説明

高い引掻耐性及び耐候性を有する被覆剤

本発明は、(a)少なくとも1種のヒドロキシル基含有化合物(A)、(b)遊離及び/又は遮断されたイソシアネート基を有する、少なくとも1種の化合物(B)、(c)シラン基の架橋結合のための、少なくとも1種の触媒(D)を含有する被覆剤(この際、(i)被覆剤の1種以上の成分は、加水分解可能なシラン基を含有し、かつ(ii)被覆剤は、統計的に分配されたSi‐O‐Si網状構造の領域を有する被膜に最終硬化され得る)に関し、この被覆剤は、被覆剤から得られる最終硬化被膜が、2よりも少ない後架橋結合指数(PCI)を有し、この際、後架橋結合指数(PCI)は、200℃の貯蔵弾性率E’(200)対測定されるガラス転移温度Tgより上の温度での貯蔵弾性率E’(min)の最小値からの商として定義され、貯蔵弾性率E’(200)及びE’(min)及びガラス転移温度Tgは、動的‐機械的‐熱的‐分析(=DMTA)で、加熱率2K/分及び振動数1Hzで測定されていて、かつDMTA測定は、DMTA測定に先立ち、対象物温度140℃で20分間硬化されかつ硬化後に25℃で8日間貯蔵された層厚40μm±10μmの独立フィルムで実施されたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加水分解可能なシラン基を有するポリオール及びポリイソシアネートを含有する中性溶剤をベースとする熱硬化可能な被覆剤に関し、これにより、高い引掻耐性を、同時に高い光沢及び高い耐候性と共に有する被覆物が得られる。
【0002】
WO‐A‐01/98393に、結合剤成分としてポリオール及び架橋結合剤成分として部分的にアルコキシシリル基で官能化されているポリイソシアネートを含有する2K被覆剤が記載されている。この被覆剤はプライマーとして使用され、金属性の下地、殊にアルミニウム下地との接着に最適である。OEM連続ラッカー塗布又は補修ラッカー塗布の分野では、この被覆剤上に、ベースラッカー‐クリアラッカー‐構成体が塗布される。WO‐01/98393による被覆剤は、引掻耐性及び耐候性に関して最適ではない。
【0003】
EP‐A‐0994117に、ポリオール成分及び有利にアスパルテートに変換されるモノアルコキシシリルアルキルアミンと部分的に反応され得るポリイソシアネート成分を含有する、湿潤硬化可能な組成物が記載されている。そのような組成物を含む被覆物は確かに一定の硬度を有するが、OEM適用には、耐候性に関して及び殊にその引掻耐性に関して、限定的にしか適していない。
【0004】
US‐A‐2006/0217472は、ヒドロキシ官能性アクリレート、低分子のポリオール成分、ポリイソシアネート及びアミノ官能性アルコキシシリル成分、有利にビスアルコキシシリルアミンを含有し得る被覆剤を記載している。そのような被覆剤は、ベースラッカー‐クリアラッカー構成体におけるクリアラッカーとして使用され、引掻耐性の被覆物を形成する。しかし、そのような被覆剤の貯蔵性は極めて限定的であり、かつ生じる被覆物は、殊に湿潤‐乾燥‐周期でのUV線に対して、僅かな耐候性を有する。
【0005】
WO2006/042585に、OEM連続ラッカー塗布に適するクリアラッカーが記載されていて、これは、主結合剤成分として、そのイソシアネート基が有利に90モル%以上ビスアルコキシシリルアミンと反応しているポリイソシアネートを含有する。そのようなクリアラッカーは、特徴的な引掻耐性を、同時に高い化学薬品耐性及び耐候性で有する。しかし、引掻耐性の高水準を保持する場合に、殊に湿潤‐乾燥周期におけるUV線での亀裂形成に対して、更なる耐候性の改善が求められる。
【0006】
EP‐A‐1273640は、ポリオール成分及び脂肪族及び/又は環状脂肪族ポリイソシアネートを含む架橋結合剤成分を含む2K被覆剤を記載していて、この際、本来存在する遊離性イソシアネート基の0.1〜95モル%は、ビスアルコキシルシリルアミンと反応している。この被覆剤はOEM連続ラッカー塗布に使用され、その完全な硬化後に、良好な引掻耐性を、同時に環境的影響に対するその良好な耐性と共に有する。しかし、この被覆剤は、特に強い後架橋結合化傾向を有し、このことは(熱的最終硬化直後)被覆物の不十分な引掻耐性しか得られないという結果をもたらす。同様に、強い後架橋結合は、引張亀裂の危険が高められるので、耐候性に否定的に作用する。
【0007】
まだ未公開のドイツ国特許出願P102007013242に、界面活性的に変性化されたシラン含有の化合物を有する被覆剤が記載されている。この被覆剤は、表面に近い被覆域に、(熱硬化の前に、界面活性的に変性化されたシラン含有化合物の富化に基づき)、塊として、Si‐O‐Si網状構造のより高いSi原子密度を有する最終硬化被覆物を生じさせる。これに反して、本発明による被覆物は、この表面でのSi‐O‐Si網状構造の富化を全く有せず、最終硬化された本発明による被覆のSi‐O‐Si網状構造の範囲は、統計的に分配されている。
【0008】
課題及び解明
本発明の課題は、高度に耐候性の網状構造を生じさせる被覆剤、殊に、OEM連続ラッカー被膜における及び自動車補修ラッカー被膜における、クリアラッカー層のための被覆剤を得ることにあって、この際、高い耐酸性を保証するために、加水分解及び天候に不安定な基団の不所望な生成は極めて広汎に抑制される。同時に、熱硬化直後に既に高度に引掻耐性で、かつ殊に引掻負荷後に高い光沢を保持している被覆物を生成させるべきである。更に、被覆物及びラッカー被膜、特にクリアラッカー被膜は、引張亀裂が生じることなく、層厚>40μmで製造されるべきである。このことは、技術的及び美的に特に要求の高い自動車連続ラッカー塗布(OEM)分野における、被覆物及びラッカー被膜、殊にクリアラッカー被膜の使用のための重要な前提である。
【0009】
殊に、湿潤‐乾燥周期におけるUV線での暴候に際し、特に亀裂形成に対する高い安定性を、卓越した引掻耐性と組み合わせて有するクリアラッカー被膜を得るべきである。
【0010】
更に、新規の被覆剤は、簡単できわめて良好に再現可能に製造することができ、かつラッカーを適用する間に生態学的問題を引き起こすべきではない。
【0011】
課題の解明
前記の課題状況の観点から、
(a)少なくとも1種のヒドロキシル基含有化合物(A)、
(b)遊離及び/又は遮断されたイソシアネート基を有する、少なくとも1種の化合物(B)、
(c)シラン基の架橋結合のための、少なくとも1種の触媒(D)
を含有する被覆剤
(この際、
(i)被覆剤の1種以上の成分は、加水分解可能なシラン基を含有し、かつ
(ii)被覆剤は、統計的に分配されたSi‐O‐Si網状構造の領域を有する被膜に最終硬化され得る)が発明され、
この被覆剤は、被覆剤から得られる最終硬化被膜が2よりも少ない後架橋結合指数(PCI)を有することを特徴とし、
この際、
後架橋結合指数(PCI)は、200℃で測定される最終硬化被膜の貯蔵弾性率E’(200)対測定されるガラス転移温度Tgより上の温度で測定される最終硬化被膜の貯蔵弾性率E’の最小値(min)からの商として定義され、
貯蔵弾性率E’(200)及びE’(min)及びガラス転移温度Tgは、層厚40μm±10μmの独立フィルムで、動的‐機械的‐熱的‐分析(Dynamisch-Mechanischen-Thermo-Analyse)(=DMTA)で、加熱率2K/分及び振動数1Hzで測定されていて、かつ
DMTA測定は、DMTA測定に先立ち、対象物温度140℃で20分間硬化されかつ硬化後に25℃で8日間貯蔵された層厚40μm±10μmの独立フィルムで実施された。
【0012】
本発明の基礎にある課題が、本発明による被覆剤で解明され得ることは、公知技術水準に関して驚異的であり、かつ当業者には予見し得なかった。
【0013】
本発明による成分は、特に簡単でかつ極めて良好に再現可能に製造することができ、かつラッカー適用に際し、著しい毒物学的及び生態学的な問題を起こさずに提供される。
【0014】
本発明による被覆剤は、高い引掻耐性であり、かつ慣例の高度に架橋結合された引掻耐性系に相反して耐酸性である新規の被覆物及びラッカー被膜、特にクリアラッカー被膜を生成させる。更に、本発明による被覆物及びラッカー被膜、特にクリアラッカー被膜は、引張亀裂が生じることなく、層厚>40μmで製造され得る。従って、本発明による被覆物及びラッカー被膜、特にクリアラッカー被膜は、技術的及び美的に特に要求の多い自動車連続ラッカー塗布(OEM)分野で使用され得る。この際、これは特に高い洗浄ライン耐性及び引掻耐性を特徴とする。殊に、被覆物の高い引掻耐性は、被覆物の最終硬化直後に得られ、従って被覆物は最終硬化に続いて直ちに問題なく処理され得る。更に、CAM 180‐試験(DIN EN ISO 11341 Feb 98及びDIN EN ISO 4892-2 Nov 00による)において、本発明による被覆物のUV線及び湿潤‐乾燥交代での亀裂形成に対する安定性は、高い引掻耐性と組み合わされて特徴的である。
【0015】
発明の説明
後架橋結合指数(PCI)
要求される高い引掻耐性を(熱硬化直後に既に)、同時に良好な耐候性で有する被覆物を達成するために、被覆剤を適用される硬化条件下にできるだけ完全に硬化させる、要するに、被膜の硬化後にほんの僅かしか後硬化を示さないことが本発明の本質である。この僅少な後硬化は、後架橋結合指数(PCI)によって表わされる。後架橋結合指数(PCI)は、200℃で測定される最終硬化被膜の貯蔵弾性率E’(200)対測定されるガラス転移温度Tgの直ぐ上の温度で測定される最終硬化被膜の貯蔵弾性率E’の最小値(min)からの商として定義され、即ち、E’(min)は、測定温度がTgよりも高くかつ200℃よりも低い場合に、DMTA‐測定で出現する貯蔵弾性率の最小値である。最終硬化被膜とは、DMTA測定を実施する前に、140℃の対象物温度で20分間硬化させ、かつ硬化後に25℃で8日間貯蔵させる被膜が解される。当然、本発明による被覆剤は、他の(適用目的によって異なる)条件下に硬化されることもできる。更に、本発明による被覆剤は、貯蔵弾性率を測定する前に、最終硬化後に8日間よりも少なく貯蔵されることも当然できる。この際、一般に、25℃で、より短い、例えば1日間だけの貯蔵での後硬化指数は、当然、25℃で8日間の貯蔵の場合よりもやや高い。しかし、各々の被覆剤が本発明によるかどうかを確認する目的で、DMTA‐測定による後架橋結合指数を確定するために、被覆物を、再現可能な正確に規定される条件下に硬化させること及び貯蔵することが必要である。
【0016】
後架橋結合指数の確定に必要な貯蔵弾性率E’(200)及びE’(min)及びガラス転移温度Tgは、動的‐機械的‐熱的‐分析(=DMTA)で、加熱率2k/分及び振動数1Hzで測定される。
【0017】
動的‐機械的な熱的‐分析は、被覆物の粘弾性特性を測定するための一般に公知の測定法であり、例えば、ムラヤマ(Murayama, T.), ポリマー物質の動的機械的分析(Dynamic Mechanical Analysis of Polymeric Material), Esevier, New York, 1978及びローレンW.ヒル(Loren W. Hill), コーティング技術誌(Journal of Coatings Technology), Vol. 64, No. 808, May 1992, 31〜33頁に記載されている。
【0018】
測定の実施は、例えば、レオメトリックス サイエンティフィック社(Firma Rheometrics Scientific)の、振動数1Hz及び振幅率0.2%のDMTA V装置で行われ得る。この際、加熱率は1分間当たり2Kである。
【0019】
DMTA測定は、層厚40μm±10μmの独立フィルムで行われる。そのために、本発明による被覆剤を、得られる被膜がその上に接着しない支持体上に塗布する。好適な支持体の例として、ガラス、テフロン、ポリエチレンテレフタレート及びポリプロピレンが挙げられる。そうして得られる被膜を、DMTA測定を実施する前に、140℃の対象物温度で20分間硬化させ、硬化後に25℃で8日間貯蔵させる。
【0020】
更に、本発明による被覆剤は、それが、統計的に分配されたSi‐O‐Si網状構造領域を有する被膜に最終硬化され得ることを特徴とする。このことは、被膜の一定範囲で限定されたSi‐O‐Si網状構造の富化又は貧化とならない、即ち、まだ未公開のドイツ国特許出願P102007013242に記載された、表面近くの被覆域の富化にもならないことを意味する。
【0021】
被覆剤から得られる最終硬化被膜は、2よりも少ない、有利に1.8以下、特に有利に1.7以下及び極めて特に有利に1.5以下の後架橋結合指数(PCI)を有することは本発明の本質である。
【0022】
この際、先ず、架橋結合全体でシラン架橋結合の割合が少なければ少ないほど、一般に後架橋結合はより少ない、従って、後架橋結合指数(PCI)はより少ないことを確認すべきである。しかし、シラン架橋結合の割合が増すと共に、同時に引掻耐性も減少し、従って、所望の極めて高い引掻耐性の達成のためには、比較的高い割合のシラン架橋結合が所望される。
【0023】
本発明により調整すべき、2よりも少ない、有利に1.8以下、特に有利に1.7以下及び極めて特に有利に1.5以下の僅少な後架橋結合指数(PCI)は、次に詳説される多数の手段によって調整される。従って、本発明による被覆剤は、僅少な後架橋結合度(後架橋結合指数を介して測定される)に基づき、通例では高い割合のシラン架橋結合と結びついた欠点を示さない、極めて高い引掻耐性の調整のために必要な高い割合のシラン架橋結合で既に調整され得る。殊に、僅少な後架橋結合指数の調整によって、被膜の熱的最終硬化に直後に高い引掻耐性を有し、かつ同時に良好な耐候性を有する被覆剤を得ることができる。更に、本発明による被覆剤は、CAM 180‐試験(DIN EN ISO 11341 Feb 98及びDIN EN ISO 4892-2 Nov 00による)で、UV線及び湿潤‐乾燥交代での亀裂形成に対する本発明による被覆物の極めて良好な安定性、高い光沢及び暴候後の光沢保持を特徴とする。
【0024】
シラン基の架橋結合のための触媒(D)
後架橋結合指数(PCI)の有利な調整手段は、シラン基の架橋結合のための触媒(D)である。シラン基又はアルコキシシリル‐単位の架橋結合のための、及び化合物(A)のヒドロキシル基と化合物(B)の遊離イソシアネート基との間の反応のための触媒として、詳しく後記される他の手段によって、僅少な後架橋結合指数が同時に保証される場合に、自体公知の化合物を使用することができる。そのような公知触媒の例は、リュイス‐酸(電子欠乏化合物)、例えば、錫ナフテネート、錫ベンゾエート、錫オクトエート、錫ブチレート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫オキシド、鉛オクトエート、及び例えば、WO‐A‐2006/042585に記載されている触媒である。
【0025】
しかし、僅少な後架橋結合指数の調整のために、触媒(D)として、有利に燐含有の、殊に燐‐及び窒素‐含有の触媒が使用される。この際、2種以上の異なった触媒(D)を含む混合物を使用することもできる。
【0026】
好適な燐含有触媒(D)の例は、有利に、非環状のホスホン酸ジエステル、環状のホスホン酸ジエステル、非環状のジホスホン酸ジエステル及び環状のジホスホン酸ジエステルを含む群からの置換されたホスホン酸ジエステル及びジホスホン酸ジエステルである。この種類の触媒は、例えば、ドイツ国特許出願DE‐A‐102005045228に記載されている。
【0027】
しかし、触媒として、殊に、有利に非環状の燐酸ジエステル及び環状の燐酸ジエステルを含む群からの、置換された燐酸モノエステル及び燐酸ジエステル、特に有利に燐酸モノエステル及び燐酸ジエステルのアミン付加体が使用される。
【0028】
この際、非環状燐酸ジエステル(D)は、殊に、一般式(IV):
【化1】

[式中、基R10及びR11は、
置換又は非置換の、1〜20、有利に2〜16及び殊に2〜10個の炭素原子を有するアルキル基、3〜20、有利に3〜16及び殊に3〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基及び5〜20、有利に6〜14及び殊に6〜10個の炭素原子を有するアリール基、
置換及び非置換の、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルキルシクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリールシクロアルキル基、シクロアルキルアリール基、アルキルシクロアルキルアリール基、アルキルアリールシクロアルキル基、アリールシクロアルキルアルキル基、アリールアルキルシクロアルキル基、シクロアルキルアルキルアリール基及びシクロアルキルアリールアルキル基(この際、この中に含まれるアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は各々前記の数の炭素原子を含有する)及び
酸素原子、硫黄原子、窒素原子、燐原子及び珪素原子、殊に酸素原子、硫黄原子及び窒素原子を含む群から選択される少なくとも1個の、殊に1個のヘテロ原子を含有する、前記の種類の置換及び非置換基
を含む群から選択され、かつ付加的に水素原子であってもよい(部分エステル化)]
の非環状燐酸ジエステル(D)を含む群から選択される。
【0029】
触媒(D)として、極めて特に有利に、相応するアミン遮断化の燐酸エステル、及びこの際、殊にアミン遮断化の燐酸エチルヘキシルエステル及びアミン遮断化の燐酸フェニルエステル、極めて特に有利にアミン‐遮断化の燐酸‐ビス(2‐エチルヘキシル)エステルが使用される。
【0030】
燐酸エステルがそれで遮断されるアミンの例として、殊に三級アミン、例えば、トリエチルアミンが挙げられる。燐酸エステルの遮断化のために、140℃の硬化条件で、触媒の良好な作用を保証する三級アミンが特に有利に使用される。
【0031】
アミンで遮断された一定の燐酸触媒は商業的にも得られる(例えば、キングインダストリーズ社(Fa. King Industries)のナキュア型(Nacure-Typen))。アミン遮断化の燐酸部分エステルをベースとする特に好適な触媒として、例えば、キングインダストリーズ社の商標ナキュア4167が挙げられる。
【0032】
触媒は、本発明による被覆剤の非揮発性成分に対して、有利に0.01〜20質量%の割合で、特に有利に0.1〜10質量%の割合で使用される。この際、触媒の使用量も後架橋結合指数への一定の影響を有し、それというのも、触媒のより少ない有効性が、相応するより高い使用量によって部分的に補正され得るからである。
【0033】
加水分解可能なシラン基を有する構造単位
被覆剤の1種以上の成分が、加水分解可能なシラン基を含有することは本発明の本質である。この加水分解可能なシラン基は、最終硬化被膜中で統計的に分配されているSi‐O‐Si網状構造を構成させる。
【0034】
この際、殊に、被覆剤の1種以上の成分が、少なくとも部分的に、1種以上の同じ又は異なる式(I):
‐X‐Si‐R"3‐x (I)
[式中、
G=同じ又は異なる加水分解可能な基であり、
X=有機基、殊に1〜20個の炭素原子を有する直鎖及び/又は分枝鎖のアルキレン基又はシクロアルキレン基であり、極めて特に有利にX=1〜4個の炭素原子を有するアルキレン基であり、
R"=アルキル、シクロアルキル、アリール、又はアルアルキルであり、この際、炭素鎖は非隣接の酸素基、硫黄基又はNRa基によって遮断されていてよく、ここで、Ra=アルキル、シクロアルキル、アリール又はアルアルキルであり、有利にR"=殊に、1〜6個のC原子を有するアルキル基であり、
x=0〜2、有利に0〜1であり、特に有利にx=0である]
の構造単位を有する被覆剤が考慮される。
【0035】
この際、被膜の硬化の間に、このシラン基の構造も反応性への、従って、できるだけ広範な変換への、要するにできるだけ少ない後架橋結合指数(PCI)の調整への影響を有する。
【0036】
シランの相容性及び反応性に関して、3個の加水分解可能な基を有するシランが有利に使用される(即ち、x=0)。
【0037】
加水分解可能な基Gは、ハロゲン、殊に塩素及び臭素の群から、アルコキシ基の群から、アルキルカルボニル基の群から及びアシルオキシ基の群から選択され得る。アルコキシ基(OR’)が特に有利である。
【0038】
各々有利なアルコキシ基(OR’)は同じ又は異なっていてよいが、基の構成には、これが加水分解可能なシラン基の反応性に影響する限り決定的である。R’は、殊に1〜6個のC原子を有するアルキル基が有利である。シラン基の反応性を高める、即ち、良好な離脱基である基R’が特に有利である。その限りでは、メトキシ基が、エトキシ基に比べて、かつこれは再びプロポキシ基に比べて有利である。従って、R’=エチル及び/又はメチルが特に有利であり、殊にメチルが有利である。
【0039】
更に、有機官能性シランの反応性は、変性成分との反応に用いられる、シラン官能基と有機官能基との間のスペーサーXの長さによっても著しく影響され得る。その例は、ワッカー社(Firma Wacker)で得られる"アルファ"‐シランが挙げられ、この場合には、"ガンマ"‐シランでSi原子と官能基との間に存在するプロピレン基の代わりが、メチレン基である。明らかにするために、加水分解可能なシラン基を被覆剤中に導入させるために、メタクリルオキシメチルトリメトキシシラン("アルファ"‐シラン、例えば、ワッカー社の商品ゲニオシル(GENIOSIL)(登録商標)XL 33)が、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン("ガンマ"‐シラン、例えば、ワッカー社の商品ゲニオシル(登録商標)GF 31)に比べて有利に使用されることが挙げられる。
【0040】
シランの反応性を高めるスペーサーが、シランの反応性を減少させるスペーサーに比べて、極めて一般的に有利である。
【0041】
同時にシランの官能性も後架橋結合指数への影響を有する。この際、官能性とは、1分子当たりの式(I)の基の数が解される。従って、一官能性シランとは、シラン1分子当たり各々1個の式(I)の基を、変性すべき成分中に導入させるシランが解される。この際、二官能性シランとは、シラン‐1分子当たり各々2個の式(I)の基を成分中に導入させるシランが解される。
【0042】
成分が一官能性及び二官能性シランを含む混合物で変性されている、本発明による被覆剤が特に有利である。この際、二官能性シランとして、殊に、詳しく後記した式(IIa)のアミノ官能性ジシランが使用され、かつ一官能性シランとして、詳しく後記した式(IIIa)のシランが使用される。
【0043】
ところで一般に、同じシラン化内容で、一官能性シランの割合が上昇すると共に、後架橋結合指数(PCI)は減少するが、同時に引掻耐性も減少する。更に、二官能性シランの割合が上昇すると共に、後架橋結合指数(PCI)は上昇するが、同時に引掻耐性も上昇する。従って、本発明による被覆剤を得るために、二官能性シランの割合が高い場合には、後架橋結合指数の低下のために、他の手段を相応して用いるべきである。例えば、シラン化度を全体的に低下させることができる、即ち、後記の式(IIa)の(ビス‐シリル)アミンでのポリイソシアネート成分(B)の変性化では、全体的にシランと反応するイソシアネート基の割合を相応に低く選択することができる。更に、シラン化度が上昇し(要するに、化合物(IIa)及び(IIIa)と反応するイソシアネート基の全割合が上昇する)かつ二官能性シラン(IIa)の割合が上昇すると共に、触媒の後架橋結合指数への影響がより大きくなり、従って、この場合には、燐含有の触媒及び殊にアミン遮断化の燐酸‐ベースの触媒を使用することが有利である。
【0044】
最後に、構造単位(I)又は(II)又は(III)の導入に使用される有機官能性シランの非官能性置換基も、加水分解可能なシラン基の反応性に影響し得る。これは、例えば、アミン官能性シランの反応性を減少させ得る、アミン官能基の容量の大きい嵩張った置換基の例で説明される。この背景から、構造単位(III)の導入のために、N‐(n‐ブチル)‐3‐アミノプロピルトリメトキシシランが、N‐シクロヘキシル‐3‐アミノプロピルトリメトキシシランよりも有利である。
【0045】
シランの反応性を高める基は、シランの反応性を減少させる基に比べて、極めて一般的に有利である。
【0046】
式(I)の構造単位は、様々な方法で、被覆剤の成分中に導入され得る。しかし、異なった方法では、変性すべき成分の官能基とシランの相補的官能基との反応を介して、構造単位の導入が行われることが共通である。従って、次に、例えば、ヒドロキシル基及び場合により更に他の反応基を有する化合物(A)中への、及び/又はイソシアネート基を有する化合物(B)中への構造単位(I)の導入のための様々な可能性を挙げる。
【0047】
殊に、ミカエル(Michael)‐付加の範囲で、例えば、一級アミノシラン、例えば、3‐アミノプロピルトリエトキシシラン(例えば、ワッカーヒェミー社(Fa. Wacker Chemie)の商標ゲニオシル(Geniosil)(登録商標)GF 93で得られる)、3‐アミノプロピルトリメトキシシラン(例えば、ワッカーヒェミー社の商標ゲニオシル(登録商標)GF 96で得られる)、N‐(2‐アミノエチル)‐3‐アミノプロピルトリメトキシシラン((例えば、ワッカーヒェミー社の商標ゲニオシル(登録商標)GF 9及びゲニオシル(登録商標)GF 91で得られる)、N‐(2‐アミノエチル)‐3‐アミノプロピルメチルジメトキシシラン(例えば、ワッカーヒェミー社の商標ゲニオシル(登録商標)GF 95で得られる)等が使用される。
【0048】
殊に、イソシアネート官能性化合物の付加の範囲で、例えば、二級アミノシラン、例えば、ビス‐(2‐トリメトキシシリルエチル)アミン、ビス‐(2‐トリエトキシシリルエチル)アミン、ビス(3‐トリエトキシシリルプロピル)アミン(デグッサ社(Firma Degussa)で商標ダイナシラン(Dynasylan)(登録商標)1122で得られる)、ビス(3‐トリメトキシシリルプロピル)アミン(デグッサ社で商標ダイナシラン(登録商標)1124で得られる)、ビス‐(4‐トリエトキシシリルブチル)アミン、N‐(n‐ブチル)‐3‐アミノプロピルトリメトキシシラン(デグッサ社で商標ダイナシラン(登録商標)1189で得られる)、N‐(n‐ブチル)‐3‐アミノプロピルトリエトキシシラン、N‐シクロヘキシル‐3‐アミノプロピルトリメトキシシラン(例えば、ワッカーヒェミー社の商標ゲニオシル(登録商標)GF 92で得られる)、N‐シクロヘキシル‐3‐アミノプロピルトリエトキシシラン、N‐シクロヘキシルアミノメチルメチルジエトキシシラン(例えば、ワッカーヒェミー社の商標ゲニオシル(登録商標)XL 924で得られる)、N‐シクロヘキシルアミノメチルトリエトキシシラン(例えば、ワッカーヒェミー社の商標ゲニオシル(登録商標)XL 926で得られる)、N‐フェニルアミノメチルトリメトキシシラン(例えば、ワッカーヒェミー社の商標ゲニオシル(登録商標)XL 973で得られる)等が使用される。
【0049】
エポキシ官能性シランは、殊に、カルボン酸又は無水物官能性化合物の付加に使用され得る。好適なエポキシ官能性シランの例は、3‐グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(デグッサ社で商標ダイナシラン(登録商標)GLYMOで得られる)、3‐グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン(デグッサ社で商標ダイナシラン(登録商標)GLYEOで得られる)等が使用され得る。
【0050】
無水物官能性シランは、殊にエポキシ官能性化合物の付加に使用され得る。無水物官能性を有するシランの例は、3‐(トリエトキシシリル)プロピル無水琥珀酸(ワッカーヒェミー社の商標ゲニオシル(登録商標)GF 20で得られる)が挙げられる。
【0051】
この種類のシランは、ミカエル反応の範囲で、又は金属触媒反応の範囲でも使用され得る。例えば、3‐メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(例えば、デグッサ社で商標ダイナシラン(登録商標)MEMO又はワッカーヒェミー社で商標ゲニオシル(登録商標)GF 31で得られる)、3‐メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン(特に、ワッカーヒェミー社で商標ゲニオシル(登録商標)XL 10で得られる)、ビニルジメトキシメチルシラン(特に、ワッカーヒェミー社で商標ゲニオシル(登録商標)XL 12で得られる)、ビニルトリエトキシシラン(特に、ワッカーヒェミー社で商標ゲニオシル(登録商標)GF 56で得られる)、(メタクリルオキシメチル)メチルジメトキシシラン(特に、ワッカーヒェミー社で商標ゲニオシル(登録商標)XL 32で得られる)、メタクリルオキシメチルトリメトキシシラン(特に、ワッカーヒェミー社で商標ゲニオシル(登録商標)XL 33で得られる)、(メタクリルオキシメチル)メチルジエトキシシラン(特に、ワッカーヒェミー社で商標ゲニオシル(登録商標)XL 34で得られる)、メタクリルオキシメチルトリエトキシシラン(特に、ワッカーヒェミー社で商標ゲニオシル(登録商標)XL 36で得られる)が挙げられる。
【0052】
イソシアナト官能基又はカルバメート官能基を有するシランは、殊に、ヒドロキシ‐官能性化合物との反応の範囲で使用される。イソシアナト官能基を有するシランの例は、例えば、WO07/03857に記載されている。
【0053】
好適なイソシアナトアルキルトリアルコキシシランは、例えば、イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、イソシアナトプロピルトリイソプロポキシシラン、イソシアナトプロピルメチルジイソプロポキシシラン、イソシアナトネオヘキシルトリメトキシシラン、イソシアナトネオヘキシルジメトキシシラン、イソシアナトネオヘキシルジエトキシシラン、イソシアナトネオヘキシルトリエトキシシラン、イソシアナトネオヘキシルトリイソプロポキシシラン、イソシアナトネオヘキシルジイソプロポキシシラン、イソシアナトイソアミルトリメトキシシラン、イソシアナトイソアミルメチルジメトキシシラン、イソシアナトイソアミルメチルジエトキシシラン、イソシアナトイソアミルトリエトキシシラン、イソシアナトイソアミルトリイソプロポキシシラン及びイソシアナトイソアミルメチルジイソプロポキシシランである。多くのイソシアナトアルキルトリ‐及び‐ジ‐アルコキシシランは、市販で、例えば、ヴィッツココーポレイション(Witco Corporation)の企画で、オシスペシャルティーズ社(Firma OSi Specialties, Inc.)の商品名シルクエスト(SILQUEST)(登録商標)で得られる。
【0054】
使用されるイソシアナトプロピルアルコキシシランは、有利に、殊に少なくとも95%の高純度を有し、かつ不所望な副反応を引き起こし得る付加物、例えば、エステル交換触媒を有しないことが有利である。
【0055】
殊に、(イソシアナトメチル)メチルジメトキシシラン(ワッカーヒェミー社で商標ゲニオシル(登録商標)XL 42で得られる)、3‐イソシアナトプロピルトリメトキシシラン(ワッカーヒェミー社で商標ゲニオシル(登録商標)XL 40で得られる)及びN‐ジメトキシ(メチル)シリルメチル‐O‐メチル‐カルバメート(ワッカーヒェミー社で商標ゲニオシル(登録商標)XL 65で得られる)が使用される。
【0056】
本発明により、少なくとも1種のヒドロキシル基含有化合物(A)及び少なくとも1種のイソシアネート基含有化合物(B)を含有する被覆剤が特に有利であり、これは、被覆剤の1種以上の成分が、付加的な官能性成分として、構造単位(II)及び(III)の総計に対して、少なくとも1種の式(II):
‐N(X‐SiR"x(OR’)3‐x)n(X’‐SiR"y(OR’)3‐y)m
(II)
[式中、
R’=水素、アルキル又はシクロアルキルであり、この際、炭素鎖は非隣接の酸素基、硫黄基又はNRa基で遮断されていてよく、ここで、Ra=アルキル、シクロアルキル、アリール又はアルアルキルであり、有利にR’=エチル及び/又はメチルであり、
X、X’=1〜20個の炭素原子を有する直鎖及び/又は分枝鎖のアルキレン又はシクロアルキレン基であり、有利にX、X’=1〜4個の炭素原子を有するアルキレン基であり、
R"=アルキル、シクロアルキル、アリール又はアルアルキルであり、この際、炭素鎖は非隣接の酸素基、硫黄基又はNRa基で遮断されていてよく、ここで、Ra=アルキル、シクロアルキル、アリール又はアルアルキルであり、有利にR"=殊に1〜6個のC原子を有するアルキル基であり、
n=0〜2であり、m=0〜2であり、m+n=2であり、かつx、y=0〜2である]の構造単位2.5〜97.5モル%
及び
構造単位(II)及び(III)の総計に対して、少なくとも1種の式(III):
‐Z‐(X‐SiR"x(OR’)3‐x) (III)
[式中、
Z=‐NH‐、‐NR‐、‐O‐であり、ここで、
R=アルキル、シクロアルキル、アリール又はアルアルキルであり、この際、炭素鎖は非隣接の酸素基、硫黄基又はNRa基で遮断されていてよく、ここで、Ra=アルキル、シクロアルキル、アリール又はアルアルキルであり、
x=0〜2であり、
X、R’、R"は、式(II)で挙げた意味を有する]の構造単位2.5〜97.5モル%を有することを特徴とする。
【0057】
被覆剤の1種以上の成分が、各々構造単位(II)及び(III)の総計に対して、少なくとも1種の式(II)の構造単位5〜95モル%、殊に10〜90モル%、特に有利に20〜80モル%及び極めて特に有利に30〜70モル%、及び各々構造単位(II)及び(III)の総計に対して、少なくとも1種の式(III)の構造単位5〜95モル%、殊に10〜90モル%、特に有利に20〜80モル%及び極めて特に有利に30〜70モル%を有する被覆剤が極めて特に有利である。
【0058】
ヒドロキシル基含有化合物(A)
ヒドロキシル基含有化合物(A)として、有利に、低分子ポリオールもオリゴ‐及び/又はポリマーのポリオールも使用される。
【0059】
低分子ポリオールとして、例えば、ジオール、例えば、有利にエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2‐プロパンジオール、2,2‐ジメチル‐1,3‐プロパンジオール、1,4‐ブタンジオール、1,3‐ブタンジオール、1,5‐ペンタンジオール、2,2,4‐トリメチル‐1,3‐ペンタンジオール、1,6‐ヘキサンジオール、1,4‐シクロヘキサンジメタノール及び1,2‐シクロヘキサンジメタノール、及びポリオール、例えば、有利にトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールヘキサン、1,2,4‐ブタントリオール、ペンタエリスリトール及びジペンタエリスリトールが使用される。
【0060】
そのような低分子ポリオールは、有利に、オリゴ‐及び/又はポリマーのポリオール成分(A)の下位割合で混合される。
【0061】
有利なオリゴ‐及び/又はポリマーのポリオール(A)は、GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)により測定した質量平均分子量Mw>500ダルトン、有利に800〜100000ダルトン、殊に1000〜50000ダルトンを有する。ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオール、ポリシロキサンポリオール及び殊にポリアクリレートポリオール及び/又はポリメタクリレートポリオール及び次からポリアクリレートポリオールと称されるその混合重合体が特に有利である。ポリオールは、有利に、KOH30〜400mg/g、殊にKOH100〜300/gのOH価を有する。DSC(示差熱分析(Differential Thermoanalyse))により測定されるポリオールのガラス転移温度は、有利に−150〜100℃、特に有利に−120℃〜80℃である。
【0062】
好適なポリエステルポリオールは、例えば、EP‐A‐0994117及びEP‐A‐1273640に記載されている。ポリウレタンポリオールは、有利にポリエステルポリオール‐プレポリマーと好適なジ‐又はポリイソシアネートとの反応によって製造され、例えば、EP‐A‐1273640に記載されている。好適なポリシロキサンポリオールは、例えば、WO‐A‐01/09260に記載されていて、この際、そこに挙げられたポリシロキサンポリオールは、有利に他のポリオール、殊により高いガラス転移温度を有するポリオールと組み合わせて使用され得る。
【0063】
本発明により極めて特に有利なポリアクリレートポリオールは、通例、共重合体であり、ポリスチレン標準に対するゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により各々測定される、有利に質量平均分子量Mw1000〜20000ダルトン、殊に1500〜10000ダルトンを有する。共重合体のガラス転移温度は、通例−100〜100℃、殊に−50〜80℃(DSC‐測定により測定される)である。ポリアクリレートポリオールは、有利にKOH60〜250mg/g、殊にKOH70〜200/gのOH価及びKOH0〜30mg/gの酸価を有する。
【0064】
ヒドロキシル価(OH価)は、何mgの水酸化カリウムが、アセチル化の際に物質1gによって結合される酢酸‐量に等しいかを示す。試料を無水酢酸‐ピリジンでの測定の際に煮沸し、生じる酸を水酸化カリウム溶液で滴定する(DIN 53240-2)。この際、酸価は、成分(b)の各化合物1gの中和に消費される水酸化カリウムmg数を示す(DIN EN ISO 2114)。
【0065】
後架橋結合指数は、ヒドロキシル基含有結合剤の選択によっても影響され得る。つまり、一般に、成分(A)のOH価が上昇すると共に、シラン化度、即ち、式(I)又は(II)又は(III)の構造単位の量を減少させることができ、このことは再び後架橋結合指数をより低下させることになる。
【0066】
ヒドロキシル基含有のモノマー構成要素として、有利にヒドロキシアルキルアクリレート及び/又はヒドロキシアルキルメタクリレート、例えば、殊に2‐ヒドロキシエチルアクリレート、2‐ヒドロキシエチルメタクリレート、2‐ヒドロキシプロピルアクリレート、2‐ヒドロキシプロピルメタクリレート、3‐ヒドロキシプロピルアクリレート、3‐ヒドロキシプロピルメタクリレート、3‐ヒドロキシブチルアクリレート、3‐ヒドロキシブチルメタクリレート及び殊に4‐ヒドロキシブチルアクリレート及び/又は4‐ヒドロキシブチルメタクリレートが使用される。
【0067】
ポリアクリレートポリオールのための更なるモノマー構成要素として、有利にアルキルメタクリレート及び/又はアルキルメタクリレート、例えば、有利にエチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、t‐ブチルアクリレート、t‐ブチルメタクリレート、アミルアクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、エチルヘキシルアクリレート、エチルヘキシルメタクリレート、3,3,5‐トリメチルヘキシルアクリレート、3,3,5‐トリメチルヘキシルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルアクリレート又はラウリルメタクリレート、シクロアルキルアクリレート及び/又はシクロアルキルメタクリレート、例えば、シクロペンチルアクリレート、シクロペンチルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート又は殊にシクロヘキシルアクリレート及び/又はシクロヘキシルメタクリレートが使用される。
【0068】
ポリアクリレートポリオールのための更なるモノマー構成要素として、ビニル芳香族炭化水素、例えば、ビニルトルオール、アルファ‐メチルスチレン又は殊にスチレン、アクリル酸又はメタクリル酸のアミド又はニトリル、ビニルエステル又はビニルエーテル、及び下位量で、殊にアクリル酸及び/又はメタクリル酸を使用することができる。
【0069】
本発明のもう1つの実施態様で、ヒドロキシル基含有化合物(A)は、ヒドロキシル基のほかに、式(I)及び/又は式(II)及び/又は式(III)の構造単位を有する。
【0070】
式(II)の構造単位は、化合物(A)に、そのような構造単位を有するモノマー単位を組み込ませることによって、又は他の官能基を有するポリオールと、式(IIa):
HN(X‐SiR"x(OR’)3‐x)n(X’‐SiR"y(OR’)3‐y)m
(IIa)
[式中、置換基は前記の意味を有する]の化合物との反応によって導入され得る。これは、ポリオールと化合物(IIa)との反応のために、化合物(IIa)の二級アミノ基と反応する、他の官能基、例えば、殊に酸基又はエポキシ基を相応に有する。本発明により有利な化合物(IIa)は、ビス(2‐エチルトリメトキシシリル)アミン、ビス(3‐プロピルトリメトキシシリル)アミン、ビス(4‐ブチルトリメトキシシリル)アミン、ビス(2‐エチルトリエトキシシリル)アミン、ビス(3‐プロピルトリエトキシシリル)アミン及び/又はビス(4‐ブチルトリエトキシシリル)アミンである。ビス(3‐プロピルトリメトキシシリル)アミンが極めて特に有利である。そのようなアミノシランは、例えば、デグッサ社の商標ダイナシラン(DYNASILAN)(登録商標)又はオシ社のシルクエスト(登録商標)で得られる。
【0071】
構造要素(II)を有するモノマー構成要素は、有利にアクリル酸及び/又はメタクリル酸又はエポキシ基含有のアルキルアクリレート及び/又は‐メタクリレートと前記化合物(IIa)との反応生成物である。
【0072】
式(III)の構造単位は、化合物(A)に、そのような構造単位を有するモノマー単位を組み込ませることによって又は他の官能基を有するポリオールと式(IIIa):
H‐Z‐(X‐SiR"x(OR’)3‐x) (IIIa)
[式中、置換基は前記の意味を有する]の化合物との反応によって導入され得る。これは、ポリオールと化合物(IIIa)との反応のために、化合物(IIIa)の官能基‐ZHと反応する、他の官能基、例えば、殊に酸基、エポキシ基又はエステル基を相応に有する。本発明により有利な化合物(IIIa)は、オメガ‐アミノアルキル‐又はオメガ‐ヒドロキシアルキル‐トリアルコキシシラン、例えば、有利に2‐アミノエチルトリメトキシシラン、2‐アミノエチルトリエトキシシラン、3‐アミノプロピルトリメトキシシラン、3‐アミノプロピルトリエトキシシラン、4‐アミノブチルトリメトキシシラン、4‐アミノブチルトリエトキシシラン、2‐ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2‐ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、3‐ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3‐ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、4‐ヒドロキシブチルトリメトキシシラン、4‐ヒドロキシブチルトリエトキシシランである。特に有利な化合物(IIIa)は、N‐(2‐(トリメトキシシリル)エチル)アルキルアミン、N‐(3‐(トリメトキシシリル)プロピル)アルキルアミン、N‐(4‐(トリメトキシシリル)ブチル)アルキルアミン、N‐(2‐(トリエトキシシリル)エチル)アルキルアミン、N‐(3‐(トリエトキシシリル)プロピル)アルキルアミン及び/又はN‐(4‐(トリエトキシシリル)ブチル)アルキルアミンである。N‐(3‐(トリメトキシシリル)プロピル)ブチルアミンが極めて特に有利である。そのようなアミノシランは、例えば、デグッサ社の商標ダイナシラン(登録商標)又はオシ社のシルクエスト(登録商標)で得られる。
【0073】
構造要素(III)を有するモノマー構成要素は、有利にアクリル酸及び/又はメタクリル酸又はエポキシ基含有のアルキルアクリレート及び/又は‐メタクリレートと、殊に前記のヒドロキシ官能性及び/又はアミノ官能性アルコキシシリル化合物(IIIa)との反応生成物であり、かつヒドロキシ官能性アルコキシシリル化合物の場合には、アルキルアクリレート及び/又は‐メタクリレートのエステル交換生成物である。
【0074】
イソシアネート基含有化合物(B)
本発明による被覆剤は、成分(B)として、遊離の、即ち非遮断の及び/又は遮断されたイソシアネート基を有する1種以上の化合物を含有する。本発明による被覆剤は、有利に、遊離イソシアネート基を有する化合物(B)を含有する。しかし、イソシアネート基含有化合物(B)の遊離イソシアネート基は、遮断された形で使用されることもできる。これは、本発明による被覆剤が単一成分系として使用される場合には有利である。
【0075】
本発明により有利に使用されるイソシアネート基含有化合物(B)の基体として用いられるジイソシアネート及び/又はポリイソシアネートは、有利に自体公知の置換された又は非置換の芳香族、脂肪族、環状脂肪族及び/又は複素環系のポリイソシアネートである。有利なポリイソシアネートの例は次のものである:2,4‐トルオールジイソシアネート、2,6‐トルオールジイソシアネート、ジフェニルメタン‐4,4’‐ジイソシアネート、ジフェニルメタン‐2,4’‐ジイソシアネート、p‐フェニレンジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、3,3’‐ジメチル‐4,4’‐ジフェニレンジイソシアネート、テトラメチレン‐1,4‐ジイソシアネート、ヘキサメチレン‐1,6‐ジイソシアネート、2,2,4‐トリメチルヘキサン‐1,6‐ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、1,12‐ドデカンジイソシアネート、シクロブタン‐1,3‐ジイソシアネート、シクロヘキサン‐1,3‐ジイソシアネート、シクロヘキサン‐1,4‐ジイソシアネート、メチルシクロヘキシルジイソシアネート、ヘキサヒドロトルオール‐2,4‐ジイソシアネート、ヘキサヒドロトルオール‐2,6‐ジイソシアネート、ヘキサヒドロフェニレン‐1,3‐ジイソシアネート、ヘキサヒドロフェニレン‐1,4‐ジイソシアネート、ペルヒドロジフェニルメタン‐2,4’‐ジイソシアネート、4,4’‐メチレン‐ジシクロヘキシルジイソシアネート(例えば、バイエル社(Fa. Bayer AG)のデスモデュール(Desmodur)(登録商標)W)、テトラメチルキシリルジイソシアネート(例えば、アメリカンシアナミド社(Fa. American Cyanamid)のTMXDI(登録商標))及び前記のポリイソシアネートの混合物。更に有利なポリイソシアネートは、前記のジイソシアネートのビゥレット‐ダイマー及びイソシアヌレート‐トライマーである。
【0076】
特に有利なポリイソシアネートPIは、ヘキサメチレン‐1、6‐ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及び4,4’‐メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート、そのビゥレット‐ダイマー及び/又はイソシアヌレート‐トライマーである。
【0077】
本発明のもう1つの実施態様で、ポリイソシアネートは、ポリオールと、化学量論的過剰量の前記のポリイソシアネートとの反応によって得られる、ウレタン構造単位を有するポリイソシアネート‐プレポリマーである。そのようなポリイソシアネート‐プレポリマーは、例えば、US‐A‐4598131に記載されている。
【0078】
本発明により極めて特に有利な、構造単位(II)及び(III)で官能化されたイソシアネート基含有化合物(B)は、有利に、前記のジ‐及び/又はポリイソシアネートと、前記の化合物(IIa)及び(IIIa)との反応により、ポリイソシアネート基体中のイソシアネート基2.5〜90モル%、有利に5〜85モル%、特に有利に7.5〜80モル%を、少なくとも1種の化合物(IIa)と反応させ、かつポリイソシアネート基体中のイソシアネート基2.5〜90モル%、有利に5〜85モル%、特に有利に7.5〜80モル%を少なくとも1種の化合物(IIIa)と反応させることによって製造される。
【0079】
ポリイソシアネート化合物(B)中の、化合物(IIa)及び/又は(IIIa)と反応されるイソシアネート基の全割合は、ポリイソシアネート基体中のイソシアネート基の5〜95モル%、有利に10〜90モル%、特に有利に15〜85モル%である。殊に、高シラン化度では、即ち、イソシアネート基の高割合、殊に少なくとも50モル%が化合物(IIa)/(IIIa)と反応している場合には、イソシアネート基は、有利に化合物(IIa)及び(IIIa)の混合物と反応される。
【0080】
特に有利な化合物(IIa)は、ビス(2‐エチルトリメトキシシリル)アミン、ビス(3‐プロピルトリメトキシシリル)アミン、ビス(4‐ブチルトリメトキシシリル)アミン、ビス(2‐エチルトリエトキシシリル)アミン、ビス(3‐プロピルトリエトキシシリル)アミン及び/又はビス(4‐ブチルトリエトキシシリル)アミンである。ビス(3‐プロピルトリメトキシシリル)アミンが極めて特に有利である。そのようなアミノシランは、例えば、デグッサ社の商標ダイナシラン(登録商標)又はオシ社のシルクエスト(登録商標)で得られる。
【0081】
有利な化合物(IIIa)は、2‐アミノエチルトリメトキシシラン、2‐アミノエチルトリエトキシシラン、3‐アミノプロピルトリメトキシシラン、3‐アミノプロピルトリエトキシシラン、4‐アミノブチルトリメトキシシラン、4‐アミノブチルトリエトキシシラン、2‐ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2‐ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、3‐ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3‐ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、4‐ヒドロキシブチルトリメトキシシラン、4‐ヒドロキシブチルトリエトキシシランである。
【0082】
特に有利な化合物(IIIa)は、N‐(2‐(トリメトキシシリル)エチル)アルキルアミン、N‐(3‐(トリメトキシシリル)プロピル)アルキルアミン、N‐(4‐(トリメトキシシリル)ブチル)アルキルアミン、N‐(2‐(トリエトキシシリル)エチル)アルキルアミン、N‐(3‐(トリエトキシシリル)プロピル)アルキルアミン及び/又はN‐(4‐(トリエトキシシリル)ブチル)アルキルアミンである。N‐(3‐(トリメトキシシリル)プロピル)ブチルアミンが極めて特に有利である。そのようなアミノシランは、例えば、デグッサ社の商標ダイナシラン(登録商標)又はオシ社のシルクエスト(登録商標)で得られる。
【0083】
極めて特に有利なイソシアネート基含有化合物(B)は、ヘキサメチレン‐1,6‐ジイソシアネート及び/又はイソホロンジイソシアネート、及び/又はそのイソシアヌレート‐トライマーと、ビス(3‐プロピルトリメトキシシリル)アミン及びN‐(3‐(トリメトキシシリル)プロピル)ブチルアミンとの反応生成物である。イソシアネート基含有化合物(B)と化合物(IIa)及び(IIIa)との反応は、有利に不活性ガス雰囲気中で最高100℃、有利に最高60℃の温度で行われる。
【0084】
イソシアネート基含有化合物Bの遊離イソシアネート基は、遮断された形で使用されてもよい。これは、本発明による被覆剤が単一成分系として使用される場合に有利である。遮断のために、原則的に、ポリイソシアネートの遮断に使用される十分に低い脱遮断温度を有する各遮断剤が使用され得る。この種類の遮断剤は当業者に周知されている。例えば、EP‐A‐0626888及びEP‐A‐0692007に記載されている遮断剤が有利に使用される。
【0085】
被覆剤の成分A及びB及び他の成分の組合せ
イソシアネート基含有化合物Bの質量割合に対する、使用すべきヒドロキシル基含有化合物Aの質量割合は、ポリオールのヒドロキシ当量及びポリイソシアネートBの遊離イソシアネート基の当量に依存する。
【0086】
本発明による被覆剤において、1種以上の成分は、構造単位(II)及び(III)の合計に対して、少なくとも1種の構造単位(II)2.5〜97.5モル%、及び構造単位(II)及び(III)の合計に対して、少なくとも1種の構造単位(III)2.5〜97.5モル%を含有することが有利である。
【0087】
本発明による被覆剤は、被覆剤中の非揮発性物質の含量に対して、有利にヒドロキシル基含有化合物(A)2.5〜97.5質量%、特に有利に5〜95質量%、極めて特に有利に10〜90質量%、殊に20〜80質量%、及び被覆剤中の非揮発性物質の含量に対して、有利にイソシアネート基含有化合物(B)2.5〜97.5質量%、特に有利に5〜95質量%、極めて特に有利に10〜90質量%、殊に20〜80質量%を含有する。
【0088】
ヒドロキシル基及びイソシアネート基の割合及び構造要素(I)及び/又は(II)及び/又は(III)の割合から生じる、本発明による被覆剤における架橋結合にとって決定的な官能基の合計に対して、構造要素(I)及び/又は(II)及び/又は(III)は、有利に2.5〜97.5モル%、特に有利に5〜95モル%及び極めて特に有利に10〜90モル%の割合で存在する。
【0089】
更に、本発明による被覆物の、熱的最終硬化直後の高い引掻耐性と組み合わせた、CAM180‐試験(DIN EN ISO 11341 Feb 98及びDIN EN ISO 4892-2 Nov 00)でのUV線及び湿潤‐乾燥交代での亀裂形成に対する更に改善された極めて良好な安定性、高い光沢及び暴候後の高い光沢持続を保証するために、本発明による被覆剤が、最終硬化状態で、PCIの説明で前記した方法により200℃で測定された、4*10Paよりも少ない、殊に3*10Pa以下の貯蔵弾性率E’(200℃)を有するように、構造単位(I)及び/又は(II)及び/又は(III)の含量を最高に高く選択することが有利である。
【0090】
更に、本発明による被覆剤が、各々被覆剤の固体含量に対して、構造単位(I)及び/又は(II)及び/又は(III)のSi6.5質量%よりも少なく、極めて特に有利に最高で、構造単位(I)及び/又は(II)及び/又は(III)のSi6.0質量%を含有するように、構造単位(I)及び/又は(II)及び/又は(III)の含量を最高に高く選択することが有利である。この際、シラン含量(Si質量%で)は、構造単位(I)を有する化合物又は化合物(IIa)又は(IIIa)の使用量から算出される。
【0091】
本発明のもう1つの実施態様で、構造要素(I)、(II)及び/又は(III)は、付加的に、成分(A)及び(B)とは異なる、1種以上の更なる成分(C)の成分であってもよく、この際、前記の基準が適用される。例えば、成分(C)として、アルコキシシリル‐基を有する低重合体又は重合体、例えば、特許(出願)US‐A‐4499150、US‐A‐4499151又はEP‐A‐0571073に挙げられたポリ(メタ)アクリレートを、構造要素(III)の担体として、又はWO‐A‐2006/042585に挙げられた化合物を、構造要素(II)の担体として使用することができる。通例、そのような成分(C)は、被覆剤の非揮発性成分に対して、40質量%まで、有利に30質量%まで、特に有利に25質量%までの割合で使用される。
【0092】
ポリオールA及びポリイソシアネートBの質量割合は、有利に、イソシアネート含有化合物(B)の未反応イソシアネート基対ヒドロキシル基含有化合物(A)のヒドロキシル基のモル当量比が、0.9:1〜1:1.1、有利に0.95:1〜1.05:1、特に有利に0.98:1〜1.02:1であるように選択される。
【0093】
単一成分の被覆剤が重要である場合には、その遊離イソシアネート基が前記の遮断剤で遮断されているイソシアネート基含有化合物(B)が選択される。
【0094】
本発明により有利な2‐成分(2K)被覆剤の場合には、被覆剤の塗布直前に、ヒドロキシル基含有化合物(A)及び更なる後記成分を含有するラッカー成分を、イソシアネート基含有化合物(B)及び場合により更なる後記の成分を含有するラッカー成分と自体公知の方法で混合させ、この際、通例、化合物(A)を含有するラッカー成分が触媒及び溶剤の一部を含有する。
【0095】
本発明による被覆剤用の溶剤として、殊に、被覆剤中で化合物(A)及び(B)に対して化学的に不活性であり、かつ被覆剤の硬化の際も(A)及び(B)と反応しない溶剤が好適である。そのような溶剤の例は、脂肪族及び/又は芳香族炭化水素、例えば、トルオール、キシロール、ソルベントナフサ、ソルベッソ(Solvesso)100又はヒドロソル(Hydrosol)(登録商標)(Fa. ARAL)、ケトン、例えば、アセトン、メチルエチルケトン又はメチルアミルケトン、エステル、例えば、エチルアセテート、ブチルアセテート、ペンチルアセテート又はエチルエトキシプロピオネート、エーテル又は前記の溶剤を含む混合物である。中性溶剤又は溶剤混合物は、溶剤に対して、有利に最高1質量%、特に有利に最高0.5質量%の水含量を有する。
【0096】
化合物(A)、(B)及び(C)の他に更に、有利に化合物(A)のヒドロキシル基及び/又は化合物(B)の遊離イソシアネート基及び/又は化合物(A)、(B)及び/又は(C)のアルコキシシリル基と反応し、かつ網状構造点を形成し得る、更なる結合剤(E)を使用することができる。
【0097】
成分(E)として、例えば、アミノプラスト樹脂及び/又はエポキシ樹脂が使用可能である。そのメチロール基及び/又はメトキシメチル基が部分的にカルバメート基又はアロファネート基によって脱官能化されていてよい慣例的な公知のアミノプラスト樹脂が考慮される。この種類の架橋結合剤は、特許明細書US‐A‐4710542及びEP‐B‐0245700に、及びB. Singh共同研究者による論文"Carbamylmethylated Melamines, Novel Crosslinkers for the Coatings Industry"、Advanced Organic Coatings Science and Technology Series, 1991, 13巻, 193〜207頁に記載されている。
【0098】
そのような成分(E)は、被覆剤の非揮発性成分に対して、通例40質量%まで、有利に30質量%まで、特に有利に25質量%までの割合で使用される。
【0099】
更に、本発明による被覆剤は、少なくとも1種の慣例的な公知のラッカー添加剤を有効量で、即ち、被覆剤の非揮発性成分に対して、有利に30質量%まで、特に有利に25質量%まで及び殊に20質量%までの量で含有することができる。
【0100】
好適なラッカー添加剤の例は、次のものである:
殊にUV‐吸収剤;殊に遮光剤、例えば、HALS‐化合物、ベンズトリアゾール又はオキサルアニリド;ラジカル受容体;滑剤;重合抑制剤;消泡剤;反応性希釈剤、例えば、‐Si(OR)3‐基に対して有利に不活性である、公知技術水準から一般に公知であるもの;湿潤剤、例えば、シロキサン、弗素含有化合物、カルボン酸半エステル、燐酸エステル、ポリアクリル酸及びそのコポリマー又はポリウレタン;粘着助剤、例えば、トリシクロデカンジメタノール;流展剤;被膜形成助剤、例えば、セルロース‐誘導体;充填剤、例えば、二酸化珪素、酸化アルミニウム又は酸化ジルコニウムをベースとするナノ粒子;補足的に、更にレンプレキシコン(Roempp Lexikon)》ラッカー及び印刷インク(Lacke und Druckfarben)《Georg Thieme Verlag, Stuttgart, 1998, 250〜252頁に示されている;流動学的調整剤、例えば、特許明細書WO94/22968、EP‐A‐0276501、EP‐A‐0249201又はWO97/12945から公知である添加剤;架橋結合ポリマーミクロ粒子、例えば、EP‐A‐0008127に公開されているもの;無機層状シリケート、例えば、モンモリロナイト‐型のアルミニウム‐マグネシウム‐シリケート、ナトリウム‐マグネシウム‐及びナトリウム‐マグネシウム‐弗素‐リチウム‐層状シリケート;珪酸、例えば、エーロジル;又はイオン性及び/又は会合作用性の基を有する合成ポリマー、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリビニルピロリドン、スチレン‐無水マレイン酸‐又はエチレン‐無水マレイン酸‐コポリマー及びその誘導体又は疎水性に変性されたエトキシル化ウレタン又はポリアクリレート;及び/又は防炎剤。
【0101】
本発明のもう1つの実施態様で、本発明による被覆剤は、なお更なる顔料及び/又は充填剤を含有し、着色トップコートの製造に用いられ得る。それに使用される顔料及び/又は充填剤は当業者に公知である。
【0102】
本発明による被覆剤から製造される本発明による被覆物は、既に硬化された電気浸漬ラッカー被膜、充填剤ラッカー被膜、ベースラッカー被膜又は慣例的な公知のクリアラッカー被膜上に卓越的に接着するので、自動車連続(OEM)ラッカー塗布での使用のほかに、既にラッカー塗布された自動車体の自動補修ラッカー塗布又はモジュール式の引掻耐性仕上げに傑出して好適である。
【0103】
本発明による被覆剤の塗布は、全ての慣例的な塗布法で、例えば、射出、ドクターナイフ塗布、はけ塗り、注ぎ込み、浸漬、含浸、滴下又はローラー掛けによって行われ得る。この際、被覆すべき支持体は、そのものとして静置していてよく、この際、塗布機器又は‐装置を動かす。しかし被覆すべき支持体、殊にコイルを動かすこともでき、この際、塗布装置を支持体に相対的に静置させるか、又は好適な方法で動かす。
【0104】
射出塗布法、例えば、圧縮空気射出、エアレス‐射出、高速回転、静電噴霧塗布(ESTA)を、場合により熱射出塗布、例えば、ホット‐エア‐熱射出と接続させて有利に使用する。
【0105】
塗布された本発明による被覆剤の硬化は、一定の静置時間後に行われ得る。静置時間は、例えば、ラッカー層の流展のため及び脱ガスのため又は揮発成分、例えば、溶剤の蒸発のために用いられる。この際、ラッカー層の損傷又は変化、例えば、早期の完全な架橋結合化が生じない限り、高められた温度の適用によって及び/又は空気湿度の減少によって、静置時間を補助し及び/又は短縮することができる。
【0106】
被覆剤の熱硬化は、方法的な特殊性を有しないが、慣例的な公知方法、例えば、循環空気炉中での加熱又はIR‐ランプでの照射によって行われる。この際、熱硬化は段階的に行うこともできる。もう1つの有利な硬化法は、近赤外線(NIR線)での硬化である。
【0107】
熱硬化は、有利に30〜200℃、特に有利に40〜190℃及び殊に50〜180℃の温度で、1分間〜10時間、特に有利に2分間〜5時間及び殊に3分間〜3時間の時間で行われ、この際、有利に30〜90℃である自動車補修ラッカー塗布に適用される温度では、より長い硬化時間も適用され得る。
【0108】
本発明による被覆剤から、高い引掻耐性及び殊に化学薬品耐性及び耐候性である、新規の硬化被覆物、殊にラッカー被膜、特にクリアラッカー被膜、成形部材、特に光学的成形部材、及び自立シートが得られる。殊に、本発明による被覆物及びラッカー被膜、特にクリアラッカー被膜は、引張亀裂が生じることなく、層厚>40μmでも製造される。
【0109】
従って、本発明による被覆剤は、移動手段(殊に、自動車両、例えば、オートバイ、バス、LKW又はPKW)の車体又はその部材の;内部‐及び外部範囲での建築物の;家具、窓及び扉の;プラスチック成形部材、殊にCDs及び窓の;工業的小部材、コイル、容器及び包装部材の;白い品物の;シートの;光学的、電気技術的及び機械的構造部材の及びガラス中空体及び日常必定品の装飾的、保護的及び/又は効果的な高引掻耐性の被覆物及びラッカー被膜として卓越的に好適である。
【0110】
本発明による被覆剤及びラッカー被膜、殊にクリアラッカー被膜は、殊に、工業技術的及び美学的に特に要求の多い、自動車連続ラッカー塗布(OEM)及び自動車補修ラッカー塗布の範囲で使用される。本発明による被覆剤は、特に有利に、多段階の被覆法で、殊に場合により予備被覆された支持体上に、先ず着色ベースラッカー層を、かつ次いで本発明による被覆剤を有する層を塗布する方法で使用される。
【0111】
水で希釈可能なベースラッカーも有機溶剤をベースとするベースラッカーも使用することができる。好適なベースラッカーは、例えば、EP‐A‐0692007及びそこで3欄、50行以降に挙げられた文書に記載されている。塗布されたベースラッカーを、先ず乾燥させ、即ち、ベースラッカー被膜から、蒸発相で、有機溶剤又は水の少なくとも一部を除去させることが有利である。乾燥は、有利に室温〜80℃の温度で行われる。乾燥後に、本発明による被覆剤を塗布する。引き続き、二層ラッカー被膜を、有利に自動車連続ラッカー被膜に適用される条件下に、30〜200℃、特に有利に40〜190℃及び殊に50〜180℃の温度で、1分間〜10時間、特に有利に2分間〜5時間及び殊に3分間〜3時間の間で焼付け、この際、自動車補修ラッカー被膜に適用される、有利に30〜90℃である温度では、より長い硬化時間を適用することもできる。
【0112】
本発明による被覆剤で生じた層は、特に、特に高い化学薬品耐性及び耐候性及び極めて良好な洗浄ライン耐性及び引掻耐性、殊に、引掻耐性及び湿潤‐乾燥周期でのUV線に対する耐候性の卓越した組み合わせを特徴とする。
【0113】
本発明のもう1つの有利な実施態様で、本発明による被覆剤は、プラスチック支持体、殊に透明なプラスチック支持体の被覆のための透明なクリアラッカーとして使用される。この場合には、被覆剤は、プラスチック支持体の有効なUV‐保護にも、量及び種類で説明されているUV‐吸収剤を含有する。ここでも、被覆剤は、引掻耐性及び湿潤‐乾燥周期でのUV線に対する耐候性の卓越した組み合わせを特徴とする。このようにして被覆されたプラスチック支持体は、有利に自動車製造において、ガラス成分の代用に使用され、この際、プラスチック支持体は、有利にポリメチルメタクリレート又はポリカルボネートを含む。
【0114】

本発明による成分Bの製造
製造例B1 部分シラン化ポリイソシアネートの製造(IIIa100モル%を有するHDI:変換度c=30モル%)
還流冷却器及び温度計を備えた三頸ガラスフラスコ中に、トライマー化ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)(バスフ社(Fa. BASF AG)のバソネート(Basonat)HI 100)57.3質量部及びソルベントナフサ88.0質量部を前もって装入させる。還流冷却、窒素被覆及び攪拌下に、N‐[3‐(トリメトキシシリル)プロピル]‐ブチルアミン(IIIa)(デグッサ社のダイナシラン(登録商標)1189)21.8質量部を、50〜60℃を越さないように添加する。供給の終了後に、滴定により調べられるイソシアネート‐質量割合が、理論的に計算される70モル%となるまで、反応温度を50〜60℃で保持する。
【0115】
部分シラン化ポリイソシアネートの溶液は、固体含量47.1質量%を有する。
【0116】
製造例B2 部分シラン化ポリイソシアネートの製造(IIIa70モル%及びIIa30モル%を有するHDI:変換度c=30モル%)
還流冷却器及び温度計を備えた三頸ガラスフラスコ中に、トライマー化ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)(バスフ社のバソネートHI 100)57.3質量部及びソルベントナフサ69.7質量部を前もって装入させる。還流冷却、窒素被覆及び攪拌下に、N‐[3‐(トリメトキシシリル)プロピル]‐ブチルアミン(IIIa)(デグッサ社のダイナシラン(登録商標)1189)14.8質量部及びビス‐[3‐(トリメトキシシリル)プロピル]‐アミン(デグッサ社のダイナシラン(登録商標)1124)9.2質量部を含む混合物を、50〜60℃を越さないように添加する。供給の終了後に、滴定により調べられるイソシアネート‐質量割合が、理論的に計算される70モル%となるまで、反応温度を50〜60℃で保持する。
【0117】
部分シラン化ポリイソシアネートの溶液は、固体含量53.9質量%を有する。
【0118】
製造例B3 部分シラン化ポリイソシアネートの製造(IIIa30モル%及びIIa70モル%を有するHDI:変換度c=30モル%)
還流冷却器及び温度計を備えた三頸ガラスフラスコ中に、トライマー化ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)(バスフ社のバソネートHI 100)57.3質量部及びソルベントナフサ69.7質量部を前もって装入させる。還流冷却、窒素被覆及び攪拌下に、N‐[3‐(トリメトキシシラン)プロピル]‐ブチルアミン(IIIa)(デグッサ社のダイナシラン(登録商標)1189)6.4質量部及びビス‐[3‐(トリメトキシシリル)プロピル]‐アミン(IIa)(デグッサ社のダイナシラン(登録商標)1124)21.5質量部を含む混合物を、50〜60℃を越さないように添加する。供給の終了後に、滴定により調べられるイソシアネート‐質量割合が、理論的に計算される70モル%となるまで、反応温度を50〜60℃で保持する。
【0119】
部分シラン化ポリイソシアネートの溶液は、固体含量55.0質量%を有する。
【0120】
製造例B4 部分シラン化ポリイソシアネートの製造(IIa100モル%を有するHDI:変換度c=30モル%)
還流冷却器及び温度計を備えた三頸ガラスフラスコ中に、トライマー化ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)(バスフ社のバソネートHI 100)57.3質量部及びソルベントナフサ88.0質量部を前もって装入させる。還流冷却、窒素被覆及び攪拌下に、ビス‐[3‐(トリメトキシシリル)プロピル]‐アミン(デグッサ社のダイナシラン(登録商標)1124)30.7質量部を、50〜60℃を越さないように添加する。供給の終了後に、滴定により調べられるイソシアネート‐質量割合が、理論的に計算される70モル%となるまで、反応温度を50〜60℃で保持する。
【0121】
部分シラン化ポリイソシアネートの溶液は、固体含量63.0質量%を有する。
【0122】
製造例B5 部分シラン化ポリイソシアネートの製造(IIIa100モル%を有するHDI:変換度c=70モル%)
還流冷却器及び温度計を備えた三頸ガラスフラスコ中に、トライマー化ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)(バスフ社のバソネートHI 100)57.3質量部及びソルベントナフサ88.0質量部を前もって装入させる。還流冷却、窒素被覆及び攪拌下に、N‐[3‐(トリメトキシシリル)プロピル]‐ブチルアミン(IIIa)(デグッサ社のダイナシラン(登録商標)1189)49.4質量部を、50〜60℃を越さないように添加する。供給の終了後に、滴定により調べられるイソシアネート‐質量割合が、理論的に計算される30モル%となるまで、反応温度を50〜60℃で保持する。
【0123】
部分シラン化ポリイソシアネートの溶液は、固体含量54.8質量%を有する。
【0124】
製造例B6 部分シラン化ポリイソシアネートの製造(IIIa70モル%及びIIa30モル%を有するHDI:変換度c=70モル%)
還流冷却器及び温度計を備えた三頸ガラスフラスコ中に、トライマー化ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)(バスフ社のバソネートHI 100)57.3質量部及びソルベントナフサ69.7質量部を前もって装入させる。還流冷却、窒素被覆及び攪拌下に、N‐[3‐(トリメトキシシリル)プロピル]‐ブチルアミン(IIIa)(デグッサ社のダイナシラン(登録商標)1189)34.6質量部及びビス‐[3‐(トリメトキシシリル)プロピル]‐アミン(IIa)(デグッサ社のダイナシラン(登録商標)1124)21.5質量部を含む混合物を、50〜60℃を越さないように添加する。供給の終了後に、滴定により調べられるイソシアネート‐質量割合が、理論的に計算される30モル%となるまで、反応温度を50〜60℃で保持する。
【0125】
部分シラン化ポリイソシアネートの溶液は、固体含量61.9質量%を有する。
【0126】
製造例B7 部分シラン化ポリイソシアネートの製造(IIIa30モル%及びIIa70モル%を有するHDI:変換度c=70モル%)
還流冷却器及び温度計を備えた三頸ガラスフラスコ中に、トライマー化ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)(バスフ社のバソネートHI 100)57.3質量部及びソルベントナフサ88.0質量部を前もって装入させる。還流冷却、窒素被覆及び攪拌下に、N‐[3‐(トリメトキシシリル)プロピル]‐ブチルアミン(IIIa)(デグッサ社のダイナシラン(登録商標)1189)14.8質量部及びビス‐[3‐(トリメトキシシリル)プロピル]‐アミン(IIa)(デグッサ社のダイナシラン(登録商標)1124)50.2質量部を含む混合物を、50〜60℃を越さないように添加する。供給の終了後に、滴定により調べられるイソシアネート‐質量割合が、理論的に計算される70モル%となるまで、反応温度を50〜60℃で保持する。
【0127】
部分シラン化ポリイソシアネートの溶液は、固体含量58.2質量%を有する。
【0128】
ポリアクリレートポリオールAの製造
モノマー供給口、重合開始剤供給口、温度計、油加熱器及び還流冷却器を備えた鋼釜中で、商慣習の芳香族溶剤混合物(ディーエイチシーソルベントヒェミー社(Fa. DHC Solvent Chemie GmbH)のソルベントナフサ(Solventnaphtha)(登録商標))29.08質量部を140℃に加熱する。次いで、ソルベントナフサ3.39質量部及びt‐ブチルペルオキシ‐2‐エチルヘキサノエート2.24質量部を含む混合物a1を、混合物a1の添加が6.75時間後に終了するような速度で攪拌下に添加する。混合物a1の添加開始15分間後に、スチレン4.97質量部、t‐ブチルアクリレート16.91質量部、2‐ヒドロキシプロピルメタクリレート19.89質量部、n‐ブチルメタクリレート7.45質量部及びアクリル酸0.58質量部を含む混合物a2を、混合物a2の添加が6時間後に終了するような速度で添加する。混合物a1の添加後に、反応混合物を更に2時間140℃に保ち、引き続いて100℃下に冷却させる。引き続き、反応混合物を、更に1‐メトキシプロピルアセテート‐2 3.70質量部、ブチルグリコールアセテート3.06質量部及びブチルアセテート6.36質量部を含む混合物a3で更に98/100に希釈する。
【0129】
得られるポリアクリレートポリオールAの溶液は、固体含量52.4%(1時間、130℃、循環空気炉)、粘度3.6dPas(ICI‐プレート‐コーン‐粘度計(ICI-Platte-Kegel-Viskosimeter)、23℃)ヒドロキシル価KOH155mg/g及び酸価KOH10〜13mg/gを有する。
【0130】
被覆剤の組成
被覆剤は、次のように組成された:
成分A(ポリオール)及び商慣習の添加剤及び触媒及び溶剤を含む成分1を、塗布直前に、成分B(変性化ポリイソシアネート)を含む成分2と合一させ、均一な混合物が生じるまで攪拌する。
【0131】
塗布は、空気圧2.5バールで3回の射出行程で行われる。その後に、被膜を室温で5分間暴気させ、引き続き140℃で22分間焼き付ける。
【0132】
表1に、本発明による全ての被覆剤B1〜B7を、成分の割合に関して示す。
【0133】
【表1】

【0134】
各々硬化させた被膜の貯蔵弾性率E’(200)及びE’(min)及びガラス転移温度Tgを、動的‐機械的‐熱的‐分析(=DMTA)で、振動数1Hz及び振幅率0.2%で、レオメトリックスサイエンティフィック社の装置DMTA Vを用いて、加熱率2K/分で測定する。DMTA測定は、層厚40μm±10μmの独立フィルムで実施する。このために、試験すべき被覆剤を、得られる被膜がそれに接着しない支持体に塗布する。好適な支持体の例として、ガラス、テフロン、ポリエチレンテレフタレート及びポリプロピレンが挙げられる。そうして得られる被膜を、DMTA測定を実施する前に、140℃の対象物温度で20分間硬化させ、硬化後に25℃で8日間貯蔵する。
【0135】
生じた被覆物の表面の引掻耐性を、クロックメーター(Crockmeter)‐試験(EN ISO 105-X12により、9umの研磨紙(3M 281Q wetordryTMproductionTM)の使用下に、10回の往復行程及び押付力9Nで、引き続いて、商慣習の光沢装置を用いて20°で残余光沢の測定下に)、及びハンマー試験(ハンマーで実施する、鋼綿(RAKSO(登録商標)00(微細)及び押付重量1kgでの10回又は100回の往復行程。引き続き、再び、商慣習の光沢装置を用いて20°で残余光沢を測定する)により、耐候性をCAM 180‐試験(DIN EN ISO 11341 Feb 98及びDIN EN ISO 4892-2 Nov 00により)によって検査した。結果を表2に挙げる。
【0136】
【表2】

【0137】
表2は、HDI‐イソシアヌレートと、成分IIa及び成分IIIaを含む各々1種の混合物(例B2、B3、B6及びB7)との反応から出発するイソシアヌレート付加体Bを含有する、本発明による被覆剤から製造される例B1〜B7の被覆物の特性を、HDI‐イソシアヌレート(次から短くHDI)、及び排他的に成分IIa(例B4)又はIIIa(例B1及びB5)との反応から出発するイソシアヌレート付加体Bを含有する被覆剤と比較して示す。
【0138】
全例B1〜B7で、本発明による低い後架橋結合度及び相応する良好な引掻耐性及び耐候性を有する被覆物が得られる。先ず、架橋結合全体でシラン架橋結合の割合が少なくなればなるほど、後架橋結合は一般により少なくなり、従って、後架橋結合指数(PCI)はより小さくなることを確認すべきである。即ち、シラン架橋結合の極めて少ない割合を有する例B1及びB2で(例B1で構造単位III100モル%、及び例B2で構造単位III70モル%の、一官能性シラン‐構造単位30モル%以上の割合の、HDIのイソシアネート基の変換度)、シラン架橋結合の高割合を有する例7(例7で、構造単位IIの二官能性シラン‐構造単位の70モル%以上の割合の、HDIのイソシアネート基の変換度)におけるよりも低い後架橋結合度を有する。しかし、同時に、シラン架橋結合の割合が減少すると共に、引掻耐性も減少し、従って、例B1及びB2とB7との比較によって同様に示されるように、極めて高い引掻耐性の達成のために、シラン架橋結合の比較的高い割合も所望される。
【0139】
HDIのイソシアネート基の変換度30モル%で、B1(構造単位IIIだけを含有する)は、B4(構造単位IIだけを含有する)に比べて、CAM 180試験における亀裂出現までの明らかにより長い時間を示す。相応して、HDIのイソシアネート基の変換度70モル%で、例B5(構造単位IIIだけを含有する)は、B7(構造単位II 70モル%を含有する)に比べて、CAM 180試験における亀裂出現までの明らかにより長い時間を示す。これに対して、引掻耐性は逆に反応する:HDIのイソシアネート基の変換度30モル%で、B1(構造単位IIIだけを含有する)は、B4(構造単位IIだけを含有する)に比べて、様々な引掻試験において明らかにより弱い引掻耐性を示す。相応して、HDIのイソシアネート基の変換度70モル%で、例B5(構造単位IIIだけを含有する)は、B7(構造単位II 70モル%を含有する)に比べて、様々な引掻試験において明らかにより弱い引掻耐性を示す。従って、構造IIの相対的割合は引掻耐性について、及び構造IIIの割合は耐候性についての原因となるので、2種のシロキサンアミンIIa又はIIIaの使用量の綿密な調整が、耐候時間と引掻耐性との間の微調整を可能にする。
【0140】
ここで、B1及びB4を、B2及びB3に比べて、イソシアネート官能基の変換度30モル%を有する群で例証する。B1は、耐候性で高い値を達成するが、引掻耐性は中庸である。B4は、良好な引掻耐性値を有するが、耐候性ではより弱い。2例のB2及びB3は、B1に比べてより良好な引掻耐性を有し、かつB4に比べてより良好な耐候時間を有する。
【0141】
同様のことが、イソシアネートの変換度70モル%の群で、B6及びB7に比べてB5に当てはまるが、ここでは、引掻耐性も耐候性も、シロキサン官能基の高い相対的割合によって更により強く影響される。B6及びB7の値の比較で容易に確認されるように、イソシアネート官能基の高い変換度では、構造IIIの相対的割合は、構造IIが引掻耐性に影響するよりも著しく強く耐候性に影響することが同様に明らかとなる。一般に、引掻耐性値は、イソシアネート基と化合物II及びIIIとの変換率と相関し、この際、極めて高い引掻耐性の達成のために、イソシアネート基のより高い変換率も必要である。
【0142】
比較例1〜7
例1〜7を繰り返したが、ここで、アミン遮断化の燐酸部分エステルをベースとする触媒の代わりに、触媒として、遮断化のパラトルオールスルホン酸を使用したという唯一の違いを有した。
【0143】
表3に、比較例の全被覆剤を成分の割合に関して挙げる:
【表3】

【0144】
【表4】

【0145】
本発明による例1〜7と比較例VB1〜VB7との比較は、例B1〜B7の本発明による被覆物は、最終硬化直後に、良好な引掻耐性を有するが、140℃で20分間の最終硬化後に、全て高い後架橋結合指数>2を有する相応する比較例VB1〜VB7の被覆物は、著しくより悪い引掻耐性を有することを示す。従って、殊に、低いシラン化度を有する比較例VB1〜VB4の被覆物は、OEMラッカー塗布の範囲で要求される良好な引掻耐性を達成するために、硬化に続いて更に熱的後処理をしなければならないが、このことは、極めて浪費となり、従って実際的ではない。この後処理を行なわず、少ない引掻耐性に基づく被覆物は、損傷の危険が生じるので、精々限定的にしか扱われない。生成した被覆物の補修のためにその境界線で必要な研磨可能性も、比較例の被覆物については、限定的にしか与えられない。
【0146】
本発明による、殊に例B3〜B7の被覆物は、シラン含量が増加すると共に、相応する比較例の被覆物よりも良好な光沢も示す。
【0147】
更に、こうしてB1〜B7又はVB1〜VB7により、シラン化度が上昇しかつ二官能性シラン(IIa)の割合が上昇すると共に、触媒の後架橋結合指数への影響はより大きくなる。イソシアネート基の変換度30モル%の低シラン化度では、本発明による例B1は、アミン遮断化燐酸部分エステルをベースとする高い有効性の触媒の使用下で、PCI1.1を示し、一方で、相応する比較例は、遮断化p‐トルオールスルホン酸をベースとする実際に有効性の悪い触媒の相応する量の使用下で、高すぎるPCI2.9を示す。この高すぎるPCIに基づき、比較例VB1の被膜は、既に前記した完全に不十分すぎる引掻耐性を示す。VB2、VB3を越えてVB7までの列で、シラン含量が増加すると共に、比較例の後架橋結合指数PCI、従って、後架橋結合は激しく上昇し、そうして、相応する本発明によるB7でのPCI=1.6の僅かしか上昇しない後架橋結合指数に比べて、比較例VB7でのイソシアネート基の変換度70モル%での高いシラン化度で、PCI=6.6の値に達する。しかし、後架橋結合は、熱処理の間の硬化よりも制御できずに進行し、かつ後架橋結合が行われた後に生成する被覆物の最終硬度は(全般的には)調整することが極めて更にもっと困難である。このことは、一般に、生成する被覆物の僅少な再現可能性に結びつく。しかし特に、高い〜極めて高い後架橋結合の比較例は、例えば、比較例VB6及びVB7におけるように、引張亀裂出現の極めて大きな危険を示し、従って、これは要求の多い自動車連続ラッカー塗布の範囲には不適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも1種のヒドロキシル基含有化合物(A)、
(b)遊離及び/又は遮断されたイソシアネート基を有する、少なくとも1種の化合物(B)、
(c)シラン基の架橋結合のための、少なくとも1種の触媒(D)
を含有する被覆剤
(この際、
(i)被覆剤の1種以上の成分は、加水分解可能なシラン基を含有し、かつ
(ii)被覆剤は、統計的に分配されたSi‐O‐Si網状構造の領域を有する被膜に最終硬化され得る)において、
被覆剤から得られる最終硬化被膜が、2よりも少ない後架橋結合指数(PCI)を有し、この際、
後架橋結合指数(PCI)は、200℃で測定される最終硬化被膜の貯蔵弾性率E’(200)対測定されるガラス転移温度Tgより上の温度で測定される最終硬化被覆物の貯蔵弾性率E’の最小値(min)からの商として定義され、
貯蔵弾性率E’(200)及びE’(min)及びガラス転移温度Tgは、層厚40μm±10μmの独立フィルムで、動的‐機械的‐熱的‐分析(=DMTA)で、1分間当たりの加熱率2K及び振動数1Hzで測定されていて、かつ
DMTA測定は、DMTA測定に先立ち、対象物温度140℃で20分間硬化されかつ硬化後に25℃で8日間貯蔵された層厚40μm±10μmの独立フィルムで実施されたことを特徴とする被覆剤。
【請求項2】
被覆剤から得られる最終硬化被膜は、後架橋結合指数(PCI)1.8以下、有利に1.7以下及び極めて特に有利に1.5以下を有する、請求項1に記載の被覆剤。
【請求項3】
触媒(D)は、燐を含有している、及び有利に燐及び窒素を含有している、請求項1又は2に記載の被覆剤。
【請求項4】
触媒(D)は、置換された燐酸モノエステル及び燐酸ジエステルの群から、有利に非環状の燐酸ジエステル及び環状の燐酸ジエステル、又は相応するアミン遮断化の燐酸エステルを含む群から選択される、請求項1から3までのいずれか1項に記載の被覆剤。
【請求項5】
触媒(D)は、三級アミンで遮断されている、請求項4に記載の被覆剤。
【請求項6】
触媒(D)は、アミン遮断化の燐酸エチルヘキシル部分エステル及びアミン遮断化の燐酸フェニル部分エステル、殊にアミン遮断化の燐酸ビス(エチルヘキシル)エステルの群から選択される、請求項4又は5に記載の被覆剤。
【請求項7】
被覆剤から得られる最終硬化被膜は、200℃で測定された貯蔵弾性率E’(200)4*10Paよりも少なく、有利に3*10Pa以下を有する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の被覆剤。
【請求項8】
被覆剤の1種以上の成分は、少なくとも部分的に、1種以上の、同じ又は異なる、式(I):
‐X‐Si‐R"3‐x (I)
[式中、
G=同じ又は異なる加水分解可能な基であり、殊に、G=アルコキシ基(OR’)であり、
X=有機基、殊に1〜20個の炭素原子を有する直鎖及び/又は分枝鎖のアルキレン基又はシクロアルキレン基であり、極めて特に有利にX=1〜4個の炭素原子を有するアルキレン基であり、
R"=アルキル、シクロアルキル、アリール、又はアルアルキルであり、この際、炭素鎖は非隣接の酸素基、硫黄基又はNRa基によって遮断されていてよく、ここで、Ra=アルキル、シクロアルキル、アリール又はアルアルキルであり、有利にR"=殊に1〜6個のC原子を有するアルキル基であり、
x=0〜2、有利に0〜1であり、特に有利にx=0である]
の構造単位を有する、請求項1から7までのいずれか1項に記載に被覆剤。
【請求項9】
被覆剤の1種以上の成分は、構造単位(II)及び(III)の総計に対して、少なくとも1種の式(II):
‐N(X‐SiR"x(OR’)3‐x)n(X’‐SiR"y(OR’)3‐y)m
(II)
[式中、
R’=水素、アルキル又はシクロアルキルであり、この際、炭素鎖は非隣接の酸素基、硫黄基又はNRa基で遮断されていてよく、ここで、Ra=アルキル、シクロアルキル、アリール又はアルアルキルであり、有利にR’=エチル及び/又はメチルであり、
X、X’=1〜20個の炭素原子を有する直鎖及び/又は分枝鎖のアルキレン又はシクロアルキレン基であり、有利にX、X’=1〜4個の炭素原子を有するアルキレン基であり、
R"=アルキル、シクロアルキル、アリール又はアルアルキルであり、この際、炭素鎖は非隣接の酸素基、硫黄基又はNRa基で遮断されていてよく、ここで、Ra=アルキル、シクロアルキル、アリール又はアルアルキルであり、有利にR"=殊に1〜6個のC原子を有するアルキル基であり、
n=0〜2であり、m=0〜2であり、m+n=2であり、かつx、y=0〜2である]の構造単位2.5〜97.5モル%
及び
構造単位(II)及び(III)の総計に対して、少なくとも1種の式(III):
‐Z‐(X‐SiR"x(OR’)3‐x) (III)
[式中、
Z=‐NH‐、‐NR‐、‐O‐であり、ここで、
R=アルキル、シクロアルキル、アリール又はアルアルキルであり、この際、炭素鎖は非隣接の酸素基、硫黄基又はNRa基で遮断されていてよく、ここで、Ra=アルキル、シクロアルキル、アリール又はアルアルキルであり、
x=0〜2であり、かつ
X、R’、R"は、式(II)で挙げた意味を有する]の構造単位2.5〜97.5モル%を有する、請求項1から8までのいずれか1項に記載の被覆剤。
【請求項10】
被覆剤の1種以上の成分は、各々構造単位(II)及び(III)の総計に対して、少なくとも1種の式(II)の構造単位5〜95モル%、殊に10〜90モル%、特に有利に20〜80モル%及び極めて特に有利に30〜70モル%、及び各々構造単位(II)及び(III)の総計に対して、少なくとも1種の式(III)の構造単位5〜95モル%殊に10〜90モル%、特に有利に20〜80モル%及び極めて特に有利に30〜70モル%を有する、請求項9に記載に被覆剤。
【請求項11】
構造要素(II)及び(III)は、各々、ヒドロキシル基及びイソシアネート基の割合及び構造要素(II)及び(III)の割合から生じる、被覆剤における架橋結合に決定的な官能基の合計に対して、2.5〜97.5モル%、有利に5〜95モル%、特に有利に10〜90モル%の割合で存在している、請求項9又は10に記載の被覆剤。
【請求項12】
ポリイソシアネート(B)は、構造単位(I)又は(II)又は(III)を有する、請求項8から11までのいずれか1項に記載の被覆剤。
【請求項13】
ポリイソシアネート(B)において、ポリイソシアネート基体中のイソシアネート基の2.5〜90モル%が構造単位(II)に、かつポリイソシアネート基体中のイソシアネート基の2.5〜90モル%が構造単位(III)に変換されている、及び/又はポリイソシアネート基体中で、構造単位(II)及び/又は(III)に変換されるイソシアネート基の全割合は5〜95モル%である、請求項12に記載の被覆剤。
【請求項14】
ポリイソシアネート基体は、1,6‐ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、及び4,4’‐メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート、前記のポリイソシアネートのビゥレット‐ダイマー及び/又は前記のポリイソシアネートのイソシアヌレート‐トライマーの群から選択される、請求項12又は13に記載の被覆剤。
【請求項15】
ポリオール(A)は、少なくとも1種のポリ(メタ)アクリレートポリオールを含有する、請求項1から14までのいずれか1項に記載の被覆剤。
【請求項16】
場合により予備被覆された支持体上に、着色ベースラッカー層を塗布し、次いで、請求項1から15までのいずれか1項に記載の被覆剤からなる層を塗布する、多段階の被覆法。
【請求項17】
着色ベースラッカー層の塗布後に、塗布されたベースラッカーを、先ず室温から80℃までの温度で乾燥させ、かつ請求項1から14までのいずれか1項に記載の被覆剤の塗布後に、30〜200℃の温度で、1分間から10時間までの時間で硬化させる、請求項16に記載の多段階の被覆法。
【請求項18】
自動車連続ラッカー塗布及び自動車補修ラッカー塗布のための、請求項1から15までのいずれか1項に記載の被覆剤のクリアラッカーとしての使用、又は請求項16又は17に記載の方法の適用。

【公表番号】特表2010−513617(P2010−513617A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541878(P2009−541878)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【国際出願番号】PCT/EP2007/011191
【国際公開番号】WO2008/074490
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(390008981)ビーエーエスエフ コーティングス アクチェンゲゼルシャフト (155)
【氏名又は名称原語表記】BASF Coatings AG
【住所又は居所原語表記】Glasuritstrasse 1, D−48165 Muenster,Germany
【Fターム(参考)】