2の外側磁極板、第1の外側磁極板及び第2の外側磁極板を連結する連結部、及び連結部から突起すると共にマグネットの表面に所定の間隔で対向する突起部を有する。
【0013】
そして、第1の外側磁極板及び第2の外側磁極板及び連結部が一体的に形成されたヨークと、ロータ軸の軸方向に関してマグネットに隣接した位置において第1の外側磁極板の回りに巻回された第1のコイルとを備える。また、ロータ軸の軸方向に関してマグネットに隣接する位置において第2の外側磁極板の回りに巻回された第2のコイルを備える。
【0014】
この構成により、コギングトルクを低減させることができると共に、軸方向の長さを短くすることができ、もって小型化、低コスト化、及び高出力化を実現しつつ、回転角度を大きく取ると共に安定した駆動を行うことができる。
【0015】
また、露出用開口の周辺位置に配置して好適な磁気効率のよいカメラ用羽根駆動機構として、特許文献3に開示される以下のようなカメラ用羽根駆動機構が提案されている。
【0016】
上記機構は、4極に着磁された永久磁石回転子を挟むようにして2つのヨークを配置し、各ヨークには回転子の周面に端面を対向させている磁極部と、回転子の回転軸と平行に曲げられた巻回部が設けられ、巻回部にはコイルを巻いたボビンが嵌装される。
【0017】
そして、各巻回部は、その先端の結合部が連結ヨークを介して結合され、連結ヨークには回転子に向けて張出部が延伸されており、張出し部は磁極部が対向していない回転子の磁極に対向している。磁極部が対向していない回転子の磁極に張出部が補助的に作用することで、磁気効率を高めることができる。
【特許文献1】特開2002−049076号公報
【特許文献2】特開2006−246556号公報
【特許文献3】特開平10−062836号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、上記特許文献1にて提案されているものは、歯形状の外側磁極部103aは1つしかないため、マグネット101は回転時に外側磁極部103aが対向する方向にのみ引き寄せられてしまい、回転バランスが悪くロスが大きい。
【0019】
ここで、マグネットを4極に分割着磁すれば、外側磁極部を2つの歯とすることができ、回転バランスは向上するが、4極に対して2歯の外側磁極部しかないため、高出力化は難しい。
【0020】
また、駆動装置の軸方向の長さは、コイル102の長さとマグネット101の長さとステータ103の厚みで決められ、駆動装置の外径は内筒103bの外径とコイル102の半径方向の厚みと外側磁極部103aの厚みで決まる。
【0021】
そのため、コイル102の巻数を増やすには、マグネット101の長さを低くするか、外側磁極部103aの厚みを減らすか、駆動装置の長さを増すか、駆動装置の外径を大きくするしかない。ここで、マグネット101の長さを低くすると出力が下がるために限度があり、外側磁極部103aの厚みを減らすと磁気飽和が生じて出力が下がるために限度がある。
【0022】
従って、高出力でより軸方向長さの低い駆動装置とするには外径を大きくするしかなかった。また、マグネット101の内径とそれに対向する補助ステータ104との間には所定の間隔が必要であり、それを製造時に管理することはコストアップを招くものであった。
【0023】
また、ステータの形状としても円筒形状の内筒103bと外側磁極部103aが必要であり、それらを一体的に構成するのは部品製造上難しい。更に、それらを別体で製造した後に一体的に組み立てる場合は部品点数が多くなり、コストアップを招いてしまう。
【0024】
また、外側磁極部103aと補助ステータ104の距離を小さくするために、円筒形状のマグネット101の径方向の厚みを薄くすることが機械的強度の点で難しいという欠点があった。
【0025】
また、上記特許文献2にて提案されているものは、コギングトルクを調整するために、軟磁性材料からなるヨークに外側磁極部とは別にマグネットに対向する突起部を一体的に設けたものであり、突起部自体はコイルの通電により発生する磁束に影響はしない。そのため、回転角度を増やすためには有効であるが、駆動装置の大幅な出力向上は望めない。
【0026】
また、上記特許文献3にて提案されているものは、磁路を構成するヨークは2つのヨークと連結ヨークの合計3つのヨークを用いるため、部品点数が多くなりコストが高い。また、回転子の周面両側にヨークの端面が対向する構成のため、横方向(回転軸に垂直でヨークが対向する方向)の大きさが必然的に大きくなると共に、磁路の長さが長くなるため磁気効率が悪い。
【0027】
本発明の目的は、コストが安く、小型で且つ軸方向の長さが短く、高出力化することができ、安定した駆動が可能な駆動装置及び光量調節装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0028】
上記目的を達成するために、請求項1記載の駆動装置は、少なくとも周方向に4分割されて異なる極に交互に着磁される円筒形状のマグネットと、前記マグネットの内周面に固定される軟磁性材料からなるロータ軸と、前記ロータ軸の軸方向において前記マグネットに隣接して配置される第1のコイルと、前記第1のコイルにより励磁され、前記第1のコイルの内周面に挿入され、かつ、前記マグネットの外周面に対して所定の隙間を持ち、その外周面に所定の角度で対向するように配置される自由端形状からなる第1の外側磁極部と、前記ロータ軸の軸方向において前記マグネットに隣接すると共に前記第1のコイルと略同一の平面上に配置されて前記第1のコイルに接続される第2のコイルと、前記第2のコイルにより励磁され、前記第2のコイルの内周面に挿入され、かつ、前記マグネットの外周面に対して所定の隙間を持ち、その外周面に所定の角度で対向するように配置される自由端形状からなる第2の外側磁極部と、前記第1の外側磁極部と前記第2の外側磁極部とこれらを連結する底部とが一体的に形成された第1のステータと、前記第1のステータと前記ロータ軸を間に挟んで向き合って配置されると共に、前記第1の外側磁極部と前記第2の外側磁極部との間で前記マグネットの外周面に対して所定の隙間を持ち、その外周面に所定の角度で対向する少なくとも1つの自由端形状からなる第3の外側磁極部を有する第2のステータとを備え、前記マグネットの外周面における前記第1の外側磁極部が対向する極と前記第3の外側磁極部が対向する極は異なると共に、前記マグネットの外周面における前記第2の外側磁極部が対向する極と前記第3の外側磁極部が対向する極は異なることを特徴とする。
【0029】
請求項4記載の光量調節装置は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の駆動装置に連結され、光が通る開口部を有する地板と、前記マグネットの正逆回転に応じて前記開口部の面積を増減させる光量調節部材とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、コストが安く、小型で且つ軸方向の長さが短く、高出力化することができ、安定した駆動が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0032】
図1は、本発明の実施の形態に係る駆動装置の分解斜視図、図2は、図1の駆動装置のカバーを省いた組み立て完成状態図、図3は、図1の駆動装置のコイル及びロータ軸を通り、軸方向に平行な面での断面図である。また、図4は、図1の駆動装置のロータ軸を通り、軸方向に平行で図3の断面に垂直な面での断面図である。
【0033】
これらの図において、軟磁性材料から成る第1のステータ1は、自由端形状からなる第1の外側磁極部1a及び第2の外側磁極部1bと、これらを結ぶ底部1cとで構成され、一体でプレス成形可能な構造となっている。また、底部1cには穴部1dが設けられる。第1の外側磁極部1a及び第2の外側磁極部1bは、後述の軸8と平行方向でかつ同一方向に延びる櫛歯状に形成されている。
【0034】
第1のコイル2は導電線が巻回されて成り、第2のコイル3は導電線が巻回されて成り、カバー4は、第1のコイル2及び第2のコイル3が巻回されるボビン部を有する。
【0035】
第1のコイル2は、カバー4のボビン部に巻回された状態でその内周に第1の外側磁極部1aが配置されるように固定される。そして、第1のコイル2へ通電することにより、第1の外側磁極部1aが励磁される。
【0036】
同様に、第2のコイル3は、カバー4のボビン部に巻回された状態でその内周に第2の外側磁極部1bが配置されるように固定される。そして、第2のコイル3へ通電することにより、第2の外側磁極部1bが励磁される。
【0037】
上記の第1のコイル2と第2のコイル3は、第1のステータ1の底部1dの平面上に隣接して配置されるため、駆動装置の軸方向の長さを短く構成できる。また、第1のコイル2と第2のコイル3は、直列接続でかつ隣接配置されるので、コイルトータルのターン数が増えることになり、駆動装置の軸方向の長さを短く構成したまま出力向上を図ることができる。
【0038】
また、第1のコイル2と第2のコイル3は、直列かつ巻線方向が同一になるように接続されている。即ち、直列接続される第1のコイル2及び第2のコイル3へ通電すると、第1の外側磁極部1aと第2の外側磁極部1bとは同一の極に励磁される。
【0039】
第1のコイル2用と第2のコイル3用のボビンをそれぞれに別に設けることなく、1つに連結してカバーと一体化することでコストダウンを図ることができると共に、直列に配線することが容易となる。尚、第1のコイル2と第2のコイル3とを直列に接続しているが、並列接続でも差し支えない。
【0040】
定電圧で駆動する場合、並列接続では出力がアップするが消費電流が増える。直列接続では並列に比べて消費電流を抑えることが可能となる(同じコイルを使用した場合)。
【0041】
導電性の端子ピン5は、カバー4に埋め込まれ、第1のコイル2と第2のコイル3のコイル端が接続される。永久磁石から成る円筒形状のマグネット6は、外周表面を円周方向に4分割でS極、N極が交互に着磁されている。
【0042】
また、このマグネット6の内周面は、外周面に比べ弱い着磁分布を持つか、あるいは全く着磁されていないか、あるいは外周面と逆の極、即ち外周面がS極の場合はその範囲の内周面はN極に着磁されているものの何れかである。
【0043】
コア7は軟磁性材料から成り、軸8は、コア7の軸中心に圧入等により固定される軟磁性材料から成る。コア7の第1円柱部7aの外周面とマグネット6の内周面6aとが接着等により密着固定される。
【0044】
コア7と軸8とでロータ軸が形成され、ロータ軸は、軸方向に関しての位置が、コア7が第1の軸受11と第2の軸受12とにより所定の隙間をもって規制される(図3参照)。第2のコイル3は、ロータ軸の軸方向においてマグネット6に隣接すると共に第1のコイル2と略同一の平面上に配置されて第1のコイル2に接続される。
【0045】
尚、本実施の形態ではコア7と軸8は別体のものを一体に固定する構成としているが、これら2部品を一体で形成してもよい。別体で構成することで、軸8には、強度が強くて耐磨耗性の優れるSUS等の材料の使用が可能になる。また、コア7には、磁気効率のよいSUY等の軟磁性材料の使用が可能になる。
【0046】
また、一体で形成することで、部品点数削減によるコストダウンを図ることができると共に、コア7と軸8との同軸位置精度が向上する。
【0047】
コア7の第1円柱部7aにマグネット6の内周面6aが固定されることで、マグネット6の円筒形状の半径方向の厚さを非常に薄くしても強度面での心配が生じない。コア7に固定される軸8の両端はそれぞれ後述の第1の軸受11及び第2の軸受12により回転可能に支持される。
【0048】
その際、コア7の第2円柱部7bは、図3に示すように、第1のコイル2と第2のコイル3との間に隣接して配置される。また、コア7の第1円柱部7aと後述のレバー9の内周面9aとが接着等により密着固定される。即ち、コア7の第1円柱部7aには、図3に示すように、マグネット6とレバー9とが軸方向に隣接して固定される。
【0049】
レバー9は、コア7に接着等により固定され、一体で回転可能となる。レバー9にはその一端に駆動ピン9bが設けられる。
【0050】
軟磁性材料から成る第2のステータ10は、自由端形状からなる第3の外側磁極部10a及び第4の外側磁極部10bと、これらを結ぶ底部10cとで構成され、一体でプレス成形可能な構造となっている。また、底部10cには穴部が設けられる。第3の外側磁極部10a及び第4の外側磁極部10bは軸8と平行方向でかつ同一方向で第1のステータ1の外側磁極部とは逆方向に延びる櫛歯状に形成されている。
【0051】
軟磁性材料から成る第1の軸受11は、第1のステータ1の穴部1dに圧入等により固定されて、軸穴部11aが軸8の一端を回転支持する。また、軟磁性材料から成る第2の軸受12は、第2のステータ10の穴部に圧入等により固定されて、軸穴部12aが軸8の他端を回転支持する。
【0052】
第1のステータ1及び第2のステータ10はカバー4に位置決め固定される。また、図3に示すように、レバー9はカバー4に設けられる開口部から外側へと伸びている。これにより、レバー9は、マグネット6に固定された状態で出力手段として作用する。即ち、出力手段を含めた駆動装置全体の軸方向長さをより短くする構成となっている。
【0053】
第1のステータ1及び第2のステータ10は、カバー4に位置決め固定された状態で、マグネット6とコア7と軸8で構成されるロータを回転支持する。
【0054】
この状態で、マグネット6は、図3に示すように、その外周面が第1の外側磁極部1a及び第2の外側磁極部1bと所定の隙間を持つと共に、図4に示すように、その外周面が第3の外側磁極部10a及び第4の外側磁極部10bと所定の隙間を持つ。
【0055】
また、マグネット6は、第1のコイル2及び第2のコイル3と軸方向に隣接して配置されており、これら第1のコイル2と第2のコイル3とは軸方向に垂直な平面で隣接しているため、軸方向の長さの短い駆動装置とすることが可能となる。
【0056】
また、第1の外側磁極部1a及び第2の外側磁極部1bが軸8に平行な方向に延出する櫛歯状に構成されていると共に、第3の外側磁極部10a及び第4の外側磁極部10bも軸8に平行な方向に延出する櫛歯状に構成されている。このため、駆動装置の軸8に垂直な方向の最外径を最小限に抑えることができる。
【0057】
例えば、上記特許文献3のように、外側磁極部をマグネットの半径方向(軸に垂直な方向)に伸びるヨーク板で構成すると、マグネットの半径方向に隣接してコイルを配置することになる。この結果、軸方向の長さは短くても駆動装置の軸に垂直な方向の最外径は大きなものとなってしまう。
【0058】
これに対し、本実施の形態の駆動装置の軸に垂直な方向の最外径は、マグネット6に、第1の外側磁極部1a及び第2の外側磁極部1bの厚みと、第1のコイル2及び第2のコイル3の巻き線幅でほぼ決まる(図3参照)。
【0059】
また、第1のステ−タ1は、第1の外側磁極部1aと第2の外側磁極部1bが底部1cと一体的に構成されている。このため、第1の外側磁極部1aと第2の外側磁極部1bとの相互誤差が少なくなる。
【0060】
また、第2のステ−タ10は、第3の外側磁極部10aと第4の外側磁極部10bが底部10cと一体的に構成されている。このため、このため、第3の外側磁極部10aと第4の外側磁極部10bとの相互誤差が少なくなる。よって、組み立てによる駆動装置の性能のばらつきを最小限に抑えることができる。
【0061】
更に、第1の外側磁極部1a及び第2の外側磁極部1bが軸8に平行な方向に延出する櫛歯状に構成されていると共に、第3の外側磁極部10a及び第4の外側磁極部10bも軸8に平行な方向に延出する櫛歯状に構成されている。
【0062】
そのため、カバー4に巻回される第1のコイル2及び第2のコイル3から成るコイルユニット、及びマグネット6とコア7と軸8から成るロータをすべて一方向(図1の上方向から下方向へ)から組み込むことが可能となり、組み立て作業性がよい。
【0063】
第1の外側磁極部1a及び第2の外側磁極部1bがマグネット6に対向する位相と第3の外側磁極部10a及び第4の外側磁極部10bがマグネット6に対向する位相とはマグネットの着磁極数をnとすると、約360/n度ずれている。本実施の形態ではn=4なので90度ずれている。
【0064】
これは、第1の外側磁極部1a及び第2の外側磁極部1bが例えばN極に対向している時、第3の外側磁極部10a及び第4の外側磁極部10bはS極に対向することになる。
【0065】
第1の外側磁極部1aと第2の外側磁極部1bは、マグネット6の外周面に所定の隙間をもって対向して配置される。
【0066】
そして、第1円柱部7aの第1の外側磁極部1aに対向する部分と第2円柱部7bの第1のコイル2の外周に隣接する部分と軸8と第1の軸受11とで第1の内側磁極部が形成される。
【0067】
同様に、第1円柱部7aの第2の外側磁極部1bに対向する部分と第2円柱部7bの第2のコイル3の外周に隣接する部分と軸8と第2の軸受12とで第2の内側磁極部が形成される。
【0068】
そして、第1のコイル2へ通電することにより、第1の外側磁極部1aと第1の内側磁極部が励磁され、その磁極間にはマグネット6を横切る磁束が発生し、効果的にマグネット6に作用する。その際、第1の外側磁極部1aと第1の内側磁極部はそれぞれ反対の極に励磁される。
【0069】
同様に、第2のコイル3へ通電することにより、第2の外側磁極部1bと第2の内側磁極部が励磁され、その磁極間にはマグネット6を横切る磁束が発生し、効果的にマグネット6に作用する。その際、第2の外側磁極部1bと第2の内側磁極部はそれぞれ反対の極に励磁される。
【0070】
この、第1の外側磁極部1aからマグネット6を通過して第1の内側磁極部を通る磁気回路を第1の磁気回路、及び第2の外側磁極部1bからマグネット6を通過して第2の内側磁極部を通る磁気回路を第2の磁気回路とする。
【0071】
第2のステータ10は、第2の軸受12、コア7及び軸8、第1の軸受11を介して第1のステータ1と磁気的に連結されている。また、第1の外側磁極部1aと第3の外側磁極部10a及び第4の外側磁極部10bは隣接して配置される。また、第2の外側磁極部1bと第3の外側磁極部10a及び第4の外側磁極部10bは隣接して配置される(後述する図5参照)。
【0072】
これにより、第1のコイル3へ通電することにより、第1の外側磁極部1aと第3の外側磁極部10a及び第4の外側磁極部10bは夫々反対の極に励磁され、第1の外側磁極部1aから出た磁束は第3の外側磁極部10a及び第4の外側磁極部10bへと向かう。
【0073】
また、第2のコイル4へ通電することにより、第2の外側磁極部1bと第3の外側磁極部10a及び第4の外側磁極部10bは夫々反対の極に励磁され、第2の外側磁極部1bから出た磁束は第3の外側磁極部10a及び第4の外側磁極部10bへと向かう。
【0074】
この、第1の外側磁極部1aから第3の外側磁極部10a及び第4の外側磁極部10bへと空気中を通過した後、第2の軸受12、コア7及び軸8、第1の軸受11を通る磁気回路を第3の磁気回路とする。
【0075】
また、第2の外側磁極部1bから第3の外側磁極部10a及び第4の外側磁極部10bへと空気中を通過した後、第2の軸受12、コア7及び軸8、第1の軸受11を通る磁気回路を第4の磁気回路とする。
【0076】
尚、第1のコイル2と第2のコイル3とは直列かつ巻線方向が同一になるように接続されているため、第1の外側磁極部1aと第2の外側磁極部1bは同時にかつ同一の極に励磁される。また、第3の外側磁極部10a及び第4の外側磁極部10bも同時に第1の外側磁極部1a及び第2の外側磁極部1bとは異なる極に励磁される。
【0077】
マグネット6は、前述したように円筒形状の半径方向の厚さを非常に薄くすることができると共に、マグネット6の内周面に対向して内側磁極部を成す第1円柱部7aとマグネット6の内周面との間に空隙を設ける必要がない。
【0078】
そのため、第1の外側磁極部1aと第1円柱部7aとの距離及び第2の外側磁極部1bと第1円柱部7aとの距離を非常に小さくすることができる。よって、第1の磁気回路及び第2の磁気回路の磁気抵抗を小さくすることができ、駆動装置の出力を高めることができる。
【0079】
また、図3に示すように、マグネット6はその内径部がコア7によって埋められているので、上記特許文献1で提案されているものに比べ、マグネットの機械的強度が大きくなる。
【0080】
また、コア7は、マグネット6の内径部に現れるS極、N極との間の磁気抵抗を小さくする、いわゆるバックメタルとして作用するので、磁気回路のパーミアンス係数は高く設定されることになり、高温下の環境で使用されても減磁による磁気的劣化も少ない。
【0081】
更に、上記特許文献1で提案されているものは、マグネットの外径部と外側磁極部の隙間を精度よく保って組み立てる必要がある他に、マグネットの内径部に対向する位置にある内側磁極部をマグネットに対して所定の隙間を設けて配置する必要がある。
【0082】
このため、部品精度のばらつきや組み立て精度が悪い場合にこの隙間を確保できず、内側磁極部がマグネットに接触してしまうなどの不良が生じる可能性が高い。
【0083】
これに対し本実施の形態では、マグネット6の外径部側のみの隙間を管理するだけでよいので、組み立てが容易になる。
【0084】
また、上記特許文献1では、内側磁極部はマグネットと軸をつなぐ部分に接触しないように構成しなければならず、これにより内側磁極部とマグネットとが対向する軸方向の長さを十分に長くすることができない。
【0085】
これに対し本実施の形態では、コア7が内側磁極部を兼ねているので、内側磁極部とマグネット6とが対向する軸方向の長さを十分長く確保できる。これにより、第1の外側磁極部1a及び第2の外側磁極部1bとマグネット6を有効に利用することが可能となり、駆動装置の出力を高めることができる。
【0086】
以上のように、本実施の形態における駆動装置は、第1のステータ1の他に第2のステータ10を設けたことで、上記4つの磁気回路が構成されるため、少ない電流で多くの磁束を発生させることができる。その結果、駆動装置の出力アップ、低消費電力化、コイルの小型化を達成することができる。
【0087】
図5は、マグネット6と第1の外側磁極部1a、第2の外側磁極部1b、第3の外側磁極部10a、及び第4の外側磁極部10bの位置関係を示す上面図であり、図1乃至図4で示した駆動装置から判りやすいようにカバー4とレバー9を省略している。
【0088】
図5から判るように、マグネット6は外周表面を円周方向に4分割してS極、N極に交互に着磁された着磁部が形成されている。
【0089】
ここで、マグネット6と第1の外側磁極部1a、第2の外側磁極部1b、第3の外側磁極部10a、及び第4の外側磁極部10bとの位置関係について説明する。
【0090】
第1の外側磁極部1aと第2の外側磁極部1bとは、マグネット6の回転中心を基準に考えると180度位相がずれた位置に配置されている。
【0091】
よって、第1の外側磁極部1aの中心がマグネット6のN極の中心に対向している時には、第2の外側磁極部1bの中心もマグネット6のN極の中心に対向する。また、第1の外側磁極部1aの中心がマグネット6のS極の中心に対向している時には、第2の外側磁極部1bの中心もマグネット6のS極の中心に対向する。
【0092】
また、第3の外側磁極部10a及び第4の外側磁極部10bは、第1の外側磁極部1a及び第2の外側磁極部1bとはマグネット6の回転中心を基準に考えると90度位相がずれた位置に配置されている。
【0093】
よって、第1の外側磁極部1aの中心及び第2の外側磁極部1bの中心がマグネット6のN極の中心に対向している時は、第3の外側磁極部10aの中心及び第4の外側磁極部10bの中心はマグネット6のS極の中心に対向する。
【0094】
また、第1の外側磁極部1aの中心及び第2の外側磁極部1bの中心がマグネット6のS極の中心に対向している時は、第3の外側磁極部10aの中心及び第4の外側磁極部10bの中心はマグネット6のN極の中心に対向する。
【0095】
また、第1のコイル2と第2のコイル3とは巻線方向が同一であると共に、直列に配線されている。
【0096】
よって、第1のコイル2及び第2のコイル3に通電することで、第1の外側磁極部1aと第2の外側磁極部1bは同一の極に励磁される。また、第3の外側磁極部10aと第4の外側磁極部10bは共に、第1の外側磁極部1a及び第2の外側磁極部1bとは異なる極に励磁される。
【0097】
即ち、第1のコイル2及び第2のコイル3への通電により発生する磁力は、共にマグネット6を同一方向に回転させる力となる。上記特許文献1の駆動装置では、外側磁極部はマグネットの着磁極数の1/2(特許文献1の実施例ではマグネットは2極で外側磁極部は1つ)となるために回転バランスの悪いものであった。
【0098】
しかし、本実施の形態の駆動装置は、マグネット6が4極でかつ、外側磁極部を4つに構成でき、回転バランスがよく、高出力なものとなる。
【0099】
次に、図5及び図6を参照して、本発明の実施の形態に係る駆動装置の動作について説明する。
【0100】
図5は、第1のコイル2及び第2のコイル3に通電して、N極、S極が以下の状態になるように励磁している駆動装置の状態である。具体的には、第1の外側磁極部1aをS極とし、第1の内側磁極部をN極とし、第2の外側磁極部1bをS極とし、第2の内側磁極部をN極とし、第3の外側磁極部10aをN極とし、第4の外側磁極部10bをN極とする。
【0101】
マグネット6は、一体で回転するレバー9の駆動ピン9bが後述の地板13の長穴13bの一端に当接して図5の状態で回転が止められる。この状態で、マグネット6は、第1のコイル2及び第2のコイル3への通電中は第1の外側磁極部1aの中心とマグネット6の着磁部の中心(N極の中心)が一致するように図中時計方向の回転力が発生する。また、第2の外側磁極部1bの中心とマグネット6の着磁部の中心(N極の中心)が一致するように図中時計方向の回転力が発生する。
【0102】
また、第3の外側磁極部10aの中心とマグネット6の着磁部の中心(S極の中心)が一致するように図中時計方向の回転力が発生する。更に、第4の外側磁極部10bの中心とマグネット6の着磁部の中心(S極の中心)が一致するように図中時計方向の回転力が発生している。
【0103】
また、第1のコイル2及び第2のコイル3への通電を止めた時には、マグネット6は第1の外側磁極部1a、第2の外側磁極部1b、第3の外側磁極部10a及び第4の外側磁極部10bに発生するコギング力によりこの位置に保持される。
【0104】
図5の状態から第1のコイル2及び第2のコイル3への通電方向を反転して、以下のように励磁すると、マグネット6は反時計方向に回転する。即ち、第1の外側磁極部1aをN極とし、第1の内側磁極部をS極とし、第2の外側磁極部1bをN極とし、第2の内側磁極部をS極とし、第3の外側磁極部10aをS極とし、第4の外側磁極部10bをS極とする。
【0105】
マグネット6は一体で回転するレバー9の駆動ピン9bが後述の地板13の長穴13bの他端に当接して図6の状態で回転が止められる。
【0106】
この状態で、マグネット6は第1のコイル2及び第2のコイル3への通電中は第1の外側磁極部1aの中心とマグネット6の着磁部の中心(S極の中心)が一致するように図中反時計方向の回転力が発生する。
【0107】
また、第2の外側磁極部1bの中心とマグネット6の着磁部の中心(S極の中心)が一致するように、図中半時計方向の回転力が発生する。また、第3の外側磁極部10aの中心とマグネット6の着磁部の中心(N極の中心)が一致するように、図中半時計方向の回転力が発生する。更に、第4の外側磁極部10bの中心とマグネット6の着磁部の中心(N極の中心)が一致するように、図中半時計方向の回転力が発生している。
【0108】
また、第1のコイル2及び第2のコイル3への通電を止めた時には、マグネット6は第1の外側磁極部1a、第2の外側磁極部1b、第3の外側磁極部10a及び第4の外側磁極部10bに発生するコギング力によりこの位置に保持される。
【0109】
上記のようにして、第1のコイル2及び第2のコイル3への通電方向を切り換えることにより、マグネット6はレバー9と共にストッパー(地板13の長穴13b)で決められた範囲を往復回転することになる。
【0110】
図7は、図1の駆動装置Mを用いたシャッタ装置の分解斜視図である。
【0111】
図7において、中央に開口部13aが形成された地板13に駆動装置Mが接着等により取り付けられる。その際、駆動装置Mにおけるレバー9の駆動ピン9bは地板13に設けられる長穴13bに挿入される。
【0112】
マグネット6は、レバー9の駆動ピン9bが長穴13bの一端に当接する位置から他端に当接する位置まで回転可能となる。また、地板13には駆動ピン9bと同一方向に突出する突起13c及び13dが一体で形成される。
【0113】
羽根14の丸穴14aが地板13の突起13dに回転可能に嵌合し、羽根14の長穴14bがレバー9の駆動ピン9bに摺動可能に嵌合する。また、羽根15の丸穴15aが地板13の突起13cに回転可能に嵌合し、羽根15の長穴15bがレバー9の駆動ピン9bに摺動可能に嵌合する。
【0114】
中央に開口部16aが形成された羽根押え16は、羽根14及び羽根15を所定の隙間をもって間に挟んで地板13に固定され、羽根14及び羽根15の軸方向の受けとなる。
【0115】
マグネット6の回転により羽根14は長穴14bがレバー9の駆動ピン9bに押されて丸穴14aを中心に回転し、羽根15は長穴15bがレバー9の駆動ピン9bに押されて丸穴15aを中心に回転する。これにより、地板13の開口部13aの通過光量を制御するよう構成されている。
【0116】
駆動装置Mは、軸方向の長さが短いので、他のレンズや構造物に対して邪魔にならない光軸方向に出っ張りの少ないシャッタ装置とすることができる。また、小型でありながら高出力であるため、シャッタスピードの高速化を図ることができる。
【0117】
上記実施の形態においては、駆動装置Mは、シャッタ羽根を駆動するためのアクチュエータとして用いた。しかし、他の用途、例えば、絞り装置や、レンズ駆動のためのカム筒等を2位置に回動させる等にも使用可能であり、高出力で外径が小さく且つ軸方向の長さも短いという利点を持った駆動装置として有用なものとなる。
【0118】
例えば、レバー9の駆動ピン9bが光軸を中心に回動可能な不図示のカム筒に連結しており、以下のような構成においても有用なものとなる。
【0119】
即ち、レバー9が回動することでカム筒が回動し、カム筒には光軸方向に2箇所の高さの異なる部分を備えたカム部が設けられ、カム部に嵌合する不図示のレンズが固定されたレンズホルダーが、カム筒が回動することで光軸方向に移動する構成である。
【0120】
ここで、上記実施の形態における効果について、以下に改めてまとめて列挙する。
1)マグネット6の内周面に固定されたコア7及び軸8を内側磁極部と呼ぶとすると、第1のコイル2により発生する磁束はマグネット6の外周面に対向する第1の外側磁極部1aと内側磁極部との間を通過する。
【0121】
従って、磁束は効果的にマグネット6に作用し、同様に、第2のコイル3により発生する磁束はマグネット6の外周面に対向する第2の外側磁極部1bと内側磁極部との間を通過するので、効果的にマグネット6に作用する。
【0122】
その結果、駆動装置の出力向上を図ることが可能となる。更に、第1のコイル2及び第2のコイル3により発生する磁束は第3の外側磁極部10a及び第4の外側磁極部10bにも作用する。この結果、特許文献2にて提案されている駆動装置と比較して駆動装置の大幅な出力向上につながる。
2)マグネット4極に対して磁極部も4歯で構成されるので、特許文献1にて提案されている駆動装置と比較して回転バランスがよい。
3)第1のコイル2の通電により発生する磁束と第2のコイル3の通電により発生する磁束とが同時にマグネット6に作用するので、1つのコイルの巻数を増やすことなく駆動装置トータルとして倍の巻数が得られる。そのため、外径を大きくすることなく軸方向長さを小型化したまま、高出力な駆動装置を提供できる。
4)第1の外側磁極部1a及び第2の外側磁極部1bを、ロータ軸の軸方向でかつ同一方向に延出した櫛歯状に形成したことにより、上記従来の特許文献3の構成の駆動機構に比べて、軸方向に垂直な方向の寸法を小型化できる。また、コイルの組み付けが簡単な構造となる。
5)第1のコイル2と第2のコイル3を直列に配線する構成にし、あるいは、第1のコイル2と第2のコイル3を並列に配線する構成にすることにより、第1のコイル2及び第2のコイル3に通電するための回路が1つで済み、コストダウンを図ることができる。
【0123】
以上から明らかなように、小型でかつ軸方向の長さが短く、低コストで高出力な回転バランスのよい駆動装置を提供することができる。また、駆動装置をシャッタ装置等の光量調節装置やレンズ駆動装置に用いることにより、小型化、低コスト化を達成しつつ、シャッタ羽根やレンズ鏡筒などの作動速度を高速化することができる。
【0124】
上記実施の形態において、図3乃至図6のコア7及び軸8が本発明のロータ軸に相当し、図7の第1の羽根14及び第2の羽根15が本発明の光量調節部材に相当する。光量調節部材は、光が通る開口部を有する地板と、マグネット6の正逆回転に応じて地板13の開口部(長穴13b)の面積を増減させる。
【0125】
本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、請求項で示した機能、または実施の形態が持つ機能が達成できる構成であればどのようなものであってもよいことは言うまでもない。
【0126】
例えば、本実施の形態では、第2のステータ10は、第3の外側磁極部10aと第4の外側磁極部10bを備える構成としたが、第3の外側磁極部10bのみ備える構成としてもよい。その場合、2つの外側磁極部を備えるものより多少出力は落ちるが、駆動装置の幅方向(図5の上下方向)の寸法をより小型化することが可能となる。
【0127】
また、本実施の形態ではマグネット6の着磁極数を4極としたが、6極以上の場合は第1の外側磁極部1aと第2の外側磁極部1bとの間で第1の外側磁極部1aと第2の外側磁極部1bが対向していないマグネット6の外周面上の極の数が増える。そのため、第2のステータ10の外側磁極部は第1の外側磁極部1aの両側及び第2の外側磁極部1bの両側の4つを備える構成とするのが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0128】
本発明は、所定の範囲内で往復駆動される駆動装置の駆動トルクを大きくすることが望まれる各種の装置への適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】本発明の実施の形態に係る駆動装置の分解斜視図である。
【図2】図1の駆動装置のカバーを省いた組み立て完成状態図である。
【図3】図1の駆動装置のロータ軸を中心にロータ軸方向に平行でコイルを通る面での縦断面図である。
【図4】図1の駆動装置のロータ軸を中心にロータ軸方向に垂直で図3の断面に垂直な面での縦断面図である。
【図5】図1の駆動装置のマグネットと外側磁極部との位相関係を示すロータ軸方向に垂直でマグネットを通る面での断面図である。
【図6】図5の状態からコイル通電を切り換えてマグネットを回転させた状態を示す上面図である。
【図7】図1の駆動装置を用いたシャッタ装置の分解斜視図である。
【図8】従来の駆動装置の一構成例を示す分解斜視図である。
【図9】図8に示す駆動装置のロータ軸方向に平行な面での断面図である。
【符号の説明】
【0130】
1 第1のステータ
1a 第1の外側磁極部
1b 第2の外側磁極部
2 第1のコイル
3 第2のコイル
4 カバー
5 端子ピン
6 マグネット
7 コア
8 軸
9 レバー
10 第2のステータ
10a 第3の外側磁極部
10b 第4の外側磁極部
11 第1の軸受
12 第2の軸受

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも周方向に4分割されて異なる極に交互に着磁される円筒形状のマグネットと、
前記マグネットの内周面に固定される軟磁性材料からなるロータ軸と、
前記ロータ軸の軸方向において前記マグネットに隣接して配置される第1のコイルと、
前記第1のコイルにより励磁され、前記第1のコイルの内周面に挿入され、かつ、前記マグネットの外周面に対して所定の隙間を持ち、その外周面に所定の角度で対向するように配置される自由端形状からなる第1の外側磁極部と、
前記ロータ軸の軸方向において前記マグネットに隣接すると共に前記第1のコイルと略同一の平面上に配置されて前記第1のコイルに接続される第2のコイルと、
前記第2のコイルにより励磁され、前記第2のコイルの内周面に挿入され、かつ、前記マグネットの外周面に対して所定の隙間を持ち、その外周面に所定の角度で対向するように配置される自由端形状からなる第2の外側磁極部と、
前記第1の外側磁極部と前記第2の外側磁極部とこれらを連結する底部とが一体的に形成された第1のステータと、
前記第1のステータと前記ロータ軸を間に挟んで向き合って配置されると共に、前記第1の外側磁極部と前記第2の外側磁極部との間で前記マグネットの外周面に対して所定の隙間を持ち、その外周面に所定の角度で対向する少なくとも1つの自由端形状からなる第3の外側磁極部を有する第2のステータとを備え、
前記マグネットの外周面における前記第1の外側磁極部が対向する極と前記第3の外側磁極部が対向する極は異なると共に、前記マグネットの外周面における前記第2の外側磁極部が対向する極と前記第3の外側磁極部が対向する極は異なることを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
前記第1のコイルと前記第2のコイルの接続は直列接続であることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
【請求項3】
前記第1のコイルと前記第2のコイルの接続は並列接続であることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の駆動装置に連結され、光が通る開口部を有する地板と、前記マグネットの正逆回転に応じて前記開口部の面積を増減させる光量調節部材とを備えることを特徴とする光量調節装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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