説明

骨形成及び鉱化作用を調節する化合物の同定のためのアッセイ

KRC分子が、骨形成及び鉱化作用を含む多種の細胞プロセスの調節において調節薬として多岐にわたる重要な機能を有していることを本発明は示した。骨芽細胞のTGF-βシグナリングは、KRC、Runx2、Smad3とE3ユビキチンリガーゼであるWWP1との間の多量体複合体の形成を促進する。なお、Runx2ポリユビキチン化及びプロテアソーム依存にする分解を促進するWWP1の活性により、WWP1はRunx2の活性を阻害する。さらに、KRC及びWWP1は、Runx2ポリユビキチン化を促進するWWP1の活性によりRSK2機能を阻害する、RSK2との複合体を形成する。KRC活性の調節剤を同定するための方法が提供される。KRC発現及び/又は活性を調節する薬剤を使用する、免疫応答、骨形成、鉱化作用、及びKRC関連の疾患を調節するための方法もまた提供される。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨形成及び鉱化作用を増加するのに有効な化合物を同定する方法であって、
a)(i)KRC、WWP1及びRunx2又はその生物学的に活性なフラグメントを含む細胞インジケーター組成物、並びに(ii)前記Runx2ポリペプチド又はその生物学的に活性なフラグメントに反応するレポーター遺伝子を供給するステップ、
b)前記インジケーター組成物を供試化合物のライブラリーの各化合物と接触させるステップ、
c)前記供試化合物の存在下又は非存在下における前記レポーター遺伝子の発現を評価するステップ、
d)前記レポーター遺伝子の発現を増加する関心のある化合物を前記供試化合物のライブラリーから選択するステップ、
e)KRC、WWP1及びRunx2又はその生物学的に活性なフラグメントを含む間葉の幹細胞を、関心のある供試化合物と接触させるステップ、及び前記供試化合物の存在下及び非存在下における間葉の幹細胞の分化への供試化合物の効果を測定し、骨形成及び鉱化作用を増加する化合物を同定するステップを含む、間葉の幹細胞の分化を増加する関心のある前記供試化合物の活性を評価するステップを含む、方法。
【請求項2】
前記インジケーター組成物が、PPXYドメインを含むRunx2の生物学的に活性領域を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記インジケーター組成物が、HECTドメインを含むWWP1の生物学的に活性領域を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
間葉の幹細胞の分化への関心のある供試化合物の効果を、細胞アルカリホスファターゼ(ALP)のレベルを測定することにより評価する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
関心のある化合物の鉱化作用への効果を評価するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
WWP1又はその生物学的に活性なフラグメントを含むインジケーター組成物を供給するステップ、
前記インジケーター組成物を関心のある供試化合物に接触させるステップ、及び
関心ある供試化合物の存在下又は非存在下におけるWWP1のE3ユビキチンリガーゼ活性への関心ある供試化合物の効果を測定するステップを含む、WWP1のE3ユビキチンリガーゼ活性を調節する関心のある供試化合物の活性を評価するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
WWP1及びRunx2、又はその生物学的に活性なフラグメントを含むインジケーター組成物を供給するステップ、
前記インジケーター組成物を関心のある供試化合物に接触させるステップ、及び
関心ある供試化合物の存在下又は非存在下におけるWWP1及びRunx2の間の相互作用への関心ある供試化合物の効果を測定するステップを含む、
WWP1及びRunx2の間の相互作用を減少させる関心ある供試化合物の活性を評価するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記供試化合物をヒト以外の成体動物に投与し、そして前記供試化合物の存在下又は非存在下で骨形成及び鉱化作用への関心のある供試化合物の効果を測定するステップであって、
前記ヒト以外の動物における骨形成及び鉱化作用における増加に基づいて、前記関心ある供試化合物を骨形成及び鉱化作用を増加する化合物として同定するステップを含み、
前記動物における骨形成及び鉱化作用への、前記供試化合物の効果を決定するステップをさらに含む、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
SMAD3分子もまた、前記インジケーター組成物に含まれている、請求項1に記載の方法
【請求項10】
RSK2分子もまた、前記インジケーター組成物に含まれている、請求項1に記載の方法
【請求項11】
骨形成及び鉱化作用の増加に有用な化合物を同定する方法であって、
a)KRC、WWP1及びRunx2を含む間葉の幹細胞又はその生物学的に活性部分を供給するステップ、
b)前記インジケーター組成物を供試化合物のライブラリーの各化合物と接触させるステップ、
c)骨芽細胞への間葉の幹細胞分化を増加させる関心のある化合物を供試化合物ライブラリーから選び、それでもって骨形成及び鉱化作用を増加させる化合物を同定するステップを含む、方法。
【請求項12】
骨形成及び鉱化作用の増加に有用な化合物を同定する方法であって、
a)(i)KRC、WWP1及びRunx2又はその生物学的に活性な部分を含む細胞インジケーター組成物、並びに(ii)前記Runx2ポリペプチド又はその生物学的に活性なフラグメントに反応するレポーター遺伝子を供給するステップ、
b)前記インジケーター組成物を供試化合物のライブラリーの各化合物と接触させるステップ、
c)前記供試化合物の存在下又は非存在下における前記レポーター遺伝子の発現を評価するステップ、
d)前記レポーター遺伝子の発現を増加する関心のある化合物を前記供試化合物のライブラリーから選択するステップ、
e)間葉の幹細胞を関心のある供試化合物の活性と接触させ、そして前記の供試化合物の存在下及び非存在下において間葉の幹細胞の分化への供試化合物の効果を決定するステップを含む、
間葉の幹細胞の分化を増加させるステップd)から得られた関心のある供試化合物の活性を評価するステップ、
f)WWP1又はその生物学的に活性なフラグメントを含むインジケーター組成物を供給するステップ、前記インジケーター組成物を関心ある供試化合物と接触させるステップ及び関心ある供試化合物の存在下又は非存在下においてWWP1のE3ユビキチンリガーゼ活性への前記供試化合物の効果を決定するステップを含む、
WWP1のE3ユビキチンリガーゼ活性を減少させる、ステップe)から得られた関心ある供試化合物の活性を評価するステップ、及び/又は
g)WWP1及びRunx2、又はその生物学的に活性なフラグメントを含むインジケーター組成物を供給するステップ、前記インジケーター組成物を関心ある供試化合物と接触させるステップ及び関心ある供試化合物の存在下又は非存在下においてWWP1とRunx2との間の相互作用への前記供試化合物の効果を決定するステップを含む、
WWP1とRunx2との間の相互作用を減少させる、ステップe)から得られた関心ある供試化合物の活性を評価するステップ、及び
h)ヒト以外の動物に、ステップg)から得られた関心ある前記供試化合物を投与するステップ、
ヒト以外の動物における骨形成及び鉱化作用の増加に基づいて関心のある前記供試化合物を、骨形成及び鉱化作用を増加する化合物として同定する、前記供試化合物の存在下及び非存在下において骨形成及び鉱化作用への前記供試化合物の効果を決定するステップを含む、
ヒト以外の動物における骨形成及び鉱化作用へのステップg)から得られた関心ある供試化合物の効果を決定するステップを含む、方法。
【請求項13】
骨形成及び鉱化作用の増加に有用な化合物を同定する方法であって、
a)(i) KRC、WWP1及びRSK2又はその生物学的に活性なフラグメントを含む細胞インジケーター、並びに(ii)前記RSK2ポリペプチド又はその生物学的に活性なフラグメントに反応するレポーター遺伝子を供給するステップ、
b)前記インジケーター組成物を供試化合物のライブラリーの各化合物と接触させるステップ、
c)前記供試化合物の存在下又は非存在下における前記レポーター遺伝子の発現を評価するステップ、
d)前記レポーター遺伝子の発現を増加する関心のある化合物を前記供試化合物のライブラリーから選択するステップ、
e)KRC、WWP1及びRSK2又はその生物学的活性のフラグメントを含む間葉の幹細胞を、関心のある前記供試化合物と接触させるステップ、そして
前記供試化合物の存在下及び非存在下において間葉の幹細胞の分化への前記供試化合物の効果を測定し、それでもって骨形成及び鉱化作用を増加させる化合物を同定するステップを含む、
間葉の幹細胞の分化を増加させる関心のある前記供試化合物の活性を評価するステップを含む、方法。
【請求項14】
骨形成及び鉱化作用の増加に有用な化合物を同定する方法であって、
a)KRC、WWP1及びRSK2又はその生物学的に活性な部分を含む間葉の幹細胞を供給するステップ、
b)前記インジケーター組成物を供試化合物のライブラリーの各化合物と接触させるステップ、及び
c)骨芽細胞への間葉の幹細胞分化を増加させる、関心のある化合物を供試化合物ライブラリーから選び、それでもって骨形成及び鉱化作用を増加させる化合物を同定するステップを含む、方法。
【請求項15】
骨形成及び鉱化作用の増加に有用な化合物を同定する方法であって、
a)(i) KRC、WWP1及びRSK2又はその生物学的に活性な部分を含む細胞インジケーター組成物、並びに(ii)前記Runx2ポリペプチド又はその生物学的に活性な部分に反応するレポーター遺伝子を供給するステップ、
b)前記インジケーター組成物を供試化合物のライブラリーの各化合物と接触させるステップ、
c)前記供試化合物の存在下又は非存在下における前記レポーター遺伝子の発現を評価するステップ、
d)前記レポーター遺伝子の発現を増加する関心のある化合物を前記供試化合物のライブラリーから選択するステップ、
e)間葉の幹細胞を関心のある供試化合物と接触させるステップ、及び
前記供試化合物の存在下及び非存在下において間葉の幹細胞の分化への供試化合物の効果を決定するステップを含む、
間葉の幹細胞の分化を増加させる、ステップd)から得られた関心のある供試化合物の活性を評価するステップ、
f)WWP1又はその生物学的に活性なフラグメントを含むインジケーター組成物を供給するステップ、
前記インジケーター組成物を前記関心のある供試化合物と接触させるステップ、及び
関心のある前記供試化合物の存在下及び非存在下においてWWP1のE3ユビキチンリガーゼ活性への関心のある前記供試化合物の効果を決定するステップを含む、及び/又は
WWP1のE3ユビキチンリガーゼ活性を減少させるステップe)から得られた関心のある供試化合物を評価するステップ、及び/又は
g)WWP1及びRSK2、又はその生物学的に活性なフラグメントを含むインジケーター組成物を供給するステップ、
前記インジケーター組成物を関心ある供試化合物と接触させるステップ、及び
前記供試化合物の存在下及び非存在下において、前記WWP1及びRSK2の相互作用への前記関心のある供試化合物の効果を決定するステップを含む、
WWP1とRSK2との間の相互作用を減少させるステップe)から得られた前記の関心ある供試化合物の活性を評価するステップ、及び
h)ヒト以外の成体動物に前記関心のある供試化合物を投与するステップ、及び
ヒト以外の成体動物における骨形成及び鉱化作用の増加に基づいて、前記関心のある供試化合物を、骨形成及び鉱化作用を増加させる化合物として同定する、
前記供試化合物の存在下及び非存在下において骨形成及び鉱化作用への供試化合物の効果を決定するステップを含む、
ヒト以外の成体動物において骨形成及び鉱化作用へのステップg)から得られた前記関心のある化合物の効果を決定するステップを含む、方法。

【公表番号】特表2010−528586(P2010−528586A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506252(P2010−506252)
【出願日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際出願番号】PCT/US2008/005280
【国際公開番号】WO2008/133936
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(505070494)プレジデント アンド フェローズ オブ ハーバード カレッジ (4)
【氏名又は名称原語表記】PRESIDENT AND FELLOWS OFHARVARD COLLEGE
【住所又は居所原語表記】1350 Massachusetts Avenue,Suite 727, Cambridge, MA 02138 (US).
【Fターム(参考)】