説明

高い生体利用効率を有する脂溶性活性成分の新規な処方物

本発明は、薬理的に有効な脂溶性活性成分の処方物であって、前記脂溶性活性成分の生体利用効率の高い処方物に関し、また、それらの製造、並びに、栄養補助食品、食品、飼料、パーソナルケア製品および/または薬剤としての使用に関する。そのような処方物は、水中に/水で溶解、分散または希釈されたとき、200〜800nmの範囲の波長で、好ましくは250〜600nmの範囲の波長で、より好ましくは250〜500nmの範囲の波長で、より好ましくは370〜485nmの範囲の波長で、≧380の、好ましくは≧600の、最も好ましくは≧900の消光E1/1を有するものである。本発明の処方物の好ましい実施形態では、そのような処方物は、錠剤にプレスされたとき、≦30%の脂溶性活性成分の押出損失を示す。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、脂溶性活性成分の新規な処方物であって、前記脂溶性活性成分の生体利用効率の高い処方物に関し、また、それらの製造、並びに、栄養補助食品、食品、飼料、パーソナルケア製品および/または薬剤としての使用に関する。
【0002】
ヒトなどの動物が摂取しなければならない脂溶性活性成分の量を低減する、脂溶性活性成分の処方物であって、前記脂溶性活性成分に関して高い生体利用効率を有する処方物を提供するというニーズがある。
【0003】
このニーズは、脂溶性活性成分と保護コロイドからなる組成物であって、前記組成物が水中に/水で、溶解、分散または希釈されたとき、200〜800nmの範囲の波長で、好ましくは250〜600nmの範囲の波長で、より好ましくは250〜500nmの範囲の波長で、より好ましくは370〜485nmの範囲の波長で、≧380の、好ましくは≧600の、最も好ましくは≧900の消光E1/1を有することを特徴とする組成物を含む本発明の処方物によって満たされる。そのような組成物は、本発明との関連では、「カラーインテンシブ(colour−intensive)組成物」とも称する。
【0004】
本発明の処方物の好ましい実施形態では、処方物は、また、錠剤にプレスされたとき、≦30%の、好ましくは≦15%の、より好ましくは≦10%の、最も好ましくは≦5%の脂溶性活性成分の押出損失を示す。すなわち、これらの処方物の錠剤表面に存在する脂溶性活性成分の量は、処方物中の脂溶性活性成分の全重量を基準にして、≦30%であり、好ましくは≦15%であり、より好ましくは≦10%であり、最も好ましくは≦5%である。そのような錠剤の表面に存在する脂溶性活性成分は、その酸化が保護コロイドにより保護されないため、非常に不利である。
【0005】
押出損失は、
乳鉢を使用して処方物自体が破壊されないよう注意して錠剤を混合物へすり潰し、
プレスアウトされた脂溶性活性成分のみが溶解するよう、前記混合物を適当な溶媒(例えば、メチレンクロライドまたはペトロールエーテル)で処理し、
この溶液(溶媒+脂溶性活性成分)を別の溶媒(シクロヘキサンまたはイソプロパノール)で希釈し、そして
溶液の吸収を測定することにより溶媒中の脂溶性活性成分を定量分析し、そして
プレスアウトされた脂溶性活性成分の全重量のパーセントを算出する、
ことにより求められる。
【0006】
押出損失は、(薬剤)錠剤の在庫有効期間に関連するパラメータ、すなわち、(薬剤)錠剤中の脂溶性活性成分の安定性を示すパラメータである。押出損失が小さいほど、錠剤の在庫有効期間は長くなる。
【0007】
本発明の処方物のさらなる利点は、取り扱いやすいこと、内容物の均一性に優れること、および取り扱い中の微粉の生成が少ないことである。
【0008】
したがって、本発明は、また、高い生体利用効率を有する脂溶性活性成分の処方物を決定する方法であって、次の工程、
i)脂溶性活性成分および保護コロイドからなる組成物を含む処方物のサンプルを準備する工程と、
ii)前記処方物の水への分散体を調製する工程と、
iii)200〜800nmの範囲の波長で、水および前記溶液の消光係数E1/1を測定する工程と、
iv)前記溶液の消光係数E1/1から前記水のそれを差し引く工程と
を含む方法に関する。
【0009】
200〜800nmの範囲の波長における消光係数E1/1が≧380であれば、処方物は高い生体利用効率を有する。
【0010】
脂溶性成分は、ヒトまたは動物の体に対し一般に、薬理作用を有するか、または、健康上の利益を与えるものである。好ましくは、それらは、カロテノイドおよび脂溶性ビタミン(ビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンD、コエンザイムQ10、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸などのポリ不飽和脂肪酸およびこれらのトリグリセリドエステル)、並びに、これらのエステル、特にC1〜20カルボン酸とのエステル、などの生理学的に受容可能なこれらの誘導体、およびこれらの任意の混合物からなる群から選択される。
【0011】
カロテノイドの好ましい例は、β−カロテン、α−カロテン、アスタキサンチン、ルテイン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、8’−アポ−β−カロテナル、8’−アポ−β−カロテン酸のエチルエステルなどのエステル、カンタキサンチン、リコペン、クロセチン、α−またはβ−ゼアカロテンおよびシトラナキサンチン、並びに、これらのエステル、特にC1〜20のカルボン酸とのエステル、などの生理学的に受容可能なこれらの誘導体、およびこれらの任意の混合物である。
【0012】
より好ましくは、脂溶性活性成分は、β−カロテン、8’−アポ−β−カロテナル、ルテイン、ゼアキサンチン、リコペン、アスタキサンチン、カンタキサンチン、シトラナキサンチン、8’−アポ−β−カロテン酸エチルエステルおよびこれらの任意の混合物からなる群から選択される。
【0013】
特に好ましいカロテノイドは、β−カロテン、ルテイン、リコペン、アスタキサンチン、カンタキサンチンおよびゼアキサンチンであり、特にはβ−カロテン、ルテイン、リコペンおよびゼアキサンチンである。
【0014】
用語「β−カロテン」には、全てのシス異性体およびトランス異性体、並びに、可能な全てのシス−トランス異性体混合物が包含される。他のカロテノイドについても同様である。
【0015】
用語「ゼアキサンチン」には、天然R,R−ゼアキサンチンのほかに、S,S−ゼアキサンチン、メソ−ゼアキサンチンおよびこれらの混合物も包含される。ルテインについても同様である。
【0016】
脂溶性活性成分は、天然由来のもの、すなわち植物から分離/抽出、精製および/または濃縮されたものであってもよく、また、化学的および/または生物学的(発酵)経路により合成されたものであってもよい。
【0017】
脂溶性活性成分の処方物は、脂溶性活性成分および保護コロイドを含み、処方物を水中に/水で溶解、分散または希釈して、脂溶性活性成分の最終濃度を10ppmとしたとき、1cmのサンプル厚さで、200〜800nmの範囲内の光学濃度の極大波長またはショルダー波長において、≧0.15吸収単位の消光を示すものであるならば、いかなる処方物であってもよい。これは、水性分散体中の脂溶性活性成分の正式の消光係数E(1%、1cm)150と同等である。E1/1の測定については、実施例1において明確に記載されている。
【0018】
本発明の処方物中の脂溶性活性成分の量は、通常0.1〜90重量%、特には0.1〜80重量%および1〜50重量%である。それは、組成物の全重量を基準にして、1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%、より好ましくは5〜10重量%とすることが好ましい。
【0019】
保護コロイドとして可能なものには、(改質)植物ゴム(好ましくはアラビアゴム、アカシアゴム)、(架橋)ゼラチン(豚肉、牛肉、鶏肉、魚など、任意の由来からのもの)、(加工)デンプン、リグニンスルフォネート、糖、リンゴおよび柑橘類ペクチンなどのペクチン、甜菜ペクチン、アミド化ペクチンなどの改質ペクチン、マルトデキストリン、ルピン、並びに植物性タンパク質が包含される。本発明のいくつかの実施形態では、魚ゼラチンなどの冷水溶解性保護コロイドが好ましい。本発明との関連では「冷水溶解性」とは、保護コロイドおよび脂溶性活性成分の処方物が、10〜15℃の温度、好ましくは10℃の温度で完全に溶解して分散体になることを意味する。
【0020】
本発明の別の実施形態では、保護コロイドは、ゼラチン、加工デンプンおよびこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。それには、場合によりにより、デンプン、糖および/または植物油がさらに含まれてもよい。
【0021】
ゼラチンと糖の混合物を保護コロイドとして使用する場合、ゼラチンと糖の重量比は、20:1〜1:10、好ましくは2:1〜1:2の範囲とすることが好ましい。
【0022】
糖は、サッカロース、ラクトース、フルクトース、トレハロース、デキストリン、マルトデキストリン、黄色デキストリン、転化糖、パラチニット、ソルビトール、ポリデキストロース、水飴、グルコースシロップからなる群から選択することができる。グルコースシロップは、例えば、Roquette Freres(Lestrem、フランス(France))(Glucidex IT 47(登録商標))、National Starch&Chemical(Bridgewater、ニューヨーク(New York)、米国(USA))、Cerestar(Cargill、米国)、またはHaubourdin(フランス)から商業的に入手することができる。
【0023】
保護コロイドとして加工食品用デンプンと糖との混合物を使用する場合、加工食品用デンプンと糖の重量比は、500:1〜1:100、好ましくは20:1〜1:10、より好ましくは10:1〜1:10、よりいっそう好ましくは4:1〜1:2、最も好ましくは2:1〜1:2とすることが好ましい。
【0024】
保護コロイドが糖、ゼラチンおよび植物油の混合物の場合には、脂溶性活性成分と油の重量比は、1:100〜1:0、好ましくは1:10〜1:0、より好ましくは1:1〜1:0とすることが好ましい。
【0025】
植物油は、コーン油、大豆油、ピーナッツ油、サフラワー油、ヒマワリ油、オリーブ油、菜種油、中鎖トリグリセリド油、パーム油、パーム核油、綿実油およびココナッツ油からなる群から選択することができる。
【0026】
デンプンは、トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、タピオカデンプンおよびこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0027】
加工(食品用)デンプンの好ましい例として、OSA(オクテニル無水コハク酸)により加工されたデンプン、いわゆる「OSA加工デンプン」が挙げられる。そうした加工食品用デンプンは、National Starch&Chemical(Bridgewater、ニューヨーク、米国)(例えば、Capsul(登録商標)HS、Hi Cap 100(登録商標)、Hi Cap 200(登録商標)、Purity Gum 2000(登録商標)またはRoquette Freres(Lestrem、フランス)(例えば、LAB 2600(登録商標))などの会社から商業的に入手可能である。
【0028】
本発明の好ましい実施形態は、脂溶性活性成分がルテイン、リコペン、β−カロテンまたはゼアキサンチンであり、保護コロイドが加工食品用デンプンと糖との混合物である組成物である。特に好ましいのは、組成物の全重量を基準にして、0.1〜25重量%、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは2〜10重量%のルテイン、および/または、65〜75重量%の保護コロイド(特に、加工食品用デンプンと糖の重量比が5:1〜1:1、好ましくは3.5:1〜2.5:1のもの)、および/または、2〜5重量%の酸化防止剤を含むルテイン型である。リコペン型では、組成物の全重量を基準にして、5〜15(好ましくは10〜14)重量%のリコペン、および/または、55〜75重量%の保護コロイド(特に、加工食品用デンプンと糖の重量比が5:1〜20:1、好ましくは7:1〜18:1のもの)、および/または、2〜5重量%の酸化防止剤を含むものが特に好ましい。特に好ましいのは、組成物の全重量を基準にして、1〜30重量%、好ましくは5〜30重量%、より好ましくは15〜30重量%、最も好ましくは15〜25重量%のβ−カロテン、および/または、20〜75重量%、好ましくは30〜70重量%、より好ましくは50〜65重量%の保護コロイド(特に、加工食品用デンプンと糖の重量比が1:1〜100:1、好ましくは1:1〜70:1、より好ましくは1:1〜60:1のもの)、および/または、2〜5重量%の酸化防止剤を含むβ−カロテン型である。特に好ましいのは、組成物の全重量を基準にして、1〜20重量%、好ましくは1〜15重量%、より好ましくは2〜10重量%のゼアキサンチン、および/または、50〜90重量%、好ましくは60〜80重量%、より好ましくは65〜75重量%の保護コロイド(特に、加工食品用デンプンと糖の重量比が1:1〜5:1、好ましくは1.5:1〜3.5:1のもの)、および/または2〜5重量%の酸化防止剤を含むゼアキサンチン型である。これらの組成物は、特にトウモロコシデンプンをパウダーキャッチ剤として使用する下記の方法で製造されることがより好ましい。こうして得られる組成物が、組成物の全重量を基準にして10〜25重量%のトウモロコシデンプンを含んでいることが特に好ましい。
【0029】
調製法が次の工程を含む処方物が好ましい。
a)保護コロイドおよび脂溶性活性成分を準備する工程、
b)前記保護コロイドおよび前記活性成分の水性ナノエマルジョンを調製する工程であって、調製されたナノエマルジョンの内部相の粒子の平均粒子径が≦1000nmである工程、
c)ナノエマルジョンを粉体、好ましくは微小ビーズに転換させる工程。
【0030】
[工程b)]
ナノエマルジョンは、保護コロイドを水などの親水性溶媒中に準備し、脂溶性活性成分をそのまま、あるいは食品用油、クロロホルム、メチレンクロリド、エチルアセテート、プロピルアセテート、ヘキサン、ヘプタンおよび/またはこれらの混合物などの親油性溶媒に懸濁/溶解して加えることによって、調製することができる。あるいは、アルコール、アセトン、プロパノール、水、および/または、これらの混合物のような親油性溶媒を使用することができる。この場合、脂溶性(親油性)活性成分は、高温高圧で溶解/分散させなければならない。
【0031】
調製されたナノエマルジョンの内相の粒子の平均粒子径(ザウター径、D[3,2])は、レーザー回折による測定(例えば、英国(United Kingdom)、MalvernのMasterSizerを使用)で、10〜1000nmであることが好ましい。より好ましくは10〜500nmであり、最も好ましくは200〜300nmである。
【0032】
ナノエマルジョンの調製は、高圧ホモジナイザー、剪断ブレード攪拌機、または当業者に知られている他の適切な装置を使用して行うことが好ましい。
【0033】
[工程c)]
ナノエマルジョンから粉体への転換は、当業者に知られている任意の方法で実施することができ、それにはスプレードライ法、パウダーキャッチ法または(マイクロ)カプセル化法が挙げられる。パウダーキャッチ法、特に次の工程を含むものが好ましい。
好ましくは15〜80℃の温度を有するナノエマルジョンと、デンプン、特にトウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプンおよび/またはタピオカデンプン、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、並びに二酸化ケイ素からなる群から選択されるパウダーキャッチ剤と、高温空気、好ましくは40〜200℃、より好ましくは60〜120℃の温度の空気の流れとを、好ましくは別々の入り口から、低温空気、好ましくは0〜40℃、好ましくは5〜20℃の温度の空気の流動層の上に同時に噴霧する工程、
こうして生成された微小ビーズを流動層から回収する工程、
従来の乾燥機で微小ビーズをさらに乾燥させる工程。
【0034】
したがって本発明との関連においては、微小ビーズは、パウダーキャッチ剤の外層を有する粒子である。パウダーキャッチ剤がデンプンであるならば、場合により、二酸化ケイ素を使用してそれを流動化させてもよい。
【0035】
パウダーキャッチ法の好ましい一実施形態は次の通りである。
好ましくは15〜80℃の温度のナノエマルジョンと、デンプン(場合により、二酸化ケイ素により流動化される)、特にトウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプンおよび/またはタピオカデンプン、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、並びに二酸化ケイ素からなる群から選択されるパウダーキャッチ剤と、高温空気、好ましくは40〜200℃、より好ましくは60〜120℃の温度の空気の流れとを、好ましくは別々の入り口から、垂直噴霧塔の上部に供給する工程、
前記噴霧塔の下部に、低温空気、好ましくは0〜40℃、好ましくは5〜20℃の温度の空気の流れを供給して、保護コロイドのマトリックスに埋め込まれ、かつパウダーキャッチ剤で被覆された脂溶性活性成分を含有する粒子の流動層を形成する工程、
流動層から前記粒子を回収する工程、および
当業者に知られている任意の方法でそれらを乾燥させる工程。
【0036】
工程c)で使用する高温空気は、例えば水分含量3g/kg未満にまで除湿することが好ましい。
【0037】
別のパウダーキャッチ法が、国際公開第2004/062382号パンフレットの第2頁、第12行〜第3頁第35行、および国際公開第2004/062382号パンフレットの実施例に開示されている。それでは「マトリックス成分」が本発明の保護コロイドに対応する。
【0038】
パウダーキャッチ法で得られる「微小ビーズ」は、レーザー回折(例えば、英国(United Kingdom)、MalvernのMasterSizerを使用)により測定した値で、50〜1000μm、好ましくは80〜700μm、より好ましくは100〜500μm、最も好ましくは200〜400μmの平均粒子径(ザウター径、D[3,2])を有する。
【0039】
本発明の好ましい実施形態では、微小ビーズは、その全重量を基準にして、0.1〜90重量%、好ましくは0.1〜80重量%、より好ましくは1〜50重量%、よりいっそう好ましくは1〜30重量%、最も好ましくは1〜20重量%の脂溶性活性成分と、10〜90重量%、好ましくは20〜75重量%、より好ましくは30〜70重量%、よりいっそう好ましくは50〜65重量%の保護コロイドと、1〜60重量%、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは10〜35重量%、最も好ましくは15〜30重量%のパウダーキャッチ剤と、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%、最も好ましくは2〜5重量%の酸化防止剤とを含有する。
【0040】
したがって、本発明は、また、上記工程a)、b)およびc)により調製された処方物を含む、それらの工程によらずに調製された組成物と比較して、改善された生体利用効率を有する脂溶性活性成分の処方物に関し、また、上記工程a)、b)およびc)により処方物を調製することによって、処方物中の脂溶性成分の生体利用効率を改善する方法にも関する。
【0041】
本発明は、また、脂溶性活性成分の処方物であり、前記脂溶性活性成分に関して高い生体利用効率を有する処方物の製造方法であって、上記工程a)、b)およびc)を含む方法に関し、また、そのような方法によって得ることができる、または得られた、それ自体高い生体利用効率を有する脂溶性活性成分の処方物に関する。そのような処方物は、ナノ液滴/ナノ粒子の形態の脂溶性活性成分を含有する。そのような処方物を水に溶解すると、ナノ液滴/ナノ粒子が放出される。これらのナノ液滴/ナノ粒子の、その後生成されるエマルジョン内部相の平均粒子径(ザウター径、D[3,2])は、好ましくは10〜1000nmであり、より好ましくは10〜500nmであり、最も好ましくは200〜300nmである。
【0042】
本発明のさらに別の好ましい目的物は、脂溶性活性成分としてルテイン、リコペンおよび/またはβ−カロテンを含み、かつ、保護コロイドとして加工食品用デンプン(好ましいものは前述した通り)を含有する動物質フリーの処方物であって、前記処方物が水中に/水で、溶解、分散または希釈されたときの、200〜800nmの波長での消光E1/1が≧380(好ましい範囲は前述した通り)であり、かつ、錠剤にプレスされたときの脂溶性活性成分の押出損失が≦15%(好ましい範囲は前述した通り)であることを特徴とするものである。水中に/水で、溶解、分散または希釈されたときの処方物の高い色強度は、ルテイン、リコペンおよび/またはβ−カロテンの良好な放出に繋がり、したがって潜在的な高い生体利用効率に繋がる。押出損失が非常に小さいことにより、(薬剤)錠剤での優れた安定性が得られる。
【0043】
さらに、本発明は、本発明に係る処方物の、生体利用効率の高い前記脂溶性活性成分を含む栄養補助食品、食品、飼料、パーソナルケア製品または薬剤としての使用に関する。
【0044】
本発明の組成物は、脂溶性活性成分および保護コロイドの他にさらに、少なくとも1種の水溶性酸化防止剤および/または脂溶性酸化防止剤を含有することが好ましい。
【0045】
水溶性酸化防止剤としては、例えば、アスコルビン酸もしくはその塩、好ましくはアスコルビン酸ナトリウム、ヒドロキシチロソールおよびオレウロペインアグリコンなどの水溶性ポリフェノール、エピガロカテキンガレート(EGCG)、またはローズマリーもしくはオリーブの抽出物が挙げられる。
【0046】
脂溶性酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール、例えば、dl−α−トコフェロール(すなわち、合成トコフェロール)、d−α−トコフェロール(すなわち、天然トコフェロール)、β−もしくはγ−トコフェロール、またはこれら2種以上の混合物;ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT);ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA);エトキシキン、プロピルガレート;tert−ブチルヒドロキシキノリン;または6−エトキシ−1,2−ジヒドロキシ−2,2,4−トリメチルキノリン(EMQ)、あるいはアスコルビン酸脂肪酸エステル、好ましくはアスコルビン酸パルミチン酸エステルもしくはアスコルビン酸ステアリン酸エステルが挙げられる。
【0047】
本発明の処方物の特に好ましい実施形態では、それは、DL−α−トコフェロール、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、アスコルビン酸ナトリウム、エトキシキンおよびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の酸化防止剤を含有する。
【0048】
本発明の処方物は、さらにプレスして錠剤とすることができ、その際、単糖類、二糖類、オリゴ糖類および多糖類、グリセロール、並びにトリグリセリドからなる群から選択される1種以上の賦形剤および/または補助剤を添加してもよい。
【0049】
本発明の組成物中に配合可能な単糖類および二糖類の例としては、サッカロース、転化糖、キシロース、グルコース、フルクトース、ラクトース、マルトース、サッカロースおよび糖アルコールが挙げられる。
【0050】
オリゴ糖類および多糖類の例としては、デンプン、加工デンプンおよびデンプン加水分解物、例えば、デキストリンおよびマルトデキストリン、特にデキストロース当量(DE)が5〜65の範囲のもの、並びにグルコースシロップ、特にDEが20〜95の範囲のものが挙げられる。用語「デキストロース当量」(DE)は、加水分解の程度を意味し、D−グルコースとして計算される還元糖の乾燥基準の量の指標である。尺度は、DEが0に近い天然デンプンとDEが100であるグルコースに基づく。
【0051】
トリグリセリドは、植物性の油または脂質が適しており、好ましくはコーン油、ヒマワリ油、大豆油、サフラワー油、菜種油、ピーナッツ油、パーム油、パーム核油、綿実油、オリーブ油およびココナッツ油である。
【0052】
固体組成物は、さらに、ケイ酸またはリン酸三カルシウムなどのケーキング防止剤、および10重量%以下、一般には2〜5重量%の水を含有させてもよい。
【0053】
意外なことに、本発明の処方物が高い生体利用効率を有することがわかった。「高い生体利用効率」とは、本発明との関連では、経口投与されたヒトを含む動物の血漿中に見出される脂溶性活性成分の量が、実施例1に記載の方法で測定される極大波長またはショルダー波長での消光E1/1が≦380の処方物から、好ましくは、本発明のカラーインテンシブ処方物と同じ群からの保護コロイドを含む処方物から放出される脂溶性活性成分の量より、少なくとも2倍、好ましくは少なくとも3倍高いことを意味する。
【0054】
本発明との関連では、ヒトを含む動物とは、ヒトの他に、特に、羊、牛、馬、鶏(ブロイラーおよび卵の色素形成)、エビおよび魚(特に、サケおよびニジマス)などの飼育動物、さらには、猫、犬、鳥(例えばフラミンゴ)および魚などのペットを包含するものである。
【0055】
本発明の他の態様では、前記組成物を含有する食品、飲料、動物飼料、化粧品および薬剤組成物である。
【0056】
本発明の組成物を特に着色料または機能性成分として使用することができる飲料としては、フレーバーセルツァー炭酸水、ソフトドリンクまたはミネラルドリンクなどの炭酸飲料や、フレーバー水、フルーツジュース、フルーツパンチおよびこれらの飲料の濃縮物などの非炭酸飲料が挙げられる。それらは、天然のフルーツジュースもしくは野菜ジュース、または人工香料をベースとしてもよい。また、アルコール飲料やインスタント飲料粉末も挙げられる。さらに、砂糖入り飲料、ノンカロリー人工甘味料入りのダイエット飲料も挙げられる。
【0057】
さらに、天然または合成物から得られる乳製品も、本発明の組成物を特に着色料または機能性成分として使用することができる食品の範囲内である。そのような製品の代表的な例としては、ミルク飲料、アイスクリーム、チーズ、ヨーグルトなどが挙げられる。豆乳などのミルク代用飲料や豆腐製品もまたこの用途範囲に含まれる。
【0058】
本発明の組成物を着色料または機能性成分として含む、菓子製品、キャンディー、ガム、デザート、例えばアイスクリーム、ゼリー、プディング、インスタントプディング粉末などのスイーツもまた含まれる。
【0059】
本発明の組成物を着色料または機能性成分として含む、シリアル、スナック、クッキー、パスタ、スープおよびソース、マヨネーズ、サラダドレッシングなどもまた含まれる。さらに、乳製品およびシリアル用に使用されるフルーツ調製物もまた含まれる。
【0060】
本発明の組成物を介して食品に添加される(脂溶性)活性成分および/または着色料の最終濃度は、食品組成物の全重量を基準にして0.1〜500ppm、特には1〜50ppmとすることができるが、着色または栄養強化するその食品と、所望する着色または栄養強化の程度にも依存する。
【0061】
本発明の食品組成物は、(脂溶性)活性成分および/または着色料を、本発明の組成物の形態で食品に加えることによって得ることが好ましい。食品または薬剤の着色または栄養強化のためには、本発明の水分散可能な固体組成物の適用に関してそれ自体知られている方法によって、本発明の組成物を使用することができる。
【0062】
一般に、本組成物は、水性原液として、あるいは、特定の用途に応じた他の適切な食品成分との乾燥粉末混合物または予備混合物として加えることができる。混合は、最終用途の処方に応じて、例えば、乾式粉末ブレンド機、低剪断ミキサー、高圧ホモジナイザーまたは高剪断ミキサーを使用して行うことができる。容易に分かるように、そのような専門的なことは当業者の技量の範囲内である。
【0063】
本組成物が着色料として使用される錠剤またはカプセルなどの薬剤組成物もまた、本発明の範囲に含まれる。錠剤の着色は、本発明の組成物を、液体または固体の着色料組成物の形態で錠剤コーティング混合物に単独で加えることにより、あるいは、着色料組成物を錠剤コーティング混合物の成分の1つに加えることにより行うことができる。着色したハードまたはソフトシェルのカプセルは、カプセル本体の水溶液に着色料組成物を加えることにより調製することができる。
【0064】
本組成物が活性成分として使用されている、チュアブル錠、発泡錠もしくはフィルムコート錠などの錠剤、または、ハードシェルカプセルなどのカプセルなどの薬剤組成物もまた、本発明の範囲に含まれる。本発明の組成物は、通常、粉末で錠剤混合物に加えられるか、または、それ自体カプセルの製造で知られている方法によりカプセルに充填される。
【0065】
本組成物が、例えば、卵黄、テーブル鶏肉、ブロイラーまたは水産動物(特に、エビ、サケ、ニジマス)の色素形成のための着色料として、あるいは活性成分として使用されている、栄養成分予備混合物、複合飼料、ミルク代用物、流動食、または飼料調製物などの動物用飼料もまた、本発明の範囲に含まれる。
【0066】
本組成物が、着色料として、または活性成分として使用されている、化粧品、トイレタリー用品および皮膚製剤、すなわち、クリーム、ローション、浴用剤、リップスティック、シャンプー、コンディショナー、スプレーまたはジェルなどのスキンケア製品およびヘアケア製品もまた、本発明の範囲に含まれる。
【0067】
以下の実施例により本発明をさらに説明する。
【0068】
[実施例]
[実施例1]
十分な量の処方物を、50〜55℃の水浴中で超音波を使用して、水中に/水で分散、溶解および/または希釈する。得られた「溶液」を脂溶性活性成分の最終濃度が10ppmになるまで希釈し、水をリファランスとしてUV/VISスペクトルを測定する。得られたUV/VISスペクトルから、極大値またはショルダーをとる特定の波長における吸収、Amaxを求める。さらに、650nmの吸収、A650を求める。色強度E1/1は1%溶液かつ1cm厚さの吸収であり、次のように算出する。E1/1=(Amax−A650)希釈係数/(サンプル重量製品形態濃度(%))。
【0069】
[実施例2〜15]
所与の重量%(「wt.−%」)は処方物の全重量に基づく。「油」は植物油である。
【0070】
【表1】

【0071】
【表2】

【0072】
表に示す組成物は、DL−α−トコフェロール、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、アスコルビン酸ナトリウム、エトキシキンおよびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の酸化防止剤をさらに含有する。
【0073】
[比較例16〜18]
これらの処方物は上述の方法で調製したものではない。
【0074】
【表3】

【0075】
[実施例19:β−カロテンを使用した生体利用効率の試験−本発明の処方物と従来の処方物との生体利用効率の比較]
[一般的研究設計]
ベースラインの血清β−カロテンを測定するために、−7日目および0日目に血液サンプルを各ボランティアから採取した。2回目のベースライン血液サンプル(0日目)を採取後直ちに、その日のβ−カロテン補助食品(15mg)を各ボランティアに与えた。この後、ボランティアに朝食を与えた。0日目から14日目までの研究期間、各ボランティアは、β−カロテン摂取の後に朝食を採ることを繰り返した。さらに、2、4、7、10および14日目に血液サンプルを採取した。ベースラインの血清β−カロテン値からの変化を、異なる処方物の生体利用効率のデータの比較に使用した。曲線から下の領域を相対生体利用効率指標として使用し、所定の標準処方物(=より高い生体利用効率を有する処方物)に対する%で示す。
【0076】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂溶性活性成分および保護コロイドを含む、高い生体利用効率を有する脂溶性活性成分の処方物であって、
前記処方物が、水中に/水で、溶解、分散または希釈されたとき、200〜800nmの範囲の波長で、≧380の消光E1/1を有することを特徴とする処方物。
【請求項2】
前記処方物は、錠剤にプレスされたとき、≦30%の脂溶性活性成分の押出損失を示すことを特徴とする請求項1に記載の処方物。
【請求項3】
前記処方物の製造方法が、次の工程:
a)保護コロイドおよび脂溶性活性成分を準備する工程と、
b)前記保護コロイドおよび前記活性成分の水性ナノエマルジョンを調製する工程であって、前記調製されたナノエマルジョンの内部相の粒子の平均粒子径が≦1000nmである工程と、
c)前記ナノエマルジョンを粉体、好ましくは微小ビーズに転換させる工程と
を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の処方物。
【請求項4】
工程cが、パウダーキャッチ法により実施されることを特徴とする請求項3に記載の処方物。
【請求項5】
前記脂溶性活性成分が、カロテノイドおよび脂溶性ビタミン、並びに、生理学的に受容可能なこれらのエステルおよびこれらの任意の混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の処方物。
【請求項6】
前記脂溶性活性成分が、β−カロテン、8’−アポ−β−カロテナル、ルテイン、ゼアキサンチン、リコペン、アスタキサンチン、カンタキサンチン、シトラナキサンチン、8’−アポ−β−カロテン酸エチルエステルおよびこれらの任意の混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の処方物。
【請求項7】
前記処方物が、水中に/水で、溶解、分散または希釈されたとき、200〜800nmの範囲の波長で、≧600の消光E1/1を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の処方物。
【請求項8】
前記処方物が、水中に/水で、溶解、分散または希釈されたとき、250〜600nmの範囲の波長で、≧380の消光E1/1を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の処方物。
【請求項9】
前記処方物が、水中に/水で、溶解、分散または希釈されたとき、250〜600nmの範囲の波長で、≧600の消光E1/1を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の処方物。
【請求項10】
前記処方物が、水中に/水で、溶解、分散または希釈されたとき、370〜485nmの範囲の波長で、≧380、より好ましくは≧600、最も好ましくは≧900の消光E1/1を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の処方物。
【請求項11】
保護コロイドが、ゼラチン、デンプン、糖、植物油およびこれらの任意の混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の処方物。
【請求項12】
処方物の全重量を基準にして、0.1〜90重量%、好ましくは1〜80重量%、より好ましくは1〜50重量%、よりいっそう好ましくは1〜30重量%、最も好ましくは1〜20重量%の脂溶性活性成分と、10〜90重量%、好ましくは25〜75重量%、より好ましくは30〜70重量%の保護コロイドとを含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の処方物。
【請求項13】
処方物の全重量を基準にして、1〜60重量%、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは10〜35重量%、最も好ましくは15〜30重量%のパウダーキャッチ剤と、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%の酸化防止剤とをさらに含有することを特徴とする請求項12に記載の処方物。
【請求項14】
前記脂溶性活性成分がルテイン、リコペン、β−カロテンまたはゼアキサンチンであり、かつ、前記保護コロイドが加工食品用デンプンと糖との混合物であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の処方物。
【請求項15】
処方物の全重量を基準にして、0.1〜25重量%、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは2〜10重量%のルテイン、および/または、65〜75重量%の保護コロイド(特に、加工食品用デンプンと糖の重量比が1:1〜5:1、好ましくは2.5:1〜3.5:1のもの)、および/または、2〜5重量%の酸化防止剤、および/または、10〜25重量%のトウモロコシデンプンを含むことを特徴とする請求項14に記載の処方物。
【請求項16】
組成物の全重量を基準にして、5〜15(好ましくは10〜14)重量%のリコペン、および/または、55〜75重量%の保護コロイド(特に、加工食品用デンプンと糖の重量比が5:1〜20:1、好ましくは7:1〜18:1のもの)、および/または、2〜5重量%の酸化防止剤、および/または、10〜25重量%のトウモロコシデンプンを含むことを特徴とする請求項14に記載の処方物。
【請求項17】
組成物の全重量を基準にして、1〜30重量%、好ましくは5〜30重量%、より好ましくは15〜30重量%、最も好ましくは15〜25重量%のβ−カロテン、および/または、25〜75重量%、好ましくは30〜70重量%、より好ましくは50〜65重量%の保護コロイド(特に、加工食品用デンプンと糖の重量比が1:1〜100:1、好ましくは1:1〜70:1、より好ましくは1:1〜60:1のもの)、および/または、2〜5重量%の酸化防止剤、および/または、10〜25重量%のトウモロコシデンプンを含むことを特徴とする請求項14に記載の処方物。
【請求項18】
組成物の全重量を基準にして、1〜20(好ましくは1〜15)重量%のゼアキサンチン、および/または、50〜90重量%、好ましくは60〜80重量%、より好ましくは65〜75重量%の保護コロイド(特に、加工食品用デンプンと糖の重量比が1:1〜5:1、好ましくは1.5:1〜3.5:1のもの)、および/または、2〜5重量%の酸化防止剤、および/または、10〜25重量%のトウモロコシデンプンを含むことを特徴とする請求項14に記載の処方物。
【請求項19】
脂溶性活性成分としてルテイン、リコペンおよび/またはβ−カロテンを含み、かつ、保護コロイドとして加工食品用デンプンを含む動物質フリーの処方物であって、
前記処方物が、水中に/水で、溶解、分散または希釈されたときの、200〜800nmの波長での消光E1/1が≧380であり、かつ、錠剤にプレスされたときの脂溶性活性成分の押出損失が≦15%であることを特徴とする処方物。
【請求項20】
次の工程a)、b)およびc):
a)保護コロイドおよび脂溶性活性成分を準備する工程と、
b)前記保護コロイドおよび前記活性成分の水性ナノエマルジョンを調製する工程であって、前記調製されたナノエマルジョンの内部相の粒子の平均粒子径が≦1000nmである工程と、
c)前記ナノエマルジョンを粉体に、好ましくはパウダーキャッチ法により、転換させる工程と
により調製された処方物を含む、これらの工程によって調製されたものでない処方物と比較して、改善された生体利用効率を有する脂溶性活性成分の処方物。
【請求項21】
脂溶性活性成分の処方物で、前記脂溶性活性成分の生体利用効率の高い処方物の製造方法であって、次の工程:
a)保護コロイドおよび脂溶性活性成分を準備する工程と、
b)前記保護コロイドおよび前記活性成分の水性ナノエマルジョンを調製する工程であって、前記調製されたナノエマルジョンの内部相の粒子の平均粒子径が≦1000nmである工程と、
c)前記ナノエマルジョンを粉体に、好ましくはパウダーキャッチ法により、転換させる工程と
を含む方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法により得られる高い生体利用効率を有する脂溶性活性成分の処方物。
【請求項23】
請求項1〜20および22のいずれか一項に記載の処方物の、前記脂溶性活性成分の生体利用効率の高い栄養補助食品、食品、飼料、パーソナルケア製品、薬剤としての使用。
【請求項24】
処方物中の脂溶性成分の生体利用効率を改善する方法であって、その組成物の調製を、次の工程:
a)保護コロイドおよび脂溶性活性成分を準備する工程と、
b)前記保護コロイドおよび前記活性成分の水性ナノエマルジョンを調製する工程であって、前記調製されたナノエマルジョンの内部相の粒子の平均粒子径が≦1000nmである工程と、
c)前記ナノエマルジョンを粉体に、好ましくはパウダーキャッチ法により、転換させる工程と
により行う方法。

【公表番号】特表2009−512657(P2009−512657A)
【公表日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535975(P2008−535975)
【出願日】平成18年10月20日(2006.10.20)
【国際出願番号】PCT/EP2006/010120
【国際公開番号】WO2007/045488
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】