駐車場管理システムおよび車両移動方向検出センサ
【課題】安価で効率的な駐車場管理システムを提供する。
【解決手段】駐車場管理システム21は、複数の車室13a〜13pを含む駐車ゾーン12aに通ずる通路14の一方側および他方側の出入り口15a、15bの上方の天井部分に設けられ、出入り口15a、15bを移動する車両の移動方向を検出する第一および第二の車両移動方向検出センサ22a、22bと、第一および第二の車両移動方向検出センサ22a、22bにより検出された車両の移動方向から、駐車ゾーン12a内の車両の数を算出する算出手段としてのシステム制御部とを備える。
【解決手段】駐車場管理システム21は、複数の車室13a〜13pを含む駐車ゾーン12aに通ずる通路14の一方側および他方側の出入り口15a、15bの上方の天井部分に設けられ、出入り口15a、15bを移動する車両の移動方向を検出する第一および第二の車両移動方向検出センサ22a、22bと、第一および第二の車両移動方向検出センサ22a、22bにより検出された車両の移動方向から、駐車ゾーン12a内の車両の数を算出する算出手段としてのシステム制御部とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、駐車場管理システムおよび車両移動方向検出センサに関し、特に、駐車場内の空き車室を管理する駐車場管理システムおよびこのような駐車場管理システムに利用される車両移動方向検出センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の駐車場においては、駐車場内に複数の車室(駐車スペース)が設けられている。車両を駐車したいユーザは、ユーザ自らが駐車場内において空き車室を探し出し、その空き車室に車両を駐車する。駐車場を管理する駐車場管理システムについては、空き車室があれば早急にユーザに知らせ、効率的に駐車させることが好ましい。
【0003】
特開平4−363800号(特許文献1)に開示された駐車場システムによると、駐車場内の各駐車スペースに超音波センサを取り付け、この超音波センサにより、駐車スペース内に車両があるか否かを検知している。このようにして、駐車場内における駐車スペースの空き状況を管理することにしている。
【特許文献1】特開平4−363800号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1によると、各車室に超音波センサを取り付ける必要がある。そうすると、工事費用等の観点から、駐車場管理システム全体として費用が高くなってしまう。一方、このようなセンサは、任意の車室に設けるのみでは、効率的な駐車場の管理を行うことができない。
【0005】
この発明の目的は、安価で効率的な駐車場管理システムを提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、移動する車両の移動方向を容易に検出可能な車両移動方向検出センサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る駐車場管理システムは、複数の車室を含む駐車ゾーンに通ずる通路の出入り口を撮影可能な位置に設けられ、出入り口を移動する車両の移動方向を検出する車両移動方向検出センサと、車両移動方向検出センサにより検出された車両の移動方向から、駐車ゾーン内の車両の数を算出する算出手段とを備える。車両移動方向検出センサは、出入り口を撮影する撮影手段と、撮影手段により異なるタイミングで複数回撮影した画像をそれぞれ比較して、出入り口を移動する車両の移動方向を検出する検出手段とを含む。
【0008】
このように構成することにより、車両移動方向検出センサにより検出された車両の移動方向から駐車ゾーン内の車両の数を算出して、駐車ゾーン内の車両の数を容易に把握することができる。そうすると、駐車ゾーン内の車両の数を基に、駐車場を管理することができる。この場合、車両があるか否かを検出するセンサを各車室に設ける必要はないため、安価に構成することができる。したがって、安価で効率的な駐車場の管理を行うことができる。
【0009】
好ましくは、算出手段により算出された車両の数に応じて、駐車ゾーンに駐車可能な車室があるか否かを判断する判断手段を備える。こうすることにより、算出された駐車ゾーン内の車両の数を基に、駐車ゾーン内に駐車可能な空き車室があるか否かを判断することができる。したがって、空き車室がある駐車ゾーンを容易に把握することができ、より効率的に駐車場を管理することができる。
【0010】
さらに好ましくは、判断手段により駐車可能な車室があると判断すれば、その旨をユーザに報知する報知手段を備える。こうすることにより、空き車室があると判断された駐車ゾーンに、ユーザを積極的に誘導することができる。ユーザは、空き車室がある駐車ゾーンを知ることができれば、駐車ゾーン内で空き車室を容易に探し出すことができる。したがって、さらに効率的に駐車場を管理することができる。
【0011】
この発明の他の局面においては、車両移動方向検出センサは、車両が移動する通路上の所定の位置を撮影する撮影手段と、撮影手段により異なるタイミングで複数回撮影した画像をそれぞれ比較して、所定の位置を移動する車両の移動方向を検出する検出手段とを備える。
【0012】
このような車両移動方向検出センサは、撮影手段により撮影された複数の画像から、所定の位置を移動する車両の移動方向を検出することができる。したがって、移動する車両の移動方向を容易に検出することができる。
【発明の効果】
【0013】
この発明によると、車両移動方向検出センサにより検出された車両の移動方向から駐車ゾーン内の車両の数を算出して、駐車ゾーン内の車両の数を容易に把握することができる。そうすると、駐車ゾーン内の車両の数を基に、駐車場を管理することができる。この場合、車両があるか否かを検出するセンサを各車室に設ける必要はないため、安価に構成することができる。したがって、安価で効率的な駐車場の管理を行うことができる。
【0014】
また、このような車両移動方向検出センサは、撮影手段により撮影された複数の画像から、所定の位置を移動する車両の移動方向を検出することができる。したがって、移動する車両の移動方向を容易に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。この発明に係る駐車場管理システムは、例えば、百貨店やスーパー、遊園地等に設置される大型の駐車場、特に、天井を有する屋内の駐車場に、有効に利用される。
【0016】
図1は、この発明の一実施形態に係る駐車場管理システムを利用した駐車場の一部を、上方向、すなわち、天の方向から見た図である。図1を参照して、駐車場11は、図1中の一点鎖線で示す複数の駐車ゾーン12a、12b、12cに分けられている。すなわち、駐車場11は、複数の駐車ゾーン12a〜12cから構成されている。各駐車ゾーン12a〜12cは、複数の車室を含む。駐車ゾーン12aには、各車室13a〜13pに通ずる通路14が設けられている。駐車ゾーン12a内の空き車室に車両を駐車したいユーザは、通路14の一方側または他方側の出入り口15a、15bから駐車ゾーン12a内に進入し、駐車ゾーン12a内の車室13a〜13pの中から空き車室を探し出す。そして、その車室に駐車する。
【0017】
図2は、この発明の一実施形態に係る駐車場管理システムを示すブロック図である。図1および図2を参照して、この発明の一実施形態に係る駐車場管理システム21は、通路14の一方側の出入り口15aを撮影可能な位置に設けられ、出入り口15aを移動する車両の移動方向を検出する第一の車両移動方向検出センサ22aと、通路14の他方側の出入り口15bを撮影可能な位置に設けられ、出入り口15bを移動する車両の移動方向を検出する第二の車両移動方向検出センサ22bと、駐車ゾーン12a内に空き車室があるか否かをユーザに知らせる表示ランプ23と、画像データ等、種々のデータを保存するHDD24と、表示ランプ23、HDD24、第一および第二の車両移動方向検出センサ22a、22bの動作を制御するシステム制御部25とを備える。
【0018】
第一および第二の車両移動方向検出センサ22a、22bはそれぞれ、出入り口15a、15bの上方の天井部分に設けられている。なお、天井がない場合には、例えば、出入り口15a、15b付近に鉄塔等を立て、その先端部分に設けるようにしてもよい。表示ランプ23は、駐車場11内において、空き車室を探しているユーザが見やすい位置、例えば、駐車場11の入口(図示せず)付近に設けられている。HDD24には、予め駐車ゾーン12a内に駐車可能な車両の数、すなわち、駐車ゾーン12a内の車室13a〜13pの数が保存されている。システム制御部25は、第一および第二の車両移動方向検出センサ22a、22bにより検出された車両の移動方向から、駐車ゾーン12a内の車両の数を算出する算出手段として作動する。
【0019】
次に、駐車ゾーン12a内に空き車室があるか否かを検出する方法について説明する。図3は、上記した駐車場管理システム21において、駐車ゾーン12a内に空き車室があるか否かを検出する場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【0020】
図1〜図3を参照して、まず、第一の車両移動方向検出センサ22aにより、一方側の出入り口15aを移動する車両の移動方向を検出する(図1において、ステップS11、以下、ステップを省略する)。同時に、第二の車両移動方向検出センサ22bにより、他方側の出入り口15bを移動する車両の移動方向を検出する(S12)。このS11およびS12は、所定のタイミング、例えば、100ミリ秒〜200ミリ秒毎に行う。
【0021】
その後、第一および第二の車両移動方向検出センサ22a、22bにより検出した車両の移動方向から、駐車ゾーン12a内の車両の数を算出する。具体的には、第一の車両移動方向検出センサ22aにおいて、矢印Aの方向への車両の移動があった場合には、駐車ゾーン12a内の車両数を1カウントアップし、矢印Bの方向への車両の移動があった場合には、駐車ゾーン12a内の車両数を1カウントダウンする。第二の車両移動方向検出センサ22bにおいても同様に、矢印Cの方向および矢印Dの方向への車両の移動があった場合には、カウントアップおよびカウントダウンを行なう。このようにして、駐車ゾーン12a内の車両の数を算出する(S13)。ここで、システム制御部25は、算出手段として作動する。
【0022】
次に、HDD24により予め保存されていた駐車ゾーン12a内の車室13a〜13pの数の方が、算出された駐車ゾーン12a内の車両の数よりも大きいか否かを判断する(S14)。ここで、システム制御部25は、判断手段として作動する。この場合、具体的には、駐車ゾーン12a内には合計16個の車室13a〜13pがあるため、駐車ゾーン12a内の車両の数が16よりも大きいか否かを判断する。
【0023】
ここで、駐車ゾーン12a内の車室13a〜13pの数の方が、算出された駐車ゾーン12a内の車両の数よりも大きいと判断すると(S14において、YES)、駐車ゾーン12a内に空き車室があると判断する(S15)。すなわち、駐車ゾーン12a内におけるいずれかの車室13a〜13pが駐車可能な空き車室であると判断する。そして、表示ランプ23において、「空」の文字を表示し、駐車ゾーン12a内に空き車室があることを報知する(S16)。ここで、表示ランプ23およびシステム制御部25は、報知手段として作動する。
【0024】
一方、駐車ゾーン12a内の車室の数の方が、算出された駐車ゾーン12a内の車両の数よりも大きくないと判断すると(S14において、NO)、駐車ゾーン12a内の車室13a〜13pのすべてに車両が駐車された状態、すなわち、満車状態となり、空き車室はなく、駐車不可能と判断する(S17)。そして、表示ランプ23において、「満」の文字を表示し、駐車ゾーン12aにおいては、満車状態であることを報知する(S18)。
【0025】
このように構成することにより、第一および第二の車両移動方向検出センサ22a、22bにより検出された車両の移動方向から駐車ゾーン12a内の車両の数を算出して、駐車ゾーン内の車両の数を容易に把握することができる。そして、駐車ゾーン12a内の車室13a〜13pの数と、駐車ゾーン12a内の車両の数とを比較して、駐車ゾーン12a内に駐車可能な空き車室があるか否かを判断することができる。したがって、空き車室がある駐車ゾーン12aを容易に検出することができ、より効率的に駐車場11を管理することができる。この場合、車両があるか否かを検出するセンサを各車室13a〜13pに設ける必要はないため、安価に構成することができる。したがって、安価で効率的な駐車場11の管理を行うことができる。
【0026】
この場合、さらに、判断手段により駐車可能な車室があると判断すれば、その旨を表示ランプ23により報知するため、空き車室があると判断された駐車ゾーン12aに、積極的に車両を誘導することができる。ユーザは、空き車室がある駐車ゾーン12aを知ることができれば、駐車ゾーン12a内で空き車室を容易に探し出すことができる。したがって、さらに効率的に駐車場11を管理することができる。
【0027】
また、上記の実施の形態において、駐車ゾーン12a内の車室の数よりも駐車ゾーン12a内の車両の数の方が多いと判断した場合、例えば、駐車ゾーン12a内の通路14上に車両が存在する恐れがあるため、駐車場11の管理者にその旨を知らせるようにする。こうすることにより、駐車ゾーン12a内における異常状態を早急に管理者に知らせることができる。したがって、さらに効率的に駐車場11を管理することができる。
【0028】
次に、この発明の一実施形態に係る駐車場管理システム21に備えられる車両移動方向検出センサの構成について説明する。図4は、この発明の一実施形態に係る駐車場管理システム21に備えられる第一の車両移動方向検出センサ22aを横方向から見た図である。図5は、図4に示す車両移動方向検出センサ22aを、下方向、すなわち、図4に示す矢印Vの方向から見た図である。
【0029】
図4および図5を参照して、車両移動方向検出センサ22aは、所定のタイミングで撮影可能なネットワークカメラ31aと、ネットワークカメラ31aによって撮影した画像データの送受信等のインタフェースとなるコンバータ32と、ネットワーク経由で画像データを送受信するハブ33と、ネットワークカメラ31a、コンバータ32、ハブ33を保持する筐体34と、ネットワークカメラ31aによって撮影した画像データの画像処理等を行うセンサ制御部(図示せず)とを備える。
【0030】
ネットワークカメラ31aは、CCD(Charge Coupled Device)カメラである。筐体34のうちの一つの面36aに、ネットワークカメラ31aが取り付けられる。下面35bの中央には上面35a側に凹んだ凹部37が設けられている。コンバータ32およびハブ33は、凹部37を利用して、筐体34の内方側に取り付けられる。ネットワークカメラ31aは、コンバータ32およびハブ33にケーブル(図示せず)を介して接続されている。ネットワークカメラ31aによって撮影された画像データは、ハブ33を経由して、外部に設けられたセンサ制御部に送信される。筐体34の上面35aは、支持棒38の一方端と連結されている。筐体34は、支持棒38を介して、駐車場の天井39に取り付けられる。
【0031】
なお、同様の構成のネットワークカメラ31b、31c、31dが、筐体34のその他の面36b、36c、36dに設けられている。ネットワークカメラ31b〜31dの構成は、ネットワークカメラ31aと同じであるため、その説明を省略する。こうすることにより90°異なる四つの方向を撮影可能となる。
【0032】
次に、車両移動方向検出センサ22aによって、所定の位置を移動する車両の移動方向を検出する方法について説明する。図6は、車両移動方向検出センサ22aによって所定の位置を移動する車両の移動方向を検出する際のセンサ制御部の動作を示すフローチャートである。図4〜図6を参照して、まず、車両が移動する通路上の所定の位置における動体の検出を行なう(S21)。動体の検出は、フレーム間差分法を利用し、以下のようにして行う。
【0033】
まず、第一のタイミングで、ネットワークカメラ31aにより所定の位置の画像を撮影する。ここで撮影された画像を、第一の画像と呼ぶ。その後、第一のタイミングよりも遅い第二のタイミングで、ネットワークカメラ31aにより再び所定の位置の画像を撮影する。ここで撮影された画像を、第二の画像と呼ぶ。次に、第一の画像と第二の画像について、輝度の差が車両の速度や車両の大きさ等から算出される閾値以上となっている座標をカウントし、動体を検出する。図7は、第一の画像41a、図8は、第二の画像41bの模式図である。図7および図8を参照して、いずれも背景部42、通路部43、および車両部44が含まれている。撮影された第一および第二の画像41a、41bを比較して、輝度の変化量が閾値よりも高いか否かにより、動体検出を行なう。
【0034】
その後、動体が検出されれば(S21において、YES)、次に、移動体を検出する(S22)。移動体の検出は、背景差分法を利用して、ピクセル毎の変化が移動体による変化に相当するか否かを検討することにより検出する。背景差分法は、図9に示す背景画像41cと、第二の画像41bとを比較して、輝度の変化量が閾値よりも高いか否かにより、移動体を検出する。
【0035】
移動体を検出後、データの二値化およびラベリングを行い、移動ベクトル、すなわち、移動方向を検出する(S23、S24、S25)。具体的には、フレーム間差分法においては、図10に示すように、二値化された差分画像41dを形成し、物体部45aと背景部46aとを判別する。また、背景差分法においては、図11に示すように、二値化された差分画像41eを形成し、物体部45bと背景部46bとを判別する。ここで、二値画像中で、同じ値を持つ画素が互いに連結して一つの塊を構成しているものを連結成分と呼ぶ。また、ラベリングとは、複数の同形成分が存在する二値化画像において、それぞれの連結成分に対して異なったラベルを割り当てる処理をいう。このようにして、車両の移動方向を検出する。
【0036】
このような車両移動方向検出センサ22aは、撮影手段としてのネットワークカメラ31aにより撮影された複数の画像から、所定の位置を移動する車両の移動方向を検出することができる。したがって、移動する車両の移動方向を容易に検出することができる。
【0037】
なお、動体が検出されなかった場合には(S21において、NO)、所定の回数連続して動体が検出されていないか否かを判断する(S26)。所定の回数連続して動体が検出されていないと判断した場合には(S26において、YES)、その画像を背景画像として、背景画像を更新する(S27)。こうすることにより、最新の背景画像を得ることができ、より正確に動体の検出等を行うことができる。一方、所定の回数内に動体が検出された場合には(S26において、NO)、その画像を保存しておく(S28)。
【0038】
ここで、動体を検出する方法、移動体を検出する方法については、オプティカルフロー法(ブロックマッチング法、勾配法)等も適用される。
【0039】
なお、筐体34には、4方向撮影可能なネットワークカメラ31a〜31dが設けられているため、隣接する他の駐車ゾーン12b内の出入り口を移動する車両の移動方向を検出することができる。こうすることにより、より効率的に駐車場11を管理することができる。さらに、ネットワークカメラ31a〜31dにより撮影された画像を利用して、車両の移動方向の検出精度を向上させることができる。また、筐体34に、360°の画像を撮影可能な全方位ミラーや全方位レンズを設けることにしてもよい。こうすることにより、より効率的に管理することができる。
【0040】
なお、上記の実施の形態においては、2つの車両移動方向検出センサ22a、22bを用いて駐車ゾーン12a内の車両の数を算出することにしたが、図12に示す駐車ゾーン51、すなわち、通路の一方側に壁52があり、行き止りである場合、出入り口53は一つしかないため、一つの車両移動方向検出センサ54により構成することができる。
【0041】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】この発明の一実施形態に係る駐車場管理システムを適用した駐車場の一部を示す概略図である。
【図2】この発明の一実施形態に係る駐車場管理システムを示すブロック図である。
【図3】この発明の一実施形態に係る駐車場管理システムによる処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】この発明の一実施形態に係る車両移動方向検出センサを横方向から見た図である。
【図5】図4に示す車両移動方向検出センサを、図4中の矢印Vの方向から見た図である。
【図6】この発明の一実施形態に係る車両移動方向検出センサによる処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】フレーム間差分法において、背景画像の一例を示す模式図である。
【図8】フレーム間差分法において、所定のタイミングで撮影された画像の一例を示す模式図である。
【図9】背景差分法において、背景画像の一例を示す模式図である。
【図10】フレーム間差分法において、差分画像の一例を示す模式図である。
【図11】背景差分法において、差分画像の一例を示す模式図である。
【図12】この発明に他の実施形態に係る駐車場管理システムを適用した駐車場の一部を示す概略図である。
【符号の説明】
【0043】
11 駐車場、12a,12b,12c,51 駐車ゾーン、13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j,13k,13l,13m,13n,13o,13p 車室、14 通路、15a,15b,53 出入り口、21 駐車場管理システム、22a,22b,54 車両移動方向検出センサ、23 表示ランプ、24 HDD、25 システム制御部、31a,31b,31c,31d ネットワークカメラ、32 コンバータ、33 ハブ、34 筐体、35a 上面、35b 下面、36a,36b,36c,36d 面、37 凹部、38 支持棒、39 天井、41a,41b,41c,41d,41e 画像、42,46a,46b 背景部、43 通路部、44 車両部、45a,45b 物体部、52 壁。
【技術分野】
【0001】
この発明は、駐車場管理システムおよび車両移動方向検出センサに関し、特に、駐車場内の空き車室を管理する駐車場管理システムおよびこのような駐車場管理システムに利用される車両移動方向検出センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の駐車場においては、駐車場内に複数の車室(駐車スペース)が設けられている。車両を駐車したいユーザは、ユーザ自らが駐車場内において空き車室を探し出し、その空き車室に車両を駐車する。駐車場を管理する駐車場管理システムについては、空き車室があれば早急にユーザに知らせ、効率的に駐車させることが好ましい。
【0003】
特開平4−363800号(特許文献1)に開示された駐車場システムによると、駐車場内の各駐車スペースに超音波センサを取り付け、この超音波センサにより、駐車スペース内に車両があるか否かを検知している。このようにして、駐車場内における駐車スペースの空き状況を管理することにしている。
【特許文献1】特開平4−363800号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1によると、各車室に超音波センサを取り付ける必要がある。そうすると、工事費用等の観点から、駐車場管理システム全体として費用が高くなってしまう。一方、このようなセンサは、任意の車室に設けるのみでは、効率的な駐車場の管理を行うことができない。
【0005】
この発明の目的は、安価で効率的な駐車場管理システムを提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、移動する車両の移動方向を容易に検出可能な車両移動方向検出センサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る駐車場管理システムは、複数の車室を含む駐車ゾーンに通ずる通路の出入り口を撮影可能な位置に設けられ、出入り口を移動する車両の移動方向を検出する車両移動方向検出センサと、車両移動方向検出センサにより検出された車両の移動方向から、駐車ゾーン内の車両の数を算出する算出手段とを備える。車両移動方向検出センサは、出入り口を撮影する撮影手段と、撮影手段により異なるタイミングで複数回撮影した画像をそれぞれ比較して、出入り口を移動する車両の移動方向を検出する検出手段とを含む。
【0008】
このように構成することにより、車両移動方向検出センサにより検出された車両の移動方向から駐車ゾーン内の車両の数を算出して、駐車ゾーン内の車両の数を容易に把握することができる。そうすると、駐車ゾーン内の車両の数を基に、駐車場を管理することができる。この場合、車両があるか否かを検出するセンサを各車室に設ける必要はないため、安価に構成することができる。したがって、安価で効率的な駐車場の管理を行うことができる。
【0009】
好ましくは、算出手段により算出された車両の数に応じて、駐車ゾーンに駐車可能な車室があるか否かを判断する判断手段を備える。こうすることにより、算出された駐車ゾーン内の車両の数を基に、駐車ゾーン内に駐車可能な空き車室があるか否かを判断することができる。したがって、空き車室がある駐車ゾーンを容易に把握することができ、より効率的に駐車場を管理することができる。
【0010】
さらに好ましくは、判断手段により駐車可能な車室があると判断すれば、その旨をユーザに報知する報知手段を備える。こうすることにより、空き車室があると判断された駐車ゾーンに、ユーザを積極的に誘導することができる。ユーザは、空き車室がある駐車ゾーンを知ることができれば、駐車ゾーン内で空き車室を容易に探し出すことができる。したがって、さらに効率的に駐車場を管理することができる。
【0011】
この発明の他の局面においては、車両移動方向検出センサは、車両が移動する通路上の所定の位置を撮影する撮影手段と、撮影手段により異なるタイミングで複数回撮影した画像をそれぞれ比較して、所定の位置を移動する車両の移動方向を検出する検出手段とを備える。
【0012】
このような車両移動方向検出センサは、撮影手段により撮影された複数の画像から、所定の位置を移動する車両の移動方向を検出することができる。したがって、移動する車両の移動方向を容易に検出することができる。
【発明の効果】
【0013】
この発明によると、車両移動方向検出センサにより検出された車両の移動方向から駐車ゾーン内の車両の数を算出して、駐車ゾーン内の車両の数を容易に把握することができる。そうすると、駐車ゾーン内の車両の数を基に、駐車場を管理することができる。この場合、車両があるか否かを検出するセンサを各車室に設ける必要はないため、安価に構成することができる。したがって、安価で効率的な駐車場の管理を行うことができる。
【0014】
また、このような車両移動方向検出センサは、撮影手段により撮影された複数の画像から、所定の位置を移動する車両の移動方向を検出することができる。したがって、移動する車両の移動方向を容易に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。この発明に係る駐車場管理システムは、例えば、百貨店やスーパー、遊園地等に設置される大型の駐車場、特に、天井を有する屋内の駐車場に、有効に利用される。
【0016】
図1は、この発明の一実施形態に係る駐車場管理システムを利用した駐車場の一部を、上方向、すなわち、天の方向から見た図である。図1を参照して、駐車場11は、図1中の一点鎖線で示す複数の駐車ゾーン12a、12b、12cに分けられている。すなわち、駐車場11は、複数の駐車ゾーン12a〜12cから構成されている。各駐車ゾーン12a〜12cは、複数の車室を含む。駐車ゾーン12aには、各車室13a〜13pに通ずる通路14が設けられている。駐車ゾーン12a内の空き車室に車両を駐車したいユーザは、通路14の一方側または他方側の出入り口15a、15bから駐車ゾーン12a内に進入し、駐車ゾーン12a内の車室13a〜13pの中から空き車室を探し出す。そして、その車室に駐車する。
【0017】
図2は、この発明の一実施形態に係る駐車場管理システムを示すブロック図である。図1および図2を参照して、この発明の一実施形態に係る駐車場管理システム21は、通路14の一方側の出入り口15aを撮影可能な位置に設けられ、出入り口15aを移動する車両の移動方向を検出する第一の車両移動方向検出センサ22aと、通路14の他方側の出入り口15bを撮影可能な位置に設けられ、出入り口15bを移動する車両の移動方向を検出する第二の車両移動方向検出センサ22bと、駐車ゾーン12a内に空き車室があるか否かをユーザに知らせる表示ランプ23と、画像データ等、種々のデータを保存するHDD24と、表示ランプ23、HDD24、第一および第二の車両移動方向検出センサ22a、22bの動作を制御するシステム制御部25とを備える。
【0018】
第一および第二の車両移動方向検出センサ22a、22bはそれぞれ、出入り口15a、15bの上方の天井部分に設けられている。なお、天井がない場合には、例えば、出入り口15a、15b付近に鉄塔等を立て、その先端部分に設けるようにしてもよい。表示ランプ23は、駐車場11内において、空き車室を探しているユーザが見やすい位置、例えば、駐車場11の入口(図示せず)付近に設けられている。HDD24には、予め駐車ゾーン12a内に駐車可能な車両の数、すなわち、駐車ゾーン12a内の車室13a〜13pの数が保存されている。システム制御部25は、第一および第二の車両移動方向検出センサ22a、22bにより検出された車両の移動方向から、駐車ゾーン12a内の車両の数を算出する算出手段として作動する。
【0019】
次に、駐車ゾーン12a内に空き車室があるか否かを検出する方法について説明する。図3は、上記した駐車場管理システム21において、駐車ゾーン12a内に空き車室があるか否かを検出する場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【0020】
図1〜図3を参照して、まず、第一の車両移動方向検出センサ22aにより、一方側の出入り口15aを移動する車両の移動方向を検出する(図1において、ステップS11、以下、ステップを省略する)。同時に、第二の車両移動方向検出センサ22bにより、他方側の出入り口15bを移動する車両の移動方向を検出する(S12)。このS11およびS12は、所定のタイミング、例えば、100ミリ秒〜200ミリ秒毎に行う。
【0021】
その後、第一および第二の車両移動方向検出センサ22a、22bにより検出した車両の移動方向から、駐車ゾーン12a内の車両の数を算出する。具体的には、第一の車両移動方向検出センサ22aにおいて、矢印Aの方向への車両の移動があった場合には、駐車ゾーン12a内の車両数を1カウントアップし、矢印Bの方向への車両の移動があった場合には、駐車ゾーン12a内の車両数を1カウントダウンする。第二の車両移動方向検出センサ22bにおいても同様に、矢印Cの方向および矢印Dの方向への車両の移動があった場合には、カウントアップおよびカウントダウンを行なう。このようにして、駐車ゾーン12a内の車両の数を算出する(S13)。ここで、システム制御部25は、算出手段として作動する。
【0022】
次に、HDD24により予め保存されていた駐車ゾーン12a内の車室13a〜13pの数の方が、算出された駐車ゾーン12a内の車両の数よりも大きいか否かを判断する(S14)。ここで、システム制御部25は、判断手段として作動する。この場合、具体的には、駐車ゾーン12a内には合計16個の車室13a〜13pがあるため、駐車ゾーン12a内の車両の数が16よりも大きいか否かを判断する。
【0023】
ここで、駐車ゾーン12a内の車室13a〜13pの数の方が、算出された駐車ゾーン12a内の車両の数よりも大きいと判断すると(S14において、YES)、駐車ゾーン12a内に空き車室があると判断する(S15)。すなわち、駐車ゾーン12a内におけるいずれかの車室13a〜13pが駐車可能な空き車室であると判断する。そして、表示ランプ23において、「空」の文字を表示し、駐車ゾーン12a内に空き車室があることを報知する(S16)。ここで、表示ランプ23およびシステム制御部25は、報知手段として作動する。
【0024】
一方、駐車ゾーン12a内の車室の数の方が、算出された駐車ゾーン12a内の車両の数よりも大きくないと判断すると(S14において、NO)、駐車ゾーン12a内の車室13a〜13pのすべてに車両が駐車された状態、すなわち、満車状態となり、空き車室はなく、駐車不可能と判断する(S17)。そして、表示ランプ23において、「満」の文字を表示し、駐車ゾーン12aにおいては、満車状態であることを報知する(S18)。
【0025】
このように構成することにより、第一および第二の車両移動方向検出センサ22a、22bにより検出された車両の移動方向から駐車ゾーン12a内の車両の数を算出して、駐車ゾーン内の車両の数を容易に把握することができる。そして、駐車ゾーン12a内の車室13a〜13pの数と、駐車ゾーン12a内の車両の数とを比較して、駐車ゾーン12a内に駐車可能な空き車室があるか否かを判断することができる。したがって、空き車室がある駐車ゾーン12aを容易に検出することができ、より効率的に駐車場11を管理することができる。この場合、車両があるか否かを検出するセンサを各車室13a〜13pに設ける必要はないため、安価に構成することができる。したがって、安価で効率的な駐車場11の管理を行うことができる。
【0026】
この場合、さらに、判断手段により駐車可能な車室があると判断すれば、その旨を表示ランプ23により報知するため、空き車室があると判断された駐車ゾーン12aに、積極的に車両を誘導することができる。ユーザは、空き車室がある駐車ゾーン12aを知ることができれば、駐車ゾーン12a内で空き車室を容易に探し出すことができる。したがって、さらに効率的に駐車場11を管理することができる。
【0027】
また、上記の実施の形態において、駐車ゾーン12a内の車室の数よりも駐車ゾーン12a内の車両の数の方が多いと判断した場合、例えば、駐車ゾーン12a内の通路14上に車両が存在する恐れがあるため、駐車場11の管理者にその旨を知らせるようにする。こうすることにより、駐車ゾーン12a内における異常状態を早急に管理者に知らせることができる。したがって、さらに効率的に駐車場11を管理することができる。
【0028】
次に、この発明の一実施形態に係る駐車場管理システム21に備えられる車両移動方向検出センサの構成について説明する。図4は、この発明の一実施形態に係る駐車場管理システム21に備えられる第一の車両移動方向検出センサ22aを横方向から見た図である。図5は、図4に示す車両移動方向検出センサ22aを、下方向、すなわち、図4に示す矢印Vの方向から見た図である。
【0029】
図4および図5を参照して、車両移動方向検出センサ22aは、所定のタイミングで撮影可能なネットワークカメラ31aと、ネットワークカメラ31aによって撮影した画像データの送受信等のインタフェースとなるコンバータ32と、ネットワーク経由で画像データを送受信するハブ33と、ネットワークカメラ31a、コンバータ32、ハブ33を保持する筐体34と、ネットワークカメラ31aによって撮影した画像データの画像処理等を行うセンサ制御部(図示せず)とを備える。
【0030】
ネットワークカメラ31aは、CCD(Charge Coupled Device)カメラである。筐体34のうちの一つの面36aに、ネットワークカメラ31aが取り付けられる。下面35bの中央には上面35a側に凹んだ凹部37が設けられている。コンバータ32およびハブ33は、凹部37を利用して、筐体34の内方側に取り付けられる。ネットワークカメラ31aは、コンバータ32およびハブ33にケーブル(図示せず)を介して接続されている。ネットワークカメラ31aによって撮影された画像データは、ハブ33を経由して、外部に設けられたセンサ制御部に送信される。筐体34の上面35aは、支持棒38の一方端と連結されている。筐体34は、支持棒38を介して、駐車場の天井39に取り付けられる。
【0031】
なお、同様の構成のネットワークカメラ31b、31c、31dが、筐体34のその他の面36b、36c、36dに設けられている。ネットワークカメラ31b〜31dの構成は、ネットワークカメラ31aと同じであるため、その説明を省略する。こうすることにより90°異なる四つの方向を撮影可能となる。
【0032】
次に、車両移動方向検出センサ22aによって、所定の位置を移動する車両の移動方向を検出する方法について説明する。図6は、車両移動方向検出センサ22aによって所定の位置を移動する車両の移動方向を検出する際のセンサ制御部の動作を示すフローチャートである。図4〜図6を参照して、まず、車両が移動する通路上の所定の位置における動体の検出を行なう(S21)。動体の検出は、フレーム間差分法を利用し、以下のようにして行う。
【0033】
まず、第一のタイミングで、ネットワークカメラ31aにより所定の位置の画像を撮影する。ここで撮影された画像を、第一の画像と呼ぶ。その後、第一のタイミングよりも遅い第二のタイミングで、ネットワークカメラ31aにより再び所定の位置の画像を撮影する。ここで撮影された画像を、第二の画像と呼ぶ。次に、第一の画像と第二の画像について、輝度の差が車両の速度や車両の大きさ等から算出される閾値以上となっている座標をカウントし、動体を検出する。図7は、第一の画像41a、図8は、第二の画像41bの模式図である。図7および図8を参照して、いずれも背景部42、通路部43、および車両部44が含まれている。撮影された第一および第二の画像41a、41bを比較して、輝度の変化量が閾値よりも高いか否かにより、動体検出を行なう。
【0034】
その後、動体が検出されれば(S21において、YES)、次に、移動体を検出する(S22)。移動体の検出は、背景差分法を利用して、ピクセル毎の変化が移動体による変化に相当するか否かを検討することにより検出する。背景差分法は、図9に示す背景画像41cと、第二の画像41bとを比較して、輝度の変化量が閾値よりも高いか否かにより、移動体を検出する。
【0035】
移動体を検出後、データの二値化およびラベリングを行い、移動ベクトル、すなわち、移動方向を検出する(S23、S24、S25)。具体的には、フレーム間差分法においては、図10に示すように、二値化された差分画像41dを形成し、物体部45aと背景部46aとを判別する。また、背景差分法においては、図11に示すように、二値化された差分画像41eを形成し、物体部45bと背景部46bとを判別する。ここで、二値画像中で、同じ値を持つ画素が互いに連結して一つの塊を構成しているものを連結成分と呼ぶ。また、ラベリングとは、複数の同形成分が存在する二値化画像において、それぞれの連結成分に対して異なったラベルを割り当てる処理をいう。このようにして、車両の移動方向を検出する。
【0036】
このような車両移動方向検出センサ22aは、撮影手段としてのネットワークカメラ31aにより撮影された複数の画像から、所定の位置を移動する車両の移動方向を検出することができる。したがって、移動する車両の移動方向を容易に検出することができる。
【0037】
なお、動体が検出されなかった場合には(S21において、NO)、所定の回数連続して動体が検出されていないか否かを判断する(S26)。所定の回数連続して動体が検出されていないと判断した場合には(S26において、YES)、その画像を背景画像として、背景画像を更新する(S27)。こうすることにより、最新の背景画像を得ることができ、より正確に動体の検出等を行うことができる。一方、所定の回数内に動体が検出された場合には(S26において、NO)、その画像を保存しておく(S28)。
【0038】
ここで、動体を検出する方法、移動体を検出する方法については、オプティカルフロー法(ブロックマッチング法、勾配法)等も適用される。
【0039】
なお、筐体34には、4方向撮影可能なネットワークカメラ31a〜31dが設けられているため、隣接する他の駐車ゾーン12b内の出入り口を移動する車両の移動方向を検出することができる。こうすることにより、より効率的に駐車場11を管理することができる。さらに、ネットワークカメラ31a〜31dにより撮影された画像を利用して、車両の移動方向の検出精度を向上させることができる。また、筐体34に、360°の画像を撮影可能な全方位ミラーや全方位レンズを設けることにしてもよい。こうすることにより、より効率的に管理することができる。
【0040】
なお、上記の実施の形態においては、2つの車両移動方向検出センサ22a、22bを用いて駐車ゾーン12a内の車両の数を算出することにしたが、図12に示す駐車ゾーン51、すなわち、通路の一方側に壁52があり、行き止りである場合、出入り口53は一つしかないため、一つの車両移動方向検出センサ54により構成することができる。
【0041】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】この発明の一実施形態に係る駐車場管理システムを適用した駐車場の一部を示す概略図である。
【図2】この発明の一実施形態に係る駐車場管理システムを示すブロック図である。
【図3】この発明の一実施形態に係る駐車場管理システムによる処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】この発明の一実施形態に係る車両移動方向検出センサを横方向から見た図である。
【図5】図4に示す車両移動方向検出センサを、図4中の矢印Vの方向から見た図である。
【図6】この発明の一実施形態に係る車両移動方向検出センサによる処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】フレーム間差分法において、背景画像の一例を示す模式図である。
【図8】フレーム間差分法において、所定のタイミングで撮影された画像の一例を示す模式図である。
【図9】背景差分法において、背景画像の一例を示す模式図である。
【図10】フレーム間差分法において、差分画像の一例を示す模式図である。
【図11】背景差分法において、差分画像の一例を示す模式図である。
【図12】この発明に他の実施形態に係る駐車場管理システムを適用した駐車場の一部を示す概略図である。
【符号の説明】
【0043】
11 駐車場、12a,12b,12c,51 駐車ゾーン、13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j,13k,13l,13m,13n,13o,13p 車室、14 通路、15a,15b,53 出入り口、21 駐車場管理システム、22a,22b,54 車両移動方向検出センサ、23 表示ランプ、24 HDD、25 システム制御部、31a,31b,31c,31d ネットワークカメラ、32 コンバータ、33 ハブ、34 筐体、35a 上面、35b 下面、36a,36b,36c,36d 面、37 凹部、38 支持棒、39 天井、41a,41b,41c,41d,41e 画像、42,46a,46b 背景部、43 通路部、44 車両部、45a,45b 物体部、52 壁。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車室を含む駐車ゾーンに通ずる通路の出入り口を撮影可能な位置に設けられ、前記出入り口を移動する車両の移動方向を検出する車両移動方向検出センサと、
前記車両移動方向検出センサにより検出された車両の移動方向から、前記駐車ゾーン内の車両の数を算出する算出手段とを備え、
前記車両移動方向検出センサは、前記出入り口を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により異なるタイミングで複数回撮影した画像をそれぞれ比較して、前記出入り口を移動する車両の移動方向を検出する検出手段とを含む、駐車場管理システム。
【請求項2】
前記算出手段により算出された車両の数に応じて、前記駐車ゾーンに駐車可能な車室があるか否かを判断する判断手段を備える、請求項1に記載の駐車場管理システム。
【請求項3】
前記判断手段により駐車可能な車室があると判断すれば、その旨をユーザに報知する報知手段を備える、請求項2に記載の駐車場管理システム。
【請求項4】
車両が移動する通路上の所定の位置を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により異なるタイミングで複数回撮影した画像をそれぞれ比較して、前記所定の位置を移動する車両の移動方向を検出する検出手段とを備える、車両移動方向検出センサ。
【請求項1】
複数の車室を含む駐車ゾーンに通ずる通路の出入り口を撮影可能な位置に設けられ、前記出入り口を移動する車両の移動方向を検出する車両移動方向検出センサと、
前記車両移動方向検出センサにより検出された車両の移動方向から、前記駐車ゾーン内の車両の数を算出する算出手段とを備え、
前記車両移動方向検出センサは、前記出入り口を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により異なるタイミングで複数回撮影した画像をそれぞれ比較して、前記出入り口を移動する車両の移動方向を検出する検出手段とを含む、駐車場管理システム。
【請求項2】
前記算出手段により算出された車両の数に応じて、前記駐車ゾーンに駐車可能な車室があるか否かを判断する判断手段を備える、請求項1に記載の駐車場管理システム。
【請求項3】
前記判断手段により駐車可能な車室があると判断すれば、その旨をユーザに報知する報知手段を備える、請求項2に記載の駐車場管理システム。
【請求項4】
車両が移動する通路上の所定の位置を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により異なるタイミングで複数回撮影した画像をそれぞれ比較して、前記所定の位置を移動する車両の移動方向を検出する検出手段とを備える、車両移動方向検出センサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−299415(P2008−299415A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−142194(P2007−142194)
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【出願人】(000134925)株式会社ニチゾウテック (22)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【出願人】(000134925)株式会社ニチゾウテック (22)
【Fターム(参考)】
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