説明

駐車支援装置

【課題】駐車支援のための駐車目標を、ユーザーによる操作を伴って簡単且つ精度よく設定する。
【解決手段】設定ボタンとして表示されて駐車目標を設定するための設定アイコンPに対するユーザーの第1の操作を検出すると共に、第1の操作に続く操作であり、モニタ装置に表示された表示画像上の所望の駐車位置Eに対するユーザーの第2の操作を検出して、ユーザーによる駐車目標の設定指示を受け付け、実際の空間内で表示画像上の所望の駐車位置Eが対応する領域において車両90が駐車可能な空間を駐車目標として、車両の周辺の状況を検出する周辺検出装置の検出結果を用いて駐車目標を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の駐車時の運転操作を支援する駐車支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両を駐車させる際のドライバーの運転操作の負荷を軽減させるために、様々な駐車支援技術が提案され、実用化されている。適切な駐車支援を行うためには、精度のよい駐車目標の設定が望まれる。駐車目標は、ドライバーなどのユーザーの理解のし易さなども考慮して、車両とほぼ同じ大きさの矩形状の枠(駐車目標枠)によってディスプレイ上に表示されることも多い。特開2007−118904号公報(特許文献1)では、タッチパネルを備えたディスプレイ上でのタッチ操作により指定された座標点に駐車目標枠を移動させる。この際、この座標点に駐車目標枠の回転中心が設定され、タッチパネルへの操作によってユーザーが駐車目標枠を回転させることが可能とされる。これにより、ユーザーは、駐車目標枠を比較的高い精度で容易に設定することができる(特許文献1:第25〜31段落、図3〜5等)。
【0003】
但し、特許文献1の第30段落や図4及び図5等に示されているように、回転中心は、実際の駐車枠の角に対応する。車両に搭載されたモニタ装置のディスプレイは、一般的に7〜13インチ程度であるから、ドライバーは、タッチパネルに対して、比較的繊細な操作を要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−118904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記背景に鑑み、駐車支援のための駐車目標を、ユーザーによる操作を伴って簡単且つ精度よく設定する技術が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑みた、本発明に係る駐車支援装置の特徴構成は、
車載カメラにより撮影された撮影画像と前記撮影画像に重畳された設定ボタンとを含む表示画像をモニタ装置へ提供する表示画像提供部と、
前記設定ボタンとして表示されて駐車目標を設定するための設定アイコンに対するユーザーの第1の操作を検出すると共に、前記第1の操作に続く操作であり、前記モニタ装置に表示された前記表示画像上の所望の駐車位置に対する前記ユーザーの第2の操作を検出して、前記ユーザーによる前記駐車目標の設定指示を受け付ける目標設定指示受付部と、
車両の周辺の状況を検出する周辺検出装置の検出結果を用い、前記表示画像上の前記所望の駐車位置が対応する実際の空間内の領域において前記車両が駐車可能な空間を、前記駐車目標として設定する駐車目標設定部と、を備える点にある。
【0007】
この構成によれば、ユーザーの第1の操作によって設定アイコンが選択又は指定されるので、駐車支援装置は、ユーザーが駐車目標の設定を行おうとしていることを検出することができる。そして、第1の操作に続くユーザーの第2の操作によってユーザーが車両を駐車させたい位置を検出することができる。駐車目標設定部は、第2の操作によってユーザーから与えられた位置に基づいて、周辺検出装置の検出結果から駐車目標を設定する。駐車目標の詳細な位置は、駐車目標設定部により同定されるから、ユーザーはおおよその位置において第2の操作を行えば足りる。従って、本構成によれば、駐車支援のための駐車目標を、ユーザーによる操作を伴って簡単且つ精度よく設定することが可能となる。
【0008】
ここで、本発明に係る駐車支援装置の前記第1の操作は、前記設定アイコンを操作対象として指定する指定操作を行い、この指定操作を継続すると共に前記設定アイコンを前記表示画像上において移動させるドラッグ操作であり、前記第2の操作は、前記表示画像上の前記所望の駐車位置において前記ドラッグ操作により移動されている前記設定アイコンを開放するドロップ操作であると好適である。ユーザーは、駐車目標を設定するための設定アイコンを、所望の位置まで、ポインティングデバイスや指などの操作手段を用いてモニタ装置の画面上で移動させることができる。第1の操作から第2の操作まで、設定アイコン又は設定アイコンを示すポインターが途切れることなく画面上を連続して移動するから、一連の操作で簡単に駐車目標を設定することができる。
【0009】
また、あるいは、本発明に係る駐車支援装置の前記第1の操作は、前記設定アイコンを操作対象として指定する指定操作であり、前記第2の操作は、前記第1の操作から所定時間内における前記表示画像上の前記所望の駐車位置を指定する指定操作であってもよい。車両内におけるモニタ装置は、ドライバーなどのユーザーの正面には配置されていない。このため、第1の操作から第2の操作まで途切れることなく画面上を連続して設定アイコンを移動させることが難しい場合もある。第1の操作で設定アイコンを選択又は指定し、第1の操作から所定時間内における第2の操作で所望の駐車位置を設定又は指定すれば、連続した操作を伴わずに駐車目標を設定することができる。
【0010】
ここで、前記モニタ装置が、タッチパネル付きのモニタ装置であれば、前記設定アイコンとして表示される前記設定ボタンを、タッチボタンとして表示させることが可能である。この場合には、前記設定アイコンを操作対象として指定する操作、並びに前記所望の駐車位置を指定する操作である前記指定操作は、前記ユーザーによるタッチ操作とすることができる。具体的には、前記第1の操作は、前記設定アイコンにタッチし、このタッチを継続すると共に前記設定アイコンを前記表示画像上において移動させるドラッグ操作であり、前記第2の操作は、前記表示画像上の前記所望の駐車位置において前記ドラッグ操作により移動されている前記設定アイコンを開放するドロップ操作とすることができる。また、前記第1の操作は、前記設定アイコンに対するタッチ操作であり、前記第2の操作は、前記第1の操作から所定時間内における前記表示画像上の前記所望の駐車位置に対するタッチ操作とすることができる。このように、タッチボタンに対するタッチ操作を用いれば、特別なポインティングデバイスを用いることなく、簡便に駐車目標を設定することができる。
【0011】
また、本発明に係る駐車支援装置の前記駐車目標設定部は、前記周辺検出装置として機能する前記車載カメラによる前記撮影画像に基づいて、駐車区画を示す路面標示を認識することによって前記駐車目標を設定すると好適である。駐車区画を示す路面標示を画像認識すれば、精度良く駐車目標を設定することができる。また、目標設定の指示を行う表示画像は撮影画像から作られているので、撮影画像から路面標示を認識する際の整合性も得られやすい。また、ソナーなどの他のセンサを用いることなく、車載カメラのみを利用して駐車目標が設定可能である。
【0012】
また、本発明に係る駐車支援装置の前記駐車目標設定部は、前記第2の操作によって前記ユーザーにより設定された前記表示画像上の前記所望の駐車位置に基づいて、前記撮影画像における関心領域を設定し、前記関心領域の中で前記路面標示を認識することによって前記駐車目標を設定すると好適である。画像認識は、比較的演算負荷の重い処理であるが、関心領域を設定して、その関心領域の中で路面標示の画像認識を行うことによって演算負荷が軽減される。
【0013】
また、本発明に係る駐車支援装置は、前記車両からの距離を測定する距離センサの測定結果に基づいて、前記車両の周辺の空き空間を検出する空き空間検出部を備え、前記駐車目標設定部は、実際の空間内で前記表示画像上の前記所望の駐車位置が対応する位置を含む前記空き空間を前記駐車目標に設定すると好適である。クリアランスソナーなどの距離センサを利用することにより、車両の周辺の空き空間を簡単に検出することができる。空き空間検出部により空き空間が複数検出される場合には、どの空き空間に駐車目標を設定するかを改めて決定しなければならない。この際、駐車支援装置が自動的に選択すると、ユーザーの意図とは異なる区画を駐車目標とする可能性もある。しかし、本構成によれば、第2の操作によって指定された位置を含む空き空間が駐車目標に設定される。つまり、ユーザーによって指定された場所に駐車目標が設定されるので、ユーザーの利便性も向上する。
【0014】
また、本発明に係る駐車支援装置の前記表示画像提供部は、前記第2の操作の後、前記駐車目標設定部により設定された前記駐車目標に基づいて、前記設定アイコンを前記駐車目標を示す枠状の駐車目標アイコンに変更する。設定アイコンが表示形態を変えて枠状となり、駐車目標アイコンとなることで、ユーザーが指定した場所において駐車目標が正しく設定されたことが明確にユーザーに伝達される。即ち、優れたグラフィック・ユーザー・インターフェースによって、ユーザーに安心感を与え、利便性が向上する。
【0015】
また、本発明に係る駐車支援装置は、前記車載カメラが前記車両に複数個備えられ、前記表示画像が前記複数の車載カメラからの複数の撮影画像に基づいて合成された俯瞰画像を含むと好適である。地図のような形態の俯瞰画像は、車両と駐車区画との距離感をつかみやすく、ユーザーが設定アイコンを用いて駐車目標の設定指示を行う際の操作が容易である。即ち、優れたグラフィック・ユーザー・インターフェースを有することにより、ユーザーの利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】車両を一部切り欠いて示す車両の斜視図
【図2】カメラの撮影範囲を示す平面図
【図3】車両のシステム構成の一例を模式的に示すブロック図
【図4】駐車支援装置の機能構成の一例を模試的に示すブロック図
【図5】モニタ装置の画面の例を模試的に示す図
【図6】モニタ装置の画面の例を模試的に示す図
【図7】モニタ装置の画面の例を模試的に示す図
【図8】モニタ装置の画面の例を模試的に示す図
【図9】モニタ装置の画面の例を模試的に示す図
【図10】駐車支援装置により誘導される経路の一例を示す図
【図11】駐車支援装置の機能構成の他の例を模試的に示すブロック図
【図12】空き空間を検出する例を示す説明図
【図13】駐車場において空き空間を検出する例を示す説明図
【図14】別実施形態におけるモニタ装置の画面の例を模試的に示す図
【図15】別実施形態におけるモニタ装置の画面の例を模試的に示す図
【図16】駐車支援装置により誘導される経路の他の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、車両に備えられた複数のカメラの撮影画像を元にして、車両を上方から見下ろした形態となる俯瞰画像を生成してモニタ装置に表示する駐車支援装置(運転支援装置)を例として説明する。俯瞰画像を用いることにより、ドライバーに対して運転操作の支援や、車両の周辺の障害物などの監視支援を行うことができる。以下、俯瞰画像を用いて、車庫入れ駐車の際に駐車支援を実行する例を挙げて本発明の駐車支援装置の実施形態を説明する。
【0018】
車両90には、複数の車載カメラ1が設置されている。図1及び図2に示すように、車両90の後部、即ちバックドア91には後方カメラ1aが備えられている。左前部ドア92に備えられた左サイドミラー94の下部には左サイドカメラ1bが備えられ、右前部ドア93に備えられた右サイドミラー95の下部には右サイドカメラ1cが備えられている。また、車両90の前部には、前方カメラ1dが備えられている。以下の説明において、適宜、これらのカメラ1a〜1dを総称してカメラ1(車載カメラ)と称する。
【0019】
カメラ1はCCD(charge coupled device)やCIS(CMOS image sensor)などの撮像素子を用いて、毎秒15〜30フレームの2次元画像を時系列に撮影し、デジタル変換して動画データ(撮影画像)をリアルタイムに出力するデジタルカメラである。カメラ1は、広角レンズを備えて構成される。特に、本実施形態においては、水平方向に140〜190°の視野角が確保されている。後方カメラ1a及び前方カメラ1dは、光軸に約30度程度の俯角を有して車両90に設置され、車両90からおおよそ8m程度までの領域を撮影可能である。左サイドカメラ1b及び右サイドカメラ1cはサイドミラー94及び95の底部に光軸を下方に向けて設置され、車両90の側面の一部と路面(地面)とが撮影可能である。
【0020】
カメラ1により撮影された画像は、図3に示すように、スーパーインポーズ部2a、グラフィック描画部2b、フレームメモリ2cなどを有する画像処理モジュール2を介して、モニタ装置4に表示可能である。各フレームの2次元画像は、フレームメモリ2cに格納され、フレームごとに画像処理やグラフィックの重畳を施されることが可能である。また、画像処理モジュール2は、複数のカメラ1により撮影された撮影画像を合成して、より広い視野の合成画像を生成したり、撮影画像や合成画像の視点を変換して俯瞰画像を生成したりすることも可能である。
【0021】
車両90の前後位置の角部の外方位置には2つのカメラの撮影画像における重複領域W(図2を参照)が形成され、この重複領域Wにおいて境界部位を目立たなくする画像処理が実施されて合成画像が生成される。また、この合成画像の視点を変換し、車両90の屋根の外観画像(グラフィック画像)が視点変換後の画像に重畳されて俯瞰画像が生成される。このグラフィック画像は、車両90の屋根の外観を模式的に表現したり写実的に表現したりしたイラスト画像でもよいし、実際に車両90の屋根の外観を撮影した写真画像や映像画像でもよい。当然ながら、単一のカメラ1の撮影画像をそれぞれ視点変換し、視点変換された複数のカメラ1の撮影画像を合成してもよい。複数の撮影画像の合成や画像の視点変換に関する画像処理技術は公知であるので詳細な説明は省略する。グラフィック描画部2bへの描画指示や、スーパーインポーズ部2aへのグラフィック重畳指示は、後述するCPU(central processing unit)5から発せられる。
【0022】
モニタ装置4は、例えば、ナビゲーションシステムのモニタ装置が兼用される。図3に示すように、モニタ装置4は、表示部4aと、表示部4aに形成されたタッチパネル4bと、スピーカ4cとを有している。表示部4aは、画像処理モジュール2から提供されるカメラ1の撮影画像や、グラフィック画像、それらが合成された合成画像などを表示する。一例として、表示部4aは液晶ディスプレイによって構成される。タッチパネル4bは、表示部4aと共に形成され、指などによる接触位置をロケーションデータとして出力することができる感圧式や静電式の指示入力装置である。図3においては、スピーカ4cは、モニタ装置4に備えられている場合を例示しているが、スピーカ4cはドアの内側など、他の場所に備えられても良い。スピーカ4cは、CPU5の指示に応じて音声処理モジュール3から提供される音声を出力する。尚、CPU5は、単純にブザー8を介して報知音を鳴らす場合もある。
【0023】
CPU5は、画像認識や進路予想などの高度な演算処理を行い、駐車支援装置10の中核を担う。CPU5は、プログラムメモリ6に格納されたプログラムやパラメータを利用して各種演算処理を実行する。また、CPU5は、必要に応じてワークメモリ7に一時的に撮影画像などを格納して演算を実行する。ここでは、プログラムメモリ6やワークメモリ7が、CPU5とは別のメモリである例を示しているが、CPU5と同一のパッケージ内に集積されていてもよい。駐車支援装置10は、CPU5やメモリ、その他の周辺回路と共に、駐車支援ECU(electronic control unit)9として構成される。本例では、CPU5を中核としたが、駐車支援装置10は、DSP(digital signal processor)など、他の論理演算プロセッサや論理回路を中核として構成されてもよい。
【0024】
CPU5は、図3において符号50で示す車内ネットワークを介して種々のシステムやセンサと通信可能に接続されている。本実施形態においては、車内ネットワークとしてCAN(controller area network)50を例示している。図1に示すように、駐車支援装
置10(CPU5)は、車内のパワーステアリングシステム31やブレーキシステム37と接続される。これら各システムは、駐車支援装置10と同様にCPUなどの電子回路を中核として構成され、駐車支援ECU9と同様に周辺回路と共に構成されたECUを中核として構成される。
【0025】
パワーステアリングシステム31は、電動パワーステアリング(EPS : electric power steering)システムやSBW(steer-by-wire)システムである。このシステムは、ドライバーにより操作されるステアリングホイールにアクチュエータ41によりアシストトルクを付加することが可能である。また、ステアリングホイールや操舵輪をアクチュエータ41により駆動することによって自動操舵を行うことも可能である。ブレーキシステム37は、ブレーキのロックを抑制するABS(anti lock braking system)や、コーナリング時の車両の横滑りを抑制する横滑り防止装置(ESC : electronic stability control)、ブレーキ力を増強させるブレーキアシストなどを有した電動ブレーキシステムや、BBW(brake-by-wire)システムである。このシステムは、アクチュエータ47を介して車両90に制動力を付加することができる。
【0026】
図3において、各種センサの一例として、ステアリングセンサ21や車輪速センサ23、シフトレバースイッチ25、アクセルセンサ29がCAN50に接続されている。ステアリングセンサ21は、ステアリングホイールの操舵量(回転角度)を検出するセンサであり、例えばホール素子などを用いて構成される。駐車支援装置10は、ドライバーによるステアリングホイールの操舵量や、自動操舵時の操舵量をステアリングセンサ21から取得して各種制御を実行する。
【0027】
車輪速センサ23は、車両90の車輪の回転量や単位時間当たりの回転数を検出するセンサであり、例えばホール素子などを用いて構成される。駐車支援装置10は、車輪速センサ23から取得した情報に基づいて車両90の移動量などを演算し、各種制御を実行する。車輪速センサ23は、ブレーキシステム37に備えられている場合もある。ブレーキシステム37は、左右の車輪の回転差などからブレーキのロックや、車輪の空回り、横滑りの兆候などを検出して、各種制御を実行する。車輪速センサ23がブレーキシステム37に備えられている場合には、駐車支援装置10は、ブレーキシステム37を介して情報を取得する。ブレーキセンサ27は、ブレーキペダルの操作量を検出するセンサであり、駐車支援装置10は、ブレーキシステム37を介して情報を取得する。駐車支援装置10は、例えば、自動操舵中にブレーキペダルが踏み込まれたような場合に、自動操舵に不都合な環境下にあるとして自動操舵を中断したり中止したりする制御を行うことができる。
【0028】
シフトレバースイッチ25は、シフトレバーの位置を検出するセンサ又はスイッチであり、変位センサなどを用いて構成される。例えば、シフトがリバースにセットされた場合に、駐車支援装置10は支援制御を開始したり、リバースから前進に変更された場合に支援制御を終了させたりすることができる。また、ステアリングホイールへの操作トルクを検出するトルクセンサ22は、ドライバーがステアリングホイールを握っているか否かについても検出することが可能である。駐車支援装置10は、自動操舵中にドライバーがステアリングホイールを操作するために強く握った場合などに、自動操舵に不都合な環境下にあるとして自動操舵を中断したり中止したりする制御を行うことができる。また、自動操舵時には、一般的にエンジンのアイドリングによる車両90のクリーピングが利用される。従って、ドライバーがアクセルを操作したことがアクセルセンサ29により検出された場合、駐車支援装置10は、自動操舵に不都合な環境下にあるとして自動操舵を中断したり中止したりする制御を行うことができる。
【0029】
図3に示す各種システムやセンサ、これらの接続形態については一例であり、他の構成や接続形態が採用されてもよい。また、上述したように、センサは直接CAN50に接続されても良いし、種々のシステムを介して接続されてもよい。
【0030】
上述したように、駐車支援装置10は、CPU5を中核として構成され、プログラムメモリ6に格納されたプログラム(ソフトウェア)と協働して駐車支援のための種々の演算を実施する。駐車支援の種類としては、
(1)車内に搭載されたモニタ上に車両後方の映像を映し出すと共に、車幅延長線や予想進路線などのガイド線を重畳表示させるもの、
(2)駐車目標を設定し、音声などによりドライバーの操作を指示して誘導するもの、
(3)さらに、ドライバーが速度調整だけを担い、自動操舵により駐車目標へ誘導するもの、などがある。(2)及び(3)では、駐車目標が設定されるが、この駐車目標の設定についても、様々な手法がある。例えば、
(a)駐車目標位置を通過した際に、ソナー(クリアランスソナー33)などで空き領域を検出して自動認識し、駐車目標を検出するもの、
(b)例えば区画線を画像認識して駐車目標を検出するもの、
(c)精度向上のために、上記(a)や(b)など複数の手法を複合させたもの、
などがある。
【0031】
本実施形態では、上記(3)に示したように、自動操舵により駐車目標へ誘導する駐車支援装置を例示し、また、詳細は後述するが駐車目標の設定は、上記(b)に示したように、区画線を画像認識する場合を例示する。
【0032】
駐車支援装置10は、図4に示すように、表示画像提供部11と、目標設定指示受付部13と、駐車目標設定部15と、経路演算部17と、自動操舵制御部19との機能部を備える。各機能部は、運転支援ECU9として構成されたハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。
【0033】
表示画像提供部11は、カメラ1により撮影された撮影画像と撮影画像に重畳されたタッチボタン(設定ボタン)とを含む表示画像をタッチパネル4b付きのモニタ装置4へ提供する機能部である。目標設定指示受付部13は、ドライバーなどのユーザーによるタッチパネル4bへの駐車目標の設定指示を受け付ける機能部である。タッチパネル4bには、駐車目標を設定するための設定アイコンがタッチボタンとして表示される。目標設定指示受付部13は、この設定アイコンに対するユーザーの第1の操作を検出すると共に、第1の操作に続く操作であり、モニタ装置4に表示された表示画像上の所望の駐車位置に対するユーザーの第2の操作を検出して、駐車目標の設定指示を受け付ける。
【0034】
駐車目標設定部15は、車両90の周辺の状況を検出する周辺検出装置の検出結果を用いて駐車目標を設定する機能部である。本実施形態においては、周辺検出装置は、カメラ1であり、上記(b)に示したように、駐車目標設定部15は、撮影画像に基づいて、駐車区画を示す路面標示を認識することによって駐車目標を設定する。経路演算部17は、駐車目標に基づいて、車両90が駐車目標に到達するまでの誘導経路を演算する。自動操舵制御部19は、誘導経路に基づいてパワーステアリングシステム31を制御して、自動操舵により車両90を駐車目標まで誘導する。
【0035】
以下、図5〜図9に示すモニタ装置4の画面例を利用して説明する。ここでは、複数のカメラ1による撮影画像が合成された俯瞰画像と、何れか単一のカメラ1の撮影画像とが並んで表示されるマルチビュー画面を例示しているが、俯瞰画像のみが表示されていてもよい。また、俯瞰画像においては、自車両90はカメラ1により撮影された画像ではなく、事前に撮影された画像や描画された画像に基づくアイコンJとして表示されている。図5〜図9における符号100は、既に駐車されている駐車車両100である。
【0036】
1つの態様として、上記第1の操作は、図5及び図6に示すように、設定アイコンPにタッチし、このタッチを継続すると共に設定アイコンPを表示画像上において移動させるドラッグ操作である。また、上記第2の操作は、図6及び図7に示すように、表示画像上の所望の駐車位置においてドラッグ操作により移動されている設定アイコンPを開放するドロップ操作である。ここで、所望の駐車位置とは、ユーザーが車両90を駐車させたいおおよその位置であり、例えば、白線による区画線などの路面標示Yにより示された駐車区画Eである。ユーザーは、モニタ装置4に表示された駐車区画Eの中に設定アイコンPを移動させて、駐車区画Eの中で設定アイコンPを開放(ドロップ)する。つまり、1つの態様として、ドラッグ・アンド・ドロップ操作が適用可能である。
【0037】
別の態様として、上記第1の操作が、設定アイコンPに対するタッチ操作であり、第2の操作が、第1の操作から所定時間内における表示画像上の所望の駐車位置に対するタッチ操作であってもよい。つまり、ドラッグすることなく、所定時間内における2回のタッチ操作によって、ユーザーが、モニタ装置4に表示された駐車区画Eの中に設定アイコンPを移動させてもよい。つまり、1つの態様として、タッチ・アンド・タッチ操作が適用可能である。
【0038】
尚、図5〜図6においては、ユーザーの指によって設定アイコンPが操作されているが、マウス、ジョイスティックなどの別のポインティングデバイスを利用して操作されることを妨げるものではない。つまり、操作を行う操作手段や入力手段としては、ユーザーの指など、タッチパネル4bへ直接的に指示を与えるものに限定されることなく、マウス等のポインティングデバイス及び表示制御部2を介して指示を与えるものも含まれる。マウス、ジョイスティックなどの別のポインティングデバイスを利用した場合には、画面上に操作位置や操作状態を示すポインターが表示されるので、指による操作と同様の操作が可能である。
【0039】
上述したように、本実施形態においては、駐車目標設定部15は、周辺検出装置として機能する車載カメラ1による撮影画像に基づいて、駐車区画Eを示す路面標示Yを認識して、図9に示すような駐車目標Tを設定する。この際、駐車目標設定部15は、画像認識の演算負荷を軽減するため、図8に示すように、画像処理対象領域としての関心領域(region of interest)ROIを設定する。駐車目標設定部15は、関心領域ROIの中で路面標示Yを認識することによって駐車目標Tを設定する。具体的には、上記第2の操作によってユーザーにより設定された表示画像上の所望の駐車位置に基づいて、撮影画像における関心領域ROIを設定する。尚、ここで、撮影画像は、複数のカメラ1による撮影画像のそれぞれであっても良いし、複数でも良いし、合成後の俯瞰画像であっても良い。
【0040】
一般的に、路面はアスファルトなどの濃い色であり、路面標示Yは白や黄色などの薄い色であるから、路面標示Yのコントラストは高い。従って、公知のエッジ検出により、路面標示Yを容易に抽出することができる。そして、実空間上では、路面標示Yの多くの部分は直線によって形成されているから、俯瞰画像において路面標示Yは直線となっている。従って、駐車目標設定部15は、公知のハフ(Hough)変換や、RANSAC(random sample consensus)などを用いることによって、路面標示Yを画像認識することができる。尚、カメラ1の撮影画像そのものから路面標示Yを画像認識する際には、画像に歪み等が生じている可能性がある。しかし、歪み等を補正してから画像認識する、歪み等を考慮して直線をマッチングする等の公知の画像処理技術を用いることによって路面標示Yを認識することができる。
【0041】
表示画像提供部11は、第2の操作の後、駐車目標設定部15により設定された駐車目標Tに基づいて、設定アイコンPを駐車目標を示す枠状の駐車目標アイコンFに変更する。これにより、ユーザーは駐車目標Tの設定が完了したことを容易に視認することができ、また枠状の駐車目標アイコンFによって駐車位置を確認することができる。また、駐車目標Tを詳細に確認できるように、マルチビュー画面における撮影画像の表示を当該駐車目標Tが存在する方向のカメラ1の撮影画像に切り換えると好適である。本実施形態では、左サイドカメラ1bの撮影画像に切り換わる。
【0042】
駐車目標Tが設定されると、経路演算部17は、図10に示すように車両90の誘導経路Kを演算する。本実施形態においては、駐車目標Tが車両90の停車位置の横であるため、一旦、後退開始位置まで前進し、この後退開始位置から後退して駐車目標Tに達する誘導経路Kが導出される。自動操舵制御部19は、誘導経路Kに基づいてパワーステアリングシステム31を制御して、自動操舵により車両90を駐車目標まで誘導する。尚、この誘導経路Kでは、後退開始位置においてシフトレバーを前進から後退に切り換える必要があり、これはドライバーによる手動操作で実施される。また、駐車目標Tを設定するために停車した位置からの発進、後退開始位置での一旦停止、後退開始位置からの発進、駐車目標Tに達した際の停止などのブレーキ操作に関してもドライバーにより操作される。
【0043】
以下具体的に説明する。駐車目標Tが設定され、誘導経路Kが演算されると、駐車支援装置10はスピーカ4cを介して、「自動操舵を開始します。ステアリングには軽く手を触れ、ブレーキを緩めてください。」などの音声メッセージを発する。車両90が後退開始位置に達すると、駐車支援装置10は、「ブレーキを掛けて停止してください。」と音声メッセージを発する。尚、ここで自動操舵制御部19がブレーキシステム37を介して、自動的に車両90を停止させてもよい。ブレーキセンサ27によって車両90が後退開始位置で停止したことが検知されると、駐車支援装置10は、「シフトレバーをリバースに変更してください。」との音声メッセージを発する。そして、駐車支援装置10は、「自動操舵を開始します。ステアリングには軽く手を触れ、ブレーキを緩めてください。」などの音声メッセージを発する。車両90が駐車目標Tに収まると、駐車支援装置10は、「ブレーキを掛けて停止してください。駐車支援を終了します。」と音声メッセージを発する。尚、ここで自動操舵制御部19がブレーキシステム37を介して、自動的に車両90を停止させ、「駐車支援を終了します。」と音声メッセージが発せられてもよい。
【0044】
上述したように、車両90には、車輪速センサ23やステアリングセンサ21など、車両90の挙動を検出するセンサが備えられている。駐車支援装置10は、車両90の移動状態を検出するこれらのセンサの検出結果に基づいて、公知のデットレコニング(Dead-Reckoning)技術などにより、車両90を自動操舵することができる。
【0045】
尚、本実施形態においては、自動操舵が実施される形態を例示したが、操舵を含めて運転操作が手動によって行われることを妨げるものではない。誘導経路Kが演算された後、ステアリングホイールの操作量や操作方向を案内し、モニタ装置4に予想軌跡線や目標線などのガイド画像を重畳させて、手動操作による運転を支援してもよい。
【0046】
〔別実施形態〕
上記実施形態においては、上記(b)に示したように、駐車目標Tの設定に際して、区画線を画像認識する場合を例として説明した。しかし、上記(a)に示したように、ソナー(クリアランスソナー33)などで空き領域を検出してもよい。図11は、別実施形態に係る駐車支援装置10の機能構成の一例を模式的に示している。図4と同一符号で示す機能ブロックについては、上述した実施形態と同様である。図11では、車両90からの距離を測定する距離センサ(周辺検出装置)の測定結果に基づいて車両90の周辺の空き空間を検出する空き空間検出部12が備えられている。ここでは、周辺検出装置に相当する距離センサとしてクリアランスソナー33を用い、その検出結果に基づいて空き空間が検出される。駐車目標設定部15は、実際の空間内で表示画像上の所望の駐車位置が対応する位置を含む空き空間を駐車目標に設定する。
【0047】
図12に示すように、車両90には、側方に向けてポイントセンサとしてのクリアランスソナー33(距離センサ)が搭載されている。シングルービームセンサやレーザレーダなど、他の距離センサが搭載されていてもよい。車両90は、駐車中の他の車両100(以下、駐車車両と称す。)のそばを通過する際に、クリアランスソナー33によって駐車車両100までの距離を計測する。例えば、クリアランスソナー33は、車両90の移動に応じて駐車車両100との距離を計測して表面形状情報を取得する。駐車車両100の表面形状情報は、車両90の移動距離に応じた離散的なデータである。尚、車両90の移動速度、移動距離、移動時間は、線形的に定まる。例えば、車両90が等速で移動する場合には、所定時間間隔に応じて計測すれば、移動距離に応じて測定することになる。車両90の移動速度や移動距離は、車輪速センサ23の検出結果に基づいてECU9が所得可能である。結果として概ね均等に表面形状情報を得ることができる方法であれば、どのような方法を用いてもよい。
【0048】
空き空間検出部12は、プログラムメモリ6などに記憶された一般的な車両のバンパー形状と表面形状情報との適合度合いを演算する。そして、所定の基準に応じて、表面形状情報が車両のバンパー形状に相当すると判定された場合には、当該表面形状情報が存在する領域を「既駐車空間」として検出する。反対に、「既駐車空間」に相当しない領域については、「空き空間」として検出する。
【0049】
図5は、例えばショッピングセンターなどの駐車場の通路を車両90が通過しながら「空き空間」を検出する例を俯瞰図により示している。駐車車両100が存在しない空間、例えば、隣接する駐車区画に駐車された2台の駐車車両100の間の空間も原理的には空き空間として検出される。しかし、図5における車両90の進行方向に沿う所定の長さをしきい値として、そのしきい値以上に長さに亘って既駐車空間ではないことが検出された場合に当該空間が空き空間として検出される。また、隣接する駐車区画が連続して既駐車空間ではないことが検出された場合には、原理的には1台分の空き空間として検出される。但し、そのように広い空き空間を検出した後に、当該空き空間を分割して仮想的な境界を設けて複数箇所の空き空間として設定してもよい。空き空間は車両90の移動に伴って検出されるので、車両90から所定の範囲内に存在する空き空間は、全てワークメモリ7などを中核とする蓄積部に蓄積される。
【0050】
尚、空き空間における路面標示Yを上述したように画像認識することによって、さらに精度良く空き空間を検出してもよい。図13における符号Vは、車両90に搭載された後方カメラ1aの撮影範囲を示している。車両90は移動しながら、距離センサを用いて空き空間を検出するので、車両90の撮影範囲Vも車両90の移動と共に変化する。従って、車両90の移動に伴って検出される空き空間に対して順次、路面標示Yの認識を実施して、空き空間を検出すると好適である。
【0051】
本別実施形態では、俯瞰画像ではなく、単一のカメラ1により撮影された撮影画像が表示されたモニタ4において駐車目標Tが設定される例を説明する。図14は、図13に示す位置にある車両90の後方カメラ1aによる撮影画像がモニタ装置4に表示された例を示している。尚、モニタ装置4はドライバーの着座位置よりも前方に配置されているので、モニタ装置4の表示部4aに表示される画像は、図14に示すように撮影画像を左右鏡像反転させたものとなる。つまり、ドライバーがルームミラーを介して車両90の後方の情景を見る場合と同様の視覚効果を得られるように表示される。尚、図14においては、空き空間検出部12によって検出された空き空間Gを破線で示しているが、これは実際に表示される必要はない。勿論、表示することによってユーザーが空き空間Gの中から所望の駐車区画Eを選択できるようにしてもよい。
【0052】
図5及び図6を利用して上述したように、ここでユーザーは、設定アイコンPにタッチし、このタッチを継続すると共に設定アイコンPを表示画像上において移動させるドラッグ操作を行う。そして、図6及び図7を利用して上述したように、表示画像上の所望の駐車位置においてドラッグ操作により移動されている設定アイコンPを開放するドロップ操作を行う。図9を利用して上述したように、表示画像提供部11は、第2の操作の後、駐車目標設定部15により設定された駐車目標Tに基づいて、設定アイコンPを駐車目標を示す枠状の駐車目標アイコンFに変更する。これにより、ユーザーは駐車目標Tの設定が完了したことを容易に視認することができ、また枠状の駐車目標アイコンFによって駐車位置を確認することができる。
【0053】
ここでは、第1の操作及び第2の操作が、ドラッグ・アンド・ドロップである場合を例示したが、上述したように、タッチ・アンド・タッチであっても構わない。また、ここでは、モニタ装置4がタッチパネル4b付きのモニタ装置であり、設定アイコンPとして表示される設定ボタンがタッチボタンである場合を例として説明したが、モニタ装置4はタッチパネル4bを備えていなくてもよい。即ち、必ずしも、ユーザーの指などによって表示部4a上に表示された設定ボタンが直接タッチされる必要はなく、ポインティングデバイスを利用して駐車目標Tが設定されてもよい。。
【0054】
ドラッグ・アンド・ドロップの場合には、第1の操作が、設定アイコンPを操作対象として指定する指定操作を行い、この指定操作を継続すると共に設定アイコンPを表示画像上において移動させるドラッグ操作であり、第2の操作が、表示画像上の所望の駐車位置においてドラッグ操作により移動されている設定アイコンPを開放するドロップ操作であればよい。また、タッチ・アンド・タッチの場合には、第1の操作が、設定アイコンPを操作対象として指定する指定操作であり、第2の操作が、第1の操作から所定時間内における表示画像上の所望の駐車位置を指定する指定操作であればよい。ここで、この指定操作は、例えばポインティングデバイスがマウスやジョイスティックの場合には、クリック操作とすると好適である。
【0055】
本別実施形態においても、駐車目標Tが設定されると、経路演算部17は、車両90の誘導経路Kを演算する。本実施形態においては、駐車目標Tが車両90の停車位置の横ではなく後方であるため、図16に示すように、一旦、前進することなく後退して駐車目標Tに達する誘導経路Kが導出される。当然ながら、後方であっても、そのまま後退して駐車することができない場合には、図10を利用して説明したように、前進を伴う誘導経路Kが演算される。自動操舵制御部19が備えられる場合には、自動操舵制御部19は、誘導経路Kに基づいてパワーステアリングシステム31を制御して、自動操舵により車両90を駐車目標まで誘導する。デッドレコニングや、自動ブレーキ、誘導の際の音声メッセージなどは、上述した実施形態と同様であり、当業者であれば差異について容易に理解可能であるので、詳細な説明は省略する。また、本別実施形態においても、自動操舵が実施される形態を例示したが、操舵を含めて運転操作が手動によって行われることを妨げるものではない。誘導経路Kが演算された後、ステアリングホイールの操作量や操作方向を案内し、モニタ装置4に予想軌跡線や目標線などのガイド画像を重畳させて、手動操作による運転を支援してもよい。
【0056】
以上説明したように、本発明によって、駐車支援のための駐車目標を、ユーザーによる操作を伴って簡単且つ精度よく設定することが可能となる。
【符号の説明】
【0057】
1:カメラ(車載カメラ、周辺検出装置)
1a:後方カメラ(車載カメラ)
1b:左側方カメラ(車載カメラ)
1c:右側方カメラ(車載カメラ)
1d:前方カメラ(車載カメラ)
4:モニタ装置
11:表示画像提供部
12:空き空間検出部
13:目標設定指示受付部
15:駐車目標設定部
33:クリアランスソナー(距離センサ)
E:駐車区画(所望の駐車位置)
F:駐車目標アイコン
G:空き空間
P:設定アイコン
ROI:関心領域
T:駐車目標
Y:路面標示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載カメラにより撮影された撮影画像と前記撮影画像に重畳された設定ボタンとを含む表示画像をモニタ装置へ提供する表示画像提供部と、
前記設定ボタンとして表示されて駐車目標を設定するための設定アイコンに対するユーザーの第1の操作を検出すると共に、前記第1の操作に続く操作であり、前記モニタ装置に表示された前記表示画像上の所望の駐車位置に対する前記ユーザーの第2の操作を検出して、前記ユーザーによる前記駐車目標の設定指示を受け付ける目標設定指示受付部と、
車両の周辺の状況を検出する周辺検出装置の検出結果を用い、前記表示画像上の前記所望の駐車位置が対応する実際の空間内の領域において前記車両が駐車可能な空間を、前記駐車目標として設定する駐車目標設定部と、を備える駐車支援装置。
【請求項2】
前記第1の操作は、前記設定アイコンを操作対象として指定する指定操作を行い、この指定操作を継続すると共に前記設定アイコンを前記表示画像上において移動させるドラッグ操作であり、前記第2の操作は、前記表示画像上の前記所望の駐車位置において前記ドラッグ操作により移動されている前記設定アイコンを開放するドロップ操作である請求項1に記載の駐車支援装置。
【請求項3】
前記第1の操作は、前記設定アイコンを操作対象として指定する指定操作であり、前記第2の操作は、前記第1の操作から所定時間内における前記表示画像上の前記所望の駐車位置を指定する指定操作である請求項1に記載の駐車支援装置。
【請求項4】
前記モニタ装置は、タッチパネル付きのモニタ装置であり、前記設定アイコンとして表示される前記設定ボタンは、タッチボタンであり、前記指定操作は、前記ユーザーによるタッチ操作である請求項2又は3に記載の駐車支援装置。
【請求項5】
前記駐車目標設定部は、前記周辺検出装置として機能する前記車載カメラによる前記撮影画像に基づいて、駐車区画を示す路面標示を認識することによって前記駐車目標を設定する請求項1〜4の何れか一項に記載の駐車支援装置。
【請求項6】
前記駐車目標設定部は、前記第2の操作によって前記ユーザーにより設定された前記表示画像上の前記所望の駐車位置に基づいて、前記撮影画像における関心領域を設定し、前記関心領域の中で前記路面標示を認識することによって前記駐車目標を設定する請求項5に記載の駐車支援装置。
【請求項7】
前記車両からの距離を測定する距離センサの測定結果に基づいて、前記車両の周辺の空き空間を検出する空き空間検出部を備え、前記駐車目標設定部は、実際の空間内で前記表示画像上の前記所望の駐車位置が対応する位置を含む前記空き空間を前記駐車目標に設定する請求項1〜4の何れか一項に記載の駐車支援装置。
【請求項8】
前記表示画像提供部は、前記第2の操作の後、前記駐車目標設定部により設定された前記駐車目標に基づいて、前記設定アイコンを前記駐車目標を示す枠状の駐車目標アイコンに変更する請求項1〜7の何れか一項に記載の駐車支援装置。
【請求項9】
前記車載カメラが前記車両に複数個備えられ、前記表示画像は前記複数の車載カメラからの複数の撮影画像に基づいて合成された俯瞰画像を含む請求項1〜8の何れか一項に記載の駐車支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−76483(P2012−76483A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−220821(P2010−220821)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】