駐車場における車探し支援装置
【課題】 任意の空駐車スペースへの駐車ができ、駐車場に戻ったときに車探しを迅速正確に行うことができ、駐車場の運営効率、利用効率の向上を図れる駐車場における車探し支援装置を提供する。利用者に対して商業情報や防災情報などを提供して便宜を図る。
【解決手段】 駐車ゾーン番号を含む駐車ゾーン配置図を表示する手段と、表示された駐車ゾーン番号の中から一つの駐車ゾーン番号を選択して入力する手段と、発券要求を入力する手段と、駐車ゾーン配置図データ、所定の印刷データ及び所定の制御を行うためのプログラムを記憶する手段と、駐車ゾーン記録券を印刷発行する手段と、前記表示手段に駐車ゾーン配置図を表示させ、発券要求入力に基づき、入力された駐車ゾーン番号と前記記憶手段から読み出した駐車ゾーン配置図データに基づいて印刷データを編集し、その印刷データとカレンダーデータに基づいて前記印刷手段に駐車ゾーン配置図、駐車ゾーン番号及び発行時刻を記録した駐車ゾーン記録券を印刷発行させる制御手段とを有する。
【解決手段】 駐車ゾーン番号を含む駐車ゾーン配置図を表示する手段と、表示された駐車ゾーン番号の中から一つの駐車ゾーン番号を選択して入力する手段と、発券要求を入力する手段と、駐車ゾーン配置図データ、所定の印刷データ及び所定の制御を行うためのプログラムを記憶する手段と、駐車ゾーン記録券を印刷発行する手段と、前記表示手段に駐車ゾーン配置図を表示させ、発券要求入力に基づき、入力された駐車ゾーン番号と前記記憶手段から読み出した駐車ゾーン配置図データに基づいて印刷データを編集し、その印刷データとカレンダーデータに基づいて前記印刷手段に駐車ゾーン配置図、駐車ゾーン番号及び発行時刻を記録した駐車ゾーン記録券を印刷発行させる制御手段とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場に戻ってきた時に自分の車を探すのを支援する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
駐車場には、入場時に駐車位置を指定するものと、指定しないものとがある。
駐車位置を指定する駐車場が有料駐車場である場合は、入場時に当該車両に対して駐車管理のために発行する駐車券に、入場時刻のほかに駐車位置番号が印字される。駐車位置を指定する駐車場が無料駐車場である場合は、入場時に当該車両に対して駐車位置を指定するための番号のみを印字した駐車位置指定券が発行される。そして、入場した車両(のドライバー)はその駐車券又は駐車位置指定券により指定されている駐車位置に駐車する。また、その駐車券は駐車場に戻ったドライバーによる駐車位置探索のためと精算機による駐車料金精算のために用いられ、駐車位置指定券は、駐車場に戻ったドライバーによる駐車位置探索のために用いられる。
【0003】
駐車位置を指定しない有料駐車場においては、入場時に発行される駐車券には駐車位置番号が印字されておらず、駐車場内の任意の位置に駐車することができる。また、駐車位置を指定しない無料駐車場においては、入場時に駐車位置指定券を受け取ることなく、駐車場内の任意の位置に駐車することができる。
【特許文献1】特になし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
駐車場に駐車し、用事を済ませた後、駐車した車に戻ろうとするときには、駐車位置番号が印字された駐車券又は駐車位置指定券を所持している場合は、その券面に記録されている駐車位置番号から自分の駐車位置がわかるので、容易に自分の車まで戻ることができる。しかし、反面、駐車券又は駐車位置指定券により指定された駐車位置は、ドライバーにとっては止めにくい場所であったり、行き先又はその方向から遠く不便な場所であったりする場合があるため、ドライバーの判断で指定位置とは異なる駐車スペースに駐車することが少なくない。このような指定位置以外の駐車スペースへの駐車は、後続車の指定位置への駐車を妨げるので、混乱やトラブルを引き起こす要因にもなっていた。
すなわち、ドライバーは必ずしも指定された通りに駐車しないものであり、また、止めたい位置に空きスペースがあるにも関わらず意に反する位置を指定されることは、駐車位置選択の自由が束縛されるため、駐車場利用について不満を感じることがあった。これは当該駐車場に対してマイナスイメージを抱かせる原因になる。
また、指定された位置に駐車しない車と後続車とのトラブルの防止又は処理のために、駐車場管理人の配備を必要とするため、駐車場運営の無人化ができないでおり、駐車場管理効率ないし駐車場利用効率の向上の面からも、改善が求められていた。さらに、駐車場内の利用者間トラブルは、駐車場のイメージダウンにつながり、利用顧客数の増大策に対するマイナス要因となる。
【0005】
駐車位置番号が印字された駐車券や駐車位置指定券を発行しない駐車場においては、自分の止めた車に戻ろうとするときは、自分の記憶を頼りとして駐車位置方向に戻り、車を探すことになるが、記憶が不確かであったり駐車位置を失念したりした場合は、車探しに手間がかかり、その精神的煩わしさに加え、時間が浪費されるという問題があった。とくに、郊外のショッピングセンターなどの大型平面駐車場や、都会の百貨店ビル等の中に設置された立体駐車場においては、多くのドライバーが上記のような駐車位置帰還の際の精神的負担や時間浪費の苦々しい経験を有しており、その解決が待望されていた。
【0006】
本発明は、上記待望に応えるためになされたものである。すなわち、本発明の第一の課題は、ドライバーにとっては駐車場の空いている任意の駐車スペースへの駐車ができるとともに、駐車場に戻ったときに車探しを迅速正確に行うことができ、もって、駐車場の運営効率及び利用効率の向上を図ることができる駐車場における車探し支援装置を提供することにある。
また、本発明は、駐車場利用者に対して商業情報や防災情報などを提供して便宜を図るとともに、情報取得者による上記車探し支援装置の利用率を向上させ、もって、駐車場の運営効率及び利用効率の一層の向上を図ることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記第一の課題を解決するため、駐車場の各駐車ゾーンに対応する駐車ゾーン番号を含む駐車ゾーン配置図を表示する表示手段と、その表示手段に表示された駐車ゾーン配置図の中から一つの駐車ゾーン番号を選択してその駐車ゾーン番号を入力する駐車ゾーン番号入力手段と、発券要求を入力するための発券要求入力手段と、前記駐車ゾーン配置図に対応する駐車ゾーン配置図データ、所定の印刷データ及び所定の制御を行うためのプログラムを記憶する記憶手段と、駐車ゾーン配置図及び駐車ゾーン番号を記録した駐車ゾーン記録券を印刷発行する印刷手段と、前記プログラムの実行により前記表示手段に前記駐車ゾーン配置図を表示させ、前記発券要求入力手段からの発券要求入力に基づき、前記駐車ゾーン番号入力手段から入力された駐車ゾーン番号と前記記憶手段から読み出した駐車ゾーン配置図データに基づいて印刷データを編集し、その印刷データとカレンダーデータに基づいて前記印刷手段に所定の駐車ゾーン配置図、駐車ゾーン番号及び発行時刻を記録した駐車ゾーン記録券を印刷発行させる制御手段とを有する車探し支援装置であることを特徴としている(請求項1)。ここで、駐車ゾーンとは、ドライバーが自分の車を探し出し易いように、数台〜10台分程度の駐車スペースで構成される1区画のエリアである。
【0008】
上記構成により、表示手段には駐車ゾーン配置図が表示される。駐車ゾーン番号入力手段においては、表示手段に表示された駐車ゾーンの中から自分が駐車した駐車ゾーンの番号を入力し、発券要求を入力することができる。駐車ゾーン番号の入力及び発券要求の入力をすると、制御手段は、入力された駐車ゾーン番号と記憶手段から読み出した駐車ゾーン配置図データなどに基づいて印刷データを編集し、その印刷データに基づいて印刷手段に所定の駐車ゾーン配置図、駐車ゾーン番号及び発行時刻を記録した駐車ゾーン記録券を印刷し発行させる。従って、駐車ゾーン記録券を受け取った人は、用事を済ませて駐車場に戻ってきた時に、その駐車ゾーン記録券を見て、容易、迅速かつ正確に自分の車を探し出すことができる。
【0009】
本発明においては、上記駐車場における車探し支援装置に、検索要求をするための検索要求入力手段を付加し、制御手段は、平常時は車探し支援モードを実行して発券要求入力手段と前記検索要求入力手段のいずれからも入力可能にするとともに、表示手段に駐車ゾーン配置図を表示させて駐車ゾーン番号発券要求入力手段からの入力を待機し、発券要求入力に基づき駐車ゾーン記録券を発行するたびにその発行時刻と駐車ゾーン番号との組み合わせを駐車データとして記憶手段に蓄積させ、前記検索要求入力手段から検索要求が入力された場合は、前記車探し支援モードから検索モードに切り換え、駐車ゾーン記録券の発行時刻が入力されたことに基づき、前記蓄積された駐車データの中からその発行時刻の前後一定時間内に含まれる発行時刻を含む駐車データを検索し、その検索により得られた駐車データごとに順次その駐車データに含まれる発行時刻と駐車ゾーン番号を駐車ゾーン配置図とともに表示手段に表示させ、あるいは、前記検索により得られた駐車データの全て又はその一部を表示手段に表示させ、かつその表示された駐車データの中から選択された駐車データを駐車ゾーン配置図とともに前記表示手段に表示させ、発券要求が入力された場合に、その駐車ゾーン配置図、駐車ゾーン番号及び発行時刻を記録した駐車ゾーン記録券を印刷発行させることが望ましい(請求項2)。
【0010】
上記構成により、平常時は、車探し支援モードで表示手段に駐車ゾーン配置図を表示して駐車ゾーン番号の入力を待機する。従って、駐車場を離れる時は、ドライバーは自分の車を止めた駐車ゾーンの番号を入力し、発券要求を入力することにより、駐車ゾーン配置図及び駐車ゾーン番号を記録した駐車ゾーン記録券を受け取ることができる。そのドライバーが駐車場に戻ってくるまでの間に万一駐車ゾーン記録券をなくした場合は、検索要求入力手段を操作して検索要求をすると、車探し支援モードから検索モードに切り替わり駐車ゾーン記録券の発行時刻の入力を促し、その発行時刻が入力されたことに基づき、その発行時刻の前後一定時間内に記録された駐車データに含まれる発行時刻と駐車ゾーン番号が表示手段に表示される。ドライバーがその中から該当すると思う駐車データを選択すると、表示手段に発行時刻と駐車ゾーン番号が駐車ゾーン配置図とともに表示される。その後、発券要求を入力すると、その駐車ゾーン配置図及び駐車ゾーン番号を記録した駐車ゾーン記録券が発行される。
【0011】
本発明は、また、ホストコンピュータとの間でデータの授受を行う通信制御部を付加するとともに、前記通信制御部を介して前記ホストコンピュータから受信する商業情報又は防災情報などを記憶手段に格納し、人の要求を検出した時待機状態から車探し支援モードに切り替えるモード切替手段を付加し、前記待機状態においては、前記商業情報又は防災情報などを音声情報案内するとともに、表示手段に表示するようにしたことを特徴としている。(請求項3)
【0012】
上記の構成により、車探し支援装置には、待機状態において駐車場利用者のために商業情報や防災情報などが表示されるとともに、駐車場から離れる際に自分の車の駐車ゾーンの失念の防止を望む人は、モード切替手段を操作して、待機状態から車探し支援モードに切り替えて、駐車ゾーン記録券を発行させることができる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、駐車位置の失念防止を望む人、又は駐車位置への帰還を迅速正確に行いたい人が、駐車場から離れるときに、この車探し支援装置を利用して駐車ゾーン記録券の発行を受けることにより、用事を済ませて駐車場に戻ってきた時に、その駐車ゾーン記録券を見て、容易、迅速かつ正確に自分の車を探し出すことができる。従って、入場時は任意の位置に駐車ができて利便性に優れているとともに、駐車場帰還時は車探しに時間を浪費すること無く、円滑に駐車場から出ることができる。従ってまた、駐車場の運営効率の向上及び利用効率の向上に資する。
【0014】
請求項2の発明によれば、駐車ゾーン記録券の発行を受けたドライバーが駐車場に戻ってくるまでの間にその駐車ゾーン記録券をなくした場合は、検索要求入力手段を操作することにより、駐車場を離れた時刻(正確には発行時刻)の前後一定時間内に記録された発行時刻と駐車ゾーン番号が駐車ゾーン配置図とともに表示手段にドライバーの操作に基づき順次表示され、あるいは、駐車場を離れた時刻の前後一定時間内に記録された発行時刻と駐車ゾーン番号が表示手段に表示され、ドライバーがその中から該当すると思うものを選択すると、駐車ゾーン配置図とともに表示手段に表示され、発券要求を入力すると、その駐車ゾーン配置図及び駐車ゾーン番号を記録した駐車ゾーン記録券が発行されるので、駐車ゾーン記録券をなくした場合でも、探すための時間を浪費することなく、正確に自分の車に戻ることができる。従って、この発明においては、駐車ゾーン記録券をなくした場合でも、駐車場の運営効率の向上及び利用効率の向上の効果が維持される。
【0015】
請求項3の発明によれば、駐車場利用者は隣接又は近隣の事業体又は施設などのセール、イベント等に関する商業情報や防災情報などを得ることができるので、利用者に一層便利であるとともに、車探し支援装置の利用促進効果が得られ、また、車探し支援装置自体の利用率向上が期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る車探し支援装置の斜視図、図2は本発明に係る車探し支援装置の立体駐車場における配置例を示す平面図、図3は同じく大型平面駐車場における配置例を示す平面図、、図4は本発明装置の主要構成要素を示すブロック図、図5は車探し支援装置の画像表示部及び表示内容の一例を示す正面図、図6は記憶部の構成及び記憶内容を説明する図、図7は本発明装置の動作流れを示すフローチャート、図8は駐車ゾーン記録券の券面印刷内容の一例を示す平面図、図9は検索モードの場合の画像表示部の表示内容の一例を示す正面図、図10は検索結果表示画面の一例を示す画像表示部の正面図、図11は図7の検索モードの別の処理例を示すフローチャート、図12は駐車券を用いる有料駐車場において本発明に係る車探し支援装置を用いる場合の駐車時の概括的動作流れを示すフローチャート、図13は同じく出車時の概括的動作流れを示すフローチャートである。
【0017】
図1に示すように、車探し支援装置1は、地面又は床面に立設される筐体10を有し、好ましくは、その筐体10の上面の背後側から正面上方に延出する日除け兼雨除け2を備えている。筐体10の正面側に、画像表示部の一例としての液晶ディスプレイ11と、その液晶ディスプレイ11の表示面に設けられた入力部の一例としてのタッチパネル12を有している。タッチパネル12は、透明樹脂シートの中に透明電極を有するスイッチング素子をマトリックス状に配置された周知のものであり、液晶ディスプレイ11の表面に接合され、車のドライバーが起立姿勢で、また、車椅子使用者が表示内容視認とタッチパネルからの入力操作がしやすい高さに設けられている。
【0018】
車探し支援装置1は、収容台数が数十台以上の駐車場の中の利用者出入口付近に設置される。図2は、一例として立体駐車場の収容台数が13ゾーン、108台の4階駐車場のイメージ図であり、この駐車場は車両入口にカーゲートと駐車券発行機を備え、車両出口にカーゲートと駐車料金精算機を備えた有料駐車場である場合に、駐車場の近隣施設の一例としてのデパートに近い側に設けた利用者出入口に車探し支援装置1が設置されている例を示している。また、図3は、一例として最大収容台数が134ゾーン、8台/ゾーン、1072台のショッピングセンターなどの大型平面無料駐車場のイメージ図であり、各利用者出入口付近に車探し支援装置1が設置されている例を示している。
【0019】
以下には、本発明を図2の駐車場に適用する場合の車探し支援装置について説明する。この車探し支援装置1は、図4に示すように、上記筐体の正面に設けられる表示部11及び入力部12の他に、筐体10の中に、記憶部13、印刷部14、制御部15を有している。液晶ディスプレイ11は、図5に示すように、車探し支援装置1が設置される図2の駐車場の駐車ゾーン配置図mのほか、発券要求を入力するためにタッチすべき位置を示すシンボル、文字、もしくは記号を表示するためのものである。駐車ゾーン配置図mには、図2の駐車場の駐車ゾーン配置と近似の駐車ゾーン配置が表示され、かつ、その各駐車ゾーンに、駐車場の各駐車ゾーンに割り当てられている駐車ゾーン番号と同じ駐車ゾーン番号(A1,A2〜E1,E2)が表示される。
【0020】
また、タッチパネル12は、液晶ディスプレイ11に表示された駐車ゾーン配置図の中からドライバーが駐車した駐車ゾーンの駐車ゾーン番号(A1,A2〜E1,E2のいずれか)と同じ駐車ゾーン番号が表示された部位をタッチすることにより、その駐車ゾーン番号を制御部15に入力し、また、前記シンボル等が表示されている部位をタッチすることにより、発券要求を入力するためのものである。
【0021】
図5に示す例では、各駐車ゾーン番号を囲む矩形点線部分に駐車ゾーン番号を入力するためのタッチスイッチ(以下、駐車ゾーンボタンという。)b1,b2〜bnが配置され、駐車ゾーン配置図の右側に表示される「プリント」の文字を囲む矩形部分に発券要求を入力するためのタッチスイッチ(以下、プリントボタンという。)PRが設けてある。
【0022】
そして、b1,b2〜bnのいずれかの駐車ゾーンボタンをタッチすると、そのゾーンが点灯又は点滅して、駐車ゾーン番号の入力が有効であったことを知らせるようにしてある。プリントボタンPRをタッチしたときも、その部位に点灯又は点滅して、駐車ゾーン番号の入力が有効であったことを知らせるようにしてもよい。
【0023】
図4に示すように、記憶部13は、ROM13a及びRAM13bを含み、また、好ましくは、大きな記憶容量を必要とする場合には、外部記憶装置13cが付加される。
図6に示すように、ROM13aは、所定の制御を行うためのプログラムを格納するファイルのほか、当該駐車場の駐車ゾーン配置図データ、後述される駐車ゾーン記録券に印刷するための印刷データのうち固定データ、この車探し支援装置1が待機状態において液晶ディスプレイ11に利用案内画面を表示すべき待機画面データをそれぞれ格納するファイルを有する。後述されるように、好ましい実施の態様として、検索モードを実行させる場合には、検索画面データを格納するファイルを有する。
【0024】
RAM13bは、ワーキングデータを格納するためのものであり、一例を説明すると、所定タイミングにおいてタッチパネル12において駐車ゾーン番号が入力された場合に、その駐車ゾーン番号に対応する駐車ゾーン記録券を印刷するための印刷データ、すなわち、入庫日、発行時刻、駐車ゾーン番号及び駐車ゾーン配置図の各データを一時格納する。
【0025】
外部記憶装置13cは、後述される検索モードを実行するように構成する場合に、各駐車ゾーン記録券を発行するたびに、その入庫日、発行時刻、駐車ゾーン番号を記録蓄積するために用いられ、また、後述されるように、好ましい実施の態様として、駐車場利用者に情報を提供する情報提供モードを実行する場合には、通信制御部16を介して外部のホストコンピュータから送信される販売促進情報、イベント案内情報、広告情報その他の商業情報や防災情報を内容とする情報提供画面データを格納するファイルが備えられる。
【0026】
印刷部14は、当該駐車場に駐車したドライバーからの要求により駐車ゾーン配置図及び駐車ゾーン番号を記録した駐車ゾーン記録券を印刷発行するためのものであり、容積が小さく消費電力が少ない点で優れているサーマルプリンタ14を用いることが好ましい。サーマルプリンタ14は、一例として2インチタイプのものが使用され、印字用紙として用いられるロール紙の印字後の中央部分を残し、その両側を切断する既知のパーシャルカッター(図示省略)を内蔵しており、一枚分の駐車ゾーン記録券を印刷して、その印刷された駐車ゾーン記録券が筐体10の正面側に設けられた券発行口から出るまで送られると、パーシャルカッターが作動し、ドライバーによりその駐車ゾーン記録券が切り取られるまで保持するようになっている。
【0027】
制御部15は、CPUで構成され、ROM13aから読み出したプログラムの実行により、図7に示された流れに沿って各種の機能を実現するほか、年月日データと現在時刻データを含むカレンダーデータを出力する計時機能を有している。
【0028】
前記各種の機能の一つに、液晶ディスプレイ11の表示画面に各種画像を表示させる機能がある。その各種画像の中には、当該車探し支援装置1が設置されている駐車場の駐車ゾーンの配置図が含まれる。図5は、駐車ゾーン番号がアルファベットと数字の組み合わせ、すなわち、A1,A2,A3;B1,B2,B3;C1,C2.C3;D1,D2;E2,E2で表示された図2に示された駐車場の駐車ゾーン配置図mを、実際の駐車ゾーン配置とほぼ対応させて表示している例を示す。
【0029】
制御部15の他の機能は、タッチパネル12から駐車ゾーン番号が入力された時、ROM13aから読み出した駐車ゾーン配置図データ及び前記計時機能から得られるカレンダーデータを用いて、駐車ゾーン記録券の所定の位置に印刷すべき内容を決める印刷データ編集機能である。
【0030】
そして、さらに、制御部15は、その編集された印刷データをサーマルプリンタ14に与えて、図8に示すように、所定の駐車ゾーン配置図、駐車ゾーン番号及び発行時刻を印刷させ、記録した駐車ゾーン記録券を印刷発行させる印刷制御機能を有する。図8は、車探し支援装置1により発行される駐車ゾーン記録券の印刷内容の一例を示す。最上部にこの券が駐車ゾーン記録券であることを示す文字、その下側に入庫日、発行時刻、及び本券所持者の駐車ゾーン番号、そして、その下側に、図示の例では図2に示された4階駐車場の駐車ゾーン配置図が印刷されている。
【0031】
続いて、上記構成を備えた車探し支援装置1の作用を図7のフローチャートに基づいて説明する。車探し支援装置1に電源が投入されると制御部15が起動して、利用者を待機する待機モードが実行され、図5に示すように、液晶ディスプレイ11の最上部には、当該装置が駐車ゾーン記録券を発行する装置であることを認識させる文字を、また、その下側には、当該駐車場の駐車ゾーン配置図mを駐車ゾーン番号(A1,A2〜E1,E2)とともに表示する利用案内画面が表示され(図7のS11)、いずれかの駐車ゾーンボタン(b1〜bnのいずれか)がタッチされることを待つ(図7のS12)。いずれかの駐車ゾーンボタンがタッチされると(図7のS12においてY)、その駐車ゾーンボタンに対応する駐車ゾーン番号が、カレンダーデータ及び当該駐車場の駐車ゾーン配置図データとともに、RAM13bの印刷データファイルに格納される。そして、次に、利用案内画面に表示されているプリントボタンPRがタッチされるのを待つ(図7のS13)。一定時間内にプリントボタンPRがタッチされると、前記印刷データファイルに格納されたデータ(駐車場の入庫日、発行時刻、駐車ゾーン番号、及び駐車ゾーン配置図)を駐車ゾーン記録券の印刷のために編集し(図7のS14)、それをサーマルプリンタ14に与えるため、サーマルプリンタ14はその印刷データに基づいて、図8に例示されるような駐車ゾーン記録券を印刷して、一例として筐体10の液晶ディスプレイ11の下側に設けてある取出口(図示せず)の方向に送り、パーシャルカッターにより中心部を残して切断した状態でその駐車ゾーン記録券を発行する(図7のS15)。
【0032】
車探し支援装置1に格納されたプログラムに検索モードを実行するルーチンが含まれている場合は、駐車ゾーン記録券を1枚発行するたびに、前記印刷データの内、少なくとも、入庫日、発行時刻、駐車ゾーン番号を一組として外部記憶装置13cの駐車記録データファイルに駐車記録データとして記憶蓄積する(図7のS16)。
【0033】
図7のステップS12において駐車ゾーンボタンがタッチされない時は、ステップS18に移行し、利用案内画面に表示されている検索ボタンREがタッチされたか否かを調べ、タッチされた場合は、液晶ディスプレイ11の画面表示内容を図5に示されている駐車ゾーン配置図の右側部分の利用案内画面から、図9に例示するように、駐車ゾーン配置図の右側部分に発行時刻表示部分ptと発行時刻入力手段の一例としてのテンキーtkを表示する検索画面に切り替えられる(図7のS19)。
【0034】
そして、図9の検索画面に切り替えられると、次に、その利用者が駐車場を離れた時刻、正確には、この車探し支援装置1において先に駐車ゾーン記録券の発行を受けた時刻(発行時刻)が入力されるのを待つ(図7のS110)。発行時刻が入力されると、制御部15は検索ルーチンを始動する(図7のS111)。この検索ルーチンにおいては、入力された発行時刻の前後一定時間内に含まれる発行時刻を含む駐車記録データを探索し、該当する駐車記録データのリスト(駐車記録リスト)を作成し、液晶ディスプレイ11の表示画面を検索画面から図10に示されているように検索結果表示画面に切り替えて、その駐車記録リストを表示する。駐車記録リストは、CPUの処理負担軽減のために、発行時刻と駐車ゾーン番号の最小限のデータで構成されている。
【0035】
続いて、検索結果表示画面に表示されているプリントボタンPRがタッチされたか否かを調べ(図7のS112)、タッチされたときは、ステップS14と同様に、その駐車記録リストに表示されている各駐車記録に対応する駐車記録データ、計時機能が出力しているカレンダーデータ及びROMに格納されている当該駐車場の駐車ゾーン配置図データを用いて印刷データを編集し(図7のS113)、図8に示されているのと同様に、入庫日、発行時刻、駐車ゾーン番号及び駐車ゾーン配置図が印刷された駐車ゾーン記録券を発行する(図7のS114)。駐車記録リストに例えば3件が表示されている場合は、3枚の駐車ゾーン記録券が発行される。この検索モードが終了すると、ステップS11にリターンする。
【0036】
進んで、上記のような車探し支援装置1が設置された図2の有料駐車場を利用する場合のドライバー及び車探し支援装置1の一連の動作を図12及び図13に基づいて説明する。図12は入庫時の動作流れを示し、図13は出庫時の動作流れを示す。
[第一の実施の形態]
図2に示されている駐車場に入場するドライバーは車両入口に設置してある駐車券発行機から駐車券を受け取ると(S21)、カーゲートが開放する(S22)ので、ドライバーは、駐車場の任意の空きスペースに駐車することができる(S23)。ドライバーが目的地方向に向かう前に、自分の駐車ゾーン番号を確認して車から離れ(S24)、その駐車場から目的地方向に離れるときに通る利用者出入口付近に設置されている車探し支援装置1に接近すると、液晶ディスプレイ11には利用案内画面が表示され、当該駐車場の駐車ゾーン配置図mが駐車ゾーン番号(A1,A2〜E1,E2)とともに表示されているので、ドライバーは自分の駐車ゾーン番号を表示している駐車ゾーンボタン(b1〜bnのいずれか)をタッチし(図12のS25)、続いて、プリントボタンPRをタッチする(図12のS26)と、自分が駐車した駐車場の入庫日、発行時刻、駐車ゾーン番号、及び駐車ゾーン配置図が印刷された、図8に例示されている駐車ゾーン記録券が発行される(図12のS27)。すなわち、2タッチの動作だけで簡単迅速に駐車ゾーン記録券を受け取ることができる。
しかも、その駐車ゾーン記録券には、自分が駐車した駐車場の駐車ゾーン配置図が印刷されているから、自分が駐車した駐車ゾーンがその駐車ゾーン記録券を発行した車探し支援装置1の設置位置に最も近い利用者出入口からどの方向に存在するかを正確容易に確認した上で、目的地に向かう(S28)ことができる。
【0037】
従って、図13の出庫時の動作流れ図に示すように、駐車場の利用者出入口に戻ってきた(S29)ドライバーは、所持する駐車ゾーン記録券の駐車ゾーン番号を見る(S210)ことにより、容易正確に自分の駐車ゾーンに行き、自分の車を迅速に見つけることができる。立体駐車場の場合は、駐車ゾーン記録券に駐車した階数も印字されるので(図8参照)、階数を間違えることなく、迅速に自分の車を見つける(S211)ことができる。駐車場から離れる時と異なる利用者出入口に戻ってきた場合でも、駐車ゾーン記録券に印刷されている駐車ゾーン配置図と現在地とを対比することにより、容易に自分の駐車ゾーンの方向を見定めて正確な方向に進むことができるので、従来のように、正しい方向を見失って車探しに長時間を浪費することがなくなる。
【0038】
車に乗ったドライバーは、駐車場出口において入場時に受け取った駐車券を駐車料金精算機に投入して所定の駐車料金を精算する(S212)と、出口カーゲートが開放して(S213)出場可能になることは、従来と同様である。
【0039】
[第二の実施の形態]
ところで、このように便利な駐車ゾーン記録券を入手しても、用事を済まして駐車場に戻ってくるまでの間になくしてしまう人がいることは、経験則が教えることである。駐車ゾーン記録券を得たことにより、自分の駐車位置又は駐車ゾーン番号について心もとない記憶力を駐車ゾーン記録券に任せ切ってしまっているので、駐車ゾーン記録券を失った人ほど、自分の駐車位置又は駐車ゾーン番号を思い出すことが困難であり、かえって車探しが容易でなくなる。
【0040】
本発明の好ましい実施の形態においては、このように駐車ゾーン記録券をなくした場合でも、車探し支援装置1に、駐車場に入った時刻、駐車場から離れた時刻あるいは駐車ゾーン記録券の発行を受けた時刻(発行時刻)などを入力することにより、自分の駐車ゾーン番号が駐車ゾーン配置図とともに印刷された駐車ゾーン記録券の発行を受けられるようにしてある。この実施の形態においては、発行時刻を入力するようにした場合について説明する。
【0041】
すなわち、制御部15には、付加された機能として、駐車ゾーン記録券の発行を行うたびに、その発行した駐車ゾーン記録券に係るデータの内、入庫日、発行時刻及び駐車ゾーン番号を一組のデータ(駐車記録データ)として、順次一定期間分、外部記憶装置13cの駐車記録データファイルに格納する駐車記録データ蓄積機能を有する。また、制御部15は、図7のステップS12において駐車ゾーン番号にタッチせずに、検索ボタンREをタッチすると(S18においてY)、図5の利用案内画面から図9に例示するように検索画面に切り替える(S19)。すなわち、記憶部(ROM13a)に記憶されている数値入力手段としてのテンキースイッチtkを液晶ディスプレイ11の定位置、好ましくは、図5の駐車ゾーン配置図の右側の利用方法説明文表示位置に、その説明文表示に代えて表示して、そのテンキースイッチから紛失した駐車ゾーン記録券の発行を受けた時刻、すなわち、発行時刻を入力することを促す(S110)ようになっている。また、テンキースイッチtkの上側に入力した発行時刻を表示する表示窓ptが設けられており、テンキースイッチtkの下側には、入力内容の訂正又は取消のためのタッチスイッチck、及び入力内容の確認をするためのタッチスイッチ(以下、確認ボタンという。)skが設けられている。
【0042】
制御部15は、発行時刻入力後に確認ボタンskがタッチされると、検索を開始するようになっている。すなわち、駐車記録データファイルに記録されている駐車記録データの中から、その入力された発行時刻から前後一定時間(例えば10分間)内にその発行時刻を含む駐車記録データを検索する。入力された発行時刻から前後一定時間内とするのは、入力者は必ずしも正確な発行時刻を記憶しているとは限らないので、適宜時間的幅を持って検索するためである。
【0043】
ヒットした駐車記録データがある場合は、制御部15は、編集機能により各発行時刻及びそれに対応する駐車ゾーン番号からなる駐車記録リストを作成し、図9の検索画面に代えて図10に示すように検索結果表示画面に切り替え、その駐車記録リストを液晶ディスプレイ11に表示する(S111)。この場合も、好ましくは、図10に示すように駐車ゾーン配置図の右側に表示すると、表示された検索結果のなかの駐車ゾーン番号を左側の駐車ゾーン配置図中の駐車ゾーン番号の位置と照合することにより、そこが自分の駐車ゾーンであったか否かを思い出し易い利点がある。
【0044】
駐車記録リストが表示された後の駐車ゾーン記録券の発行態様には、次の2通りがあり得る。すなわち、その一つは、検索結果リストが表示されると同時に、全ての検索結果に対応する駐車ゾーン記録券を発行することである。
さらに詳しくは、図7に例示するように、プリントボタンPRをタッチすると(S112においてY)、そのリストの各発行時刻に対応する各組のデータ、すなわち、入庫日、発行時刻及び駐車ゾーン番号、もしくはこれらに駐車ゾーン配置図を加えたものが印刷された駐車ゾーン記録券を1枚ずつ順次,全券発行する(S114)ように構成することができる。駐車記録リストに表示された全ての発行時刻の駐車ゾーン記録券を発行した後は、図5の初期画面に戻る。
【0045】
駐車ゾーン記録券のもう一つの発行態様は、図11に示すように、駐車記録リストに表示されている発行時刻のうち、利用者が選択したものに対応する駐車ゾーン記録券を発行することである。すなわち、図10に例示するように、駐車記録リストの各発行時刻が表示されている列に、それを選択するためのタッチスイッチ(以下、選択ボタンという。)sb1,sb2,…を設け、そのいずれかの選択ボタンをタッチして一つの発行時刻を選択した(S116においてY)後、プリントボタンPRをタッチする(S117においてY)と、その発行時刻を含む一組のデータ、すなわち、入庫日、発行時刻及び駐車ゾーン番号、もしくはこれらに駐車ゾーン配置図を加えたものが印刷された駐車ゾーン記録券を発行する(S118)ように構成することができる。
【0046】
選択した発行時刻が実際の発行時刻と一致するときは、受け取った駐車ゾーン記録券は、駐車場を離れるときに受け取った駐車ゾーン記録券と同じ印刷内容を有する筈であるので、受け取った駐車ゾーン記録券に記載されている駐車ゾーン番号が自分の駐車ゾーン番号であったことを思い出すと思われる。しかし、受け取った駐車ゾーン記録券に記載されている駐車ゾーン番号が自分の駐車ゾーン番号であったか疑問がある場合は、検索結果リストの中の別の発行時刻の列の選択ボタンをタッチし(S120においてN,S116においてY)、プリントボタンPRをタッチする(S117においてY)ことにより、別の発行時刻及び駐車ゾーン番号と、駐車ゾーン配置図とが印刷された駐車ゾーン記録券を発行させることができる。
【0047】
検索結果リスト中の全ての発行時刻に対して選択とプリントをさせた場合(S119においてY)は、検索モードの処理を終了し、ステップS1に戻るようになっている。また、全券のプリントを終了していない時に、終了スイッチをタッチした場合(S120においてY)も、検索モードの処理を終了し、ステップS1に戻るようになっている。
【0048】
このように、2番目の発行態様は、検索結果リストの中から一つが選択されるたびに、先の例と同様に、入庫日、発行時刻及び駐車ゾーン番号と、駐車ゾーン配置図とを有する駐車ゾーン記録券を液晶ディスプレイに表示し、その駐車ゾーン番号が自分の駐車ゾーン番号であると認識したときにプリントボタンPRをタッチして、必要な最小限の枚数を発行させることができる。
【0049】
上記各利用者出入口の車探し支援装置1が互いに独立している場合は、駐車ゾーン記録券を無くしたドライバーが先に駐車ゾーン記録券を受け取って出た利用者出入口と異なる利用者出入口に設置してある車探し支援装置に戻って来て、検索ボタンREをタッチして検索モードを起動させる場合は、誤った検索結果が表示されることになり、利用者は困惑させられる。これを防止するためには、次の2通りの方法のいずれかを採用することができる。その一つは、各車探し支援装置を前記通信制御部16を介して駐車記録データを相互に授受し、各々駐車記録データファイルに蓄積する方法である。もう一つは、図3に例示するように、駐車記録データファイルを備えた一つの駐車管理装置3を設け、全ての車探し支援装置1から駐車記録データその駐車管理装置3に送信して蓄積し、検索ボタンREをタッチされた車探し支援装置1より駐車管理装置3に入力された発行時刻の前後一定時間内に含まれる駐車記録データの送信を要求する方法である。
【0050】
[第三の実施の形態]
本発明に係る車探し支援装置は、上記のように、駐車場の利用者出入口に設置される。そして、駐車場に戻ったときに自分の車探しのために駐車ゾーン番号の記憶を必要とする程度に規模の大きい駐車場は、通常、野球場等のスポーツ施設、市役所や劇場などの公共施設、あるいは百貨店・ショッピングセンターなどに隣接して、あるいは、その近辺に設置され、駐車場利用者出入口は、それらの施設に近い側又はその方向に設けられる。駐車場利用者がそれらの施設に向かう場合、それらの施設でのセール、イベント、キャンペーンなどに関する商業情報、イベント案内情報などが提供されていれば、事前にその情報を知ることにより、チャンスを逃すことを防止できるので、有益である。
【0051】
本発明は、これに着目し、駐車ゾーン記録券発行処理をしていない間は、駐車場利用者出入口を通行する人に、あるいは、駐車ゾーン記録券を求めて車探し支援装置に接近する人に、近隣施設の各種情報を提供する機能を付加してある。
【0052】
すなわち、この場合の車探し支援装置には、図4に示すように、制御部15に接続された通信制御部16が備えられ、その通信制御部16は、通信回線を経て前記近隣施設などのホストコンピュータHCに接続されている。そして、ホストコンピュータHCからは、当該施設などにおけるセール、イベント、キャンペーンなどに関する商業情報、広告宣伝情報や公的機関からの防災警報などが、定期的又は臨時的に送信され、それらの受信した情報は、車探し支援装置の外部記憶装置13cに格納されるようにしてある。
そして、制御部15は、処理モードを待機モードと稼働モードとに分け、平時の待機モードにおいては、液晶ディスプレイ11に情報提供画面を表わし、外部記憶装置に格納されている情報を読み出して音声情報案内するとともに、液晶ディスプレイ11に表示したり、また、台風/大地震その他の大規模災害発生が見込まれる時又は発生時は、ホストコンピュータHCから緊急に送信されてくる防災、避難情報などを液晶ディスプレイ11に表示し、音声を併用して近隣の人々に通報するようになっている。
【0053】
この実施の形態における車探し支援装置には、その筐体の正面や頭部に人が至近距離まで接近したことを感知する既知の人感センサ(図示せず)が設けてあり、その人感センサが人間接近を感知すると、待機モードから稼働モードに切り換え、液晶ディスプレイ11に当該駐車場の駐車ゾーン配置図及びプリントボタン、検索ボタンを表示して、駐車場利用者の求めに応じて上述された駐車ゾーン記録券発行モード又は検索モードを実行するようになっている。
【0054】
このように、車探し支援装置が近隣施設の商業情報、案内情報や防災情報などの提供を行うことが駐車場利用者に周知されると、駐車ゾーン記録券を欲しない人でも、そのような情報を求めて車探し支援装置に近づくことが期待され、また、接近したついでに安心のため駐車ゾーン記録券をもらっておくという誘導効果が期待される。従って、駐車場に戻ったときに自分の車を迅速正確に見つけて駐車場から円滑に出場する人の割合が増えるので、駐車場利用効率の向上と、駐車位置失念者の案内誘導に要する管理人の大幅な削減とが可能となり、駐車場運営の面でも非常に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態に係る車探し支援装置の斜視図。
【図2】本発明に係る車探し支援装置の立体駐車場における配置例を示す平面図。
【図3】同じく大型平面駐車場における配置例を示す平面図。
【図4】本発明装置の主要構成要素を示すブロック図。
【図5】車探し支援装置の画像表示部及び表示内容の一例を示す正面図。
【図6】記憶部の構成及び記憶内容を説明する図。
【図7】本発明装置の動作流れを示すフローチャート。
【図8】駐車ゾーン記録券の券面印刷内容の一例を示す平面図。
【図9】検索モードの場合の画像表示部の表示内容の一例を示す正面図。
【図10】検索結果表示画面の一例を示す画像表示部の正面図。
【図11】図7の検索モードの別の処理例を示すフローチャート。
【図12】駐車券を用いる有料駐車場において本発明に係る車探し支援装置を用いる場合の駐車時の概括的動作流れを示すフローチャート。
【図13】同じく出車時の概括的動作流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0056】
1 車探し支援装置
2 日覆い兼雨覆い
11 表示部(液晶ディスプレイ)
12 入力部(タッチパネル)
13 記憶部
13a ROM
13b RAM
13c 外部記憶装置
14 印刷部(サーマルプリンタ)
15 制御部
16 通信制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場に戻ってきた時に自分の車を探すのを支援する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
駐車場には、入場時に駐車位置を指定するものと、指定しないものとがある。
駐車位置を指定する駐車場が有料駐車場である場合は、入場時に当該車両に対して駐車管理のために発行する駐車券に、入場時刻のほかに駐車位置番号が印字される。駐車位置を指定する駐車場が無料駐車場である場合は、入場時に当該車両に対して駐車位置を指定するための番号のみを印字した駐車位置指定券が発行される。そして、入場した車両(のドライバー)はその駐車券又は駐車位置指定券により指定されている駐車位置に駐車する。また、その駐車券は駐車場に戻ったドライバーによる駐車位置探索のためと精算機による駐車料金精算のために用いられ、駐車位置指定券は、駐車場に戻ったドライバーによる駐車位置探索のために用いられる。
【0003】
駐車位置を指定しない有料駐車場においては、入場時に発行される駐車券には駐車位置番号が印字されておらず、駐車場内の任意の位置に駐車することができる。また、駐車位置を指定しない無料駐車場においては、入場時に駐車位置指定券を受け取ることなく、駐車場内の任意の位置に駐車することができる。
【特許文献1】特になし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
駐車場に駐車し、用事を済ませた後、駐車した車に戻ろうとするときには、駐車位置番号が印字された駐車券又は駐車位置指定券を所持している場合は、その券面に記録されている駐車位置番号から自分の駐車位置がわかるので、容易に自分の車まで戻ることができる。しかし、反面、駐車券又は駐車位置指定券により指定された駐車位置は、ドライバーにとっては止めにくい場所であったり、行き先又はその方向から遠く不便な場所であったりする場合があるため、ドライバーの判断で指定位置とは異なる駐車スペースに駐車することが少なくない。このような指定位置以外の駐車スペースへの駐車は、後続車の指定位置への駐車を妨げるので、混乱やトラブルを引き起こす要因にもなっていた。
すなわち、ドライバーは必ずしも指定された通りに駐車しないものであり、また、止めたい位置に空きスペースがあるにも関わらず意に反する位置を指定されることは、駐車位置選択の自由が束縛されるため、駐車場利用について不満を感じることがあった。これは当該駐車場に対してマイナスイメージを抱かせる原因になる。
また、指定された位置に駐車しない車と後続車とのトラブルの防止又は処理のために、駐車場管理人の配備を必要とするため、駐車場運営の無人化ができないでおり、駐車場管理効率ないし駐車場利用効率の向上の面からも、改善が求められていた。さらに、駐車場内の利用者間トラブルは、駐車場のイメージダウンにつながり、利用顧客数の増大策に対するマイナス要因となる。
【0005】
駐車位置番号が印字された駐車券や駐車位置指定券を発行しない駐車場においては、自分の止めた車に戻ろうとするときは、自分の記憶を頼りとして駐車位置方向に戻り、車を探すことになるが、記憶が不確かであったり駐車位置を失念したりした場合は、車探しに手間がかかり、その精神的煩わしさに加え、時間が浪費されるという問題があった。とくに、郊外のショッピングセンターなどの大型平面駐車場や、都会の百貨店ビル等の中に設置された立体駐車場においては、多くのドライバーが上記のような駐車位置帰還の際の精神的負担や時間浪費の苦々しい経験を有しており、その解決が待望されていた。
【0006】
本発明は、上記待望に応えるためになされたものである。すなわち、本発明の第一の課題は、ドライバーにとっては駐車場の空いている任意の駐車スペースへの駐車ができるとともに、駐車場に戻ったときに車探しを迅速正確に行うことができ、もって、駐車場の運営効率及び利用効率の向上を図ることができる駐車場における車探し支援装置を提供することにある。
また、本発明は、駐車場利用者に対して商業情報や防災情報などを提供して便宜を図るとともに、情報取得者による上記車探し支援装置の利用率を向上させ、もって、駐車場の運営効率及び利用効率の一層の向上を図ることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記第一の課題を解決するため、駐車場の各駐車ゾーンに対応する駐車ゾーン番号を含む駐車ゾーン配置図を表示する表示手段と、その表示手段に表示された駐車ゾーン配置図の中から一つの駐車ゾーン番号を選択してその駐車ゾーン番号を入力する駐車ゾーン番号入力手段と、発券要求を入力するための発券要求入力手段と、前記駐車ゾーン配置図に対応する駐車ゾーン配置図データ、所定の印刷データ及び所定の制御を行うためのプログラムを記憶する記憶手段と、駐車ゾーン配置図及び駐車ゾーン番号を記録した駐車ゾーン記録券を印刷発行する印刷手段と、前記プログラムの実行により前記表示手段に前記駐車ゾーン配置図を表示させ、前記発券要求入力手段からの発券要求入力に基づき、前記駐車ゾーン番号入力手段から入力された駐車ゾーン番号と前記記憶手段から読み出した駐車ゾーン配置図データに基づいて印刷データを編集し、その印刷データとカレンダーデータに基づいて前記印刷手段に所定の駐車ゾーン配置図、駐車ゾーン番号及び発行時刻を記録した駐車ゾーン記録券を印刷発行させる制御手段とを有する車探し支援装置であることを特徴としている(請求項1)。ここで、駐車ゾーンとは、ドライバーが自分の車を探し出し易いように、数台〜10台分程度の駐車スペースで構成される1区画のエリアである。
【0008】
上記構成により、表示手段には駐車ゾーン配置図が表示される。駐車ゾーン番号入力手段においては、表示手段に表示された駐車ゾーンの中から自分が駐車した駐車ゾーンの番号を入力し、発券要求を入力することができる。駐車ゾーン番号の入力及び発券要求の入力をすると、制御手段は、入力された駐車ゾーン番号と記憶手段から読み出した駐車ゾーン配置図データなどに基づいて印刷データを編集し、その印刷データに基づいて印刷手段に所定の駐車ゾーン配置図、駐車ゾーン番号及び発行時刻を記録した駐車ゾーン記録券を印刷し発行させる。従って、駐車ゾーン記録券を受け取った人は、用事を済ませて駐車場に戻ってきた時に、その駐車ゾーン記録券を見て、容易、迅速かつ正確に自分の車を探し出すことができる。
【0009】
本発明においては、上記駐車場における車探し支援装置に、検索要求をするための検索要求入力手段を付加し、制御手段は、平常時は車探し支援モードを実行して発券要求入力手段と前記検索要求入力手段のいずれからも入力可能にするとともに、表示手段に駐車ゾーン配置図を表示させて駐車ゾーン番号発券要求入力手段からの入力を待機し、発券要求入力に基づき駐車ゾーン記録券を発行するたびにその発行時刻と駐車ゾーン番号との組み合わせを駐車データとして記憶手段に蓄積させ、前記検索要求入力手段から検索要求が入力された場合は、前記車探し支援モードから検索モードに切り換え、駐車ゾーン記録券の発行時刻が入力されたことに基づき、前記蓄積された駐車データの中からその発行時刻の前後一定時間内に含まれる発行時刻を含む駐車データを検索し、その検索により得られた駐車データごとに順次その駐車データに含まれる発行時刻と駐車ゾーン番号を駐車ゾーン配置図とともに表示手段に表示させ、あるいは、前記検索により得られた駐車データの全て又はその一部を表示手段に表示させ、かつその表示された駐車データの中から選択された駐車データを駐車ゾーン配置図とともに前記表示手段に表示させ、発券要求が入力された場合に、その駐車ゾーン配置図、駐車ゾーン番号及び発行時刻を記録した駐車ゾーン記録券を印刷発行させることが望ましい(請求項2)。
【0010】
上記構成により、平常時は、車探し支援モードで表示手段に駐車ゾーン配置図を表示して駐車ゾーン番号の入力を待機する。従って、駐車場を離れる時は、ドライバーは自分の車を止めた駐車ゾーンの番号を入力し、発券要求を入力することにより、駐車ゾーン配置図及び駐車ゾーン番号を記録した駐車ゾーン記録券を受け取ることができる。そのドライバーが駐車場に戻ってくるまでの間に万一駐車ゾーン記録券をなくした場合は、検索要求入力手段を操作して検索要求をすると、車探し支援モードから検索モードに切り替わり駐車ゾーン記録券の発行時刻の入力を促し、その発行時刻が入力されたことに基づき、その発行時刻の前後一定時間内に記録された駐車データに含まれる発行時刻と駐車ゾーン番号が表示手段に表示される。ドライバーがその中から該当すると思う駐車データを選択すると、表示手段に発行時刻と駐車ゾーン番号が駐車ゾーン配置図とともに表示される。その後、発券要求を入力すると、その駐車ゾーン配置図及び駐車ゾーン番号を記録した駐車ゾーン記録券が発行される。
【0011】
本発明は、また、ホストコンピュータとの間でデータの授受を行う通信制御部を付加するとともに、前記通信制御部を介して前記ホストコンピュータから受信する商業情報又は防災情報などを記憶手段に格納し、人の要求を検出した時待機状態から車探し支援モードに切り替えるモード切替手段を付加し、前記待機状態においては、前記商業情報又は防災情報などを音声情報案内するとともに、表示手段に表示するようにしたことを特徴としている。(請求項3)
【0012】
上記の構成により、車探し支援装置には、待機状態において駐車場利用者のために商業情報や防災情報などが表示されるとともに、駐車場から離れる際に自分の車の駐車ゾーンの失念の防止を望む人は、モード切替手段を操作して、待機状態から車探し支援モードに切り替えて、駐車ゾーン記録券を発行させることができる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、駐車位置の失念防止を望む人、又は駐車位置への帰還を迅速正確に行いたい人が、駐車場から離れるときに、この車探し支援装置を利用して駐車ゾーン記録券の発行を受けることにより、用事を済ませて駐車場に戻ってきた時に、その駐車ゾーン記録券を見て、容易、迅速かつ正確に自分の車を探し出すことができる。従って、入場時は任意の位置に駐車ができて利便性に優れているとともに、駐車場帰還時は車探しに時間を浪費すること無く、円滑に駐車場から出ることができる。従ってまた、駐車場の運営効率の向上及び利用効率の向上に資する。
【0014】
請求項2の発明によれば、駐車ゾーン記録券の発行を受けたドライバーが駐車場に戻ってくるまでの間にその駐車ゾーン記録券をなくした場合は、検索要求入力手段を操作することにより、駐車場を離れた時刻(正確には発行時刻)の前後一定時間内に記録された発行時刻と駐車ゾーン番号が駐車ゾーン配置図とともに表示手段にドライバーの操作に基づき順次表示され、あるいは、駐車場を離れた時刻の前後一定時間内に記録された発行時刻と駐車ゾーン番号が表示手段に表示され、ドライバーがその中から該当すると思うものを選択すると、駐車ゾーン配置図とともに表示手段に表示され、発券要求を入力すると、その駐車ゾーン配置図及び駐車ゾーン番号を記録した駐車ゾーン記録券が発行されるので、駐車ゾーン記録券をなくした場合でも、探すための時間を浪費することなく、正確に自分の車に戻ることができる。従って、この発明においては、駐車ゾーン記録券をなくした場合でも、駐車場の運営効率の向上及び利用効率の向上の効果が維持される。
【0015】
請求項3の発明によれば、駐車場利用者は隣接又は近隣の事業体又は施設などのセール、イベント等に関する商業情報や防災情報などを得ることができるので、利用者に一層便利であるとともに、車探し支援装置の利用促進効果が得られ、また、車探し支援装置自体の利用率向上が期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る車探し支援装置の斜視図、図2は本発明に係る車探し支援装置の立体駐車場における配置例を示す平面図、図3は同じく大型平面駐車場における配置例を示す平面図、、図4は本発明装置の主要構成要素を示すブロック図、図5は車探し支援装置の画像表示部及び表示内容の一例を示す正面図、図6は記憶部の構成及び記憶内容を説明する図、図7は本発明装置の動作流れを示すフローチャート、図8は駐車ゾーン記録券の券面印刷内容の一例を示す平面図、図9は検索モードの場合の画像表示部の表示内容の一例を示す正面図、図10は検索結果表示画面の一例を示す画像表示部の正面図、図11は図7の検索モードの別の処理例を示すフローチャート、図12は駐車券を用いる有料駐車場において本発明に係る車探し支援装置を用いる場合の駐車時の概括的動作流れを示すフローチャート、図13は同じく出車時の概括的動作流れを示すフローチャートである。
【0017】
図1に示すように、車探し支援装置1は、地面又は床面に立設される筐体10を有し、好ましくは、その筐体10の上面の背後側から正面上方に延出する日除け兼雨除け2を備えている。筐体10の正面側に、画像表示部の一例としての液晶ディスプレイ11と、その液晶ディスプレイ11の表示面に設けられた入力部の一例としてのタッチパネル12を有している。タッチパネル12は、透明樹脂シートの中に透明電極を有するスイッチング素子をマトリックス状に配置された周知のものであり、液晶ディスプレイ11の表面に接合され、車のドライバーが起立姿勢で、また、車椅子使用者が表示内容視認とタッチパネルからの入力操作がしやすい高さに設けられている。
【0018】
車探し支援装置1は、収容台数が数十台以上の駐車場の中の利用者出入口付近に設置される。図2は、一例として立体駐車場の収容台数が13ゾーン、108台の4階駐車場のイメージ図であり、この駐車場は車両入口にカーゲートと駐車券発行機を備え、車両出口にカーゲートと駐車料金精算機を備えた有料駐車場である場合に、駐車場の近隣施設の一例としてのデパートに近い側に設けた利用者出入口に車探し支援装置1が設置されている例を示している。また、図3は、一例として最大収容台数が134ゾーン、8台/ゾーン、1072台のショッピングセンターなどの大型平面無料駐車場のイメージ図であり、各利用者出入口付近に車探し支援装置1が設置されている例を示している。
【0019】
以下には、本発明を図2の駐車場に適用する場合の車探し支援装置について説明する。この車探し支援装置1は、図4に示すように、上記筐体の正面に設けられる表示部11及び入力部12の他に、筐体10の中に、記憶部13、印刷部14、制御部15を有している。液晶ディスプレイ11は、図5に示すように、車探し支援装置1が設置される図2の駐車場の駐車ゾーン配置図mのほか、発券要求を入力するためにタッチすべき位置を示すシンボル、文字、もしくは記号を表示するためのものである。駐車ゾーン配置図mには、図2の駐車場の駐車ゾーン配置と近似の駐車ゾーン配置が表示され、かつ、その各駐車ゾーンに、駐車場の各駐車ゾーンに割り当てられている駐車ゾーン番号と同じ駐車ゾーン番号(A1,A2〜E1,E2)が表示される。
【0020】
また、タッチパネル12は、液晶ディスプレイ11に表示された駐車ゾーン配置図の中からドライバーが駐車した駐車ゾーンの駐車ゾーン番号(A1,A2〜E1,E2のいずれか)と同じ駐車ゾーン番号が表示された部位をタッチすることにより、その駐車ゾーン番号を制御部15に入力し、また、前記シンボル等が表示されている部位をタッチすることにより、発券要求を入力するためのものである。
【0021】
図5に示す例では、各駐車ゾーン番号を囲む矩形点線部分に駐車ゾーン番号を入力するためのタッチスイッチ(以下、駐車ゾーンボタンという。)b1,b2〜bnが配置され、駐車ゾーン配置図の右側に表示される「プリント」の文字を囲む矩形部分に発券要求を入力するためのタッチスイッチ(以下、プリントボタンという。)PRが設けてある。
【0022】
そして、b1,b2〜bnのいずれかの駐車ゾーンボタンをタッチすると、そのゾーンが点灯又は点滅して、駐車ゾーン番号の入力が有効であったことを知らせるようにしてある。プリントボタンPRをタッチしたときも、その部位に点灯又は点滅して、駐車ゾーン番号の入力が有効であったことを知らせるようにしてもよい。
【0023】
図4に示すように、記憶部13は、ROM13a及びRAM13bを含み、また、好ましくは、大きな記憶容量を必要とする場合には、外部記憶装置13cが付加される。
図6に示すように、ROM13aは、所定の制御を行うためのプログラムを格納するファイルのほか、当該駐車場の駐車ゾーン配置図データ、後述される駐車ゾーン記録券に印刷するための印刷データのうち固定データ、この車探し支援装置1が待機状態において液晶ディスプレイ11に利用案内画面を表示すべき待機画面データをそれぞれ格納するファイルを有する。後述されるように、好ましい実施の態様として、検索モードを実行させる場合には、検索画面データを格納するファイルを有する。
【0024】
RAM13bは、ワーキングデータを格納するためのものであり、一例を説明すると、所定タイミングにおいてタッチパネル12において駐車ゾーン番号が入力された場合に、その駐車ゾーン番号に対応する駐車ゾーン記録券を印刷するための印刷データ、すなわち、入庫日、発行時刻、駐車ゾーン番号及び駐車ゾーン配置図の各データを一時格納する。
【0025】
外部記憶装置13cは、後述される検索モードを実行するように構成する場合に、各駐車ゾーン記録券を発行するたびに、その入庫日、発行時刻、駐車ゾーン番号を記録蓄積するために用いられ、また、後述されるように、好ましい実施の態様として、駐車場利用者に情報を提供する情報提供モードを実行する場合には、通信制御部16を介して外部のホストコンピュータから送信される販売促進情報、イベント案内情報、広告情報その他の商業情報や防災情報を内容とする情報提供画面データを格納するファイルが備えられる。
【0026】
印刷部14は、当該駐車場に駐車したドライバーからの要求により駐車ゾーン配置図及び駐車ゾーン番号を記録した駐車ゾーン記録券を印刷発行するためのものであり、容積が小さく消費電力が少ない点で優れているサーマルプリンタ14を用いることが好ましい。サーマルプリンタ14は、一例として2インチタイプのものが使用され、印字用紙として用いられるロール紙の印字後の中央部分を残し、その両側を切断する既知のパーシャルカッター(図示省略)を内蔵しており、一枚分の駐車ゾーン記録券を印刷して、その印刷された駐車ゾーン記録券が筐体10の正面側に設けられた券発行口から出るまで送られると、パーシャルカッターが作動し、ドライバーによりその駐車ゾーン記録券が切り取られるまで保持するようになっている。
【0027】
制御部15は、CPUで構成され、ROM13aから読み出したプログラムの実行により、図7に示された流れに沿って各種の機能を実現するほか、年月日データと現在時刻データを含むカレンダーデータを出力する計時機能を有している。
【0028】
前記各種の機能の一つに、液晶ディスプレイ11の表示画面に各種画像を表示させる機能がある。その各種画像の中には、当該車探し支援装置1が設置されている駐車場の駐車ゾーンの配置図が含まれる。図5は、駐車ゾーン番号がアルファベットと数字の組み合わせ、すなわち、A1,A2,A3;B1,B2,B3;C1,C2.C3;D1,D2;E2,E2で表示された図2に示された駐車場の駐車ゾーン配置図mを、実際の駐車ゾーン配置とほぼ対応させて表示している例を示す。
【0029】
制御部15の他の機能は、タッチパネル12から駐車ゾーン番号が入力された時、ROM13aから読み出した駐車ゾーン配置図データ及び前記計時機能から得られるカレンダーデータを用いて、駐車ゾーン記録券の所定の位置に印刷すべき内容を決める印刷データ編集機能である。
【0030】
そして、さらに、制御部15は、その編集された印刷データをサーマルプリンタ14に与えて、図8に示すように、所定の駐車ゾーン配置図、駐車ゾーン番号及び発行時刻を印刷させ、記録した駐車ゾーン記録券を印刷発行させる印刷制御機能を有する。図8は、車探し支援装置1により発行される駐車ゾーン記録券の印刷内容の一例を示す。最上部にこの券が駐車ゾーン記録券であることを示す文字、その下側に入庫日、発行時刻、及び本券所持者の駐車ゾーン番号、そして、その下側に、図示の例では図2に示された4階駐車場の駐車ゾーン配置図が印刷されている。
【0031】
続いて、上記構成を備えた車探し支援装置1の作用を図7のフローチャートに基づいて説明する。車探し支援装置1に電源が投入されると制御部15が起動して、利用者を待機する待機モードが実行され、図5に示すように、液晶ディスプレイ11の最上部には、当該装置が駐車ゾーン記録券を発行する装置であることを認識させる文字を、また、その下側には、当該駐車場の駐車ゾーン配置図mを駐車ゾーン番号(A1,A2〜E1,E2)とともに表示する利用案内画面が表示され(図7のS11)、いずれかの駐車ゾーンボタン(b1〜bnのいずれか)がタッチされることを待つ(図7のS12)。いずれかの駐車ゾーンボタンがタッチされると(図7のS12においてY)、その駐車ゾーンボタンに対応する駐車ゾーン番号が、カレンダーデータ及び当該駐車場の駐車ゾーン配置図データとともに、RAM13bの印刷データファイルに格納される。そして、次に、利用案内画面に表示されているプリントボタンPRがタッチされるのを待つ(図7のS13)。一定時間内にプリントボタンPRがタッチされると、前記印刷データファイルに格納されたデータ(駐車場の入庫日、発行時刻、駐車ゾーン番号、及び駐車ゾーン配置図)を駐車ゾーン記録券の印刷のために編集し(図7のS14)、それをサーマルプリンタ14に与えるため、サーマルプリンタ14はその印刷データに基づいて、図8に例示されるような駐車ゾーン記録券を印刷して、一例として筐体10の液晶ディスプレイ11の下側に設けてある取出口(図示せず)の方向に送り、パーシャルカッターにより中心部を残して切断した状態でその駐車ゾーン記録券を発行する(図7のS15)。
【0032】
車探し支援装置1に格納されたプログラムに検索モードを実行するルーチンが含まれている場合は、駐車ゾーン記録券を1枚発行するたびに、前記印刷データの内、少なくとも、入庫日、発行時刻、駐車ゾーン番号を一組として外部記憶装置13cの駐車記録データファイルに駐車記録データとして記憶蓄積する(図7のS16)。
【0033】
図7のステップS12において駐車ゾーンボタンがタッチされない時は、ステップS18に移行し、利用案内画面に表示されている検索ボタンREがタッチされたか否かを調べ、タッチされた場合は、液晶ディスプレイ11の画面表示内容を図5に示されている駐車ゾーン配置図の右側部分の利用案内画面から、図9に例示するように、駐車ゾーン配置図の右側部分に発行時刻表示部分ptと発行時刻入力手段の一例としてのテンキーtkを表示する検索画面に切り替えられる(図7のS19)。
【0034】
そして、図9の検索画面に切り替えられると、次に、その利用者が駐車場を離れた時刻、正確には、この車探し支援装置1において先に駐車ゾーン記録券の発行を受けた時刻(発行時刻)が入力されるのを待つ(図7のS110)。発行時刻が入力されると、制御部15は検索ルーチンを始動する(図7のS111)。この検索ルーチンにおいては、入力された発行時刻の前後一定時間内に含まれる発行時刻を含む駐車記録データを探索し、該当する駐車記録データのリスト(駐車記録リスト)を作成し、液晶ディスプレイ11の表示画面を検索画面から図10に示されているように検索結果表示画面に切り替えて、その駐車記録リストを表示する。駐車記録リストは、CPUの処理負担軽減のために、発行時刻と駐車ゾーン番号の最小限のデータで構成されている。
【0035】
続いて、検索結果表示画面に表示されているプリントボタンPRがタッチされたか否かを調べ(図7のS112)、タッチされたときは、ステップS14と同様に、その駐車記録リストに表示されている各駐車記録に対応する駐車記録データ、計時機能が出力しているカレンダーデータ及びROMに格納されている当該駐車場の駐車ゾーン配置図データを用いて印刷データを編集し(図7のS113)、図8に示されているのと同様に、入庫日、発行時刻、駐車ゾーン番号及び駐車ゾーン配置図が印刷された駐車ゾーン記録券を発行する(図7のS114)。駐車記録リストに例えば3件が表示されている場合は、3枚の駐車ゾーン記録券が発行される。この検索モードが終了すると、ステップS11にリターンする。
【0036】
進んで、上記のような車探し支援装置1が設置された図2の有料駐車場を利用する場合のドライバー及び車探し支援装置1の一連の動作を図12及び図13に基づいて説明する。図12は入庫時の動作流れを示し、図13は出庫時の動作流れを示す。
[第一の実施の形態]
図2に示されている駐車場に入場するドライバーは車両入口に設置してある駐車券発行機から駐車券を受け取ると(S21)、カーゲートが開放する(S22)ので、ドライバーは、駐車場の任意の空きスペースに駐車することができる(S23)。ドライバーが目的地方向に向かう前に、自分の駐車ゾーン番号を確認して車から離れ(S24)、その駐車場から目的地方向に離れるときに通る利用者出入口付近に設置されている車探し支援装置1に接近すると、液晶ディスプレイ11には利用案内画面が表示され、当該駐車場の駐車ゾーン配置図mが駐車ゾーン番号(A1,A2〜E1,E2)とともに表示されているので、ドライバーは自分の駐車ゾーン番号を表示している駐車ゾーンボタン(b1〜bnのいずれか)をタッチし(図12のS25)、続いて、プリントボタンPRをタッチする(図12のS26)と、自分が駐車した駐車場の入庫日、発行時刻、駐車ゾーン番号、及び駐車ゾーン配置図が印刷された、図8に例示されている駐車ゾーン記録券が発行される(図12のS27)。すなわち、2タッチの動作だけで簡単迅速に駐車ゾーン記録券を受け取ることができる。
しかも、その駐車ゾーン記録券には、自分が駐車した駐車場の駐車ゾーン配置図が印刷されているから、自分が駐車した駐車ゾーンがその駐車ゾーン記録券を発行した車探し支援装置1の設置位置に最も近い利用者出入口からどの方向に存在するかを正確容易に確認した上で、目的地に向かう(S28)ことができる。
【0037】
従って、図13の出庫時の動作流れ図に示すように、駐車場の利用者出入口に戻ってきた(S29)ドライバーは、所持する駐車ゾーン記録券の駐車ゾーン番号を見る(S210)ことにより、容易正確に自分の駐車ゾーンに行き、自分の車を迅速に見つけることができる。立体駐車場の場合は、駐車ゾーン記録券に駐車した階数も印字されるので(図8参照)、階数を間違えることなく、迅速に自分の車を見つける(S211)ことができる。駐車場から離れる時と異なる利用者出入口に戻ってきた場合でも、駐車ゾーン記録券に印刷されている駐車ゾーン配置図と現在地とを対比することにより、容易に自分の駐車ゾーンの方向を見定めて正確な方向に進むことができるので、従来のように、正しい方向を見失って車探しに長時間を浪費することがなくなる。
【0038】
車に乗ったドライバーは、駐車場出口において入場時に受け取った駐車券を駐車料金精算機に投入して所定の駐車料金を精算する(S212)と、出口カーゲートが開放して(S213)出場可能になることは、従来と同様である。
【0039】
[第二の実施の形態]
ところで、このように便利な駐車ゾーン記録券を入手しても、用事を済まして駐車場に戻ってくるまでの間になくしてしまう人がいることは、経験則が教えることである。駐車ゾーン記録券を得たことにより、自分の駐車位置又は駐車ゾーン番号について心もとない記憶力を駐車ゾーン記録券に任せ切ってしまっているので、駐車ゾーン記録券を失った人ほど、自分の駐車位置又は駐車ゾーン番号を思い出すことが困難であり、かえって車探しが容易でなくなる。
【0040】
本発明の好ましい実施の形態においては、このように駐車ゾーン記録券をなくした場合でも、車探し支援装置1に、駐車場に入った時刻、駐車場から離れた時刻あるいは駐車ゾーン記録券の発行を受けた時刻(発行時刻)などを入力することにより、自分の駐車ゾーン番号が駐車ゾーン配置図とともに印刷された駐車ゾーン記録券の発行を受けられるようにしてある。この実施の形態においては、発行時刻を入力するようにした場合について説明する。
【0041】
すなわち、制御部15には、付加された機能として、駐車ゾーン記録券の発行を行うたびに、その発行した駐車ゾーン記録券に係るデータの内、入庫日、発行時刻及び駐車ゾーン番号を一組のデータ(駐車記録データ)として、順次一定期間分、外部記憶装置13cの駐車記録データファイルに格納する駐車記録データ蓄積機能を有する。また、制御部15は、図7のステップS12において駐車ゾーン番号にタッチせずに、検索ボタンREをタッチすると(S18においてY)、図5の利用案内画面から図9に例示するように検索画面に切り替える(S19)。すなわち、記憶部(ROM13a)に記憶されている数値入力手段としてのテンキースイッチtkを液晶ディスプレイ11の定位置、好ましくは、図5の駐車ゾーン配置図の右側の利用方法説明文表示位置に、その説明文表示に代えて表示して、そのテンキースイッチから紛失した駐車ゾーン記録券の発行を受けた時刻、すなわち、発行時刻を入力することを促す(S110)ようになっている。また、テンキースイッチtkの上側に入力した発行時刻を表示する表示窓ptが設けられており、テンキースイッチtkの下側には、入力内容の訂正又は取消のためのタッチスイッチck、及び入力内容の確認をするためのタッチスイッチ(以下、確認ボタンという。)skが設けられている。
【0042】
制御部15は、発行時刻入力後に確認ボタンskがタッチされると、検索を開始するようになっている。すなわち、駐車記録データファイルに記録されている駐車記録データの中から、その入力された発行時刻から前後一定時間(例えば10分間)内にその発行時刻を含む駐車記録データを検索する。入力された発行時刻から前後一定時間内とするのは、入力者は必ずしも正確な発行時刻を記憶しているとは限らないので、適宜時間的幅を持って検索するためである。
【0043】
ヒットした駐車記録データがある場合は、制御部15は、編集機能により各発行時刻及びそれに対応する駐車ゾーン番号からなる駐車記録リストを作成し、図9の検索画面に代えて図10に示すように検索結果表示画面に切り替え、その駐車記録リストを液晶ディスプレイ11に表示する(S111)。この場合も、好ましくは、図10に示すように駐車ゾーン配置図の右側に表示すると、表示された検索結果のなかの駐車ゾーン番号を左側の駐車ゾーン配置図中の駐車ゾーン番号の位置と照合することにより、そこが自分の駐車ゾーンであったか否かを思い出し易い利点がある。
【0044】
駐車記録リストが表示された後の駐車ゾーン記録券の発行態様には、次の2通りがあり得る。すなわち、その一つは、検索結果リストが表示されると同時に、全ての検索結果に対応する駐車ゾーン記録券を発行することである。
さらに詳しくは、図7に例示するように、プリントボタンPRをタッチすると(S112においてY)、そのリストの各発行時刻に対応する各組のデータ、すなわち、入庫日、発行時刻及び駐車ゾーン番号、もしくはこれらに駐車ゾーン配置図を加えたものが印刷された駐車ゾーン記録券を1枚ずつ順次,全券発行する(S114)ように構成することができる。駐車記録リストに表示された全ての発行時刻の駐車ゾーン記録券を発行した後は、図5の初期画面に戻る。
【0045】
駐車ゾーン記録券のもう一つの発行態様は、図11に示すように、駐車記録リストに表示されている発行時刻のうち、利用者が選択したものに対応する駐車ゾーン記録券を発行することである。すなわち、図10に例示するように、駐車記録リストの各発行時刻が表示されている列に、それを選択するためのタッチスイッチ(以下、選択ボタンという。)sb1,sb2,…を設け、そのいずれかの選択ボタンをタッチして一つの発行時刻を選択した(S116においてY)後、プリントボタンPRをタッチする(S117においてY)と、その発行時刻を含む一組のデータ、すなわち、入庫日、発行時刻及び駐車ゾーン番号、もしくはこれらに駐車ゾーン配置図を加えたものが印刷された駐車ゾーン記録券を発行する(S118)ように構成することができる。
【0046】
選択した発行時刻が実際の発行時刻と一致するときは、受け取った駐車ゾーン記録券は、駐車場を離れるときに受け取った駐車ゾーン記録券と同じ印刷内容を有する筈であるので、受け取った駐車ゾーン記録券に記載されている駐車ゾーン番号が自分の駐車ゾーン番号であったことを思い出すと思われる。しかし、受け取った駐車ゾーン記録券に記載されている駐車ゾーン番号が自分の駐車ゾーン番号であったか疑問がある場合は、検索結果リストの中の別の発行時刻の列の選択ボタンをタッチし(S120においてN,S116においてY)、プリントボタンPRをタッチする(S117においてY)ことにより、別の発行時刻及び駐車ゾーン番号と、駐車ゾーン配置図とが印刷された駐車ゾーン記録券を発行させることができる。
【0047】
検索結果リスト中の全ての発行時刻に対して選択とプリントをさせた場合(S119においてY)は、検索モードの処理を終了し、ステップS1に戻るようになっている。また、全券のプリントを終了していない時に、終了スイッチをタッチした場合(S120においてY)も、検索モードの処理を終了し、ステップS1に戻るようになっている。
【0048】
このように、2番目の発行態様は、検索結果リストの中から一つが選択されるたびに、先の例と同様に、入庫日、発行時刻及び駐車ゾーン番号と、駐車ゾーン配置図とを有する駐車ゾーン記録券を液晶ディスプレイに表示し、その駐車ゾーン番号が自分の駐車ゾーン番号であると認識したときにプリントボタンPRをタッチして、必要な最小限の枚数を発行させることができる。
【0049】
上記各利用者出入口の車探し支援装置1が互いに独立している場合は、駐車ゾーン記録券を無くしたドライバーが先に駐車ゾーン記録券を受け取って出た利用者出入口と異なる利用者出入口に設置してある車探し支援装置に戻って来て、検索ボタンREをタッチして検索モードを起動させる場合は、誤った検索結果が表示されることになり、利用者は困惑させられる。これを防止するためには、次の2通りの方法のいずれかを採用することができる。その一つは、各車探し支援装置を前記通信制御部16を介して駐車記録データを相互に授受し、各々駐車記録データファイルに蓄積する方法である。もう一つは、図3に例示するように、駐車記録データファイルを備えた一つの駐車管理装置3を設け、全ての車探し支援装置1から駐車記録データその駐車管理装置3に送信して蓄積し、検索ボタンREをタッチされた車探し支援装置1より駐車管理装置3に入力された発行時刻の前後一定時間内に含まれる駐車記録データの送信を要求する方法である。
【0050】
[第三の実施の形態]
本発明に係る車探し支援装置は、上記のように、駐車場の利用者出入口に設置される。そして、駐車場に戻ったときに自分の車探しのために駐車ゾーン番号の記憶を必要とする程度に規模の大きい駐車場は、通常、野球場等のスポーツ施設、市役所や劇場などの公共施設、あるいは百貨店・ショッピングセンターなどに隣接して、あるいは、その近辺に設置され、駐車場利用者出入口は、それらの施設に近い側又はその方向に設けられる。駐車場利用者がそれらの施設に向かう場合、それらの施設でのセール、イベント、キャンペーンなどに関する商業情報、イベント案内情報などが提供されていれば、事前にその情報を知ることにより、チャンスを逃すことを防止できるので、有益である。
【0051】
本発明は、これに着目し、駐車ゾーン記録券発行処理をしていない間は、駐車場利用者出入口を通行する人に、あるいは、駐車ゾーン記録券を求めて車探し支援装置に接近する人に、近隣施設の各種情報を提供する機能を付加してある。
【0052】
すなわち、この場合の車探し支援装置には、図4に示すように、制御部15に接続された通信制御部16が備えられ、その通信制御部16は、通信回線を経て前記近隣施設などのホストコンピュータHCに接続されている。そして、ホストコンピュータHCからは、当該施設などにおけるセール、イベント、キャンペーンなどに関する商業情報、広告宣伝情報や公的機関からの防災警報などが、定期的又は臨時的に送信され、それらの受信した情報は、車探し支援装置の外部記憶装置13cに格納されるようにしてある。
そして、制御部15は、処理モードを待機モードと稼働モードとに分け、平時の待機モードにおいては、液晶ディスプレイ11に情報提供画面を表わし、外部記憶装置に格納されている情報を読み出して音声情報案内するとともに、液晶ディスプレイ11に表示したり、また、台風/大地震その他の大規模災害発生が見込まれる時又は発生時は、ホストコンピュータHCから緊急に送信されてくる防災、避難情報などを液晶ディスプレイ11に表示し、音声を併用して近隣の人々に通報するようになっている。
【0053】
この実施の形態における車探し支援装置には、その筐体の正面や頭部に人が至近距離まで接近したことを感知する既知の人感センサ(図示せず)が設けてあり、その人感センサが人間接近を感知すると、待機モードから稼働モードに切り換え、液晶ディスプレイ11に当該駐車場の駐車ゾーン配置図及びプリントボタン、検索ボタンを表示して、駐車場利用者の求めに応じて上述された駐車ゾーン記録券発行モード又は検索モードを実行するようになっている。
【0054】
このように、車探し支援装置が近隣施設の商業情報、案内情報や防災情報などの提供を行うことが駐車場利用者に周知されると、駐車ゾーン記録券を欲しない人でも、そのような情報を求めて車探し支援装置に近づくことが期待され、また、接近したついでに安心のため駐車ゾーン記録券をもらっておくという誘導効果が期待される。従って、駐車場に戻ったときに自分の車を迅速正確に見つけて駐車場から円滑に出場する人の割合が増えるので、駐車場利用効率の向上と、駐車位置失念者の案内誘導に要する管理人の大幅な削減とが可能となり、駐車場運営の面でも非常に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態に係る車探し支援装置の斜視図。
【図2】本発明に係る車探し支援装置の立体駐車場における配置例を示す平面図。
【図3】同じく大型平面駐車場における配置例を示す平面図。
【図4】本発明装置の主要構成要素を示すブロック図。
【図5】車探し支援装置の画像表示部及び表示内容の一例を示す正面図。
【図6】記憶部の構成及び記憶内容を説明する図。
【図7】本発明装置の動作流れを示すフローチャート。
【図8】駐車ゾーン記録券の券面印刷内容の一例を示す平面図。
【図9】検索モードの場合の画像表示部の表示内容の一例を示す正面図。
【図10】検索結果表示画面の一例を示す画像表示部の正面図。
【図11】図7の検索モードの別の処理例を示すフローチャート。
【図12】駐車券を用いる有料駐車場において本発明に係る車探し支援装置を用いる場合の駐車時の概括的動作流れを示すフローチャート。
【図13】同じく出車時の概括的動作流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0056】
1 車探し支援装置
2 日覆い兼雨覆い
11 表示部(液晶ディスプレイ)
12 入力部(タッチパネル)
13 記憶部
13a ROM
13b RAM
13c 外部記憶装置
14 印刷部(サーマルプリンタ)
15 制御部
16 通信制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場の各駐車ゾーンに対応する駐車ゾーン番号を含む駐車ゾーン配置図を表示する表示手段と、その表示手段に表示された駐車ゾーン配置図の中から一つの駐車ゾーン番号を選択してその駐車ゾーン番号を入力する駐車ゾーン番号入力手段と、発券要求を入力するための発券要求入力手段と、前記駐車ゾーン配置図に対応する駐車ゾーン配置図データ、所定の印刷データ及び所定の制御を行うためのプログラムを記憶する記憶手段と、駐車ゾーン配置図及び駐車ゾーン番号を記録した駐車ゾーン記録券を印刷発行する印刷手段と、前記プログラムの実行により前記表示手段に前記駐車ゾーン配置図を表示させ、前記発券要求入力手段からの発券要求入力に基づき、前記駐車ゾーン番号入力手段から入力された駐車ゾーン番号と前記記憶手段から読み出した駐車ゾーン配置図データに基づいて印刷データを編集し、その印刷データとカレンダーデータに基づいて前記印刷手段に所定の駐車ゾーン配置図、駐車ゾーン番号及び発行時刻を記録した駐車ゾーン記録券を印刷発行させる制御手段とを有することを特徴とする駐車場における車探し支援装置。
【請求項2】
検索要求をするための検索要求入力手段を付加し、制御手段は、平常時は車探し支援モードを実行して発券要求入力手段と前記検索要求入力手段のいずれからも入力可能にするとともに、表示手段に駐車ゾーン配置図を表示させて駐車ゾーン番号発券要求入力手段からの入力を待機し、発券要求入力に基づき駐車ゾーン記録券を発行するたびにその発行時刻と駐車ゾーン番号との組み合わせを駐車データとして記憶手段に蓄積させ、前記検索要求入力手段から検索要求が入力された場合は、前記車探し支援モードから検索モードに切り換え、駐車ゾーン記録券の発行時刻が入力されたことに基づき、前記蓄積された駐車データの中からその発行時刻の前後一定時間内に含まれる発行時刻を含む駐車データを検索し、その検索により得られた駐車データごとに順次その駐車データに含まれる発行時刻と駐車ゾーン番号を駐車ゾーン配置図とともに表示手段に表示させ、あるいは、前記検索により得られた駐車データの全て又はその一部を表示手段に表示させ、かつその表示された駐車データの中から選択された駐車データを駐車ゾーン配置図とともに前記表示手段に表示させ、発券要求が入力された場合に、その駐車ゾーン配置図、駐車ゾーン番号及び発行時刻を記録した駐車ゾーン記録券を印刷発行させることを特徴とする請求項1に記載の駐車場における車探し支援装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の駐車場における車探し支援装置において、ホストコンピュータとの間でデータの授受を行う通信制御部を付加するとともに、前記通信制御部を介して前記ホストコンピュータから受信する商業情報又は防災情報などを記憶手段に格納し、人の要求を検出した時待機状態から車探し支援モードに切り替えるモード切替手段を付加し、前記待機状態においては、前記商業情報又は防災情報などを音声情報案内するとともに、表示手段に表示するようにしたことを特徴とする駐車場における車探し支援装置。
【請求項1】
駐車場の各駐車ゾーンに対応する駐車ゾーン番号を含む駐車ゾーン配置図を表示する表示手段と、その表示手段に表示された駐車ゾーン配置図の中から一つの駐車ゾーン番号を選択してその駐車ゾーン番号を入力する駐車ゾーン番号入力手段と、発券要求を入力するための発券要求入力手段と、前記駐車ゾーン配置図に対応する駐車ゾーン配置図データ、所定の印刷データ及び所定の制御を行うためのプログラムを記憶する記憶手段と、駐車ゾーン配置図及び駐車ゾーン番号を記録した駐車ゾーン記録券を印刷発行する印刷手段と、前記プログラムの実行により前記表示手段に前記駐車ゾーン配置図を表示させ、前記発券要求入力手段からの発券要求入力に基づき、前記駐車ゾーン番号入力手段から入力された駐車ゾーン番号と前記記憶手段から読み出した駐車ゾーン配置図データに基づいて印刷データを編集し、その印刷データとカレンダーデータに基づいて前記印刷手段に所定の駐車ゾーン配置図、駐車ゾーン番号及び発行時刻を記録した駐車ゾーン記録券を印刷発行させる制御手段とを有することを特徴とする駐車場における車探し支援装置。
【請求項2】
検索要求をするための検索要求入力手段を付加し、制御手段は、平常時は車探し支援モードを実行して発券要求入力手段と前記検索要求入力手段のいずれからも入力可能にするとともに、表示手段に駐車ゾーン配置図を表示させて駐車ゾーン番号発券要求入力手段からの入力を待機し、発券要求入力に基づき駐車ゾーン記録券を発行するたびにその発行時刻と駐車ゾーン番号との組み合わせを駐車データとして記憶手段に蓄積させ、前記検索要求入力手段から検索要求が入力された場合は、前記車探し支援モードから検索モードに切り換え、駐車ゾーン記録券の発行時刻が入力されたことに基づき、前記蓄積された駐車データの中からその発行時刻の前後一定時間内に含まれる発行時刻を含む駐車データを検索し、その検索により得られた駐車データごとに順次その駐車データに含まれる発行時刻と駐車ゾーン番号を駐車ゾーン配置図とともに表示手段に表示させ、あるいは、前記検索により得られた駐車データの全て又はその一部を表示手段に表示させ、かつその表示された駐車データの中から選択された駐車データを駐車ゾーン配置図とともに前記表示手段に表示させ、発券要求が入力された場合に、その駐車ゾーン配置図、駐車ゾーン番号及び発行時刻を記録した駐車ゾーン記録券を印刷発行させることを特徴とする請求項1に記載の駐車場における車探し支援装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の駐車場における車探し支援装置において、ホストコンピュータとの間でデータの授受を行う通信制御部を付加するとともに、前記通信制御部を介して前記ホストコンピュータから受信する商業情報又は防災情報などを記憶手段に格納し、人の要求を検出した時待機状態から車探し支援モードに切り替えるモード切替手段を付加し、前記待機状態においては、前記商業情報又は防災情報などを音声情報案内するとともに、表示手段に表示するようにしたことを特徴とする駐車場における車探し支援装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−27365(P2008−27365A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−202234(P2006−202234)
【出願日】平成18年7月25日(2006.7.25)
【出願人】(000146663)株式会社新興製作所 (60)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月25日(2006.7.25)
【出願人】(000146663)株式会社新興製作所 (60)
【Fターム(参考)】
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