説明

骨および組織の足場ならびにその製造方法

【課題】手頃な費用で整形外科用インプラント性能を改善する骨内部成長の材料を提供すること。
【解決手段】骨および組織の内部成長および表層成長の足場であって、該足場は、外部領域、中心領域、および固体領域を含み、該外部領域は、複数の接合された材料層を含み、該材料は、金属、セラミック、およびポリマーの少なくとも1つを含み、該層は各々、5%と95%との間の多孔度を有し、0.05mmと5mmとの間の平均間隔のセルを有し、そして0.05mmから2mmの厚さの支柱を有し、該中心領域は、該材料の1つ以上の層を含む該外部領域に隣接し、そして該固体領域は、実質的に固体の非多孔質の材料でなり、該中心領域に隣接する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、同時係属中の米国仮特許出願第60/517,408号、発明の名称「骨および組織の足場ならびにその製造方法(Bone and Tissue Scaffolding and Method for Producing Same)」、出願日2003年11月6日を参照し、上記出願の全体の内容および記載事項は、本願明細書に参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、一般に、整形外科用材料に関する。より詳細には、手頃な費用で製造され得、異例の特徴を有する、骨の内部成長および表層成長の材料および軟組織の足場に関する。
【背景技術】
【0003】
多孔度が高く、そして制御された微細構造を有する材料は、インプラント製造業者、特に、整形外科用インプラント製造業者に関心を持たれている。骨内部成長は、高多孔度のオープンセル構造で優先的に生じることが知られている。そのセル寸法は、骨梁骨(trabecular bone)とほぼ同じであり(約0.25〜0.5mm)、そして直径がほぼ100μm(0.1mm)の支柱を有する。整形外科用品市場においては、骨の内部成長および表層成長の選択肢としては、現在、以下が挙げられる:(a)DePuy Inc.は、インプラント表面に対して金属ビーズを焼結して、制御された、かつ骨の内部成長に適した孔寸法の微細構造を製造しているが、これは、多孔度が、骨内部成長に最適な多孔度よりも低い;(b)Zimmer Inc.は、緩んだ繊維を拡散接合することにより製造されたファイバー金属パッドを使用している。このパッドは続いて、インプラントに拡散接合されるかまたは複合構造においてインサート射出成形される。これもまた、密度が、骨内部成長に最適な密度よりも低い;(c)Biomet Inc.は、粗表面を生じるプラズマ溶射表面を使用している。これは、表層成長を生じるが、骨内部成長を生じない;および(d)Implex Corporationは、HEDROCEL(梁金属(trabecular metal)としても知られる)を製造している。これは、化学蒸着プロセスを用いて、発泡金属とも呼ばれているタンタルコーティング炭素微細構造を製造している。研究により、HEDROCEL(梁金属)は、高品質の骨内部成長を生じることが示唆されている。Bobyn, J.D., 1999, 「Fixation and Bearing Surfaces for the Next Millenium」, Orthopedics, v.22, pp.810-822;Bobyn, J.D.ら, 1999, 「Characteristics of Bone Ingrowth and Interface Mechanics of a New Porous Tantalum Biomaterial」, J. Bone and Joint Surgery, v.81(5), pp.907-914;ならびにBobyn, J. D.ら, 1999, 「Tissue Response to Porous Tantalum Acetabular Cups」, J. Arthroplasty, v.14, pp.347-354(これらの全体の内容および記載事項は、本願明細書に参考として援用される)を参照のこと。梁金属は、多孔度が高く、オープンセル構造で、そして骨内部成長に役立つセル寸法であるという利点を有する。しかし、梁金属は、制御が困難である化学特性およびコーティング厚を有する。梁金属は、材料およびプロセスの費用ならびに長期のプロセス時間(主に、化学蒸着(CVD)と関連したプロセス時間)のため、非常に高価である。さらに、CVDは、非常に有毒な化学物質の使用を必要とし、これは、製造中にも、そして生体医学用途にも芳しくない。
【0004】
しかし、上記製品およびアプローチの全てが、短所を有する。したがって、手頃な費用で整形外科用インプラントの性能を改善する代替品の必要性が、なお存在する。
【0005】
ラピッドプロトタイピング(rapid prototyping)ベースの製造プロセス(積層製造(layered manufacturing)とよく呼ばれる)によって足場材料を製造するために、多くの方法が提案されている。このプロセスでは、液体ポリマーを硬化する(例えば、ステレオリソグラフィー(stereolithography)およびソリッドベースキュアリング(solid base curing)における)、材料の相変化を誘導する(例えば、ポリマーの溶融堆積モデリング(fused deposition modeling)、衝撃粒子製造法(ballistic particle manufacturing)、および選択的レーザー焼結法(selective laser sintering)における)、または材料を除去する(例えば、従来の加工または積層物製造法(laminated object manufacturing)における)かのいずれかにより、層が製造される。これらの全てのアプローチでは、層が製造され、次いで先に製造しておいた層に接合され、別の層が製造され、次いで接合されるなどの工程が、所望の製品が製造されるまで続く。多孔質構造が所望される場合、支持構造がプロセスに必要とされ得るが、これは、最終製品から取り除くことが困難である。いくつかのプロセスでは、未溶融の粉末または溶融が十分でない粉末が多孔質構造中の支持体として働き得、そしてこれらもまた、最終製品から取り除くことが困難である。したがって、最終製品は所望の多孔度に製造され得ず、そして医用デバイス用途にとっては、漂遊した粒子がインプラントの周囲の組織を汚染し得るという重大な危険要素が存在し、健康に重大な結果を及ぼす可能性がある。
【0006】
ポリマーベースの積層製造アプローチは全て、軟組織および骨の足場の用途にとっては重大な欠点を有する。各々は、以下の重大な欠陥の少なくとも1つを被っている:
(a)毒性モノマーがそれらの化学処方中に含まれる;
(b)十分に高い多孔度が生じ得ない;
(c)所望のセル寸法が生じ得ない;
(d)所望のセル形態が生じ得ない;
(e)必要な支柱厚が達成され得ない;
(f)原料が非常に高価である;
(g)製造プロセスが非常に遅く、かつ複雑である;および
(h)プロセスが1クラスの材料(通常、ポリマー)に制限され、別のクラスの材料(顕著には金属またはセラミック)の製造には十分に適していない。
【0007】
市販形態でのラピッドプロトタイピング操作では、足場用途のために必要な耐性を達成することができない。マイクロステレオリソグラフィーの特殊化された形態でこのような耐性を達成し得ることがいくらか指摘されているが、ステレオリソグラフィーでは、完全に硬化されていない毒性モノマーを使用することに注目すべきである。さらに、ステレオリソグラフィーの足場は、インビボでの使用には適していない。
【0008】
ポリマー足場の製造は、上述した積層製造プロセスによってまたは従来の発泡製造技術によって行われる。従来の発泡製造技術は、溶融したポリマーにエアレーションすること、ポリマーにエアレーション要素を添加して、加熱に供したときにポリマーを膨張させること、およびポリマー中にガスを拡散させて、制御した加熱に供したときにポリマーの膨張を引き起こすことを包含する。このタイプのアプローチの主な欠点は、インビボでの使用に好ましいポリマーがこのような操作に向いていないことである。
【0009】
積層製造アプローチからのセラミック足場の直接の製造は、衝撃粒子製造法または選択的レーザー焼結法の操作の改変を伴い、このような改変は、例えば、KalpakjianおよびSchmid, Manufacturing Processes for Engineering Materials, Prentice-Hall, 2002(その全体の内容および記載事項は、本願明細書に参考として援用される)において考察されている。これらのプロセスは、いくらかの不十分に溶融したセラミック粒子を生じ、あるいは、特により大きな部分になるほど、足場に必要な所望の多孔度およびセル形態が達成され得ない。セラミック足場を製造する間接的な方法は、上述した方法により製造したポリマー足場を使用し、この足場を、バインダーを含む水中に懸濁したナノスケールまたはマイクロスケールのセラミック粒子からなるセラミックスラリーに露出させる。セラミック粒子がポリマー前駆体をコーティングする。次いでこの構造物を炉内に置き、セラミックを溶融し、そしてポリマーを除去する。このアプローチでは、厚い部分の内側において一貫した多孔度を達成できない。なぜなら、セラミック粒子はこれらの部分に入り込むことができないからである。
【0010】
多孔質バイオセラミックを含む市販の合成骨グラフト置換物または足場としては、Pro OsteonTM(Interpore Cross International, Inc., Irvine, CA)、VITOSSTM(Orthovita,Malvern, PA)、Norian SRSTM(Synthes-Stratec, affiliates across Europe and Latin America)、およびAlpha-BSMTM(ETEX Corp., Cambridge, MS)が挙げられる。別の有望な材料であるApaPoreTM(ApaTech, London, England)は、現在、臨床治験中である。Pro OsteonTM、VITOSSTM、およびApaPoreTMは、充填材として用いられるモノリスセラミック粒を含み、一方、Norian SRSTMおよびAlpha-BSMTMは、空隙部を埋めそしてインビボで硬化するために用いられる注入可能なペーストを含む。上記材料は全て、ヒト骨無機質の組成に等価な最も関連のある合成物であるハイドロキシアパタイト(HA)に基づくリン酸カルシウム類であり、これには、より吸収性の高い炭酸化アパタイトおよびβ−リン酸三カルシウム(β-TCP)が含まれる。ETEX Corp.がalpha-BSMを「非晶質リン酸カルシウム」と広告していることに着目されるが、幅広いX線回折ピークは、実際にはナノ結晶のアパタイト相であって、非晶質物質ではないことを示している。20年にわたる研究により、HAが、代表的には、生体内における優れた生物活性および骨伝導性を呈することが、一貫して示されている。
【0011】
これらの材料の長年の工業的基準物はPro OsteonTMであり(図1)、これは、水熱反応によりHAに完全または部分的に変換される珊瑚質炭酸カルシウムを使用している。D. M. RoyおよびS. K. Linnehan, Hydroxyapatite formed from Coral Skeletal Carbonate by Hydrothermal Exchange, Nature, 247,220-222 (1974);R. Holmes, V. Mooney, R. BucholzおよびA. Tencer, A Coralline Hydroxyapatite Bone Graft Substitute, Clin. Orthop. Rel. Res., 188,252-262 (1984);ならびにW. R. Walsh, P. J. Chapman-Sheath, S. Cain, J. Debes, W. J. M. Bruce, M. J. SvehlaおよびR. M. Gillies, A resorbable porous ceramic composite bone graft substitute in a rabbit metaphyseal defect model, J. Orthop. Res., 21, 4, 655-661 (2003)(これらの全体の内容および記載事項は、本願明細書に参考として援用される)を参照のこと。しかし、珊瑚質供給原料のバリエーションは、構成上および組成上のバリエーションを生じ、このようなバリエーションは、機械的完全性および生体適合性の信頼性にとって問題であり得る。VITOSSTM、Norian SRSTM、およびAlpha-BSMTMが有する機械的強度は、ほとんどの整形外科用途にかなり不十分である。これらの材料は、硫酸カルシウム材料と同様に、迅速に足場が吸収されることを前提にして設計されている。さらに、上記材料はいずれも破壊抵抗性が低く(脆弱である)、このことは、治癒前に破滅的な破壊の危険性に至る。セラミック生体材料の固有の脆弱性を軽減するための鍵は、足場構成の適切な設計にある。ApaPoreTM(これは、多孔度が制御されたネットワークを形成するために、細孔形成剤を使用している)をおそらく除いて、上記材料の足場構成は、特に適したものとすることはできない。
【0012】
近年、種々の直接書込み法(これには、ソリッドフリーフォーム製作法(solid free-form fabrication)、押し出しベースのロボット成膜法(extrusion-based robotic deposition)(「ロボキャスティング(robocasting)」とも呼ばれる)、および三次元プリンティング(three-dimensional printing)(3DP)が含まれる)を用いて、注文によるHA足場の製作に関する開発研究が、始まっている。T. M. G. Chu, J. W. Halloran, S. J. HollisterおよびS. E. Feinberg, Hydroxyapatite implants with designed internal architecture, J. Mater. Sci: Mater. Med., 12, 471-478 (2001);T. M. G. Chu, D. G. Orton, S. J. Hollister, S. E. FeinbergおよびJ. W. Halloran, Mechanical and in vivo performance of hydroxyapatite implants with controlled architectures, Biomaterials, 23,5, 1283-1293 (2002);ならびにJ. E. Smay, G. M. Watson, R. F. Shepherd, J. Cesarano IIIおよびJ. L. Lewis, Directed Colloidal Assembly of 3D Periodic Structures, Adv. Mater., 14,18, 1279 (2002)(これらの全体の内容および記載事項は、本願明細書に参考として援用される)を参照のこと。これらのプロセスは全てラピッドプロトタイピングから派生しており、これらは、名称が示すとおりプロトタイプに優れるが、製作実行性に必要な製造速度をしばしば欠く。さらに、これらのプロセスは全て、幾何学的構成(円筒形ロッド、プレートなど)に制限され、骨の梁構成(金属製インプラント(Hedrocel(登録商標), Implex Corporation)において骨伝導性を増強することが示されている)に似せるように適合させることは容易ではない。
【0013】
バイオセラミック足場は、本来、相対的に低い破壊強靭性によって限定されるので、迅速な骨伝導性および骨統合性が、臨床の成功にとって決定的である。多くの調査により、骨伝導性に対する多孔度、寸法、および形態の影響が文書化されており、研究が続いている。上述したように、統一見解は、一般には、骨梁骨の構成(図3)を模倣することが目標とされている。バイオセラミックの組成もまた、顕著な役割を果たすことが知られている。近年の研究は、非常に少量の不純物およびドープ剤による不利な影響および有利な影響を解明している。鉛、ヒ素などが、民間給水中に、通常、100万分の1レベルで存在しており、ハイドロキシアパタイト中に取り込まれた場合、これらは、骨伝導性の阻害を生じ得る。他方で、炭酸化アパタイトは、所望の場合、純粋なHAよりも迅速な生体吸収を呈し、そしてHAへの1〜3wt%珪素の添加は、純粋なHAよりも骨伝導性の速度の2倍の増大を示している。N. Patel, I. R. Gibson, K. A. Hing, S. M. Best, P. A. RevellおよびW. Bonfield, A comparative study on the in vivo behaviour of hydroxyapatite and silicon substituted hydroxyapatite granules, J. Mater. Sci: Mater. Med., 13, 1199-206(2002);ならびにA. E. Portera, N. Patela, J. N. Skepperb, S. M. BestaおよびW. Bonfield, Comparison of in vivo dissolution processes in hydroxyapatite and silicon-substituted hydroxyapatite bioceramics, Biomaterials, 24, 4609-4620 (2002)(これらの全体の内容および記載事項は、本願明細書に参考として援用される)を参照のこと。珪素でドープ処理したHAは、ApaTechにてPore-SIの名称で開発中である。
【0014】
結局は、上記の考察は、バルク(モノリシックまたは注入可能な)多孔質HAに制限されている。平滑、粗面、または多孔質の金属製インプラント上のプラズマ溶射HAコーティングは、時間および資金の面で多大な投資を受けているが、なお、金属へのコーティングの機械的完全性および接着が障害として残っている。
【0015】
組織内部成長に適したオープンセルの金属足場の製造は、(HEDROCELを用いた場合と同様に)熱分解したポリマー前駆体上へのCVD、溶融した金属に熱空気を吹き込み、そして生じた泡を固化することによる、粉末冶金技術(時に、焼結の間に微細構造を膨張し、そして多孔度を増大させる化学薬剤と組み合わせる)による、または二相化金属を浸出させることによる、発泡金属の製造に制限される。CVDプロセスは、高品質の足場を生成するが、このプロセスは、高価であり、環境上の危険が大きく、時間がかかり、かつスクラップ率が高い。他のプロセスはいずれも、足場用途に最適な多孔度もセル寸法も生じることに成功していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、本発明の目的は、手頃な費用で整形外科用インプラント性能を改善する骨内部成長の材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第一の広い局面によれば、骨および組織の内部成長および表層成長の足場が提供され、該足場は、接合された材料層を含み、該材料は、金属、セラミック、およびポリマーの少なくとも1つを含み、該材料は、約5%と約95%との間の多孔度を有し、約0.05mmと約5mmとの間の平均間隔のセルを有し、そして約0.05mmから約2mmの厚さの支柱を有する。
【0018】
本発明の第二の広い局面によれば、骨および組織の内部成長の足場を製造するための方法が提供され、該方法は、加工された材料の複数のシートを提供する工程であって、該材料が、金属、セラミック、およびポリマーの少なくとも1つを含み、該材料が、約5%と約95%との間の多孔度を有し、約0.05mmと約5mmとの間の平均間隔のセルを有し、そして約0.05mmから約2mmの厚さの支柱を有する、工程;該シートを圧縮に供する工程;および該シートを接合して、骨および組織の内部成長の足場を製造する工程を含む。
【0019】
本発明の他の目的および特徴は、以下に示す好ましい実施態様の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】Pro OsteonTM粒の一部分を示すマイクロコンピュータ断層撮影(μCT)からの三次元画像を示す。この部分は高さ約1mmであることに留意のこと。
【図2】セラミックスラリーによる多孔質「ネガ型」ポリマーテープの浸透を示す加圧テープ浸透の模式図である。
【図3】骨のCTスキャンである。
【図4】CTスキャンファイルから得た骨のスライスを示す。
【図5】記載した製造プロセスの使用を容易にする、本発明の一実施態様に従う改変した材料幾何形態を示す。
【図6】組織構造に基づいて本発明の一実施態様の構造を形成するように再構築された材料スライスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明を添付の図面と合わせて説明する。本発明を説明する前に、いくつかの用語を定義することが好都合である。本願の全体にわたって以下の定義が使用されることが理解されるべきである。
【0022】
(定義)
用語の定義がその用語の通常用いられる意味から逸脱する場合、特に示されなければ、出願人は、以下に提供する定義を使用することを意図する。
【0023】
本発明の目的では、用語「骨内部成長(bone in-growth)」は、材料が、多孔質の足場の中および上への骨組織の形成を可能にするかまたは促進して、強く密な接合および優れた固着を達成するようにすることができることをいう。
【0024】
本発明の目的では、用語「骨表層成長(bone on-growth)」は、材料の表面上に骨組織を並置させることをいう。代表的には、骨が、直近表面層を通り越して侵入しない点で、骨内部成長と区別される。
【0025】
本発明の目的では、用語「多孔度」は、見かけ体積から実体積を差し引き、次いで見かけ体積で割ることにより定義される材料の特性をいう。
【0026】
本発明の目的では、用語「セル形状」は、材料中の孔の形態、形状、および寸法をいう。
【0027】
本発明の目的では、用語「支柱(strut)」は、セル状固体材料内のセルの面または縁部を規定する構造上の部材(ロッド、ビーム、プレート、シェルまたはカラムのいずれか)をいう。
【0028】
本発明の目的では、用語「インプラント」は、人体内に配置される任意のデバイスをいう。
【0029】
本発明の目的では、用語「拡散接合」は、材料のいずれにも相変化を生じることなく、そして充填材を使用することなく、熱および圧力の付与を介して材料を接合させることをいう。
【0030】
本発明の目的では、用語「同時」とは、同じ時点であることまたはプロセスの同じ工程であることを意味する。
【0031】
本発明の目的では、用語「バリア層」は、材料の1つ以上の多孔質部分の隣にある固体部分をいい、これは、その固体部分の一方の側の材料がその固体部分の他方の側の材料または環境に露出されることを防ぐ。
【0032】
本発明の目的では、用語「スラグ(slag)」は、不純物、および/または、酸化物および再固化した溶融金属の溶滴を一般に含む、ガラス質材料をいう。
【0033】
本発明の目的では、用語「オープンセル構造」は、非常に大きな透過性を有する多孔質構造であって、セル間に顕著な表面障壁が存在しない構造をいう。特に、完全オープンセル構造の例は、梁金属であり、そして部分オープンセル構造の例は、代表的なポリマー発泡体である。
【0034】
本発明の目的では、用語「完全クローズドセル構造」は、孔が連通していない多孔質材料をいう。したがって、この材料は、透過性がゼロである。
【0035】
本発明の目的では、用語「転移」は、ある状態または条件から別の状態または条件への変化をいい、代表的には、漸次的であり、例えば、本発明の材料におけるオープンセル構造から完全クローズドセル構造への転移がある。
【0036】
(説明)
レーザー加工、化学加工またはエッチング、光化学加工、プラズマエッチング、スタンピング、電子ビーム加工、および繊維製造プロセスは、極度に多孔質でそして制御された薄いパーツを製造し得る。一例として、レーザー加工ステントの製造が、Kalpakjianらに記載されている。Kalpakjian, S.ら, 2003, Manufacturing Processes for Engineering Materials, New York, Prentice-Hall(これらの全体の内容および記載事項は、本願明細書に参考として援用される)を参照のこと。Kalpakjianらでは、ステントの支柱が91μm程度の狭さであり、これは、ほぼ100μm〜300μmであるImplex社の梁金属における支柱と同程度である。
【0037】
レーザー加工、化学加工またはエッチング、光化学加工、プラズマエッチング、電子ビーム加工、スタンピング、および繊維製造プロセスは、特に金属またはセラミックが関与する場合は、ラピッドプロトタイピング操作への適用が難しい。これらのプロセスのいずれかを用いて単層を生成するのは難しいが、本発明の教示に従って一旦セットアップすれば、それらは全て、接合操作により同時または別々に多くの層を製造し得る。したがって、本発明の一実施態様によれば、全ての材料層が製造され、必要に応じて処理され、次いで全ての層が、ラピッドプロトタイピング操作におけるように順次にではなく、同時に接合される。このことは、本発明のこの実施態様と業務用ラピッドプロトタイピング操作との間の基本的な違いである。
【0038】
したがって、骨内部成長の材料を製造するための、本発明の一実施態様の製造アプローチは、以下の工程を含む:
(a)少なくとも1つの金属、ポリマー、セラミックまたは複合材でなる複数のシートが、例えば、レーザー加工により、加工される;
(b)レーザー加工から生じるいかなるスラグ、スプラッター、遮蔽物、または他の汚染物もが、例えば、化学加工または等価のプロセスによって、除去され得る;
(c)これらのシートが、グラファイトまたは他の適切な材料から製造された鋳型に入れられて積み上げられて、所望の製品が生成される。グラファイトまたは他の適切な材料は、好ましくは、シート材料よりも高い溶融温度を有し、そして本発明の実施態様によれば、好ましくは、昇温状態でシート材料に対して化学的に不活性である;
(d)層を圧縮するのに十分ではあるが、顕著な可塑変形を引き起こすほど大きくはない圧縮応力をこれらの層に与えるように、鋳型が締められる;
(e)鋳型が真空火炉中に置かれるか、または他の加熱手段で、これらのシート層を拡散接合する。拡散接合に用いられる温度は、材料によって異なるが、絶対温度スケールで溶融温度のほぼ90%である。
【0039】
拡散接合後、得られる材料は、これを構築した層と同程度に多孔質である。多孔度は、多孔度ゼロから本質的に完全に多孔質の材料まで制御可能である。焼結した金属ワイヤおよびビーズのような骨内部成長材料はほぼ20%の多孔度を生じるが、本発明のプロセスによる材料は、約5%から約95%の多孔度を容易に達成し得、そして無限小の多孔度または100%に近い多孔度も達成し得る。孔寸法は、加工プロセスによって達成され得る程度に小さくてもよく(薄い箔につきほぼ10ナノメートル)、そして非常に大きくてもよい(例えば、直径が数百ミリメートル)。このプロセスにより、他の公知の製造プロセスによっては合わせられない、材料微細構造および多孔度における転用および制御が可能となる。
【0040】
組織の足場に関する本発明の一実施態様では、期待される多孔度は50%と90%との間、好ましくは70%と90%との間、そしていくつかの実施態様では70%と80%との間であり、平均のセル間隔は約0.05mm〜約5mm、好ましくは0.25mmと1.0mmとの間、そしていくつかの実施態様では約0.3mmと約0.6mmとの間である。本発明の足場はまた、約0.05mmと約2mmとの間の厚さ、好ましくは約0.08mmと0.3mmとの間の厚さの支柱を有し得る。
【0041】
あるいは、本発明の一実施態様の材料シートは、個々の層の化学エッチング、光化学ブランキング、電鋳法、スタンピング、プラズマエッチング、超音波加工、噴射水切削、放電加工、もしくは電子ビーム加工、または細孔形成剤(これは、溶解(例えば、塩)、溶融(例えば、蝋型法)、もしくは熱分解によって除去される)によって製造され得る。さらに、これらのプロセスの詳細を以下に説明する。
【0042】
化学エッチングでは、所望の材料のシートは、その上にプリントされた所望のパターンを有し、これは、レジストとして知られる。次いで、レジスト被覆材料は、標的材料を溶解するのに必要である化学物質を含有するが、レジストは不溶である水浴中に入れられる。シートがレジストによって被覆された箇所では、材料は保護されるが、露出されている箇所では、材料は化学浴によって溶解される。
【0043】
光化学エッチングは、光エネルギーを用いてレジストを優先的に硬化またはベーキングすることによってレジストパターンが達成されることを除いて、化学エッチングに類似する。
【0044】
スタンピングは、金型のセットの直接的作用によって所望のパターンを生成し得るプレス加工操作(例えば、剪断およびストレッチ形成)を包含する。
【0045】
放電加工は、電極と導電性被加工物との間の絶縁流体中でのアークによる加熱作用を使用する。アークは、被加工物を少量溶融する。次いで、アークは減衰し、付随する微細な空洞化により、絶縁流体中に懸濁される粒子を生じる。電極と被加工物との間のクリアランスは注意深く制御され、そして電極の形状に合うシートの輪郭が生成される。
【0046】
超音波加工では、振動機からの振動の結果として、研摩粒子が被加工物に衝突する。被加工物上に配されるレジストパターンは、上記化学エッチングと同様に、最終的な加工領域を保護されていない領域に限定する。
【0047】
プラズマエッチングでは、被加工物が真空チャンバー中に置かれ、そのチャンバー中にプラズマ(通常、フッ素ガス)が充填され、被加工物を加工する。化学エッチングと同様に、レジストが、得られる被加工物の形状を定める。
【0048】
電鋳法は、レジストの生成、およびその後の電気めっきもしくは無電解めっきまたはこれらのアプローチの組み合わせで所望の層を製造することを包含する。
【0049】
噴射水切削は、高速水噴射の研磨作用を使用して被加工物材料を除去する。水噴射は非常に一点に集中され、ガントリーロボットまたは等価物によって制御され、幾何形態加工の制御を可能にする。
【0050】
電子ビーム加工は、電子の合焦ビームを使用し、導電材料から材料を除去する。これは、エネルギービームが光の代わりに電子からなることを除いて、レーザー加工に類似する。
【0051】
層は、レーザー、ロータリーダイ、または機械プレスを用いて層中にスリット加工し、次いでこれらの層を膨張プロセスに供し、拡散接合することによって、製造され得る。膨張プロセスは、シート中に可塑変形を引き起こすのに十分な引っ張りの状態でシートを配置することを包含する。予め加工されたスリットまたは他の特性のために、得られるシートは、多孔質および制御された形態を発現する。これは、廃棄される材料の量を減少させるという利点を有する。例えば、所望の多孔度が80%である足場では、材料の80%が材料スクラップとして除去される必要があり、これは、製造費用に加わる。スリット加工し、次いで材料を膨張させることによって、高い材料スクラップ率を生じることなく、所望の多孔度が達成され得る。
【0052】
層は、繊維工業で一般的なプロセスを用いて、材料の糸状物を編むかまたは織ることにより製造され得る。
【0053】
接着接合または他の適切な接合手段(例えば、摩擦溶接、超音波溶接、冷間溶接、レーザー溶接、抵抗溶接、アーク溶接、ブレージング、グレイジングなど)が、層をつなげるため、または固体表面に材料を付着させるために用いられ得る。
【0054】
実施態様では、本発明は、高多孔度の材料を製造するために、およそ10μm厚の薄い箔から厚さ2mmのシートまでを使用する。材料は、多くの箔層またはシートを用いるバルク形態で製造され得る。このようなアプローチは、任意の厚さの材料に適している。
【0055】
本発明の別の実施態様では、およそ2〜3ミリメートル厚の材料パッドを製造し、次いで、このパッドが可塑変形されて、インプラントに接合またはつながれ得る。本発明は、実施態様では、約0.5mmから約5mmの厚さのパッドを製造する。厚さは、プロセスによって制限されないが、数ミリメートルの骨内部成長が、良好な固定のために十分とされる。
【0056】
本発明の実施態様による材料は、以下にさらに記載する多数の利点を有する。
【0057】
本発明の材料は、任意の金属(チタン、コバルト、クロム、タンタル、ステレンス鋼、マグネシウム、または任意の他の延性金属)であり得、これらは、ロールを通して箔にされ得るか、電鋳法によって箔形状にプレートされ得るか、または任意の他の手段によって箔に製造され得る。したがって、任意の金属または金属合金が、本発明の方法によって加工され得る。
【0058】
本発明の材料は、任意のポリマーまたは強化ポリマー(例えば、ナイロン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリアリールエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリラクチド−コ−グリコリドおよび合成もしくは天然コラーゲンなど)であり得、これらは、吹込成形、ディップコーティング、ソルベントキャスティング、スピンコーティング、押出し、カレンダ加工、射出成形、圧縮成形、または任意の他の適切なプロセスによってフィルムに成形され得る。本明細書中に記載の製造プロセスに適用され得る生体吸収性熱可塑性プラスチックの例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ポリ(DL−ラクチド)(DLPLA)、ポリ(L−ラクチド)(LPLA)、ポリ(グリコリド)(PGA)、ポリ(ε−カプロラクトン)(PCL)、ポリ(ジオキサノン)(PDO)、ポリ(グリコネート)、ポリ(ヒドロキシブチレート)(PHB)、ポリ(ヒドロキシバレレート)(PHV)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(カルボキシレート)、ポリ(プロピレンフマレート)、ポリ(ホスフェート)、ポリ(カーボネート)、ポリ(無水物)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(ホスファゼン)など、ならびにそれらのコポリマーまたはブレンドおよびそれらの組み合わせ。
【0059】
本明細書中に記載の製造プロセスに適用され得る非生体吸収性熱可塑性プラスチックの例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ポリエチレン(例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、および低密度ポリエチレン(LDPE))、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリアリールエーテルケトン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート(例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA))、および重合したモノマー(例えば、トリ(エチレングリコール)ジメタクリレート(TEG−DMA)、ビスフェノールAヒドロキシプロピルメタクリレート(bis−GMA))、および本明細書中で以下に列挙する他のモノマー)など、ならびにそれらのコポリマーまたはブレンドおよびそれらの組み合わせ。
【0060】
本発明の一実施態様によれば、発熱相変化ポリマーが、足場に近接したインプラント中に組み込まれ得る。このようなポリマーは、過剰の熱エネルギーを生じ得、このため、本発明の一実施態様では、骨または他の組織への熱損傷に対する保護を提供するために、真空または部分真空層が足場の上に提供され得る。真空または部分真空層は、断熱のために、その層中に空隙部を有する。
【0061】
本発明の材料は、任意のセラミック(例えば、アルミナ、部分安定化ジルコニア、ハイドロキシアパタイト(HA)(Si、Mg、カーボネートなどのうちの1つ以上でドープ処理されたHAを含む)、リン酸カルシウムなど)であり得、これらは、テープキャスティング、ドクターブレード法、ロボキャスティング、ジグ(jiggering)、あるいは任意の他のプロセスによってフィルムに成形され得る。したがって、任意のセラミックが、本発明の方法によって加工され得る。
【0062】
セラミック層が、レーザーアブレーション、化学エッチング、光化学エッチング、または超音波加工によって微細構造処理され得る。これらの複数の層が、所望どおりに積み重ねられ得る。この後に焼成工程が続き、そこで隣接した層が溶融されて、材料を形成する。
【0063】
本発明の一実施態様によれば、セラミックの粒子、ウイスカ、またはファイバーが足場の上に堆積され得る。足場が例えば金属である場合、金属足場上に堆積されたセラミックが、ハイブリッド足場を形成する。
【0064】
本発明の材料は、金属、プラスチック、および/またはセラミックの複合材料であり得、そして本発明の方法によって加工され得る。本発明の方法によって製造される連続または不連続のファイバーで強化された複合材料は、所望の任意の強化体積率を有し得る。
【0065】
金属−セラミックのハイブリッド材料が、金属製足場を製造することによって製造され得る。次いで、この足場は、ハイドロキシアパタイトまたは他のセラミック材料の製造のための反応チャンバー中に入れられ得、そこで、セラミックは、それぞれ互いに密接している金属支柱を架橋し得る。反応チャンバーから取り出されると、材料は、連続した金属製足場と、金属支柱間の不連続な複数のセラミック支柱とからなる。
【0066】
本発明の材料は、天然起源(例えば、動物組織または植物性産物)であってもよい。
【0067】
本発明の材料は、生物活性を有し得るか、または受動性であり得る。このような材料は、成長因子、抗生物質、ステロイドなどを含有し得る。本発明の材料は、生体吸収性ポリマーまたは材料の組み合わせであり得る。
【0068】
本発明の一実施態様のセラミック材料がまた、ポリマー前駆体を用いて製造され得る。本発明の一実施態様では、本発明によるセラミックまたは金属粉末材料は、ポリマー前駆体を用い、続いて前駆体のスラリー浸透によって製造され得る。従来のスラリー浸透が行われ得るが、通常、一度に1つの層で行われる。本発明の方法は、多層の浸透、そして層中および材料の厚さ全体にわたるセラミックのより均一な分布を可能にする。このことにより、多孔質材料の表面より下の孔形成が疑わしいまたは材料の溶融が乏しいという問題点が取り除かれる。
【0069】
多孔質セラミック層が、ポリマーまたは金属の前駆体を用いて製造され得る。前駆体は、所望の材料の「ネガ型画像」であり得、これは、ドクターブレード法においてセラミックスラリーで浸透され得る。または別の実施態様では、前駆体は、所望の形状の「ポジ型画像」であり得、そして水と、懸濁したセラミックもしくは金属の粉末とでなる非粘性スラリー中に浸漬することにより浸透され得る。次いで、これらの複数の層が積み重ねられ、圧縮され、そして焼成されて、粒子と層とを溶融し得、これにより制御された微細構造(形態および多孔度)を有する材料が得られる。これらのアプローチは、所望であれば、バルク形状全体にわたって均一な微細構造および多孔度を有するセラミック材料が製造され得ることを確実にする。さらに、これらのアプローチは、体積内の任意の位置での微細構造および多孔度の設計変更を可能にする。
【0070】
本発明のために使用する1つの方法は、加圧テープ浸透と称され、これは従来のテープキャスティングの応用を含み、この方法では、多孔質「ネガ型」ポリマーテープがセラミックスラリーで浸透される(図2)。次いで、これらの浸透されたテープは切断され、積み重ねられ、および/または加圧され、そして成形された後、セラミックを焼結し得る。セラミックを焼結すると、気孔ネットワークはもとのポリマーテープによって定められたままに、セラミック相は高密度化され、層は拡散接合され、そしてポリマーテープは熱分解される。焼結は、加圧なしでも加圧補助下でもよい。
【0071】
従来の方法および材料に優る加圧テープ浸透およびこれにより製造される材料の利点としては、以下が挙げられる:
1)他の全ての材料および方法に用いられたバッチ式とは対照的に、大規模な製造に適した半連続的なプロセスであること。これは、Pro OsteonTM、VITOSSTM、Norian SRSTM、Alpha-BSMTM、ApaPoreTMおよびHedrocel(登録商標)、ならびに開発中の直接書込み(ラピッドプロトタイピング)法を含む;
2)バルクポリマー足場に対する薄い多孔質のテープの浸透の改善。セラミックスラリーで多孔質ポリマー足場を浸透させるために使用された先の方法には、本質的に、相対的に高い粘性のセラミックスラリーを用いてバルク足場を完全および均一に浸透するという困難性があった;
3)積層物製造法は、複数の浸透したテープを可撓性の予備焼結した(「グリーン」)状態で連続的に積み重ねることによって、材料の巨視的形状および微視的構成を仕立てるために使用され得る。例えば、複数の層が、気孔構成の変化(機能的勾配)を組み込み得る。また、インプラント表面上の骨内部成長による固定化のために使用されるような表面輪郭に合わせるように、複数のグリーン層が積み重ねられ、加圧され得る;および
4)「ネガ型」ポリマーに基づいて梁構成を製造し、仕立て上げる能力。これは、今日までいかなるセラミック足場でも達成されていなかった。
【0072】
本発明の方法は、足場材料の層を製造するために使用され得る。これらの層は、引き続き、化学蒸着、物理蒸着、スパッタリング、プラズマまたは金属スプレー、ゾル−ゲル技術の使用、電気めっき、機械的めっき、または任意の他のめっき技術により別の材料でコーティングされる。したがって、材料は、ダイヤモンド、ダイヤモンド様炭素、酸化アルミニウム、他のセラミックもしくはサーメット、金属もしくは金属合金、ポリマーのコーティング、または生物学的材料(動物、植物、もしくはヒトの組織を含む)のナノメートルスケールの厚さのコーティングを有し得る。
【0073】
本発明の材料は、形状記憶合金(例えば、ニッケル合金)であり得る。形状記憶合金を用いる利点は、形状記憶合金が、展開可能な形状に変形され、本体内の調製された空洞内部に配置されて、次いでインプラントにとって望ましいもとの形状に戻され得ることである。
【0074】
本発明の材料は、これらのシートまたは層をグラファイトマンドレルの周囲に巻き付け、次いで材料を拡散接合することにより製造され得る。本発明の一実施態様によるこの方法は、脊椎ケージなどのような用途に適した中空形状の製造を提供する。
【0075】
本発明の一実施態様によれば、孔の形状は、レーザーまたは他の層製造法によって加工されるパターンによって制御され得る。構築され得る孔の形状に、実用上の制限はない。
【0076】
本発明の一実施態様によれば、材料の形態が組織にぴったりと適合する生体模倣足場が、製造され得る。例えば、材料において、骨梁骨のマイクロコンピュータ断層撮影(マイクロCT)スキャンが再現され得る。幾何形態は、支柱を追加および/または特徴を除去するように改変され得る。例えば、図3は、骨のCTスキャンの結果を示し、一方図4は、そのCTスキャンから得たスライスを示す。図5は、本発明の一実施態様に従う改変型幾何形態を示し、ここでは、骨内部成長に対して好適な表面を提供するように、支柱を追加し、そして選択した張り出し部分をトリミングしている。次いで、これらの支柱は、全てのスライスがつなぎ合わされたときに、層間でブレンドされ、滑らかに転移された三次元物体を生じ得る。図6は、本発明の一実施態様に従って再構築されたときのスライスを示す。コンピューターソフトウェア中で、材料は、3つのデカルト平面に沿って映され、足場立体を組み立てるために使用され得る材料の「ブロック」を形成するように、もとの形状につなぎ合わされ得る。このプロセスは、任意の組織の幾何形態を模倣する足場を製造するために使用され得る。
【0077】
本発明の一実施態様によれば、CADファイルとして設計を操作することにより、材料の形態および/または機械的特性が組織にぴったりと適合する生体模倣足場が、製造され得る。支柱は、断面において拡大または縮小され、そして立体全体が解析されて、剛性、強度、透過性、多孔度などのような機械的特性が推定され得る。幾何形態は、接触することが意図される組織の機械的特性を複製するために、改変され得る。
【0078】
本発明の材料は、任意の所望の形状で製造され得る。
【0079】
本発明の材料の多孔度は、所望の値を得るように厳密に制御され得、材料のバルク密度は、極小から最大密度までの範囲であり得る。複数の層が、それらの中につくられた所望の形状を有し、次いで特定の規則なく積み重なり得る。これらの層は、そのまま互いの真上にあるのではなく、代わりにランダムな距離でずらされ、ランダムスタッキングを得る。
【0080】
複数の層が、それらの中につくられた所望の形状を有し、次いで、1つの層から次の層へ、設計された転移があるように積み重ねられ、その結果、三次元幾何形態が可能となる。これは、積み重ねを容易にするシート中の幾何形態特徴(例えば、ピンホール、フラット、または他の積み重ね可能で割り出し可能(indexable)な特徴)を用いることによって達成され得る。
【0081】
本発明の材料の多孔度は、材料の厚さ全体にわたって勾配を設けて設定され得る。これは、異なる多孔度を有する層を製造し、そして層から層への所望の転移を提供するように、それらの層を所望の様式に積み重ねることによって達成され得る。例えば、最大濃密材料は、その直接上に、例えば、10%多孔度を有する材料、続いて20%多孔度を有する材料などを有し得、これは、最上層またはパッドが実質的に多孔質となるか、または別の実施態様では、金属整形外科用インプラントコアへの接合を容易にするのに十分に濃密となるまで続く。本発明のこの実施態様は、インプラントコア構造への優れた接合のために固体または準固体材料を製造しながら、骨接触のために骨内部成長用の多孔質材料を提供するという利点を有する。
【0082】
本発明の材料の材料特性、多孔度、および構造は、体内の天然に生じている構造の間の転移を模倣するように、全厚にわたって勾配を設けて設定され得る。例えば、本発明の一実施態様では、インプラントの一方の端部が骨との統合のために設計された構造を有し得、そして他方の端部は軟組織に対する。
【0083】
本発明の一実施態様によれば、固体層は、足場内にて圧力下で流動体を維持するために使用され得る。例えば、固体層は、加圧流体を取り囲むように圧力容器を規定し得る。このような固体層は、金属、複合材、可撓性ポリマーなどを包含し得る。固体層はまた、圧縮可能または折り畳み可能であり得、次いで内部加圧によって膨張され得る。圧縮可能な固体層はまた、本発明の一実施態様では、加圧流体を含むように形作られ得る。
【0084】
本発明の材料は、生物学的材料および成長因子の導入のための天然ビヒクルを提供する。本発明のこの実施態様は、生物活性材料の統合のために優れたトポグラフィーおよび密度を提示する。このような実施態様は、直接組み込まれる生物学的材料(例えば、成長因子または他の医薬を含有するかまたはカプセル化する、生体吸収性ポリマー)の形態をとり得る。このような実施態様はまた、材料内にカプセル化される生物材料または成長因子、抗生物質、ステロイドなどの形態をとり得る。この形態では、バリア層が、吸収性材料から設計され得るか、または生物材料、成長タンパク質、抗生物質、ステロイドなどの放出を制御するように透過性が制御された部分的なバリアが、製造され得る。
【0085】
本発明はまた、以下の3つの領域を有する材料を製造することにより得られ得る骨内部成長インプラント設計物を提供する。3つの領域とは、骨内部成長用の多孔度およびセル形状を有する外部領域、骨梁骨にぴったりと合う剛性(ほぼ3GPa弾性率)を有する中心領域、および固体金属コアである。これにより、インプラントの剛性が、骨の応力遮蔽が生じず、骨内部成長が最適化され、そして結果として、強健で健常な骨が維持され得るように調整されることが可能になる。
【0086】
本発明のさらなる実施態様は、種々の目的に供せられる積層足場を提供する。例えば、本発明の材料は、組織と統合することが意図される有限の厚さを有する層を有し得、その層の下には、生体吸収性材料によりカプセル化された医薬を含有しそしてその放出が制御されるように設計された層が存在する。この生体吸収性材料層の下に、固体コアへの接合に適している固体層またはインプラントコアを含む固体層への転移が存在し得る。
【0087】
別の実施態様では、本発明の材料は、組織と統合することが意図される有限の厚さを有する層を有し得、その層の下に、1つまたは複数の最大濃密層に転移する層が存在し得る。この下に、射出成形ポリマーと接合することが意図される材料および微細構造を有する有限の層が存在し得る。この配置は、液体ポリマーが組織内部成長の全厚にわたって浸透できないインサート射出成形インプラントのために意図される。
【0088】
別の実施態様では、本発明の材料は、組織と統合することが意図される有限の厚さを有する層を有し得、その層の下に、1つまたは複数の最大濃密層に転移する層が存在し得る。この下に、他の組織と接合することが意図される材料および微細構造を有する有限の層が存在し得る。この配置は、内部成長の制御された深さが固体層の各側にあることが所望されるインプラントのために意図される。
【0089】
本発明は、顔面再建のような手術に十分に適合される。なぜなら、材料の厚さは、特定の患者の解剖学的特徴に適合するように輪郭付けられ得、そして同時に、材料の微細構造は、組織の内部成長および治癒を促進するように最適化され得るからである。
【0090】
本発明はまた、2つ以上の材料を含む足場の製造を提供する。例えば、チタンから足場の1mm部を、そして生体適合性ポリマーから足場の1mm部を作製することにより、2mmのパッドが製造され得る。ポリマーの境界膜が金属足場中に部分的に溶融し得、次いでポリマー足場部分が、露出されたポリマー層または金属足場部分に付着され得る。
【0091】
本発明の材料は、バリア層を使用し得る。材料は、組織との統合が意図される表面;固体層への転移;および組織から他方の側での材料との統合のために設計された幾何形態への転移からなり得る。例えば、本発明のバリア層は、インサート射出成形により導入される液体ポリマーまたは体内で硬化するポリマーを(例えば、Zimmer T2TM股関節骨折および骨板インプラントと共に)含み得るか、または取り囲み得る。
【0092】
組織間で転移がある場合(例えば、軟組織/骨の付着)、本発明のバリア層は、2つの組織の内部成長限界を定め得る。したがって、軟組織が骨よりも迅速に成長する場合、骨が足場への成長を続けるために空隙部が利用され得、軟組織が樹立されるようになるのに十分な余地がある。
【0093】
本発明のバリア層は、発熱性ポリマー(例えば、ポリメチルメタクリレートなど)が材料の片側に配置される状況で、断熱層を提供し得る。特に、バリア層は、絶縁材であり得る。それは、極度に多孔質であり得るかまたは真空であり得る。したがって、バリア層は、硬化性ポリマーからの熱壊死に対する保護を提供し得る。
【0094】
バリア層は、以下の物質の制御された放出を可能にするように定めた透過性を有し得る:骨形態形成タンパク質(BMP)または成長因子(例えば、TGF−βスーパーファミリー(例えば、TGF−β、骨形態形成タンパク質(BMP−2、BMP−7など))、線維芽細胞増殖因子、血管内皮増殖因子、インスリン様増殖因子、インターロイキン、転写因子、マトリックスメタロプロテイナーゼ(組織の凹凸の再生を増強する)、またはタンパク質(例えば、オステオポンチン(oseopontin)、インテグリン、マトリックスレセプター、RGBなど)、および薬物(例えば、ビスホスフォネート(例えば、アレンドロネート、リセンドロネートなど))、ホルモン(例えば、エストロゲン、副甲状腺ホルモン(PTH))、ビタミン/ミネラル(例えば、カルシウム)、選択的エストロゲンレセプターモジュレーター(例えば、ラロキシフェン)、ヒト成長ホルモン、1,25-(OH)D(ビタミンDおよびビタミンD)。次いで、これらの医薬は、バリア層の後に本質的にバルク形態で供給され得、そしてバリア層の透過性に基づいて制御された送達を利用し得る。
【0095】
本発明のバリア層は、人工核としてゲルを用いる生体模倣脊椎ディスク置換物のような実施態様で、加圧体積を定め得る。核が環状部によって含まれる天然の脊椎ディスクは、加圧粘性流体を使用する。脊椎は圧縮中に負荷されるので、核は振動を止め、環状部によって加圧される。バリア層は、核内の液体の使用を可能にし、そして核および環状部の生物学的機能を維持する。
【0096】
本発明の一実施態様によれば、足場は、その全体または部分的に、圧電材料から構築され得る。適切な圧電材料としては、石英、チタン酸バリウム、ロッシェル塩、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、酸化鉛ニオブ(lead niobium oxide)、ポリビニルフルオリドなどが挙げられる。圧電材料は、機械的応力を受けたときに電圧を生じ、そして電圧を受けたときに機械的応力を生じる。
【0097】
本発明の一実施態様によれば、足場は、別の材料によってカプセル化された圧電材料を含み得る。例えば、このような圧電材料は、金属、ポリマー、またはセラミックによって包まれ得、それによって、直接組織と接触することなく本発明の足場に組み込まれ得る。
【0098】
圧電材料は、本明細書中に記載のように織り込まれ得るか、または織り込まれた材料によって取り囲まれた別の構造であり得る。
【0099】
上記のような圧電材料は、足場の骨表面に面して配置され得る。電圧が圧電材料に印加されたとき、圧電材料は、足場、およびしたがって骨に応力を与える。このような機械的応力は、骨内部成長に重要であることが知られている。
【0100】
本発明の一実施態様によれば、電圧サイクルが負荷毎に遭遇するように、圧電材料がインプラントに付着され得る。例えば、歩行する間において股関節ステムまたは膝関節のインプラントに付着されている場合、足が地面と接触する間の時間に対応する電圧パルスが印加され得る。
【0101】
電圧が、足場中の他の箇所で、貯蔵され得るか、または異なる圧電材料に印加され得、所望とされる場で応力が引き起こされる。あるいは、所望の応力サイクルを付与する制御回路が、足場構造中に組み込まれ得る。付与された応力サイクルは、インプラントの剛性に関わらず、骨の生体負荷を模倣し得る。したがって、大きな金属インプラントで通常遭遇される問題点である応力遮蔽が、この様式では排除され得る。
【0102】
本発明の一実施態様によれば、圧電材料のための制御回路は、足場を動かすために界磁の形態の外部電源が使用され得るように、変圧器コイルを組み込み得る。このような配置により、患者は、パッドまたは等価の構造の形態の電源を体外に付与することができる。足場に移動した電力は、次いで、骨に応力を与え、そして骨内部成長を促進する。
【0103】
本発明の一実施態様によれば、圧電材料の変形が、骨または組織の電気刺激を生じ、表面での治癒および内部成長を促進するために使用され得る。
【0104】
本発明は、整形外科用インプラント、歯科用インプラント、骨内部成長表面、軟組織足場などに適用され得る。
【0105】
一実施態様では、本発明の材料は、セメント化インプラントに適している。このインプラントは、金属コアと、コアに隣接している全体または部分がポリメチルメタクリレートから構築され得る層とを含み得るか、または上記のように金属層でポリメチルメタクリレートモノマーをカプセル化し得る。本発明の実施態様によるセメント化インプラント設計のために、骨セメント被膜は、外側の多孔質材料中に浸透し得、そしてバリア層と接触し得る。外側の多孔質材料は、体積あたりの表面積比が大きいために骨セメント中で溶解する高分子量ポリマーであり得る。骨セメントは、通常、開裂した過酸化ベンゾイルの形態で、バリア層を溶解する触媒を提供する。これにより、モノマーが露出され、そしてこのモノマーを硬化させる。生じる硬化により、金属、ポリマー、またはセラミックで強化した骨セメント層を有するインプラントが得られる。これにより、セメント化インプラントの接合強度および耐久性が増大される。完全に硬化した場合の実施態様は、インプラントのコアとして金属または他の材料、続いて金属強化ポリマーの層、続いて高分子量ポリマーの層、続いて従来の骨セメント、続いて骨を含む。多孔度およびセル形態は、骨内部成長よりも骨セメント浸透について異なるが、本発明により記載の製造法は、所望の形態および多孔度を形成し得る。骨セメントは金属製インプラントに対して接着強度を制限しているので、この強化した層および勾配を設けて設定した剛性および強度によって、優れた接合が得られる。
【0106】
骨または組織の足場のための他の全ての製造法は、1つまたはいくつかの材料に制限される。通常、これらのプロセスは、ポリマーに制限される。本発明の実施態様は、材料に関わらず、同じ形態および密度の開発を可能にする。このことにより、外科医の優先度および患者の必要性に適合するように、種々の材料から一貫した足場設計を構築することが可能になる。本発明の方法により、ポリマー、金属、セラミック、生物学的材料、もしくは複合材、またはこれらの材料の任意の組み合わせから同じ形状の足場を製造することが可能になる。
【0107】
ポリマーは、一般には、他の材料によって強化されなければ、組織足場として供するのに必要な機械的特性を有さない。現存の先行技術はいずれも、所望の強化体積率を有するポリマーを生成しない。本発明の製造法は、強化により所望の強化体積率を有する強化ポリマーの多孔質足場を製造する。例えば、連続した高強度のグラファイトファイバーまたは不連続のハイドロキシアパタイト結晶によって強化された、例えば、ポリエーテルエーテルケトンシートは、上記のように、所望の層幾何形態にレーザー加工されて、積み上げられ、そしてつなぎ合わされ得る。シートは、いかなる特定のマトリックスまたはファイバー材料にも限定されず、しかもファイバーの強化体積率にも限定されない。
【0108】
本願で引用した文書、特許、雑誌記事、および他の資料の全てが、本明細書中に参考として援用される。
【0109】
本発明は、添付の図面を参照してそれらの好ましい実施態様に関連して十分に記載しているが、種々の変更および改変が当業者に明らかであることが理解されるべきである。このような変更および改変は、その範囲から逸脱しない限り、添付の特許請求の範囲によってのみ定義される本発明の範囲内に含まれることが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨および組織の内部成長および表層成長の足場であって、
該足場が、外部領域、中心領域、および固体領域を含み、
該外部領域が、複数の接合された材料層を含み、該材料が、金属、セラミック、およびポリマーの少なくとも1つを含み、該層が各々、5%と95%との間の多孔度を有し、0.05mmと5mmとの間の平均間隔のセルを有し、そして0.05mmから2mmの厚さの支柱を有し、
該中心領域が、該材料の1つ以上の層を含む該外部領域に隣接し、そして
該固体領域が、実質的に固体の非多孔質の材料でなり、該中心領域に隣接する、
足場。
【請求項2】
前記セルが等軸である、請求項1に記載の足場。
【請求項3】
前記セルが細長い、請求項1に記載の足場。
【請求項4】
前記多孔度が70%と90%との間である、請求項1に記載の足場。
【請求項5】
前記セルが0.25mmと0.6mmとの間の平均間隔を有する、請求項1に記載の足場。
【請求項6】
前記支柱が0.08mmから0.12mmの間の厚さである、請求項1に記載の足場。
【請求項7】
前記材料が金属を含む、請求項1に記載の足場。
【請求項8】
前記金属が、チタン、コバルト、クロム、タンタル、ステレンス鋼、マグネシウム、および形状記憶合金からなる群から選択される少なくとも1つのメンバーを含む、請求項7に記載の足場。
【請求項9】
さらに、前記金属上にセラミックの粒子、ウイスカ、またはファイバーを含む、請求項7に記載の足場。
【請求項10】
前記材料がセラミックを含む、請求項1に記載の足場。
【請求項11】
前記セラミックが、アルミナ、部分安定化ジルコニア、ハイドロキシアパタイト、およびリン酸カルシウムからなる群から選択される少なくとも1つのメンバーを含む、請求項10に記載の足場。
【請求項12】
前記セラミックが、Si、Mg、およびカーボネートからなる群から選択される少なくとも1つのメンバーでドープ処理されたハイドロキシアパタイトを含む、請求項10に記載の足場。
【請求項13】
前記材料がポリマーを含む、請求項1に記載の足場。
【請求項14】
前記ポリマーが、強化ポリマー、ナイロン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリアリールエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリラクチド、ポリグリコリド、および合成もしくは天然コラーゲン、ポリ(DL−ラクチド)、ポリ(L−ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(グリコネート)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(ヒドロキシバレレート)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(カルボキシレート)、ポリ(プロピレンフマレート)、ポリ(ホスフェート)、ポリ(カーボネート)、ポリ(無水物)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(ホスファゼン)、ならびにそれらのコポリマー、ブレンド、および組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのメンバーを含む、請求項13に記載の足場。
【請求項15】
前記ポリマーが、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリアリールエーテルケトン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、重合モノマー、トリ(エチレングリコール)ジメタクリレート、ビスフェノールaヒドロキシプロピルメタクリレート、ならびにそれらのコポリマー、ブレンド、および組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのメンバーを含む、請求項13に記載の足場。
【請求項16】
前記ポリマーが発熱相変化ポリマーを含む、請求項13に記載の足場。
【請求項17】
前記接合された層がさらに、熱からの保護を提供するための真空層を含む、請求項16に記載の足場。
【請求項18】
前記材料が、内部加圧によって膨張され得る圧縮可能または折り畳み可能な材料を含む、請求項1に記載の足場。
【請求項19】
前記材料が、少なくとも2つの材料を含む、請求項1に記載の足場。
【請求項20】
前記材料に、薬物および医薬の少なくとも1つが含浸されているか、またはコーティングされている、請求項1に記載の足場。
【請求項21】
前記層の1つ以上が、オープンセル構造を有する、請求項1に記載の足場。
【請求項22】
前記層の1つ以上が、部分オープンセル構造を有する、請求項21に記載の足場。
【請求項23】
前記層の1つ以上が、完全クローズドセル構造を有する、請求項1に記載の足場。
【請求項24】
前記中心領域が複数の層を含み、該中心領域の複数の層が各々異なる多孔度を有する、請求項1に記載の足場。
【請求項25】
前記材料の密度が前記層間で均一でない、請求項1に記載の足場。
【請求項26】
前記材料の形態が前記層間で均一でない、請求項1に記載の足場。
【請求項27】
前記材料が、ダイヤモンド、酸化アルミニウム、セラミック、サーメット、金属、金属合金、ポリマー、生物学的材料、ハイドロキシアパタイト、およびヒアルロン酸からなる群から選択される1つのメンバーでコーティングされている、請求項1に記載の足場。
【請求項28】
前記生物学的材料が動物組織を含む、請求項27に記載の足場。
【請求項29】
前記生物学的材料が植物質物質を含む、請求項27に記載の足場。
【請求項30】
前記生物学的材料がヒト組織を含む、請求項27に記載の足場。
【請求項31】
前記材料が、微細構造における転移を含む、請求項1に記載の足場。
【請求項32】
前記接合された層が1つ以上の材料を含み、そして該材料が、該1つ以上の材料の間の転移を含む、請求項1に記載の足場。
【請求項33】
さらに、バリア層を含む、請求項1に記載の足場。
【請求項34】
前記中心領域の前記1つ以上の層が、前記外部領域の前記複数の層とは異なる多孔度を有する、請求項1に記載の足場。
【請求項35】
前記固体領域が、金属強化ポリマー層に接合されている、請求項1に記載の足場。
【請求項36】
前記金属強化ポリマー層がさらに、バリア層に接合されている、請求項35に記載の足場。
【請求項37】
前記バリア層がさらに、高分子量アクリルポリマー層に接合されている、請求項36に記載の足場。
【請求項38】
前記固体領域が、加圧流体を取り囲む、請求項1に記載の足場。
【請求項39】
前記固体領域が、金属、複合材、または可撓性ポリマーを含む、請求項38に記載の足場。
【請求項40】
前記外部領域の前記複数の層が各々異なる多孔度を有する、請求項1に記載の足場。
【請求項41】
前記外部領域が、骨および/または組織を統合する層、ならびに該骨および/または組織を統合する層の直下に生体吸収性材料層を含む、請求項40に記載の足場。
【請求項42】
前記生体吸収性材料層が、薬物および医薬の少なくとも1つをカプセル化している、請求項41に記載の足場。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−71214(P2012−71214A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−10522(P2012−10522)
【出願日】平成24年1月20日(2012.1.20)
【分割の表示】特願2006−539680(P2006−539680)の分割
【原出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【出願人】(506154719)ユニバーシティ オブ ノートル ダム (4)
【Fターム(参考)】